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血液腫瘍細胞株における細胞死(necrosisとapoptosis)の細胞内Ca2+増加様式

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Academic year: 2021

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93 果,リンパ球サブセットの代表的マーカーである CD3,4,8,19の陽性率では末梢血と生検組織との間に 相関および有意差はみられなかった,一方,活性化(分 化)抗原マーカー(CDlla,45RO,69, HLA−DR)の陽 性率においては生検組織の方が有意に高値であった が,末梢血における陽性率との間に相関はみられな かった.このことは移植腎組織内の免疫応答が必ずし も末梢血に反映していないことを示唆していると思わ れた.臨床的に有用性に関しては引き続き検討する予 定である.  4.異種心臓移植における自然抗体除去に対する安 定化ヘモグロビン溶液を用いた全血置換の効果    (第三外科)     劉  輝・寺岡 慧・         早坂勇太郎・阿岸鉄三・太田和夫  今回われわれは安定化ヘモグロビン(PHP)溶液を 置換液として用い,全血液交換後に心臓移植を行い, 移植心の拍動時間,異種抗体価などの変化を検索し, 若干の知見を得たので報告する.  体重250∼280gのLewis/seaラットをrecipientと し,200∼250gのHartley系モルモットをdonorとし て用いた.まず,常温下で血液ポンプを用いて,PHP 溶液を置換法として,recipientの全血液交換を行い, その後,24時間以内にOno−Lindseyの方法に準じて donorの心臓をrecipientの腹腔内に移植した.血液置 換前後の血中IgG, IgAとIgMの変化,心拍動時間, さらに,抗モルモットリンパ球毒性抗体および抗モル モット赤血球溶血抗体を測定した.移植後心拍動時間 は,無処置群(血液置換なし,n=6)では15分前後で あったのに対して,血液置換群(n圭6)では平均400分 と有意の延長が得られた.IgG, IgAとIgMレベルは 血液置換後,初期値の10%以下へ減少を示した.さら にリンパ球毒性抗体および赤血球溶血抗体は,血液置 換後に消失した.  異種移植後に発現する超急性拒絶反応の抑制には術 前異種抗体除去が有効であると判断された.  5.端野が生体免疫反応に及ぼす影響    (東洋医学研究所)  吉川 信・代田文彦  〔目的〕灸刺激が人の免疫能に及ぼす影響について 検討する.  〔方法〕研究対象:健康な成人5名(28歳から72歳 まで,平均49.4歳).施灸部位:中野・足の三里(各5 壮ずつ).検査項目:IL−2産生能試験, IL2 receptor培

養,OKT4,0KT8,0KT4/OKT8, NK細胞活性.研

究期間:18週間.  〔結果〕IL2産生能試験, OKT4/OKT8, NK細胞活 性で施灸に由来すると思われる変化がみられたが,一 定の傾向はみられなかった.  〔結論〕パラメーター等の再検討をし,鍼灸治療が 健康維持にどれだけ関与するものなのか,今後も検討 して行きたい.

 6.EBウイルスの眼感染実験

   (第二病院眼科)   ・宮尾洋子・出海陽子・        亀井裕子・宮永嘉隆    (日本医科大学微生物免疫学)       高橋めぐみ・渡理英二  我々はすでにEpstein−Barrウイルス(EBV)を白色 ウサギ眼硝子体注入することによりVCA, EAに対す る抗体が上昇し免疫学的一次応答,二次応答が惹起さ れること,注入されたEBVは少なくとも3日目まで 眼局所にとどまっており,EBV注入眼を24時間後に摘 出しても,抗体上昇することを確認し,報告している.  今回はEBV 1回注入,2回注入による炎症の比較, 中和抗体の形成,ウエスタンプロット法による特異蛋 白の確認,末梢血単球へのEBV感染の検討を行った. その結果,炎症比較実験では1度感作をうけ’たウサギ への再注入で初回注入ウサギの約2倍の前房フレアー 値を示した.またVCA抗体の上昇した血清で中和抗 体が確認された.またウエスタンプロット法により, EA抗体の高い血清で特異蛋白が確認された. in vitro でのウサギ末梢血単球への感染実験ではEBVの取り 込みはみられなかった.これらの結果より,ウサギ眼

へのEBV注置によりVCA抗体, EA抗体などEBV

特異蛋白が形成されるが,末梢血のリンパ球に感染す るという結果は得られず,ウサギへの感染の証明が今 後の課題である.  7.血液腫瘍細胞株における細胞死(necrosisと apoptosis)の細胞内Ca2+増加様式    (第二生理)     押味蓉子・宮崎俊一  細胞死には細胞膜の損傷破壊などに起因するne−

crosisとDNAの断片化を伴うapoptosisがある.血

液腫瘍細胞においてnecrosisは抗体と補体で誘導で

きapoptosisはFas抗原をもつ細胞に抗Fas抗体添

加で誘導できる.我々はCa画像解析装置を用いこれ らの細胞死の過程における細胞内Ca増加様式を単一 細胞で明らかにした.Necrosisに至る細胞は一過性の

高いCa2+上昇(1∼3μM)を示し数分後Ca指示薬

fura・2の細胞外への流出で測定不能となった. Apoptosisでは最初顕著なCa2+上昇は見られないが 一1537一

(2)

94 1∼2時間前後より小さなCa2+増加(0.1∼0.7μM) と特有な形態変化,核断片化を示した.またnatural killer(NK)細胞の標的細胞傷害においてNK細胞は

K562にnecrosisをMOLT−4にapoptosisという異

なった細胞壁を誘導し,そのCa2+増加には抗Fas抗 体添加とは違う様式も見せた.  以上,細胞死にはCa2+増加様式や時間経過に差異が あり,細胞死のCa画像解析は細胞傷害の機序をより 明確なものにした.  8.B細胞におけるスーパー抗原    (膠原病リウマチ痛風センター) 箱田雅之・         林本さくら・鎌谷直之・柏崎禎夫

 ヒト末梢血B細胞をEBウイルスを用いてクロー

ニングし,培養上清中に産生されたmonoclonalな IgMの反応性を種々の細菌抗原について検討したと ころ,約30%の抗体がプロテインA(SPA)に結合し た.B細胞クローンよりRNAを抽出し, RT−PCR法 によって発現しているイムノグロブリンVH family を解析したところ,SPA結合IgMを産生する17個の クローンすべてでVH3が使用されていた.一方, SPA に結合しないIgMを産生するクローンでは,15個中 VH3を発現しているものはなかった. SPA結合IgM には,高親和性のものと低親和性のものがみられた.

高親和性IgM産生クローン4個,低親和性IgM産生

クローン3個より得られたPCR産物のdirect

sequenceを行ったところ, framework(FR)3のア ミノ酸配列に親和性によって異なる配列がみられ,

FR3がSPA結合部位と考えられた.このようなSPA

とIgMとの結合はスーパー抗原とTCR Vβとの相互 作用に類似している.  9.rers1η1∂ρseσdoωbercα’oslsからの新しいスー パー抗原の精製と解析一エルシニア感染症,川崎病, 泉熱の発症機序との関連性について一    (微生物学・免疫学)       内山竹彦・三好一片山 徹・加藤秀人・         藤巻わかえ・今西健一・厳 小傑  rヵsθ厩。’幼676π10sゴs(エルシニア)感染症の臨床症 状は多彩であり,TSSや狸紅熱と高い類似性が見られ る.この2疾患の原因外毒:素(TSST−1, SE, SPE)は スーパー抗原という概念で分類され,MHCクラスII

に結合し,TCRに特定のVβを表現するT細胞を一

括して大量に活性化する.我々は臨床症状の類似性か ら,エルシニア感染もスーパー抗原活性をもつ外毒素 によると想定し,}乙ρSθ雇0励6γ0蜘爵びこついてその 検索を試み,21kDaのスーパー抗原活性をもつ分子 (}こρε6π40伽加κ勿♂03凱∫一derived mitogen:YPM)の精 製に成功した.YPMはHLA DR, DQ, DPに結合し, Vβ3,Vβ9, Vβ13.1, Vβ13.2陽性ヒトT細胞を活性化 する.

 10.インスりン自己免疫症候群のHLA・DR4サブ

タイプ    (糖尿病センター)  内潟安子・大森安恵  〔目的〕27名の日本人インスリン自己免疫症候群 (IAS)患者がすべてHLA−DRB1*0406/DQA1*0301/ DQB1*0302を持つことを昨年我々は発表した.今回, 日本人IAS症例数を37名に増やし,さらに韓国人IAS 2名,台湾人IAS 1名も加えて, DR4のサブタイプを 再度検討した,  〔方法〕DRB1, DQA1, DQB1遺伝子をPCR・SSO法, PCR−SSCP,さらに直接塩基配列決定にて確認した.  〔結果〕日本人IAS37名のうち, DRB1*0406/DQA1* 0301/DQB1*0302は34名, DRBI*0403/DQA1*0301/ DQB1*0302は2名, DRB1*0407/DQA1*0301/DQB1* 0302は1名であった.また韓国人2名,台湾人1名の IASはともに, DRB1*0406/DQA1*0301/DQB1*0302 であった.  〔考察〕一般日本人のDRB1*0406はDRB1*0403, DRB1*0407に比べ頻度が高いため,日本人IAS患者 でDRB1*0406の高い頻度が得られたのであろう.本研 究結果より,IASと強く相関する部位としてDRB1* 0406,DRB1*0403, DRB1*0407に共通なDRB1鎖の 70−75番アミノ酸部位をコードする遺伝子部位か, DQA1*0301, DQB1*0302遺伝子が示唆される.  11.ベーチェット病患者ロ腔粘膜のγ置細胞につ いて    (第二病理眼科)          徳田和央・長谷英樹・永富絵美・          原 里佳・氏原 弘・宮永嘉隆  ベーチェット病4例を1年間定期的に観察し,次の 結果を得た.  末梢血リンパ球サブセットでは,CD4/CD8比に著名 な逆転は見られなかった.CD45RO細胞は正常範囲で あった.KTH・1whole cellによるリンパ球幼若化試験 は症例1の1回,症例4の1回以外は陰性であった. γδT細胞は症例2で常に,症例4で休止期に軽度上昇 を示した.下唇粘膜のリンパ球サブセットでは,CD3が ベーチエット病に有意に多く認められた.γδT細胞は 正常粘膜では陰性,2例の口腔アフタでもわずかに認 一1538一

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