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1.はじめに 河道流れの 2 次元不定

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Academic year: 2022

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(1)Ⅱ− 72. 第38回土木学会関東支部技術研究発表会. 2 次元不定流計算における複数の安定解の存在について 中央大学大学院 中央大学理工学部. 正会員. ○本永. フェロー会員. 良樹. 山田. 正. 1.はじめに 河道流れの 2 次元不定. 7.6. 流計算を行う際,計算の. 7.5. 安定性の観点から時間格. 7.5. dt=0.01[sec]. dt=0.01[sec] 2 1. dt=0.1[sec]. dt=0.1[sec]. ⊿yが決定される.近年普. 流下方向流速[m/s]. 7.4 7.5. 子幅⊿tや空間格子幅⊿x,. dt=0.2[sec]. 7.4. 水深[m]. 及してきた汎用水理解析. 2. dt=0.4[sec] 7.4. ソフトでは基礎式の離散 いられていることが多く, これらのソフトを用いた 2 次元不定流計算では, 極端な値でない限り⊿t の大きさは計算の安定性. dt=0.2[sec] 2. dt=0.4[sec] 2. dt=0.6[sec]. dt=0.6[sec] 2. 7.35. 化手法として陰解法が用. 1. 7.3. 1 dt=0.8[sec]. dt=0.8[sec]. 7.3. 2. 7.25. dt=1.0[sec]. dt=1.0[sec] 2. 7.2 45. 50. 経過時間[min]. 55. 45. 60. 図 1 各⊿t に対応する水深の時系列図. 50. 経過時間[min]. 55. 60. 図 2 各⊿t に対応する流下方向流速の時系列図. には影響しない.しかし ながら河道流れには様々なスケールの乱れ(例えば複断面開水路流 は,計算は安定しても,得られる結果が異なることも考えられる.. 水深[m]. れに生じる大規模水平渦等)が存在しており,⊿tの大きさによって. 7.5 7.4 7.3. 著者らは複断面開水路流れに生じる大規模水平渦に関して 2 次元不 7.2 0. 定流計算を実施する際,同一の流れ場を対象とした同一の基礎式,. 0.2. 0.4 0.6 ⊿t [sec]. 0.8. 1. 0.2. 0.4 0.6 ⊿t [sec]. 0.8. 1. 離散化手法による計算でも⊿tを変えることで異なる複数の安定解 ともに,⊿tの違いにより 2 次元不定流計算の解が異なるという結果 は著者が使用したモデルの特殊性等に起因するものではなく,数値 計算において一般的なものであることをローレンツ・モデルを使用. 1.78 流下方向流速[m/s]. が得られることを発見した.本稿ではこのことについて報告すると. 1.76. 1.74 0. して示す1). 2.研究内容. 図3. 両側複断面開水路流れに生じる大規模水平渦について 2 次元不定. 各⊿t に対応する水深,流下方向流速 平均値. 流計算を実施した.基礎式としては流下方向,横断方向の運動方程式及び連続の式を用いた.基礎式は ADI 法を用いて陰的に解いている.境界条件は上流端で流量一定,下流端で水位一定,水路側壁では Slip 条件を 用いた.渦動粘性係数には Smagorinsky モデルを使用した.不定流計算は⊿t の値を 0.01~1.0sec の間で変 えて数パターン行った.いずれのパターンでも⊿x=⊿y=1.0m である.対象とした両側複断面開水路の諸元は, 低水路幅,両側の高水敷幅がともに 15m,高水敷高さ 3m,水路床勾配 1/1000,Manning の粗度係数は低水路 0.015,高水敷 0.01 とした.次にローレンツ・モデルに含まれる独立変数の時間的な変化について数値計算を 実施した.ローレンツ・モデルは Navier-Stokes 方程式から導かれた熱対流のモデルとなる微分方程式系であ る.ローレンツ・モデルは次式で表される. キーワード 連絡先. 2 次元不定流計算,時間格子幅⊿t,複数の安定解,ローレンツ・モデル. 〒203-0051 東京都文京区春日 1-13-27. 中央大学大学院 TEL 03-3817-1805 E-mail:[email protected].

(2) Ⅱ− 72. 第38回土木学会関東支部技術研究発表会. dX dt = −σX + σY ,dY dt = − XZ + γX − Y ,dZ dt = XY − bZ. 20. dt=0.001[sec]. モデル内に含まれる 3 つの独立変数 X,Y,Z の時間変化について, X 0. ⊿t を変えて数値計算を実施した.時間差分にはルンゲ・クッタ法 を用いた.モデル内のパラメータはσ=10,γ=26,b=8/3 とした. 3.研究結果. -20 20. dt=0.01[sec]. 3-1.2 次元不定流計算結果:2 次元不定流計算により対象とし X 0. た複断面開水路流れ内の大規模水平渦が表現できた.このとき低水 路・高水敷境界部(以下,境界部と呼ぶ.)付近では水平渦中心部. -20. 2). の通過に伴う水深,流速の変動が生じる .図 1,図 2 はそれぞれ. 20. dt=0.02[sec]. 異なる⊿tを用いた不定流計算における境界部での水深,流下方向 X 0. 流速の時系列の比較図である.大規模水平渦の通過に伴う水深,流 速の変動は⊿tが小さい時は規則的であるが,大きくなるにつれて. -20. 規則性が失われる.図 3 は図 1,図 2 で示した各⊿tに対応する境. 20. dt=0.03[sec]. 界部での水深,流速の時間平均値である.⊿tが大きくなるにつれ て境界部水深の平均値が小さくなる.逆に境界部流速の平均値は, ばらつきがあるものの⊿tが大きくなるにつれて増大する傾向があ. X 0. -20 0. る.このように同一の流れ場を対象とし同一の基礎式,離散化手法. 50. 100. 経過時間T[sec]. を用いた 2 次元不定流計算でも,⊿tの値が変わることで,複数の. 図 4 各 dt に対応する変数 X の時間変化 (ローレンツ・モデルの解析結果). 安定した解が存在することがわかった. 3-2.ローレンツ・モデルの解析結 2. 果:既述したローレンツ・モデルについ て,異なる⊿t を用いて変数 X,Y,Z の時. 2. 1. 1. X. Y. Z 23. 間変化について計算した.図 4 は各⊿t. 0. 0. に対応する変数 X の時間変化の比較図で. -1. -1. ある.⊿t の値によらず変数 X の時間変 化は不規則的であるが,⊿t が大きくな. 24. 0. 0.01. 0.02. dt [sec]. るにつれて不規則性がより強くなる.こ. 0.03. 22 0. 0.01. 0.02. 0.03. 0. 0.01. dt [sec]. 0.02. 0.03. dt [sec]. 図 5 各 dt に対応する変数 X,Y,Z の時間平均値 (ローレンツ・モデルの解析結果). の傾向は他変数 Y,Z の時間変化について も見られた.図 5 は各⊿t に対応する変数 X,Y,Z の時間平均値である.⊿t が異なると各変数の平均値が異な ることがわかる.変数 X,Y の平均値についてはばらつきが大きいが,⊿t=0.01sec 付近で最大値を取る傾向が 見られる.変数 Z の平均値は⊿t が大きくなるにつれて増大する傾向がある.これらの結果は複断面開水路流 れを対象とした 2 次元不定流計算結果において,⊿t を変えることで変数である水深,流速の変動の様子やそ れぞれの平均値が変わること,つまり複数の安定解が存在したことと合致していると考えられる. 4.まとめ 本研究により得られた知見を以下にまとめる.1)複断面開水路流れに生じる大規模水平渦のような非定常流 れについての 2 次元不定流計算において,同一流れ場を対象として同一の基礎式,離散化手法を用いた場合で も⊿t の値により異なる複数の安定解が存在する. 5.今後の課題 本研究の結果から,時間格子幅⊿t の大きさについては不定流計算の安定性の観点のみからでは検討が不十 分と思われるが,それは今後の課題である.参考文献:1)Letellier・Mendes:Robust discretizations versus increase of the time step for the Lorenz system, CHAOS 15, 013110(2005),2)武内・本永・海野・山田: 複断面開水路流れにおける大規模水平渦の発生と発達,水工学論文集,第 47 巻,pp.475-480,2003.

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