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くまもと農業・農村の将来の方向

ドキュメント内 熊本県食料・農業・農村計画(案) (ページ 35-38)

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本県農業は、多様な自然・土地条件のもと、多くの意欲ある生産者の努力により多様な 農産物がバランスよく生産される全国有数の農業県の地位を築き、農業関連産業と合せて 本県経済の重要な位置を占めています。

これまで、全国に先駆けた担い手への農地集積の取組みや環境保全型農業推進の取組み は、全国的にも高い評価を受けており、「稼げる農業」の実現に向けたPQCに着目した様々 な取組みやアジアを中心とした農産物輸出など需要フロンティアの拡大にも着実な実績を 挙げています。

しかしながら、担い手の減尐・高齢化が今後ますます進む中、本格的な人口減尐社会の 到来によって、中山間地域を中心に社会基盤の弱体化による地域社会の維持・存続が危ぶ まれるなど、農業・農村の将来は大変厳しい状況にあります。

また、TPP協定をはじめとする国際的な経済連携の取組拡大・加速化に向けた動きは、

国内経済全体には利得が大きいとされる一方で、農業県である本県にとっては、農業・農 村の将来に重大な影響を及ぼすことが懸念されます。

このような中、地方創生につなげるためにも、農業が本県経済の基幹産業として生産を 確保し、担い手が十分な所得を確保しつつ、農村社会が維持されていくことが大変重要で す。

そこで、くまもとの農業・農村を持続的に発展させ、次世代に引き継ぐために必要な農 業を産業として強くしていく産業施策と農業・農村の多面的機能の発揮を図る地域施策を 車の両輪とした農業・農村施策を着実に展開し、平成28年熊本地震からの復旧・復興と「世 界と戦えるくまもと農業」を目指すための基本的な施策の方向性について、次のとおり示 します。

(1)農業の担い手の確保・育成

本格的な人口減尐社会の到来により国家的な議論となっているなか、農業・農村を支 える担い手の確保・育成は、本県の農業生産基盤の維持はもとより、県土の保全、農村 社会の機能維持のために最も重要な要素です。

そのため、認定農業者の経営改善と法人化等を通じた経営の高度化を推進するととも に、「くまもと農業経営塾」などを通じたくまもと農業のトップリーダーの育成を図り ます。また、地域営農組織の設立や育成・法人化等により地域農業を支える組織や体制 づくりを進め、女性農業者の更なる活躍促進、新規就農者や農業参入企業などによる新 たな農業の担い手の確保・育成を進めていきます。

(2)「稼げる農業」の更なる推進に向けた競争力のある基盤強化

将来の国際競争の激化に備えて、農業の生産性を高めるとともに生産の基礎となる農

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業生産基盤の強化を図ります。

具体的には、全農地の8割を担い手に集積する目標の実現に向けて、農地中間管理機 構等も活用しながら県下全域において農地集積の取組みを加速化し、広域農場等の大規 模経営の育成をはじめ、農地の集団化等を通じて生産コストの低減を図るなど、担い手 の生産基盤の強化を進めます。

また、農地の大区画化など生産性向上につながる農地基盤整備、農業水利施設等の持 続的な保全管理、水田の汎用化を通じた園芸品目の生産など水田利用の拡大を推進し、

更には、自然災害等と向き合う体制の構築、農業者を支える団体等の体制強化等を支援 します。

加えて、高病原性鳥インフルエンザをはじめとした悪性家畜伝染病防疫対策として、

飼養衛生管理基準の遵守徹底や万が一の発生に備えた体制強化に努めます。

(3)「稼げる農業」の更なる推進に向けた競争力のある生産体制整備

農業所得の確保と向上のために、これまで取り組んできた「稼げる農業」に向けた取 組みを更に加速化させていきます。

具体的には、「農業所得(P×Q-C)の最大化」に向け、くまもとらしい新たな品 種や技術の開発、商品力の高い農産物の生産による「P:価格の上昇」、ICT等を活 用した高度環境制御型施設園芸など次世代型の農業の推進による「Q:安定した生産量 の確保」を図ります。

また、生産・流通施設のフル活用や自給飼料の生産拡大・家畜排せつ物の有効活用な ど地域全体で畜産の収益性を向上させる取組みを推進し「C:コストの低減」を図りま す。

このことにより、国際的にも競争力のある農産物の生産体制の確立につなげていきま す。

(4)くまもと産のブランド力向上と販路拡大

人口減尐社会の中で、本県農産物をより有利に販売するために、ブランド力の向上や 加工、国内外の多様なニーズにマッチした生産や販路の拡大に向けた取組みを加速化し ていきます。

ブランド力向上については、くまもとらしさを訴求した「くまもとの赤」の認知度・

ブランドイメージの向上を進めていきます。そのために、魅力ある農産加工品の開発・

販売支援や、大消費地における宣伝活動を積極的に展開します。また、県民に対する地 産地消の推進なども継続して取り組みます。

また、従来からの卸売市場を中心とした大規模な農産物供給ルートに加え、尐量でも 魅力ある農産物の流通ルート・販路開拓に努めます。

さらに、経済発展著しいアジア諸国を中心とした海外マーケットへの展開も、これま で以上に積極的に進めるとともに必要な生産・流通体制の構築を図ります。

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(5)中山間地域等農村の活性化

平坦地と比較して生産条件に恵まれていない中山間地域において、小規模な農地集積 への支援、きめ細やかな基盤整備、小面積でも農業所得を確保できる施設園芸や商品性 の高い品目の導入など収益の柱となる農産物生産を推進します。併せて、林業・特用林 産物生産等の農業以外の地域資源を生かした収入など、複合的な収入の確保に向けた取 組みを進め、中山間地域の農業・農村の生産・生活環境を維持し、世代を超えて暮らし つづけられる持続可能な農村づくりに取り組みます。

さらに、祭事や食などの伝統文化や豊かな自然環境など地域に存在する豊富な観光資 源、地域に眠る様々な可能性を掘り起こし、都市・農村の交流人口の拡大につなげると ともに、観光や福祉など他分野との連携や、豊かなシルバーライフを進めるなど農村地 域の活性化を図ります。

(6)持続可能な農村づくり

農村の豊かな自然環境や美しい景観、農業・農村の持つ多面的機能を維持・発揮させ るための地域ぐるみの取組みや鳥獣被害対策の取組みなどを支援し、次世代へ豊かな農 村社会や環境の継承に向け、農村地域のむらづくり活動を実践・応援する人材を育成し ます。

また、くまもとの豊かな地下水と土が農業の営みの中で育まれてきたことなど、県民 の農業・農村への理解を深め、県民全体で支える県民運動を展開します。

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1 平成 28 年熊本地震の発生

平成 28 年 4 月 14 日及び 16 日の二度にわたり本県を襲った震度 7 の地震では、多くの尊 い命が失われました。また、住宅被害に加え、農林水産業、製造業、観光業をはじめとす る地域経済や公共施設も甚大な被害を受けました。

特に農業では、田・畑における法面崩壊や地割れ等が 11,172 箇所確認されているのを はじめ、大切畑ダム等のため池、用水路、農地海岸堤防の損傷等が発生しています。また、

畜舎の倒壊や選果場、カントリーエレベーター、卸売市場などの損壊、更には、農作物に も被害が発生しています。

2 平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン

平成 28 年 6 月、知事を本部長とする「平成 28 年熊本地震復旧・復興本部」を設置し、

復興後の熊本の将来像、中期的に達成すべき目標や具体的な取組み等を、「平成 28 年熊本 地震からの復旧・復興プラン」としてとりまとめました。

熊本地震からの復旧・復興にあたっては、「被災された方々の痛みを最小化すること」、

「単に元あった姿に戻すだけでなく、創造的な復興を目指すこと」、「復旧・復興を熊本の 更なる発展につなげること」からなる「復旧・復興の3原則」を基本とし、「県民の総力を 結集し、将来世代にわたる県民総幸福量を最大化する」を基本理念に掲げ、「災害に強く 誇 れる資産(たから)を次代につなぎ 夢にあふれる新たな熊本」を目指した具体的な取組 みを進めていきます。

3 復旧・復興プランと熊本県食料・農業・農村計画との連動

熊本県食料・農業・農村計画(以下、農業計画)におい ても、平成 28 年熊本地震の発生を受け、新たな計画の施策 の方向性を「平成 28 年熊本地震からの復旧・復興を進める とともに、TPP協定合意の影響も見据え、『産業施策』と

『地域施策』を車の両輪として農業・農村施策の展開を加 速化し、『世界と戦えるくまもと農業』を目指す」としてい ます。

復旧・復興プランと連動して、一日も早い生産基盤の復 旧や経営再建、さらには農地の大区画化や担い手への集積 などの競争力強化にもつながる創造的復興を進めていきま す。

ドキュメント内 熊本県食料・農業・農村計画(案) (ページ 35-38)