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肝硬変症における胃粘膜病変に関する研究 : 胃粘膜血流からのアプローチ

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Academic year: 2021

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69 あった.肝切除の術後には凝固線溶系の両者の低下し た状態で,線溶系の低下が血栓の形成に関与している と考えられるが,血栓が門脈2次分枝までの合流部や 分岐部に好発すること,また門脈圧の高い症例で起こ り易いことから,門脈血栓の形成に関しては門脈血流 の変化が大ぎな要因であると思われた.また脾摘例で は血小板の増加もその一因であると考えられた.  8.十二指腸乳頭部門のDNA ploidy patternに関 する研究     (消化器外科)       太田 岳洋  Flow cytometryを用いて乳頭部癌のDNA ploidy patternを検討した.対象症例77例中aneuploidは54 丁目70%),diploidは23例(30%)であった.症例を深 達度別に癌がOddi筋圧にとどまるA群, Oddi筋を越 えるが膵実質に達しないB群,膵実質に達するC群の 3群にわけ,各々の群別ploidy patternをみると ane“ploidは深達度が深くなるにつれ有意に増加して いた.組織学的諸因子とploidy patternとの関係をみ るとaneuploidはdiploidに比べly因子, v因子の陽 性率が有意に高く,またn因子の陽性率も高い傾向が みられた.深達度肝別にみるとB群においてはaneu− ploidはdiploidに比べn因子の陽性率が有意に高く v因子の陽性率も高い傾向がみられたがC群において は両老に差はなかった.予後とploidy patternとの関 係を見るとaneuploidはdiploidに比べ有意に予後不 良であった.深達度門別にみるとB群ではaneuploid はdiploidに比べ有意に予後不良であったが。群では 両老に差はみられなかった.  9.下部胆管癌のDNA ploidy patternに関する研 究     (消化器外科)       戸田 博之  Flow cytometryを用いて下部胆管癌の核DNA量 を測定し,DNA ploidy patternと組織学的因子,予後 との関係について検討した.その結果,下部胆管癌切 除例のDNA ploidy pattemはdiploidは61.1%, aneuploid 38.9%であった.まず,深達度の指標とし ての膵臓浸潤の有無と,ploidy patternとの関係をみ ると,膵臓浸潤陽性例ではaneuploidが増加する傾向 がみられた.ploidy patt6rnと組織学的因子陽性率と の関係をみると,aneuploidではn, ly, pn因子の陽性 率がdiploidより高い傾向がみられた.次に,相対非治 癒切除以上の全症例で,ploidy patternと累積生存率 との関係をみると,aneuploidが有意に予後不良で あった.膵臓浸潤の有無でploidy patternと累積生存 率との関係をみると,膵臓浸潤陽性例で,aneuploidが 有意に予後不良であった.  10.高齢者膵頭部癌の臨床病理学的検討     (消化器外科)       羽鳥  隆  高齢者膵頭部癌の臨床病理学的特徴から,高齢者に 対する拡大手術の適応について検討した.  対象・方法:1981年1月∼1990年12月置でに教室で 経験した膵頭部癌切除例201例で,70歳以上高齢者53 例,70歳未満148例の2群に分け,①術前合併症,②手 術成績,③組織学的進展様式,④遠隔成績について検 討を行った.  成績:①70歳以上は62%に術前合併症があり,特に 心,肺,腎機能低下をみた.②〔手術死亡,術後合併 症〕は70歳以上で(5%,43%),70歳未満で(4%, 33%),〔切除率,治癒切除率〕は70歳以上で(54%, 34%),70歳未満で(64%,49%)と差はなかった.③ 70歳以上も70歳未満と同様にrp, n, ly, v, ne陽性が 70%以上と高度進展を示した.④70歳以上の5生率 10%,治癒切除例で30%と70歳未満と差はなく,5年 以上長期生存が3例得られた.  結語:70歳以上高齢者といえども高度な組織学的進 展を特徴とする膵頭部癌においては,周術期管理を厳 重に行い拡大手術を施行すべきである.  11.内筒留置型穿刺針を用いた食道静脈瘤硬化療法 の臨床的研究     (消化器内科)       加藤  明  今回,静脈瘤硬化療法を確実に行うために,内筒に 細い留置チューブを用いた内筒留置型の穿刺針を開発 し,臨床応用を試みた.市販の住友ベークライト社製 硬化療法針を基にし,外回に17G針を装着し,内筒の 留置チューブは24G穿刺男用を用いた.硬化療法はプ リーノ・ンド法で行い,内視鏡はGIF−2T−10を使用した. 透視下で外筒が静脈瘤内に穿刺されたことを確認し, 内学をEC junction近くまで進めEOIを注入した.11 例中9例で,内筒を方向へ挿入し硬化療法が可能であ り,内筒が挿入された静脈瘤は,著明に狭小化した. 合併症は,胸痛,ヘモグロビン尿をそれぞれ2例認め たが,一過性であった.特に,術後の潰瘍形成を認め ず,術中の,嘔吐反射等による抜針もないため,頻回 に治療を要する,難治例に有用と考えられた.  12.肝硬変症における胃粘膜病変に関する研究一胃 粘膜血流からのアプローチー     (消化器内科)       千葉 素子  目的:肝硬変症における胃粘膜病変,特に胃潰瘍の 一507一

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70 成因について胃粘膜防御因子である粘膜血流を中心に 検討した.  対象:胃潰瘍症例10例,肝硬変症例15例,胃潰瘍合 併肝硬変(LC・GU)症例15例,慢性胃炎症例12例の計 52例である.  方法:胃粘膜血流は臓器反射スペクトル法により測 定し,胃粘膜血液量,粘膜内ヘモグロビン酸素飽和度 を指標とした.測定部位は胃前庭部大蛮および小蛮, 胃体中部小冊および大学り計4ヵ所とした.次に防御 因子の改善を目標に塩酸セトラキサートの直接散布に より血流の改善率を検討した.  結果:LC−GU群では対照群に比較し胃粘膜血流の 低下を認め,胃潰瘍発生には血流の低下による防御因 子の低下と攻撃因子の比較的高値の関与が考えられ, 塩酸セトラキサートは防御因子の改善に有効と考えら れた.  13.特発性炎症性腸疾患の免疫学的解析一町梢血中 リンパ球の且・2産生能について一     (消化器内科)       馬場 理加  目的:IBDの免疫学的異常を解析するために末梢 血中リンパ球(PBMN)のIL・2産生能を測定した.  対象・方法:健常人対照7例,UC 10例, CD 11例よ

りPBMNを分離し,培養しないもの,4日間したも

の,7日間したもの,の3群に分け,mitogenとして

PHAを添加し24時間培養しIL−2産生能をELISA

キットで測定した,  結果:①健常人,IBDともに培養期間が長いほど IL−2産生能は増加した.②活動期UCは,非活動期UC に比べ増加していた。③UCの同一症例の三時的検討 からも活動性とIL−2産生能の充進との関係が確かめ られた.④活動期CDのIL・2産生能は培養早期に健常 人に比し低下していた.  まとめ:UCとCDはIL−2産生能の観点より免疫学 的に異なる病態で,活動期CDのIL2産生能の低下は 培養により正常化するためリンパ球自体ではなく他の 要因が考えられた.  14.高周波超音波プローブ(20コ口z)による大腸壁 基本層構造および大腸小病変の検討     (消化器内科)       大原  昇  目的:経内視鏡的超音波プローブ(20MHz)による 大腸壁基本層構造および大腸小病変の描出能を内視鏡 超音波(7.5MHz)と比較検討した.  検討項目:実験的に大腸壁基本層構造を,臨床的に 腫瘍の厚み別描出能を検討した.  対象:実験対象は正常大腸壁5例,sm層にゼラチ ン5例,p搬層を剥離2例,臨床的には過形成性ポリー プ9例,腺腫27例,m癌16例, sm癌4例, pm癌4例 を対象とした.  結果:経内視鏡的超音波プローブ(20MHz)では大 腸壁は9層に分離され,第4層は粘膜筋板と思われた. 従来の内視鏡超音波では描出不能であった腫瘍の厚み 1mm以下の表面型腫瘍の描出は80%に可能であった.  まとめ:高周波超音波プローブ(20MHz)は粘膜筋 板の描出も可能となり,表面型早期大腸癌の深達度診 断に有用であった.

 15.再燃を繰り返すe抗体陽性B型慢性肝炎の

HBV DNA変異に関する研究

    (消化器内科)       安部 康二  B型慢性肝炎e抗体陽性例で急性増悪を繰り返す症 例のHBV DNA precore領域について塩基配列を検

索した.8例の患者血清より抽出したHBV DNAを

用い,PCR法にてprecore−core領域の増幅を行い,直 接塩基配列決定法と一部クローニングし塩基配列を決 定した.1,896番目の塩基がGからAに変異しストッ プコドンとなっているものを変異型,θのものを野性 型,両者の混在するものを混在型とし分類したところ, 変異型5例,混在型1例,野性型2例であった.野性

型を示した1例はDNA−P陰性のためHBV以外の関

与が疑われ,野性型を示した他の1例と変異型を示し

た1例はcore領域にアミノ酸変異を持つ特異な

HBVであった. e抗体陽性で再燃する肝炎ではpre二

core変異HBVがその原因として関与していること

が考えられた.  16.B型肝炎発症におけるHBV・Pre S領域の役割 に関する研究一クラス1分子との関連一     (消化器内科)       中村 哲夫  HBV・Pre S2ペプチドがB型肝炎発症に重要な役割 を果たす細胞障害性T細胞に認識される標的分子と なる可能性を検討することを目的としクラス1分子と Pre S2ペプチドの組合せが肝炎活動度と相関するかを 検討した.

 結果:Pre S2領域を血清学的HBVサブタイプ

adr, adw, aywの同領域のアミノ酸配列との類似性に 基づき3タイプ(adr, adw, aywタイプ)に分類した. 活動性肝炎の内,Pre S2領域がadrタイプである

HBVが感染した14例中12例はクラス1分子として

A24を有しPre S2領域がadw, aywタイプのHBVが 感染した7例中7例にA2がみられた.非活動性肝炎 一508一

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