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イ ギ リ ス に お け る 嫌 が ら せ 訴 訟 禁 止 法 に つ い て 山

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(1)

9 9 9 9 . ,

 

9 9 ,  

9 9 ,   9 9 ,  

四 三

嫌がらせ訴訟禁止法 はじめに

現行法

イ ギ リ ス に お け る 嫌 が ら せ 訴 訟 禁 止 法 に つ い て 山

6‑4 ‑559 (香法'87)

(2)

③ 

訟費用が支払われるまで停止︒

②  ① 

(l ) 

一九八一年七月二八日に成立し︑翌年の一九八二年一月一日から施行されている現行の最高法院法四二条

( t h e には︑嫌がらせによる法的手続の利用を禁止する趣旨の規定が設けられてい る︒どこにでも︑制度を濫用する者がいるものである︒わが日本においても同様であり︑訴訟に負けても頑固に自己

(2 ) 

の主張を繰り返す事例も報告されている︒わが国では︑そのような場合︑実体法的には︑不法行為として損害賠償を

(3 ) 

命じられることがある︒しかし︑手続的には︑原告側であれば︑訴権の濫用として訴えを却下することが考えられる︒

ある

そし

て︑

件もの訴訟を起こした︑ そのような規定が設けられるキッカケになった事件は︑以下に紹介するように︑約四年半の間に一人の人間が一︱六

(5 ) 

というのである︒

口頭誹毀を理由とする損害金

( d a m a g e s f o r   s l a n d e r )

  を求め

この訴訟は︑不真面目で

( f r i v o l o u s )

且つ嫌がらせで

( v e x a t i o u s )

同年一月一九日︒下院の書記である

M r .

S . L .   Si me on

に対する義務怠慢を理由とする損害金請求︒手続は︑訴

一八九二年五月︒被告は議長

( t h e S p e a k e r )

︒請願書

( p e t i t i o n ) の提出を拒否したことによる損害金︒主事

る ︑

として︑却下された︒ る召喚状が王座部において発付された︒ 一八九一年一月︱日︑

L o r d s   E h e r に 対し て︑

この種の明文規定は︑わが国には存しない︒

とこ ろが

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止の規定によれば︑

そもそも訴訟を提起すること自体に許可がいるので

Su pr em e  C o u r t   A c t 

19 81 . 

s e c t i o n  

42 .)  

は じ め に

6 ‑ 4 ‑560 (香法'87)

(3)

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止法について(日(三谷)

で ︑

⑪ 

その後召使いの主人︶ の命令からの控訴に基づいて︑訴訟費用負担付きの却下︒

同年七月一三日︒被告は議長︒

宣誓供述書の写しの費用として︑ ウェストミンスター州裁判所で︒被告の要求により︑被告のためになされた

︑ ︑

1 4  

︱三 シー

八ペニーを請求︒訴訟費用負担付きの被告有利の

同年 七月 一一 七日

M r .

S i

m e

o n

が被告︒ブロンプトン州裁判所︒強制執行令状

( f i

f a )

の下における侵害を理

由とする損害金︒訴訟費用負担付きの訴え却

F( no

,  sn

u i t )

一八九芝年一月二五日︒

M r .

A . K .  

S

t e

p h

e n

s o

n が被告︒ウェストミンスター州裁判所︒被告のためにした労働

の費 用と して

一ポ

ンド

同年七月二八日︒被告は議長︒ 一シリング︒訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

クラーケンウェル州裁判所︒なされた労働の費用請求︒訴訟費用負担付きの

⑩同年二月一四日︒被告は議長の執事

( S

p e

a k

a r

' s

b u t l

e r )

訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒ クラーケンウェル州裁判所︒暴行による損害金︒

同年三月八日︒被告は議長︒ウェストミンスター州裁判所︒被告承認の下に︑被告の召使い 下︒原告は出席せず︒

⑨ 

納付

によってなされた暴行による損害金︒訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

一八九四年一月九日︒

M r .

A . T .   H

ar

eが

被告

⑧同年︱二月ニ一日︒

M r .

A . T .   H

ar

eが

被告

被告有利の判決︒

⑦  ⑥  ⑤ 

判決

④ 

一ポ

ンド

︵最 初は 召使 い

シティ・オブ・ロンドン裁判所︒労働と資料の費用︒事件は却 シティ・オブ・ロンドン裁判所︒労働と資料の費用 3裁判所への

6 ‑ 4 ‑561 (香法'87)

(4)

⑳ 

とによる一ポンド︑

一シリング︒却下︒請願者は出席せず︒

⑲同年︱二月八日︒被告は大法官︒

⑱ 

⑫同年四月二五日︒被告は︑議長︑

S i r A . K .   S t e p h e n s o n

及び

M r .

Ha re

の三名である︒正義の過程を妨害し無

効にするために彼らの間で賄賂を使い且つ不当に共謀・結託していることによる損害金︒訴訟費用負担付きの 同年五月二四日︒被告は守衛官

( t h e S e r j e a n t   , a t ' A r m s

) ︒ウェストミンスター州裁判所︒暴行による損害金︒

訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

同年六月一四日︒被告は︑

M r .

H a r e ,  

M r .  

G a r d n e r 及び S i r A . K .   S t e p h e n s o n

の三名である︒賄賂を使い且

つ不当に共謀していることによる損害金一ポンド︒訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

同年六月二八日︒被告は議長︒請願書を提出するのを拒否したことによる損害金︒訴訟費用負担付きの被告

同年七月︱二日︒被告はホースリー警部︒暴行を理由とする損害金として︑

同年七月二五日︒被告は大法官

( t h e Lo rd   Ch a n c e l l o r

) ︒

一ポ

ンド

一シリング︒訴訟費

ウェストミンスター州裁判所︒請願書を提出する

のを拒否したことによる損害金︒訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

同年︱一月︒

Lo rd H a l s b u r y

が被告︒高等法院︒請願の公判を指定しなかったことによる損害金一︑

000

ポンド︒不真面目かつ嫌がらせであるとして却下︒

⑰ 

用負担付きの被告有利の判決︒

⑯ 

有利の判決︒

⑮  ⑭ 

被告有利の判決︒

⑬ 

一八九四年七月二五日の召喚状に従って裁判所に参加することを怠ったこ

一八九五年二月一九日︒請願書の提出を拒否したことによる損害金︒訴訟費用負担付きの被告有利の判決︒

6 ‑ 4 ‑562 (香法'87)

(5)

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止法について (t)(ミ谷)

下においては︑嫌がらせ訴訟禁止法の沿革をたどり︑この法規定の問題点を探ることにしたい︒

⑳ 

f o r   r e h e a r i n g

) ︒訴訟費用負担付きで却下︒

⑮ 

負担付きで却下︒ ラーケンウェル州裁判所︒一八九五年二月一九日に︑

罰則付き召喚状に基づいて

L o r d

⑳ 

担付きの被告有利の判決︒

⑳  ⑫ 

同年三月四日︒

同年三月二五日︒

( s u b p o e n a ) に基づいて参加することを拒否し︑正義の過程を妨害したことによる損害金一ポンド︒訴訟費用負

同年四月一

0

L o r d   H e r s h e l l 及び L o r d

︵審 尋は 五月 九日

︶︒ L o r d   H e r s c h e l l ,   L o r d   E s h e r ,

  J u d g e   L um le y  S m i t h

の三

夕日

か姑

笙口

︒ H e r s c h e l

l 及び

Lo rd E s h e

r を調査する原告の権利を奪うことによって正義を妨害したことを理由とする損害金一ポンド︒訴訟費用

同年五月二二日︒

J u d g e L um le y 及び J u d g Me ea do ws   Wh i t

e が被告︒前述の訴訟の再審尋の申立て

( m o t i o n

同年七月四日︒ウェイルズ皇太子︑

S i r E .   M au nd e  T ho mp so

n及び

M r

R .  

. G a r n e t

t の三名が被告︒クラーケ

ンウェル州裁判所︒大英博物館の読書室へ入る原告の入場券の更新を不当に拒否したことによる損害金︒訴訟

費用負担付きの被告有利の判決︒

この事件に業を煮やして︑嫌がらせ訴訟禁止法

( t h e V e x a t i o u s   A c t i o n s   A c t )

の制定が提案されたわけである︒以 

( l )

この法律の邦訳については︑法務大臣官房司法法制調査部編・イギリス最高法院法・イギリス裁判所侮辱法(‑九八四年九月二五

日︑法曹会︶がある︒イギリスにおける簡単な文献には︑

Ro

bi

n W

h i

t e

,   T

he

  Su

pr

em

e  C

o u

r t

  Ac

t 

1981  (

19

81

, 

Sw

ee

t 

Ma

xw

el

l)

 

E s h e

r が

被告

︒ 一 八 九 五 年 二 月 一 九 日 に 罰 則 付 き 召 喚 状

一八九五年二月一九日の命令からの控訴で︑

再公判

( n e w t r i a l )

を求める控訴︒控訴却下︒

6‑4 ‑563 (香法'87)

(6)

ょ ︑

'l

. 

ろつ こと

現在では醜聞となり︑

そのような手続にストップをかけるべき時が到来した︒

不幸なことは︑ ﹁想像できるあらゆる問題に基づいて︑ この法の趣旨について︑

(6

事件を紹介しつつ︑ 九六年八月二四日である︒ イギリスにおいて︑ 一八九六年法

( 5 )  

( 2 )  

上院

嫌がらせ訴訟禁止法

全く貨任のない人に︑

(H ou se f   o   L o rd s)

 の第二読会で︑

完全に悪意からする嫌がらせ訴訟を提起するとい 大法官︵ホールズベリー上院議員︶

, 1  

(1 98 4,

S  

w e e t  

及び

D . B . C a s s o n   an d  I• H .   D e n n i s  

̀ M

od er n  D e v e l o p m e n t s   i n   t h e   L aw   of   C i v i l   P r o c e d u r e  

(1 98 2,  S w e e t

 

M a x w e l l ) 最も詳細なものとしては︑白本と称されている

THE

SU PR EM E  C

OU RT   PR AC TI CE

 1985 

VO LU ME   Ma xw el l  a nd   St e v e n s  

S o n s )   p p .  

12791374

これは不当応訴の事例であるが︑例えば︑東京地判昭和五四・一・ニ八︵判例時報九六一号九一頁︶を見よ︒

( 3 )

不当訴訟・不当応訴の最近の例については︑三谷忠之﹁判例回顧民事訴訟法﹂法律時報五六巻一一号(‑九八四年五杜︱

1 0

日 ︑ 評論社)→四六頁以下、•;.谷「判例回顧民事訴訟法」法時五七巻.一号(-九八五年一月三0日)一五九頁以下参照。

( 4 ) 訴権の濫用の具体例については︑判例体系︵第こ期版︶民事訴訟法

2 : 1 1

H a n s a r d ,

Vol·XLII•  

Ho us e  o f   L o r d s , o l   c s .  

14101412.もっとも︑後述するように︑実際には︑

件の事件が係属したのである︒後述︹

l

Re h   C a f f e r s

  (1897) 

13 

T . L . R .  

168の事例である︒

th e  V ex at io us c   A ti on s  A c t ,  

1896として

S l

用される嫌がらせ訴訟禁止法が成立したのは︑

それ以前のものも含めると︑

' 

これら

前述した

一 八 四八 日本

Ro 

6~- 4 ‑564 (香法'87)

(7)

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止法について(1)(三谷)

と述べている︒

案す る﹂

の訴訟が先例となり増加しやすいことである︒そして︑特定の原告は禁反言で禁止されるかもしれないが︑多く

の後継者が続き︑実務は減ることなく続けられるであろう︒困難なことは︑

止め︑同時に︑真に不服のある臣民による訴訟の提起を妨げる不必要な障害を裁判所に持ち込まないでおける手 続を有することである︒本法案が確保しようとしている目的は︑訴えられる人に対する保護である︒私が注意を

向けているような事例の場合には︑評決は被告有利になるということは︑

士に説明するために出席しなければならない︑

勝訴するけれども︑自ら損をして勝訴するのである︒この法案が考えられたのは︑

意ある嫌がらせ訴訟に耽り︑必要な費用を支払わない者の行為が法務長官の目にとまり︑法務長官は︑

で︑高等法院に申請し︑

めには発付されない︑

その

後︑

らせ訴訟を終わらせるためである︒⁝⁝法案の目的は︑

この種の悪意ある嫌がらせ訴訟を妨げることである︒悪

無益な︑悪意からする有害な訴訟を その通りであるが︑被告が防御し弁護

ということが忘れられているように思われる︒その結果︑被告は

そのような悪意からする嫌が

その裁量

そのために高等法院で得られる許可なしには︑将来いかなる令状もその者のた ということが︑法案によって提案されている︒社会及び十分な不服原因を有する市民が本 法案の規定によって十分に保護されると同時に︑人々が根拠のない嫌がらせ手続とそのような手続に伴う費用負 担から保護されるべき時が到来した︑と考えている︒したがって︑本法案は第二読会にかけられるべきものと提 ところで︑前述した一連の事件における被告は︑全て公務員であったことに注意しておくべきである︒だから︑法

務長官の目にもとまり︑嫌がらせ訴訟禁止法のような実質的に一条からなる法案が提出されることになったのである︑

と断言してよいであろう︒この被告が一般市民であるならば︑果たして法律まで制定しようという動きがあったかど

6 ‑ 4 ‑565 (香法'87)

(8)

というものである︒

一 体

いてその者によっては︑ ﹁法務長官が︑この法律に従って命令を求めるために︑高等法院に申請することは合法であるものとし︑高等法院であれ下位の裁判所に招いてであれ︑合理的根拠なしに︑誰かある者が常習的に且つ執拗に嫌がらせの法的手続を開始したことを法務長官が高等法院に確信させる場合には︑高等法院は︑

そのような者を審尋した後又は審尋の機会を与えた後︑その者が高等法院 又は高等法院の裁判官の許可を得て︑高等法院又は裁判官に︑そのような法的手続が裁判所過程の濫用でないこ と及びそのような手続を進める一応の根拠があることを確信させるのでなければ︑高等法院又は他の裁判所にお

尋し

て︑

また︑同じ者に対してであれ異なる者に対してであれ︑手続を開始する

いかなる法的手続も︑開始してはならない︑ということを命じることができる︒﹂

このような法律によってまで排除しなければならない人物が何人いるか明らかでないが︑

要件はかなり厳しいように思われる︒すなわち︑﹁手続を開始する合理的根拠﹂がないこと︑﹁常習的に且つ執拗に﹂

すること︑﹁嫌がらせの﹂ものであることを︑

まず法務長官が証明しなければならない︒その後︑更に︑当該人物を審

その者が︑﹁そのような法的手続が裁判所過程の濫用でないこと﹂及び﹁そのような手続を進める一応の根拠

があること﹂を証明できない場合に限り︑所定の命令をだすことができるのである︒

(7 ) 

うか疑問である︒そして︑この法案の第一条は︑

しか

し︑

その効果は絶大で︑あ

らゆる裁判所からの排除を意味している︒この効果を考えれば︑要件が厳しくなるのも当然であろう︒

上院では提案に対して質問等もなく第三読会も終わって︑下院

( H o u s e o f   C o m m o n s )  

(8 ) 

下院での第二読会において︑法務長官が︑法案について︑ での審議に持ち込まれた︒

﹁数年にわたって続けられてきた濫用を終わらせる︒ある者が裁判所を渡り歩き︑大法官︑

カンタベリー大司教 及び他の公人に対して︑嫌がらせ訴訟をする︒本法案は︑人が常習的に嫌がらせ訴訟をすれば︑裁判所は︑法務

6 ‑ 4 ‑566 (香法'87)

(9)

イ ギ リ ス に お け る 嫌 が ら せ 訴 訟 禁 止 法 に つ い て(I:)(̲

と回答しただけで︑時限立法の提案は採用されていない︒ と述べた︒これに対しては︑法務長官が︑ け通用させるべきである︒しかし︑政府が同意すれば︑

‑ 0

年の期間制限に同意したい︒﹂

﹁同

法は

とすれば︑時限立法延長法案によって更新するべきである︒﹂ 長官の権限に基づいて︑手続を制限する命令をだすことができる︑と定めている﹂

(9 ) 

と説明したのに対して︑

M r . T . M .   H E A L Y

は︑法案の制定のキッカケとなった事件が前述した一事例であることを根

﹁疑いもなく重大な濫用が存在する︒

しか

し︑

それは一人の人間と関係があるだけで︑

その者も永久には生きな

いであろう︒︹法務長官は︑﹁違う︒たった一人だけではない︒﹂と叫ぶ︒︺訴訟を提起する臣民の権利を制限する

のは︑大胆な命令であり︑私は︑法案の有効期間を五年に制限するべきであり︑ 拠に︑時限立法にするべく︑

五年 後に

の審尋後に︑高等法院がすることになっている︒これらの予防措置で十分である︒﹂ その法律が望ましい

と提案している︒そして︑第二読会終了後の委員会でも︑

M r .

Le wi

sが︑法律の有効期間の制限を定める新規定の導入

( 1 0 )  

を求める動議を提出した︒すなわち︑

一 九

0

七年の終了までに限り有効とするべきである︒これは︑試験的な基準であり︑実際︑五年間だ

﹁本院は︑賢明にもそのような期間制限を採用しないであろう︒人々は合理的に行動するつもりである︑という

ことを考えなければならない︒法務長官の申立てに基づいて訴訟を提起できるだけであり︑命令は︑法廷弁護士

同じ委員会の場において︑提案されている嫌がらせ訴訟禁止法案の第一条︵前頁参照︶の削除の動議が提出された︒

( 1 2 )  

裁判所は臣民の誰もが平等に利用できる︑というのが中心の反対意見であり︑

M r .

J . F .

O

 

S W A L D

は ︑

6‑4 ‑567 (香法'87)

(10)

﹁本

法案

は︑

し︑ しか も︑

イギリス法の知らない原則を立てている︒女王の特定の臣民にあらゆる裁判所の門戸を実際に閉ざ ある個人が手続を起こすのに何か不快なことをした故に︑門戸を閉ざす法案が提出されたのは︑議 会の歴史において始めてである︒裁判所は嫌がらせであると考えることのできる手続を停止させる権限を既に有

している︒私は官僚主義に反対する︹笑い︺︒そして︑この国の人民に代わって︑法務長官が︑彼自身が官吏であ

るが︑裁判所に来て︑女王の臣民全体に裁判所の門戸を閉ざす申請をすることができる︑ということを定める法

案に反対する︒なぜなら︑臣民は︑当然のことながら︑訴訟好きなものである︒︹笑い︺法案は最も慎重に考慮す

るべきであり︑終了間際になった会期の最後になって反対されるべきは法案ではない︒裁判所は︑全ての者に開 かれるべきである︒法案は︑現実には︑高等法院の裁判官が︑法務長官の申請に基づいて︑特定の人間に対して

下位の裁判所の門戸を閉ざす権限を有するべきであることを提案している︒申請をなさねばならないとすれば︑

別々の裁判所になすべきである︒公的正義という第一の原則︑すなわち︑それは全てに平等に開かれているとい

う原則を侵害する故に︑本条に反対である︒女王の裁判所は公的な裁判所であり︑あらゆる階級の当事者は︑

れに自由に且つ何にも妨げられずに接近することができる︒本条は濫用される可能性があり︑裁判所は︑既に︑

簡易に且つ廉く︑嫌がらせの又は悪意のある訴訟を停止させる必要にして十分な権限を有している︒﹂

と主張している︒しかし︑この動議は採用されなかった︒

( 1 3 )  

だが︑次のようなやり取りによって︑費用を自分で負担できない貧困者には法廷弁護士を任命する︑

定がおそらく挿入されたのであろう︒すなわち︑

M r . T . M .  

H

e a

l y

は ︑

との趣旨の規

﹁身分の貴い人々が攻撃され︑迷惑をかけられるまで︑干渉することは︑誰の心にも浮かばない︒そのときには︑

国家の役人は︑すぐに保護を与えるために干渉する︒貧困者は︑顔が紫色になるまで攻撃される可能性がありー

1 0  

6 ‑ 4 ‑568 (香法'87)

(11)

イ ギ リ ス に お け る 嫌 が ら せ 訴 訟 禁 止 法 に つ い て(I) (: 

( 1 2 )  

二条からなる次のような嫌がらせ訴訟禁止法である

(59

60 

V i e t

.   C

. 

51)

この法律に従って命令を求めるために︑高等法院に申請することは合法であるものとし︑高

等法院であれ下位の裁判所においてであれ︑

する合理的根拠なしに︑誰かある者が常習的に且つ執拗に嫌がらせの法的手続を開始したことを法務長官が高等

法院に確信させる場合には︑高等法院は︑

法廷弁護士を任命してから︑

法院の裁判官の許可を得て︑高等法院又は裁判官に︑そのような法的手続が裁判所過程の濫用でないこと及びそ

のような手続を進める一応の根拠があることを確信させるのでなければ︑高等法院又は他の裁判所においてその 1﹁

法務 長官 が︑

そのような者を審尋した後又は審尋の機会を与えた後︑ それにもかかわらず︑成立したのが︑ と

これまた皮肉っぼい批判をしている︒ 決して庶民のために法案を提出しない︒﹂ ー︹笑い︺︑あらゆる種穎の費用を負担させられる可能性があるが︑何もなされないであろう︒﹂

この数年間に︑国民は︑国民の義務として保護される人々に関して︑

と答弁したが︑更に続けて︑

M r . T . M .   H

e a l y

は ︑

︱つの階級立法である︒ かなりの額を費

﹁法務長官及び法務長官のような公務員は︑保護の必要などないのである︒なぜなら︑彼らは法に通じており︑

たくさんのお金をもっている︒︹笑い︒︺これは︑

望はない︒そして︑

アイルランドでは︑本法案に対する希

イングランドでは︑裁判所過程の濫用があれば︑裁判官は救済を与えるであろう︒上院は︑

した

︒﹂

﹁これらの手続によって︑ と皮肉ったのに対して︑法務長官は︑

また︑同じ者に対してであれ異なる者に対してであれ︑手続を開始 そのような者が貧困のため法廷弁護士を雇うことができない場合には

その者が高等法院又は高等

6  4 ‑569 (香法'87)

(12)

1 11 

即旦‑40 ¥‑‑'竺'二全,t6!‑0迅忌曲葉,..,;μ'刈こA("'\り叫如侶号こ)i-O~J心芯や初べ゜

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the  Vexatious  Actions  Act, 

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回辻母『文°」

('"°) Hansard. Vol. XLII, House of Lords, cols. 1410‑1412. 

(l'-)迅帳111~8歪ヌ竺'益ft---8,0,0..,;µ8~I'(,

"Clause 1. —-POWER OF COURT TO PROHIBIT INSTITUTION OF ACTION WITHOUT LEA VE. 

It shall be lawful for the Attorney General to apply to the High Court for an Order under this Act, and if he satisfies the 

High Court that any person has habitually and persistently instituted vexatious legal proceedings without any reasonable 

ground for instituting such proceedings, whether in the High Court or any inferior Court, and whether against the same 

person or against different persons. the Court may. after hearing such person or giving him an opportunity of being heard, 

order that no legal proceedings shall be instituted by that person in the High Court or any other Court, unless he obtains 

the leave of the High Court or some judge thereof, and satisfies the Court or Judge that such legal proceeding is not an abuse 

(13)

of the process of the Court, and that there is prima facie ground for such proceeding. 

Clause 2, EXTENT AND SHORT TITLE. 

This Act shall not apply to Scotland or Ireland. (1.) 

(2.) 

(oo) (o‑,) 

(~) (二)

(s:1) t!!!§ 以竺' This Act may be cited as the Vexatious Actions Act, 1896." 

Hansard, House of Commons, 8 August 1896. 

Hansard, Vol. XLIV, House of Commons. col. 457. 

Hansard, Vol. XLIV, House of Commons, cols. 455‑456. 

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It shall be lawful for the Attorney‑General to apply to the High Court for an order under this Act, and if he satisfies 

the High Court that any person has habitually and persistently instituted vexatious legal proceedings without any 

reasonable ground for instituting such proceedings, whether in the High Court or in any inferior court, and whether against  "l. 

the same person or against different persons, the court may, after hearing such person or giving him an opportunity of being 

heard, after assigning counsel in case such person is unable on account of poverty to retain counsel, order that no legal 

proceedings shall be instituted by that person in the High Court or any other court, unless he obtains the leave of the High 

Court or some judge thereof, and satifies the court or judge that such legal proceeding is not an abuse of the process of the 

court, and that there is prima facie ground for such proceeding. 

Gazette.  A copy of such order shall be published in the London 

2.‑(1.) 

(2.)  This Act shall not extend to Scotland or Ireland. 

This Act may be cited as the Vexatious Actions Act, 1896." 

(~) Hansard, Vol. XLIV, House of Commons, col. 456. 

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Im旦竺'l'(fl>'Liい~~!.2習庄初~i-0匝涸lJIIIQthe Vexatious Actions (Scotland) Act, 1898 

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"1. It shall be lawful for the Lord Advocate to apply to either Division of the Inner House of the Court of Session for 

an order under this Act, and if he satisfies the Court that any person has habitually and persistently instituted vexatious 

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(14)

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legal proceedings without any reasonable ground for instituting such proceedings, whether in the Court of Session or in any 

inferior court. and whether against the same person or against different persons, the court may order that no legal 

proceedings shall be instituted by that person in the Court of Session or any other court unless he obtains the leave of the 

Lord Ordinary on the Bills in the Court of Session, having satisfied the Lord Ordinary that such legal proceeding is not 

vexatious. and that there is prima facie ground for such proceedings. A copy of such order shall be published in the 

Edinburgh Gazette. 

2. This Act may be cited as the Vexatious Actions (Scotland) Act, 1898." 

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炒知ゃ谷▽ぷ"theVexatious Actions Act 1896, which was replaced by s. 51 of J.A. 1925 which extended the powers of 

the Court to restrain a vexatious litigant from instituting any fresh legal proceedings or by the amendment introduced by 

the J. (A.) .A. 1959 from continuing any existing legal proceedings without the leave of the Court."~r-0

悩心,1兵Ilば母坦8~0西択竺'益fl‑‑‑‑'‑i'I',i:f, .,iJ 8~r-0

If, on an application made by the Attorney‑General under this section, the High Court is satisfied that any person 

has habitually and persistently and without any reasonable ground instituted vexatious legal proceedings, whether in the  "(1) 

High Court or in any other inferior court, and whether against the same person or against different persons, the court may, 

after hearing that person or giving him an opportunity of being heard, order that no legal proceedings shall without the 

leave of the High Court or a judge thereof be instituted by him in any court, and such leave shall not be given unless the 

court or judge is satisfied that the proceedings are not an abuse of the process of the court and that there is prima facie 

ground for the proceedings. 

(2) If the person against whom an order is sought under this section is unable on account of poverty to retain counsel, 

the High Court shall assign counsel to him. 

(3) A copy of any order made under this section shall be published in the London Gazette." 

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(16)

右のような命令がなされたのは︑二年に一件強である︒最近は︑数が増える傾向にあり︑関心ある皆さんは御存

. . .

.  

知のように︑先月一

0

日のタイムズに︑首席裁判官及び他の二人の裁判官が審尋した事件の報告がなされている︒ んの興味を惹くかもしれない︒ 者が既に開始していた係属中の手続に拡張されない︒ ︳九五九年法

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後︑

一九五九年五月一四日に成立した改正法は︑

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1959 

として引用されるもので︑

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1925  の嫌がらせ訴訟禁止規定を

この立法によって意図されたのは︑嫌がらせ訴訟当事者による手続開始又は続行の許可を求める申請の拒否命令に

対する控訴を制限することと︑嫌がらせ訴訟当事者であることの宣言される前に係属していた訴訟の続行についても

改正法の提案理由については上院の第二読会において︑

現行の最高法院︵統合︶法五一条の

( 1 6 )  

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ということを知るのは︑皆さ ﹁この制定法規定は︑高等法院の固有の管轄権を︑現在係属中の訴訟の停止

ばかりでなく︑同じ当事者による新たな民事手続の提起の禁止も可能にするように︑不真面目な又は嫌がらせの

この立法には二つの欠陥又は欠点があることが分かった︒まず第一

に︑本条の下で命令がなされた後︑裁判官によって手続開始の許可が拒否された者が︑控訴法院への︑完全に望

みのない控訴等々をするのを妨げることができない︒第二に︑

右のような命令をすることが必要であると認定される人物の数が非常に少ない︑

一九三一年以来︑たった一三件の命令がなされたにすぎないようだ︒平均すると︑ 手続の停止に拡張している︒経験によると︑ 許可がいることの二点である︒ 改正するだけの立法であった(78

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39)

その後に嫌がらせ訴訟当事者であると宣言される

一 六

6‑4‑574 (香法'87)

(17)

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止法について(J:)(三谷)

考慮しなければならず︑

本条 の下 で︑

その者自身にとって何ら親切なことではない︑

一 七

本法案が目指している一︱つの改正点について述べると︑以下のようになろう︒問題の人物が既に開始した手続

に本条を適用する改正は︑望ましい︒なぜなら︑考慮しなければならないのは︑公判ばかりでなく︑中間手続も

そのような人物は︑法外な数の︑全く希望のない中間申請を案出する可能性がある︒も

ちろん︑第二の︑より大きな改正は︑︵彼が手続を提起するのに裁判官の許可を得ることを要求する最高法院法の

そのような命令がなされた後︶裁判官の決定を終局的なものにする︑という改正であり︑私の考え

皆さんが自由を不必要に抑制するのを最も好まないであろうことは知っているが︑私は︑結論として三つの事

実を思い出させるであろう︒第一に︑命令が求められる者は︑命令前には常に部法廷の面前で法廷弁護士によっ

て代理されるということ︒第二に︑命令がなされると︑その命令に対しては︑通常の控訴ができる等々︒第三に︑

裁判所での経験を経た皆さんが既に御存知のように︑私は︑数多くの望みのない手続を始めることを許すのは︑

と皆さんに断言することができる︒事実︑以前の首席裁判官であ

( 1 8 )  

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は︑本条の下における初期に報告された事件の︱つにおいて︑命令は︑当事者が悩ませる可

能性のある人の利益を保護するばかりでなく︑彼自身の時間と財産の浪費を抑えることにもなる︑と述べていた︒﹂

( 1 9 )  

この説明に対しては反対の意見も修正の動議もなく︑原案通り成立した︒すなわち︑

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1925  の竿R五一冬ご項〖(これは、本ん宋の下

で法務長官が︑高等法院においてであれ下位の裁判所においてであれ︑また︑同一の者に対してであれ異なる者

に対してであれ︑常習的に且つ執拗に︑ と説明している︒ では︑明らかに望ましい改正である︒

そして合理的根拠なしに︑誰かある者が嫌がらせ訴訟の法的手続を開始

6 ‑ 4 ‑575 (香法'87)

(18)

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the  Supreme  Court  of  Judicature  (Amendment)  Act,  1959

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ぼ)Hansard, Vol. CCXVI, House of Lords, cols. 70‑71. 

心)巡疸〔"'S!'‑(<:l〕Re Vernazza [1959] 2 All E.R. 200 Q誓辻や埒心゜

(乏)り菜竺,~完〔〜〕Re Jones (1902) 18 T.L.R. 476 Q誓窓や~l-0

ぼ)亜以竺芸ヒ〇帯こや母心゜

"1. (1)In subsection (1) of section fifty‑one of the Supreme Court of Judicature (Consolidation) Act, 1925 (which 

provides that if, on an application made by the Attorney General under that section, the High Court is satisfied that any 

person has habitually and persistently and without any reasonable ground instituted vexatious legal proceedings, whether 

(19)

in the High Court or in any inferior court. and whether against the same person or against different persons, the court may, 

after hearing that person or giving him an opportunity of being heard, order that no legal proceedings shall without the 

leave of the High Court or a judge thereof be instituted by him in any court) after the words "and that any legal proceedings 

instituted by him in any court before the making of the order shall not be continued by him without such leave." 

In subsection (1) of section thirty‑one of the said Act of 1925 (which provides that no appeal shall lie in certain (2) 

cases) at the end there shall be added the following paragraph. that is to say~

"(/) from an order refusing leave for the institution or continuance of legal proceedings by a person who is the subject 

2.  of an order for the time being in force under section fifty‑one of this Act." 

This Act may be cited as the Supreme Court of Judicature (Amendment) Act, 1959." 

111  皿は全忌

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さて︑数少ないが︑公表された事件を紹介することにしよう︒まず第一は︑

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で︑実に四八件の訴訟を提起した者に対するものである︒嫌がらせ訴訟禁止法を制定

するキッカケとなった事件であり︑

﹁四 八件 の訴 訟が

︑M r. Ch af fe rs によ って 提起 され た︒ それ らの 訴訟 の一 っと して Mr C .

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たし

どの審級においても︑彼に対して命じられた費用を支払わなかった︒これらの訴訟においては︑

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おそらく︑嫌がらせ訴訟禁止法の適用第一号であろう︒法務長官は︑

カンタベリー大主教︑大法官及び前大法官︑下院議長︑記録長官︑裁判官⁝⁝︑大英博物館理事︑大

蔵省事務弁護士︑警視総監並びに他の多くの公務員及び人々が被告とされた︒﹂

と主 張し

︑M r.

Chaffersが嫌がらせ訴訟禁止法にいう﹁常習的に且つ執拗に嫌がらせの法的手続を開始した﹂者であ

ることを強調した︒

それに対して︑Mr.

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は︑

まず︑法の遡及効を問題にして︑

﹁不服が述べられている四八件の訴訟のうち四七件は︑命令が求められている嫌がらせ訴訟禁止法が発効する前

に開始されており︑遡及効がある旨が明記されていない制定法は︑同法施行後になされた手続に適用できるにす

と主張し︑各訴訟が合理的な根拠がないかどうかに関して︑更に︑

﹁法務長官の申請が通るためには︑法務長官は︑提起された訴訟が同じ争点に基づいていること及びそれらが何

の役にも立たないことを証明しなければならない︒Mr.

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f   ersの訴訟は︑①議会に請願する権利を実現するた

めの試み︑②彼の占有下にある一定の法的書類をコピーして渡したコピーについての支払請求︑③裁判過程を覆 す共謀を証明する試み及び山大英博物館から排除されたことに対して救済を受けるために取る手段に関するもの

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6  4 ‑578 (香法'87)

(21)

イギリスにおける嫌がらせ訴訟禁止法について(・日(三谷)

の意味において嫌がらせである︑とは言うことができない︒﹂

一般的性格及 この主張は

に分類することができる︒それらの訴訟のどれも︑彼が提起した先行の訴訟における争点と一致して審理すべき 争点 はな く︑ と主

張し た︒

それらの全てに︑審理するべき資格を有している問題が含まれている︒したがって︑訴訟は︑同法

以上の主張に対して︑

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は︑法務長官の申請を認め︑同法の命令を発するに際し︑遡及効の点に関しては︑

﹁同法の前に提起された訴訟と同法の後に提起された訴訟との区別は︑同法によって認められておらず︑不服あ

る者の行為が同法前の行為である場合を含まないように同法の範囲を制限する理由は原則として存しない︒﹂

と判示して︑右論点の主張を排斥し︑訴訟間の関係に関する主張も排斥するべく︑

﹁訴訟の一般的な性格及び結果を検討しなければならず︑嫌がらせの性格を有する大量の訴訟がなされたことは

明らかである︒すなわち︑

明らかである︒

四八件の訴訟のうち四七件が敗訴し︑命じられた費用のどれも支払わなかったことは

そのことはそれらの訴訟が法律上嫌がらせである︑

と判示している︒更に︑最後に︑﹁本件が同法の範囲内にないとすれば︑ という推論を強化する︒﹂

いかなる事件も決して同法の範囲内に入りえ

ない︒﹂とまで述べている︒この︑嫌がらせ訴訟禁止法の下における命令に対して︑

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s は更に控訴したが︑

控訴は却下されている︒控訴審で︑

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が︑﹁同法は圧制的であり︑憲法にさえ反している︒同法は私自身をs

狙っており︑私は︑裁判所への自由なる接近を妨げられる唯一の人間である︒﹂と不満を表明しているが︑

全く相手にされていない︒

この事件において明確にされたのは︑嫌がらせ訴訟禁止法の下における命令をするには︑手続の数︑

び結果を検討し︑各手続だけを見れば手続に合理的な根拠があったとしても︑命令をすることができる︑ということ

6 ‑4 ‑579 (香法'87)

(22)

て︑主事が却下した︒﹂

次の事件︹2

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て明渡しの通知書を送達した︒彼は︑

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書の宣誓供述書から明らかにされたところによると︑

これ と

と述べて︑訴訟手続をとった︒彼が始めた そして︑組合は銀行に少ししかお金を預 と定められていたが︑彼は︑この規定を利用することを 476は︑訴訟としては五件だけにすぎないものであるが︑同じ

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という土地関係の組合の構成員が被告とされていた︒組合の秘

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1876の規定に従って登録され︑農業家︑園芸家及び酪

農家の事業を営み︑上地を売買する目的で組織された︒

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は組合の構成員であり︑s

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シリングの賃料で菜園の所有者になった︒彼が賃料を支払わなくなったので︑組合は︑彼に対し

その土地を明け渡すことを拒否したので︑委員会は︑彼に対して不動産回

復手続

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を始め︑占有命令を獲得した︒

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はその命令に従わず︑不動産回復令s

が獲得されて︑土地の占有がなされた︒組合は土地の区画を耕させようとしたが︑

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s はそこに入り込み︑故意に損害を与えた︒このため︑彼は出頭を命じられ︑七日間投獄を命じられた︒組合

規則には︑構成員間の紛争の解決は仲裁によって行う︑

拒否し︑彼には何もないから︑訴訟手続をとっても彼は何も失わない︑

けていないから︑組合にその金を消費させて︑組合を破産させよう︑

全ての訴訟において︑

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s は︑組合の委員を個別的に取り扱い︑訴訟を防御するのに九

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ポンドの費用を使わせ

た︒彼は全部で五つの訴訟を提起したが︑全てが停止され︑最後の一件は不真面目で且つ嫌がらせである︑

という事実関係が判明した︒右の文中における停止と却下は︑裁判所の固有の管轄権の行使によるものである︒ これは︑後述の

18 

一年 につ き︑ 一エ ーカ ー︑

の判例にも踏襲されている︒

6 ‑4 ‑580 (香法'87)

参照

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について最高裁として初めての判断を示した。事案の特殊性から射程範囲は狭い、と考えられる。三「運行」に関する学説・判例

問についてだが︑この間いに直接に答える前に確認しなけれ

見た目 無色とう明 あわが出ている 無色とう明 無色とう明 におい なし なし つんとしたにおい つんとしたにおい 蒸発後 白い固体

 その後、徐々に「均等範囲 (range of equivalents) 」という表現をクレーム解釈の 基準として使用する判例が現れるようになり

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

 

①配慮義務の内容として︑どの程度の措置をとる必要があるかについては︑粘り強い議論が行なわれた︒メンガー

い︑商人たる顧客の営業範囲に属する取引によるものについては︑それが利息の損失に限定されることになった︒商人たる顧客は