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非接触振動計測を用いた実橋梁の健全度診断に関する研究 長崎大学

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Academic year: 2022

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(1)I‑019. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 非接触振動計測を用いた実橋梁の健全度診断に関する研究 長崎大学. 学生会員. 長崎大学. 正会員. 長崎大学大学院. 1.. ○池田 松田. 学生会員. 遼介. 浩 永山. 序論. 隼. 3.. 九州大学. 正会員. 佐川康貴. 長崎大学. 正会員. 牧野. 長崎大学. 学生会員. 徳永. 高平 裕二. 解析モデル概要. 社会資本である土木構造物の多くは,高度経済成長期. 対象橋梁の解析モデルを図 3 に示す.今回は上部工の. に建設されており,今現在供用開始後 40 年以上を経過す. みを梁要素でモデル化した.使用した材料特性を表 1 に. るものが増加している.また,橋梁も同様に今後供用開. 示す.固有振動数解析においては,境界条件の与える影. 始後 40〜60 年経過し老朽化するものが急増する.. 響は大きいことが知られている.そこで境界条件を,表 2. 構造物は,疲労や環境要因による顕著な材料劣化,地. に示す 5 パターンで解析を行い,計測値に近い値を示す. 震による損傷などにより,構造物の剛性が低下し,揺れ. 境界条件を検討した.同表に解析結果を示す.各境界の. の増大や固有振動数の変化を引き起こす.また,橋梁に. 拘束条件を表 3 に示す.. おいては破損や老朽化による境界条件の変化による振動 モードの変化が生じるということが考えられる.このよ うに構造物の振動特性を把握することは,変状発生の有 無の推定方法の一つとして用いられている.. P1. しかし,従来の加速度計などを用いた振動計測は,ク. A1. レーンや足場を組まなければ計測不能な箇所が発生して. A2. いた.そこで本研究では,長距離・非接触での計測が可 能なものとして開発されたレーザドップラ速度計(以下,. ●. ●. ●. ●. ●. ●. ●. ●. LDV と略称,写真 1)を用いて計測を行った. 本計測では LDV により速度計測を行い,そこから構造 物の固有振動数の分析,振動モードの推定を行った.ま. 図 2 平面図. ● 計測点. た,計測から得られた固有振動数と振動モードを指標と して,実橋梁に対して再現性を有する解析モデルの構築. 2.. P1. A1. について検討した. 対象橋梁概要. A2. 対象橋梁は,2 径間 PC 連続中空床版橋,橋長 36.0m(最 大支間長 17.6m)である.橋梁の平面図を図 2 示す.また,. 全体. 本橋梁は主桁下面と橋脚にアルカリシリカ反応に起因す ると考えられる多数のひび割れが生じている. 橋梁の固有振動数および,全体の振動モードの推定を 目的として,図 2 に示す 8 点を計測した.計測は橋梁下. 標準断面. 部より,床版下面にレーザを照射し行った.. 図 3 解析モデル. 表 1 材料特性 主桁 地覆 舗装. 写真 1 レーザドップラ速度計. ‑37‑. ヤング率(N/㎜2) ポアソン比 圧縮強度(N/mm2) 30 2.91×104 4 0.2 2.58×10 23 2.20×104.

(2) I‑019. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 振動モード推定. 4.. 表 4 結果比較. 解析的に構造物の振動特性を把握するため,計測値と 解析値を比較し,解析モデルが実際の振動特性をシミュ. 1次. レートできているかの確認を行う.比較する際の指標と. 2次. して,固有振動数と振動モードを用いた.なお,計測に. 境界条件 ① ④ ① ④. 解析値(Hz) 2.62 4.79 4.56 6.65. 計測値(Hz) 4.89 7.18. 誤差(%) 46.34 2.00 36.43 7.38. おいては 2 台の LDV を同期させて計測を行い,各計測点 の振幅スペクトル比と位相差から振動モードを算出した. 計測値と解析値の比較. 5.. A2. A1. 今回,解析を行うにあたり,解析モデルの境界条件が. P1. 解析結果に与える影響について検討を行った.境界条件 の組み合わせ,および解析結果を表 2 に示す.また,表 4 に境界条件①と④における解析結果と計測結果を示す.. 1 次モード. 一般的な設計条件である①では,得られた固有振動数は 計測値と比較して 1 次,2 次それぞれ 30%以上小さな値 を示した.A1,A2 を固定支点,P1 を回転支点とした境 界条件④では,その差は数%程度と小さくなっている. 次に,振動モードの比較について述べる.図 4 に計測値. A1. による振動推定モード,図 5 に解析モデルによる振動モ. P1. A2. ードを示す.ここで図 5 は 3 点すべてを固定支点とした 境界条件⑤を除く解析モデルにおいて得られた振動モー. 2 次モード. ドである.両者の結果から,計測と解析により得られた. 図 4 計測値による振動推定モード. 振動モードは非常に類似した形状を示していることが確. 図. 認できる. 結論. 6.. A1. 本研究では, 実橋梁の振動モードを把握することを目的. P1. として解析的検討を行った.設計条件をもとに行った解 1 次モード. 析では,振動モードに関しては計測値と同様の結果を得. A2. たものの,固有振動数に関しては計測値に対して大きな. A1. 誤差が生じた.そこで,解析モデルの境界条件について 検討を行った.結果については前述のとおりである.こ. P1. の結果から,本橋梁支承部の境界条件は設計条件と比較 して高い拘束状態にあることが推測される.. 2 次モード. 表 2 解析結果. ① ② ③ ④ ⑤. A1 可動支点 回転支点 固定支点 固定支点 固定支点. 境界条件 P1 可動支点 可動支点 可動支点 回転支点 固定支点. A2 回転支点 回転支点 固定支点 固定支点 固定支点. A2. 図 5 解析モデルによる振動モード. 固有振動数(Hz) 1次 2次 2.62 4.56 2.62 4.56 4.79 6.65 4.79 6.65 5.93 7.30. 図 【参考文献】 1) 上半文昭,構造物の振動を非接触で測る,2007. 2) 宮下剛,久保田慶太,藤野陽三,宮本則幸,梅本秀二:二台の無線 LAN 加速度計による橋梁の振動モード形同定,土木学会第 61 回年 次学術講演会,2006.9. 表 3 支承のモデル化. 3) 中島寛文,野上邦栄,櫻井信彰,中山逸人:圧延形鋼を用いた既設. 橋軸方向 橋軸直角方向 鉛直方向 橋軸回転 橋軸直角回転 鉛直回転 固定支点 固定 固定 固定 固定 固定 固定 回転支点 固定 固定 固定 固定 自由 固定 可動支点 自由 固定 固定 固定 自由 固定. 鋼桁橋の振動実験とその構造解析モデル,土木学会第 65 回年次学 術講演会,2010.9. ‑38‑.

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