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審 査 論 文 要 旨(日本文) 論文提出者氏名: 小宮貴子 審査論文

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審 査 論 文 要 旨(日本文)

論文提出者氏名: 小宮貴子 審査論文

題 名:Anatomy of the superficial layer of superficial fascia around the nipple-areola

complex乳輪乳頭周囲における乳房浅在筋膜浅層の組織解剖学的検討

著 者:Takako Komiya, Norihito Ito, Ryutaro Imai, Masahiro Itoh, Munekazu Naito, Jun Matsubyashi, Hajime Matsumura

掲載誌:Aesthetic Plastic Surgeryin press, 2015 Feb 18. Epub ahead of print

【目的】傍乳輪切開は乳房手術において瘢痕が小さく有効な切開線である。しかしこの瘢痕は時に幅 が広がり肥厚性瘢痕になることもある。乳房マウント手術ではその予防として浅在筋膜(SFS)利用の有 効性が報告されているが、乳輪乳頭(NAC)周囲の SFS の詳細な解剖を検討した報告は我々が渉猟し得た 限りでは述べられていない。今回我々は NAC 周囲における SFS の解剖学的位置と組織学的構造の検討 を行った。

【方法】解剖学的位置の検討のため、30-75 歳 平均年齢 30.75 歳の女性 20 名に乳房超音波検査を施行 し、最も厚く存在した SFS の幅、乳頭中心からの SFS 最厚点の距離を求めた。組織学的構造検討のた め、80~97 歳 平均年齢 80.97 歳の女性解剖検体 10 例を検討した。5 右乳房は乳頭中心に左右方向 10mm、

20mm、上下方向 15mm、45mm の矢状断で各 12 切片を作成、9 左乳房は乳頭中心に 15mm 四方の冠状断で 各 1 切片を作成した。切片を H&E、および EVG 染色し光学顕微鏡にて検鏡した。

【結果】超音波検査乳房矢状断では、乳房皮膚に沿って走行し NAC 下で飜転する皮膚直下の高輝度エ コー帯を認めた。その飜転部は最も厚く存在し平均値は 3.09±1.71mm であった。乳頭と高輝度エコー 帯最厚点の距離の平均値は 10.14±3.10mm であった。解剖検体の組織学的検査、矢状断でその帯は平 滑筋を含む膠原線維と弾性線維を主成分とし、皮膚と脂肪織に連続していた。飜転部においては神経・

血管・乳管がそれらの線維に介入しており組織が厚く認められた。冠状断で線維帯は円~楕円形の形 状を形成していた。

【考察】NAC 下で最も厚く存在する浅在筋膜浅層飜転部は力学的支点になること考えられ、傍乳輪切開 の乳房手術において瘢痕幅の広がりや肥厚性瘢痕を予防する縫合点になりうる。我々の詳細な解剖学 的研究が乳輪閉創時の指標となり、より目立ちにくい切開部位でより目立ちにくい瘢痕となる縫合方 法の基礎的な理解となり、体質上特に瘢痕が目立ちやすいアジア人における乳房手術は飛躍的に改善 すると考えられる。この知見は傍乳輪切開を利用する乳房固定術、挙上術、縮小術、乳輪移植術、乳 腺摘出術の際に臨床応用可能であり、術前に超音波検査で飜転部をマーキングし浅在筋膜浅層を利用 した縫合を行うことで良好な整容性が得られると考えられる。

東 京 医 科 大 学

参照

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