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イ ギ リ ス に お け る 苦 情 処 理 手 続

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(1)

覚 書

イ ギ リ ス に お け る 苦 情 処 理 手 続

ー福祉サービスの場合lli

橋 本 宏 子

は じ め に

近年︑我が国の地方自治体は自治事務として︑ホームヘルプサービスや入浴サービス等を実施してきているが︑そ

(1V

こ に は ︑ 検 討 さ れ な け れ ば な ら な い 多 く の 法 的 な 課 題 が あ る ︒ 在 宅 福 祉 サ ー ビ ス を め ぐ る 住 民 の 不 満 や 疑 問 は ︑ 行 政

処 分 に た い す る 不 服 申 立 て と こ れ に 対 す る 裁 決 を 中 心 と す る 行 政 救 済 で は ・ 解 決 の 難 し い も の が 少 な く な 哩 こ と も そ

の ひ と つ で あ る ︒ 具 体 的 な 情 報 の 周 知 や 二 i ズ ア セ ス メ ン ト ︑ 計 画 の 策 定 と 結 び つ い た も っ と 幅 広 い 苦 情 申 立 て 手 続

の 確 立 が 必 要 と 考 え ら れ る ︒

こうした問題状況は︑諸外国においても基本的にかわりはない︒イギリスでは︑地方当局( [OO山一勲賃梓げO吋一侍圃Φω)が︑

保健局θ8ヴoh国$}琶のガイドラインに基づき︑﹁コミュニティでのケアに関する﹂苦情処理手続(︑︑即①鷲Φω①無p︒樽一〇島

07鋤巳O︒ヨ且巴葺ω℃﹁ooΦα信噌Φω..)を策定中であり︑一九九二年五月末現在︑すでに多くの地方自治体が︑苦情処理手続を3制定している︒この手続の導入は︑直接には︑二つの法律(3ΦZ踏Qり陣O︒ヨヨ§曙O碧Φ︾︒二8ρ9①9醐一砕①コ﹀︒陣

(2)

お︒︒¢)の要請に基づくものであるが︑その背景には︑一九六〇年代末から七〇年代にかけてのイギリスにおける住民参

溜 加 の 論 謙 一 九 八 〇 年 代 に お け る そ の 発 展 形 能 心 と し て の 地 方 自 治 体 に お け る 分 権 化 の 試 み が ︑ 直 接 ・ 間 接 の 影 響 を 与

(6)

え て い る と 考 え ら れ る ︒

本 稿 で は ︑ こ う し た 大 き な 流 れ の 中 で 形 成 さ れ つ つ あ る イ ギ リ ス に お け る 苦 情 処 理 手 続 の 制 定 過 程 と そ の 性 格 を 概

観し︑今後の研究の素材としたいと考える︒

二 苦 情 処 理 手 続 が 必 要 と さ れ る 理 由

神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 (308}

イギリスにおいて︑なぜ︑苦情処理手続が注目されてきたのかをひとことで述べることは難しい︒具体的には︑制

定に至る過程での様々の議論の中にその糸口を求めていくよりないが︑SSI(Q∩︒︒圃巴Qっ①﹁く8Φω冒ωoΦ︒8鑓辞ρ∪8け︒州ρ8︺す)=窪}9)は︑一九九一年七月に発行したドキュメント冊↓げΦ差αq耳800ヨ℃一鋤ぎ﹂の中で︑次のようにのべている︒

﹁社会福祉諸機関とかかわりをもつ多くの人々にとって︑自分の心配ごとや︑関心をもっていることを︑他の人々

に表明することは難しい︒だから︑苦情処理手続(8ヨ℃芭三員︒8費﹃Φ︒︒)が導入され︑人々が自分の思っていること

を適切な担当者にきいてもらい︑そして重要に取り扱ってもらい︑そして迅速に公正に対応してもらえるという環境

を作り上げることが大切なのである︒社会において弱者である人々(そこには︑障害者.高齢者そして彼らを介護する人々︑

児童とその家族が含まれる)は︑多くの場合︑社会福祉局(Q︒︒9巴ωo﹃<凶6Φ︒︒∪8叶Q︒ω∪)の援助を失うことになるかもし

れない︑危険をおかす余裕はない︒援助について苦情でもいおうものなら︑きっと脅されることになるであろうと感

じている︒多くのクライエントは︑しばしばその決定が何に依拠してなされたか︑に気がついていない︒また他の者

は︑福祉サービスをしかたなしに受けていたり︑受動的な利用者であったりする︒﹂(ドキュメントはさらにOo一8団ゆq三"

(3)

(309) イ ギ リス に お け る苦 情 処 理 手 続

騨︒口8(以下︑ポリシーガイダンスという︒なお注8参照)のパラグラフ①・①を引用し)﹁苦情処理手続は︑それが利用者のニ

ーズと権利に対する認識に基づくものである時には︑サービスの質を確保し︑個人を保護するものとなりうる﹂と指

摘し︑﹁この力つよいメッセージは︑苦情処理手続を効果あるものとするための本質的な原理の碓立を求めている﹂と

する︒また﹁問題が︑苦情になる前に解決される必要性﹂にふれ︑﹁この目的を達成するために︑当局は︑利用者とサ

ービスの供給者の間にある力の不均衡を認め︑こうした実態を適切に変更することによって︑事態に対する明確な態

度を表明することが必要である︒苦情をシステマティックに操作することによって得られる︑他の積極的な効果は︑

個人に対するサービスの質を見守り︑そのサービスの質を改良していく有効な方法が得られることである﹂としてい

る︒

三 な に が 苦 情 (8 ヨ で 蛋 コ 仲 ) な の か

﹁なにが苦情なのか﹂について︑ドキュメントは︑具体的な定義を示していない︒

(10)(11)(夢①Z山口8巴Oo器ロ日Φ﹁O︒琶巳)とNISW(匪Φ窯讐剛8餌=器簿9①8噌ω︒︒圃撃︒一芝o﹁貯)

(12)(13)ップでは︑この点について最終的には︑次のような定義がなされている︒ これに対し︑一九八七年NCC

によって開催されたワークショ

※苦情は︑地方当局とそのサービス及びそのスタッフに対し︑市民によってなされる︒

※苦情は︑クライエントの助言者(巴く︒︒讐︒︒)を自認するスタッフからも提起されうる︒

ω※問題は︑解決され︑不一致は解消されることが必要である︒しかしもし(特に当該ケースを処理する方法がうまくなく3て)︑そのいずれもが不可能であるならば︑苦情を申立てる理由がある︒

(4)

※意見具申(ひq門一Φ<曽コOΦω)は︑同僚や当局内の管理者(ヨ磐餌ゆqΦヨ︒暮)に対し︑スタッフから提起されるものである︒

脚慈戒手続(ユぎ量言噌.8費Φω)は・スタッフに対し・管理者によって提起されるものである.

神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 (310)

(14)このように︑分類した上でワークショップに基づくガイドラインは︑苦情を訴えることは︑﹁(クライエントが)明確

さを求めること・第二のあるいは新しい意見を獲得すること・コメントをすること・勧告(諾8ヨヨ①巳豊oコω)をする

こと・意見表明(﹁Φ口﹁①ωΦゴ冷山什一〇コ)をすることであり︑あるいはまた︑より多くの情報を(当局に)与えること.再審査

を求めること・懸念を表明すること・決定(αΦ6陣o自圃Oコ)についてたつねること・政策について質問することであり︑執

行の一時停止を求めることである﹂と指摘する︒そして︑これらは︑﹁必ずしも︑苦情の対象となっている事項を否定

しているわけではない﹂ことをあげて︑この種の苦情のいつれもが︑自身に対するコントロールと自主管理(ωΦ〒亀﹁Φ︒・

辞凶︒巳を行使しようとするクライエントからの適切な反応として対処されるべきものであるとのべている︒

さらに︑ガイドラインは︑﹁苦情はまた︑反対・拒否・訴えであり︑また是正を求めること・不平言8巳ロひq).非難

を述べることであり過失を認定すること︑そして︑異った見解の承認を求めることでもある﹂と指摘する︒そして︑

﹁こうした意味での苦情は︑(前述のような苦情に比べて)気分のよいものではないが︑しかし︑専門職である多くのスタ

(15)ッフにとって︑この種の苦情が正当なものであることに異論はないはずである﹂と述べている︒そして最後に︑﹁苦情

は︑怒りの表明︑悲嘆(鴨圃Φ暁)の表明の手段でもありうること﹂を指摘した上で︑﹁苦情が︑ソーシャルワーカーに対

して︑あるいはその仕事に対してむけられている場合には︑ソーシャルワーカーは︑クライエントが感じている怒り

(16)

や 憤 激 を よ り 具 体 的 な も の と し て 理 解 す る こ と が 必 要 で あ る ﹂ と 指 摘 し て い る ︒

(5)

(311 イ ギ リスに お け る苦 情 処 理 手続

311

四 苦 情 処 理 手 続 制 定 に 至 る 流 れ

二でふれたように︑一九九一年のドキュメントは︑利用者とサービス供給者の力の不均衡をみとめ苦情処理手続が︑

﹁利用者の二ーズと権利に対する認識﹂から出発するものであることを指摘している︒そしてこうした事態に迅速に︑

(特に苦情になる前に)対処していくことが︑利用者の疎外感をやわらげることになると共に︑政策担当者はそこから︑

(17)﹁サービスの質を改良していく有効な方法﹂を見出すことができるようになる︑とみている︒

こうした﹁消費者(60コの儒ゴPΦ憎)の声を聞くこと﹂についての社会福祉局とソーシャルワーク機関の関心は︑決して最

近のものではない︒

(18)別表に示されるように︑一九六九年シーボーム報告は︑すでに﹁対人社会サービス委貝会(勺臼ω8巴Q︒o息巴Qっ臼≦︒①ω

Oo琶亀)の中に︑社会福祉の消費者の見解を提示することに特別の責任をもつチームを含めるべきこと﹂を提案して

いる︒

現在は廃止されている対人社会サービス委員会も︑一九七六年のディスカッションペーパーにおいて﹁苦情を申し

たてることに対する権利﹂﹁意見具申に対する救済(掃紆Φω︒︒)の権利﹂が︑公共部門においても認められるべきことを

19)提案していた︒そして︑﹁商業ベースのサービスと同様︑公的なサービスについても消費者は︑自ら選択し︑正しい情

報を収集しうることが求められてきていること﹂を指摘し︑﹁サービスを評価する権利が︑対人社会サービスにおいて

(30)も具体化される方策﹂を提案していた︒

一九八〇年︑BASW(昏Φ¢σ﹁三ωげ﹀器︒︒韓圃︒コ︒hω︒息巴芝︒蒔臼ω)は︑﹁地方当局内の全体としての傾向は︑訴え

(昌℃①巴ω)や苦情を処理する︑より正式なプロセスの制定に向かって︑歩み始めているようにみえる︒なぜソーシャル

(6)

{312) 神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 3T2

別表

19s9 1976 1978 1980

1982 1984 1985

1986

1987 1987

1988 1988 1988 1988

1989 1989 1989 1990 1990

1991 199

1992 1992

シ ー ボ ー ム 報 告

Personalsocialservicescouncil(discussionpaper}

complaintprocedures;ACodeofPractice

ClientsareFellowCitizeninX980(TheBritishAssociationof SocialWorkers)

バ ー ク レ ー 報 告

theShortReportonChildreninCare

ASurveyofComplaintsProcedure(TheNationalConsumer Council)

theDisabledPersons(Services,RepresentationandConsultation}

Act1986

NCC/NISWワ ー ク シ ョ ッ プ 開 催 シ ェ フ ィ ー ル ド大 学 の 調 査 研 究 報 告

"地 方 政 府 に お け る 苦 情 処 理 手 続 に 関 す る 報 告 書"→ 社 会 福 祉 局 の 苦 情 処 理 手 続 は 、 は な は だ し く 不 適 切 で あ る と 指 摘

ワ ー グ ナ ー 報 告 グ リ フ ス 報 告

NCC"ガ イ ド ラ イ ン"を 発 表

会 議 報 告 書"WhoseSocialServices?"発 表(theAssociationofMet‑

ropolitanAuthoritiesetal.)

BASWComplaintsProceduresinSocialWorkを 発 表 白 書"CaringforPeople"

theChildrenActof1989

theNHSandCommunityCareAct1990

11月 ポ リ シ ー ガ イ ダ ン ス"CornmunityCareintheNextDecade andBeyond"

5月NALGO意 見 提 出

7月Dept.ofHealthSocialServicesInspectorate"TheRightto

Complain"(1990年 の ポ リ シ ー ガ イ ダ ン ス の 第6章 に 関 連 し,そ れ を 補 充 す る も の)

GuidanceonGoodPractice(theLocalGovernmentombudsman}

croydonな ど の 自 治 体 で,苦 情 処 理 手 続 が 作 ら れ 始 め る 。

(7)

(313) イ ギ リス に お け る苦 情処 理 手 続

313

ワ ← あ 決 定 だ け が ︑ こ う し 茎 体 的 な 動 向 か ら は つ さ れ て い る の か を 説 得 づ け る 論 理 的 な 理 由 は 亀 L と の べ ・

苦情処理手続の制定は﹁ソーシャルワーク理論における重要な課題である︒つまり︑ソーシャルワ!クはクライエン

トに何が供給され︑何が供給されていないかにまでクライエントの権利を︑拡張しようとする試みに向かって︑先駆

(22)的なとりくみを始めなければならない﹂と指摘している︒

このテーマは︑一九八二年℃卑Φ﹃ζ.cd糞︒円置蜜を長とする﹁ソーシャルワーカーの仕事と役割に関する調査報告﹂(バ(23)ークレi報告)においてもとりあげられた︒報告は﹁ソーシャルワーカーは︑クライエントが︑他の専門職や機関に対

するクライエントの権利を充分に行使できるよう援助することに対しては︑非常に活動的であるが︑翻って同じよう

な配慮がソーシャルワーカ!自身に対してもなされるべきこと︑そして︑現在ではその配慮がたとえ前むきなもので

あったとしても︑手続的には︑必ずしも明確なものではない︑ということを認めることになると︑しばしば︑躊躇し

がちである﹂と指摘している︒

これより先地方自治体の代表団体である︑男Φ鷲霧Φ導g・自<Φじごo身(樽げΦび︒身器寓Φω曾け貯ゆq窪Φ一︒$一窪窪︒ユ巳は︑一

九七八年苦情と質問に関する規則﹁>OoαΦoh℃鑓o賦oΦ8噌ピoo巴Oo︿Φ3ヨΦ導ゆ民≦‑碧霞﹀黒げo﹃蕊Φω暁o﹃鳥$一ヨαq(24>≦凶90信Φ﹁凶Φωp︒&Ooヨ豆鋤凶夏ω﹂をだしている︒当時多くの地方当局の要請は︑このoo畠Φに受けつがれていたといわ

れている︒

しかし︑こうした喚起にもかかわらず︑苦情処理手続についてのめざましい進展は現実には何もなかったといわれ

ている︒

(25)一九八五年NCCが行った調査は︑﹁イギリスにおける︑多くの社会福祉当局は︑対人社会サービスのすべての領域

をカバーする正式な手続をもっていない︒実に多くの地方当局が正式なあるいは書式による手続をもっていない︒そ

(8)

神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 314

(314)

の他の地方当局は︑特定のグループのクライアントに対してのみ適用される手続をもっている︒ほんとうに少数の地

方当局だけが︑異った領域ごとに分離された手続を有するが︑全体をカバーする手続をもつところはない︒多くの地

方当局においては︑たとえ手続があってもクライエントは︑それを知らないばかりか︑スタッフの多くもまた同様の

状態にある︒﹂ことを指摘していた︒

(26)

よ り 最 近 で は ︑ シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 の ﹁ 地 方 自 治 体 に お け る 苦 情 処 理 手 続 に 関 す る 報 告 書 ﹂ が ﹁ 社 会 福 祉 部 局 に お

け る 苦 情 処 理 手 続 は ︑ は な は だ し く 不 適 切 で あ る ﹂ と 結 論 し ︑ ﹁ ほ と ん ど の 当 局 が 当 局 内 を 全 体 と し て カ バ ー す る 手 続

を も た ず ︑ な か に は そ の 事 実 を 住 民 に 知 ら せ て す ら い な い ﹂ と 指 摘 し て い る こ と が 注 目 さ れ る ︒ 報 告 書 の 全 体 と し て

の 論 調 は ︑ お だ や か な も の で あ り ﹁ 広 範 囲 に わ た る 住 民 の 不 満 が 存 在 す る ﹂ こ と に つ い て は と り た て て 提 示 し て い な

い ︒ ま た 対 人 社 会 サ ー ビ ス に 関 す る 苦 情 に つ い て の 地 方 当 局 の 処 理 を 他 の 組 織 に お け る 苦 情 処 理 と 好 意 的 に 比 較 し て

は い る が ︑ そ れ で も 報 告 書 は ﹁ 対 人 社 会 サ ー ビ ス に 関 す る 苦 情 の 経 験 を も つ 人 々 の 欲 求 不 満 が ︑ 未 解 決 の ま ま 残 っ て

い る ﹂ こ と に つ い て は 指 摘 せ ざ る を え な か っ た の で あ る ︒

五 一 九 八 七 年 の ワ ー ク シ ョ ッ プ と ガ イ ド ラ イ ン の 制 定

一 九 八 七 年 の 上 半 期 に ︑ N C C と N I S W は ︑ 社 会 福 祉 局 の ク ラ イ エ ン ト の た め に ︑ 効 果 的 な 苦 情 処 理 手 続 を 実 施

(27)

する上でのガイドラインをつくることをめざす︑一連のワークショップを開催した(四参照)︒ワークショップを実施

した時点では︑苦情処理手続についての社会的な関心は低かったといわれている︒しかし︑ガイドラインが発表され

ρ28)た一九八八年には事情はかわったと指摘されている︒(29)

その理由として一九八七年には︑シェフィールド大学の報告書がだされ︑一九八八年には︑グリフィス報告.ワi

(9)

(315) イ ギ リスに お け る苦 情 処 理 手 続

315

(30)(31)グナー報告がだされていることも︑影響しているものと思われる︒このワークショップは︑一九八五年のNCCの調

(32)

査 が 先 導 と な っ て 始 め ら れ た も の で あ る ︒ ワ ー ク シ ョ ッ プ で は ︑ 苦 情 処 理 手 続 に つ い て 様 々 な 角 度 か ら 検 討 が な さ れ

(33)ており興味深い︒またここでの議論は︑先にふれた保健局の"ポリシーガイダンス"やSSIの︑.空ぴq窪800ヨ鼠繊口Φ..

にも大きな影響を与えたものと考えられる︒そこでここでは︑一九八八年に発表されたガイドラインに基づき︑ワー

クショップでの議論について︑一応のまとめをしておきたい︒(ガイドランについての指摘は断りなきかぎり(o℃Φロ8

00ヨO蛋簿ω讐箴①謡ロΦωho﹁ω8圃巴ω①﹁<曲8︒︒8ヨb一凶ぎ叶ω蔑8巴霞Φω嚇Z舞δ口巴60コ盟ヨ①﹁Ooロg芦Z鋤梓δp巴ぎω甑ε$ho﹁ωo∩帥巴

をo蒔)による︒ガイドラインでの指摘から︑明確にワークショップでの議論とわかるものは︑﹁ワークショップでは﹂

とし︑その他は﹁ガイドラインでは﹂と表現した︒なおポリシーガイダンス第六章については︑最近翻訳がだされた︒

長寿社会開発センター﹁イギリス社会サービス改革の現状﹂五三〜七三頁参照)

8 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 目 的

ワ ー ク シ ョ ッ プ の 目 的 は ︑

1 社 会 福 祉 局 に お け る 既 存 の 苦 情 処 理 手 続 を 検 討 す る こ と

2 社 会 福 祉 局 以 外 の 分 野 で 行 わ れ て い る ︑ 苦 情 処 理 の 原 理 と 実 践 に つ い て の 情 報 を 集 め る こ と

(34)

3 参 加 者 が お 互 い に ︑ 苦 情 処 理 手 続 に 関 す る 問 題 解 決 に つ い て 議 論 す る 機 会 を 与 え る こ と

(35>

4 参 加 者 が ︑ 彼 ら の 組 織 内 で 効 果 的 な 苦 情 処 理 手 続 を 設 立 し ︑ 維 持 で き る た め の 戦 略 を 展 開 す る こ と

で あ っ た ︒

つ ま り ワ ー ク シ ョ ッ プ の 目 的 を ひ と こ と で の べ れ ば す で に 独 自 に 手 続 を 展 開 し て い る 地 方 当 局 を 助 け る ガ イ ド ラ イ

(10)

ンをつくることであった︒しかし︑ワ!クショップを通じて︑単一のモデルとしての手続を作りだそうとしていたわ

% け で は な く 各 局 が そ の 地 方 地 方 の 状 況 に 応 じ て ・ 採 用 し て き た 提 案 を ワ ー ク シ ョ ッ プ に お い 二 般 化 す る こ と が そ

の目的であった︒

神 奈 川法 学 第28巻 第1号

⇔ 苦 情 処 理 手 続 の 位 置 づ け

ガ イ ド ラ イ ン で は ︑ ﹁ 今 日 ︑ 商 品 や サ ー ビ ス の 消 費 者 の 立 場 と 同 様 に ︑ 人 々 が 受 け て い る 公 的 な サ ー ビ ス に つ い て 苦

(36)(37)情をいう社会福祉のクライエントの権利を否定するものはほとんどない︒しかしながら︑この権利は︑人々がその苦

(38)情を効果的に申したてることができないなら︑保障されていないも同然になる﹂ことが確認され︑さらに﹁苦情処理

(39)手続が︑適切な処置(ひqo&O鑓︹ぼoΦ)の一環としてとらえられ︑サービスの評価と実施過程におけるクライエントの

(40)参加が︑サービスを評価する方法として承認されているのでなければ︑苦情処理手続は︑効果をもちえない﹂ことが

(41)指摘され︑このことが︑﹁ワークショップにおける恒常的な主題であったこと﹂が全体をつうじて強調されている︒

㊨苦情が少ない理由

ガイドラインは︑バークレェイ報告が︑﹁サービス受給者のおよそ三分の二が受けとったサービスに満足している︒

約二〇%が思ったような援助が受けられないと感じ︑一〇%が不満足を感じている﹂と指摘していたことをあげ︑苦

情が少ない理由を︑地方オンブズマンの指摘に依拠しつつ次のようにまとめている︒

珊※情報がないので︑苦情についての論点を明確にすることができない︒6※大さわぎをしたくない︒

(11)

(317) イ ギ リス に お け る苦 情 処理 手続

※仕返しがこわい︒

※どうやって苦情申立てをしてよいかわからない︒

※苦情の表現方法がわからない(地方オンブズマンへの苦情は︑文書でなければならない︒筆者注)︒

※電話をするのが︑面倒である︒

※相談機関から遠いという地理的な問題︒

※カウンセラーが近くにいない︒

※最初の試みが実りのないものであったとすれば︑それに固執したくない︒

こうしたことからガイドラインでは︑クライエントが苦情をいいやすくするためにはクライエントが(若かったり︑

障害があったりしても)︑彼らの将来についての決定に参加しうるような雰囲気を育成することがもっとも重要である

と考えられている︒﹁クライエントが当局(国家)にとってサービスの実施状況を知る上での重要な資源であるという

考え方︑クライエントは︑行政の決定とコミュニティ自体に今以上にかかわりうるという考え方は︑苦情処理が当局

にとっても重要なフィールドバックの手段であることを示している︒そうであるとすれば︑情報公開がその前提とし

(42)て保障されなければならないことになる︒社会福祉局に期待されうることについて︑情報も与えられず︑保持されて

いる記録も与えられないとしたら︑クライエントは︑どのようにして苦情を述べることができるだろうかという疑問

が生じてくることになる﹂とガイドラインは述べている︒

317

四クライエントの参加への要請と苦情を申したてる権利

ガイドラインは﹁苦情を申したてること︑特別の場合には賠償(話紆Φω︒︒)を要求することは︑クライエントの権利と

(12)

神 奈 川 法学 第28巻 第1号 318 (318)

し て サ ー ビ ス に 関 す る 政 策 の 策 定 過 程 や ︑ 決 定 過 程 へ の ク ラ イ エ ン ト の 参 加 を 求 め る 大 き な 流 れ の 一 部 と し て ゆ っ く

(43)(44)りではあるが︑確実に承認されてきている﹂とみている︒ガイドラインは︑﹁クライエントの参加は︑地方分権の理念︑

地方のそしてコミュニティのソーシャルワークにサービスの実施を委ねる考え方︑そしてしばしば"消費者の声を

(45)聞く"という保護的な用語を受けた公的責任(崔窪6帥80§欝σ凶}同蔓)の理念に︑結びつけて理解されてきた︒そして

様々なところで︑クライエントの参加に対する様々な試みがなされてきている﹂とも指摘している︒具体的には﹁社

会福祉の分野では︑いくつかの団体(9①O①昌﹁巴O︒§∩凶一h︒H讐Φ国含雷まづ餌巳目﹁巴ロ一コσq︒hQ︒oq巴芝o蒔2ω一誓ΦbU﹁三ωげ

﹀ωωoo冨鉱oコohωoo一巴♂︿o﹁評①﹁ρ穿Φωoo一巴O鴛①﹀ωω06凶9︒菖oP芸Φωoo一巴Qり①﹃≦o①ωぎωo㊦o鉦吋碧Φ等)が︑ジェネラルソーシ

(46)ヤルワークあるいは︑社会サービス委員会(ωo︒巨︒︒Φ﹁≦8ω8琶∩幽一)の理念を再び提起させてきている︒SSIのdω冒σq

(47)Qっoo一巴ωΦ﹁≦oΦ喚のプロジェクトは︑苦情や賠償の問題を︑情報とアクセス︑参加と選択の問題と結びつけて論じてい

る︒また様々な圧力団体(Z国侍δコ巴﹀︒・ω︒︹冨凱oロ︒{︿o§αq勺Φ8一Φ冒O碧P勺胃①巨︒︒﹀ぴq巴コ斡圃口旨ωけ言ρ昏ΦZ凶砿︒コ巴

﹀ωωoo一碧圃80h磯8昌ひq℃8見Φ一ロO碧ρ勺貴9房﹀σq蝉ぎωニコ冒ω肱6ρ9Φ﹁算︒慧7零αqげ房O﹃oε蓉冨望ω餌ぼ一一q>oけδ口08唇思9Φ

Zg︒試8巴60琶o一一ho﹃︿o冨葺釦昌O﹃ひq山艮ω㊤ぼ8ω一夢ΦZ帥口8巴﹀ωωoo冨口oコ{o﹁冨Φ艮p︒一山Φ巴匪(H≦一ZU)"3ΦZ讐凶8巴

48)(49)(50)〇三﹁亀①口︑︒︒ゆ霞Φ雲)の活動は︑﹃"消費者の声"は聞かれる必要があるという世論のたかまり﹄をもたらした︒一九八六

(51)年の障害者法と新しい児童法に基づく法的要請もこうした動向に新しい動きを加えることとなろう﹂と指摘している︒

さらに一般的な意味で︑クライエントの参加を求める傾向は福祉国家における福祉サービスのあり方が︑政治的.経

済的・社会的状況の変化と共に︑変わってきていることとも関係しているとする︒例えば︑近年ではサービスの民間

(52)(53)依託化や福祉多元主義(ぐ﹃①一h餌﹃Φ勺一口﹁騨一一ωヨ)の影響が著しいことがあげられているが︑こうした状況のもとでは公共機

関︑ボランタリi組織︑民間機関いつれによってであれ︑そこから供給されるサービスの利用者が︑彼らの受けてい

(13)

(319) イ ギ リス にお け る苦 情 処 理 手続

(54)(55)(56)

る サ ー ビ ス に 対 し て ︑ 平 等 に 不 満 を 表 明 で き る よ う に す る こ と が 求 め ら れ る こ と に な る ︒

ガ イ ド ラ イ ン は 以 上 の よ う に 指 摘 し た 上 で 最 後 に ︑ ﹁ シ ー ボ ー ム 報 告 に お い て 指 摘 さ れ た 民 間 機 関 か ら 公 的 機 関 へ と

広 が っ て き て い る 消 費 者 主 義 か ら の 影 響 も 無 視 で き な い ﹂ と し て 以 下 の よ う に 述 べ て い る ︒ ﹁ 消 費 者 意 識 の 増 大 に と も

な う ク ラ イ エ ン ト の 期 待 の 変 化 ・ 公 的 責 任 へ の 関 心 は ︑ あ ら ゆ る 分 野 で の 苦 情 処 理 手 続 の 展 開 を 要 求 す る よ う に な っ

て き て い る ︒ N C C は ︑ 政 府 か ら 委 嘱 さ れ て い る 仕 事 の 一 部 と し て 公 的 ・ 私 的 に 供 給 さ れ る サ ー ビ ス や 品 物 に 関 す る

利 用 者 の 利 益 (漠 然 と し た 利 益 あ る い は 不 利 益 を 含 む ) を 保 護 す る た め に ︑ 苦 情 処 理 手 続 を 設 け る こ と を 要 請 し て い る ︒

社 会 福 祉 局 が 供 給 す る サ ー ビ ス に 対 す る ア ク セ ス ︑ 選 択 ︑ 情 報 ︑ 供 給 ︑ 救 済 手 続 に 関 し て も N C C は ︑ 他 の サ ー ビ ス

と 同 じ 基 準 を 適 用 し て い る ︒

し か し 実 際 の と こ ろ ︑ 社 会 福 祉 局 の ク ラ イ エ ン ト の 場 合 に は ︑ 民 間 の サ ー ビ ス の 利 用 者 (消 費 者 ) と 異 な り ︑ 自 分 達

(57)の要望のもっていきどころがないことがある︒こうした消費者の権利の欠如は︑財源が不足している時︑クライエン

(58)トが貧困である時より明確である︒﹂と︒

㈲消費者の権利を保障するためには︑どうしたらよいか

この問題にこたえるために︑ガイドラインは︑閑①韓Oo§蔓Oo§o鵠の..訳Φ導op︒噌o."キャンペーンを例に︑利用者

に迅速に対応する試みを指摘し︑こうした試みは︑﹁地方自治体における公的サービスを方向づけるために︑地方自治

体研修部(9Φピ06巴Oo<ΦヨヨΦ箕↓鑓画乱畠じdo鋤a)によって力讐促進された指示のひとつであ遍﹂と述べている・

19ガイドラインは︑提供されるサービスが︑すでにニュースレター・ポスターキャンペーン・広告によって住民に知ら3されている自治体では︑さらにすすんで利用者が"地方や近隣のオフィスに近づきやすいようにする"(ひqoぎσqδ︒巴碧ユ

(14)

神 奈 川法 学 第28巻 第 ユ号 320

滞㎡喜︒棊ぎ&︒墜8)アプローチがとられていることも指摘している︒そして﹁こうした戦略は︑社会福祉局の仕事

60)(61)についての肯定的な見方と︑より大きな住民の理解を得るために重要である︒住民の認識が高められることは︑ソー

シャルワークに必要な財源を得るための戦いに対する︑住民の支援を可能とする︒︑.o¢口Φ碧げ8帥日︒︒︑.(コミュニティワ

:クの技術をもつ人々が︑住民に身近なところまで出向き︑援助の手をさしのべること︒筆者注)の利用は︑これらの戦略の

(62)重要な要素となろう︒紙の上の政策を実践におきかえられるようスタッフや議員を教育していくことは︑それ以上に

重要な要素である﹂とのべている︒

ガイドラインはまた︑叫いくつかの地方自治体では︑管理システムを再検討し︑スタッフに対する研修を充実させる

ことによって︑クライエントと職貝の間の対話が促進され︑その結果クライエントの要求が︑従来以上にくみ上げら

れてきている﹂ことをあげ﹁こうした動向は︑もちろん最終的には立法によって促進されることではあるが︑その背

景として実践に対する住民の期待が大きく変わってきていることがあげられる﹂と指摘している︒そして﹁こうした

住民側の変化を背景に︑地方自治体は︑職業的な行為や自分のケースについて︑ソーシャルワーカーと共に論つるク

(63)ライエントの能力を評価しはじめている︒こうした展開は︑公的責任を重視し︑公的サービスを至向する方向が︑強

(64)化されてきていることのひとつの現れとみることができる﹂とのべている︒

㈹苦情処理手続とコミュニティ・ソーシャルワーク

(65)ガイドラインは︑﹁現在︑コミュニティ・ソーシャルワークは︑社会福祉局のサービスの供給を組織化する重要な方

鋤法となっている﹂と指摘している︒サービスが︑コミュニティと消費者にとって︑より身近なものになるにつれて︑6利用者と供給者の関係も︑変化してくる︒そして﹁ボランティア・介護者・ボランティア団体の異った関係が形成さ

(15)

{321}

イ ギ リスに お け る苦 情 処 理 手 続

(66)れてきている︒コミュニティについての専門知識と認識が︑社会福祉局の機能のいくつかを計画し︑発展させ実行す

るために用いられてきている︒なかには住民とのコミュニケーションの可能性が︑ほとんど期待できない段階で門戸

だけが開かれていることもまれではないが︑他面︑苦情だけでなく︑建設的な批判や補足意見さえ︑受けつけられる

より多くの機会がもたらされるようになってきていることも事実である﹂と指摘している︒そして︑その一例として︑

穣 々 な グ 孕 プ が ︑ 英 国 国 教 会 の 報 勘 の 影 響 の も と に ・ 多 様 な ソ ! シ ャ ル 7 ク 機 関 に お い て ・ 荒 と ﹃ 蕩 な 処 饗

(69)を拡げてきている﹂ことを︑あげている︒このアプローチは︑政策策定過程(OO駅6団﹃=黛ゆ咋一口ぴq)におけるクライエント

の参加の必要性と表裏一体をなすものとして考えられている︒クライエントは︑問題の根源であるだけでなく︑政治

上 の 資 源 と し て 考 え ら れ る さ つ に な っ て き て い る わ け で 齢 ・

さ ら に ガ イ ド ラ イ ン は ︑ 幕 ︒・ 謹 餌 § 率 9 ① ピ Φ Φ 尋 ω 言 葺 Φ 翫 な ら び に ζ Φ ︒︒ ① < 葺 ︒ 襲 に つ い て

の調査報告︑そして︑世間を騒がせた児童虐待のケースが︑すべて適切な手続の重要性を強調していたこと﹂をあげ︑

﹁これらが︑苦情処理手続の発展に果した役割も無視できない﹂としている︒特に︑﹁一九七四年のマリア.コウェル

事件の調査は︑﹃適切な処置﹄を伴った苦情処理手続の重要性を高めることになった︒もし︑そこに手続があり︑クラ

イエントや親せき︑児童問題の担当者(甘乱自︒︒︒巳巴ωΦ﹁≦8ωω鼠3の意見を求めることができ︑その結果不服の解決

や︑意見具申を促進させうる︑処理しやすい組織が確立されていたら︑このような事件は解決されていたかもしれな

い﹂とのべている︒このように︑ガイドラインでは︑マリアーコウェル事件は︑当事者の苦情が︑所与の手続に従っ

て︑調査されなかった一例と考えられている︒

321

(16)

神 奈 川法 学 第28巻 第1号 322

(322}

㈲ 効 果 的 な 手 続 を 設 立 す る た め に は ︑ 何 が 必 要 か ? .

効 果 的 な 手 続 を 設 立 す る た め に 必 要 と さ れ る 変 更 の 範 囲 ︑ 検 討 を 要 す る 政 策 の 領 域 に つ い て ガ イ ド ラ イ ン は 次 の よ

(74)うに述べている︒

①手続の変更

多くの地方当局は︑一九七八年のoo山Φoh嘗鋤o叶一8を踏襲することを関係機関に要請してきているが︑部局レベル

(75)のあるいは︑自治体全体を包括する手続は︑ほとんど設立されていない︒また︑シェフィールド大学の報告は︑﹁自治

体が手続を制定している場合で︑行政上の行為(巴該三ωq讐くΦo錘9一8ω)あるいは監視システム(ヨ︒鵠ぎ噌一鵠︒q.蜜ω什Φヨω)

の 最 先 端 に ︑ 苦 情 処 理 手 続 を 位 置 づ け て い る と こ ろ は な い ﹂ と 指 摘 し て い る . し か し な が ら も ﹂ 苦 情 に つ 蜜 ︑ 住

民 が 充 分 に 溜 飲 を さ げ る こ と が で き る 構 造 的 な ︑ 制 度 化 さ れ た 制 度 が 保 障 さ れ な け れ ば ︑ 非 妥 協 的 に み え る 苦 情 に 対

し て ︑ 協 力 的 な 対 応 を 期 待 す る こ と は 難 し い と み な け れ ば な ら な い で あ ろ う ︒

一 九 七 八 年 の ︒ § ︒ な § を は ・ ﹁ 苦 情 を い か に 処 理 し た い か ︑ あ る い は ︑ そ も そ も ︑ 正 式 な 手 続 が 必 要 か ど う か

の決定は︑各地方自治体にある﹂としていた︒ここ一〇年の間に︑こうしたoo匹ΦohO轟oけ8Φの指摘は︑充分ではな

く︑新しいooαΦoh黛碧酢甘Φをつくること︑それも必要であれば︑法律で制定すべきことの必要性が強調されるよう

に な っ て き て 廃 ・ そ う な れ ば ・ た と え ば 議 員 を 通 じ て 苦 情 に 対 す る 非 公 式 な 賠 償 (蕃 塁 を 求 め る と い っ た 既 存

の特権的なアクセスをさけて︑訴えられた明確な事実を処理することが可能となろう︒oo山Φo暁℃轟∩叶一8と法によっ

て具体化された首尾一貫した手続は︑スタッフの研修・情報ならびにその他の資料をクライエントに供給することの

必要性を喚起することになろう︒今までなされてきた様々の調査は﹃適切な処置﹄についての沢山の事例を示してい

るが︑﹃適切な処置﹄の多くは︑開かれた行政︑地方自治体の責任︑公的責任への至向が具体化されている場合に(こ

(17)

{323) イ ギ リス に お け る苦 情処 理 手 続

323

れちは︑必ずしも手をたつさえて保障されているわけではないが)︑生じているように思われる︒多くの地方自治体は︑苦

情処理手続を制度化することに消極的である︒そのかわりに︑問題が早い段階で︑近隣事務官(器置署8昏︒o飢o途︒Φ﹁)

によって処理されることを希望している︒事実しばしば︑近隣事務官は︑よりスピーディに︑そして︑もっとも満足

のいく解答を与えているようにみえる︒しかし︑苦情の中には︑苦情を申したてた事務官から距離をおき︑もっと客

観的に処理されることが望ましいケースもあることを忘れるべきではないであろう︒

②管理上の変更(ヨ鋤轟σqΦ﹃巨9砦αq①ω)

我々は︑苦情処理手続は︑管理システムの一部であるべきであると考える︒もっとも︑管理システムの中で﹁苦情

処理手続がしめる位置﹂については︑我々の中にもさまざまな議論がある︒しかし︑我々は苦情を監視し︑疑問・コ

メント.苦情について恒常的な統計上の分析を行う明確な管理政策が現状において欠如していること︑このことが変

化しつつある二ード︑求められているスタッフの水準についての変更︑一貫した傾向性︑恒常的な苦情申立人あるい

は誤った取扱いや︑特定分野での遅れた対応についてすら︑正確な評価を下すことができない原因となっていること

については一致した見解をもっている︒情報を記録し︑分析し︑利用するシステムの欠如︑そのことが︑苦情処理手

続を管理戦略に結びつけることを求めるもっとも強い理由となっている︒

ほとんどの地方当局が︑こうした分析のための手続をもっていないこと︑また社会福祉局は︑管視の必要性を認め

ているけれども︑データをいかに管理するか︑政策検討機構(oo一圃畠話く凶Φ芝ω携冨ヨω)をどのようなものにするか︑査

察システム(ω¢OΦ門く一Q自O﹃蜜ω{﹁¢O叶9﹁Φも自)をどのようなものにするかといった︑評価検討(Φ︿巴轟けδコ)のための効果的なシ

(79>ステムの創設の必要性については︑態度を明確にしていない︒

③ 研 修 (g 葺 粛 )

(18)

神 奈 川法 学 第28巻 第1号 324

(324)

関 係 者 に 対 す る 研 修 だ け で ︑ 物 事 を か え る こ と は で き な い ︒ し か し ︑ 研 修 は ︑ 苦 情 処 理 手 続 を 実 施 し て い く た め に

(80)(81)

ス タ ッ フ の 対 応 の 変 化 が 期 待 で き る よ う 不 可 欠 で あ る ︒ し か も 研 修 に は ︑ 苦 情 処 理 手 続 自 体 の 周 知 徹 底 だ け で な く ︑

(82)な︑イデオロギi的な意味での研修も含まれなければならない︒こうした研修は︑かつて地方主導︑コミュニティソ

ーシャルワーク︑地方分権︑記録へのクライエントのアクセス︑人種差別を判別すること等についての研修がなされ

(83)84)てきたことと同一の脈絡においてとらえられるべきものである︒

しかし︑ソーシャルワークの研修と査察は︑特に個人の価値︑公的なものに対する期待︑政治的に設定された限界︑

先行する部局のすべての政策に関連する難しい決定がなされなければならない時には︑﹁適切な処置﹂を保障する上で

全く役にたたない︒このことは認識されてしかるべきである︒

過重労働︑資源不足︑資源の充当に対するコントロールの欠如が存在する場合には︑岡ソーシャルワーカーといえど

も︑誤まりを犯しうる可能性をもつものなのだ﹂ということを認めさせる研修は︑意味をもたない︒こうした場合の

ためには︑﹁苦情は︑ソ!シャルワーカーの職業な能力を攻撃するものではない︒苦情を申立てられることは︑むしろ

仕事の上での偶然に属するものであることを︑理解させること︒苦情を申立てられた者は︑クライエントと共に交渉

(85)ρ86)したり︑議論する機会を共有するものであること﹂を︑周知させる研修が︑必要である︒

④スタッフに対する査察(ωけ四駿ω巷①﹁<置8)

初めてあるいは現場(o﹁碧9Φ)から︑管理的な仕事(ヨ留︒︒αqΦユ巴︒﹁ω①三︒﹃鋤匹巳巳ω口餌けぞΦo︒ω三〇コω)に移行したス

タッフに対し︑就任時に︑苦情処理手続について︑また︑苦情を訴えられたスタッフに対する援助について︑あるい

は︑苦情を申立てた市民を援助したり︑励ますことの意義について︑何らかの査察や研修をしている当局は︑ほとん

どみあたらない︒

(19)

(325}

イ ギ リスに お け る苦 情 処 理 手続 325

⑤ 労 働 組 合 と の 交 渉

87)

N C C の か つ て の 調 査 は ︑ 労 働 組 合 と の 早 期 の 交 渉 が ︑ 苦 情 処 理 手 続 を 実 施 に 移 す 上 で の 重 要 な 要 素 で あ る こ と を

(88)明らかにしている︒このことは︑ワークショップでも裏づけられた︒ISNCB(ぎα器鼠巴ω09蔓83Φ2巴8巴

O嵐一時①霧じロ霞$¢)に属するこの問題に関心をもつすべてのグループが指摘しているように︑サービスの利用者に対す

89)るよいケアは︑スタッフに対するよいケアから始まるのである︒

NALGO(匪ΦZ蝕o爵一﹀ωω8甦一〇コ98︒巴Oo︿¢﹁ロヨ①簿O暁暁圃︒臼ω﹀は︑クライエントの権利を守り︑たかめる手

続︑特に︑スタッフの権利をも擁護する明確なガイドラインを求める手続の設立を歓迎することを︑国家レベルで明

らかにしている︒

過去︑組合は主として懲戒手続ならびに苦情処理手続における証拠の利用が不明確であることを理由に︑苦情処理

手続の創設や実施について消極的であった︒しかしこうした傾向は︑ソーシャルワーカーに対する苦情についての公

的な調査のあとで︑いくつかの地方当局が︑懲戒聴聞を導入したことによって変化してきている︒

⑥政治的な変更

苦情処理手続は︑地方における民主主義の基本的な要素である︒地方議員は苦情の取扱いにおいて︑重要な役割を

遍 ・ 地 方 賛 の 主 た る 役 割 は ・ 落 処 理 手 続 を 通 じ て 提 示 さ れ る 政 箏 実 行 に 移 す こ と で 蘭 そ れ を 実 施 す る

資金(匿ω)をわりあてることであり︑その結果を監視することで裁・しかし・シェフィールド大学の調査によれ

ば︑調査対象となった市民は︑﹁地方議貝は︑今まで非常に不満足な対応しかしてこなかった﹂とこたえている︒事実︑

"㌫(93×94)(95)(96)オンフズマンシステムは︑地方議員の不満足な対応を是正するために設けられたものであるといわれている︒

(97)

地 方 議 員 が ︑ 彼 れ ら の 権 限 に つ い て の 考 え 方 を か え る た め に ︑ ま ず お こ な わ な け れ ば な ら な い 最 大 の こ と は ︑ 政 策

(20)

神 奈 川 法 学 第28巻 第lF7F」 326 {326)

をつくり︑それを監視し︑評価することである︒

最後に議員は︑社会福祉局の仕事のあらゆる側面に対して責任を負うものでなければならない︒現在多くの政治家

は︑﹁政治家は︑ソーシャルワークの判定を必要とするケースの決定過程にあまりかかわるべきではない﹂とする︑社

会福祉局の専門家スタッフの考えを︑くりかえすばかりである︒しかし︑ケースワーカーの多くは︑研修を受けてい

ない・また︑決定されるサービスの中には︑政治的な優先順位によって決定されなければならないもの(1すでに制度

化されたニード基準に基づいて︑少ないサービスが︑割りあてられねばならないものー)もある︒

議員は︑すべての社会福祉に対し︑絶対的な責任をもつものとして︑專門的な行為から生じる苫情についても︑全

面的にかかわりをもつべきことは明白である︒議員が︑この領域における苦情に対しても︑今以上に大きな役割を担

うことは︑望ましいことといわなければならない︒

⑦財政上の堤.雨

苦情処理手続の制定に伴う財政上の問題については︑過大に考えることも︑過小に考えることも︑よくない︒いく

つかの当局は︑住民参加を導入することに伴う財政負担をおそれ︑導入に消極的である︒確かに︑住民への情報の周

知︑スタッフに対する研修︑監視システムに対する必要な変更︑手続を実施するために要する時間とスタッフ︑すで

(98}

に過剰気味の委員会の議題に︑苦情問題を加えることは︑多大な費用を必要とする︒ワークショップに参加したある

当局は︑﹁効果的でわかりやすい苦情処理手続を実施するためには︑二五万ポンドが必要である﹂とみている︒また他

の当局は︑﹁クライエントが︑自分の記録にアクセスする新しい政策を実施するだけで︑さらに一七万ポンドが必要で

ある﹂としている︒しかしながら︑苦情処理のための財源は︑当面︑なんとか事態をきりぬけていくための時間と費

用について算定されるべきであり︑最低でも︑公的な調査を行い︑その結果として︑生じてくる再研修︑スタッフの

(21)

(327) イ ギ リス に お け る苦 情 処 理 手 続

99)

査 察 を 行 い 市 民 の 信 用 を 獲 得 す る 新 し い 手 段 を 実 施 す る た め の 費 用 が 見 積 ら れ る べ き で あ る ︒ た し か に ︑ 責 任 の 明 確

化 . よ り 徹 底 し た 市 民 へ の 公 開 ・ 市 民 の ア ク セ ス の 導 入 は ︑ 深 刻 な 苦 情 を へ ら し ︑ 批 判 的 な 疑 問 や コ メ ン ト が 早 い 段

階 で 解 決 さ れ る こ と に よ っ て ︑ 全 体 と し て の 費 用 負 担 を 減 ら す こ と に な る ︒ し か し ︑ だ か ら と い っ て ︑ 苦 情 処 理 手 続

()

の 導 入 は ︑ 安 い 保 険 政 策 で な い こ と は 確 か で あ る ︒

六 苦 情 処 理 手 続 を 設 立 す る た め に

ガイドラインは︑﹁ワークショップの全体としての目的は︑各地方自治体の社会福祉局が︑それぞれ独自の苦情処理

手続を設立することにあった︒つまり︑クライエントが︑地方当局の対応に満足しなかった場合次のステップとして

どこにいくべきかということを論じたり︑勧告したりすることはワークショップの目的ではなかった﹂と述べている︒

つまり︑後者の点にこたえるためには︑いくつかの次のステップが︑必要とされるが︑ワークショップでは︑この点

についての細い議論は展開されていない︒しかし後者についても﹁ワークショップにおいて提案された諸点がまず優

先的に検討されなければならないことは間違いない﹂として︑以下のように言及している︒

の 第 一 段 階 u 問 題 解 決 の 段 階

苦 情 は ︑ 迅 速 な 対 応 を 必 要 と し て い る ︒ し か し ︑ 正 式 な 手 続 が ︑ 迅 速 な 解 決 を 保 障 す る か は 疑 問 で あ る ︒ 苦 情 申 立

者 の 関 心 は ︑ 苦 情 申 立 手 続 を 開 始 せ ず に ︑ 解 決 を み い だ し ︑ あ る い は 救 済 を 獲 得 す る こ と が ︑ 可 能 な か ぎ り 迅 速 に 援

27 助 さ れ る こ と に あ る ︒ も し ︑ 正 式 な 手 続 が 開 始 さ れ れ ば 解 決 は ︑ (非 公 式 な 手 段 に よ る 場 合 よ り ) 長 引 く こ と に な ろ う ︒

3

行 政 手 続 に 対 す る の と 同 じ 懸 念 が ︑ 正 式 な 手 続 を 設 立 し ︑ そ れ に 従 う こ と に 対 し ︑ 多 く の 地 方 当 局 を た め ら わ せ る こ

(22)

神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 328

(328)

とになっている︒しかし︑非公式なルートが十分に機能しなかった場合には︑クライエントは問題解決を長引かせら

れ︑不安定な状態におかれたままということになる︒クライエントの立場を考えてしたことが︑クライエントの権利

をいっそう侵食することになることにも注意を払わなければならない︒

さて質問がなされ︑苦情が申立られる段階において︑苦情についての二つの考え方があることが︑ワークショッフ

の討議のなかで明らかになってきた︒ひとつには︑﹁苦情とは︑クライエントが︑苦情とよんだものを意味する﹂とす

るものであり︑いまひとつは︑﹁クライエントとスタッフが最初の時点で解決できなかったものを︑苦情とする﹂とす

るものであった︒

第一の立場の提案者は︑﹁苦情を定められた定義に枠づけることによって︑苦情申立者がより進んだ解決を求めるこ

とをさまたげることはできない﹂と論じた︒第二の立場の支持者は︑﹁苦情は︑問題の所在を明確にするためにだされ

る疑問や要求とは区別されるべきものである︒苦情は︑迅速に解決されないままになっている事項に限定される︒あ

らゆる種類の申請を苦情として扱うことは︑問題を不必要にあつかいにくくするだけである︒そして手続の管理と監

()視を不可能にする﹂と主張した︒

しかし︑この対立する二つの主張に対する第三のアプローチとして︑苦情処理手続を開始する前に︑問題解決(嘆︒ワ

一Φヨ♂o一くぎひq)の段階をおくべきとする提案が考えられうる︒そこでは︑始めに部局内での解決手段(昏Φ一冒Φヨ雪四︒qΦ∋Φ葺

ω誘8日)が用いられることになる︒つまり︑苦情は︑上級職員(ωΦ三〇﹁)によってまず解決される問題として位置づけ

られる︒それが失敗した場合にのみ︑苦情処理手続が利用されることになるわけである︒このアプローチついてはい(埋くつかの欠点が指摘されたが︑ワークショップとしては︑手続における第一の段階は︑スタッフが直接にかかわりを

もつ︑あるいはその直接の上司が︑ディスカッションや交渉を通じて問題を解決しようとする段階であるべきことで︑

(23)

(329) イ ギ リス に お け る苦 情 処理 手 続

合意をみている︒この段階は︑後の段階よりは︑正式なものではないが︑完全に非公式なものであるわけでもない︒

したがって︑この段階についても交渉がいかに行なわれ︑いかに進行し︑その結果がどのように記録されるかについ

てのガイドラインが創られるべきである︒そして解決にむけての期限設定がなされるべきである︒もし期限内に問題

が解決されなければ︑次の段階への移行措置がなされるべきである︒

問題解決の段階をより効果的にするためには︑多くの地方当局が現在芝①開費①﹁貫算ωo塗6嘆をおいているように︑

o一帯暮﹁侭葺o塗o會のポストを設けることが提案される︒o︼δ導﹁お鐸oh臨oΦ﹁の機能は︑クライエントの法的な権利

ならびに当局の規則.手続・政策に基づくクライエントの権利について︑他のスタッフにアドバイスすること︑そし

て︑クライエントの権利ならびに苦情の中に権利侵害が含まれている場合の紛争解決をクライエントにアドバイスす

ることにある︒もし問題解決の段階が︑このような形でなされるとしたら︑それにみあったスタッフに対する研修も

必要となる︒たとえば︑問題解決の段階が︑全体の手続の中で︑どのような位置をしめ︑どのような解決が期待でき

るのか︑そして︑いかにいつωΦ鼠o﹃o鰹o霞に苦情がつたえられ︑次の段階へと移行することになるのかをスタッフが

予め理解していることが重要である︒スタッフ自身は︑苦情を申したてられたサービスについて責任がない︒スタッ

フの責任は︑いかに︑そしてだれに苦情を手わたすかを知っていることにある︒このことは︑たとえば︑食事の質や

内容についての苦情を受けとる食事サービスにかかわるスタッフのように︑第一線で社会福祉にかかわるスタッフに

対して︑特に重要となる︒

329

⇔ 次 の 段 階

()ワークショップでの討議を通じ︑全体を見通したooヨ覧巴韓o塗o臼と調査委員会︑そして手におえない問題を解決

(24)

神 奈 川 法 学 第28巻 第1号 3.30 (330)

()

す る た め の 中 立 的 な ﹁ 上 訴 あ る い は 審 査 機 関 ﹂ が 必 要 で あ る こ と が 確 認 さ れ た ︒

8豊葺ω・審三コ<①ωけ琶コー‑含︒①﹃への覆的な監督は副局長(餌ωω一ω叶餌ゴ降島圃﹁①6轡OH)に罐されるかもしれ

な い が ︑ 手 続 が 適 切 に 機 能 す る こ と に 対 す る 最 終 的 な 責 任 は ︑ 社 会 福 祉 局 の 局 長 に あ る と 考 え ら れ る ︒

()①8日且餌冥︒︒o窪8﹁

問題解決の段階が効果がないとわかった時には︑oo日覧鉱耳o窪oΦ﹁が速やかに利用される︒

ooヨ℃一巴葺ωoh翫oΦ﹁は︑フルタイムでの活動を要請される︒8筥℃一巴三〇貼甑6Φ﹁は︑平等な解決を求める全ての当事(壇者に対し︑独立した立場で奉仕する苦情解決の促進者であるべきである︒そしてまたooヨ豆巴馨o塗oΦ﹁は︑定義され

た手続どおりに行動することが︑明確にされるべきである︒

ooヨ且巴三ωo{ゆo霞を設定することは︑苦情についての経験と情報を集約するためにも重要である︒また︑スタッフ

に対する私的な復讐を抑制するためにも有効である︒逆にスタッフからの仕返しをおそれる︑老人ホームのクライエ

ントにとっては外部との接点としても重要な意味をもってる︒ooヨ覧巴簿︒︒o塗o駿は︑審査委員会(o餌器一)のどの委

員が当該ケース(たとえば︑施設の児童・老入ホームの高令者)に適切かを︑決定することにも責任をもっている︒

ooヨ且鉱三ωo{臣o臼の仕事についての定義が︑いかに詳細なものであれ︑①彼らが︑苦情申立者と接触できる場所

にいること⑪行政側の対応(その事項が︑議員に伝えられるべきことかどうかを決定することを含む)を調整し︑⑪全休

としての処理の遂行に対し責任をもつべきものであることが︑確認されなければならない︒

②3<Φω鼠p︒欝ぴqo醸︒2

ワークショップでは︑具体的な経験からoo3℃一巴三〇黙o霞と同様に︑ぎく窃虹ひq碧ぎσqo塗oΦ﹁ω(調査官)のチームが︑

おかれるべきことが提案された︒このチームは︑社会福祉局内の様々な部局から集められた中心的な職員によって構

(25)

成される︒彼らは︑自分の所属する部局の事件については関係をもたない︒つまり︑部局からは独立し︑局長の権限

6をもって働くことになる︒ぎく霧甑αq簿ヨぴqo塗oΦ村は︑この仕事に対し︑当局から財政上・組織上の援助を受けることに

なる︒しかしこれらの仕事がフルタイムであるべきかどうかについては︑議論がある︒

イ ギ リスに お け る筈 情 処 理 手続

国上訴(田℃℃8一ω)

上訴に対する権利は︑ワークショップにおけるすべての参加者によって受けいれられた︒しかし︑上訴委員会のメン

バーに社会福祉の仕事に経験をもつものを含むことは重要ではあるが︑委員会が地方当局の中におかれた場合︑その機

能には限界がある︒従来の経験では︑上訴委員会には議員(多くの場合︑委員会の議長か副議長になる)︑問題となっている

苦 情 に 関 係 の な い 上 級 ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー ︑ 社 会 福 祉 局 に 雇 用 さ れ て い な い 人 々 な ど か ら 選 ば れ た 人 が 含 ま れ て い ゆ

上訴の段階を設けた場合︑主として考慮されなければならないことは︑﹁(部局内に設立された独立した調査のための機

関を含む)社会福祉局内の調査段階︑(︒三駄Φ×㊦︒9一くΦα①,のような)地方当局内の他の部門の利用︑議員・社会福祉の

専門家.そして(公益代表のような)独立した個人の役割﹂についてである︒ワークショップでは︑地方オンブズマン

の仕事については︑詳細には論じられなかったが︑オンブズマンよりも︑争いの解決がスピーディで︑威圧的でない

方法を検討することが望ましいと考えられた(オンブズマンについては(注93)参照)︒

331

画 議 員

政 策 を 決 定 す る こ と ︑ 問 題 の 解 決 に 対 し 主 導 的 な 役 割 を 果 す と い っ た 点 で の 議 員 の 重 要 な 役 割 が 確 認 さ れ た ︒ 議 員

は ︑ ク ラ イ エ ン ト の 権 利 と 消 費 者 の 参 加 に 関 す る 一 般 的 な 政 策 を 実 現 す る こ と が で き る ︒ ま た 苦 情 処 理 手 続 の 創 設 ︑

(26)

神 奈 川法 学 第28巻 第1号 332 {332)

そ の 監 視 ・ 評 価 に つ い て 適 切 な 財 源 を 割 り あ て る こ と が で き る ︒ こ う し た こ と か ら み て も ︑ 議 員 の 関 心 や 援 助 が な け

れ ば ︑ 苦 情 処 理 手 続 の 効 果 は 期 待 で き な い ︒ 特 に ︑ 決 定 を 再 検 討 し ︑ 政 策 の 変 更 な ど を 勧 告 す る た め の ︑ あ る 種 の 独

()立した上訴委員会が設けられる場合には︑議員の役割は決定的である︒苦情処理手続に加わることが︑もっとも明白

なのは苦情が財政に関わる場合である︒単に専門的なソ:シャルワークの判定に関わる決定から︑委員会で定められ

た優先順位によって条件づけられた要件の解釈に関わる問題を区別することが重要である︒政治的責任が問われてい

るケースについては部局内解決(一貯①‑ヨ9︒轟αqΦヨΦ臣塁簿①ヨ)に委ねるよりも︑直接に議会の議題にアクセスしやすい︑

oo日宮黛︒一段o窪09によって処理されることが望ましい︒苦情処理手続における議貝のこの側面での役割については︑

()

よ り 進 ん だ 議 論 と 交 渉 が 必 要 と さ れ る ︒

㈲苦情を記録すること

みてきたように︑何が苦情であるか︑まただれが︑それを決定するのか︑については︑議論がある︒このことは︑

苦情がなされたのかどうか︑したがって︑(苦情についての)記録がなされるべきかどうかについても︑大きな影響を与

えることになる︒

.ワークショップに参加した当局の多くは︑従来︑クライエントが︑苦情として何かを申し立てたならば︑それを苦

情として受けいれてきた︒しかし問題は︑職貝の理解では︑その事項は迅速に解決されたものと判断され︑苦情に関

する記録もとられず︑正式な手続もとられなかったが︑クライエントは虐げられ︑無視されたと感じている時に︑お

こっている︒また苦情をより広義に解すれば︑スタッフと利用者の恒常的なかかわりの中で︑弱者である人々が継続

的な苦痛に直面している場合も含まれることになる︒たとえば︑老人ホームにおける介護に関する苦情の問題もここ

(27)

に含まれる︒これらの問題は︑謝β理されることが重要である︒

い か に そ し て ど こ で 記 録 が 保 持 さ れ ︑ だ れ が そ れ に ア ク セ ス で き る か の 問 題 と し て 処

イ ギ リスに お け る苦 情 処 理 手続 333

㈹助言者(窃αく08︒︽)

検 討 さ れ て き た 手 続 の ぞ つ か は ︑ 幕 申 立 て 者 に 対 す る ︑ 独 立 し た マ つ か の 援 助 を 含 ん で い (翻 ・ 独 立 し た 助 輪

の存在は︑もしクライエントが︑その生活にかかわる事項の決定過程に参加できるにもかかわらず・孤立していたり・

あるいは文化的な相違から生じた問題のために︑不利益を受けている場合には特に重要である︒しかしながら・助言

者を求めるクライエントの要求にこたえることは︑ボランタリーな組織の財源をそれだけ拡大させることになる・当

局は︑地方のボランタリーセクターが︑助言者を発掘できよう財政的な援助をすべきである・

㈹ 苦 情 申 立 て 手 続 と 懲 戒 手 続

2 ブ イ エ ン 走 対 す る 虐 待 や ︑ 不 正 (量 翼 量 の 竿 施 ︑ 初 見 三 つ か っ た 場 合 に は ・ 当 局 は グ ラ イ エ ン ト

に知らせ︑苦情処理手続を停止し︑そのケースにあたったスタッフに対する懲戒手続を開始させる・あまり重要でな

いケースについては︑クライエントの利益を考え︑苦情処理手続を継続することができる︒そして︑後になって必要

となれば︑懲戒手続が発動される︒苦情処理手続に必要以上にとめおかれるべきでないことは・クライエントとスタ

ッフ両方の利益からみて︑当然といえよう︒

苦情処理手続と意見具申手続の間の関係も同様である︒意見具申手続は︑苦情処理手続がなされた後に・とられる・

すべての当事者が︑手続の継続ならびにその終結について︑明確に同意していることも重要である・そのためには・

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