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熊本県食料・農業・農村計画(案)

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~ 平成28年熊本地震からの復旧・復興と

「世界と戦えるくまもと農業」の実現 ~

平成28年12月

熊 本 県

(2)
(3)

平成28年熊本地震からの復旧・復興と

「世界と戦えるくまもと農業」の実現に向けて

本県の農業は、豊富な地下水や肥沃な土壌などの豊かな自然環境のもと、農業者のたゆまぬ努 力で営まれており、多彩な農産物を育む魅力ある産業です。 農業に従事した経験を持つ私は、知事就任後から「稼げる農業」の実現に向けて、全国に先駆 けた農地集積やPQCの最適化などを進めてきたところであり、農業産出額も着実に向上してい ます。 その一方で、本格的な人口減少社会の到来のなか、担い手の減少や高齢化は依然として進行し ており、中山間地域を中心に地域社会の維持・存続までもが危ぶまれています。また、自然災害 などのリスクや、TPP協定をはじめとする国際的な経済連携による農産物のグローバル化への 対応も必要となっています。 平成28 年熊本地震では、営農の基礎となる農地や農業用施設、畜舎など甚大な被害が発生し ており、農業を中心とする地域の活力の低下が懸念されているところです。 このような中、今回新たに策定した「熊本県食料・農業・農村計画」では、熊本地震からの一 日も早い復旧と創造的復興を進めるとともに、TPP協定合意等の影響も見据え、農業の競争力 強化を促進するための産業施策と、農業・農村の有する多面的機能を維持・発揮させるための地 域施策とを車の両輪として農業・農村施策の展開を加速化し、「世界と戦えるくまもと農業」を目 指すこととしています。 本県農業のさらなる発展は、経済的な豊かさだけでなく、農村地域の活性化にもつながります。 県民の皆様が、安全安心で、誇りに満ち、未来への夢と希望にあふれ、幸せを実感できる、そ のような熊本の農業が実現できるよう全力で取り組んで参ります。 この計画の実現には、農業者をはじめ県民総参加で、くまもとの食、農業、農村の維持発展に 取り組む必要があります。県民の皆様におかれましては、施策の推進に対する一層のご理解とご 協力をお願いします。 平成28年12月 熊本県知事

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目 次

■はじめに

1 策定の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3 県民との協働・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

総 論

第1章 くまもと農業・農村を取り巻く状況

1 本格的な人口減少社会の到来・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2 経済のグローバル化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3 変動する気候等の影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4 消費ニーズや流通の多様化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 5 農業・農村への県民の理解と連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

第2章 くまもと農業・農村の今

1 くまもと農業の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2 農業の担い手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 3 農業の生産基盤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 4 農産物の生産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 5 農産物の流通・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 6 くまもとの農村(中山間地域)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 7 農業・農村の多面性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

第3章 くまもと農業・農村の将来の方向

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

第4章 熊本地震からの復旧・復興に向けて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

各 論

第1章 目指すべき姿の実現に向けた取組み

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

1 「稼げる農業」の更なる加速化

(1)農業の担い手の確保・育成 ① 認定農業者、農業法人の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 ② 地域営農組織の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 ③ 女性農業者の活躍促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 ④ 多様な就農ルートに対応した新規就農者の確保・育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 ⑤ 企業などの農業参入の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 (2)競争力とリスク対応力を高める農業生産基盤の強化 ① 担い手への農地集積の加速化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48 ② 農業の生産性向上に向けた基盤・施設の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 ③ 農業・農村の強靭化に向けた防災・減災対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 ④ 農業団体の経営基盤・活動の充実強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52

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(3)競争力のある農産物の生産体制の確立 ① 商品力の向上:魅力ある商品づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 ② 商品力の向上:安全で信頼のある商品づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56 ③ 現場・消費ニーズに対応した新品種、新技術の開発、普及・・・・・・・・・・・・・・ 57 ④ ICT等を活用した次世代型園芸の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 ⑤ 大規模経営による生産コスト低減・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 ⑥ 地域全体で畜産の収益性を向上させる取組みの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 ⑦ 生産・流通体制の再編とフル活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 (4)くまもと産のブランド力向上と販路拡大 ① 県産農産物の認知度向上、販売チャネルの拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65 ② 県産農産物の輸出拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 ③ 6次産業化等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 69 ④ 地産地消、食育の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 2 中山間地域等における持続可能な農村づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72 (1)中山間地域における収入の柱づくりと担い手づくり ① 中山間地域における柱となる所得の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 ② 中山間地域における農地基盤整備と集積による基盤強化・・・・・・・・・・・・・・・・ 75 ③ 中山間地域における担い手確保対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 (2)地域資源を活用した中山間地域等の振興 ① 生涯現役での豊かなシルバーライフの実現・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 ② 都市と農村の交流と農村への移住・定住の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 ③ 農業と他分野が融合した地域の活性化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82 (3)次世代へ豊かな農村社会や環境の継承 ① むらづくりを実践・応援する多様な人材の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 ② 地域ぐるみの活動による多面的機能の維持・発揮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86 ③ 多様な営農を通じた地下水と土を育む農業の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 ④ 鳥獣被害対策とジビエの利活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90

第2章 目指す将来像の実現に向けて

1 本県の総合食料自給率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 2 本県の品目別生産目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 3 本県の担い手の構造展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93 4 モデル経営類型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94

■参考資料

○ 専門用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117

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- 1 -

■ はじめに(計画の策定に当たって)

1 策定の背景

平成 23 年3月に熊本県食料・農業・農村計画(くまもと農業の可能性の大きな飛 躍に向けて)を策定し、これまで様々な施策を講じてきました。 具体的には、農業所得の向上に向けて、くまもとらしい新たな品種、いちご「ゆう べに」、温州みかん「熊本EC11」、い草「涼風」などの開発、トップグレード米の 推進など品質や商品力の向上による「P:価格の上昇」、水田の汎用化や大区画化、耐 候性ハウスの整備、温州みかんの隔年結果対策など「Q:安定した生産量の確保」、農 地集積の加速化や大規模な地域営農組織の設立、選果場の再編整備など「C:コスト の削減」等により「P×Q-C」の最大化に取り組んできました。 また、就農相談のワンストップ化や研修制度の充実化等支援対策の強化に取り組み、 新規就農者が 300 人/年を超え、農業への参入企業数が着実に増加するなど担い手確 保に向けた取組みが進んできました。 さらに、農業所得の最大化に向け、県産農産物のブランド化、輸出促進などに取り 組むなか、大都市圏やアジア諸国に向けた知事のトップセールスなど販売拡大に取り 組み、農林水産物の輸出額が約 35 億円(平成 26 年)となるなど成果に結びつきまし た。 加えて、農業・農村の多面的機能を維持させる取組みへの支援についても、多面的 機能支払制度の推進や、「地下水と土を育む農業推進条例」を制定し、県民運動として 農業の営みを通じた地下水と土を育む取組みを推進してきました。 日本経済は緩やかな回復を続けており、本県においても、基調的には緩やかな回復 を続けている中で、本県の農業産出額は、平成 18 年を底に回復基調にあり、平成 26 年の農業産出額が 3,283 億円(全国6位)、生産農業所得は 1,186 億円(同第4位)と なり、全国有数の農業県として明るい兆しが表れてきています。 一方で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定、平成 27 年 10 月大筋合意、 平成 28 年2月合意文書署名)、日・豪経済連携協定(日豪EPA、平成 27 年1月発効) など、自由貿易、経済連携に関する国際協定の進展によって、農産物の輸入自由化が 今後ますます進むことが見込まれており、人口減少社会の進展と相まって、農業・農 村の先行きに対する大きな不安要素となっています。 また、平成 28 年 4 月 14 日・16 日に本県を襲った熊本地震では、あらためて自然災 害の怖さと備えの必要性を痛感したところです。 そこで、今回、震災からの復旧・復興を進めるとともに、本県農業・農村を引き続 き、維持・発展させるため、これまでの計画を見直し、目指すべき姿に向け重点的に 取り組む課題や施策を示していくこととします。

2 計画の期間

この計画は、「熊本復旧・復興4カ年戦略」と歩調を合わせた農業・農村に係る具 体的な振興計画として、平成 28 年度から平成 31 年度までの4カ年を計画年度としま す。

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- 2 - また、計画に基づく取組みの進捗状況を把握するため、各論の第1章「目指す姿の 実現に向けた取組みの方向性」の政策課題ごとに4年後の目標を設定しています。 なお、農業・農村をめぐる情勢変化に柔軟に対応して効率的な施策展開が図られる よう、必要に応じ見直すものとします。

3 県民との協働

食料・農業・農村を取り巻く諸課題は、農業者のみならず、消費者など県民の十 分な理解を得た上で県民一人ひとりの行動によって解決していく必要があるもの です。したがって、この計画は、本県の農業・農村の維持、発展に向け、農業者を はじめ県民総参加で取り組む方向性を示す指針であるとともに、県民へのメッセー ジとしての性格を持っています。

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- 3 -

1 本格的な人口減少社会の到来

我が国の人口は、平成 20 年をピークに減少に転じており、今世紀半ばには1億人を 下回ると予測されています。人口減少は、生産力の低下や消費市場の規模縮小といった 経済への影響に留まらず、社会基盤の弱体化による地域社会の維持・存続が危ぶまれる など、日本全体の深刻な問題となっています。 本県においても、全国と比較すると約 10 年早く人口減少の局面に入っており、少子 化に伴う生産年齢人口(15~64 歳)の減少と老年人口(65 歳以上)割合の拡大が進み、 全国を上回るスピードで人口が減少すると見込まれています。 本県農業の担い手については、基幹的農業従事者の平均年齢が全国平均よりも若いも のの、およそ6割が 65 歳以上であることから、今後、急速に減少すると見込まれてい ます。 人口減少社会の進展は、農産物の消費の点から見ると、国内消費市場の縮小はもとよ り、食生活や消費動向にも大きな変化が生じることが予測されます。 また、農産物の生産の面から見ると、生産体制の弱体化に加え、中山間地域などの条 件不利地における耕作放棄の拡大やそれに伴う鳥獣害の発生・拡大、多面的機能の低下 など様々な問題を引き起こし、集落の活力減退や共同活動として行われてきた農地や水 路、農道などの維持管理が難しくなるなど農村の機能全体へ大きな影響を及ぼすことが 懸念されています。

2 経済のグローバル化

環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)交渉が、平成 27 年 10 月に大筋合意し、 平成 28 年2月に合意文書が署名されました。TPP協定は、世界全体のGDPの 36.3% を占める巨大な経済連携協定であり、発効すれば、平成 27 年1月に発効した日豪EP Aを含め既に発効している 14 の国と地域との間の協定と合せて、締結国との貿易額が 日本全体の 37.2%を占めることとなります。政府は、これを 70%まで引き上げること を目標としており、経済のグローバル化は今後ますます進展していくことが見込まれま す。 近年、中国をはじめとする新興国の経済規模が大きくなる中、アジア諸国を中心に安 全で高品質な日本産農産物へのニーズやインバウンド需要が急激に拡大しています。経 済発展と人口増加の著しいアジア諸国は、本県農業にとっても魅力ある市場であり、こ れまでトップセールス等を通じた販路開拓を積極的に進め、輸出額が大きく伸びていま す。また、和食への関心が平成 25 年のユネスコ無形文化遺産登録をきっかけに世界的 に高まるなど、日本食や日本の食文化の海外展開が大変期待されています。 一方、世界的な人口増と経済発展によって、エネルギーや穀物需要の高まりと需給ひ っ迫が懸念される中、食料の安定供給の確保のために必要なエネルギー価格や穀物市況 の影響を軽減できるような省・新エネルギーの利用技術、低コスト生産技術の開発・普 及、飼料自給率の向上に向けた取組みが求められています。

第1章 くまもと農業・農村を取り巻く状況

総 論

(10)

- 4 -

3 変動する気候等の影響

温暖化に伴う地球規模の気候変動は、今世紀末までに不可逆的な影響に至るリスクが 「高いレベル」から「非常に高いレベル」に達するとされています。 日本における気候変動の将来予測によると、年平均気温は上昇し、大雨の頻度が増え る一方で、降水の日数は減少し、非常に強い台風の増加や、日本近海まで勢力を比較的 維持したまま到達する可能性があるとされています。また、現在の米やカンキツの品質 低下、家畜の生産性低下に加え、果樹をはじめとする農産物の栽培適地の変化、害虫被 害の増加などの影響が予測されています。 また、阿蘇や桜島の火山活動に伴う降灰等による被害や、平成 28 年熊本地震など、 予測困難な自然災害も発生していることから、これらに対応するための技術や品種の開 発、防災・減災に向けた対策などが求められています。

4 消費ニーズや流通の多様化

近年、消費者の原産地表示や遺伝子組換え農産物に係る食品表示の適用拡大及び強化 を求める声は強く、食の安全・安心に対する消費者ニーズは引き続き高いものがありま す。加えて、機能性成分を有する食品や有機栽培農産物への需要が高まる一方、より安 価な食品への需要も強く、消費者のニーズはますます幅広いものとなっています。 また、大型量販店向けの卸売市場における相対取引や市場外での産地との直接取引の 拡大、女性の社会進出や単身・高齢者世帯の増加に伴う家庭における食習慣の変化によ る外食・中食産業の拡大と、これに伴う加工・業務用の需要に向けた原料農産物や調製 品の輸入の拡大、さらにはインターネット販売の広がりなど消費者・実需者までの流通 ルートはますます多様化しています。 これら国内ニーズの変化への対応や各地域・品目におけるブランド戦略の展開に加え、 アジア諸国を中心とした大きな海外需要の取込に向けた、生産者サイドの素早い的確な 対応が求められています。

5 農業・農村への県民の理解と連携

農業・農村は、古くから食料供給に加え、国土保全、水源かん養、自然環境の保全、 良好な景観の形成、生活文化の伝承など多面的な機能を発揮し、暮らしを支えるととも に地域の活力を生み出してきました。しかしながら、近年、農産物の価格低迷や安価な 輸入品の増加、後継者不足等により、食品の安全・安心や農業・農村の多面的機能を農 業者だけで維持していくことが難しくなりつつあります。 このような中、本県では、平成 21 年 3 月に地産地消の推進による農林水産物などに 対する理解を深めるとともに、経済の循環や地域の活性化を促進することなどを目的と した「くまもと地産地消推進県民条例」を制定しました。 また、本県の宝であるきれいで豊かな地下水と肥沃な土を未来へ引き継ぐことを基本 目標とした「熊本県地下水と土を育む農業推進条例」を平成 27 年 4 月に施行し、農業 者の取組みを県民全体で支える運動の展開をスタートさせました。 農業・農村が食生活のみならず、豊かな環境の礎となり、県民全体がその恩恵を享受 していることへの理解を更に深めていくためにも、農業以外の団体や企業等との連携を 図り、農業・農村を県民全体で支えていくよう機運を醸成していくことが求められてい ます。

(11)

- 5 - ○ 農産物などの価格に生産量を乗じた農業産出額は、平成2年の 4,016 億円をピークに 長らく下落傾向が続き、2,984 億円(平成 18 年)まで減尐しましたが、以降、増加に転 じています。近年、主食用米の作付減尐と米価の下落が見られる一方、野菜生産の伸び と安定した単価、畜産物価格の大きな上昇などによって平成 26 年の農業産出額は 3,283 億円(全国第6位)となり5年連続で増加しています。 〇 品目別の産出額は、野菜が 38%、畜産が 34%、米が 11%、果実が 10%と一部品目へ の偏りが尐なくバランスがよいことが本県の特徴となっています。 ○ 農業産出額から物的経費を控 除し、補助金などを加算した生 産農業所得は、長らく下落傾向 が続いていましたが、平成 21 年(879 億円)を底に増加に転 じ、平成 26 年は 1,186 億円(九 州第1位、全国第4位)となり、 前年から約 20 億円増加(対前 年比 1.6%増)しています。

第2章 くまもと農業・農村の今

1 くまもと農業の概況

農業産出額

生産農業所得

1,424 1,136 879 1,080 1,064 1,134 1,167 1,186 42% 37% 29% 35% 34% 35% 36% 36% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 H12 17 21 22 23 24 25 26 (億円) (年) ■生産農業所得の推移 (資料)農林水産省「生産農業所得統計」 ※生産農業所得=農業産出額-物的経費+補助金等 米 353億円 11% 野 菜 1,191億円 38% 果 実 311億円 10% 花 き 99億円 3% 工芸 農作物 119億円 4% 畜産 1,070億円 34% 農業産出額に占める品目別割合 3,358 3,102 2,984 3,071 3,113 3,245 3,250 3,283 561 448 386 351 409 450 403 353 1,039 961 975 1,113 1,065 1,176 1,172 1,191 368 318 343 323 321 333 334 311 121 103 102 98 97 103 102 99 212 171 129 115 123 114 115 119 842 921 873 935 956 949 996 1,070 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 H12 17 18 22 23 24 25 26 (億円) (億円) (年) ■農業産出額の推移 農業産出額 米 野 菜 果 実 花 き 工芸 農作物 畜産 (資料)農林水産省「生産農業所得統計」 ※農業産出額=単価×生産量

(12)

- 6 - ○ 県内で1年間の農業生産活動に よって生み出された付加価値を 示す県内総生産は、平成 25 年に おいて 1,648 億円となっています。 農業産出額が増加する一方、中 間投入額(コスト)が横ばいであ ったことから、平成 21 年を底に 増加に転じています。 ○ 本県の食料自給率は、平成 26 年度(概算)において、カ ロリーベースで 59%となっ ており、近年は台風災害や豪 雨災害のあった年を除き、 60%程度で推移しています。 また、生産額ベースはほぼ 横ばいで推移しており、平成 26 年度(概算)において 150% となっています。

県内総生産

要 検 討

食料自給率

1,582 1,403 1,468 1,520 1,638 1,648 3,285 3,169 3,229 3,266 3,392 3,390 1,703 1,766 1,761 1,746 1,754 1,742 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800 1,900 2,000 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 17 21 22 23 24 25 (億円) (億円) (年) ■農業の県内総生産(名目)の推移 県内総生産 産出額 中間投入額 (資料)熊本県地域振興部「平成24年度県民経済計算報告書」 ※県内総生産=産出額-中間投入額 40 40 39 39 39 39 39 61 58 61 61 58 59 59 71 69 69 67 67 65 64 154 152 155 152 159 151 150 40 60 80 100 120 140 160 180 200 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 H12 17 22 23 24 25 26 (概算) (%) (%) 国(カロリー) 県(カロリー) 国(生産額) 県(生産額) (資料)農林水産省「食料需給表」(県自給率は農林水産省で試算した数値) ■食料自給率の推移 カ ロ リ ー ベ ー ス 生 産 額 ベ ー ス

(13)

- 7 - ○ 平成 27 年では、農家戸数は 58,414 戸(全国 14 位)、基幹的 農業従事者数は、65,209 人(全 国 4 位)と全国でも上位にある ものの、いずれも減尐傾向に歯 止めがかからない状況です。 また、高齢化も進展しており、 65 歳以上の農業従事者数の占 める割合が 56.3%となってい ます。 本県農業を支える担い手の 構造は脆弱化が進んでおり、将 来を担う農業者の確保がます ます重要となっています。 ○ 本県農業の担い手の中核であ る認定農業者は、11,126 経営体 で、北海道、新潟県に次ぐ全国 3位となっています。認定農業 者数が横ばい傾向の中、法人経 営体は増加しています。 ○ 経営の多角化や安定化を図る 有効な手段として農業経営の法 人化を推進してきた結果、平成 26 年度末で、864 法人に増加してい ます。農地の所有権取得が可能な 農業法人(農地所有適格法人)も、 平成 27 年1月現在で 476 法人と 増加しています。

農家戸数、基幹的農業従事者

認定農業者

農業法人(農地所有適格法人)

2 農業の担い手

9,475 10,298 11,057 10,948 10,948 10,983 11,126 150 276 476 519 558 610 657 0 200 400 600 800 1,000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 H12 17 22 23 24 25 26 (法人) (経営体) ■認定農業者数の推移 認定農業者 うち法人経営体 (資料)農林水産部調べ 132 137 149 142 132 132 134 8 23 162 202 241 294 319 217 337 389 390 395 390 386 5 8 14 18 19 23 25 188 253 363 394 416 449 476 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 H12 17 22 23 24 25 26 (法人) (年度) ■農業法人の推移 農事組合法人 株式会社 株式会社(特例有限会社) その他(合資、合同等) 農業法人(農地所有適格法人) (資料)農林水産部調べ 362 505 839 714 752 787 864 79,621 74,173 66,869 58,414 63,050 54,298 46,480 40,103 122,020 106,343 87,136 71,900 88,690 81,973 73,028 65,209 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 H12 17 22 27 (人) (戸) (年) ■農家戸数及び農業従事者数の推移 総農家戸数 販売農家戸数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 (資料)農林水産省「農林業センサス」 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 15~29 30~ 35~ 40~ 45~ 50~ 55~ 60~ 65~ 70~ 75~ 80~ 85以上 (人) (歳) ■基幹的農業従事者数の推移 平成17年 平成22年 平成27年 (資料)農林水産省「農林業センサス」

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- 8 - ○ 米、麦、大豆を中心とした土 地利用型農業における生産組 織は、作業受託組織が中心でし たが、平成 19 年度から開始さ れた国の対策を機に、生産及び 経営を一体的に行う協業・法人 形態の地域営農組織が増加し ました。近年の組織数は、横ば い傾向にあり、平成 26 年度末 で 601 組織となっています。 ○ 農業就業人口に占める女性の 割合は約半数で推移しており、経 営への更なる参画や女性の声の 施策への反映が求められていま す。女性認定農業者数は、平成 26 年度末で 1,155 人と年々増加して います。 ○ 新規就農者は、長らく減尐傾向 にありましたが、近年増加に転じ、 最近3年間は 300 人を超えていま す。 ○ 新規学卒者が減尐し、他産業か らの新規参入者が増加傾向にあ るなど就農ルートに変化が見ら れます。 〇 また、農業法人や農業参入企業 に雇用された就農者が大きく増加 するなど、就農の形態も多様化し ています。

生産組織

新規就農者

女性農業者

174 331 179 176 163 173 164 183 182 96 91 95 87 91 9 27 347 347 348 354 346 0 100 200 300 400 500 600 700 H12 17 22 23 24 25 26 (組織) (年度) ■生産組織の推移 協業・法人(地域営農組織等) 共同利用 受託組織 (資料)農林水産部調べ 366 540 622 614 606 614 601 96 135 163 174 172 169 252 201 531 508 646 875 903 0 200 400 600 800 1,000 1,200 H12 17 22 23 24 25 26 (人) (年度) ■女性認定農業者数の推移 女性単独申請 夫婦共同申請 (資料)農林水産部調べ 96 336 694 682 818 1,044 1,155 18 21 59 47 70 102 116 124 99 135 164 149 138 174 148 124 140 121 80 70 72 61 53 63 0 50 100 150 200 250 300 350 400 H12 17 22 23 24 25 26 27 (人) (年) ■新規就農者の推移 新規学卒者 Uターン就農者 新規参入者 (資料)農林水産部調べ 257 277 266 280 337 317 303 311 100 131 280 329 248 214 0 50 100 150 200 250 300 350 22 23 24 25 26 27 (人) (年) ■雇用就農者の推移 (資料)農林水産部

(15)

- 9 - ○ 青年就農給付金制度を新規 就農者への支援策として積 極的に推進してきた結果、そ の受給実績は、全国第1位 (経営開始型は同1位、準備 型は同7位)となっています。 ○ 企業などの農業への参入は、平成21年の農地制度の改正を契機に増えてきており、県 内では平成21年4月から平成26年度末までに119件の参入がありました。農業への参入 は、農業の新たな担い手としてだけではなく、地域における雇用の創出、耕作放棄地の 解消、地域の活性化など様々な効果が期待されています。 ■参入企業(119 件)の内訳 業種別 飲食・食品関連業 42、建 設業 16、農業機械・建設 機械販売業 7、JA3、製 造業 9、卸売り小売業 7、 その他 35 県内外別 県内企業 93、県外企業 26 参入形態別 農業生産法人 67、一般法 人 52 参入地域別 県央 38、県北 38、県南 29、天草 14

企業などの農業への参入

新規就農者における青年就農給付金受給状況(平成26年度) うち 45歳未満 合計 (重複除く) 準備型 経営開始型 153 (146) 24 (23) 37 (36) 92 (87) 109 116 148 53 青年就農給付金受給者 全体 128 25 317 282 53 120 新規就農者 新規参入 Uターン 新規学卒 81 11 35 2 12 12 11 11 11 11 11 11 19 19 19 19 18 20 20 20 20 21 21 21 27 27 22 0 20 40 60 80 100 120 140 H21 22 23 24 25 26 (件) ■企業などの農業への参入の推移 H21 H22 H23 H24 H25 H26 11件 30件 50件 71件 98件 119件 (年度) (資料)農林水産部調べ

(16)

- 10 -

人口減尐社会の進展や農業の担い手の減尐・高齢化による本県の農業生

産や農村社会を支える力の脆弱化への対応が大きな課題です。

また、担い手の中核となる認定農業者への経営改善支援、女性農業者の

活躍促進、次代を担う新規就農者等の確保・育成に向けた対策の充実・強

化が課題です。

加えて、地域の力によって農業生産を支える地域営農組織等の設立支

援・育成・体質強化、さらには企業等の農業参入を進めるなど、幅広い担

い手による農業生産体制の維持・強化を図ることが課題です。

特に、高齢化が進展している中山間地域においては喫緊の課題です。

■ 認定農業者の経営改善目標の達成、経営の法人化の推進に加え、その経営体質 を強化し所得の増大を図るため、経営状況に応じた総合的な支援が必要。 ■ 農地や機械等の効率的利用を行う地域営農組織の設立・育成を支援するととも に、法人化等を通じた組織の体質強化が必要。 ■ 農業の重要な担い手である女性農業者の積極的な経営参画を促進するととも に、起業や社会参画に向けた支援が必要。 ■ 新規就農者に対する就農相談から就農・定着まで、多様な就農ルートへの対応 と定着に向けた支援が必要。 ■ 企業などの農業参入を積極的に推進し、地域との共存関係を図りつつ農業の有 力な担い手として経営規模拡大や雇用創出等に向けた総合的支援が必要。

◆農業の担い手の確保・育成に向けた課題

(17)

- 11 - ○ 耕地面積は、近年緩やかな減尐

が続いており、平成 26 年で 115.0 千 ha(田 70.3 千 ha、畑 44.7 千 ha) となっています。 ○ 農地集積は、生産性向上と農地 の次世代への継承を目的として、 平成 35 年までに全農地の8割 (86,800ha)を担い手に集積する こ と と し 、 平 成 24 年 度 か ら 2,100ha/年の農地集積に取り組 んできました。 平成 26 年3月には熊本県農業 公社を農地中間管理機構として 指定し、関係者一体となって集積 を推進しています。 ○ 県内の耕作放棄地は、12,460ha (平成 27 年)と5年前に比べて 428ha 増加したものの、増加幅は 縮小傾向にあります。 増加要因は、農家における耕作 放棄地面積が減尐に転じている 一方、土地持ち非農家における耕 作放棄地面積の増加がそれを上 回っているためです。 ○ 水田の有効活用は、需要に見合った主食用米の生産と非主食用米等での転作を通じ、 適正な米の価格を維持、米農家の経営安定を図っており、非主食用米の推進による不作 付地の解消を進めています。

耕作放棄地の現状

耕地面積

3 農業の生産基盤

72.3 71.1 70.9 70.4 70.4 70.3 23.2 22.8 22.8 22.8 22.6 22.4 17.7 16.6 16.4 16.1 15.8 15.5 7.2 6.9 6.9 6.9 6.9 6.9 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 17 22 23 24 25 26 (千ha) (年) ■耕地面積の推移 牧草地 樹園地 普通畑 田 (資料)農林水産省「耕地及び作付面積統計」 120.4 117.4 117.0 116.1 115.8 115.0

水田活用の状況

農地集積の状況

1,237 1,395 1,380 1,780 2,172 2,509 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 H21 22 23 24 25 26 (ha) (年) ■農地集積面積の推移 (資料)農林水産部調べ (集積目標:2,100ha) 4,291 5,564 6,313 6,186 6,094 3,128 4,770 5,362 5,845 6,366 7.0% 10.0% 11.8% 12.5% 13.2% 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 14.0% 16.0% 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 H7 12 17 22 27 (%) (ha) (年) ■耕作放棄地の推移 土地持ち非農家 総農家 耕作放棄地率 (資料)農林水産省「農林業センサス」 7,419 10,334 11,675 12,032 12,460

(18)

- 12 - ○ 農用地区域内の水田(約 59,000ha) は、平成 26 年度現在で、全体の約 70% に当たる 41,403ha の整備が完了して います。 ○ 農業用ダムをはじめ頭首工や農業用水路など、多くの農業水利施設が設置されており、 特に、広大な農地が広がる海岸部の平坦地には、排水対策のための機場が多数設置され、 農業のみならず地域の安全・安心を担っています。 ○ 一方、これら農業水利施設の多くが高度経済成長期に整備されていることから、既に 耐用年数を超えた施設も多く、老朽化による機能低下が進行しており、適正な管理と不 測の事態への備え、計画的な更新が必要とされています。

農業水利施設

2 7 年 産 主 食 用 米 加 工 用 米 等 飼 料 用 米 米 粉 用 米 W C S 用 稲 わ ら 専 用 稲 等 不 作 付 地 野 菜 等 飼 料 作 物 大 豆 麦 主 食 用 米 加 工 用 米 等 飼 料 用 米 米 粉 用 米 W C S 用 稲 わ ら 専 用 稲 等 不 作 付 地 野 菜 等 飼 料 作 物 大 豆 麦 2 6 年 産 野 菜 等 飼 料 作 物 大 豆 麦 2 5 年 産 主 食 用 米 加 工 用 米 等 飼 料 用 米 米 粉 用 米 W C S 用 稲 わ ら 専 用 稲 等 不 作 付 地 水田本地面積 66,000ha

△1,400ha +230ha +927ha △215ha

生産数量目標 36,880ha +415ha 現状維持 水稲作付面積:44,258ha 水稲作付面積:44,430ha(+172ha) 生産数量目標 36,760ha 水稲作付面積:44,006ha(△424ha)

△1,800ha +72ha +344ha +982ha △267ha +691ha

37,500ha 691ha 886ha 5,078ha 2,880ha 18,862ha

36,100ha 1,109ha 1,116ha 6,005ha 2,665ha 18,905ha

34,300ha 1,181ha 1,460ha 6,987ha 2,398ha 19,596ha

103ha 100ha 78ha

農地の整備状況

■排水機場の設置箇所数(経過年数別) (資料)農林水産部調べ (経過年数) 0 5 10 15 20 25 30 35 0-4年 5-9年 10-14年 15-19年 20-24年 25-29年 30-34年 35-39年 40年以上 7 16 13 17 20 31 30 21 12 ■主な農業水利施設の現状 箇所数等 ① 8箇所 144箇所 うち受益面積100ha以上 30箇所 ③ 約570km ④ 約210km ⑤ 167箇所 ⑥ 約2,400箇所 施設名 農業用ダム 頭首工 ② 基幹的農業用水路 基幹的農業排水路 排水機場 ため池 (資料)県土地改良施設ストック実態調査他   ※基幹的農業用用排水路とは受益面積が100ha以上のもの   ※頭首工については、法河川や準用河川に設置されているもので     水利権(許可、慣行)を有しているもの 40,429 40,532 40,818 41,024 41,148 41,301 41,342 41,403 40,000 40,200 40,400 40,600 40,800 41,000 41,200 41,400 H19 20 21 22 23 24 25 26 (ha) (年) ■水田の区画整理の推移 (資料)農林水産部調べ

(19)

- 13 - ○ 大雨や暴風、高潮、火山などによる農業災害が頻発しています。また、平成 28 年 4 月には熊本地震が発生し、過去最大の被害となりました。 今後も農業災害の頻発、被害の増大が懸念されます。 ※H24 は熊本広域大水害が発生 〇 施設園芸が盛んな本県では、台風等によ る被害を軽減させる取組みとして、気象災害 に強いハウスの導入を積極的に進めており、 平成 27 年現在その面積は 351ha にまで拡大し ています。 ○ 農業共済は、自然災害への備え として加入を働きかけていると ころですが、その加入率は共済の 種類によって大きな違いがあり ます。 加入率の低い共済では、自然災 害発生時のセーフティネットと しての役割を十分に果たせない ことが懸念されています。 992 245 2,320 29 699 414 1,938 17,227 435 562 0 5,000 10,000 15,000 20,000 H22 23 24 25 26 (百万円) 農地・農業用施設 農作物・ハウス等 1,407 2,183 19,547 464 1,260 (資料)農林水産部調べ ■農業気象災害の被害額推移 220 169 145 225 156 140 230 186 110 157 103 188 251 190 295 156 112 256 131 158 94 177 331 275 244 206 173182 356 193 238 194 254 169 209 275282 237237 207 0 50 100 150 200 250 300 350 400 19 76 19 77 19 78 19 79 19 80 19 81 19 82 19 83 19 84 19 85 19 86 19 87 19 88 19 89 19 90 19 91 19 92 19 93 19 94 19 95 19 96 19 97 19 98 19 99 20 00 20 01 20 02 20 03 20 04 20 05 20 06 20 07 20 08 20 09 20 10 20 11 20 12 20 13 20 14 20 15 ■1時間降水量50mm以上の年間発生回数 (資料)気象庁 10年あたり19.9回増加、1976年から2015年のデータを使用 (mm) (年) (1,000地点当たりの発生回数)

自然災害

117 154 229 229 266 306 333 351 0 50 100 150 200 250 300 350 400 H12迄 17 22 23 24 25 26 27 (ha) ■気象災害に強いハウス整備の推移 (資料)農林水産部調べ 94.9 91.3 95.0 97.1 94.6 65.9 75.1 68.5 76.0 83.0 19.9 17.8 16.3 15.3 13.9 61.6 57.6 57.1 55.8 54.2 47.0 42.5 39.7 40.7 38.8 0 20 40 60 80 100 H22 23 24 25 26 (%) 農作物 畑作物 果樹 園芸施設 家畜 (資料)農林水産部調べ ■農業共済の加入率の推移

農業共済の加入状況

(20)

- 14 -

農業所得の最大化に向けて農地等の生産基盤を有効活用するため、担い

手への農地集積や遊休農地の発生防止に向けた取組みの推進、水田の汎用

化や大区画化、集積した水田や畑・樹園地をフル活用できる基盤・体制の

整備、干拓地をはじめとする平坦地域の多様な農業生産を支えている排水

機場等の農業水利施設の長寿命化対策整備が課題です。

また、頻発する自然災害から農業・農村を守るための防災・減災に向け

た対策が課題です。

加えて、農業者の生産活動を支える農業関係団体の経営基盤や活動の強

化が課題です。

■ 生産性の向上による経営の安定化、収益の向上を図るため、担い手への農地集 積・集約化を進め、併せて、遊休農地の発生防止や再生利用に向けた取組みが必 要。 ■ 水田の汎用化や新技術導入による水管理の省力化と水資源の有効利用など基盤 整備の更なる推進と、農業水利施設の長寿命化や適切かつ持続的な保全管理が必 要。 ■ 自然災害に強い農村の整備、被害軽減のための共済制度の推進など防災・減災 に向けた取組みが必要。 ■ 農協など農業者の生産活動を支える農業団体の経営基盤や活動の強化に向けた 取組みが必要。

◆農業の生産基盤の有効活用に向けた課題

(21)

- 15 -

○ 主要農産物の生産量で見ると、全国1位の品目が多数(いぐさ、宿根カスミソウ、不 知火類(デコポン)、なつみかん、トマト、葉たばこ、すいか)あり、その他多くの品 目が全国的にも上位にあります。

4 農産物の生産

全国に占める熊本県農業の地位

■主要農産物の収穫量・飼養頭数(26年) 順位 割合(%) いぐさ 千t 10.1 ・・・ 9.9 1 98.0 宿根カスミソウ(24年) 千本 59,400 ・・・ 23,700 1 39.9 不知火類(デコポン・25年) 千t 52.9 ・・・ 19.7 1 37.2 なつみかん(25年) 千t 40.0 ・・・ 11.9 1 29.8 トマト 千t 739.9 198.2 125.7 1 17.0 葉たばこ(販売量) 千t 20.0 8.9 3.2 1 16.0 すいか 千t 357.5 ・・・ 54.2 1 15.2 くり 千t 21.4 5.5 3.8 2 17.8 トルコギキョウ 千本 100,000 ・・・ 11,800 2 11.8 しょうが 千t 49.5 ・・・ 5.8 2 11.7 なす 千t 322.7 67.9 33.6 2 10.4 メロン 千t 167.6 ・・・ 24.2 3 14.4 カリフラワー 千t 22.3 ・・・ 1.9 3 8.5 いちご 千t 164.0 56.0 11.6 3 7.1 乳用牛(27年) 千頭 1,371.0 115.2 44.5 3 3.2 うんしゅうみかん 千t 874.7 281.0 94.9 4 10.8 肉用牛(27年) 千頭 2,489.0 894.0 125.0 4 5.0 アスパラガス 千t 28.5 ・・・ 2.1 5 7.4 さやえんどう 千t 20.1 6.0 0.7 5 3.5 れんこん 千t 56.3 4.6 2.2 6 3.9 かんしょ 千t 886.5 473.5 25.0 6 2.8 たまねぎ 千t 1,169.0 202.5 12.0 7 1.0 さといも 千t 165.7 43.4 6.5 8 3.9 ピーマン 千t 145.3 49.1 3.7 8 2.5 にんじん 千t 633.2 102.9 20.8 9 3.3 キャベツ 千t 1,480.0 211.3 44.1 9 3.0 荒茶 千t 83.5 34.4 1.3 9 1.6 豚 千頭 9,537.0 3,003.5 304.0 11 3.2 だいこん 千t 1,452.0 313.3 28.3 11 1.9 きゅうり 千t 548.8 120.5 14.6 12 2.7 水稲(27年) 千t 7,986.0 826.8 178.0 15 2.2 かぼちゃ 千t 211.8 30 2.4 16 1.1 大豆(27年) 千t 242.4 32.2 2.7 20 1.1 熊本県の全国に占める (資料)農林水産省「作物統計」、「野菜生産出荷統計」、「果樹生産出荷統計」、「畜産統計」、「花き生産出荷統計」   注)主要農産物の生産量の欄の「・・・」は主産地県のみ調査されている作物。(順位は主産地県中の順位。) 単位 全国 九州 熊本県

(22)

- 16 - ○ 主要農産物の収穫量の推移を見ると、時代のニーズに合わせた生産の傾向が見えてき ます。収穫量が拡大し続けているトマトや不知火類は、ともに全国1位の生産量を誇っ ています。 ○ 農産物価格指数は、「全体」で 見ると、緩やかな上昇傾向が認 められます。 ○ 品目別に見ると、米の指数変 動が乱高下する一方、野菜・果 実・花きは横ばいのまま推移し ています。また、畜産物が大き く上昇するなど、品目ごとの傾 向に差異があります。 ○ 農 業生 産 資 材価 格指 数 は、 「全体」で見ると、大きな上昇 傾向が続いています。 農業生産資材のうち、光熱動 力、畜産用動物、飼料の指数は 特に大きく上昇しており、農産 物価格指数を上回る上昇は、農 業経営の大きな圧迫要因とな っています。

農産物価格指数と農業生産資材価格指数

主要農産物の収穫量の推移

■主要農産物の収穫量・飼養頭数の推移 米 273,500 227,500 204,100 202,200 196,700 190,900 192,800 187,500 93% トマト 68,600 75,500 85,300 98,900 109,600 104,300 118,700 125,700 127% すいか 116,300 106,500 60,700 59,900 59,200 55,500 53,800 54,200 90% なす 26,300 31,200 32,600 30,600 31,000 30,600 31,000 33,600 110% メロン 74,600 53,000 32,200 28,800 28,200 26,500 24,800 24,200 84% いちご 10,600 14,100 13,200 12,900 12,800 12,100 11,900 11,600 90% みかん 133,100 95,200 101,000 81,700 90,400 84,400 91,600 94,900 116% 不知火類 5,090 12,166 15,460 16,269 19,829 18,747 19,744 19,584 120% なつみかん 22,371 17,420 12,120 9,324 9,738 11,499 11,862 9,273 99% くり 4,248 3,102 1,878 3,063 2,184 2,411 2,401 2,840 93% なし 11,174 13,645 11,617 7,155 9,922 9,704 9,804 9,284 130% 生乳(生産量) 242,287 265,823 276,412 241,911 239,134 248,316 245,607 245,969 102% 肥育牛 - - 101,100 96,100 87,400 84,900 80,300 76,100 79% 肥育豚 241,500 246,000 - - 245,400 245,500 262,600 258,300 105% (資料)農林水産省「野菜生産出荷統計」「牛乳乳製品統計」ほか、県農林水産部調べ (単位:t、頭) H26/H22 H23 H24 H26 H7 H12 H17 H22 H25 98.4 98.1 100.0 97.6 101.8 102.8 102.2 80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 105.0 110.0 115.0 120.0 125.0 130.0 12 17 22 23 24 25 26 (年) ■農産物価格指数の推移 全体 米 野菜 果実 工芸作物 花き 畜産物 (資料)農林水産省「農業物価指数」 88.6 91.0 100.0 102.2 102.9 106.4 110.4 70.0 80.0 90.0 100.0 110.0 120.0 130.0 12 17 22 23 24 25 26 (年) ■農業生産資材価格指数の推移 全体 種苗及び苗木 畜産用動物 肥料 飼料 農業薬剤 諸材料 光熱動力 農機具 (資料)農林水産省「農業物価指数」

(23)

- 17 - ○ ○ ○

魅力ある新たな品種の開発

ゆうべに(いちご) 涼風(いぐさ) 華錦(酒米) 熊本 EC11(みかん) JAやつしろ(トマト選果) 八代・宇城地域においてトマト 選果場を広域的に再編 (平成 24 年度) JAかもと(すいか選果場) 熊本市植木・鹿本地域において すいか・メロンの選果場を再編 (平成 25 年度)

安定生産に向けた取組み

集出荷施設の再編整備

農業研究センターでは、本県オ リジナル品種として、「ゆうべに」 (いちご)、「熊本EC11」(みか ん)などの新品種を開発・選定し、 普及組織や関係団体と一体となっ て、普及・新たな産地づくりを進 め「P:価格の上昇」に取り組ん でいます。 重点品目を設定し、県・地域段階それぞ れに関係団体と協力してプロジェクトチ ームを組織し、病害虫対策、栽培管理等の 高度化を進め「Q:安定した生産量の確保」 に取り組んでいます。 みかんでは、摘果剤利用等新技術の推進 を通じ、年ごとの生産量の変動幅を抑え、 安定的な生産につなげています。 県内 26 カ所の園芸関係の集出荷施設を地域や品目を超えて 14 カ所に再編整備 し、選果・流通に係る「C:コストの削減」に取り組んでいます。 幸 泉 ゆきいずみ (褐毛和種) 25.4% 28.8% 11.1% 7.9% 12.2% 10.6% 6.6% 8.5% 3.1% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 H18 19 20 21 22 23 24 25 26 生 産 量 の 対 前 年 変 動 率 み か ん 生 産 量 ■みかんの生産量と変動率の推移 生産量 変動率 (t) (年) (資料)農林水産部調べ JA球磨(トマト・なし選果場) 球磨地域においてトマト・なしの 集出荷施設を再編 (平成 26 年度)

(24)

- 18 -

国際競争の激化を見据え、農業所得の最大化に向けて、品質や商品力向

上による「P:価格の上昇」、ほ場整備やハウス等の生産基盤強化による

「Q:安定した生産量の確保」、農地集積、農業施設の長寿命化等による

「C:コストの削減」によるPQCの最大化を推進する「稼げる農業」の

取組みを更に加速化していくことが課題です。

■ 本県が全国に誇れ、生産現場が夢を描ける魅力ある新たな品種や生産技術の開 発とこれらの導入・産地化等による商品力の向上が必要。 ■ 食の安全・安心の確保に向けた取組み、環境保全型農業の推進等を通じ、消費 者に信頼される農産物生産・流通体制の維持・継続が必要。 ■ 情報通信技術による生産・管理など生産性の向上、施設園芸における高度環境 制御技術、高品質・省力・低コスト生産を実現する新たな農業の展開に向けた取 組みが必要。 ■ 農地集積による大規模な生産体制の構築、生産流通体制の再編・整備など総合 的なコスト低減対策が必要。 ■ 労働力が不足する農家や集出荷施設等における労働力確保・調整のためのシス テム構築が必要。

◆生産体制の強化に向けた課題

(25)

- 19 - ○ 本県で生産された青果物は、主に県外へ流通しています。経済連及び果実連の共販実 績によると、トマト、すいか、メロン、トマト、いちご、みかんなどの主要品目の過半 が関東、京阪神、中京などの大消費地へ出荷されています。

県産青果物の流通

5 農産物の流通

10.0 13.6 6.8 26.2 11.1 18.8 16.5 11.0 8.0 7.8 14.2 6.1 51.0 16.2 26.9 13.9 29.7 26.1 14.6 15.2 12.7 20.2 18.1 7.8 8.0 44.0 45.6 31.9 46.9 41.2 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% いちご メロン すいか なす ミニトマト トマト ■主要野菜の地域別出荷割合(平成26年) 九州(山口含む) 中四国 関西 中京 関東(関東以北含む) (資料)熊本県経済連共販実績 1.0 38.0 30.0 25.0 45.7 8.0 1.0 18.6 9.2 6.7 3.0 8.9 36.0 3.2 1.0 3.0 7.3 15.0 7.4 8.1 36.8 50.0 37.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% くり 不知火類 (デコポン) 甘夏みかん みかん ■主要果樹の市場別出荷割合(平成26年) その他 九州 京阪神 中京 京浜衛星 京浜 (資料)熊本県果実連共販(生食用)実績

(26)

- 20 - ○ 農産物の加工、農産物直売所に 加え、観光農園、農家民宿、農家 レストランなど農業関連産業の 販売実績は近年拡大しており、平 成 25 年度の販売金額は 660 億円 となっています。 また、1,700 の事業体全体の従 事者数は 12,800 人あり、地域の 大きな雇用の場となっています。 ○ 本県の農産品の輸出は、近年急 増しており、香港、シンガポール、 台湾などに対し、平成 26 年度は 牛肉、みかん、いちご、かんしょ、 米、なしを中心に、378 百万円の 実績となっています。 ■県産農産物の主な輸出国と輸出品目(平成 26 年度) 国名 品目名 香港 牛肉、いちご、かんしょ、豚肉、トマト、すいか、米、 LL牛乳、加工品、みかん、メロン、鶏卵、晩白柚、 白菜 シンガポール 米、かんしょ、加工品 台湾 なし、かんしょ、みかん、LL牛乳、米 カナダ みかん アメリカ 牛肉 イギリス 米、加工品 マカオ 牛肉 インドネシア 牛肉 サウジアラビア 米 (資料)農林水産部調べ(1品目百万円以上)

県産農産物の輸出

66.4 172.0 188.9 236.5 303.6 378.8 0 50 100 150 200 250 300 350 400 17 22 23 24 25 26 (百万円) (年) ■県産農産物の輸出額の推移 (資料)農林水産部調べ

農業関連産業

301 312 294 307 273 268 306 332 17 19 22 21 0 100 200 300 400 500 600 700 H22 23 24 25 (億円) (年度) ■農業生産関連事業の販売実績の推移 農産物の加工 農産物直売所 その他(観光農園・農家民宿・レストラン等) (資料)農林水産省「6次産業化総合調査報告」 599 591 622 660

(27)

- 21 - ○ 平成 24 年度からスタートした「くま もとの赤」ブランドの認知度は、農業 団体や県内企業等の自主的な取組み も拡大し、平成 27 年度の認知度は 25% を超えました。 トマトやあか牛、鯛など、「くまもと の赤」をイメージさせる食材等を中心 に引き続きPRしていくことで、「くま もとの赤」ブランドの認知度を更に向 上させ、県産農林水産物や加工品の購 買等につなげることを目指しています。 ○ 県民の地産地消に対する関 心は9割を超える高い状況に あります。 ○ 「食育」に対する認知度は高 いレベルで維持されており、引 き続き、食育を通じた食生活の 改善など知識を生活に生かす ための活動の継続が求められ ています。

食と農への県民理解

56.1 53.6 53.3 37.5 40.3 38.7 6.4 6.1 8.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成24年 平成25年 平成26年 ■地産地消の関心度 地産地消に関心があり、なるべく県内農林水産物を購入 地産地消に関心があるが、県内農林水産物にはこだわらない 特に関心がない (資料)県民アンケート調査結果 7.8 7.8 8.6 36.0 38.1 37.4 26.9 29.7 27.8 11.4 11.0 10.8 13.1 11.1 11.5 4.8 2.3 3.9 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 平成24年 平成25年 平成26年 ■食育の認知度 内容を理解し、十分生かしている 内容を理解し、ある程度生かしている 内容は理解しているが、あまり生かしていない 内容は理解しているが、ほとんど生かしていない 言葉は聞いたことはあるが、内容は知らない 全く知らない (資料)県民アンケート調査結果

くまもとブランドの認知度

16.5 25.1 0 5 10 15 20 25 30 H24 27 (資料)農林水産部調べ(全国の計2,000人に対するインターネット調査) ■「くまもとの赤」の認知度 (%) (年度)

(28)

- 22 -

農業所得の最大化に向け、

「くまもとの赤」などのブランドイメージを向

上させるなど付加価値を高めることや魅力ある農産加工品づくり、地産地

消や食育の推進が課題です。

さらに、海外需要に対応できる産地の出荷体制や、効率的な輸送の構築、

効果的な販路拡大に向けた取組みが課題です。

■ くまもとブランドの認知度向上と発展著しいアジア諸国など海外需要を取り込 むなど需要フロンティアの拡大が必要。 ■ 農業者自らが生産、加工、流通・販売に取り組む6次産業化や、他産業との連 携推進による付加価値の向上が必要。 ■ 県産農産物の生産と利活用などを通じた、地産地消及び食育の総合的かつ計画 的な推進が必要。

◆ブランド力向上と販路拡大に向けた課題

(29)

- 23 - ○ 本県の中山間地域は、県土 面積の7割を占め、総人口の 4分の 1 が住んでいます。 ○ そのうち、農家戸数は県全 体の約半分(48%)を占め、 それ以外の地域と比較して、 農家の割合が高く、地域を支 える大きな存在となってい ます。 ○ 一方で、経営耕地面積は県 全体の約 37%にとどまり、逆 に耕作放棄地面積は県全体 の 56%を占めています。 ○ このように生産条件的に不 利な中山間地域において、い かに農業振興を図り、持続的 な農村を維持していくかが 課題です。 ○ 主要な担い手である基幹的農業従事 者(65,209 人)においても、その 38.6% (25,203 人)が中山間地域にあります。 また、平坦地域と比較するとその年 齢構成は、若干高い状況です。

中山間地域の概況

6 くまもとの農村(中山間地域)

中山間地域の担い手の状況

56% 37% 48% 26% 72% 62% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 耕作放棄地面積 (6,994ha) 経営耕地面積 (30,072ha) 総農家数 (28,019戸) 総人口 (461,211人) 土地面積 (5,304km2) 市町村数 (28) ■中山間地域の占める割合 中山間地域 中山間地域以外 (資料)農林水産省「農林業センサス」ほか 注:中山間地域とした28市町村は、農林統計における農業地域類型区分の分類を参考にした。 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 (人) ■中山間地域の基幹的農業従事者の年齢構成 中山間地域 平坦地 (資料)農林水産省「2015農林業センサス」

(30)

- 24 - ○ 中山間地域などにおける農 業生産の維持を通じて水源 かん養などの多面的機能を 確保するため、平成 12 年度 から直接支払交付金が交付 され、平成 27 年度から「農 業の有する多面的機能の発 揮の促進に関する法律」に基 づく制度となりました。 〇 各地域において、交付金を 活用した農業基盤の整備、集 落営農の取組み、都市と農村 の交流など、むらづくりへの 自主的な取組みにつながり、 耕作放棄地の発生防止にも 大きな役割を果たしていま す。 ○ 都市と農村の交流は、農村地 域の活性化はもとより、都市住 民の農業・農村の持つ多面的機 能や食を育む農の大切さへの 理解促進につながると考えら れます。 ○ 県内の都市農村交流施設の 来訪者総数は、年間 500 万人を 超え、引き続き、緩やかに伸び ており平成 26 年度は 590 万人 余となっています。

中山間地域等直接支払制度の状況

1,347 1,357 1,380 1,383 1,383 1,352 1,367 1,378 1,402 1,407 33,165 33,700 34,397 34,309 34,554 32,648 32,948 32,317 32,744 32,830 30,000 30,500 31,000 31,500 32,000 32,500 33,000 33,500 34,000 34,500 35,000 1,300 1,310 1,320 1,330 1,340 1,350 1,360 1,370 1,380 1,390 1,400 H17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 (戸) (年度) ■中山間地域等直接支払制度の状況(集落協定数、参加農家数) 協定数 参加農家数 (資料)農林水産部調べ 40,300 40,200 40,100 40,080 39,976 39,900 40,129 39,879 40,685 40,693 32,303 32,332 32,537 32,567 32,586 32,212 32,638 32,857 33,123 33,216 80.2% 80.4% 81.1% 81.3% 81.5% 80.7% 81.3% 82.4% 81.4% 81.6% 75.0% 76.0% 77.0% 78.0% 79.0% 80.0% 81.0% 82.0% 83.0% 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 H17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 (ha) (年度) ■中山間地域等直接支払制度の状況(実施面積のカバー率) 対象農地面積 交付実施面積 カバー率 (資料)農林水産部調べ

都市と農村の交流

4,684 5,212 5692 5743 5796 5850 5906 151 158 154 151 153 154 160 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 H12 17 22 23 24 25 26 (千人) (千人) (年度) ■都市農村交流施設の来訪者数 来訪者総数 1施設当たりの来訪者数 (資料)農林水産部調べ

(31)

- 25 -

中山間地域は、総農家数の約半分、経営耕地面積の約 4 割が存在する本

県の重要な地域であり、豊かな自然環境を生かした農産物生産が営まれて

いますが、平坦地と比較して生産条件に恵まれていないことから、平坦地

と同程度の農業所得確保のためには、収益性の高い品目の推進や付加価値

の向上、遅れている基盤や施設の整備を推進することが課題です。

また、地域に豊富に存在する森林資源、農村の持つ文化や産物など様々

な地域資源を活用したツーリズムの推進などを通じて、農業と農業以外の

複合的収入による安定した所得の確保が課題です。

加えて、教育や福祉など様々な分野との積極的な連携や、都市と農村の

交流が一過性なものにとどまることなく交流人口の増加とそれに続く移

住・定住へ結び付けることが課題です。

■ 中山間地域において、農業所得確保に必要な品目の推進や基盤・施設の整備が 必要。また、地域資源を生かした所得の確保に向けた取組支援が必要。 ■ 農村地域の素晴らしい農業遺産の発掘や観光資源としての磨き上げ、交流人口 の拡大が必要。 ■ 農業と教育や福祉などとの連携体制を構築し、農業と他分野が融合した取組み の推進が必要。 ■ 農村の持つ資源を活用した都市と農山漁村の交流を進めるとともに、都市と農 山漁村をつなぐ人材の育成と受け入れ側の体制整備が必要。

◆中山間地域等農村の振興に向けた課題

(32)

- 26 - ○ 農村における農地や農業水 利施設などの生産基盤の保全 管理と農村環境の向上を図る ため、平成 19 年度から農家と 非農家が一体となった共同活 動の取組みを支援する「農地・ 水・環境保全向上対策」が開始 されました。 この取組みは、平成 27 年度 から「農業の有する多面的機能 の発揮の促進に関する法律」に基づく制度として多面的機能支払に引き継がれました。 ○ 取組面積は年々増加しており、地域ぐるみで行う草刈、水路の泥上げ、農道やため池 の補修等の共同作業などの活動に加え、景観や生態系の保全などの多様な活動が実施さ れています。 ○ 鳥獣による農作物被害は、増加し 続けていましたが、地域における 様々な被害防止対策に取り組んだ 結果、平成 22 年度をピークに減尐 傾向にあり、平成 26 年度は約 4.7 億円まで抑えることができました。 鳥獣害のうちイノシシの被害が最 も多く、被害金額の6割以上を占め ています。

多面的機能支払(農地・水・環境保全向上対策)の状況

7 農業・農村の多面性

4,768 4,870 4,924 4,951 4,957 4,790 4,809 6,634 4,439 4,531 4,600 4,607 4,622 4,400 4,418 6,345 690 712 730 733 741 611 616 651 400 450 500 550 600 650 700 750 800 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 (組織) (千ha) (年度) ■多面的機能支払交付金(農地維持支払(H26から))、農地・水・環境保全 保全支払交付金(共同活動支援交付金(H25まで)の状況と取組組織数 協定面積 対象面積 組織数 (資料)農林水産部調べ

鳥獣による農作物の被害の状況

果樹 172,526千円 37% 野菜 147,653千円 31% 米 115,704千円 25% 飼料作物 16,408千円 3% いも類 14,041千円 3% その他 6,020千円, 1% ■作物別被害金額(H26) (資料)農林水産部調べ 150 286 446 353 326 280 299 3 6 26 23 22 40 41 15 12 38 27 27 13 19 1 1 20 13 12 18 9 173 188 315 128 132 104 104 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 H12 17 22 23 24 25 26 (百万円) (年度) ■鳥獣による農作物の被害金額の推移 イノシシ シカ サル その他獣害 鳥害 (資料)農林水産部調べ 493 獣 害 342 845 545 520 455 472

(33)

- 27 - ○ 熊本の宝であるきれいで豊かな地下水と肥沃な土を農業の力で守り育むことを目的と して「熊本県地下水と土を育む農業推進条例」を平成 27 年 4 月に施行しました。 ○ 地下水と土を育む農業の一環として、「くまもとグリーン農業」を推進しており、くま もとグリーン農業を実践する生産宣言者は、平成 23 年度の制度発足以降、順調に増加 しています。 〇 くまもとグリーン農業は、阿蘇や天草地域において特に盛んに取り組まれており、全 県的な推進によって更なる拡大が期待されています。 ○ 肥培管理の研究や肥料・農薬の開発、 適正施用の推進などを通じ、化学農 薬・化学肥料の使用量を大きく削減し ています。 ○ 地域資源である家畜排せつ物由来 の堆肥の利活用を図るため、耕種地帯 と畜産地帯の連携を進めるとともに、 堆肥処理技術の高度化、品質向上に取 り組んだ結果、地域を越えた広域的な 堆肥の流通が増加しています。 H24 25 26 27 JAS有機 21 44 88 109 有作くん100 17 48 56 101 有作くん 126 166 224 296 特別栽培農産物 103 587 2,908 5,040 エコファーマー 1,645 4,501 5,039 6,474 環境にやさしい農業 415 1,998 4,580 9,231 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 (人) ■くまもとグリーン農業生産宣言者が取り組む認証制度等 2,327 7,344 12,895 21,251

地下水と土を育む農業の取組み

堆肥の広域流通

減農薬、減化学肥料の取組み

85.3 62.0 50.0 40.9 40.2 30.8 30.5 100 78.2 63.9 57.9 49.8 36.1 33.4 31.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 H1 5 10 15 H20 H25 (%) (年) ■化学農薬と化学肥料の総利用量の推移 化学農薬 化学肥料 (資料)農林水産部調べ 12.3 21.5 42.5 41.5 56.3 69.1 65.6 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 H12 17 22 23 24 25 26 (千トン) (年) ■堆肥の広域流通量の推移 (資料)農林水産部調 天草 2,800 (77%) 芦北 417 (23%) 八代 1,199 (28%) 球磨 2,018 (44%) 上益城 1,285 (27%) 宇城 1,381(34%) 熊本 1,985 (33%) 阿蘇 3,249 (76%) 菊池 1,376 (34%) 鹿本 1,114 (37%) 玉名 1,722 (29%) ■くまもとグリーン農業生産宣言者数(平成 28 年 2 月現在)

(34)

- 28 -

農業・農村は、国土の保全、水源のかん養など多面的な機能を有してお

り、安らぎや癒しの効果を求める様々な取組みや都市・農村の交流の場と

なっています。

農村地域の高齢化や人口減尐が進む中、農業・農村の持つ多面的機能の

維持・発揮に向けた取組みや、鳥獣被害防止の取組みを継続的に実施して

いくことが課題です。

また、地下水と土を育む農業や阿蘇の草原など貴重な農村景観の保全に

は消費者・県民の理解や農産物の購入を通じた支援、地域活動への参加な

どが不可欠であり、その理解醸成が課題です。

■ むらづくりのリーダーとなる人材の育成や集落機能の維持に向けた支援が必 要。 ■ 地域ぐるみで取り組む農地・農業生産基盤の維持、条件不利地域の営農の継続 に向けた支援が必要。 ■ 鳥獣被害が発生している地域において、地域ぐるみによる効果的で実効性のあ る被害防止対策が必要。 ■ 県民運動として「地下水と土を育む農業」を推進するための消費者理解の醸成 と生産取組みの拡大が必要。

◆農業・農村の多面的機能の維持・発揮に向けた課題

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