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摺動性付与新規シールリングについて

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Academic year: 2022

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摺動性付与新規シールリングについて

(株) 川金コアテック 正会員 ○但住俊明、鵜野禎史 非会員 菱山知幸、幸田真基夫

1. はじめに

密閉ゴム支承板支承(BP・B 支承)は、上沓、中 間プレート(PTFE 板)、ゴムプレート、下沓から構 成され、鉛直方向の荷重、水平方向の変位、回転変 位に対応することができる支承である。図-1にBP・

B沓の概要を示す。BP支承において、これまでにシ ールリングの破断事例が多数報告されている。シー ルリングの破断の要因として、水平方向の変位時、

シールリングと上沓ステンレス板との摩擦によりシ ールリングに変形(捻じれ)が生じ、それによりシ ールリングに引張りが生じて破断することが考えら れる。まず、現行シールリングの破断要因について 実験により確認を実施した。

2. 現行シールリングの破断要因について

表-1の試験条件で、現行シールリングの評価を行 い、変形(捻じれ)の有無について確認を行った。

試験体のすべり面には、それぞれSUS316(上沓下側)、

ポリアミド(中間プレート上側)を使用している。

試験の結果、上沓の移動に伴い、現行シールリング が変形(捻じれ)し、下沓から逸脱することが確認 された(表-2)。さらに試験を継続したところ、最 終的に破断に至ることが確認された。破断箇所は、

ゴムチューブ両端部の接着面であった(シールリン

グは、ゴムチューブを輪にした状態で両端部を接着 剤にて固定してある)。

3. SUS 板との摩擦低減を目的とした摺動性シール リング

表-2の結果を踏まえ、今回、破断要因と思われる 捻じれを解消(摩擦の低減)した摺動性付与シール リング(以下、摺動性シールリング)について提案 する。現行シールリングの破断要因は、変形(捻じ れ)、すなわちステンレス板とシールリング(ゴムチ ューブ)の摩擦であることが確認されたことから、

現行シールリングを PTFE 繊維で覆うことにより上 沓とシールリング間に生じる摩擦の低減を図った。

また、摺動性シールリングは、基本的に既設 BP・B 沓の、破断または劣化したシールリングとの交換を 想定している。そのため、図-3に示したように、PTFE 繊維、結束バンド(SUSバンド)、および現行シール リング(ゴムチューブ)を組み合わせた状態となっ ている。

試験開始前 試験中(0.01Hz×11cycle)

評価:変形有り(捻じれ)、下沓から逸脱、後に破断 試

験 条 件

鉛直荷重:567.1kN 試験変位量:±100mm 加振周波数と回数:

0.01Hz(max6.3mm/sec)×11cycle

⇒0.5Hz(max314mm/sec)×50cycle

変位量-100mm時

図-1 BP・B 沓(左)および分解図(右)

表-1 試験条件

表-2 現行シールリング摺動試験結果

キーワード BP・B支承、 シールリング、 交換

連絡先 〒307-0017 茨城県結城市若宮8-43 (株)川金コアテック 技術研究所 TEL0296-21-2202 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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また、摺動性シールリングは、基本的に既設BP・

B 沓の、破断または劣化したシールリングとの交換 を想定している。そのため、図-3に示したように、

PTFE繊維、結束バンド(SUSバンド)、および現行 シールリング(ゴムチューブ)を組み合わせた状態 となっている。結束バンドの両端部を繋ぎ合わせ、

締め込むことで、上下沓の隙間にシールリングを固 定することが可能となっている。これにより、シー ルリングを交換するために、既設支承をジャッキア ップする必要が無く、掛かる工数も削減できると思 われる。

4. 試験結果

摺動試験における摺動性シールリングの結果を示 す。現行シールリングが上沓の移動に伴い、変形し、

最終的に破断に至ったのに対して、摺動性シールリ ングでは、摺動性を付与させたことによりシールリ ングのねじれ現象が抑えられた結果、耐久性が向上 することが確認された(表-3)。

試験開始前 試験中(0.01Hz×11cycle)

評価:変形無し(形状を保持)

5. 摺動性シールリング固定後の内側への水の浸入 について

支承の現場供用時、湿気や雨などの影響により摺 動性シールリングが水分にさらされることが予想さ

れる。そこで、摺動性シールリングへの外部からの 水の流入状態について確認を行った。試験は、摺動 性シールリング(表-4 茶色点線)を板状のもので 挟み、実際の沓に掛かる面圧により圧縮変形する分 の変位を摺動性シールリングに与え、圧縮する。そ の後、圧縮された、摺動性シールリングに向けて側 面から放水する。水の流入を目視により確認するた め摺動性シールリングの内側に半紙(表-4 白丸)

を敷いた。放水前後の水の流入状況を確認した結果、

シールリングの内側への水の流入は見られなかった。

PTFE繊維については、全体が水を含んだ状態であっ た。

時間 耐水試験 0hr

(試験開始)

216hr後

(9日目)

6. まとめ

○摺動性シールリングは、PTFE繊維により上沓ステ ンレス板との摩擦が低減されたことで、変形(捻 じれ)が解消され、耐久性が向上した。

○既設BP支承において、摺動性シールリングはリン グのみでの交換が可能な構造であることが確認さ れた。

○摺動性シールリング内側への水の流入が無いこと が確認された。

以上のことから、摺動性シールリングは有効であ ることが確認された。

SUSバンド

PTFE繊維

図-3 摺動性シールリング ゴムチューブ

表-3 摺動性シールリング摺動試験結果

変位量-100mm時

表-4 試験結果

水 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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参照

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