局所体のアーベル拡大について
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(2) 次 ○章. 序. 1. 1章. 準備. 4. 1.1. 距離空間... 4. 1.2. 群・環・体. 6. 1.3. イ寸イ直 ............... 14. 2章. 完備離散付値体. 18. 2.1. 付値環1........ 18. 2.2. ヘンゼルの補題.......... 25. 2.3. 付値の延長と分岐指数・剰余次数.. 29. 2.4. 不分岐拡大と完全分岐拡大... 40. 3章. 高次単数群. 49. 311. 高次単数群. 49. 3.2 3.3 3.4. ・展一(・豊)n…. 51. ・隻n■)一(・望)P. 53. ・・/・(・£))一・畏・. 54. 4章. 局所体のアーベル拡大とその展望. 58. 4.1. 局所体...... 58. 4,2. 局所体のアーベル拡大の展望... 62. 4.3 Qpのアーベル拡大.. 65. 参考文献. 70.
(3) ○章序 本論文では局所体のアーベル拡大について考察する.加藤和也ほか著「数論I」(参考 文献[21)の8章に次のような文章がある一. 類体論とは,大域体や局所体のアーベル拡大のありさまを記述する理論である.. ・〈中略〉…局所体Kについては,乗法群K‡にKのアーベル拡大のあり. さまが映し出される.大域体Kの場合は,〈中略/イデール類群0KにKの アーベル拡大のありさまが映し出される一…く中略)…イデール類群は局所化 の乗法群をたばねることから得られるものであった1. 大域体を局所化して得られる局所体Kのアーベル拡大のありさまが乗法群κホに映し出 される一端をかいま見ることが本論文の目的である.「局所体の不分岐アーベル拡大のガ ロア群がノルム剰余群と同型になる」ことの証明を与え,また,「局所体の有限次アーベル. 拡大と,乗法群の指数有限な開部分群が1対1に対応し,そのガロア群がノルム剰余群と同 型になる」こと,などの結果を展望する、 1章では,後章で用いる,群,環,体,ガロア理論の基本事項,代数的整数論の基本事項,. および付値論の基本事項について述べる.. 2章では,完備離散付値体について考察する. §2.1では付値から定まる付値環,素イデアル,剰余体の概念を導入する、特に離散付値. 体では素イデアルが単項イデアノレとなること,完備離散付値体では付値環の任意の元が完 全代表系を係数とする素元のべき級数として表されることなどを示す. §2.2では本論文の理論展開上重要な役割を演じるヘンゼルの補題と,それから導かれ. る結果について述べる.完備離散付値体κの付値環。の元を係数とする多項式が,剰余体. で互いに素な2つの多項式の積に分解できれば,oでも分解できるというのがヘンゼルの 補題である.これより「K係数モニック既約多項式の定数項が。の元であれば,すべての 係数が。の元である」などの著しい結果が導かれる.. 1.
(4) 0.序 §2.3では付値体(K,リ)の付値レの有限次拡大ムベの延長μが与えられたとき,リの 剰余体Fがμの剰余体の部分体と見なせることを示した後,剰余次数∫(μ/ひ),分岐指数 e(μ/ひ)を定義する.さらに,(K,リ)が完備離散付値体の場合は,ムベの延長μが一意に定 まり,完備離散付値となること,剰余次数,分岐指数が有限で,そり積∫(μ/リ)ε(μ/リ)がム/κ. の拡大次数[工:κ]に一致することなどを示す、またκの2つの有限次拡大の間のκ同 型が,それらの剰余体の間のF同型を誘導することも示す.. §2.4では完備離散付値体Kの不分岐拡大,完全分岐拡大を定義し,「Kの剰余体F. の任意の有限次分離拡大豆に対して,Kの不分岐拡大Lで,その剰余件班が五とF 同型になるものが存在する」こと,不分岐拡大L/Kについて「ム/Kがガロア拡大である. ことと,Lの剰余件軋がんの剰余体Fのガロア拡大であることとが同値である」こと, 「ガロア群の同型Ga1(工/K)皇Ga1(軋/F)が成り立つ」こと,などを示す一. 3章では,完備離散付値体(K,しK)の付値環DKの高次単数群について考察する. §3.1では,単数群σK=ψ〕と高次単数群昨)(ゼ≧1)を定義し,同型 ひK/ψ)竺F, 昨)/昨十1)呈F を示す.. 1…では,ηが剰余体・の標数と互いに素な自然数のとき,等式σ兵)一(ひ宴)ヅが成 り立つことを示す.. §3.3では,ch(F)=ρ>0,かつ。h(κ)=0のとき,e=リκ(ρ)とおくと,任意の整数. ・・、1、と任意の自然数・に対して,等式昨n+3」(ψ)ρが成/立つことを示す. §3.4では,Kの有限次不分岐拡大ムの乞次単数群ψ〕のノルム写像による像が Kの乞次単数群ひ妄)に一致すること,単数群のノルム剰余と剰余体のノルム剰余の同 型σK/凡/K(σL)皇F#/心、/F(境)が成り立つことなどを示す.. 4章では,局所体κのアーベル拡大のありさまが乗法群K幸に映し出される一端をか し・ま見る.. §4.1では,混標数の局所体がρ進数体Qpの有限次拡大に同型であり,等標数の局所体 が有限体Fを係数体とするLaurent級数体F((t))に同型であることを示す.また,任意の. 自然数ηに対し,Kのη次不分岐拡大Kれがκ同型を除いて一意に存在すること,K。 がKのη次巡回拡大であること,Ga1(K。/κ)がノルム剰余群κヰ/Nκ、/K(κ)に同型で あること,などを示す..
(5) 0.序. 3. §4.2では,前節までに示した諸定理を基に,2つの定理. 【同型定理】局所体の有限次アーベル拡大のガロア群はノルム剰余群に同型で ある.. 【存在定理】局所体の有限次アーベル拡大と,局所体の乗法群の指数有限な開. 部分群が1対1に対応する. を中心に,局所体のアーベル拡大について,証明抜きで展望する. §4.3では,§4.2の結果の応用として,Qρの有限次アーベル拡大が円分拡大の部分体で. あることを示す.これはクロネッカー・ウェーバーの定理のQp板といえるものである一. なお,本論文の主たる参考文献は斎藤秀司「整数論」(共立出版,参考文献【31)である1 その著者に敬意を表します.. 最後に,本論文の作成にあたり貴重なお時間を割いていただいた上熱心に御指導して下. さった松山廣先生に心より感謝します.また数学教室の諸先生方には非常に参考になるア ドバイスを頂きお礼申し上げます..
(6) 1章 準備 本論文では線形代数学や距離空間論の基本事項は既知とする.また,参考文献[6]にあ るような群,環,体,ガロア理論の基本事項,参考文献r4,5]にあるような代数的整数論の基. 本事項も既知とする.ただし,特に重要と思える用語や定理,および付値論の基本事項をこ の章にまとめておく.なお,この論文を通して次の記号を用いる.. N Z Q R C. 自然数(正の整数)全体. 整数全体 有理数全体 実数全体 複素数全体. F q. g個の元からなる有限体. K#. 体Kの乗法群K_{O}. deg∫. 元. 0でない多項式∫の次数,deg(∫)と表すこともある 環(群)の元πに自然な準同型で対応する剰余環(剰余群)の元. !⊂B. λはBの部分集合. λ⊂B. λはBの部分集合でλ≠B. ∀α∈λ. λの任意の元αに対して. 131. 有限集合8の元の個数. P⇒ρ: PならばQである P⇔ρ: PとQは同値である 1.1 距離空間 ・3を空でない集合とする.写像d:3×8→Rが,任意のπ,v,z∈8に対して,次の 条件をみたすとき,dを8土の距離(関数)という. (1)伽,ツ)≧0. (2)伽,μ)二0く⇒・・リ. 4.
(7) 5. ユ.準備 (3)伽,μ)=d(μ,・). (4)伽,リ)十∼,・)≧伽,・). .集合8に距離dが定義されているとき,(8,∂)を距離空間という.単に8を距離空 間ということもある、. .距離空間(3,d)の点列{αれ}。≧1が3の点6に収束するとは「任意の正数εに対し. て,ある自然数Nが存在して η〉N⇒d(αη,わ)<ε をみたす」が成り立つときにいう.また,点列{αれ}れ≧1が6に収束することを次のよ うに表す.. 1imαれ=わ 帆一→oo 。距離空間(8,d)の点列{αれ}几≧1がコーシー列であるとは「任意の正数εに対して,あ. る自然数wが存在して m,η〉N⇒d(α伽,αれ)<ε. をみたす」が成り立つときにいう. ・距離空間(3,d)の任意のコーシー列が8の点に収束するとき,(3,d)は完備である,. または(8,d)は完備距離空間であるという.単に,8は完備である,または8は完備 距離空間であるということもある1 ・距離空間(3,d)に対して,次の条件をみたす完備距離空間(3,d)を(3,d)の完備化 というl. o8⊂3 o dの8への制限はdに等しい.. o3は3で欄密である1すなわち,5の任意の点πに対して,”にいくらでも近 い3の点が存在する. ・距離空間(8,d)の完備化が等長写像を除いて一意に存在する。すなわち,(31,d1), (82,d2)が(5,d)の完備化であるならば,全単射∫:31→32で d。(∫(π),∫(V))=d。(・,μ). をみたすものが存在する.. (π,μ∈31).
(8) 6. 1.準備. 1.2群・環・体 .この論文では,環は単位元1をもつ可換環,体は可換体を意味するものとする.また, 環の可逆元を単数ということがある.. 。λ,Bを環または体とする.写像∫:A→Bが準同型(写像)であるとは,任意の z,μ∈λに対して 。∫(”十ひ)=∫(”)十プ(μ) o∫(”v)=∫(π)∫(リ). 。∫(1)=1. が成り立つときにいう.特に,∫が全単射のとき,∫を同型(写像)という.∫が同型. ならばその逆写像∫’1も同型である.同型∫:λ→Bが存在するとき,λとBは 同型であるといい,λ竺Bと表す. ・λを環とする.加法群λの部分加群αがα”∈α(∀α∈λ,∀z∈α)をみたすときλ のイデアノレという.α≠λのとき,剰余加群λ/αは自然に環の構造を持つ.これを λのαによる剰余環という.. ・環λのλと異なるイデアノレの中で包含関係に関して極大なものを極大イデアルとい う.極大イデアノレによる剰余環は体となる.. .環λのλと異なるイデアノレαで剰余環λ/αが整域となるものを素イデアルという一. 極大イデアルは素イデアノレである.ただし,整域とはα,う≠0のときα6≠Oをみた す環である.. 定理1.1(第1同型定理,[4,1章,§2,定理2,31,[6,III章,§1,定理1,41)環λから. 環Bの上への準同型∫1λ→BとBのイデアル6に対して,α=∫■1(b)はλのイ デアルで,次の写像は剰余環λ/αから剰余環B/bへの同型である. λ/α∋α十α→∫(α)十b∈B/b. ・環λの部分集合3がλの単位元ユを含み,λの加法,乗法に関して環となるとき, 3をλの部分環という.部分体も同様に定義される. .整域λを部分環として含む体が存在する.そのような体の中で最小のものを商体と いう.3の商体は同型を除いて一意に定まる..
(9) 7. ユ.準備. 定理1.2(第2同型定理,[4,1章,§2,定理2,4],工6,III章,§1,問題1.6])3を環λ. の部分環,αをλのイデアルとすれば,3+αはλの部分環,3∩αは3のイデア ルで,次の写像は同型である. 8/8∩α∋b+(8∩α)一→わ十α∈(3+α)/α. ・環λの元αに対して(α)={αろ1あ∈λ}は月のイデアルである.これをαで生成 された単項イデアルという.. ・すべてのイデアルが単項イデアルである環を単項イデアル環という.整数環Z,体F. 上の1変数多項式環F同などは単項イデアル環である.. .体F上の1変数多項式環F同では整数環Zと同様,2つの多項式の倍数,約数,公 約数,最大公約数などが定まる.特に,最大公約数は定数倍を除いて一意に定まる.最. 大公約数が1である2つの多項式は互いに素であるといわれる.2つの多項式が互い に素である条件は,Fの代数的閉包(cf.p.9)において共通根を持たないことである.. 次の補題はヘンゼルの補題(p.25)の証明で用いる.. 補題1.3([4,1章,§5,定理5.6])体F上の1変数多項式環F[z]の2つの多項式∫(π). とg(π)が互いに素であれば,任意の多項式ん(”)∈珂z]に対して,適当な多項式 α(”),b(”)∈F同が存在して. ∫(工)ψ)十9(・)b(・)=ψ). となるようにできる.特に6(㏄)を∫(π)で書1」った余りに置き換えることにより,わ(π). の次数が∫(”)の次数より小さくなるようにできる.. ・亙がFの拡大体,あるいは亙/Fが体の拡大であるとは,Fが五の部分体であると き,すなわち,体Eが体Fを含むときにいう. ・五/F,工/Fが体の拡大であるとき,亙からLへの同型∫で,Fの元を固定するもの, すなわち∫(π)=π(∀”∈F)をみたすもの,を亙からLへのF同型という。. ・万/Fが体の拡大であるとき,F係数多項式の根となるような瓦の元αはF上代 数的であるといわれる.特に分離多項式(重根を持たない多項式)の根であるとき,α. はF上分離的であるといわれる.五の元がすべてF上代数的であるとき,万はF.
(10) ユ.準備. 上代数的である,または五ノFは代数拡大であるという.五の元がすべてF上分離 的であるとき,万はF上分離的である,または亙/Fは分離拡大であるという.. .E/Fが体の拡大,αをF上代数的な万の元とする1∫(α)=0となるF係数多項式 の中で,最小次数のモニック多項式をαのF上の最小多項式という1ただし,最高次 の係数が1である多項式をモニック多項式という.. ・体E⊇〃⊇Fにおいて,∬/M,M/Fが分離拡大ならば,E/Fも分離拡大である (cf.14,1章,§6,定理6,221,[6,V章,§4,命題4.51)。. .拡大豆/Fにおいて,五に含まれるFの分離拡大の中に最大のものが存在する.こ れをFのEにおける分離閉包という(cf.[6,V章,§4,系4.61).. ・任意の代数拡大が分離拡大であるような体を完全体という.. .体Fの加法群における1の位数,すなわち1+1+_十1=0となる自然数ηが存 n. 存するときはそのような最小のηを,存在しないときはOを,Fの標数という.F の標数を。h(F)と表す一 ・体の標数はOか素数である(cf、[4,1章,§6,2「,一6,V章,§1,例1.ユ1).. 定理1.4([4,1章,§6,系3,系4],[6,V章,§4,定理4.2,側4.7])有限体,および標. 数0の体は完全体である. 。体の拡大五/Fにおいて,亙が,あるF係数多項式∫(π)のすべての根をFに添加し て得られるとき,すなわち,五が∫(π)のすべての根を含み,∫(”)のすべての根とF. をともに含むような五の部分体が亙のみであるとき,亙を∫(”)の分解体という. .任意のF係数多項式∫(π)に対して,∫(”)の分解体がF同型を除いて一意に存在 する(cf.エ4,1章,§6,定理6.16],r6,V章,§2,命題2.10]).. 。体Fに対して,F係数分離多項式の分解体となるような拡大体亙をFの(有限次) ガロア拡大体,また,拡大E/Fを(有限次)ガロア拡大という.. .有限次ガ白ア拡大豆/FのF自己同型(亙から亙白身へのF同型)全体のなす群 を亙/Fのガロア群といい,Ga1(亙/F)と表す、. ・ガロア拡大E/Fで,Ga1(E/F)がアーベル群であるようなものをアーベル拡大とい い,巡回群であるようなものを巡回拡大という..
(11) ユ1準備. 9. .体Fの代数拡大であって,任意のF係数多項式の分解体を含むようなものがF同 型を除いて一意に存在する(cf.14,1章,§6,定理6.11,定理6.13],エ6,V章,§2,定理. 2.81)、これをFの代数的閉包という.. .亙/Fが体の拡大であるとき,亙はF上の線形空間とみなすことができる.このとき. の次元を亙/Fの拡大次数といい,四:F]と表す、四:F]が有限であるとき亙/F を有限次拡大という.拡大次数がηのとき,η次拡大ということもある.. .有限次拡大豆/Fは代数拡大である.すなわち五の元はすべてF上代数的である (cf.[4,1章,§6,定理6.7],[6,v章,§2,定理2.1]).. ・有限次分離拡大豆/Fは単拡大である・すなわち五=F(α)となるα∈五が存在す る(cf、[6,v章,§4,定理4.91).ここでF(α)はFとαを含むEの部分体すべての共 通部分である. .αがF上代数的で,F上の最小多項式が∫(X)であるとき,同型F(α)空列X]/(∫(X)) が成り立つ.特に,拡大次数[F(α):F]は∫(X)の次数に等しい(cf.[4,1章,§6,3「, [6,V章,§1,定理1.41).. .亙/Fをη次拡大,ΩをFの代数的閉包とする.このとき,”/Fが分離拡大となる条 件はEからΩへのF同型がη個存在することである(cf.[4,1章,§6,8。],r6,V章, §4,定理4.4/)。特に亙/Fがガ1コア拡大のときiGa1(亙/F)トηが成り立つ.. .体Fの素体とは1を含む最小のFの部分体である.ch(F);Oのとき,Fの素体は 有理数体Qに同型であり,ch(F):ρ>Oのとき,Fの素体はρ個の元からなる有 限外である(cf.[4,1章,§6,定理6.31,[6,V章,§1,例ユ。1/).. 定理1.5([4,1章,§6,70,§7,定理7,121,[6,V章,§6,定理6.5,定理6.61)有限外. 亙について次が成り立つ.. (1)Fの元の個数は素数ρのべきである.逆に,任意の素数べきq=ρ帆に対して,q. 個の元から成る有限体が同型を除いてただ一つ存在する.以下,これを1Fqと表 し,q元体という.. (2)lFqは素体Fp上分離的で,多項式が_πの分解体をなす一またFqの乗法群は,. 位数ザ1の巡回群をなす. (3)1F口の有限次拡大はすべて巡回拡大である..
(12) 1.準備 10 ・ム/Fが有限次拡大であるとき,ムの元αによる写像 工∋z←→α”∈ム. はF線形写像となる.この線形写像のトレースをαのム/Fに関するトレ』スとい い,TrL/F(α)と表す。また,この線形写像の行列式をαのZ/Fに関するノルムとい. い,N岬(α)と表す.線形代数学の結果より,トレースは工からFへのF線形写像 であり,ノルムは次式をみたすムからFへの写像である、 Nエ/F(αβ)=NL/F(α)Nエ/F(β) (∀α,β∈Z). 。ム/Fをη吹分離拡大,ΩをFの代数的閉包とする.p.9で述べたように,ムからΩ. へのF同型がη個存在する.それらを σパエー→Ω (1≦乞≦η). とする.このときu∈Lに対して η 几. 丁・ψ(・)一Σ小),Nψ(・)一H小) 台=ユ 全=ユ. が成り立つ(cf。[4,1章,§8,定理8.21).. ・体L,K,Fが工⊇K⊇Fをみたすとき,κを拡大L/Fの中間体という一L/Fが 有限次拡大,κが中間体のとき,ムの元αについて次の連鎖律が成り立つ(cf.f4,1 章,§8,定理8.11).. T・ψ(α):T・岬(T・岬(α)),Nψ(α)一Nκ/・(N収(α)). 最後に,後節で必要となる定理(定理1・7,定理1・8,系1.9)を証明しておく一まず次の補題 を示す.. 補題1.6L,Ωを体,σパL→Ω(1≦4≦η)を相異なるη個の準同型とする.このと き次が成り立つ.. 几 ・1,・・一・・,・。∈Ω,Σ・小)一〇(∀・∈L)⇒・1一・・一…一・れ一〇 {=1.
(13) 11. 1.準備 【証明】 ηに関する帰納法で証明する。η:1のときはσ!(1):1に注意す. れば c1:c1σ1(1)=0. が成り立っ1次にη≧2として,η_1個の準同型については成り立つと仮定す る.c{の中に0でないものがあったと仮定して矛盾を導くことにする.適当に 番号を付け変えて。ゴ≠0(ゴ≧2)であるとしてよい.σユ≠σjより,あるω∈工 が存在してσ1(ω)≠σゴ(ω)となる。このとき,任意のu∈工に対して. ・一心)・. i‡ψ))一書蜥(一)一ξ・(小)一ψ))・ψ). が成り立つが,帰納法の仮定より ・ゴ(σ。(ω)一σゴ(ω))=O. となり,cゴ=Oが導かれ,矛盾が生じる.ゆえにηのときも成り立つことが示. された. 一 定理1.7ム/Fが有限次分離拡大ならばTr〃F:ム→Fは全射である。. 【証明】 n=[工:月とおき,ΩをZを含むFの代数的閉包とする.p,9で. 述べたように,ムからΩへのF同型がη個存在する.それらを σ{:ムー÷Ω (1≦1≦れ). とする1このときp,10で述べたように,u∈ムに対して n T・ψ(・)一Σ小) 4=1 が成り立つ.c1千..。=c。:1と見なして,補題1.6を適用.すれば,あるu∈工. に対して 町/・(u)≠0. となる、α:Trψ(u)とおく.このとき,TrψがF線形写像であるから,任. 意の6∈Fに対して 皿4F(α11わ刎)=(α一1わ)Trz/F(u):α一1bα=6.
(14) 12. 1、準備. となるのでnψは全射である、. 一一. 定理1.8L/Fを巡回拡大,G=Ga1(ム/F)をそのガロア群,σをGの生成元とする、 このとき,次の完全系列が存在する.. ユ→F1⊥げ4z・竺F1 ただし,ムは入射であり,ψ:〃∋u→σ(u)μ∈〃である.. 【証明】 [L:F]=ηとする.このとき,G={1,σ,σ2ジ..,σn一ユ}である. Im(ム)=Ke工(ψ)は. u∈Ker(ψ) ⇔ σ(u)=砒 ⇔ u∈F‡. より導かれる、従って,ψの像がNψの核に一致することを示せばよい。そ のためにはα∈ひについて あるβ∈∬が存在してα=6(β)/βぐ⇒凡ノF(α)=1 が成り立つことを証明すればよい.(⇒)については次の計算から導かれる一 σ(β)σ2(β)_ση(β). 伽(σ(β)/β)=βσ(β).σ一1(β)=1. 次に(←)を示す.自然数4に対して 九=α・σ(α).1.σ4■1(α). とおく1∫1=αに注意されたい.仮定より 凡/・(α)=α・σ(α)…σn■1(α)一1. だから,∫、:1である.補題1・6より,Σ』∫パσ{(u)≠Oとなるu∈工が存在 する.ω=Σ』かσ4(u)とおく. ∫。:∫、。1,九。。=σ(ム)・α,∫、。。・σ九十’(・)=∫。・σ(・).
(15) 13. 1.準備 に注意すれば η 几. σ(ω)一Σσ(ハ)・σ{十1(・)一α’ユΣ篶。・・σ{十1(・)一バエω ゼ=1 {=1. を得る.ここでβ=ω一1とおけばα=σ(β)/βが導かれる.. 一. 系1.9F=1Fqを有限体とし,ム/FをFの有限次拡大とする.このとき,ノルム写像 N工/F:r一→F非 は全射である、. 【証明】 △を凡ノFの像とする定理15,(3)よりL/Fは巡回拡大であるか ら,定理1.8を適用すると,完全系列. 1→F‡_→〃」己→£‡竺△_→1 を得る.これより rル(∬)≧N工/F(L由), び/F‡空ψ(r). が導かれる.F,ム,△はすべて有限集合なので 1∬l lL幸1 :1△1, 一二1ψ(〃)1 }(ひ)l lF*1. が成り立つ.従って1△1=lF*1となるので,△=F串が得られ,Nψが全射 であることが示される. ..
(16) 1.準備. 14. 1.3 付値 定義1.1Oκを体,Rを実数体とする.写像 レ:K一一>RU{○o} が次の(0),(1),(2)をみたすとき,レをKの指数付値という.. (0)∬∈Kに対して,α=O÷⇒レ(π)=o○ (1)任意の”〃∈Kに対して,リ(剛=イ”)十リ(ツ) (2)任意のπ,μ∈Kに対して,リ(π十μ)≧min{レ(”),レ(μ)}. ただし,○cと実数αに対して,次のように定める. OO+OO=○Oヨ O○十α=○C, OC>α. 。指数付値は加法付値とも呼ばれる.以下,特に断らない限り,付値といえば上で定義 された指数付値を指す.. 。体Kに付値びが定義されているとき,(κ,リ)を付値体という.単にKを付値体と いうこともある.付値体κの付値リを乗法群.κ‡に制限すると加法群Rへの準同型 が得られることに注意されたい.. 次の命題は定義1.10より容易に導かれる1. 命題1.11リが体Kの付値であるとき,次が成り立つ1 (3)リ(±1)=0. (4)・≠O⇒リ(ま)一一小) (5)・,μ∈K,μ(・)<リ(リ)⇒レ(・十μ)=ひ(・). ・Kの2つの付値レ,μに対して μ(z)=α・リ(”) (∀・∈κ). をみたす正の実数αが存在するとき,リとμは同値であるという..
(17) 15. ユ、準備. ・リ(κ#)⊂Rをレの値群という。. ・レ(Kヰ);{η・α1η∈Z}となる正の実数αが存在するとき,レを離散付値という.こ. のとき,μに同値な付値を. 1 ラ(”)=一・レ(”) (”∈K) α. と定めると,クはκの乗法群から加法群Zへの同型となる.これをμの正規化と呼 び,このようなラをKの正規付値という. .κの2つの離散付値リ,μが同値であるための必要十分条件はそれらの正規化が一致 することである.. .c〉1を実数として,付値リの定義された体κの元”に対して 1π1=C一レ(皿〕. と定めると,定義1.10より,次が成り立つ.ただし。刊=Oとする. (i)1”1≧o,かつ1エ1=oく:⇒”=o (ii)1ψ=同・1引 (∀”,μ∈κ) (iii)1”十ツ1≦max{1”1,1μ1} (∀”,μe K). 特に,”,μ∈Kに対してρ(”,μ)二I”_川と定めるとρはK上の距離関数となる.. .一 ハに,上の(i)∼(ii)をみたすK上の実数値関数■Iで次の(iV)をみたすものを乗法 付イ直とレ・う. (iv)正数0が存在して1”十ツ1≦0max{lzl,1μ1} (∀”,μ∈κ). 0=!とできるとき,l lを非アルキメデス的乗法付値,そうでないときアルキメデス 曲乗法付値という(cf.エ5,付録,§1,1。,4「).. .体Kに非アルキメデス的乗法付値が与えられることと,(指数)付値が与えられるこ. ととは同義であり,付値体Kは自然に距離空間と見なされる.同値な付値から定ま る距離は同じ位相を与える(cf.[5,付録,§1,補題!.61).. .体Kの非アルキメデス的乗法付値■■1とI12が同値である条件は,”∈Kに対し て次が成り立つことである(cf.[5,付録,§1,2「)。. 1・1。〈1 く・⇒ 1・1。<1.
(18) 1.準備. 16. Hエ,H2に対応する指数付値を〃エ,〃2とすれば,”∈κについての上の条件は次の ようになる.. レ。(”)>O ←⇒ リ。(”)>O. さらに,この条件は次の条件に置き換えてもよいことに注意されたい. レ。(”)≧0 く⇒ レ。(”)≧O. .付値から定まる距離が完備であるとき,付値体Kは完備である,またはKは完備付 値体であるという. ・2つの付値体(K1,リ1),(K2,リ2)が「付値体として同型である」とは,κ1から一κ2へ. の体としての同型σで,レ2σによって定まるκ1の付値がレ1と同値となるようなも のが存在するときにいう.. 定理1・12([5,付録,§2,定理2・11)体κとその付値レに対して,Kの拡大体Kと その付値ラで次の条件をみたすものが付値体としてのK同型を除いて一意に存在する. (1)Kは完備付値体である. (2)∀”∈Kに対してシ(”)=レ(”)である、. (3)KはKで欄密である. ・定理の(K,ラ)を付値体(K,リ)の完備化,あるいは単にκの完備化という。 .(K,リ)が離散付値体であるとき,リの値群とクの値群は一致する.特に(K,ラ)も離 散付値体である(工1,第I部,命題2.3.2]))1. ρ進数体 ρを素数とする.このとき”∈Q,”≠Oは α π=±ρn皿_ (α,bはρと素な自然数でα/bは既約分数) 6.
(19) 17. 1.準備. と一意に表される.ここでz∈Qに対して. 小)一. ^二1111. と定めると,(Q,リp)は離散付値体となる。(Q,リp)の完備化を(Qp、リp)と表し,Qpをρ進. 数体,〃pをρ進付値という。. .Qの(指数)付値は,上で定めたρ進付値のいずれかに同値である(cf一[5,付録,§1,定 理1.51)。. Laurent級数体 Fを体とする.止を変数とするF係数のLaurent級数 α一肌尤一η十α一件。t一η十1+…十α一ユr1+α。十αユ1+α。t2+・・・… (α{∈F). 全体のなす体をF((士))と表し,F上のLaurent級数体という・. ・((t))一. o二吻・. /l・. F((t))∋∫((t))二Σ暮_。。α{がに対して. リ走(∫)=min{{1α壱≠O}. と定めると,レtはF((t))上の完備離散付値となる。. ^.
(20) 2章完備離散付値体 この章では離散付値に関して完備な体である完備離散付値体について考察する.. 付値環,素イデアル,剰余体などの基本概念を導入し,ヘンゼルの補題を証明す. る1また,有限次不分岐拡大が剰余体の拡大と密接に関係していることなどを 明らかにする.. 2.1 イ寸イ直環. 命題字.1(K,レ)が付値体のとき,oを次のように定めるとKの部分環となる。oを (リの)付値環という.. o={・∈刈小)≧0} 【証明】 ”,ツ∈oとすると定義1.10より, μ(”一μ)≧min{レ(”),レ(μ)}≧O, リ(”μ)=リ(”)十レ(μ)≧O. となるので,π_V,”V∈oが成り立つ、またリ(1)=Oより1∈oも成り立つの. で,oはKの部々環である、 ■ 命題2.2(κ、〃)を付値体,oを付値環とする.このとき,”∈κが。の単数(可逆元) であることと〃(”)=Oが成り立つこととは同値である.. 【証明】 πが。の単数であると仮定すると,岬=1をみたすひ∈oが存在す る。このときリ(”),〃(リ)≧Oに注意すれば. 0=リ(1)=ひ(剛=リ(・)十リ(μ)⇒小):リ(ひ)=O. となるので小)=0が得られる.逆にレ(”)=Oと仮定すると,π∈oであり, 命題1.11より,小一1):_小)=Oとなるので,”■ユ∈oが得られる.ゆえにπ. は。の単数である、 ■ 18.
(21) 19. 2.完備離散付値体 命題2.3(K,〃)が付値環のと。き,ρを次のように定めると,ρは。の極大イデアルと なる.亭を(〃の)素イデアルという.また,剰余環0/Pを(リの)剰余体という.. 悼={・∈K1中)>O}. 【証明】 ρが。のイデアルであることは命題2.1と同様に示すことができ. るので,ここでは担が極大イデアルであることのみを示す.oのイデアルq がp⊆q⊂oをみたすとして,”∈q_pを選ぶと,リ(π)二〇となるので,命題. 2.2より,”は。の単数である.このとき任意のμ∈oに対して,リガ1∈oに 注意すれば rμ(ガ㌦ト(μカユ)・∈q. となるのでq=oが成り立つ.よって炉は極大イデアルであるl I. ・κの付値リ,μが同値ならば,対応する付値環,素イデアル,剰余体は一致する.. 命題2.4(K,リ)を離散付値体,oを付値環,炉を素イデアルとする.このとき,次が成 り立つ.. (1)ρは単項イデアノレである.戸=(π)となるπを。の素元という.. (2)f∈Kについて,「亡か素元である」ことと「レ(f)〉Oかつリ(亡)がレの値群を生. 成する」こととは同値である. (3)oの(0),oと異なるイデアルはpη:(πn)と表される(πは素元,η∈N).特に,o. は単項イデアル環であり,oの(O)と異なる素イデアルはpのみである.. (4)κの離散付値μがレと同値であるための条件はμの付値環が。に一致するこ とである.. 【証明】 (ユ)レ(K‡)皇Zであるから,レ(K中)の生成元でOより大なるもの を選びリ(π)とする(π∈拒).このとき. b∈ρ←⇒リ(6)=η・リ(π)となる自然数ηが存在する <=⇒リ(6π一九)二0となる自然数ηが存在する. ←⇒6:帆nとなる自然数ηと単数tlが存在する ←⇒(6)=(πη)となる自然数ηが存在する.
(22) 2.完備離散付値体 20 が成り立つので,ρ=(π)が得られる、ゆえにρは単項イデアルである.. (2)p=(π)とする.tが素元ならば(亡)=(π)よりト肌となる単数uが存. 存する.従って 州=リ(剛=小)十・(π)=リ(π)⇒リ(古)>O,/州/=/リ(π)/=リ(κヰ). が成り立つ。逆に,リ(士)〉Oかつリ(t)が〃の値群を生成すると仮定すると, リ(t)=リ(π)となるので,(ユ)で示したことから(t)=(π)が得られ,tは。の素. 元となる.. (3)oのイデアルで,(O)でも。でもないものをαとする.αの元の中でリの. 値を最小にするものを”Oとおく、このとき ・∈α⇒小)≧リ(・。)⇒小・♂1)≧O⇒・∈(・。) となるのでα=(”o)が得られる.一方,(1)で示したことから α二(・。)=(π几)=(π)n:グ. が成り立つ.これより。が単項イデアル環であること,素イデアルがpのみで あることも導かれる.. (4)μをKの離散付値でリと同値であるとする1このときひ:α.μとなる. 正数αが存在するので o={”∈κ1μ(”)≧0}={”∈K lμ(”)≧0}. が得られ,付値環が一致する.逆に付値環が一致すれば,素イデアル神=(π)も 一致するので,値群μ(K*)はμ(π)で生成される1レ(π):αμ(π)とおくと,α. は正数であり,κのOでない任意の元”が帆伽(伽は単数,mは整数)と表さ れることから ひ(π)=mμ(π)=mαμ(π)=αμ(”). が得られる.これより〃=αμとなるので,μはレと同値である. ■. ・(κ,リ)を付値体,oを付値環,pを素イデアル,Fを乗1」余件とする。自然な準同型を. 0∋・→元∈F=O/ρ.
(23) 21. 2、完備離散付値体 とする.. κの標数がρ〉0のとき. 1+一.十1=1+、、。十1=O. } } P P. となるので,Fの標数もρである.」方,Kの標数がOのときは,Fの標数はO,ρい. ずれの場合も起こり得る.KとFの標数が等しいときリを等標数の付値といい,κ とFの標数が異なるときレを混標数の付値という.. ρ進数体Qpのρ進付値竹は混標数の付値である。 定理2.5(K,リ)を付値体,oをその付値環とする.モニック。係数多項式∫(X)がモ ニックκ係数多項式ψ(X),ψ(X)の積として∫(X):ψ(X)ψ(X)と表されるならば, ψ(X),ψ(X)もモニック。係数多項式である.. 【証明】. 仮定より ∫(X)=〃十αη一。Xn−1+…十αユX+α。(αゼ∈・). ψ(X)一X4+ら老一。汁1+…十わ。X+6。(わ壱∈κ) ψ(X)=X伽十・m一ユXm’1+・・十・ユX+・。(・毒∈K). と表される.ただし,4,mは4+m=ηをみたす自然数である.定理を主張する ためにψ(x),ψ(x)の一方が。係数でないと仮定して矛盾を導くことにする.. 一般性を失うこ一となく,〆X)が。係数でないと仮定してよい.ここで,cm=1 として,. α=min{リ(6{)l O≦{≦4−1},. β一mi・{リ(・1).lO≦ゴ≦m}. とおく。α<O,β≦Oである、レ(6{);αとなる最小のゼをr,レ(cゴ)二βとな. る最小のゴを5とする。このときg(X)ψ(X)のX「十5の係数は わ、・。十(b、一。・、。。十6、一。・、。。十.。。)十(b、。。・周一。十6、。。・、一。十...). となる.α,βの定め方から,第2項以降の付値はα十βより大きい、従って,命 題1.11,(5)より リ(α、十、)=リ(6,C、)=α十β. となるが,α<O,β≦Oより,α十β<0となり,F(X)が。係数であったこと. に矛盾する. ■.
(24) 22. 2.完備離散付値体. .(κ,リ)を付値体,その剰余体を。/拒とする。o/pの各剰余類から代表元を選んでで. きる代表系の中で,Oを含むものを。/戸の完全代表系ということにする。 補題2.6(K,リ)を正規化された離散付値体,その剰余体を。/ρ,λを。/pの完全代表 系,{η}た≧Oをリ(7r烏)=んをみたす。の元の別とする一このとき,”∈oに対して,λ の元の列{α烏}ん≧oが一意に存在して,任意の自然数ηに対し. 十}・η が成り立つようにできる. 【証明】 まず,補題の不等式をみたすようなλの元の列{α為}た≧Oが存在する ことを示す.”π♂1∈oより αo≡1m♂ユ(mod戸). をみたすλの元αOが存在する.”一αOπO∈ρであるから 小一α。π。)≧1. が成り立つ.次に〃(”一Σ英二言α肌)≧ηをみたすようなλの元の列αO,_,α、一1. が存在したとすると. ←一善十∈・ であるから,. 十岩十(一・・) をみたすα。が存在する.このとき. 小一書刈πデーづ・1⇒十倉刈・1・1 が成り立っ1このように{α為}が順次定まるので,補題の不等式をみたすλの 元の列{αk}冶≧oの存在がわかる.. 次に一意性を示す.λの元の列{6山≧Oも任意の自然数ηに対して. /G一着㎞)・η.
(25) 23. 2.完備離散付値体 をみたすとする.このとき 小一α。π。)≧1,レ(卜b。π。)≧1⇒α。≡・π♂1≡b。(m・州. とな亭がλは。/戸の完全代表系であるからαo=6oを得る・次にαk=b島(O≦ ん≦η_1)が成り立つとすると. 十ξ刈・叶いピ書㎞)・れ・1 より. イー薫十十岩㎞ト}1) が得られ,α。=b。が導かれる。以下,同様にしてλの元の列{αた}お≧oと{わ為}た≧O. が一致することがわかる. 一. 定理2.7(κ,リ)を正規化された完備離散付値体,λを剰余体。/炉の完全代表系,{凧}k≧o. をリ(7rk)=たをみたすOの元の別とする.このとき,任意のλの元の列{α為}お〉oに対. して,無限級数 oo Σα肌 k=O. は。の元に収束する.逆に,任意の”∈oは oo ・一Σα肌(α1∈λ) 馬=O. と」意的に表される.また,任意の自然数nに対して. リ(書十叶一一…一一一・ が成り立つ.. 【証明】. p,15で述べたように,実数。〉1を選び, 同一・一リ(”)(・∈κ).
(26) 2.. 完備離散付値体 と定めれば,Hはκ上の乗法付値となる。また,κの2元z,μの距離がレ_釧 で定義される.さて,任意のλの元の列{αた}k≧Oが与えられたとして. n一ユ. ・。一Σ帆 κ=o. とおく.このときn<mとすると,1αおi≦!に注意すれば m一ユ」 1. 1・…・1一Σα肌・兀ぷ牝、1帆1・ア k=帆 一 一. が成り立つので,{叫}はコーシー列となり,あるKの元”に収束する.ここで. 軌∈oより1州≦1であるから,{1州}も実数のコーシー列であることに注意 すれば,I”一≦1となり,π∈oが得られる.以上で,任意のλの元の列{αk}k≧o. に対して,無限級数 oo. Σα肌 島=O が。の元に収束することが示された. 次にπ∈oを任意に選ぶと,補題2.6よりλの元の列{α此}k≧oが存在して,任. 意の自然数ηに対して η一1 1 卜Σα肌≦示 た=0 が成り立つ.従って. oo. π一Σ帆 ゐ=o が成り立つ.一意性については,. oo. π一Σ6肌 為=O とすると. づ㎞一ξ㎞・÷⇒1←一き刈・1 となるので,補題2.6より,6た=α冶(ん=O,1,2ゾ.。)が得られる.. 24.
(27) 25. 2.完備離散付値体 最後の主張については. 書咋暮榊1書帆レ(}・η であることと,付値の性質(定義1.10,(2))に注意すれば,. 一一…一一一・でない一. i㍉・η一リ(薫十 ■. が成り立つことから導かれる.. 2.2 ヘンゼルの補題 付値体κの剰余体をF=o/ρとすると,自然な全射 。∋”←→元∈F. が存在し,多項式環の準同型 1[X1∋!(X)H∫(X)∈F[X1. を誘導することを注意しておく.なおF=o/戸の元uに対して,oの元”でエ=uとな るものをuを。に持ち上げた元と呼ぶことにする.また,∫(X),g(X)∈o[X]について,各. X{の係数が担帆を法として合同であるとき ∫(X)≡g(X)mod pれ. と表すことにする. 補題2.8(ヘンゼルの補題)(κ,リ)を完備離散付置体,. F;o/仲を剰余体とする。. ∫(X)∈o1X1がF[X1において ∫(X)=ψ(X)ψ(X). (ψ(x),ψ(x)は互いに素). と分解されたとする.このとき,次をみたすg(X),ん(X)∈o[X]が存在する. ∫(X)二g(X)ん(X), ρ(X)=互(X),ψ(X)=ん(X), deg9=degψ.
(28) 26. 2.完備離散付値体 【証明】 ∫(X)=0のときは自明であるから,以下∫(X)≠Oとする.必要な らば同値な付値で置き換えることにより,ひは正規付値であると仮定してよい. リの素元を一つ選びπとする. 証明は,次の条件(1),(2),(3)をみたす。岡の多項式の列. α冶(X),ろ為(X)(ん=0,1,2,.....). が存在することを示すことにより得られる. (!) degα為≦degψ, deg6た≦deg∫_degψ (2)δ。:ψ,b。=ψ. (3)任意の自然数4に対して,9ゼ=Σ三二い㌦,∼=Σ嵐π㌦とすると ∫≡9ルmOd〆が成り立つ. まず上の条件(1),(2),(3)をみたす。囚の多項式の列α為,うkが存在したと仮定. して,補題が導かれることを示すことにする. 定理2.7の証明と同様にして,gη,ん帆の各係数がコーシー列であることがわかる.. Kは完備だからgれ,ん几はあるg,ん∈o[X1に収束する.これより,任意の自然. 数ηに対して,ある自然数Nが存在して,m>wをみたす自然数mに対して. g三gmmodダ,ん≡んmmodpn が成り立つようにできる.ここでMはw>ηをみたすように選んでおく. gん一gmんm:9ん一9mん十9mん一9mんm=(9−9m)ん十9m(ん一んm). となるので,gん_g㎜んmの係数はすべてグに含まれる.従って gん…9mんm mod仲n. が成り立つ.一方,(3)より∫≡g伽んm mod悼mであるが,m>W>ηに注意す. れば ∫一9ん=(∫一9mんm)十(9mんm一ψ)…O modダ を得る.ηは任意に大きくできるから,∫=gんが成り立つ.また,互=δo,ん二bO と(2)より,. ψ=互,ψ;ん.
(29) 27. 2.完備離散付値体 も得られる.次数についても,ψ=すよりdegg≧.de岬が得られ,(1),(3)よ. りdegg≦degψが得られるのでdegg:de帥が成り立つ.以上で補題が導か れた.. 残る問題は条件(1),(2),(3)をみたす。[X]の多項式の列αた,6たの存在を示すこ. とである.んについての帰納法で示すことにする.ただし条件(3)については 4の範囲を順次拡大していくことに注意されたい. 第1段 た=Oのときは,αo,6oをψ,ψの各係数を。に持ち上げてできる。係 数多項式とする.ただし,deg一 ユ,dθgψを超えた部分のαo,6oの係数はOとす る.このとき. (1)degαo=ψ, deg6o=degψ=deg∫_degg≦deg∫一degψ (2)δ。二g,う。:ψ. (3)g1=αo,ん1「6oだから∫≡g1ん1mo(丑拒. 第2段 (1),(2),(3)をみたすαo,...,α。一1,6o,.。.,6帆一ユが存在したと仮定して, (1),(2),(3)をみたすαo,...,α。,6o,.1.,6れの存在を示す(η≧ユ).仮定より,(3). はg。,んれまで定まっているので,あるω∈o[x1が存在して ∫一9nんn=π帆ω. と表される.ψ,ψは互い素であるから補題1.3より,あるu,む∈F[X]が存在 して. ψり十ψu=価 (deg刎<degψ). と表すことができる.これより ψU=億_ψ刎 =⇒ degψ十degη=deg(何一ψu). が成り立つ1ここでdegψ十degψ≦deg∫,degω≦deg∫に注意すれば degり≦deg∫一deg9 を得る. u,りの係数を。に持ち上げたものをα。,わ。とおく.この場合も, deg u,degωを超えた部分の一 ソれ,b、の係数はOとする.このとき,条件(1)につ いては,. degαれ=deg伽<degψ,. degわn:deg〃≦deg∫一degψ.
(30) 2.完備離散付値体 が成り立つ。(2)は自明であり,(3)については 9れ斗1=9れ十πnα。,ん九十1=ん。十π兀ろ。. より 9九十1ん科1…9几ん帆十7rη(9、わ九十んれα兀)≡∫十7rn(9、わ、十んれα九一ω)mOdゲ十1. が成り立つ.ψ:互仰,ψ=ん。,U=6帆,u=・軌であるから. 9山十んηαη≡ωmodρ となるので 9帆。。んれ。ユ…∫m・dpn+1. が示された. ■ ヘンゼルの補題から導かれる次の定理は,次節で必要となる.. 定理2.9(κ,リ)を完備離散付置体とする.K係数のモニック既約多項式∫(X)= Xれ iαれ一ユXn−1+_十αユX+αoがリ(αo)≧Oを満たせば〃(α壱)≧O(に1,2,.。.,η_1) が成り立つ、. 【証明】 付値レは正規付値であるとして一般性を失わない.また剰余体を F=o/ρとする、 μ(αo)≧Oかつリ(α老)=min{リ(α{)’1≦乞≦η一1};一m<0. をみたすα老(1≦1≦η_1)が存在すると仮定して矛盾を導く.ここで, 9(X)=πm∫(X):πmXれ十π伽α、一。Xト1+…十πmαユX+πmα。. とおけばg(X)∈o固であり,πmαO∈pかつクrmα4∈o_やである.従って. す(X)∈珂X]はXで割り切れ,γの係数はOでない.ゆえに 豆(X)=X㌦(X) (Xとん(X)は互いに素) と分解できる(1≦ん<4<η).ヘンゼルの補題を適用すると,g(X)は。[Xlで. た次と(n_ん)次の多項式の積に分解されることになり,∫(x)がκ[x1で既. 約であったことに矛盾する. 一. 28.
(31) 2.完備離散付値体. 29. 2.3 付値の延長と分岐指数・剰余次数 定義2.1O L/κを体あ拡大,リをκの付値,μをLの付値とする. レ(”);μ(π)一(∀”∈κ). が成り立つとき,μをリの延長という.. .レの延長μと同値な付値もりの延長と呼ぶことがある1 .有限次拡大工/Kにおいて,(κ,リ)が完備付値体である場合はリの工への延長は一 意的である(後述).κが完備でない場合は一意とは限らない. .付値体(κ,ひ)の剰余体をF一=oル,ひのムベの延長をμ,付値体(工,μ)の剰余体を. E=o/準とする。このとき,明らかに. 0⊂O,や⊂羽,O∩κ=0,0∩羽=仁 が成り立つ.第2同型定理(p.7)より,. F:0/P:O/(準∩0)≧(0+準)/準⊂O/準二五. となるので,Fは五の部分体とみなすことができる.. 定義2.11付値体(工,μ)が付値体(κ,μ)の有限次拡大で,μがレのムベの延長であ るとする.”を(乙,μ)の剰余体,Fを(κ,レ)の剰余体とする. (1)∫(μ/リ)=[五:F1をμ/レの剰余次数という。 (2)ε(μル):[μ(エヰ):μ(κ)1(μ(工*)の部分群μ(κ‡)の指数)をμルの分岐指数と し・う.. μ,レが明白な場合はプ(μ/リ),e(μル)を単に∫,eと表す。. ・離散付値体(L,μ)が離散付値体(K,リ)の有限次拡大で,μがリのLへの延長(と 同値)であるとする.ここで,それらの付値を正規化したものを改めてμ,ひとおく、. (K,リ)の素元をπとすると,リ(π)=ηとなるKの元エは適当な単数uを用いて 帆れと表される.分岐指数をeとおくとμ(π)=eよりμ(”)=μ(帆れ)=几eとなる のでμ(”)=eひ(”)が成り立つ。.
(32) 30. 2.完備離散付値体. .一 ハに,付値体(M,λ)が付値体(乙,μ)の拡大で入がμの延長であり,付値体(ム,μ) が付値体(κ,μ)の拡大で,μがμの延長であり,分岐指数ε(λ/μ),ε(μル)が有限の とき, e(入/レ)=e(入/μ)ε(μ/リ). が成り立づ1同様に,剰余次数∫(vμ),∫(μ/レ)が有限のとき,. ∫(λ/μ)=プ(λ/μ)∫(μ/リ). が成り立つ.. 補題2・12(κ,μ)を完備離散付値体,Z/κを有限次拡大とする・. このとき,次式で与. えられるμはレのLへの延長である. ! μ(リ)■π]小/・(μ))(μ∈ム). 【証明】 n=[工K1とする ”∈Kのとき 1 1 μ(π)一一レ(∼K(・))二一小η):州 η η. となるから,μが付値であることが示されれば,μはリの延長である.定義1.10. の付値の条件(1)については,ノルム写像が群の準同型であることから導かれ る.付値の条件(2)を示すためには, ”,μ∈L幸,μ(”)≦μ(μ) ==> μ(”十v)≧μ(”). が成り立つこと,すなわちμ(1+カユμ)≧Oを示せばよい.そのためには ・∈工*,μ(・)≧O⇒μ(1+・)≧O. が成り立つことを示せばよい.z∈Z*,μ(z)≧0としてzがみたすκ上の最 小多項式を ∫(X)=Xm+αm一。Xm−1+…十αユX+α・ とおく、ただしm=[K(z):K]である.このとき NK(。)/K(z):(一1)mαo.
(33) 31. 2.完備離散付値体 となる.ノルムの連鎖律(p.10)より,4=[ム:K(z)]とおくと ∼K(・)一WK(乞〕/K(W岬、)(・))一WK(之〕/K(ノ)一(一1)ηα名. となるので 1 1 μ(・)一一ひ((一1)帆α名)一一ひ(α。)≧0⇒ひ(α。)≧O n ηユ. が得られる.従って定理2.9より,レ(α{)≧0(4=1ゾ..,m_ユ)を得る。さて. (1+z)のK上の最小多項式は∫(X_1)であるから,上と同様にノルムの計算 をすると N〃K(1+z):(一1)η∫(一1)4 一(一1)η((一1)・・α。.ユ(一1)・一1+…・(一1)α、・α。)ゼ. が得られる.これより 1 1 μ(1+・)=一ひ(W岬(1+・))≧一mi・{O,レ(α・)ゾ・.,リ(αm一・)}≧O η η? ■. が導かれる.. ・上の補題の証明の中でz∈L*,μ(z)≧0となるzのκ上の最小多項式が。係数で あることが示されていることに注意されたい(oはKの付値環)一. 補題2.13(K,μ)を離散付値体,ム/Kを体の拡大,レのムベの延長をμ,κの付値. 環を。とする.このとき,ムの元vで グ十α㎜一。Vm一ユ十…十α。=O. となる自然数mとαo,α1,...,αm−1∈oが存在するようなものはμ(ツ)≧Oをみたす。. 【証明】. 付値の定義より m・μ(μ)=μ(μm). :μ(αm−1リm■1+…十α。叶α。) ≧mi・{μ(αm一エゾ1),...,μ(αエツ),μ(α。)}. ≧min{乞・μ(μ)lO≦1≦m一}.
(34) 32. 2.完備離散付値体 が得られる。ここでμ(μ)<0と仮定すると,あるゴ,O≦ゴ≦m一ユ,に対して m・μ(μ)≧ゴ・μ(μ). となり矛盾が生じる.ゆえにμ(μ)≧Oが成り立っ1. 1. 補題2.14(κ,リ)を完備離散付値体,L/Kを有限次拡大とする.このとき,レのムベ の延長は同値を除いて一意に定まる.. 【証明】 補題2ユ2で定まるリの王への延長をμとする μが離散付値であ ることを注意しておく.補題2.14を示すために,リの工への延長λを任意に 選び,μに同値であることを示す. レの付値環を。,μと人の付値環,素イデアルを,それぞれOμ,Dλ,準μ,軸と. する.μと入が同値であることを示すためには,pp.15−!6で述べたことから,. Oμ=Oλを示せばよい.V∈Oμを任意に選ぶ.μ;Oならばμ∈Oλである。 μ≠Oのときはμ(μ)≧Oに注意すれば,補題2.12の後で注意したように ヅ十αm一。ゾ1+…十α。V+α。=O をみたす自然数mと吻∈o(ゴ=0,.一一,m_ユ)が存在する一このとき補題2,13. より入(μ)≧Oとなるのでμ∈Oλが得られる、従ってDμ⊂Oλが成り立つ. 逆にツ∈O人とする。μ≠Oμと仮定すると,μ(ひ)<Oとなるのでμ(1/μ)>O. であるから,ヅ1∈邪μが成り立つ、一方Dμ⊂DλであるからOμ∩軌はOμ の素イデアルである、(L,μ)が離散付値体であるから,命題2.4よりOμの素 イデアルはただ一つ,すなわち羽μのみである.ゆえに μ一1∈準’、一Dμ∩軌⇒μ■ユ∈狐 が成り立つ.これよりλ(μ)く.0が得られるので,峠Oλであったことに矛盾. が生じる.ゆえにツ∈o、が成り立つ1以上で。、=oλが示された、 一.
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