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審 査 論 文 要 旨(日本文) 論文提出者氏名: 山本 夕香 審査論文 題 名:

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審 査 論 文 要 旨(日本文)

論文提出者氏名: 山本 夕香 審査論文

題 名:Dynamics and function of CXCR4 in formation of the granule cell layer during hippocampal development

(海馬顆粒細胞層形成過程におけるCXCR4の動態と機能)

著 者:Yuka Mimura-Yamamoto, Hiroshi Shinohara, Taichi Kashiwagi, Toru Sato, Seiji Shioda, Tatsunori Seki

掲載誌:Scientific Reports (in press, 2017)

(審査論文要旨:日本語論文の場合1,000字以内・英語論文の場合500 words

【背景と目的】

一般にニューロンの新生は、胎生期に起こり生後には起こらない。しかし、海馬歯状回の顆 粒細胞層では、GFAP陽性顆粒細胞前駆細胞 (granule cell progenitors, GCP)によって、顆粒 細胞が一生の間新生され続けている。この生後に起こるニューロン新生は海馬の学習・記憶 や神経疾患に関係することが報告されている。一生続くニューロン新生のメカニズムを理解 するためには、ニューロン新生機構を胎生期〜成体期まで包括的に解析することが必要であ る。本研究では、胎生期に焦点を当て、GCP による顆粒細胞層形成過程を解析している。胎 生期の海馬形成初期には、GCP は脳室層から脳表面側に移動し、そこからさらに歯状回原基 に移動する。最近の研究から、この過程は歯状回周囲の細胞が分泌するCXCL12によって調 節されていることが示唆されている。また、in situハイブリダイゼーションの結果から、そ の受容体の CXCR4 は移動中の GCP に発現することが示されている。本研究では、GCP おけるCXCR4分子の動態とCXCL12/CXCR4シグナルの機能について解析した。

【対象および方法】

GFAPを発現しているGCPを可視化するためにGfap-GFPマウスを用いた。CXCR4の検出 では、非リン酸化型CXCR4を認識する抗体UMB2を用いた。すべてのCXCR4(リン酸化 型と非リン酸化型)を検出するためには、切片を脱リン酸化酵素で処理した後にUBM2抗体 を用いた。さらにCXCL12 / CXCR4シグナル伝達の役割を明らかにするために、Gfap-GFP マウスの脳室内にCXCR4アンタゴニストのAMD3100を投与した。

【結果】

CXCR4は、GCPの移動開始部位の海馬脳室層では細胞膜上に発現していた。一方、移動中及

び到着部位である歯状回では、CXCR4GCP細胞内の核周囲部や突起基部に顆粒状に凝集し ていた。CXCR4を発現する凝集体の約半数は、中心体、ゴルジ体、リソソームに局在してい た。細胞膜上にはリン酸型と脱リン酸化型のCXCR4が局在し、細胞内の凝集体には主に脱リ ン酸化型の CXCR4 が存在していた。CXCR4 アンタゴニストの AMD3100 により CXCL12 /CXCR4シグナルを阻害したところ、CXCR4発現は細胞内の凝集体から消失し、細胞膜上に

総てのCXCR4発現が見られた。またAMD3100処置により、GCPに早熟な分化や移動の遅延

が起こり、歯状回の周囲部には、異所性のGCPが観察された。

【結論・考察】

これらの結果から、CXCR4の動態に関しては、GCPが脳室側から歯状回側に移動する過程で、

細胞膜上のCXCR4は、歯状回周辺部から分泌されるCXCL12によってリン酸化され、細胞内 の中心体、ゴルジ体、リソソームに細胞内移動し脱リン酸化されることが示唆された。また

CXCR4の機能に関しては、CXCR4GCPの分化、移動、最終的な到着位置を調節すること

が考えられる。

東 京 医 科 大 学

参照

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