• 検索結果がありません。

博士 (地 球 環境 科学 ) 須股

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士 (地 球 環境 科学 ) 須股"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博士 (地 球 環境 科学 ) 須股   浩

     学 位 論文 題名

  Numerical Study of Eastern Boundary Ventilation and 工te Effects on the mid‑latitude Ocean Circulation.

    

( 東 岸 か ら の べ ン チ レ ー シ ョ ン と その中緯度海洋循環に及ぼす影響の数値的研究)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

    

中緯度海 洋の密度構造、特に水温躍層の生成維持機構を説明しようとする 試みは、

1980

年代に飛躍的な進歩を遂げた。これは主に

Luyten et al

1983

) による通気水温躍層理論とR11ines ancl YouJlg (1982 )による渦位一様化理論 に始まる一連の研究による。

    Luyten et al(1983

)による通気水温躍層理論では、亜熱帯域では海表面で 与 えられた密 度分布が、 海面に加え られる風応 カの効果に より、鉛直 方向の 密 度分布に置 き換えられ るとする。 一方、西岸 境界付近の 亜表層には 、通気 水 温躍層理論 では海表面 の密度の露 出線から流 線が到達し ない領域が 生じる た め、 閉 じた 流 線内 で 渦位 が 一様 化する とぃう

Rhines ancl Young(1982)

の 理 論が適用さ れ、この両 者を組み合 わせること により、亜 熱帯域の上 部水温 躍 層の構造が 説明される 。これらの 理論的な枠 組は、その 後観測デー タの解 析 や数値実験 による検証 を経て定説 となってき たが、一方 、上記の理 論が適 用 できない下 部水温躍層 の構造や、 東岸境界付 近の亜表層 の構造は未 解明の ままとなっている。

    

その後、通気水汪証曜層理論は、Huang(1989) やPedlosky and Robbins (1991 ) な どにより海 洋混合層含 むように改 良されてき たが、未だ 東岸境界条 件に不 整合を含 んだままとなっている。この東岸境界の密度構造は、

Pedlosky(1984)

な どでも指摘 されている ように、内 部領域の密 度構造の決 定に寄与す る可能 性 が あ り 、 中 緯 度 海 洋 の 循 環 理 論 を 構 築 す る 上 で の 課 題 とな っ てい る 。

  

本研 究では、こ れら理論的 枠組の整備 に寄与すべ く、理想的 な条件下に 於 け る 海 洋 東 岸 で の 密 度 構 造 と 、 そ の 内 部 領 域 へ の 影 響 を 調 べ た 。

  

まず 、東岸境界 付近の密度 構造につい て、海洋大 循環モデル を用いた数 値 実 験によって 調べた。そ の結果、理 想的な状況 下に於いて は、東岸境 界付近 で は、混合層 内上部に生 じる東向き の流が、境 界近傍で下 方ヘ輸送さ れ、混 合層下部 で内部領域へと戻るような構造となっていることが明らかになった。

こ のよ う な構 造 は、 水 温躍 層 と混 合層の 間に密度の

jiunp

が生じ ることによ

り 実現される 。本研究で は、この東 岸での密度 構造の定式 化を試み、 海表面

(2)

密 度分 布と 海洋の基本成層から、東岸に沿う混合層の深さが決定されること を 示し た。 これにより海洋内部の理論的な枠組に対し、流量収支の面で整合 性がある境界条件を東岸で与えることができる。

  

次に 、上 記のような東岸に沿った構造が海洋内部に与える影響について詳 細な解析を行ない、密度jiunp に起因する高渦位水の内部領域への流入と、東 岸に沿った南北流の形成メカニズムを調べた。東岸に沿った密度j Liilip によ り 形成 され る高渦位水は、亜熱帯域で通気される領域の外側をまくような形 で 内部 領域 へと侵入する。また亜寒帯で露出している密度面においては、東 岸 沿い で循 環境界を横切り亜寒帯から亜熱帯への海水の流入をもたらすこと が明らかとなった。

  

これ ら一 連の結果は、海表面に南北密度傾度が与えられた際に生じる帯状 循環が東の境界でどのように閉じるか、とぃう問題の回答を与えると同時に、

そ の結 果と して、海表面や深層水の形成場所以外に、海洋の密度構造の決定

に 寄 与 す る 海 水 の

sourcc

が あ る こ と を 示 す も の で あ る 。

(3)

学 位 論 文 審 査の 要 旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授 教授 助教授 助教授 領域長

久保川 池田 大島 山中 竹内

    厚 元美 慶一郎 康裕

謙介(地球観測フロンテイア)

     学位論文題名、

  Numerical Stucly of Eastern Boundary Ventilation and Ite Effects on the mid ‐latitude Ocean Circulation.

    ( 東 岸 か ら の べ ン チ レ ー シ ョ ン と そ の 中 緯 度 海 洋 循 環 に 及 ぼ す 影 響 の 数 値 的 研 究 )

海洋上層の密度構造(水温躍層構造)の生成維持機構に関する理解は、1980年代に急速に進 展した。 これは 主にLuyten et al.(1983)による通気水温躍層理論とRhines and Young

1982)に よる渦位一様化理論に始まる理想流体水温躍層理論と呼ばれる一連の研究によ

る。Luyten et al. (1983)は、亜熱帯域では海表面で与えられた密度分布が、海面風応カ に起因する鉛直流によって亜表層に運ばれることにより上部水温躍層の密度構造が決定さ れうることを示した。また、Rhines and Young(1982)は、下部水温躍層や密度の露出面か らの流線が到達しない循環西部の亜表層では、閉じた流線内で渦位が一様化するとぃうの 理論を提出した。これらの理論的な枠組は、その後一つにまとめられ、さらに、混合層を 含むような形に改良されてきた。しかしながら、これらの理論は非粘性非拡散の極限を考 えることにより構築されたものであるため、東崖境界付近の亜表層の構造とその内部領域 への影響は未解明のままとなっている。特に東岸の構造は、上記理論的枠組みにおける東 の境界条件を与えるものとして重要である。そこで、申請者は、海洋大循環論の整備と発 展に寄与すべく、理想的な状況下での数値実験を中心的な手段として、海洋東岸近くでの 密度構造と、その影響ついての研究を行った。

  申請者は、まず、海洋大循環モデルを用いた数値実験によって、東岸付近の密度構造を 調ベ、理想的な状況下に於いては、南北密度傾度に伴い混合層内上部に生じる東向きの流 れが境界近傍で下方に輸送され、混合層下部で内部領域へと戻るような構造となっている ことを示した。このような流れは、水温躍層と混合層の問の急激な密度変化により実現さ れる。さらに、申請者は、地衡流平衡と質量フラックスの保存を基にこの東岸での密度構

1520

(4)

造の理論的定式化を行い、数値実験結果と比較した。理論は海表面密度分布と海洋の基本 成層によって東岸に沿う混合層の深さ分布が決定されることを示すものであるが、その理 論は数値実験結果と良く一致した。この東岸での理論を用いることにより、海洋内部の理 論的な枠組に対し、流量収支の面で整合性がある東岸での境界条件を与えることが出来る ものと期待される。

  次に、このような東岸に沿った構造が海洋内部に与える影響について詳細な解析を行い、

東岸での密度分布に起因する高渦位水の内部領域への流入と、東岸に沿った南北流の形成 メカニズムを調べた。まず、数値実験結果より、東岸で形成される高渦位水は、亜熱帯域 で通気される領域の外側をまくような形で内部領域へと侵入することと、亜寒帯で露出し ている密度面上では、東岸沿いに循環境界を横切り亜寒帯から亜熱帯へ流入していくこと を見出した。特に後者の循環境界を横切る流れの生成は興味深い。また、風応カを与えな い実験も行い、この東岸近くでの南下流に風応カは本質的でないことを示した。さらに、

この南下流の成因を明らかにするために、ポテンシャル渦度方程式における項のバランス の解析、線形理論モデルによる考察、流れ場のパラメー夕依存性の検討を経て、この南下 流の生成には鉛直密度拡散が重要であることを示した。

  これらの結果は、海洋東岸での整合性のある境界条件を与えるとともに、形成される東 岸での密度構造の結果として循環境界を横切る流れが生じること、また、海表面から押し 込められる水や深層水とともに、東岸から沈降・流入する海水が密度構造の決定に影響す る可 能 性 を示す ものであ り、海洋 循環論 の発展に 大いに 寄与する ものと 考えられ る。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、また、研究者として誠実かつ熱心であり、

大学院課程における研鑽や取得単位なども併せ、申請者が博士(地球環境科学)の学位を 受けるに十分な資格を有するものと判定した。

1521

参照

関連したドキュメント

   次に ,大小の山 岳地形が 具体的に どのよう に筋雲の 形成,維持に関わっている のか を明らかに するため に,山岳 標高を変 えた感度

  SST −SAT < 1 ℃のときは仮温位が高度ともに増加しており大気境界層が安定な状態を示 しているのに対し、SST ―SAT

  

両方法の調査結果から、オジ口ワシはさまざまな水域に生息する魚類と鳥類を主食とし、哺乳類も少

   海水中の全炭酸の炭素同位体比(61 ℃)を記録しているといわれている浮遊性有孔虫殻の613C に もステージ7 以前で変化が見られた。海洋表層(80m

   次に、これらの系統を混ぜあわせた実験個体群及び系統間のF