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博士(工学)杉田幹夫 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)杉田幹夫 学位論文題名

多面体モデル最適化による立体形状決定法の研究

学位論文内容の要旨

  物体の立体形状を計算機内部に表現することは、物体認識と密接に関係するばかりでな く、それ自体が設計製造分野において重要な課題である。多くの工業部品の立体形状は、

柱体や球などの基本的な立体を基にした集合演算により再現できるが、自由曲面を有する 部品や自然界に存在する多くの物体の形状を再現するためには、物体表面の位置を測定し、

それを適当なデ一夕構造で表現する必要がある。

  ステレオ画像法などに代表される、従来の光学的手段による受動的な形状計測方法によ る立体形状計測方法では、(1)曲面形状の計測、(2)拡散反射面と仮定することができない 表面を持つ物体の計測、(3)対象物体全体の形状決定、が困難であるなどの問題点が挙げ られる。また、それにより決定される物体形状データは、物体上の非常に多数の点の3次 元座標によって表現されるため、デー夕量が膨大になり、他の処理での利用を難しくして い る。一方、物体の2次元投影像(物体像)の輪郭線は写真画像およびTVカメラ画像か ら容易に抽出でき、物体表面の性質に影響されにくいとぃう特徴を持っていることを利用 し、対象物体の多方向のシルェット像あるいはその輪郭線から、volume intersectionの原 理によって物体の形状を決定する方法が提案されている。しかし、この方法では対象物体 が認識されることを前提としており、形状計測の意味での形状決定には不充分である場合 が多い。

  本研究では、従来の受動的形状計測法の問題点の解決策のーっとして、輪郭線に基づく 多面体モデル最適化形状決定法を開発した。この方法では、対象とする物体の表面形状と して、はじめに最も簡単な凸閉曲面を、最終的に任意の単一閉曲面までの形状計測を目的 とし、多方向の物体像から物体の表面形状を最適に近似する多面体モデルを計算機処理に よって決定する。

  はじめに、物体空間における対象物体と計算機内に与えた多面体モデルの形状の不一致 度を、各投影面上における物体像と多面体モデル像の形状の不一致度を基に定義した評価 関数によって評価する方法を考案し、この評価関数を最小化する意味で最適な多面体モデ ルを決定することにより、対象物体の形状を近似決定できることを示した。また、多面体 モデル最適化の手続きとして、任意に与えた簡単な多面f本モデルの初期値を出発点とし、

(2)

評価関数の値が減少するように多面体モデルを逐次変形(各頂点の移動および頂点の増加)

する方法が有効であることを明らかにした。

  具体的にはまず、最も簡単な対象物体として凸閉曲面を想定し、これを凸多面体モデル を用いて形状決定する方法を提案じ、その具体的な形状決定アルゴリズムを作成した。こ のアルゴリズムでは、任意に与えた四面体を出発点とし、逐次頂点を一定の手続きで決定 される位置に追加していった後、各頂点の位置を最適化するものであり、本論文では逐次 頂点増加型と呼ぷ。このアルゴリズムを適用して直方体および回転楕円体の形状決定を行 う計算機シミュレーションを行い、50方向の物体像を用いた形状決定結果について検討し た。この結果から、多面体形状は頂点数の少ない多面体モデルによって、曲面を含む物体 の形状は多数の頂点を有する多面体モデルにより効果的に形状決定できることを明らかに した。また、形状決定のために用いる物体像の数、投影方向の組合せが形状決定結果に対 して与 える影響 を検討し た。さらに、物体を17方向から撮影した写真画像を用いて適用 実験を行い、アルゴリズムの有効性を確認した。

  次に、上記で提案した凸閉曲面の形状決定法をより複雑な物体の形状決定に適用できる ようにすることを目的として、形状決定法の拡張を行い、具体的な形状決定アルゴリズム を作成 した。そ して、計 算機シミ ュレーシ ョンと写 真画像およびCCD画像を用いた適用 実験を行い、アルゴリズムの有効性を確認した。この拡張により、空間的な1本の閉曲線 を境界線として凸閉曲面を切り取った部分曲面形状(凸殻)の形状決定が可能になり、複 数の凸 殻が組合 わさった 形の複合物体の形状決定が可能であることが明らかになった。

  上記で提案した凸閉曲面の形状決定アルゴリズムの欠点を補い、さらに対象物体の範囲 を広範にするため、凸物体に対しても、非凸物体に対しても適用できる形状決定法を提案 し、具体的なアルゴリズムを作成した。この方法では、任意形状の物体を表すために、多 面体モデルも任意形状の多面体を表現できるように、そのデー夕構造を変更した。また、

上記の逐次頂点増加型形状決定アルゴリズムは対象が凸閉曲面であることを積極的に活用 しているため、そのまま応用することができないので、新たに、各頂点位置修正処理とと 頂点増加処理を交互に繰り返すアルゴリズムとした。このアルゴリズムを適用した計算機 シミュレーションにより、凸物体、非凸物体ともに形状決定できること、物体全体を一様 な大きさの三角形によって埋め尽くした形の最適多面体モデルで形状決定できることを確 認した 。また、 物体を16方 向から撮影した写真画像を用いた適用実験を行い、アルゴリ ズムの有効性を確認した。

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

多面体 モデル 最適化による立体形状決定法の研究

  物体認識 や計算機 援用設計(CAD)に見ら れるよう に、3次元 物体の形 状データを計 算機内部 に取り込 み加工・処 理・認識 する技術 の重要性 が増して いる。そ のような技 術に 関 連す る 問 題の ー つに、3次 元自由曲面 を有する 物体を計 測してそ れを計算 機の 内部 で 表現 す る3次 元物 体形状決 定の問題が ある。従 来の手法 には、計 測用探針 を対 象に接触させ.る接触法と、3角測量のように、光学的に非接触で行う非接触法がある。

前者には 測定時間 が長い、測 定対象が 制限され る、デ一 夕構造が 硬直的な どの問題が あり、後 者には対 応点の認識 と検出な どの問題 がある。 本論文は これら従 来法におけ る問題点 の解決を 図るために 行った研 究につい て述べたものであり、6章 からなって いる。す なわち著 者は単純な 凸閉曲面 から最終 的には任 意の単一 閉曲面ま での形状計 測を目的 として、 多方向より 観測した 物体像か ら対象の 表而形状 を最適に 近似決定す る新しい 方法の原 理を考案し 、最適化 に用いる 評価関数 として、 投影面上 の物体の像 とモデル の投影像 の形状の差 異を魅に 、物体空 間におけ る対象物 休と計算 機内に構築 する多面 体モデル の形状の不 一致度を 用いるこ とを提案 し、それ を最小化 する意味で 最適化を行う実用的アルゴリズムを新たに開発している。

.第1章 は 序論 で 、 従来 法の問題 点、研究の 背景、目 的、及び 論文の構 成につい て述 べて い る。 第2章 で は、 ま ず形 状 決 定に 係 る3つの 庵樔 系の定義 を与える とともに 、 座標間の 基本変換 式及びカメラモデルを定義してしヽる。次に、物体投影像の輪郭線に 堪づく評 価関数を 用いて対象 の多而体 モデルを 最適化す ることに より、物 体形状を決 定すると いう、新 しい形状決 定法の原 理と形状 決定アル ゴリズム の基本的 構成を提案 して い る。 す な わち 、3次元自由 曲面を有す る物体形 状を非接 触で決定 する新し い方 法として 、対象投 影像の輪郭 線に基づ く多面体 モデル最 適化形状 決定法の 原理及びア ルゴリズムを提案している。

  第3章 及び 第4章 で は、 第2章 で提 案 し た原 理 とア ル ゴ リズ ム に 基づ き 、そ れ ぞれ

|輯一凸 閉曲面及 び単一凸殻に適用可能な頂点逐次増加型多而体モデル最適化法と、そ

622 ‑

良 喜

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れに 基づ く実用形状決定アルゴリズムを開発し、計算機シミュレーション及び実物体 を川いた実験により、その有効性を実証している。

  第5章で は、 非凸 物体 自由 曲而 にも 適用可能な適応的多面体モデル最適化法を提案 してその計算機表現を容易にする魯幵たなデ一夕構造を提案し、頂点位置修正と頂点増 り‖処理を交互に実行することによる実用形状決定アルゴリズムを開発し、計算機シミ ユ レ ー シ ョ ン 及 び 実 物 体 を 用 い た 実 験 に よ り 、 そ の 有 効 性 を 実 証 し て い る 。   第6章は 総括 であ り本 論文 の成 粟を 総括するとともに、今後の研究課題について展 望してL、る。

  以 上の よう に、 本論 文は 自由 曲襾を 育する3次元形状決定法に関して新たな手法を 与え、計測工学および写真測量学トの新ししヽ知見を含むものであり、計測工学に寄与 するところが大きい。

  よって著者は、北海道大学博、1:(工学)の学位を授・fエされる資格あるものと認めら れる。

‑ 623―,

参照

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