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学位論文題名Zirconia Ceramics Toughening AssoclatedW’ithStreSS InduCedTranSformatlonandIntroduCtion OfWeakInterfaCe

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 李   波

     学位論文題名

Zirconia Ceramics Toughening AssoclatedW ithStreSS     InduCedTranSformatlonandIntroduCtion     OfWeakInterfaCe

(応力誘起変態および弱界面接合層の導入による     ジ ル コ ニ ア セ ラ ミ ッ ク ス の 強 靱 化 )

学位論文内容の要旨

  セラミックス材料の実用化にはその強靭化が不可欠である。強靭化にはセラミッ クス自体の特性向上と複合構造化の2っのアプローチがある。本研究でははじめに ジルコニア系セラミックス材料の強靭化を目的とレ、強靭化発現のもとであるマル テンサイト変態の詳細を解明するため、これまで明確になっていない形状記憶サイ クル条件下、および高応力―高温条件下でのマルテンサイト変態挙動について研究し た。次に高温での強靭化を目的とし、弱い接合界面相としてCeP04相を導入したジル コニア系積層構造体の作成を行い、その最適特性を得るための作成手法、および導 入した弱い接合界面層の複合体の機械特性に及ぼす影響について検討した。本論文 は全7章で構成されている。

  第1章は序論であり、ジルコニア系セラミックスの破壊と強靭化に関する基本概 念、本研究の目的であるジルコニア系セラミックスの強靭化機構、特に本研究が目 指すマルテンサイト変態を利用レた強靱化機構、および高温での強靭化を目的とレ た 弱 い 接 合 界 面 相 の 導入 に よる 複 合構 造 化と 強 化機 構 につ い て紹 介 レた 。   第2章では 、12%Ce0―TZPセラ ミックにお ける正方晶(Tetragonal)と単斜晶 (monoclinic)の変態特性に関レて、応力誘起マルテンサイト変態に及ぼす温度の 影響と、負荷サイクル数に伴って増加する残留単斜晶相が変態に及ぼす影響を明ら か に す る た め 、 形 状 記憶 サ イク ル 下で の 熱― 機 械特 性 につ い て研 究 レた 。   12Ce−TZPセラミックの塑性変形における降伏応カは正の温度依存性を示す。これ は、高温ほどマルテンサイト変態に必要な応カが増大することに起因する。可逆変 態サイクル数に対応して残留弾性エネルギーと欠陥蓄積が増大し、それにより逆変 態温度Asは上昇するが降伏応カは減少する。また、ストローク制御下での熱機械試 験において、大きな塑性変形が得られたが、これはセラミックス中の転位の発生に よることを明らかにした。

  第3章においては、これまで明確になっていない高応力―高温下でのジルコニアの 変態挙動を検討するため、ジルコニアの摩擦、磨耗試験をおこなぃその特性の評価 を行った。摩擦過程において、ジルコニアに大きな圧縮応カが生じているにもかか わらず、ジルコニアの滑走磨耗面で正方晶一単斜晶の変態は観察されなかった。こ

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れ は、 摩擦過 程で発生 する高温 のため、 応力誘起マ ルテンサ イト変態 が阻害さ れた も のと 考えら れた。こ のことは 、高温で の強靭化を 目的とす る場合、 応力誘起 マル テ ンサ イト変 態による 高靭性化 は期待で きず、別の 強化機構 、例えば 、複合化 によ る強化などについて研究する必要があることを示唆している。

  第4章 で は 前章 の 結果 に 基 づき 、 弱い接 合界面相を セラッミ クス界面 に導入し て 強化す る方法を 研究する ため、まず、均一微細粒子径を持つCePO。粉を合成する方法 に つい て検討 を行った 。硝酸セ リウムと 燐酸溶液と の反応に より、六 方晶構造 をも つコロ イド状の 水酸化CeP04粒 子が得ら れること を明らか にした。一方、アルカリ燐 酸とCe(OBu)ヨ の反応を 用いると アモルファス構造をもつCeP04粉が得られた。加熱に より六 方品構造 の水酸化CeP04粒子は形 態の変化 を伴いな がらCeP04相(mozanite)へ と 変 化 し た 。 一 方 、ア モ ル ファ ス 構造 のCeP04粉 は中 間 相 を経 る こ とな く 、直 接 mozanite相へ と変化レ た。以上 から、被 覆プ口セ スおよび加 熱条件を 選択すれ ば、

セラミ ック表面 に適切な 組織をも つCeP04粒子を 付着させ 、目的とする弱い界面を形 成可能であることが示された。

  第5章 で は 得ら れ たCeP04粒子 をAl203短繊 維表面に 適切な接合 特性をも つ界面相 を効果 的に被覆 する方法 について検討を行った。Al203表面をPAA−Naで化学的に前処 理して 付着性を 改善レ、 これと不 均一凝集 法を組み 合わせることにより、針状Al203 繊 維 に CeP04を マ ク ロ 的 に ほ ぼ 均 一 に 被 覆 す る 手 法 を 確 立 し た 。 第6章で は弱い界 面相とレ てCeP04を導入レたY―TZPおよびY―ZTP/Al203の積層セラミ ック複 合材を作 成し、4点 曲げ試験を行った。Y―TZPとY−ZTP/ Al203の積層セラミッ ク複合 材のいず れにおい ても、高 温におぃ て界面相 は化学的に安定であった。CeP04 相からY―ZTPやAl203母材ヘクラックが到達したとき、Y―ZTP/ CeP04およびAl203/ CeP04 界面に おいて、CeP04は適切な 破断強度 を持ち、 セラミッ クス界面で破断剥離するこ と によ って破 壊エネル ギ―を吸 収する。 その結果と して、複 合材の破 断仕事や 強靭 度 はそ れぞれ の単体セ ラミック スに比べ て大きくな った。ま た、破壊 は接合界 面層 で の破 壊と界 面剥離に より段階 的に進行 し、致命的 な破断挙 動は示さ なかった 。す な わち 、接合 層の破断 と界面剥 離により 、セラミッ クス総体 としての 破壊靭性 は向 上する ことが期 待される 。さらに、薄いCeP04層を持つY一ZTP/ CeP04積層コンポジッ トにお ぃて、曲 げ強度と ヤング率 はCeP04層の厚 さが減少 するにともない増加した。

し かレ 、発生 したクラ ックは母 材を貫通 レ致命的な 破断を生 じた。こ れらの結 果か ら 、積 層複合 材では中 間接合層 の厚さが 重要であり 、その調 節により 適切な機 械特 性を得ることができることが示された。

  第7章 で は 本研 究 の総 括 を 行っ た 。本研 究において 脆性材料 の機械特 性を向上 さ せ るに はミク ロ構造の 調整が必 要であり 、特に積層 構造体に おいては 接合界面 層の 制御が重要であることを明らかにした。

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学位論文審査の要旨 主査    教授    石井邦宜 副査    教授    工藤昌行 副査    教授    大貫惣明 副査   教授    高橋平七郎

     学位論文題名

Zirconia Ceramics Toughening AssoclatedWithStreSS     InduCedTranSformationandIntroduCtion     OfWeakInterfaCe

(応力誘起変態および弱界面接合層の導入による     ジ ル コ ニ ア セ ラ ミ ッ ク ス の 強 靱 化 )

  近年、ジルコニア系セラミックスの靭性を改善する研究が精力的に行われている。

本論文では、その基礎として、応力誘起変態一加熱回復サイクル条件下や摩耗試験 条件下におけるマルテンサイト変態挙動を明らかにレた。さらに高温における靭性 の強化をはかり、弱い接合界面相としてCeP04相を導入した積層複合体を作製するた めの方法、およびCeP04相の導入が複合体の機械特性に及ぼす影響について研究レた。

  本 論 文 は7章 から 構 成さ れ てお り 、そ の 成果 は 以下 の よ うに 要 約で き る。

  第1章は序論であり、ジルコニア系セラミックスのマルテンサイト変態を利用レ た強靱化機構、および弱い接合界面相の導入による強靱化機構に関するこれまでの 研究を概括レ本研究の目的について述べた。

  第2章では、12%Ce0―正方晶型ジルコニア多結晶(TZP)セラミックスにおいて、

形状記憶効果として知られる正方晶から単斜晶への応力誘起マルテンサイト変態と その加熱による逆変態現象に及ぼす負荷―回復サイクル数や加熱温度の影響につい て研究レた結果について述べた。

  12Ce−TZPセラミックスでは、高温ほどマルテンサイト変態に必要な応カが増大す ることから、降伏応カが正の温度依存性を示すことを明らかにした。さらに、負荷

―加熱回復の可逆変態サイクル数が増加するに伴い、残留単斜晶量が増加して残留 弾性工ネルギーと欠陥蓄積が増大し、逆変態温度の上昇と降伏応カの減少を招くこ とを見いだした。また、スト口一ク制御下での熱機械試験において得られる大きな 塑性変形が転位の発生に起因することを明らかにした。

  第3章では、高応力―高温下におけるジルコニアセラミックスの変態挙動を検討す るため、磨耗試験を行った結果について述べた。

  摩耗過程において、ジルコニアセラミックス表面に大きな圧縮応カが働いている

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にもかかわらず、滑走磨耗面で正方晶―単斜晶変態は観察されない事実を見いだし た。これは、摩耗過程で発生する高温のため、応力誘起マルテンサイト変態が阻害 されたものであり、高温での強靭化を目的とする場合、応力誘起マルテンサイト変 態による効果は期待できないことを明確にした。

  第4章では、高温においてジルコニアセラミックスを強靱化することを目的に、

弱い接合界面相をセラッミクス界面に形成するため、均一微細粒子径を持つCeP04 粉を合成する方法について研究した。

  硝酸セリウムと燐酸溶液を反応させると、六方品構造をもつコロイド状の水酸化 CeP04粒子が得られ、これを加熱すると中間層を経てCeP04相に変化レた。一方、ア ルカリ燐酸とCe(OBu)3の反応を用いるとアモルフアス構造をもつCeP04粉が得られ、

加熱により直接CeP04相へと変化した。以上から、目的とする弱い界面を形成するの に最適なCeP04粒子を合成する方法の開発に成功レた。

  第5章では、前章で得られたCeP04粒子からなる接合界面相を効果的に作製する方 法について研究した結果を述べた。

  Al203短繊維の表面をPAAーNaで化学的に前処理して付着性を改善し、これと不均一 凝集法を 組み合わせることにより、CeP04相を均一に被覆することに成功レた。

第6章では、弱い接合界面相としてCeP04相を導入したY−TZPおよびY―TZP/Al203の積 層セラミ ックス複合 材を作製し 、機械的性質を研究した結果について述べた。

  Y−TZP/ CeP04およびAl203/ CeP04の両積層複合材とも、高温において接合界面相は 化学的に安定であった。CeP04相はY−TZPやAl203母材に対し適切な破断強度を持ち、

CeP04相から母材ヘクラックが到達したとき、界面で破断剥離することによって破壊 エネルギ―を吸収する。その結果とレて、複合材の破断仕事や靭性はそれぞれの単 体セラミックスに比べて大きく向上した。また、破壊は接合界面層の破壊と界面剥 離が段階的に進行し、致命的な破断挙動は示さなかった。レかし、CeP04相を薄くす ると強度は増加するが、発生したクラックが母材を貫通して致命的な破断を生じた。

これらより、適切な機械特性を得るにはセラミックスの接合界面相厚さを調整する ことが重要であることを明らかにレた。

  第7章は本研究の総括である。

  これを要するに、著者は、ジルコニア系セラミックスを強靱化する方途について 研究し、応力誘起変態の応用および弱い接合界面相導入の有効性を明らかにしたも のであり、材料工学に貢献するところ大である。よって著者は、北海道大学博士(工 学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照

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