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博士(医学)小泉和輝 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(医学)小泉和輝 学位論文題名

In vitro expansion of CD34+7CD41+cells from   human peripheral blood CD34+7CD‑ cells : Role of cytokines for in vitro proliferation and differentiation of megakaryocytic progenitors

   (ヒト末梢血幹細胞 (CD34 +/CD41‑) から巨核球系前駆細胞 (CD34+/CD41 十)へのin vitro 増幅:巨核球系前駆細胞の分化、

     増殖における造血因子の役割)

学位論文内容の要旨

1.緒言

    米 梢 血 幹 嗣 ‖ 胞 移 植 に お い て 一 般 に 、 穎 粒 球系 細I胞 の再 構 築は 速や か に認 めら れ るが 、tl小   版の 回復 は 遅く 、血 小 板崘 血L故 存性 が 長引 くの が 現状 である。Dercksしゝらは、臣 核球糸ネ川JJ笹   の 表 両 形 質 で あ るCD llを 測 定 し 、0.34X10 /kg以 上 のCD3d十 /CD41十 細 胞 を 移 値 さ れ た 患   者 は、 それ 以 下のCD3d十 /CD41十 細 亅胞 を移l直さ れ た患 者と 比 較し 、有 意 にlfル小 板 数の 圃後 が   早く なる こ とを 報告 し た。 この こ とは 、CD34十/ (:D41十糾胞が 米梢血幹嗣I|胞移植におい て!n   小 板 の 回 復 能 カ を 有 す る 巨 核 球 系 前 駆 細I胞 で あ る こ と を 示 し て い る 。 米 キ 肖 血 か ら 純 化 し た   (ニD341場 性荊u胞は、その大 半がCD41陰性細uJ包(CD34十/CD41ー荊8胞)である(D).llI暢性宰:

  0,(j崛 土(〕,5%)。本4甜究は、臨床応用 を視野に入れ、米 梢血から純化したCl〕34陽′」荊‖胞     (CD34十/(:D41―細胞)を巨核球系前膳区m胞(CD34十/CD41十翁!IJl包)ハ、と分化、上曽|I扇させる   こ と を 目 的 と し 、 そ の 過 程 を フ ロ ー サ イ 卜 メ 一 夕 一 お よ び コ 口 ニ ー ア ッ セ イ 法 で 経 時n勺 に 鋭   察 し、 造血 因 子で あるLhrombopoietin(rrPO) 、inCerleukin.3(IL.3) およ びsCemccuf clor   (SCF)が巨核球系前駆細胞の増幅に果たす役割について検討した。

2. 対象 と 方法

(CD:34陽 性細 胞の 純化 )

    鯉 常人 から 得 られ た末 梢血400mlか らFicoll‑Hypaqueに よる 赤 血球 除去 、ア ルブ ミシに   よる 血小 板除去、ナイ 口ンファイバーシリンジに よる付着翁4胞除去を行った 後にCD:34抗体   と免 疫磁 性ビ ー ズを 使用 してCD34陽 性細 胞を 純化 した 。

(CD34陽性細胞の液体培養、培養細胞の検討)

    純 化CD341場 性細胞をIL‑3+SCFおよびr工 `PO+‑IL‑'3+SCFの2種類の 造血因子の組L合せ下 で 液 体 培 養 し 、0日 目 、2日 目 、4日 目 、G日 目 、8日 目 、10日 目 に 鼎 川 包 を 匣l収 し 、 (Dフローサイトメ一夕一による表面形質(CD34,CDLl1)の測定

@谷分化段階の巨核球系前駆細胞(0,2,4 6,8,10日目細胞)の各価造血凶子反応性(′1`i.(〕

′1、PO+SCF,rrPO十IL.3,rrPO十IL.3十SCF)をフィブリンクロット半固J髟培地によるコロニー アッセイ法で検討した。

144 ‑

(2)

  ま たTPO+1L‑3+SCFの 組 合 せ で 液 体 培 養 し たG日 目 に 細 胞 を 回 収 し 、CD3t1+/CDz11十 荊f|胞 恥よびCD34―/CD41十糾胞のソーティングを行い、各種造血因子反J´ふ性ルP(),u」.:3,St|J,,

ル,・.3十SCF,′rPO十IL.3,TPO十SCF,TPO十上l」.3十SCF)をフィブリンクロッ卜き仁固形上醫地によ るコロ二一アッセイ法で検討した。

( 統 計 処 理 )

    す べ て の 結 果 はmean土SDで 示 さ れ 、Wilcoxon‑Mann‑WhiLneyULesLを 川 い て 各 検 討 を   行 い 、Pく0.05の 場 合 有 意 差あ り と 判 定 した 。

3. 結 果

( 純 化CD34陽 性 細 胞の 性 質 )

    純 化 細 胞 のCD34陽 性 率 は89,8% 土3.5% で 、CD34陽 性 細 胞 の 表 面 形 質 の 亜 分 画 は 、CD38   が98.6% 土O,8° /。、HLA‑DRが95.5%土3.6%、CD117(c‑kit)が8,8%土2.9% 、CD13が42.3%

  土14.8% で 、CD41は0.6% 土O.5% と 低 値 で あ り 、 そ の 大 半 がCD34+/CD41― 細 胞 であ っ た 。

( 総 細 胞 増 幅率 )

    総 細 胞 増 幅 率 はTPO+IL‑3+SCFで10日 目 で47.7土17.1倍 でIL‑3+SCFの 組 合 せ(43.2   土15.0倍 ) と 比 較 し 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 ま た 培 養 日 数 と 伴 に 細胞 形 態 は 巨 核球 系 細   胞 へ の 分 化 が 認 め ら れ た 。CD34陽 性 率 は6日 目 ま で は 変 化 な か っ た が8日 目 以 後 低 下 し た 。   CD34陽 性 細 胞 増 幅 率 は 、6日 目 で 最 高 値 を 示 し 、TPO+IL‑3+SCFで12.5土3.2倍 で   IL:3+SCFの 組 合 せ (9.8土3.3倍 ) と 有 意 差は 認 め ら れ なか っ た 。

(CD34+/CD41+の 発 現 率と 細 胞 数 )

    TPO+IL‑3+SCFの 組 合 せ で は 、CD34+/CD41+陽 性 率 は2日 目 よ り 増 加 し4日 目 で 最 高   値 (19% 土7% ) と な り 、 以 後 減 少 し た (10日 目 で2.g%土0.6% ) 。 こ れ は 、IL‑3+SCFの 組   合 せ で も 同 じ 傾 向 を 示 し 、 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 ま た 増 幅 さ れ たCD34+/CD41+細 胞   が 、 純 化CD34陽 性 細 胞 中 のCD34+/CD41+細 胞 か ら 由 来 し た 可 能 性 を 否 定 す る た め に 、 純   化CD34陽 性 細 胞 か らCD34+/CD41― 細 胞 を ソ ー テ イ ン グ し 、TPO+IL‑3+SCFの 組 合 せ で   液 体 培 養 を 行 っ た と こ ろ 、6日 目 に9,9% のCD34+/CD41+陽 性 細 胞 の 出 現 を 認 め た 。CD34   陽 性 細 胞1X los個 か ら 増 幅 さ れ るCD34+/CD41+細 胞 数 はTPO+IL‑3+SC,Fの 組 合 せ の6日   目 が 最 も 多 く1.7X l05土O.6Xl05個 で 以 後 減 少 傾 向 を 示 し た 。 ま たIL‑3+SCFの 組 合 せ     ( CD34+/CD41+細 胞 数0.5Xl05土0.3X10s個 ) と 比 較 し 有 意 に 高 値 を 示 し た 。

<C,D34―/CD41+の 発 現率 と 細 胞 数 )

    CD34―/CD41+陽 性 率 は 培 養 日 数 と と も に 増 加 傾 向 を 示 し た が 、TP〇+IL‑3+SCFの 組 合   せ で はIL‑ ‑3+SCFの 組 合 せ と 比 較 し 、8日 目 お よ び10日 目 で 有 意 に 高 値を 示 し 、 そ れぞ れ15%   土7% 対5% 土3% 、38% 土18% 対11% 土8% で あ っ た 。 ま たCD34陽 性 細 胞1X los個 か ら 増 幅   さ れ るCD34−/CD41+細 胞 数 もTPO+IL‑3+SCFの 組 合 せ 有 意 に 高 く8日 目 お よ び10日 目 で 、   そ れ ぞ れ5.G土3.3X 10s個 対1.4土0.4X10s個 、19.5土10.5Xl05個 対5.O土2.8Xl05個 であ っ   た 。

( 各 分 化 段 階に お け る 造 血因 子 反 応 性 )

    造 血 因 子 反 応 性 に 関 し て は 、0日 目 や2日 目 な ど 未 分 化 な 造 血 幹 細 胞 はTPO単 独 で は ほ と   ん ど 巨 核 球 系 コ ロ 二 一 を 形 成 し な い が 、 培 養 日 数 ( 巨 核 球 系 前 駆 細 胞 へ と 分 化 ) と と も に次   第 に コ ロ 二 一 形 成 が 認 め ら れ る よ う に な り 、10日 目 で はTPO+IL.3+SCFの コ 口 ニ 一 形 成 率   と ほ ぼ 同 じ と な っ た 。 ま た TPOにSCFを 加 え て も 、TPO単 独 と 同 じ 反 応 性 で あ っ た 。   TPO+IL‑3にSCFを 加 え て も 、 巨 核 球 系 コ ロ ニ ー 形 成 率 の 明 ら か な 増 加 は 認 め ら れ な か っ た 。   ま た 形 成 さ れ る 巨 核 球 系 コ □ 二 一 の サ イ ズ ( 巨 核 球 系 コ 口 二 一 の 増 殖 能 力 ) は 、 液 体 培 養で   の 培 養 日 数 が 長 く な る ほ ど 、 減 少 す る 傾 向 を 認 め た 。 ソ ー テ ィ ン グ し たCD34+/CD41+細 胞   はIL‑3を 合 む 造 血 因 子 の 組 合 せ で 多 く の 巨 核 球 系 コ □ 二 ー の 形 成 を 認 め 、CD34+/CD41+細   胞 の 中 に 巨 核 球 系 前 駆 細 胞 が 存 在 す る こ と が 確 認 さ れ た 。CD34一/CD41+細 胞 に 関 し て は   1個 の 巨 核 球 を 維 持 す る か 、 非 常 に 小 さ な コ 口 ニ 一 形 成 を 認 め、 成 熟 し た 巨核 球 系 細 胞 と 推測   さ れ た 。

(3)

4 結語

     本論文では、ヒト末梢血CD34 陽性細胞をthrombol)oietin くrPO ,c .Mplligan (l 冫を合む    各種造血因子を用いinvitro で液体培養を行い、CD34 陽性細胞(CD34 十/CD41 ―)から巨核    球系前駆細胞(CD34 十/CD41 十)への分化増殖における最適な培養条件およびTPO の作用機    序を検討した。その結 果、TPO 、IL ・ 3 、SCF 存在下で 6 日問培養が最も効率のよい条件で    あることを確認し、またTPO は巨核球系前駆細胞(CD34 十/ CD41 十)から巨核球( CD34 ←    /CD41 十)への分化増殖におもな作用点があることを示した。

146 ‑

(4)

学 位 論 文 審 査の 要 旨

学 位 論 文 題 名

In vitro expansion of CD34+7CD41+cells from   human peripheral blood CD34+7CD‑ cells : Role of cytokines for in vitro proliferation and  differentiation of megakaryocytic progenitors

   ( ヒ ト末 梢 血幹細 胞(CD34 +/CD41‑) か ら巨 核球 系前 駆細胞 (CD34 +/CD41 十)へのin vitro 増幅:巨核球系前駆細胞の分化、

     増殖における造血因子の役割)

   本 研 究 は 、 末 梢 血 か ら 純 化 し た CD34 陽 性細 胞 (CD34+/CD41. 細 胞) か ら 巨 核球 系 前 駆 細 胞 (CD34+/CD41+ 細胞 ) へ の分 化 増 幅に お け る最 適 な 培養 条件を 検討する とと も に 、 thrombopoietin (TPO ,c‑Mplligand) 、 interleukin‑3(11‑3 )お よびstem cell factor(SCF) が 巨核 球 系 前駆 細 胞 の増 殖に果た す役割 について 検討し たもので ある。

    I 対象と方法

1 )健常 人末梢 血から CD34 抗体と免 疫磁性ピ ーズを 使用して CD34 陽性細胞を純化した。

2 ) 純 化 CD34 陽 性 細 胞 を TPO+IL‑3+SCF (TPO 存 在 下 ) お よ び IL‑3+SCF (TPO 非 存    在 下)の 造血因子 の組合 せで液体 培養し、 O 、 2 、 4 、6 、 8 、 10 日目に細胞を回収し細    胞 数 の 測 定 、 表 面 形 質 (CD34 , CD41) の 測 定 お よ び 細 胞 形 態 の 観 察 を 行 っ た 。 3 ) 純 化 CD34 陽 性 細 胞 を TPO 存在 下 で巨 核球系細 胞へと 分化誘導 し、0 、2 、 4 、 6 、8 、   10 日 目 の 細胞 を 回 収 し、 造 血 因子 反 応 性を 巨 核 球系 コ 口 二ー 形成法 で検討し た。

4 ) 純 化 CD34 陽 性 細 胞 を TPO 存 在 下 で 6 日 間 液 体 培 養 し 、 CD34+/CD41+ 細 胞 お よ び   CD34‑/CD41+ 細 胞 を ソ ー テ イ ン グ し 、 巨 核 球 系 コ ロ ニ ー 形 成 能 を 検 討 し た 。      ロ結果

1 )純化CD34 陽性細胞の大半がCD34+/CD41‑ 細胞であった。

2 )細胞形態および表面形質上、成熟巨核球へと分化してしゝく様が観察された。成熟巨核    球 系 細 胞 と 考 え ら れ る CD34‑/CD41+ 陽 性 率 は 、 TPO 存 在 下 で は TPO 非 存 在 下と 比

光 敬

利  

  隆

出 木

上 吉

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

   較 し 6 日 目 以 後 、 有 意 に 高 値 を 示 し た 。 CD34+/CD41+ 細 胞 数 は TPO 存 在 下 の 6 日目    が 最 も 増 幅 率 が 高 く 、 こ れ は TPO 非 存 在 下 と 比 較 し 有 意 に 高 値 で あ っ た 。 ま た   CD34‑/CD41+ 細 胞 数 も TPO 存 在 下 で 、 8 日 目 お よ び 10 日 目 に TPO 非 存 在 下 と 比    較し有意に高値であった。

3 ) 0 日 目 や 2 日 目 な ど 未分 化な 造血 幹細 胞は TPO 単 独で は、 ほと んど 巨核 球系 コ 口二    ーを形成しないが、培養日数(巨核球系前駆細胞へと分 化)とともに次第にコ口二ー    形 成が 認め られ た。 TPO+IL‑3+S CF で形 成さ れる 巨核 球系 コ口 二ー のサ イズ(巨核    球 系 細 胞 の 増 殖 能 力 ) は 、 培 養 日 数 の 経 過 と と も に 小 さ く な る 傾 向 を 認 め た。

4 )  CD34+/CD41+ 細胞 は多くの巨核球系コ ロニーの形成を認め、巨核球系前駆細胞であ    る こ と を 確 認 し た 。 CD34‑/CD41+ 細胞 は1 個 の巨 核球 を維 持す るか 、非 常に 小 さな    コロニー形成を認め、成熟巨核球系細胞と確認した。

     皿考案

   巨 核 球 系 前 駆 細 胞 へ の 分 化 増 幅 に は TPO 、 11‑3 、SCF 存在 下で 6 日 問培 養が 最 も効 率 の よ い 条 件 で あ る こ と を 確 認 し た 。 ま た 11‑3 お よび SCF は純 化CD34 陽 性細 胞 から 巨 核 球系 前駆 細胞 への 分化 誘導 に主 に作 用し 、TPO の主 な作 用点 は巨 核球 系前駆細胞 か ら 成 熟 巨 核 球 (CD34‑/CD41+ 細 胞 ) へ の 分 化 増 殖 で あ る こ と を 示 し た 。     IV 審査の概要

   口 頭発 表に 際し 、吉 木教 授よ り、 巨核 球系 細胞 の分化段階におけるc‑kit やc‑mpl な ど の 造 血 因 子 レ セ プ タ ー や TPO の mRNA の 発 現 、 分 化誘 導さ れた 巨核 球に 血小 板 放出 像 が認められない理由、臨床応用する際の移植する巨核球 系細胞の分化段階ついて、小 池 教 授か ら、 現在 進行 して いる TPO の 巨核 球系 細胞 にお ける 細胞 内情 報伝 達の内容、

お よ びTPO を 臨床 使用 する 際の 対 象疾 患に つい て、 上出 教授 より 、ス ト口 ーマ細胞が 無 い 状態 で分 化誘 導さ れた巨核球の機能や性状、m vitro で増幅された巨核球系前駆細 胞 (CD34+/CD41+ 細 胞 ) と 骨 髄 中 に 存 在 す る 巨 核 球 系 前 駆 細 胞 (CD34+/CD41+ 細 胞)

と の CD34 発現 強度 の比 較( 移植 した 際の 骨髄 への ホーミングの問題)について質疑お よ び指摘があった。これらに対して、学位申請者は、概ね適切な回答をした。本研究は、

ヒ ト の 造 血 幹 細 胞 か ら 巨核 球系 細胞 への 分化 増殖 にお ける TPO 、 IL‑3 、SCF の 作 用機

序 を明らかにするとともに、将来の治療であるin vitro 増 幅された造血幹細胞による移

植 の 一 環 と し て 、 巨 核 球系 前駆 細胞 (CD34+/CD41+ 細胞 )を 最も 効率 良く 増幅 さ せる

条 件を示したものであり、申請者が博士(医学)の学位を 受けるのに十分な資格を有す

る ものと判定した。

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