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修 士 論 文 概 要 書

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Academic year: 2021

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(1)

0 5 10 15 20 25 30

差別化なし 差別化あり

Throughput(Mbps)

Vegas Reno

修 士 論 文 概 要 書

Summary of Master’s Thesis

Date of submission: _1__/_31__/2012 (MM/DD/YYYY) 専攻名(専門分野)

Department 情報理工学専攻

Name 園田 和秀

Advisor

甲藤 二郎 印 Seal 研究指導名

Research guidance 甲藤 二郎 Student ID 学籍番号 number

CD

5110B071-6 研究題目

Title 無線LAN環境におけるTCP差別化と無線リソース利用効率に関する研究

第1編 TCPバージョン識別とEDCA制御を併 用したTCP差別化手法

1.まえがき

現在提案されている TCP の輻輳制御の中で、

delay-based手法のVegas[1]は、RTTを基に輻輳制御 を行うことで、バッファにパケットを溜めないため、

RTT を抑えることができる。このため、単独では無 駄のない通信が可能である。しかし、VegasはReno などの他のTCPと競合した際に、帯域を奪われてし まうといった親和性の問題がある。

本稿では、ルータやNICでTCPバージョンの識別 [2][3]を行い、Vegasを優先させ、TCPバージョンを 差別化する。そして、シミュレーションと実機実験 による評価を行う。

2 .提案手法

TCP差別化手法を以下に示す。

(1) ルータ(AP)でRTTを推定

(2) 推定したRTT間に、ルータ(AP)に到着したパ ケット数をcwndとする

(3) 推定したcwndの振る舞いからTCP バージョ ン(本稿ではRenoとVegas)を識別する

(4) 識別後、RenoとVegasを別々のバッファに格

納し、CSMA/CAのパラメータを変更すること

で、Vegasを優先させ、TCPバージョンの差別 化を行う

(1)での RTT推定には TCPのシーケンスナンバー

とタイムスタンプを利用する。図 1 に示すように Wireless delayとWired delayの合計をRTTとして測 定する。Wireless delayではa地点のデータのシーケ ンスナンバーとb地点のACKのシーケンスナンバー が一致する時の時間の差分を取る。Wired delayでは c 地点のタイムスタンプと d 地点にデータが到着し た時の時間の差分の 2 倍として算出する。(3)での TCPバージョン識別には、各TCPの輻輳制御の違い を利用する。Renoはcwndを増加させ、Vegasはcwnd を一定に保つ。このことから、cwnd推定をn回行い、

推定cwndの増加幅に差異が生じることからTCPバ ージョンを識別する。

図1 RTT推定方法

3.シミュレーション・実機実験

図2 のトポロジにおいて、シミュレーションでは ns-2[4]を、実機では AP に MadWifi[5]を用いて実験 を行った。TCPはRenoとVegasを用い、有線端末か ら無線端末にパケットを送信する。実験パラメータ を表1に、EDCAのパラメータは表2のように設定 した。

図2 ネットワークトポロジー

表1 実験パラメータ

表2 EDCAのパラメータ

図3 シミュレーションにおけるスループット結果

図4 実機実験におけるスループット結果

0 5 10 15 20 25 30

差別化なし 差別化あり

Throughput(Mbps)

Vegas Reno

(2)

図3,4より、Vegasは、シミュレーションでは差別 化なしのときの約 8倍、実機実験では約4倍のスル ープットを得ることができている。

4. まとめ

TCPバージョンを識別し、Vegasを優先的に送信す ることによって、TCP バージョンを差別化できるこ とを確認した。今後は、低遅延の Vegas を用いて、

実機による映像配信への適用を検討していく。

5. 参考文献

[1] L.Brakm: “TCP Vegas: New techniques for congestion detection and avoidance”. ACM SIGCOMM '94, Apr.1994.

[2] J.Pahdye, S.Floyd,:“On inferring TCP behavior”, ACM SIGCOMM’01, August, 2001 [3] J.Oshio: “Identification of Different TCP Versions Based on Cluster Analysis”, ICCCN 2009, August 2009.

[4]"ns-2 network simulator(ver.2), http://www.isi.edu/nsnam/ns/.

[5] ”the madwifi project” madwifi-project.org.

第 2 編 確率的に変動するリソースを考慮した最 適寄り道経路の特性評価

1. まえがき

2 地点間の移動において、最短経路ではなく、より有 利に通信できる経路(寄り道)を通ることを提案している。

従来評価[1,2]では、通信リソースを仕様通りに使用でき る状況における最適寄り道経路の有効性を評価してい るが、実際のネットワークには、障害や輻輳が発生し、リ ソース量に制約が出ることもある。本稿では、リソースが 想定よりも減少した場合の、最適寄り道経路の通信特性 評価を行う。

2 .最適寄り道経路モデル

図 1 のような市街地を想定した 2 地点間の移動を考え、

スタート地点に存在するモバイルユーザがゴール地点ま で移動する。また、市街地上のいくつかの地点には無線 通信用アクセスポイント(以下、基地局)が存在する。4 つの仮定を設ける。1;基地局からの距離に応じた通信 速度で通信が可能。2;最短経路の移動時間の何倍か (後述の Longcut ratio)の制約時間までにゴール地点 へ到着する。3;制約時間内に最も通信品質を良くする ために、任意地点で停止・通信できる。4;制約時間内で、

通信品質の最も良い経路を選択し、移動する。

図 1 実験フィールド

3.確率的に変動するリソースを考慮した最適寄り道経 路の特性評価

本稿では、リソース量の制約として、有線ネットワーク 側にボトルネックが存在する場合を考える。各基地局は

別々の有線ネットワークを介してインターネットに繋がっ ているものとし、各有線ネットワークにおいては、ランダム にボトルネックが発生する。ボトルネックが発生したリンク においては、リソース量の一部(xx~yy%)しか利用できな い。寄り道性能は、基地局の配置に大きく依存するため、

zz個の基地局をランダムに配置したマップを 1000 個作 成し、各々に対して、Longcut ratio と Improvement ratioの関係を評価し、平均値を求めた。

Longcut ratio は最適寄り道経路が最短経路に対し て何倍の経路までを許容するかを表す。Improvement

ratio は、最適寄り道経路の総転送量が最短経路の総

転送量の何倍かを表す。最適経路選択において、ボト ルネックの発生箇所が正確に推測できた場合の最適経 路を用いた場合を「予測可」、ボトルネックを考慮せずに 最適経路を選択した場合を「予測不可」と呼ぶ。

図 2 Longcut ratio と Improvement ratioの関係 Longcut ratio が増加すると、通信品質のより良好な 経路を選択できることや最大通信速度の地点で停止で きる時間が増加することにより、Improvement ratio は 増加する。また、ボトルネックが存在する場合、最短経路 上にボトルネックの影響を受ける基地局が存在すると、

最短経路はボトルネックが存在しないときよりも転送量を 稼ぐことができなくなる。そのため、ボトルネックが存在す ることで寄り道をする効果は大きくなる。特に、予測可の 場合は、ボトルネックの発生箇所が予測できるため、移 動時・停止時に関わらず、可能な限りボトルネックの影 響を受けずに通信が行え、より大きな改善となる。図 2 よ り、Longcut ratio=6.0 でボトルネックが存在する場合は ボトルネックが存在しない場合に比べ、寄り道効果が約 2 倍大きくなることが確認できる。また、予測可は予測不 可に比べ、寄り道効果が約 1.7 倍大きいことが確認でき る。

4.まとめ

本稿では、有線ネットワークにボトルネックがあり、仕様 上のリソースが使用できない場合、ボトルネックを推測で きた場合、全く考慮しない場合、の最適寄り道経路の通 信特性を解明した。ボトルネックが予測可能である 場合、ボトルネックが存在しない場合よりも約 1.5 倍~2 倍、寄り道効果が大きくなることが確認でき た。また、ボトルネックを予測可能であると、予測不可の 場合よりも約 1.4 倍~1.7 倍、寄り道効果が大きくなること が確認できた。

5.参考文献

[1] 首藤 裕一, 本吉 彦, 村瀬 勉, 増澤 利光, “無線 モバイルユーザのための最適「寄り道」経路の特性,” 電 子情報通信学会総合大会, Mar.2010.

[2] Gen Motoyoshi, Yuichi Sudo, Tutomu Murase and Toshimitsu Masuzawa, “Advantages of Optimal Longcut Route for Wireless Mobile Users,” IEEE ICC 2011, Jun.2011.

0 10 20 30 40 50 60 70

1 2 3 4 5 6

Longcut ratio

Improvement ratio

ボトルネック無し 予想可 予想不可

参照

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