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バレーボールの学習指導に関する研究 : 中学生女子を対象とした課題ゲームで展開する守備中心と攻撃中心の学習過程の比較

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(1)      学イ立論文 バレーボールの学習指導に関する研究 一中学生女子を対象とした課題ゲームで展開 する守備中心と攻撃中心の学習過程の比較一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教科・領域教育専攻 生活・健康系コース.   学籍番号  M92761J.   氏  名  津 田 和 也.

(2) 目次. ページ. 第1章緒言   ・・……・・……・……一・・……一・. 1. 第H章方法   ………………一…….._.._... 7.  第1節 学習課題の設定と課題ゲームの考案  ・………・・. 7.     1.学習課題の設定  一…一……… …… ……. 7.     2.設定した課題を達成するために考案した課題ゲーム. 9.     (1)課題ゲームに導入した条件の               基本的な考え方について …・. 9.     (2)P過程に設定した課題ゲーム ……… …・・. 17.     (3)K過程に設定した課題ゲーム …………・・. 19.  第2節 授業計画 ・・……………一… …・・”●”●’●●. 20.  第3節 学習成果の測定方法 ・・…・…・・・・・… …・…・・. 25. 第m章 結果ならびに考察  ……・・…・……・・……・・. 30.  第1節 守備を中心に展開する学習過程と,攻撃を       中心に展開する学習過程の学習成果の比較 …・. 30.     1.技能面について 一・・…’. .9.●”●●◎● .’.●●. 30.     (1)個人技能(パス技能)の伸び …・・…一・・∵. 30.     (2)ゲーム様相の変化について ・・…・…一一’ . 35.     (3)技能の伸びに関する自覚(上達感) … …・・. 48.     2.情意的側面について … …… …一…・・… 一. 54.     (1)生徒の授業に対する印象 …………・・・…. 54.                _i一.

(3)     (2)チームのまとまり具合 ・・・… …・ ○’”●.◎‘. 56.     (3)バレーボールに対する愛好的態度の変容  …. 60.     (4)バレーボールの特性認知 ・・・・・… ……・…. 62.     (5)生徒の授業に対する好意的態度の変容について. 64.  第2節 両過程の学習成果の相違の総合的考察 …… …・. 69.     1.学習成果の相違に影響を及ぼした要因について. 69.     2.P過程においてスパイクによる3段攻撃の       出現回数が単元後半に顕著に増加した       要因について ・・…一… ●・’”.”●.”.”●”. 71.     3.性差の要因の影響について …一………・…. 74.  第3節 先人の研究との比較考察 ・・…・・… …・・一・・…. 77.     1.守備中心のプログラムについて ………一…. 77.     2.攻撃中心のプログラムについて 一・・・・・… …・. 78.  第4節 考案した課題ゲームの妥当性について ・…・… 一. 85. 第IV章 本研究の結果から設定された.          バレーボールの学習過程試案 一……一. B6. 三V章 要約 ・…一…………・・……・…一…… …・. 101. 第VI章 今後の課題 …・…一・… ●”●●噂●   .” ..’. 107.     注…一…・・……・一・・・・…一・・……・…. 108.     文献  … ……・・……一… …・一… …・一…. 109.     謝辞. 一ii一.

(4) (図表一覧). ページ. 図1−1.ゲーム人数を4人とした場合の攻撃,      及び守備のフォーメーション例 ・一……一…・・. 14. 図1−2.課題ゲームに採用したコートの模式図 … ……・. 15. 図1−3(a).P過程に設定した個人技能練習の内容 …・. 23. 図1−3(b).K過程に設定した個人技能練習の内容 …・. 24. 図2−1.スキルテストの単元経過に伴う変化  ・……・…. 32. 図2−2.技能レベル別にみたスキルテストの                単元経過に伴う変化 …・. 34. 図2−3.1サーブあたりの平均ラリー数とサイド内         での平均四球数の単元経過に伴う変化 ・・一. 36. 図2−4.ラリー数とサイド内での平均触球数の           回数別頻度の単元経過に伴う変化 一・・. 37. 図2−5.3段攻撃の出現回数の単元経過に伴う変化 ・・…・. 39. 図2−6(a)。パスソシオグラムの単元経過に伴う変化                  (P過程1年生) …・. 42. 図2−6(b).パスソシオグラムの単元経過に伴う変化                  (K過程1年生) 一・・幽. 43. 図2−6(c).パスソシオグラムの単元経過に伴う変化                  (P過程2年生) 一・・. _iii一. 44.

(5) 図2−6(d).パスソシオグラムの単元経過に伴う変化                 (K過程2年生) 一・・. 45. 図2−7.各スキルの使用率の単元経過に伴う変化 … 一…. 47. 図2−8.個人的技能と集団的技能に関する上達感 ・・・・・…. 49. 図2−9.状況判断力についての上達感 ・・… ……… 一一. 51. 図2−10.授業の印象(楽しかったか) ・…・… …・・…・・. 55. 図2−11.授業の好意的印象「楽しかったか」の.                単元経過に伴う変化 …・. 55. 図2−12.チームのまとまり具合の変化 … ………・…・・. 58. 図2−13.「教え合い」の単元経過に伴う変化 ・・………・. 58. 図2−14.バレーボールに対する好嫌の変容 …・…… 一・・. 61. 図2−15.バレーボールの特性(楽しさ)認知の変容… …一. 63. 図4−1.サイド内での回数別触球界頻度の変化 …・・…一. 79. 図4−2.1サーブあたりの平均ラリー数と             サイド内での平均触球数 ・…・・. 81. 図4−3. 「バレーボールの特性(楽しさ)認知調査」.                  (単元終了時) ・…. 82. 図4−4. 各スキルの使用率の単元経過に伴う変化 ……・. 84. 図5−1. 「技能の伸び」と「工夫発見」の好意的回答比率.      の単元経過に伴う変化(P過程) …… ……・・. _iv一. 86.

(6) 図5−2. 「技能の伸び」と「工夫発見」の好意的回答比率.      の単元経過に伴う変化(K過程) 一…………. 86. 表1−1.守備を中心に展開する学習過程(P過程)と      攻撃を中心に展開する学習過程(K過程)に      設定した課題ゲームの課題 …・…・一…一・…・. 8. 表1−2.両過程に設定した4つの課題ゲームのルール,      施設・用具の条件 …・・… …………・…・・一. 10. 表1−3(a).P過程の単元計画 ……………・……. 21. 表1−3(b).K過程の単元計画 ・…・・…・一……一・・. 22. 表1−4.ゲーム分析の対象としたゲーム数                ならびに対戦相手 … …・・. 26. 表1−5.ゲーム分析の視点 ………一一…・…・…・・一. 26. 表1−6.毎授業後に実施した改変          「よい体育授業への到達度調査」一・・一一. 29. 表2−1.単元前・中・後におけるスキルテストの                 過程別学年平均値 ・…一. 31. 表2−2.鐘ヶ江らの態度測定による授業診断の結果 ・・…・. 65. 表2−3.小林の態度測定による授業診断の結果 ………・. 67. V.

(7) 表3−1.生徒が希望するバレーボールの               授業で身につけたい技能 ・…. 72. 表4−1.1ゲーム当たりのスパイク打数 ・・…・……・…. 79. 表5−1.P過程に設定した課題と生徒の反応の対応関係 ・・. 88. 表5−2.K過程に設定した課題と生徒の反応の対応関係 ・・. 89. 表6−1(a) .本研究の結果から試案された守備中心の  4つの課題ゲームのルール,施設・用具  の条件 ・一…・… 一・・・・・・・・・・… 一一…. 98. 表6−1(b) .本研究の結果から試案された攻撃中心の  4つの課題ゲームのルール,施設・用具  の条件 ・・…・…・…・… …・…・…..... 一vi一. 99.

(8) 第1章 緒 言.  バレーボールは,1895年にモルガン(W.G.Morgan)によって,安全性. が高く,適度な運動量で限られた狭い施設の中で多くの者が楽しむこと ができ,性・年齢に応じて行えるように意図的に考案されたスポーツで ある.これらの特性が,大衆の欲求に合致していたことから広く普及し,. わが国においても,幅広い年齢層の多くの人達に親しまれている(小鹿 野・早堀mpp.18−19)..  また,攻防入り乱れ型のボールゲームとは異なり,相手に妨害されず に作戦が遂行できるという楽しさ(意図的な攻撃を含むラリーの応酬) を味わうごとができると考えられる。.  学校体育においても1926(大正15)年以来採用され(小鹿野・栃堀ユ1> pp.31−32),現在も中学校1年生からの教材として位置づけられている ユ4>..  さらに,著者は,体育で培う力の1つといえる「状況判断能力」の育 成にも適していると考えている..  また,多くの生徒達がバレーボールという競技をやってみたいと思っ ており(豊田ユ6)p.33),中学生女子においては94%の学校が3年間実施 している節)..  しかし,中学生期における学習指導において,必ずしも全員を上手に し,バレーボールを好きにさせることに成功していないように思われる. すなわち,豊田(豊田ユ6}p.34)は,高校生を対象に調査を行い,24%の. 生徒が「見るのは好きだが自分が積極的にやるのはあまり好まない」と 答え,75%の生徒が「うまくできない」, 「難しい」をその理由にあげ ている.さらに,指導者にとっては,パスとサーブ・レシーブの指導,.               一1一.

(9) およびチームとしての連係プレーをどのように展開させていくかが難し いとされている.すなわち,バレーボールの基礎技術の習得が大きな問 題点であると同時に,基礎技術をチームプレーとしてどのように展開し ていくかについての困難性を指摘している..  これは,バスケットボールやハンドボール等とは異なって,ボールを 保持することなく瞬間にボールを操作(ボレー)しなくてはならないと いうバレーボールの特性が影響しているものと考えられる..  このことが,多様な水準(動機づけ・技能)にある生徒を対象とし,. 時間的な制約を有する授業において,従来の指導法では,生徒全員を上 手にし,バレーボールを好きにさせることができなかった要因と考えら れる..  したがって,これまでにも種々の指導法3>’15>’ユ9)’2L 23>’24>が検討. され, 「初心者に対して何から導入し,どういう過程を経て指導すべき か」という点に関して,次のような主張や報告がみられる..  すなわち,豊田と古沢24)は,中学1年生女子を対象に,ボール遊び から組手・片手パスへと導入し,パスラリーが続くことを中心に展開す る方法と,オーバーハンドパスから導入する方法を13時間の実験授業で 比較検討している.その結果,前者の方がラリーの続く楽しさを味わわ せることができ,しかもパス技能に向上のみられたことから,初心者に はアンダーハンドパスからの指導で,まずパスラリーの続く楽しさを味 わわせることが有効であると主張している..  一方,中村3>は,トス・スパイクを含みながらラリーが続くところに バレーボール固有の面白さがあるとし,初心者においてもトス・スパイ. クのコンビネーションプレーを中核技術として学習させる指導法が有効 であるとしている..                一2一.

(10)  さらに,高橋らユ9>は,豊田らと中村の提唱する基本的な考えを生か. した単元計画を作成し,パスラリーが続くことを中心に展開する指導法 と,攻撃のコンビネーションプレーを中核技術として学習させる指導法. について,中学1年生男子を対象に,21時間の比較実験授業を試みてい る.その結果,後者の方が,ゲーム様相,態度得点,バレーボールに対 する愛好的態度などの点から優位性が認められたとしている。.  しかし,二つの指導法は,学習形態と単元計画に位置づけたゲームの 量を意図的に変えて検討されている.すなわち,攻撃のコンビネーショ ンプレーを中核技術として学習させる指導法は,ゲーム量が少なく,生 徒の自主的な課題練習の時間を多くしている.一方,パスラリーが続く ことを中心に展開する指導法は,ゲームを多く位置づけ,グループ学習 ではあるが,積極的な教師の介入が行われている.さらに,パスラリー が続くことを中心に展開する指導法のゲーム様相は,コート内における つなぎ合いが少なく,早めに相手コートにボールを返球する傾向がみら れている..  このことは,ファーストレシーブがセッターに上手くパスされてこそ 多様な攻撃ができる基本であることの認識を育てることなく授業が展開 されたことをうかがわせる.すなわち,バレーボールにおける「守備」. についての教材解釈の甘さ,あるいは守備中心のゲームの意図が生徒に 自覚されていないことが推察される.したがって,高橋らの結果には,. これら二つの要因の影響も無視できず,初心者に対する技術指導の系統 として攻撃を中心とする方が有効であると結論するには,若干問題が認 められる..  また,等々力23)は,高校1年生男子を対象に,守備を中心とするA グループと攻撃を中心とするBグループを設定し,20時間の授業を展開                一3一.

(11) し,ゲーム分析からみた技能の伸びやゲームの質的発展,さらに生徒の. 意欲の面から,攻撃中心の指導の優位性を指摘している.しかし,守備 中心のAグループのゲーム様相は,早めに相手コートにボールを返す傾 向がみられていることから,高橋らの実験と同様の問題点が推察される. また,中学生期にバレーボールを経験した高校生を対象としていること. から,守備中心の授業を進めることは,バレーボールの攻撃面での特性 にも触れたいという学習者の意欲を抑制したことも推定され,両者を直 接比較するには,若干問題があると考えられる..  一方,武隈ら2Pは,パスラリー中心のゲーム型とスパイク中心のゲ ーム型の2つのプログラムを作成し,中学2年生女子を対象に,12時間 の比較実験授業を試み,攻撃を中心とした場合,動機づけ水準が低下し, 学習成果のあがらない「危険性」の内包されていることを報告している..  また,ゲームを通しての「全押型」で授業を展開したスパイク中心の ゲーム型にお’いて,ラリー数が増加しなかったこと,授業毎に測定され. た「課題達成度」の変動帯が大きいことから,設定された学習内容の難 易度が,生徒の力量に応じたものになっていなかったことが予想される. さらに,スパイク中心のゲーム型の「学習意欲」,「授業の満足度」は,. 単元後半に向上傾向を示していることから,授業時数を増加すれば,結 果に相違の生じる可能性も予想される..  以上みてきたように,高橋ら,等々力,武隈らの研究には,プログラ ムの統制,教材解釈,ゲーム条件,指導時間数等に若干問題がみられ, 「守備」を中心とする指導と「攻撃」を中心とする指導のいずれが初心. 者において有効であるかについては,さらに検討する必要があると考え られる..  また,攻撃を優位とする報告は男子を,守備を優位とする報告は女子                一4一.

(12) を対象としており,このような結果の相違には,性の要因も無視できな いと考えられる..  著者は,初心者の女子にもスパイクを含む攻撃のコンビネーションを 中核に指導を展開する方が,よりバレーボールの特性に触れた楽しさを 味わわせることができるのではないかと考えている..  ところで,技術習得の練習方法としては,運動技術をひとまとまりと して練習していく全習法と,それらを構成している部分要素を段階的に 練習していく分習法,さらにこれらの2つを組み合わせた「分習一等習」 などの種々の方法がみられるユ2>..  ボール運動のゲームでは,個々の基本技術が複雑に組み合わされて展 開するため,分習によって基本技術をある程度身につけたうえでゲーム へと移行していく「分子一全習型」の学習が従来採用される場合が多か ったように思われる.この「分習一全轡型」は,競技選手養成を目的と して,動機づけ水準の高い者を対象に時間的にも制約されない条件では, 経験的に有効性が認められている22>..  しかし,初心者を対象とする場合,また,時間的な制約のある授業に おいては,個々に取り出し学習した個人技能を集団技能やゲーム全体と の関連で把握させにくいため,学習に見通しが持てず意欲的に展開され にくい欠点がある..  一方,ゲームを通しての全習型の学習は,刻々と変化するボール・相 手・味方といった情報を処理し,的確に行動するための「状況判断能力」 を身につけさせるとともに,動機づけ水準の低い者にもゲームを楽しみ ながら,個人技能をゲーム全体との関連を把握させながら生きて働く技 能として身につけさせることができると考えられる.この学習法は,近 年体育の目標が「手段論」から「内容論」へと転換したことからも比較                一5一.

(13) 的多くみられるようになってきた26>.しかし,学習内容が不明確にな りやすい弱点があり,課題が明確で生徒の力量に応じた課題ゲームを考 案し,この点を克服する必要性のあることも指摘されている7L2。)..  そこで本研究では,パスラリーが続く守備を中心に展開する授業とス パイクによる3段攻撃を中心に展開する授業を,著者が考案した生徒の 力量に応じた課題ゲームを中核とする学習過程で21時間行い,技能,ゲ ーム様相,バレーボールに対する好イメージ,ならびに授業に対する態 度等の変容を比較検討した.すなわち,初心者に攻撃と守備のいずれを 中心に指導するのが有効であるかを明らかにすることを目的とした..  なお,本研究では,対象を中学生女子とし,先人の研究結果と比較す ることによって,攻撃を中心とする場合と守備を中心とする場合の成果 に,性の要因が影響しているかについても検討できるようにした.. 一6一.

(14) 第三章 方法. 第1節 学習課題の設定と課題ゲームの考案.  1.学習課題の設定  表1−1は,守備を中心に展開する学習過程(以下,P過程と略す) と,攻撃を中心に展開する学習過程(以下,K過程と略す)に設定し た学習課題をまとめたものである..  両過程ともに,チームメイトとの関連で発揮される技術を課題の主軸 とし,守備や攻撃のコンビネーションとして段階的に高めていけるよう に設定した..  P過程は,ファーストレシーブに視点を置き,コートはゴールであり, 全員がゴールキーパーであることを認識させて,ボールを自陣に落とさ ないように相手コートに返球する守備のコンビネーションを中心課題と した.また,この中心課題は, 「ノータッチでボールを落とさないよう に工夫をしよう」, 「2本目のボールは誰が取るのか」, 「ラストボー. ルはどこからどのように返球すると返しやすいか」,「カバーリングの. 工夫をしよう」の4つの課題に細分した.さらに,単元の最後には, 「チャンスがあれば攻撃しよう」という課題を付加し,スパイクを打ち たいという生徒の欲求を極度に制限しないよう配慮した..  一方,K過程では,ラストボールに視点を置き,相手コートはゴール であることを認識させて,ゴールにボールを落とすための攻撃のコンビ ネーションを中心課題とした.また,この中心課題は, 「どの位置から どんなボールを返球することが有効か」, 「どの位置からの,どんなト. スがスパイクしゃすいか」,「どんな隊形が攻撃につなげやすいか」, 「いろいろな攻撃を工夫してみよう」, 「レシーブが乱れた際の攻撃を.               一7一.

(15) 表1−1.守備を中心に展開する学習過程(P過程)と攻撃を中心に展開する      学習過程(K過程)に設定した課題ゲームの課題. P 過. 程. K 過. 程. 中心課題:「いかにしてボールを落とさないようにして相手コートに返球      するか」.    ・「ノータッチでボールを落とさない工夫をしよう」    ・「2本目のボールは誰が取るのか」    ・「ラストボールはどこからどのように返球すると返しやすいか」    ・「カバーリングの工夫をしよう」    』・「チャンスがあれば攻撃しよう』 中心課題:「相手]一トにいかにしてボールを落とすか」.    ・「どの位置からどのようにポールを返球をすることが有効か」    ・「どの位置からのどんなトスがスパイクしゃすいか」    ・rどんな隊形が攻撃につなげやすいか」    ・rいろいろな攻撃を工夫してみよう』    ・「レシーブが乱れた際の攻撃を工夫しよう」. 8.

(16) 工夫しよう」という,5っの課題に細分した.. 2.設定した課題を達成するために考案した「課題ゲーム」 (1) 「課題ゲーム」に導入した条件の基本的な考え方について.  表1−2は,P・K両過程に考案・設定した4つの「課題ゲーム」に おけるルール,施設・用具の条件を示したものである..  バレーボールのパス,スパイク,レシーブなど個々の技術は,全てボ ールを止めないではじき返さなければならない.これらの技術の連続的 な組み合わせによってゲームを行うことは,初心者には困難で,味方同 志のボールのつなぎ合いや,ラリーが続きにくい傾向がみられる.その 要因としては,飛来してくるボールをはじき返す「ボレー」という技術 の未熟さに加え,飛来してくるボールを誰がプレーするのか,さらにチ ームメイトとの関連で技能をどのように発揮するか(集団的技能)とい う課題の困難性が考えられる..  そこで,バレーボールの技能が未熟な生徒にも,個人的技術課題をや さしくすることによって集団的技術課題を達成しやすくし,コート内で のつなぎ合いのあるゲームを行うことができるようにゲーム条件を工夫 した..  すなわち,以下に述べる条件を取り入れることによって,集団的技術 に関する課題を明確にするとともに課題を達成しやすくし,攻め方,守 り方について創意工夫して学習できるようにした。. ①「キャッチ」の導入  ボレー技術の未熟な初心者にとっては,コート内で意図的にボールを つなぎ合うことは容易なことではない.さらに,ミスが直接失点に結び.               一9一.

(17) 表1−2.両過程に設定した4つの課題ゲームのルール,施設・用具の条件 〈K過程〉. 〈P過程〉 調ゲーム.1. 匠]一 o ●. ●. キャッチ&バス. 国一i:磯i 一i磯1. 一[iヨ. アンダーハンドサーブでモルガンノトル採用 必ず3回で返球すること アンダーハンドバスによるボレー(スパイク は不可). ●. ●. オ」ノ{一ハンドス日一による投げ入れサーブ.. 3回以内のキャッチスロー. ・片手で返球 《スロー). すること キャッチ&スb一は3秒以内 ■. キャッチ&パスは3秒以内 。 ノータッチは3点 ●. 課題』. Qーム2. 匝} .■. o ●. キャッチaパス. 一匝コ. キヤ Oチ&パス. アンダーハンドサーブでモルガンルール採用 必ず3回で返球すること オーバーまたはアンダーハンドバスによるボ レー.(スパイク不可). ●. ●. ,. ●. o. → .キャッチ&パス. +[蓮ヨ. オーバーハンドスローによる投げ入れサーブ 必ず3回で返球すること ラストボールはスパイク. キャッチ&パスは3秒以内. キャシチ&バスは2秒以内. ・ノ汁タッチは2点 踊ゲーム3. 匝ヨー匝ヨー匹ヨ.. キャッチ&パス. アンダーハンドサ」ブでモルガンルール採用 コート外のボールはキャッチ&パス可 。 スパイク不可 3回つないで返球し,相手がミスすれば2点. キヤツチトス. 一[蓮ヨ. アンダーハンドサーブでモルガンルール採用 必ず3回で返球すること ・ キャッチ&パス, キャッチトスは2秒以内 スパイクによる得点は3点. ●. ■. o. ●. ●. →. ●. 1回または2回の返球は1点 課題.. Qーム4. 匠]一[亙ヨー[亙].. .[亙ヨー キャッチトス. アンダーハンドサーブでモルガンルール採用 ・ 3回以内の返球 ゴート外のボールはキャッチ可. ●. ●. . o . .. ●. 一[丞ヨ. アンダーハンドサーブでモルガンルール採用. 必ず3画で返球すること キャッチトスは1秒以内 (ボレー可). ・ スパイク可 ネット. 両サイドの高さを190と220㎝にし, 斜めに張った ●. 両サイドの高さを170と200㎝にし,斜めに張った. 5.5m×14mのコート(4コ」卜). ・. P0分間の時間制. 共通した. ・ ラリーポイント制 ローテーション制(コート外の者も含めて行い同時にメンバーチェンジも行う) 身長の高い者(コート中央のネットから直立して手を伸ばしたときに白帯に手が届く者)1 でネット上のポールをスパイクまたはブロックしてはいけない キャッチ時は,ボールを持って移動してはいけない 4号球とミニソフトバレーボールを併用(交互に使用→チームで選択→4号球) ・ タッチネット, ドリブル, ホールディング基準の緩和 ●. ルール. ●. は,制隈区域内. ■. ●. キャッチ&ス自一:ボールキャッチ後,投げてパスまたは,返球する キャッチ&バス :.ボールキャッチ後,一度頭上に自分でボールをあげ,オーバーハンドパスを行う キャッチトス. :オーバーハンドパスのフォームでボールをキャッチし,そのまま送り出すホールディングパス モルガンルール : サーブが相手コートに届かなかった場合,チ「ム内の者が1度ボ」ルに触れて相手コートに返球し.         てもよいことにした. 一10一.

(18) つくことから,つなぎ合いの途中で失敗することを恐れ,1回で返球し 合う場面が多くみられる4)..  これでは,バレーボールで本来学習されるべきと考えられる集団的技 術に関する学習課題は明確にならない.。.  そこで,ボレー技術の未熟な初心者にとっても集団的技術に関する課 題が明確になり,ボールを支配したつなぎ合いができ,意図的に展開す るゲームができるように「キャッチ」を導入した..  武隈22>は,ラリーが続くように学習の場の条件をやさしくすること の必要性を述べているが, 「ボールを静止させることは許されないであ ろう」と「キャッチ」の導入を否定している..  「キャッチ」導入に対する抵抗は,ゲームの流れが中断し,スピーデ ィな展開とならない点と,瞬時にボールを操作するという要素(ボレー) がなければバレーボールではないと考えられているためであろう..  しかし,著者は,ボールを捉える時間を制限し,著しくバレーボール の特性を崩さないよう配慮すれば,ゲームの楽しさは損なわれず, 「キ ャッチ」導入は,2つの理由から有効であると考えている..  ひとつは,「キャッチ」と「ボレー」に共通の技術が存在する点にあ. る.すなわち,ボールをつかむ動作は,ボールを捉えるまでの過程が 「ボレー」に等しく,ボールの落下位置や飛来してくる角度,速度等を 的確に把握し,自らの体をボールに対して移動させなければならない.. さらに,キャッチ後,ボールを自分で放りあげてオーバーハンドパスを 行う条件や,オーバーハンドパスのフォームでキャッチする条件を取り 入れることによって,「キャッチ」から「ボレー」へと段階的に発展さ せて,パス技能を身につけさせることができる..  2つめは,前述したように設定した集団的技術課題が明確になること               一11一.

(19) にある.初心者は,正確にボールをはじき返すというボールコントロー ルだけでなく,敵と味方の状況を把握し,「誰がとるべきか」,「どこ にあげるべきか」などといった状況判断能力についても未熟であると考 えられるが, 「キャッチ」をゲームに取り入れることによって,意図的 なゲームが比較的容易に行われると考えられることである.. ② ゲーム人数.  モルガンが考案した当初のルールは,多くの人が楽しむという精神か ら,場所の都合によって何人でプレーしてもよかったユ3)..  日本におけるバレーボールのゲーム人数も,移入されてきた当時の16. 人制から,12人制,9人制,さらに6人制へと変化してきた(小鹿野・ 栃堀ユDpp.22−25)..  現在,わが国で最も普及しているのは,国際ルールで統一された6人 制であるが,アジアで発展したローテーションのない9人制も広く普及 している.また,近年4人制のソフトバレーボール2s>や,2人制のビ ーチバレーボールなども普及しつつある..  このように,ゲーム人数は,歴史的にみても変遷しており,技能レベ ルや楽しみ方によって様々に変えていくことができるもので,学習指導 の際にも,目的に応じたゲーム人数にすることが大切である..  すなわち,生徒に何を学ばせたいかによって選択すべきであるととも に,ルールは変えることができるものであることを教える必要があると 考えられる..  すなわち,初心者には,状況判断をする際の人的な状況要素を少なく し,動き方がわかりやすく,攻め方や守り方についての作戦が立てやす い少ない人数でゲームを行うことが効果的と考えられる..               一12一.

(20)  バレーボールの集団スポーツである特性を崩さないためには,1チー. ム2人以上が要求される.しかし,2人であれば,連続的にボールに直 接関わった動きが要求され,むしろ高度な技術と素早い動きが必要とな. る.さらに,6人制バレーボールで発揮できる動きや集団的技術が制約 され,攻め方や守り方の工夫について限界が生じ,発展性が低いように 思われる..  また,ゲーム人数を3人としても,攻撃を組み立てようとした場合, 後衛でレシーブを行う者のどちらかが前衛ヘパスを出し,ラストボール. を2人のどちらかが,前衛まで移動してプレーしなければならない.し たがって,3入でも,状況に応じた高度な動きが要求される.また,防 御に対する準備に時問的余裕がなくなる..  これらのことから,バレーボールの動きや集団的技術(フォーメーシ ョン)の発揮が制約されることのないゲーム人数の最小単位は,4人と 考えられた..  図1−1は,4入明で可能なコート内でのボールのつなぎ方と各プレ ーヤーの動きを図解したものである..  図示したように4人であれば,6人制で行われるレフト側,又はライ ト側のどちらか一方の基本的な攻防が可能である.すなわち,ブロック やレシーブ,フェイントカバーといった守備に関する工夫や,センター. 攻撃と流しトスを絡めた攻撃の工夫ができ,6人制バレーボールで発揮 される動きや技術は全て遂行できると考えられた..  さらに,ゲーム人数を少なくすることで,6人制に比して,一人当た りの触球数が増加し,ゲームへの参加意識も高まり,ゲームを通して個 人技能が身につけられると考えられた.. 一13一.

(21) ゼ’噛. 4つ. サrの   F   ’. 託r’一一^、. ラ   、. @ 〆訪  ノ ’. 攻 撃. σ  1    曳. の フ. も. オ. O. 璽. メ 」. 乏’需 馬. ,そ’一一「 ’. ホrあ. ま,一騨 、. ソ. ノ. f. ヨ. ノ ㌦. ン. ノ ’. =. ○. ’. ∼.  ノ @’. 例. お.  ◎        ◎        ◎   ↓\       〆↓\       ゼ!↓.   O        O        O.      ↑ ↑  ↑ 舟   守.  ↑←O O一→ゼO O一ゆ↑塞  o→・グ       k ←o フ          凡Oノヲ   O→       ←O. オ.                       l.  ◎        ◎       ・◎   メ   ↓\        /↓’\        〆↓   1.                       シ   O                     ヨ O\ ノ代 O ナ0    0つ《!. }↑ oノ     ノ        託 @↑0・→ も一〇.     〆  O_ク  一→  プレーヤーの動き   一一一一 ボールの動き(パス・トス).   ◎→ 相手の攻撃 図1−1.ゲーム人数を4人とした場合の政撃,及び守備のフォーメーション例.          一14一.

(22) 〈i一一一一一一一 14m 一〉 のロロコの コロコ. 脚 鵬 ■ ・ ● ● ● 騎   0 9 ● 薗 ● ● ● ●. ● 膨 ● o 膠 ・ ■ ■ o ● ● 口 ■ ● o. L.、. ● o o ・ 口 ■ 働 , ● ・ 輌 …      ●. 5.5mi. ….    コ    1正. …. ↓il.  / ^//. …. …. …. …. il. …. …. …. …. …. 8 9 6 輌 ■ 噴 . 冒 ● 祠 o ■ 馴 鱒 ・ ・. ■ ■ ■ o 層 ■ ● 鱒. ● o 層 ● g o ● .. 0 9 ■ ■ ■ ■ 卿 畠 ● o 駒 , 一 囎 o.    o. ←6m一→ 一. 、. 一、.  /〆. イー. 図1−2.課題ゲームに採用したコートの模式図 注)斜線部は,長身の者(ネット下コート中央で直立して手を伸ばし,白帯に   手が届く者)がスパイクやブロックを行うことを禁止した制限区域を示す. 15一.

(23) ③コートとネット高の条件  図1−2は,採用した場の条件を示したものである.  コ{トの広さは,4人でも返球されてきたボールに対応できるよう, 6人制のコートより狭い5.5×14mとした..  横幅が縦に比べ5.5mとやや短いのは,8チームが同時にゲームを行う ことができるよう,正規のコートに2面のコートが設定できるようにし たためである..  ネットは,身長の個人差に対応するため斜めに張り,さらに長身の者 がネットの低い側でスパイク及びブロックのできない(制限区域の設定) ようにした..  なお,ネット高は,P過程では,1.9∼2.2mとし,極度に強いボール が返球されないように,K過程では,1.7∼2.Omとし,誰もがスパイク を打てるように配慮した.. ④サーブ(モルガンルールと投げ入れサーブの導入)  中学1年生女子初心者のサーブ成功率は,50∼60%であることが報告 されている24).これは,初心者にとって相手コートにサーブを入れるこ とも容易な技術とはいえないことを意味し,まずラリーが続くためには, サーブに対しても手だての必要であることを示唆している..  著者の経験的知見ではあるが,ネットまで届かないことが初心者のサ ーブミスの大半を占めている..  そこで,サーブが相手コートに届かなかった時には,味方が一度触れ. て助けてもよいことにした.これは,バレーボール考案当時のルール (小鹿野・栃堀1DPP.21)を採用したもので, 「モルガンルール」と名 付けた..               一16一.

(24)  ネットに近い位置からサーブを打たせる方法もあるが, 「モルガンル. ール」を採用することによって,サーブ時においても味方ボールを意識 し,ボールをつなぐ機会も増え,状況に応じた返球能力を向上させると ともに仲間意識を高めることもできると考えられた.さらに,サーブを エンドラインから思い切り打ちたいという技能の高い者の欲求を充足し,. 苦手な者もサーブ技術の向上を飛んだ距離から自覚できる利点もあると 考えられた..  また,K過程の課題ゲーム1・2では,オーバーハンドスローでの投 げ入れサーブを取り入れた.これは,オーバーハンドスローはスパイク と基本的な動きにおいて共通すると考え採用した.. ⑤ミニソフトバレーボールの併用  バレーボールの学習において,ボールに対する恐怖感や痛みを訴える 者は少なくない(事前調査圧P)..  そこで,痛みや恐怖感がやわらぎ,誰もが積極的にボールに向かって いけるようミニソフトバレーボールを併用した.. (2)P過程に設定した課題ゲーム  「課題ゲーム1」は,ファーストレシーブを「ボレー」,セカンドレ シーブのトスを「キャッチ&パス」,ラストボールを「ボレー」とし,. 必ず2二つないで3回目で相手コートに返球することを条件どした.な お,ファーストレシーブは,豊田ら24)が提唱するアンダーハンドパスを. 採用した.セカンドレシーブにキャッチを取り入れることによって,フ ァーストレシーブがあがればボールがつながり,ノータッチをなくすた. めの守備隊形や,各々の守備範囲,2本目をどこへあげ,誰が取るかな               一17一.

(25) どチームメイトとの関係で発揮される集団的技術課題が明確になり,達. 成しやすくなると考えた・また,通常のミスに?いては1点・しかし相 手コートから飛来してきたボールを誰も触れることなくコートに落とし た場合.(ノータッチ)は3点とし,技術の未熟な生徒も,ミスを恐れず. ボールに積極的に向かっていけるようにした.さらに,2本目は,ボー ルを’. ツかんだ後に頭上にトスし,オーバーハンドパスを行う「キャッチ. &パス」とし,オーバーハンドパス技術を習得させようとした..  「課題ゲーム2」では,より確実に返球するという回避に対し,意図 的にボールをつなぎ,ネットに近い位置からコントロールしゃすいオー バーハンドパスによる返球ができるようにボレーに制限を加えなかった  「課題ゲーム3」では, 「カバー」が必要とされる3回のボレーを用 いたゲームへと発展させた.但し,処理の困難なコート外に出たボール. については課題ゲーム1で採用した「キャッチ&パス」の使用を認めた しかし,意図的ではないが3回つながない内に相手コートにボールが返 ってしまうことが度々みられたので,3回以内の返球と変更し,コート 内でつないで3回目で返球したボールを相手が返球できなかった場合に は,得点を2点与えることにした..  以上のように「ゲーム1」から「ゲーム3」までは,スパイクによる 攻撃を制限し,守備に関するコンビネーションに課題意識を持たせた..  「課題ゲーム4」においては,返球方法を制限せず,これまでに高め た守備のコンビネーションを生かしながらチャンスにはスパイクにつな. げるようにした.なお,コート外に出たボールについては課題ゲーム3 と同様「キャッチ&パス」を認め,ボールがつなぎやすくなるようにし た.. 一18一.

(26) (3)K過程に設定した課題ゲーム  、「課題ゲーム1」では,3回以内の「キャッチ&スロー」による「キ ャッチボールゲーム」を設定した.すなわち,ネットの近くで高い位置 から相手コートに強いボールを投げ入れることが攻撃法として有効であ. ることに気づかせ,スパイクによる3段攻撃をいかにして組み立ててい くかについて課題意識を持たせた..  「課題ゲーム2」では,ファーストレシーブとトスに「キャッチ&パ ス」を取り入れ,ラストボールはスパイクで返球することを条件とした. すなわち, 「どの位置からのどんなトスがスパイクしゃすいか」, 「攻. 撃につなげやすい隊形」についての課題が明確になり,達成しやすくな るように配慮した.しかし,相手からのスパイクはキャッチできること からラリーが続きやすく,連続して意図的にボールをつなぎ合ってスパ イクによる打ち合いのあるゲームを行うことができ,状況判断能力も高 めることができると考えた.また,「キャッチ&パス」によって,オー バーハンドパス技術も同時に習得させようとした..  「課題ゲーム3」では,オーバーハンドパスの形でボールをキャッチ. し,ホールディングトスを行う「キャッチトス」を取り入れ,ボレー (オーバーハンド)によるトスへとつなげるようにした..  「課題ゲーム4」では,ファーストレシーブをボレーとした.また,. これまでに高めた集団的技能を生かして,レシーブが乱れた際の攻撃 (2段トスからの攻撃)についての課題が明確になるようにした.. 一19一.

(27) 第2節 授業計画 1.授業実施校  広島県佐伯町立佐伯中学校. 2。対象学年・学級,ならびに人数  バレーボールの授業を経験していない中学1年生女子2クうス計74名, ならびに2年生女子2クラス計88名の生徒を対象とした..  パスラリーが続く守備を中心に学習を展開するクラス(P過程)とス パイクによる3段攻撃を中心に学習を展開するクラス(K過程)をそれ ぞれの学年にユクラスずつ設定した..  なお,それぞれのクラスは,単元前の記録(スキルテスト・バレーボ ールの好嫌等)を基に,グループ内異質でグループ聞等質となるように,. 1年生については6∼7人で6グループに,2年生については 5∼6 人で8グループに編成した.. 3.指導者  いずれのクラスも,高校・大学においてバレーボール部に所属してい た一人の男性教師(経験年数10年)が指導した.. 4.授業期間.  平成5年5月∼7月 21時間授業 5.学習過程.  表1−3(a),(b)は,P・K両過程の単元計画を示したもので ある..  P・K両過程とも,考案した課題ゲームを中核に位置づけ,いずれも チームを基にした小集団学習で,課題解決的な学習形態を採用した..  なお,授業の始めの10分間は,準備運動を兼ねて図1−3(a), (b)に示した個人技の練習を行わせた..               一20一.

(28) 表1−3(a).P過程の単元壼卜画                               (分)5   10   15   20   25   30   35   40   45   5. 峯元の展開. 鷺 1. @2. 学習の目標,方法の説明     冒 Oルーピング・個入技能練習オリエンテーション. イメージづくりvm. 一 一 } 一 「 一 −  一. 技術オリコニンテーション. 3. はじめのゲーム. 4. 1羅諜畿. 5 6 7. 10 中間のゲーム. 12 13 14 15 16 17. Xキルテスト. はじめのゲーム. 作戦・練習・課題ゲーム1. 説明. 11. 作戦。練習・課題ゲーム2. 作戦。練習・課題ゲーム3. 説明。練習. 蟹よう. 説明. おわりのゲーム. 19. なかのゲームとスキルテスト. 作戦・練習・課題ゲーム4. まとめ. 反省 ワまとめ. 説明・練習. Xキルテスト. 20. ]価 ワとめ. 準備と個技練2. 準備と個技練3. 18.. 反省. VTRやゲーム記録を見ての反省(はじめのゲームとの比較) 学習三三の反省. 中間の反省. ●チャンス. 準備・練習. 塵備と三三繍. ら喜お画論:鍵返しやすいか. 8 9 あ畏窺おで力’←. 21. 説明. おわりのゲームとスキルテスト. VTRやゲーム記録を見ての評価    バレーボールに関する調査 ※スキルテスト,バレーボールに関する調査は,単元前に実施した. ゲーム1. 〈アンダーハンドサーブ∼ボレー∼キャッチ&パス∼ボレー〉  (アンダーノ、ンドパス,スパイク不可,). ゲーム2. 〈アンタ」ハンドサーブ∼ボレー∼キャッチ&パス∼ボレー〉  (オーバー。アンダーハンドバス,スパイク不可). ゲーム3. 〈アンダ」ハンドサーブ∼ ボレー∼ボレー∼ ボレー〉  (スパイク不可,コート外キャッチ可). ゲーム4. 〈アン外ハンドサーブ ∼ ボレー ∼ ボレー ∼ ボレー〉  (コート外キャッチ可). 個人技能練習内容. 1:①アンダースロー∼アンダーハンドキャッチ→②アンダースロー∼アンダーハンドパス∼オーバーハンドキャッチ  → ③対人バウンドアンダーハンドパス →⑥対人パスまたは⑦ランニングバス(1時間毎交互に行う). 2:②→④アンダーハンドスローvオーバーハンドバス∼オーバーハンドキャッチ→⑤アンダーハンドサーブ∼ア   ンダーハンドレシーブ(6∼9m) 一⑥対人パスまたは⑦ランニングバス(1時間毎交互に行う). 3:⑧アンダーハンドスロー∼ジャンプキャッチ→⑨スナップ∼オーバーハンドキャッチ→.⑤アンダーハンドサー   ブ∼アンダーハンドレシーブ(6’vgm) →⑥射人パスまたは⑦ランニングバス(1時間毎交互に行う). 一21一.

(29) 表1−3一(b).K過程の単元計画 5 1・152・253・354。45(分)5          _L__⊥___. 単元の展開 1. オリエンテーション. 2 3 4 5 6 7. 技術オリエンテーション. はじめのゲ7ム 有効な攻摯を考えよう. U撃緊緊な. ・どの. 学習の目標,方法の説明,留意事項. イメーゾづくりWR. グルーピング・準備・個技練習オリエンテーション. 説  明. 準備運動練習. はじめのゲーム1. 樹人技能練習1. 作戦・練習  課題ゲーム1. 、. gス. 個人技能練習2. 作戦・練習。課題ゲーム2. ... C撚奪な攻撃を嵌. 8. 個人技能練習3. @と. 説明. 作戦・練習・課題ゲーム3. 9 作戦・練習・課題ゲーム4. 10 ゴ1. なかのゲームと. 12 @ スキルテスト 13 中間の反省 14 15 嵯凌翼四境際の 16 17 18 おわりのゲームと 19. 20 2,. ]価. 樗乳. 個人技能練習4 説明・練習. なかのゲームとスキルテスト. VTRやゲーム記録を見ての反省(はじめのゲームとの此較) 学習態度の反省. 説明. 作戦。練習・課題ゲーム4. 反省. 個人技能練習4. @と 説明・練習. @  スキルテスト. まとめ. 反省. おわりのゲームとスキルテスト. ]価. VTRやゲーム三三を見ての反省    バレーボールに関する調査.                        ※スキルテスト.バレーボールに関する調査は,単元前に案施した ゲーム1〈オーバーハンドスローサーブ∼ 3回以内のキャッチ&スτ]一〉. ゲーム2〈オーバーハンドスローサーブ∼キャッチ&パス ∼キャッチ&パス ∼ スパイク〉 ゲーム3〈アンダーハンドサーブ∼ キャッチ&パス ∼キャッチトス ∼ スパイク〉 ゲーム4〈アンダーハンドサーブ ∼ ボレー ∼ キャッチトス∼ スパイク〉. 個汰技能練習内容  1:①キャッチボール →②スナップスロー∼ワンバウンドキャッチ →③片手ジャンプス[ト∼ワンバウンドキャ    ッチ →⑨三人バスまたは⑩ランニングパス(毎時交互に実施).  2:①→⑤アンダースロー∼ジャンプキャッチ→④スナヅプ∼ワンバウンドキャッチ→⑥アンダースロー∼    ジャンプスナップ∼ワンバウンドキャッチ 輔⑨対人バスまたは⑩ランニングパス(毎時交互に実施).  3:④→⑤→⑥→⑨対人パスまたは⑩ランニングパス侮時交互に実施)、  4:④→⑥→⑦アンダーハンドサーブんサーブレシーブ→⑧アンダース[]一vブロック→⑨対人パスま    たは⑩ランニングパス(毎時交野に実施). 一22一.

(30) ⑰ダ㌍= .アンダ_,、ンドキ痘ツチ. 9㍗ダブ’ンドサづ        フアンぞ一ハンドレシブ. , 一  一.       //   、、     \.         一一・ぐ’\.      豊.     //・ .\、.      ノ、.    フ ⑥三人パス. ③アンダース。一.. `アンダーハンドパス.        ∼オーバーハンドキ々ッチ. レ.       ’      rノ            、      ノ 一、  鴨.      ’            . /O・.     、 ’. ル. 、. 、 、. 、.         ,’一♪、、、. 、. t.        〆             、.       ノ         へ .      /    .  、\     ノ                      へ.               .、. ⑦ランニングパス ③対人バウンドアンダーハンドパス.  /、、   .0、  !       、   ’    、 ’           、 ’. ’.  !     、 、 ’      臨  ’         1.        ρP一 一 鞠L      、       ノ           、       ノ             . ・・σ(こ二9.     瞥      ,,. ④アンダースロー∼オーバーハンドパス.       .㌘突・セ轡・・チ. ⑧アンダース。一一.ジャンラキ。。チ            ,一庸渉.          !”         ノ!.        !.      〆〆 /∵巴渉こ、.. ぞ.       ■−!      ,!’.      〆. ⑨スナップ. .∼. オーバーハシドキヤツチ:   ノ へ.   !   、 .. 胤.  ’ ’ ’. く’ 、、’.                      =23一.

(31) ①病・チポ+ル.. ⑥.㍗ダースロ』 ∼ジ・ンプスナ》7   ∼、ワン’下ウンドキャッチ../λ襯     覧  ’』     亀1.                一、. @             /.                 、        二     .  .    一一「  一‘亀. I〆7?  .   一、. .              、亀. @            レ.                                                ’  .              !. @             τ 聾!.. ②ズナツプス叶・       んワンバウンドキ㍗チ. ⑦■.. Aンダーハンドサーブ. アン磐ハシド渉ブ. @     ∼. @        ’肝隔. @       !     、 @       ’     .、 掾@ /. 暫  .       .. @     、     ’ @  げ \        .、./’∵刷\  1. 、覧. /. @、・ ’ 、  ’.. @鴨. 穿.. 、. \1 ’. ⑱1片手ジ・γプスロー @      タ.ワンバウンドキ・・チ            ’  、            〆    、. ⑧.アン. Y湾スロー. ∼. ブロック.. 〆      、. 、                          .”. 6) ./. 、  、     ノ  \    ’.    ’. ]        ’1.. @            ク5 .\ ’ .. ◎ナ・ブーワンバウンドキ・・チ.. ⑨対大パス.   一. @ 、 C      、 @!     、. ,,一. Z、.                 ク a@             レ.. Q女./’   、. 、、 、.. @.、  .. @、 @ ■ 、   ’ A、  ’ A ’ .. ⑱アンダ「スロー∼. ジャンブキヤツチ、   ⑩ラン三ングパス. /1・..   ’ @ .’. `. @’. 図1−3..(b).        , 「 鴨 、. B・dど’㌔φ ol. .K過程た設定した1三木技能練習の内容.            心24一.

(32) 第3節 学習成果の測定方法  本研究では,以下に説明する「スキルテスト」, 「ゲーム分析」, 「バレーボールに関するアンケート調査」, 「態度測定法による授業診. 断」, 「生徒による授業評価」等によって,学習成果を評価した.すな. わち,個人,及び集団的技能,ならびに技能の伸びに対する自覚(上達 感),さらには生徒の授業に対する印象,バレーボールの愛好的態度, ならびに体育の授業に対する態度の変容を捉えた。. 1.スキルテスト.  単元前・中(11・12時間目)・終わり(18・19時間目)の3回,オー バーハンド及びアンダーハンドサークルパステストを実施した..  ①オーバーハンドサークルパステスト.   半径1mの円内でオーバーハンドパスでボールを1m以上あげる  連続直上パスを行わせ,回数を記録した..   なお,1m以上あがらなかったものは数えず,ボールをつかんだり,  両足が外に出た場合は試技を中止させた(片足がサークル内にあれば  よい)..   また,30回続けば試技を打ち切り,2回実施してその平均値を記録  とした.. ②アンダーハンドサークルパステスト  オーバーハンドサークルパステストと同様の方法で,アンダーハン ドパス連続回数を測定した.. 。25一.

(33) 表1−4.ゲーム分析の対象としたゲーム数ならびに対戦相手. P 過程 1年生 2年生 は じ. め. な. 3ゲーム. K 過程 1年生 2年生. 4ゲーム. 3ゲーム. 4ゲーム. 0一②③一④ 0一②③一④ 0一②③一④ 0一②③一④ ⑤一⑥. ⑤一⑥⑦一⑧. 6ゲーム 0一②.③一④. 0一②③一④ 0一②③一④ 0一②③一④. ⑤一⑤⑦一⑧ ⑤一⑤⑦一⑧. 8ゲーム. 6ゲーム. 8ゲーム. か. ⑤一⑤①一③ ⑤一⑥⑦一⑧ ⑤一⑥①一③ ⑤一⑤⑦一⑧ ②一⑤④一⑥ ①一③②一④ ②一⑤④一⑥ ①一③②一④ ⑤∠⑦⑥一⑧ ⑤一⑦⑥一⑧. お. 0一②③一④. 12ゲーム. わ り. ⑤一⑤①一③ ②一⑤④一⑥ ①一④②一⑥ ③一⑤①一⑥ ②一③④一⑤. 12ゲーム. 11ゲーム. 12ゲーム. 0一②⑤一④ 0一②③一④ 0一②③一④. ⑤一⑤⑦一⑧ ⑤一⑥①一③ ⑤一⑤⑦一⑧ ①一③②一④ ②一⑤④一⑥ ①一③②一④ ⑤一⑦ ①一④②一⑥ ⑤一⑦⑥一⑧ ①一⑧②一⑦ ③一⑤①一⑥ ①一⑧②一⑦ ③一⑥④一⑤ ②一③④一⑤ ③一⑥④一⑤. 注)各ゲームに同一相手の対戦(黒塗り)を設定し,コート内でのパスの  つなぎ合いの様相の変化を分析した(パスソシオグラム).  P過程2年生の②一⑥は,欠席により3名でのゲームとなったので,  分析の対象から除いた. 表1−4.ゲーム分析の視点 ①1サーブ当たりの.  平均ラリー数. サーブ1回につき,ボ7ルがネット越えて相手コートに 入球した回数.但し.サーブによる入球は除く..       (総ラリー数/サーブ成零端o. ②サイド内での. コート内で味方でボールをつないだ回数..   平均触球数.        (総触球数/総入球数). ③3段攻撃の出現数 グルーブノートに記述された作戦が成功(3回コート内.     、でボールをつなぎ)し,ラストボールをオーバーハンドパ      ス(バスアタック)またはスパイクによって返球した数..           (3段攻撃の出現回数/ゲーム数) ④パスソシオグラム. チームのコート内でパスが誰につながれたか,また返球 が成功したかを図示.. ⑤各スキルの使用率. ゲームで使用されたオーバーハンドパス,アンダーハン ドパス,スパイク,ブロックの使用率.    (オーバーハンドパス使用回数/総触球数)    (アンダーハンドパス使用回数/総触球数)    (スパイク使用回数/総触球数)    (ブロック使用回数/総触球数) 一26一.

(34) 2.ゲーム分析  単元の始め(3時問目)・中(11・12時間目)・終わり(18・19・20 時間目)に実施したゲームを斜め上方からビデオカメラで撮影し,ゲー. ム分析をした.なお,分析したゲーム数,及び対戦相手は,表1−4に 示した..  表1−5は,ゲーム分析の視点を示したものである.  分析の対象としたゲームにおけるルールは,4人制,ラリーポイント 制,ボレー3回以内,ローテーション制,ローテーション毎のメンバー. チェンジ,10分の時間制,とした.また,コートの広さは,7×14mと し,ネット高は,両過程に設定した課題ゲームの中間の高さ(1.8∼2.1. m)とし,斜めに張り,長身者に対するスパイク・ブロック制限区域を 設けた.. 3。バレーボールに関するアンケート調査  以下の項目に関するアンケート調査(巻末資料1(a), (b)参照) を単元前・後に実施した.なお,③④⑤については単元後のみ実施した..  ① 生徒のバレーボールに対する愛好的態度   バレーボールに対する好嫌を5段階選択法で回答をさせるとともに,  その理由を自由記述させた..  ②バレーボールの特性認知調査   バレーボールの授業で何に楽しさを感じているかを武隈21}の18項目  からなる「バレーボールの特性認知の調査法」を用いて把握した.  ③ 技能の伸びに対する自覚.   生徒の「主観的技能の伸び」を5段階選択法を用いて以下の項目に  ついて調査した..               一27一.

(35)  ・ 個人的技能の伸びに対する自覚  ・ 集団的技能の伸びに対する自覚  ・ ゲームにおける状況判断に対する自覚. ④授業の印象  授業が楽し炉つたかどうかについて5段階選択法を用いて回答させ るとともに,その理由を自由記述させた.. ⑤ チームのまとまり具合  チームのまとまり具合を5段階選択法を用いて回答させるとともに, その理由を自由記述させた.. 4.態度測定による体育の授業診断  小林9>,及び鐘ヶ江ら8>によって作成された二つの「態度測定法によ. る体育の授業診断」 (巻末資料2(a), (b)参照)を単元前・後に 実施した..  なお,2つの測定法を用いたのは,先行研究との比較のためである.. 5.毎授業後のアンケート調査  表1−6に示した高田・小林の「よい体育授業への到達度調査」を改 変1ωしたアンケート(以下,改変到達度調査と略す)を毎授業後に実施 した.. 一28一.

参照

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