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iStorageソフトウェア NVシリーズ データレプリケーション導入と運用の手引き(ディザスタリカバリ編)

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(1)

iStorage ソフトウェア

NV シリーズ

データレプリケーション

導入と運用の手引き

(ディザスタリカバリ編)

IA309-2

(2)

規定される規制貨物(または役務)に該当することがあります。 その場合、日本国外へ輸出する場合には日本国政府の輸出許可 が必要です。 なお、輸出許可申請手続にあたり資料等が必要な場合には、お 買い上げの販売店またはお近くの当社営業拠点にご相談くださ い。

(3)

はしがき

本書は、iStorage NV7400G(以降 NAS Gateway と呼びます)が提供するデータレプリケーションのディザ スタリカバリ対応機能を利用する方法と、ディザスタリカバリシステムを導入・運用するための考え方および例 について記述しています。

本書の読者としてはNAS 装置の管理者を対象としており、ネットワーク、ファイルシステム、NAS Gateway、 データレプリケーション、iStorage ディスクアレイに関する専門的知識を有していることを前提としています。 なお、関連説明書としては次のものがあります。 ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ 概説書」(IA301) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ セットアップガイド」(IA302) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ ユーザーズガイド」(IA303) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ メッセージハンドブック」(IA304)

・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ iStorageManager IP 利用の手引き」(IA305) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ コマンドリファレンス」(IA306)

・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ 保守マニュアル」(IA307)

・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ データレプリケーション導入と運用の手引き (DataReplication/DDR/RDR 編)」(IA308)

・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ MIB リファレンス」(IA311)

・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ 簡易セットアップツール運用ガイド」(IA312) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ ESMPRO/ServerAgent ユーザーズガイド」(IC101) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ ESMPRO/ServerManager Ver4.4 インストレーションガイド」

(IC102) ・「iStorage ソフトウェア NV シリーズ 電源制御ソフトウェア説明書」(IC103) ・「iStorage NV3400S/NV3400/NV5400S/NV5400/NV7400S/NV7400/NV7400G ネットワークストレージ装置取扱説明書」(856-851334-001-A) ・「iStorage NV3500S/NV3500/NV5500S/NV5500/NV7500S/NV7500/NV7500G ネットワークストレージ装置取扱説明書」(856-851390-001-A)

(4)

・「iStorage ソフトウェア iStorage シリーズ構成設定の手引(GUI 編)」(IS007) ・「iStorage ソフトウェア iStorageManager メッセージハンドブック」(IS010) ・「iStorage ソフトウェア データレプリケーション利用の手引 機能編」(IS015) ・「iStorage ソフトウェア データレプリケーション コマンドリファレンス」(IS021)

・「iStorage ソフトウェア データレプリケーションディザスタリカバリシステム導入と運用の手引」 (IS027)

(5)

(1) 本書に説明している機能は、以下の装置に対応しています。 ・ NAS Gateway (2) 本書に説明している機能は、以下のソフトウェアに対応しています。 ・ NV 基本制御 ・ NFS ・ CIFS ・ NDMP V2 ・ FTP ・ HTTP ・ 改ざん防止機能 ・ DataReplication 機能

・ WebSAM Storage ReplicationControl

・ WebSAM Storage ReplicationControl/DisasterRecovery ・ MVD Sync

・ NetVault

・ ウイルス対策ソフト連携機能

(3) UNIX は、The Open Group の米国ならびにその他の国における登録商標です。

(4) Microsoft®, Windows®, Windows NT®, Windows® XP, Windows Vista®, Windows® 7, Windows Server® 2003, Windows Server® 2008 R2 は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国におけ る商標または登録商標です。

(5) Linux は、Linus Torvalds 氏の米国およびその他の国における商標または登録商標です。 (6) NFS は米国 Sun Microsystems, Inc 社の登録商標です。

(7) MVD Sync®は、Miller Global Consulting 株式会社の商標または登録商標です。 (8) NetVaultTM は、バックボーン・ソフトウエア社の商標または登録商標です。

(9) This product includes software developed by the Java Apache Project (http://java.apache.org/). (10) Java, JavaServer Pages, JavaScript, JDK は、米国およびその他の国における Sun Microsystems, Inc.

の商標または登録商標です。

(11) Firefox® は、米国 Mozilla Foundation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。 (12) Windows Server 2008 は Windows Server® 2008 Standard operating system および Windows Server®

2008 Enterprise operating system の略称です。

Windows Server 2003 は Microsoft® Windows Server® 2003, Standard Edition および Microsoft® Windows Server® 2003, Enterprise Edition、Microsoft® Windows Server® 2003, Datacenter Edition の略称です。

Windows® 7 は Windows® 7 Home Basic、Windows® 7 Home Premium、Windows® 7 Professional、 Windows® 7 Ultimate の略称です。

(6)

Windows 2000 は Microsoft® Windows® 2000 Server operating system および Microsoft® Windows® 2000 Advanced Server operating system、Microsoft® Windows® 2000 Professional operating system の略称です。

Windows NT は Microsoft® Windows NT® Server network operating system version 4.0 および Microsoft® Windows NT®Workstation network operating system version 4.0 の略称です。

Windows Me は Microsoft ®Windows ®Millennium Edition Operating System の略称です。Windows 98 はMicrosoft ®Windows ®98 operating system の略称です。

Windows 95 は Microsoft ®Windows ®95 operating system の略称です。 (13) This product includes software developed by the Apache Software Foundation

(http://www.apache.org/). (14) その他、記載の会社名および商品名は各社の商標または登録商標です。 (15) 本製品で使用しているソフトウェアの多くは、GNU パブリックライセンスの条項に基づいて自由に配布 することができます。ただし、アプリケーションの中には、その所有者に所有権があり、再配布に許可が 必要なものがあります。 (16) 本書(電子マニュアル)に関するご意見、ご要望、内容不明確な部分がありましたら、巻末の「マニュア ルコメント用紙」にご記入のうえ、担当営業、担当SEにお渡しください。 (17) 本書では、特にご注意いただく内容を以下で示しております。 内容については必ずお守りください。 この表示を無視して誤った取り扱いをすると、設定済みの構成に影響がある場合があります。 表示の種類 種 類 内 容 操作において特に注意が必要な内容を説明しています。 操作における補足説明や制限事項等の情報を説明しています。

(7)

i

目 次

第1 章 ディザスタリカバリの概要... 1 1.1 ディザスタリカバリとは...1 1.2 ディザスタリカバリの利用形態...4 1.2.1 ディザスタリカバリシステムで選択されるコピーモード...4 1.2.2 バックアップデータの鮮度(最新性)と 利用形態 ...9 1.3 ディザスタリカバリシステムの配置と構成...10 1.3.1 サイトの配置...10 1.3.2 構成および回線の選択...11 第2 章 ディザスタリカバリ対応の機能... 12 2.1 アトミックグループ(ATグループ)...12 2.1.1 ATグループの構成表示および設定機能 ...14 2.1.2 ATグループの状態表示機能 ...17 2.1.3 ATグループのレプリケーション操作機能 ...20 2.1.4 順序保証コピー機能...23 2.1.5 アトミックブレーク機能...24 2.2 直列構成ペアの同時レプリケート...26 第3 章 ソフトウェアのインストールと 環境構築... 27 3.1 システム構成...27 3.1.1 ハードウェア...28 3.1.2 ソフトウェア...29 3.1.3 管理サーバの配置...31 3.1.4 コントロールボリュームの配置...32 3.2 ソフトウェアのインストール...33 3.2.1 RemoteDataReplication/DisasterRecoveryのインストール...33 3.2.2 ReplicationControl/DisasterRecoveryのインストールと環境設定...34 3.3 ATグループの構築...36 3.3.1 ATグループに登録するペア ...37 3.3.2 ATグループの構築手順 ...39 第4 章 ソフトウェアの操作方法... 51 4.1 iStorageManagerのATグループ機能の操作方法(GUI) ...51 4.1.1 「ATグループ情報」画面...52 4.1.2 ATグループの構成表示、状態表示 ...55 4.1.3 ATグループの作成 ...62 4.1.4 ATグループの削除 ...65 4.1.5 ATグループへのペア登録、削除...67 4.1.6 ATグループ名の変更...71 4.1.7 ATグループのレプリケート ...73 4.1.8 ATグループのセパレート...78 4.1.9 ATグループのリストア ...82 4.1.10 ATグループの強制セパレート ...86 4.1.11 障害分離からの回復...89 4.1.12 ATグループの強制削除 ...92 4.1.13 ATグループの情報表示一覧のCSV出力...94 4.1.14 ATグループ、登録ペア情報の保存 ...94 4.2 ReplicationControl/DisasterRecovery のコマンドの操作方法(CLI) ...95

4.2.1 ATグループのレプリケート (atg replicate) ...96

4.2.2 ATグループのセパレート (atg separate) ...99

4.2.3 ATグループのリストア(atg restore) ...102

4.2.4 障害分離からの回復(atg config) ...104

4.2.5 ATグループ同期化状態変更の待ち合わせ (atg wait)...105

(8)

ii

5.1 バックアップ...119 5.2 回線障害時の復旧...124 5.3 災害発生時のRVの利用 ...129 5.4 RVからMVへのデータの切り戻し ...141 5.4.1 リストアによるデータの切り戻し...141 第6 章 留意事項... 151 6.1 ATグループの諸元...151 6.2 環境構築時の留意事項...152 6.3 運用時の留意事項...153 索 引 ... 155

(9)

1

1章 ディザスタリカバリの概要

企業活動の中で、情報システムの役割が重要になり、情報システムに対するディザスタリカバリへの対応がま すます重要となっています。RemoteDataReplication/DisasterRecovery は、ディザスタリカバリを実現するた めの基盤となる機能を提供します。 本章では、RemoteDataReplication/DisasterRecovery を使ったディザスタリカバリの概要に関して、説明し ます。

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1

ディザスタリカバリとは、災害が発生しシステム障害に陥っても、業務が復旧できるソリューシ ョンです。ディザスタリカバリが想定する災害は、地震、洪水などの自然災害から、火災、オペレー ションミスなどの人為的災害まであらゆる災害を含みます。

図 1-1 ディザスタリカバリ

メインサイト

復旧

地震、洪水、火災

など

バックアップサイト

メインサイト

復旧

など

バックアップサイト

地震、洪水、火災

(10)

2

ディザスタリカバリのシステムを構築する場合、システムの環境や要求により、想定する災害や システムの復旧レベルが異なります。想定する災害による影響の範囲が、特定建物より広い場合、遠 隔にデータを保持し、業務が再開できるシステムを構成する必要があります。通常、ディザスタリカ バリのシステムは、影響の範囲が特定建物より広い災害を対象とするため、データを遠隔にコピーす る技術が必須です。 RemoteDataReplication/DisasterRecovery により、さまざまなコピー方法で、データを遠隔にコ ピーすることが可能です。

表 1-1 想定される災害

災害範囲 広域 (同一県内、県間) 特定地区 (同一市内) 特定建物 (ビルなど) 特定システム 災害要因 地震など 洪水、停電など 火災、漏水、テロ など HW 障害 SW 障害 人的ミス ウイルス など

(11)

3

Objective:RPO)と、リカバリ時間目標(Recovery Time Objective:RTO)があります。RPO は、ど の時点のデータから復旧できるかの時間指標を表す指針です。RPO が小さいシステムほど、災害が 発生する直前までのデータが復旧できます。データの損失を最小にしたいシステムでは、RPO が小 さくなるように、ディザスタリカバリのシステムを構成します。RTO は、業務が再開できるまでの 時間指標を表す指針です。RTO が小さいシステムほど、災害が発生してから業務復旧までの時間を 短くでき、業務停止時間を短くできます。業務停止を最小にしたいシステムでは、RTO が小さくな るようにディザスタリカバリのシステムを構成します。 一般に、RPO および RTO を小さくするほど、コストが高くなり、構築および運用の難易度が高 くなります。従って、要求される復旧レベルによってRPO および RTO を決定し、決定した RPO お よびRTO を満たすディザスタリカバリ構成を選択します。

RemoteDataReplication/DisasterRecovery は、これらを満たす各種ディザスタリカバリの構成に 対応できます。

リカバリポイント目標(Recovery Point Objective): どの時点から復旧できるかの時間指標 リカバリ時間目標(Recovery Time Objective): 業務再開できるまでの時間指標

1-2 リカバリポイント目標、リカバリ時間目標と復旧レベルの関係

クライアント

データ損失が

許されない

システム

ミッション・

クリティカルな

業務システム

業務が停止可能な

システム

メールサーバ

RPO

RTO

現在 数時間前 前日 前月 翌週 翌日 数時間 無停止

復旧

レベ

難易

、コ

スト

クライアント

データ損失が

許されない

システム

ミッション・

クリティカルな

業務システム

業務が停止可能な

システム

メールサーバ

RPO

RTO

現在 数時間前 前日 前月 翌週 翌日 数時間 無停止

復旧

レベ

難易

、コ

スト

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ディザスタリカバリのシステムでは、どの時点のデータから復旧できるか(リカバリポイント)と、 データを利用するために必要な復旧時間の要求により、遠隔へのデータのコピー方法(コピーモード) と、運用中の同期化状態(レプリケートまたはセパレートの状態)を選択し、利用形態を決定します。 以降に、ディザスタリカバリシステムで選択されるコピーモードと、バックアップデータの鮮度(最 新性)と利用形態について説明をします。

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ディザスタリカバリのシステムで使用されるコピーモードとして、同期モード、セミ同期順序保 証モード、バックグラウンドコピーモードがあります。それぞれのコピーモードによって、実現でき る利用形態が異なります。以降にそれぞれのコピーモードの特徴について説明します。

(13)

5

業務I/O と完全に同期して遠隔にコピーします。業務 I/O と同期してコピーしますので、コ ピー中のデータは一貫性と最新性があります。コピー完了まで業務I/O の完了を待ち合わせま すので、業務I/O のレスポンスは回線速度に依存します。 処理の 順序 処理の概要 処理の要求元または 処理の応答元 処理の要求先または 処理の応答先 ① マスタボリュームへの書き込み要求 業務サーバ メインサイトの ディスクアレイ装置 ② 複製ボリュームへの書き込み要求 メインサイトの ディスクアレイ装置 バックアップサイトの ディスクアレイ装置 ③ 複製ボリュームへの書き込み要求 完了応答 バックアップサイトの ディスクアレイ装置 メインサイトの ディスクアレイ装置 ④ マスタボリュームへの書き込み要求 完了応答 メインサイトの ディスクアレイ装置 業務サーバ

図 1-3 同期モードの動作概要

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

同期

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

業務サーバ ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

同期

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

業務サーバ NAS Gateway

(14)

6

●セミ同期順序保証モード

業務I/O と非同期で遠隔にコピーします。業務 I/O に順序保証で遠隔にコピーしますので、 コピー中のデータは一貫性があります。高速回線であれば、業務I/O のレスポンスには、ほと んど影響を与えません。 処理の 順序 処理の概要 処理の要求元または 処理の応答元 処理の要求先または 処理の応答先 ① マスタボリュームへの書き込み要求 業務サーバ メインサイトの ディスクアレイ装置 ② マスタボリュームへの書き込み要求 完了応答 メインサイトの ディスクアレイ装置 業務サーバ ③ マスタボリュームへの書き込み順に 複製ボリュームへの書き込み要求 ((1)→(1)’, (2)→(2)’, (3)→(3)’の順) メインサイトの ディスクアレイ装置 バックアップサイトの ディスクアレイ装置 ④ 複製ボリュームへの書き込み順に 書き込み要求完了応答 ((1)’→(1), (2)’→(2), (3)’→(3)の順) バックアップサイトの ディスクアレイ装置 メインサイトの ディスクアレイ装置

図 1-4 セミ同期順序保証モードの動作概要

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

セミ同期順序保証

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

(1) (2) (3) (1) ’ (2) ’ (3) ’ (1) (2) (3) 業務サーバ ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

セミ同期順序保証

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

(1) (2) (3) (1) ’ (2) ’ (3) ’ (1) (2) (3) 業務サーバ NAS Gateway

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7

業務I/O と非同期でコピーします。遠隔へのコピーは一括して行われますので、コピー中の データに一貫性がありません。業務I/O のレスポンスには影響を与えません。 処理の 順序 処理の概要 処理の要求元または 処理の応答元 処理の要求先または 処理の応答先 ① マスタボリュームへの書き込み要求 業務サーバ メインサイトの ディスクアレイ装置 ② マスタボリュームへの書き込み要求 完了応答 メインサイトの ディスクアレイ装置 業務サーバ ③ 複製ボリュームへの書き込み要求 メインサイトの ディスクアレイ装置 バックアップサイトの ディスクアレイ装置 ④ 複製ボリュームへの書き込み要求 完了応答 バックアップサイトの ディスクアレイ装置 メインサイトの ディスクアレイ装置

図 1-5 バックグラウンドコピーモードの動作概要

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

バックグラウンド

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

業務サーバ ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

バックグラウンド

メインサイト

バックアップサイト

マスタ

複製

業務サーバ NAS Gateway

(16)

8

●コピーモードの特徴のまとめ

以下に、それぞれのコピーモードに関するまとめを示します。

表 1-2 コピーモードの特徴のまとめ

コピーモード コピー中のデータの 一貫性 データの最新性 業務I/O の レスポンス 同期モード 一貫性あり マスタと同じ 回線速度に依存 セミ同期順序保証モード 一貫性あり マスタに近い 高速回線であれば 回線速度に非依存 バックグラウンドコピー モード 一貫性なし 最新でない 回線速度に非依存

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災害発生後の復旧に必要とされる、バックアップデータの鮮度(最新性)により、コピーモードと同 期化状態を選択して、運用中の利用形態を決定します。たとえば、災害が発生しても、なるべく最新 のデータで復旧したい場合、高速回線により同期モードまたはセミ同期順序保証モードで常時レプリ ケートして、書き込み順序を保障した一貫性のあるデータを遠隔にコピーする利用形態を選択します。 災害が発生してもバックアップデータからの復旧でよい場合、業務I/O に影響しないバックグラウン ドコピーモードを使用して、定期的に遠隔に静止点バックアップを行う利用形態を選択します。遠隔 にバックアップデータを保持できればよい場合、バックアップサイトにサーバを配置せず、定期的に 遠隔に静止点バックアップを行う利用形態を選択します。

表 1-3 バックアップデータの鮮度(最新性)と利用形態

利用形態 バックアップ データの鮮度 (最新性) コピーモード 同期化状態 リカバリ ポイント データ復旧 までの時間 同期モード 高速回線を使用して 常時レプリケート マスタと同じ 小さい (*1) レプリケート中 の 複 製 か ら 復 旧 (最新性が高い) セミ同期順序保証 モード 高速回線を使用して 常時レプリケート マスタに近い 小さい (*1) バックアップ データから復旧 バックグラウンド コピーモード 定期的に静止点データ をバックアップ バックアップ 時点 大きい (*2) *1: データベースを構成している場合、ログからロールバックが必要。 *2: バックアップ媒体からリストアが必要。データベースを構成している場合、必要に応じて ロールフォワードが必要。

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ディ

ィザ

カバ

バリ

ムの

構成

ディザスタリカバリシステムを配置、および構成するための考慮点に関して説明します。

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ディザスタリカバリシステムでは、想定する災害に応じて、メインサイトとバックアップサイト で同時に障害にならないように、地理的に分散してサイトを配置してください。

表 1-4 サイト間の距離の見積もり例

想定する 災害範囲 広域(同一県内、県間) 特定地区(同一市内) 特定建物(ビルなど) 災害要因 地震など 洪水、停電など 火災、漏水、テロ など 災害による 影響範囲 地域全体の経済活動の 停止 特定エリア内の経済 活動の停止 特定企業の経済活動の 停止 サイト間の距離 数百km 数十km 数百m~数 km

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ディザスタリカバリシステムでは、復旧可能な状態を維持するため、単一の障害でシステムを停 止させるような、単一点障害ポイントがないように、ハードウェアを構成する必要があります。サー バ、アクセスパス、電源などを、独立した冗長構成にすることを推奨します。 ディザスタリカバリシステムのネットワークは、回線の品質を確保し冗長化する必要があります。 特に、メインサイトとバックアップサイト間の回線は、回線障害が起こると、バックアップサイトに データが送れなくなりますので、独立した冗長構成で回線を構築することを推奨します。 また、構築するディザスタリカバリの構成と、業務によるデータの更新量により、必要とされる 回線速度が異なってきます。そのため、あらかじめ必要とされる回線速度を見積もる必要があります。

図 1-6 ネットワーク構成例

バックアップサイト

メインサイト

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ネットワーク 機器 ネットワーク 機器 サーバ サーバ ネットワーク 機器 ネットワーク 機器 端末 端末 端末

WAN

バックアップサイト

メインサイト

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ネットワーク 機器 ネットワーク 機器 サーバ サーバ ネットワーク 機器 ネットワーク 機器 端末 端末 端末

WAN

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12

2章 ディザスタリカバリ対応の機能

本章では、RemoteDataReplication および RemoteDataReplication/DisasterRecovery で提供する、ディザス タリカバリに関する機能について説明します。

2

2

2

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アト

トミ

ルー

ープ

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(

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A

A

A

T

T

T

)

)

)

ディザスタリカバリ対応の機能では、一貫性を保つ必要があるペアをグループ化できます。この 一貫性を保つためのグループをアトミックグループ(以降、AT グループ)と呼びます。業務単位に AT グループを作成し、ペアを登録することによって、業務ごとに、RV のデータの一貫性を保持するこ とができます。

図 2-1 AT グループ

MV

RV

MV

RV/MV

RV

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト

MV1

RV1

MV2

RV2

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト ATグループ

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13

以降に、AT グループに関する、(1)構成表示および設定機能、(2)状態表示機能、(3)レプリケーシ ョン操作機能、(4)順序保証コピー機能、(5)アトミックブレーク機能について説明します。

作成できるAT グループの数には制限があります。AT グループの諸元に関しては、本書の 「6.1 AT グループの諸元」を参照してください。

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2

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A

A

A

T

T

T

AT グループの構成要素の表示および設定ができます。AT グループには、任意の AT グループ名 を設定することができ、AT グループ名でそれぞれの AT グループを識別することができます。AT グループのMV 側をコンセントレータ、RV 側をディストリビュータと呼びます。コンセントレータ 側(MV 側)のディスクアレイ装置で、AT グループを作成し、RDR ペアを登録して構築します。 ※ コンセントレータ側(MV 側)のディスクアレイ装置で、AT グループを作成し、RDR ペ アを登録します。 MV1-RV1 : AT グループ名が DB_Group1 の AT グループに含まれるペア MV2-RV2 : AT グループ名が DB_Group2 の AT グループに含まれるペア

図 2-2 AT グループの構築例

DB_Group1

MV1

RV1

MV2

RV2

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ディストリビュータ コンセントレータ

DB_Group2

MV3

RV3

MV4

ディストリビュータ コンセントレータ メインサイト バックアップサイト

DB_Group1

MV1

RV1

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ディストリビュータ コンセントレータ

DB_Group2

MV2

RV2

ディストリビュータ コンセントレータ メインサイト バックアップサイト

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15

・ DDR ペアを AT グループに登録できません。RDR ペアのみ AT グループに登録できます。 ・ 最上位のペア以外は、AT グループに登録できません。最上位のペアのみ登録できます。 ・ 登録するペアのMV に、複数の RDR ペアがある場合、AT グループに登録できません。RDR ペアは、AT グループに登録する一つのペアのみ設定されている必要があります。 ・ AT グループ内の登録済みペアおよび AT グループに登録するペアは、セパレートされている 必要があります。 ・ 別々のディスクアレイ装置間のRDR ペアを、一つの AT グループに登録できません。同一 のディスクアレイ装置間のRDR ペアである必要があります。 以下に、AT グループに登録できるペアを示します。 【AT グループに登録できるペアの説明】 ① 単一のRDR ペアを登録します。 ② DDR ペアの MV と DDR ペアの RV の組み合わせで、RDR ペアを登録します。

図 2-3 AT グループに登録できるペア

MV

RV

RV/MV

RV

RV

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

メインサイト バックアップサイト

MV

RV

MV

RV

MV

RV

RV

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

メインサイト バックアップサイト

MV

RV/MV

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以下に、AT グループに登録できないペアを示します。 【AT グループに登録できないペアの説明】 ① ペアがDDR で構成されています。 ② 最上位のペアでありません。 ③ 一つのMV から複数の RDR ペアが構成されています。 ④ AT グループ内のペアおよび AT グループに登録するペアがセパレートされていません。 ⑤ 一つのAT グループに異なるディスクアレイ装置間のペアが含まれています。(※別々の AT グル ープにそれぞれのペアは登録可能)

図 2-4 AT グループに登録できないペア

MV

RV

MV

RV/MV

RV

MV

RV

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

MV

レプリケート

RV

RV

MV

RV

MV

RV

MV

RV

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置

MV

レプリケート

RV

RV

RV/MV

ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト(1) バックアップサイト(2)

MV

RV

MV

RV

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A

A

A

T

T

T

AT グループに含まれる各ペアの状態を、AT グループ単位で表示できます。AT グループの状態は、 AT グループ運用状態と AT グループ同期化状態で表します。

AT グループ運用状態

AT グループとして、AT グループに含まれる RV のデータに、一貫性が保たれているかどう かを表します。AT グループ運用状態が Atomic の場合、その AT グループに含まれる RV のデ ータは一貫性があり、業務復旧に使用できます。AT グループ運用状態が Non-atomic の場合、 そのAT グループに含まれる RV のデータは、業務の静止点をとってセパレートしたセパレー ト完了状態以外、一貫性がないデータです。通常、業務復旧には利用できません。

表 2-1 AT グループ運用状態

AT グループ運用状態 説明 Atomic AT グループとして、RV のデータに一貫性があります。AT グルー プの同期化状態がセパレート完了(Separated)の場合、RV へのア クセスができます。 Non-atomic AT グループとして、RV のデータに一貫性がありません。 無効(Invalid) AT グループにペアが含まれていない、または AT グループを作成 した直後の状態です。

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18

AT グループ同期化状態

AT グループ内のペアの同期化状態を表します。AT グループ内のペアの状態により、AT グ ループ同期状態が遷移します。

表 2-2 AT グループ同期化状態

AT グループ同期化状態 説明 セパレート完了 (Separated) AT グループに含まれる全ペアが、セパレート完了の状態です。 セパレート実行中 (Sep/exec) AT グループに含まれるペアが、セパレート実行中、またはセパレー ト完了の状態です。 セパレート開始 (Sep/start) AT グループに対して、セパレートを開始した状態です。 障害分離 (Fault) AT グループに含まれるペアに障害、または強制操作により分離され た状態があります。AT グループ運用状態が Atomic の場合、RV に はアクセスできません。障害分離からの回復の操作を行うことで、 AT グループ同期化状態をセパレート完了状態に遷移させ、RV を利 用することができます。 障害分離回復中 (Fault/recovering) AT グループが障害分離からセパレート完了に遷移している途中の 状態です。 レプリケート状態 (Rpl/sync) AT グループに含まれる全ペアが、レプリケートによる同期状態で す。 レプリケート実行中 (Rpl/exec) AT グループに含まれるペアが、レプリケートによる同期実行中、ま たは同期状態です。 レプリケート開始 (Rpl/start) AT グループに対して、レプリケートを開始した状態です。 レプリケートサスペンド (Rpl/suspend) AT グループに含まれるペアに、障害によるレプリケート中の異常サ スペンドの状態があります。 リストア実行中 (Rst/exec) AT グループに対して、リストアを実行または実行中の状態です。 リストアサスペンド (Rst/suspend) AT グループに含まれるペアに、障害によるリストア中の異常サスペ ンドの状態があります。 無効 (Invalid) AT グループにペアが含まれていない、または AT グループを作成し た直後の状態です。 ※英字の略称は、ペアの同期化状態と区別するため、先頭文字を大文字にしています。

(27)

19

AT グループ同期化状態は、コピー元であるコンセントレータ側(MV 側)の状態を元に構成さ れます。ディスクアレイ障害や回線障害などにより、リンク障害が発生すると、コンセントレ ータ側(MV 側)のディスクアレイ装置と、ディストリビュータ側(RV 側)のディスクアレイ装置 で、通信ができなくなるため、ディストリビュータ側(RV 側)では障害発生直前の状態を維持し ます。このため、コンセントレータ側(MV 側)の AT グループ同期化状態と、ディストリビュー タ側(RV 側)の AT グループ同期化状態で不一致が生じます。従って、AT グループ同期化状態 を確認する場合、リンク状態をあわせて確認する必要があります。

図 2-5 リンク障害発生時の AT グループ同期化状態

MV1

RV1

MV3

RV3

MV2

RV2

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト

レプリケート状態(Rpl/sync)時に

回線障害発生

回線障害により、障害分離( Fault )に遷移 回線障害により、コンセントレータ側( MV 側)の 状態が取得できないため、障害発生直前の状態 である、 レプリケート状態( Rpl/sync )を維持 コンセントレータ側( 側)の AT グループ同期化状態を参照 ディストリビュータ側( RV 側)の AT グループ同期化状態を参照

MV1

RV1

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト

レプリケート状態(Rpl/sync)時に

回線障害発生

回線障害により、障害分離( )に遷移 回線障害により、コンセントレータ側( 側)の 状態が取得できないため、障害発生直前の状態 である、 レプリケート状態( )を維持 コンセントレータ側( MV 側)の AT

(28)

20

2

2

2

.

.

.

1

1

1

.

.

.

3

3

3

A

A

A

T

T

T

AT グループに登録されたペアに対するレプリケーション操作は、AT グループ単位で行います。

AT グループのレプリケート

AT グループ内に含まれるペアにレプリケートを実行します。AT グループのレプリケート直 後は、AT グループ同期化状態がレプリケート開始(Rpl/start)になります。AT グループ内に含 まれるペアに対してレプリケートを実行すると、AT グループ同期化状態がレプリケート実行中 (Rpl/exec)になります。AT グループ内に含まれるペアのコピーが完了し、主動作状態がレプリ ケート、同期化状態が同期状態になった時点で、AT グループ同期化状態がレプリケート状態 (Rpl/sync)に遷移します。 AT グループのコピーモードは、AT グループのレプリケート実行時に指定します。同期モー ド、セミ同期順序保証モードでAT グループのレプリケートを実行すると、AT グループ同期化 状態がレプリケート状態(Rpl/sync)になった時点で、AT グループ運用状態が Atomic になりま す。バックグラウンドコピーモードでAT グループのレプリケートを実行すると、AT グループ 同期化状態がレプリケート状態(Rpl/sync)になっても、AT グループ運用状態が Non-atomic の ままです。 レプリケート開始(Rpl/start)、レプリケート実行中(Rpl/exec)では、コピーモードによらず、 RV のデータに一貫性がありません。従って、AT グループのレプリケートを実行するときは、 事前に別ボリュームにデータのバックアップをするなどして、一貫性のあるデータがまったく 失われないように運用や手順に注意してください。

(29)

21

AT グループ内に含まれるペアにセパレートを実行します。AT グループ運用状態が Non-atomic のときに、AT グループのセパレートを実行すると、AT グループに含まれるペア に対して、セパレートを実行します。AT グループのセパレート直後は、AT グループ同期化状 態がセパレート開始(Sep/start)になります。AT グループ内に含まれるペアに対してセパレート の実行が完了すると、AT グループ同期化状態がセパレート実行中(Sep/exec)になります。AT グループ内に含まれるペアがセパレート状態になった時点で、AT グループ同期化状態がセパレ ート完了(Separated)に遷移します。このときの AT グループ運用状態は Non-atomic のままで す。

AT グループ運用状態が Atomic のときに、AT グループのセパレートを実行すると、AT グ ループに含まれるペアに対して、RV の一貫性を保持したまま、セパレートを実行します。この ときのAT グループの運用状態は Atomic が維持されます。 なお、AT グループのセパレートでは、セパレート後に即時に RV が使用可能になる、RV 即 時活性化セパレートを使用できません。

AT グループのリストア

AT グループ内に含まれるペアにリストアを実行します。AT グループのリストアは、RV の データ保持のため、RV を更新しない、RV 保護リストアのみです。AT グループのリストアを 実行すると、AT グループに含まれるペアに対してリストアを実行し、AT グループ同期化状態 がリストア実行中(Rst/exec)になります。AT グループのリストアが完了すると、AT グループ同 期化状態はセパレート状態(Separated)に遷移します。従って、AT グループ運用状態が Atomic のときに、AT グループのリストアを実行すると、AT グループ運用状態が Atomic のままで、 RV のデータは保持されます。

(30)

22

AT グループのレプリケーション操作と状態遷移

AT グループの各種レプリケーション操作と、状態遷移の概略をまとめます。

Non-atomic

Atomic

セパレート完了

セパレート完了

障害分離

レプリケート状態

バックグラウンド コピーモードでの レプリケート状態 レプリケート 実行 レプリケート 実行 同期モードまたは セミ同期順序保証 モードで同期完了 バックグラウンド コピーモードで 同期完了 セパレート 実行 セパレート 実行 アトミックブレーク または 強制セパレート 障害分離から RV利用開始 障害により 分離した状 態。RVアク セス不可 一貫性がある状態 でセパレートされて いる状態 セパレート されている 状態

リストア実行中

リストア実行中

リストア 実行 リストア 実行 リストア 完了 リストア 完了 RV保護 リストア 実行状態 RV保護 リストア 実行状態

レプリケート状態

レプリケート実行中

MV/RV間の 差分を反映し ている状態 同期モードまたはセミ同期順序 保証モードでのレプリケート状態。 RVには順序保証でコピーされる。

Non-atomic

Atomic

セパレート完了

セパレート完了

障害分離

レプリケート状態

バックグラウンド コピーモードでの レプリケート状態 レプリケート 実行 レプリケート 実行 同期モードまたは セミ同期順序保証 モードで同期完了 バックグラウンド コピーモードで 同期完了 セパレート 実行 セパレート 実行 アトミックブレーク または 強制セパレート 障害分離から RV利用 障害により 分離した状 態。RVアク セス不可 一貫性がある状態 でセパレートされて いる状態 セパレート されている 状態

リストア実行中

リストア実行中

リストア 実行 リストア 実行 リストア 完了 リストア 完了 RV保護 リストア 実行状態 RV保護 リストア 実行状態

レプリケート状態

レプリケート実行中

MV/RV間の 差分を反映し ている状態 同期モードまたはセミ同期順序 保証モードでのレプリケート状態。 RVには順序保証でコピーされる。

Non-atomic

Atomic

セパレート完了

セパレート完了

障害分離

レプリケート状態

バックグラウンド コピーモードでの レプリケート状態 レプリケート 実行 レプリケート 実行 同期モードまたは セミ同期順序保証 モードで同期完了 バックグラウンド コピーモードで 同期完了 セパレート 実行 セパレート 実行 アトミックブレーク または 強制セパレート 障害分離から RV利用開始 障害により 分離した状 態。RVアク セス不可 一貫性がある状態 でセパレートされて いる状態 セパレート されている 状態

リストア実行中

リストア実行中

リストア 実行 リストア 実行 リストア 完了 リストア 完了 RV保護 リストア 実行状態 RV保護 リストア 実行状態

レプリケート状態

レプリケート実行中

MV/RV間の 差分を反映し ている状態 同期モードまたはセミ同期順序 保証モードでのレプリケート状態。 RVには順序保証でコピーされる。

Non-atomic

Atomic

セパレート完了

セパレート完了

障害分離

レプリケート状態

バックグラウンド コピーモードでの レプリケート状態 レプリケート 実行 レプリケート 実行 同期モードまたは セミ同期順序保証 モードで同期完了 バックグラウンド コピーモードで 同期完了 セパレート 実行 セパレート 実行 アトミックブレーク または 強制セパレート 障害分離から RV利用 障害により 分離した状 態。RVアク セス不可 一貫性がある状態 でセパレートされて いる状態 セパレート されている 状態

リストア実行中

リストア実行中

リストア 実行 リストア 実行 リストア 完了 リストア 完了 RV保護 リストア 実行状態 RV保護 リストア 実行状態

レプリケート状態

レプリケート実行中

MV/RV間の 差分を反映し ている状態 同期モードまたはセミ同期順序 保証モードでのレプリケート状態。 RVには順序保証でコピーされる。

図 2-6 レプリケーション操作と状態遷移の概略

の回復

(31)

23

2

2

2

.

.

.

1

1

1

.

.

.

4

4

4

AT グループ運用状態が Atomic の場合、AT グループ単位で MV に対する RV への更新順序を保 証し、RV のデータの一貫性を保ちます。AT グループに含まれる MV への書き込み順に、コンセン トレータ(MV 側)からディストリビュータ(RV 側)に書き込まれます。 更新順序が保証されるのは、コピーモードが同期モードまたはセミ同期順序保証モードで、AT グ ループ運用状態がAtomic のときのみです。コピーモードがバックグラウンドコピーモード、または AT グループ運用状態が Non-atomic のときは、RV への更新順序が保証されません。 ※ ①、②、③は書き込み順序

図 2-7 順序保証コピー機能

DB_Group1

② ③

AT

グループ運用状態がAtomic

MV2

RV2

RV3

業務サーバ 待機サーバ ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト

DB_Group1

② ③

AT

グループ運用状態がAtomic

MV1

RV1

業務サーバ 待機サーバ ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト

(32)

24

2

2

2

.

.

.

1

1

1

.

.

.

5

5

5

アトミックブレークは、RV への書き込み順序が保証できなくなったときに、RV のデータの一貫 性を保持するため、AT グループ内の全ペアを強制セパレートして、RV を強制的に切り離す機能で す。AT グループ運用状態が Atomic、AT グループ同期化状態がレプリケート状態(Rpl/sync)で、災 害や回線障害などの何らかの障害や、強制セパレートの実行などにより、RV への書き込み順序が保 障できなくなったときに実行されます。アトミックブレークの実行により、RV へのコピーが停止さ れますが、RV のデータの一貫性は保持されます。アトミックブレークにより、RV を強制的に切り 離した後で、MV へのアクセスを許可するかどうかを、AT グループのレプリケート実行時に指定で きます。この“アトミックブレーク後のMV へのアクセス”の設定に関して、以下に説明します。

MV アクセス継続(デフォルト)

アトミックブレークが実行されても、MV へのアクセスが継続できます。回線障害や RV 障 害など、業務に影響を与えない障害では、アトミックブレークの実行により、業務アクセスに 影響を与えません。 アトミックブレーク実行後も、MV への更新が可能なため、アトミックブレーク実行後に、 MV と RV でデータに差分が生じます。たとえば、災害の発生により、まず回線が障害になり、 その後、業務用のサーバが障害になるケースなどは、回線障害後の更新データが損失されます。 RV 障害などのリンク障害をともなわないアトミックブレーク実行の場合、AT グループ同期 化状態は、障害分離(Fault)になります。この状態から RV を利用する場合、ディストリビュー タ側(RV 側)で、障害分離からの回復の操作を実行して RV を利用します。 回線障害などのリンク障害にともなうアトミックブレーク実行の場合、ディストリビュータ 側(RV 側)の AT グループ同期化状態は、リンク障害発生前のレプリケート状態(Rpl/sync)のま まです。この状態からRV を利用する場合、ディストリビュータ側(RV 側)で、強制セパレート を実行し、障害分離からの回復の操作を実行してRV を利用します。

(33)

25

アトミックブレークが実行されたときに、MV へのアクセスを停止します。回線障害や RV 側の障害など業務に影響を与えない障害でも、アトミックブレークの実行により業務アクセス が停止します。 アトミックブレーク実行後は、MV への更新が不可能なため、アトミックブレーク実行後に MV と RV のデータに差分が生じません。たとえば、災害の発生により、まず回線が障害にな り、その後、業務用のサーバが障害になるケースでも、コピーモードが同期モードであれば、 データは損失されません。 なお、アトミックブレークが実行されてからRV を利用する場合、ディストリビュータ側(RV 側)で強制セパレートを実施して障害分離(Fault)に遷移させます。その後、障害分離からの回復 の操作を実行してRV を利用します。 MV アクセス停止は、リンク障害などにより予想外の業務停止を招く恐れがありますので、 システム構築で利用する場合には十分にご注意ください。

(34)

26

2

2

2

.

.

.

2

2

2

遠隔データレプリケーションの機能により、直列構成のペアを同時レプリケートすることができ ます。但し、RDR と RDR の組み合わせのみが対象です。同時レプリケートを実施する場合、2 階層 目以降のレプリケートは、コピーモードがバックグラウンドコピーモードのみ可能です。また、異な る方向へのコピーの同時実行(直列構成の前後のペアでリストア中にレプリケートを実行など)や、前 後のペアに主動作状態がセパレート、同期化状態がセパレート実行中のペアがある場合、レプリケー ション操作は実施できません。

図 2-8 直列構成同時レプリケート実施例

※ バックアップサイト(1) 、またはバックアップサイト(2)のボリュームを DDR のボリュームとして利用す ることはできません。

RV1/MV2

MV1

ATグループの同期化状態がレプリケート状態、 またはペアの同期化状態が同期状態 (同期、セミ同期、またはバックグラウンドコピー)

RV2

ペアの同期化状態が同期状態 (バックグラウンドコピー)

RDR+RDRペアの組み合わせ

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト (1) バックアップサイト (2)

RV1/MV2

MV1

ATグループの同期化状態がレプリケート状態、 またはペアの同期化状態が同期状態 (同期、セミ同期、またはバックグラウンドコピー)

RV2

ペアの同期化状態が同期状態 (バックグラウンドコピー)

RDR+RDRペアの組み合わせ

ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 ディスクアレイ装置 メインサイト バックアップサイト (1) バックアップサイト (2)

(35)

27

3章 ソフトウェアのインストールと

環境構築

本章では、ディザスタリカバリ対応の機能を利用するために必要な、ソフトウェアのインストール方法および 環境構築について説明します。

3

3

3

.

.

.

1

1

1

シス

ステ

ディザスタリカバリ対応の機能を利用し、ディザスタリカバリシステムを構成する場合の、ハー ドウェア機器およびソフトウェアを次に示します。

図 3-1 システム構成

メインサイト

バックアップサイト

iStorageシリーズ ディスクアレイ iStorageシリーズ ディスクアレイ 回線

FC

FC

管理サーバ

LAN

管理サーバ 業務サーバ 待機サーバ

LAN

バックアップサーバ バックアップサーバ テープライブラリ テープライブラリ iStorageシリーズ NAS Gateway iStorageシリーズ NAS Gateway

LAN

LAN

FC

FC

(36)

28

3

3

3

.

.

.

1

1

1

.

.

.

1

1

1

・iStorage シリーズ ディスクアレイ装置 業務およびバックアップに使用するディスクアレイ装置です。メインサイトおよびバックアッ プサイトに配置します。遠隔データレプリケーション機能(RemoteDataReplication)およびディ ザスタリカバリ対応の機能(RemoteDataReplication/DisasterRecovery)を搭載したディスクア レイ装置が必要です。

・iStorage シリーズ NAS Gateway 装置

ディスクアレイ装置に接続して、ストレージにNFS や CIFS、FTP といったネットワークプロ トコルを提供する装置です。メインサイトおよびバックアップサイトに配置します。 ・業務サーバ 業務を行う現用系のサーバです。メインサイトに配置します。 ・待機サーバ 業務を行う待機系のサーバです。バックアップサイトに配置します。 ・バックアップサーバ 通常のバックアップを行うためのバックアップサーバです。メインサイトおよびバックアップ サイトに配置します。バックアップサーバ自体もiStorage シリーズ NAS Gateway 装置とする ことが可能です。バックアップサーバにiStorage シリーズ NAS Gateway 装置以外を用いて構 築する場合、バックアップ形態はRaw バックアップのみとなります。 ・管理サーバ ディスクアレイ装置およびAT グループの、構成設定および状態監視を行うサーバです。メイ ンサイトおよびバックアップサイトに配置し、それぞれのサイトのシステムを管理します。 ・テープライブラリ バックアップ用のテープ装置です。

これらハードウェアのほかに、iStorage シリーズ NAS Gateway を管理・設定するための Web ブ ラウザとiStorageManager 管理クライアントが導入された管理端末が、メインサイトおよびバック アップサイトにそれぞれ一台必要となります。この管理端末は、NAS Gateway の管理 LAN インタ フェースおよび管理サーバとLAN により接続されている必要があります。

(37)

29

3

3

3

.

.

.

1

1

1

.

.

.

2

2

2

・ストレージ制御ソフト iStorage シリーズ ディスクアレイ装置の制御を行います。ストレージ制御ソフトは iStorage 基本制御に含まれています。 ・NAS Gateway 制御ソフト

iStorage シリーズ NAS Gateway 装置の制御を行います。NAS Gateway 制御ソフトは NV シ リーズNAS 基本制御に含まれています。 ・iStorageManager ディスクアレイ装置内のリソースの状態監視、構成設定、およびレプリケーション管理を行い ます。レプリケーション管理機能は、ペアやAT グループの、状態表示機能、設定機能、およ びレプリケーション操作機能などを備えています。iStorageManager は iStorage 基本制御に含 まれています。 ・PerforMate ディスクアレイ装置内のリソース、およびディスクアレイ装置間のコピーの性能を監視する機 能を備えています。 ・AccessControl 業務サーバごとに、アクセスできる論理ディスクを設定する機能を備えています。 ・DynamicDataReplication ディスクアレイ装置内で、データレプリケーションを実現する機能を備えています。 ・RemoteDataReplication ディスクアレイ装置間で、データレプリケーションを実現する機能を備えています。 ・RemoteDataReplication/DisasterRecovery AT グループなどのディザスタリカバリ対応の機能を備えています。 RemoteDataReplication/DisasterRecovery を導入するためには、RemoteDataReplication が 必須です。

(38)

30

・ReplicationControl

業務サーバから、ペアに対するレプリケーション操作やペア状態の確認を行うコマンドを備え ています。NAS Gateway に導入する場合は NAS Gateway 用のものを、バックアップサーバ に導入する場合にはバックアップサーバのOS に適合するものを導入してください。 ・ReplicationControl/DisasterRecovery 業務サーバから、AT グループに対するレプリケーション操作や AT グループ状態の確認を行う コマンドを備えています。NAS Gateway 用のものを導入してください。 ReplicationControl/DisasterRecovery を導入するためには ReplicationControl が必須です。 以下に、それぞれのソフトウェアの導入先を示します。

表 3-1 ソフトウェアの導入先

導入先 導入ソフトウェア iStorage シリーズ ディスクアレイ装置 ストレージ制御ソフト AccessControl DynamicDataReplication RemoteDataReplication RemoteDataReplication/DisasterRecovery iStorage シリーズ NAS Gateway 装置 ReplicationControl

ReplicationControl/DisasterRecovery バックアップサーバ ReplicationControl(ControlCommandSet) バックアップソフト

管理サーバ iStorageManager

PerforMate

(39)

31

3

3

3

.

.

.

1

1

1

.

.

.

3

3

3

ディザスタリカバリシステムでは、災害が発生してもそれぞれのサイトで管理を維持できるよう にするため、サイトごとに管理サーバを配置します。iStorageManager は、それぞれのサイトの管 理サーバに配置して、自サイトのディスクアレイ装置を監視するように構成します。クライアントを それぞれのサイトのiStorageManager に接続して、各サイトのディスクアレイ装置の状態を把握し ます。

図 3-2 iStorageManager の配置例

バックアップサイト メインサイト iStorageManager

管理サーバ

iStorageManager

管理サーバ

それぞれのサイトごと

に管理サーバを配置

RV

ディスクアレイ装置

MV

ディスクアレイ装置

LAN

NAS Gateway装置 NAS Gateway装置

LAN

業務サーバ 業務サーバ

LAN

LAN

図  1-2 リカバリポイント目標、リカバリ時間目標と復旧レベルの関係 クライアントデータ損失が許されないシステムミッション・クリティカルな業務システム業務が停止可能なシステムメールサーバRPO RTO現在数時間前前日前月翌週翌日数時間無停止復旧レベル高難易度、コスト高クライアントデータ損失が許されないシステムミッション・クリティカルな業務システム業務が停止可能なシステムメールサーバRPORTO現在数時間前前日前月翌週翌日数時間無停止復旧レベル高難易度、コスト高
図 3-8 iStorageManager による RDR ペア設定画面例
図 3-9 iStorageManager による AT グループ作成画面例
図 3-10 iStorageManager による AT グループへのペア登録画面例
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参照

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