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その対策として下側防音壁の設置が検 討されることとなった

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Academic year: 2022

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(1)6‑149. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 開床式高架橋における雪害対策を考慮した下側防音壁に関する基礎研究 (株)復建エンジニヤリング 正会員. ○近藤 正二. (株)復建エンジニヤリング 正会員. ○井口 光雄. 1.研究の目的 本研究対象である降雪地帯における開床式高架橋(ラ ーメン高架橋 図-1)は、雪害対策を考慮して開床式構 造が採用され ているが、騒音問題への対応から通常の上 側防音壁設置に加え、開口部から洩れる騒音への対策 が必要となった。その対策として下側防音壁の設置が検 討されることとなった。本研究では、「開床式構造+上側 防音壁+下側防音壁」という特殊な構造形式について、 実際に下側防音壁を試験施工して、防音効果及び排雪 図-1. 効果に関する調査を行い、その効果を検証することを目. 開床式高架橋(開口部). 的としている。 2.下側防音壁の基本検討 開床式高架橋に取り付ける下側防音壁の設置構造に ついては、開口部に蓋等を被せることはせず、本来持つ 開床式構造を活かし、ダクト桁端部等から鉛直下側方向 に防音壁を取り付ける案等が当初検討された。しかし、下 側防音壁高が非常に高くなり、構造面及び景観面等で大 きな問題を抱えることとなる。そこで、防音効果を損なわ ず、かつ下側防音壁高を極力低く抑え、景観面でも優れ 図-2. ていると思われた、開口部下に傾斜角度を付けて取り付 ける構造を採用することとした。. 試験体(下側防音壁)設置状況 表-1. 3.試験体(下側防音壁)の試験施工 図-2 に示す試験体(下側防音壁)は、防音壁を開口部 下に傾斜角度を付けて設置する構造とした。1 試験体の 長さは約 6000mm(上層横梁間長)として、架設構台上に 設置する。1 つの試験体には、下側防音壁に採用する材 質の比較検討を目的に、コンクリート防音壁と再生材防音 壁注 1)の2 種類を取り付ける。試験体数は 2 体として、表 -2. 試験体名称 試験体 1 下側防音壁① 下側防音壁② 試験体 2 下側防音壁③ 下側防音壁④. 試験体の仕様 傾斜角度 37 度 30 度 37 度 30 度. 材材質質 コンクリート防音壁 再生材防音壁注 1) コンクリート防音壁 再生材防音壁注 1). 注 1). 再生材防音壁とは、 自動車部品のバンパー、内装材等の回収品、端材品から 再生したコア材(ポリプロピレン系+木質系)をポリプロピレ ン系皮材でサンドイッチした断面構造で形成され、非常に 軽量(15kg/㎡)である防音壁. に示す仕様とする。再生材防音壁の採用については、非 常に軽量で施工性に優れ、又表面に凹凸が無く滑雪性 能が高いと考えられたため今回の採用を決定した。設置. 上側防音壁. 上側防音壁. (中央開口部) (側方開口部). (中央開口部) (側方開口部). 傾斜角度については、騒音に関する環境基準( 75.0dB) を達成するために必要な下側防音壁高を算出し、図-3. 下側防音壁(内側) 下側防音壁 傾斜角度 37°. 下側防音壁(外側) 傾斜角度 30°. に示す 30 度と37 度の 2 角度に決定した。 図-3. 下側防音壁 設置傾斜角度. キーワード :開床式高架橋、騒音対策、雪害対策、下側防音壁 連絡先 :〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町 1-11-12 TK 堀留ビル (株)復建エンジニヤリング TEL 03-5652-8563 ‑297‑.

(2) 6‑149. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 4.騒音測定結果(防音効果の検証). 表-2. 騒音測定は、試験体(下側防音壁)設置によって、どの 程度の防音効果が得られるのか、その傾向を確認するこ とを目的としている。調査方法は、試験体設置による鉄道 騒音の変化を把握するために、①試験体の設置後(試験. 測定実施箇所 ①開口部直下 ②開口部直下地上 1.2m ③②と③の中間点 ④最寄軌道中心から12m. 体設置区間) 、②調査箇所に近接する開 床式構造区間. 表-3. において試験体設置前(非試験体設置区間)、の 2 区間. 調査項目. を同一列車において同時に騒音測定を行った。. 鉄道騒音測定結果(単位:dB). ②防音壁表面温度 ③外気温. 5.着雪状況調査結果(排雪効果の検証) 着雪状況調査は、試験体(下側防音壁)に傾斜角度を. 両区間 の差 6.2 1.7 2.3 1.5. 調査方法 防音壁全面が確認できる位置に監視カ メラを設置して自動観測。観測データは 画像データ(静止画)で毎正時に記録。 防音壁表面に温度測定用センサーを 取り付け、自動測定。測定データはテキ ストデータで毎正時に記録。 現地据付の観測室壁面に温度測定用 センサーを取り付け、自動測定。測定 データはテキストデータで毎正時記録。 降雪深計を設置し、監視カメラで自動 観測(目視計測)。観測データは画像デ ータ(静止画)で毎正時に記録。. 騒音測定結果は表-2 に示す通り、非試験体設置区間 が確認され、下側防音壁の防音効果が認められた。. 試験体 設置区間 90.1 89.5 90.3 88.5. 着雪状況調査 調査項目及び調査方法. ①融雪及び排雪状況. と比較して試験体設置区間では最大約 6dB の騒音低減. 非試験体 設置区間 96.3 91.2 92.6 90.0. ④降雪深. 付けて設置することで、どの程度の排雪効果が得られる のか、その傾向を確認することを目的としている。調査は 自動観測(無人観測)で行った。調査項目及び調査方法 は表-3 に示す通りで、調査機器類は全て調査箇所に据 え付けた観測室内のパソコンにより自動制御を行い、定 期的に記録を行った。又、電話回線を経由させ、当社 (東京都)から試験体のリアルタイム映像(静止画)をモニ タリングすることが可能なシステムを構築した。 調査結果として、防音壁材質についてはコンクリート防 音壁、再生材防音壁共に図-4 に示すように防音壁上の 着雪が落雪し、その排雪効果が認められた。しかし、コン. 図-4. 落雪状況 コンクリート防音壁 落雪日. クリート防音壁に比べ再生材防音壁の方が部材温度(表. 再生材防音壁 落雪日. 日降雪量 日最高外気温. 20.0. 面温度)が高くなることから、落雪間隔(防音壁上着雪期. 20.0. 日最高表面温度(試験体1、下側防音壁①) 日最高表面温度(試験体1、下側防音壁②). 間)が短く、排雪性能が高 いという傾向が得られた。又、. 日最高表面温度(試験体2、下側防音壁③) 15.0. 15.0. 日最高表面温度(試験体2、下側防音壁④). 下側防音壁の排雪効果が十分に得られたと共に、再生 材防音壁の有効性が認められた。 5.考察と今後の課題. 10.0. 5.0. 5.0. 5.0. 5.0. 5.0. 1月 23日 1月 25日 1月 27日 1月 29日 1月 31日. 0.0 1月 19日 1月 21 日. 0.0. 5.0. ‑5.0. ‑5.0. ‑10.0. ‑10.0. 図-5 気温・部材温度・降雪量と排雪の関係性. 防音対策については、下側防音壁による防音効果が. (平成 15 年 調査記録). 確認され、その有効性が認められた。又、雪害対策についても傾斜角度を付けた下側防音壁の排雪効果を確 認することができた。これより、約 2 年間に渡る試験体(下側防音壁)の試験施工の結果、防音及び排雪対策の 両面から下側防音壁の総合的な有効性を概ね検証できたものと考える。今後は本研究成果を基に、上側防音 壁を設置した際に問題になると考えられる軌道階への積雪に関する対策の検討等を含めた、より詳細な防音壁 設置構造の検討が必要であると考える。 ‑298‑. 日降雪量(cm). 5.0. 1月 9日 1月 11日 1月 13日 1月 15日 1月 17日. た日に落雪している傾向が得られた。これらの結果より、. 5.0. 1月 7日. 雪が少なく、外気温が上昇した日即ち部材温度が上昇し. 5.0. 1月 5日. 部材温度、降雪量と排雪の関係性を分析したところ、降. 10.0. 10.0. 1月 3日. 性能に差が無かった。そして、図-5 に示すように 外気温、. 10.0 10.0. 1月 1日. も37 度もほぼ同一日時に落雪しており、両角度では排雪. 外気温及び遮音板表面温度(℃). 設置傾斜角度の違いについては、同材質であれば 30 度.

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