Title
閉塞性黄疸肝の虚血再灌流における高エネルギー燐酸化合
物の変動に関する実験的検討 胆管十二指腸瘻モデルを用い
た虚血前減黄効果について( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
今井, 直基
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1354号
Issue Date
2003-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14935
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 貞 今 井 直 基(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1354 号 平成15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当
閉塞性責痘肝の虚血再濯流における高エネルギー燐酎ヒ合物の変動に関する
実験的検討胆管十二指腸嬢モデルを用いた虚血前滅責効果について
(主査)教授 鹿 瀬 (副査)教授 森 田 啓 之 教授 森 脇 久 隆 論文内容の要旨 [背景] 閉塞性黄痘をきたした症例に対しては,本邦ではまずpercutaneoustranshepaticbiliarydrainage(PTBD) などの減黄術を施行したのちに根治術を施行することが一般的とされている。しかし欧米では,術前滅黄術は術 後の合併症や生存率に影響がなく,必要ないとされている0一方,肝門部胆管癌において肝切除をする場合には・ 出血量を減少させるためにPringle法が用いられる。その際,肝の虚血再潜流障害が生じ,術後に悪影響をきた す可能性があると考えられる。 [目的】 本研究の目的は,ラットを用いて術前減黄と肝虚血再潜流実験の可能な閉塞性黄痘肝モデルを作成し・常温虚 血再雇流実験をおこない,虚血前の滅黄が肝組織中の高エネルギー燐酸化合物の変動に与える影響を実験的に検 討した。 【方法】 5過齢のWistar系雄性ラットに,被膜を一部剥離した肺腺を有茎で左胸壁下に固着した。門脈体静脈短絡が 完成される4週間後に,外径1mm,内径0.5mmのシリコンチューブを用い,一部腹壁皮下を通して,胆管十二指 腸痍を作製し,チューブを血管用クリップで遮断し閉塞性黄痘とした。次の2群において肝虚血再潜流実験を施 行した。閉塞性黄痘群(以下OJ群とする):閉塞2週間後にチューブの遮断を解除し,直後に肝虚血再潜流実験を した群(n=6)。術前滅黄群(以下BD群とする):2週間後にチューブの速断を解除し,1週間の滅黄を行い,チュー ブの屈曲や破損,胆道感染や胆汁性腹膜炎などで滅黄が不良なものは除外し,総ビリルビンが1・Omg/dl以下と なったものに,肝虚血再潜流実験をした群(n=6)。常温肝虚血再潅流実験:ラットを開腹し,肝動脈と門脈をテー ピングした後に血流速断し,虚血時間は60分とした。虚血前,再港流直前および再濯流60分後に肝組織を凍結採 取した。両群とも胆管閉塞2週間後(以下2W後とする)およびBD群は胆管閉塞解除1週間後(以下RIW後とする)に 尾静脈より採血し,血清総ビリルビン(mg/dl),直接ビリルビン(mg/dl),AST(IU/1),ALT(IU/1),ALP(IU/1) を測定した。採取した肝組織から単位乾燥重量あたりの高エネルギー燐酸化合物であるATP(FLmOl/g D・W・ 1iver)を測定した。 【結果] (1)生化学的検査:肝虚血前では,総ビリルビンは,OJ群がBD群に対し有意に高かった。直接ビリルビン は,OJ群がBD群に対し有意に高かった。ASTは,OJ群がBD群に対し有意に高かった。ALTは,OJ群がBD群 に対し有意に高かった。ALPは,OJ群とBD群に有意差はなかった。(2)高エネルギー燐酸化合物:肝虚血再潜流時における肝組織中高エネルギー燐酸化合物であるATPは再潅 流60分後においてのみBD群がOJ群に比べ有意に高値を示した。 [考察] ラットを用いて新しい閉塞性黄痘肝モデルを作成し,閉塞を解除したものに常温虚血再潜流実験をおこない, 虚血前の滅黄が肝組織中の高エネルギー燐酸化合物の変動に与える影響を実験的に術前滅黄の必要性を検討した。