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黒鉛への窒素およびアルゴンの吸着             (第2報)

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(1)

黒鉛への窒素およびアルゴンの吸着

      (第2報)

      熱処理の影響

三浦 和グ

Adsorption of Nitrogen and Argon on Graphite, 2

      1nfluence of Heat Treatment

Kazuhisa MIURA e

  The effect of heat treatment of the ozonized graphite on the physical adsorbability of N2 afid Ar was investigated by measuring the adsorption isotherm of both gases at 77K. The heat treatrnent unexpectedly gave no drastic change but a very small increment of monolayer capacity of both gases. However, the phe−

nomena found in the previous work, i.e., the appearance of the JE step, the occurrence of two almost l in−

ear BET plets for each N2 isotherm, and the disagreement between adsorption isotherm and desorption one,

hysteresis, were also recagnized in this case, which confirrned good reproducibility of these phenomena without distinction of the pretreatments. The causes of those phenomena and the features for the heat,一 treated graphite were further discussed herein.

1 緒  言

 著者は前報1)で、各種処理を施した天然黒鉛への液体窒 素温度における窒素およびアルゴンの吸着特性を調べた。

その結果、幾つかの事実が明らかになった。即ち、①両気 体の吸着等温線に相対圧X・0.4付近でステップ(以下JE ステップと略称する)が出現する事、②窒素のBETプ日 ットが低圧部と高圧部のこ本の直線から成る事、③両気体 の吸着と脱離の等温線が一致しない、いわゆるヒステリシ スの出現する事、の三つであったが、これらの問題は、さ らに多くの観測事実を待たなければ充分に解明できない性 質のものであった。本報では、その解明のために更にデー タを蓄積する目的で、前報で取り扱った黒鉛試料の内から、

オゾン処理を施した黒鉛を特に選び出し、このものを出発

試料として、これに真空加熱処理を施し、窒素およびアル ゴンの吸着特性の変化を調べた。オゾン処理黒鉛を用いた 理由は、上で触れた問題の現象を示す黒鉛試料の内でこの ものが最も高い表面酸化物濃度を持ち、その酸化物が真空 熱処理温度の上昇に伴い、熱分解し、従ってその濃度が徐 々に低下していくことにある。表面酸化物がこれらの気体 の吸着に及ぼす影響は、これらの試料の吸着等温線の熱処 理温度の高低による変化を調べればわかる。以下にその調

査結果を述べる。

2 実  験

☆一 ハ科目

 平成8年7月 25日受理

 真空熱処理試料は前報1)で用いたOZG25を出発試料と した。先ず、500℃まで100℃間隔でOZG25の逐次昇温脱 離を行い、発生した気体を凶報2)と同じ手順で分析した。

(2)

その後、真空を維持したままで室温まで冷却した。この熱 処理を経た黒鉛をOZG500とした。このものに対して77

[K]において窒素吸着とアルゴン吸着を行った。各吸着測

定終了後には、試料を2.OxlO 5Torr(1Torr=133.3 Pa)

に到達するまで真空引きして、 次の吸着測定に備えた。

 OZG500の測定がすべて完了した後、上に記した真空 度まで真空引きを行った後、更に100℃間隔で1000℃まで OZG500の昇温脱離を行った。 そして発生気体の分析を 前と同様に行い、 真空下で室温にまで冷却して、 これを OZG1000とした。このものに対しても、77[K]において 窒素およびアルゴンの吸着を試みたe

 また、この報告においては、比較のため行ったHYG25 へのクリプトン吸看のデータの一部も示している。HYG 25については前報1)で詳細に述べた。クリプトンは高千穂 化学KK製のパイレックス管入り高純度のものを用いた。

 圧力測定等の詳細についても既に前田1)で述べたので、

ここでは割愛する。

3 結  果

 Hg.1はOZG500への窒素の吸着・脱離等温線である。

縦軸は試料1[g]当たりの窒素吸着量を標準状態(0[℃],

1[atm])での休積に換算したもの、横軸は相対圧X(X・

平衡圧/飽和蒸気圧)である。この図には同等温線のBE Tプロットも示している。 この吸着等温線はBDDT分 類3〕のII型に属する。このものには前報で認めたのと同じ ような特徴が認められる。具体的には、X=0.4付近に現れ たJEステップ、吸着等温線と脱離等温線の不一致即ちヒ ステリシスの出現、BETプ日ットのX・O.2付近での折れ 曲がり等である。低圧域のBETプロットから計算した単 分子吸着量>mは1.79[cm3/g]であり、等温線から直接

B点法で求めた単分子吸着量VBは1.78[cm3/g](この ときX・0.0224)である。両者は前報1)の例で認めた様に 極めて良い一致をみている。 また、このときのC値は924 であり、 前口1)で扱ったOZG25のC値;1218よりも小さ

くなっている。 また、JEステップにB点法と同じ考え方

16

T9∈\﹀.罵£・稔 14@ 12   10

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 6

4

だ⊃OEく

2

BET ptot O.20

O.15

o.p

O.05

         o

O O,1 O.2 O.3 O.4

    x

⊆﹂Ψ︵×←︶﹀

×

﹂0

0

O.2 O.4 O.6 O.B

   Retative pressure, X

1.0

Fig.1 Adsorption−desorption isotherm of nitrogen    on OZG500 at 77K. e: adsorption, O: desorp−

   tion.

を適用して求めたJEステップ完成時の吸着量は1.91V・

(このときX=0.4200)である。

 Hg.2はOZG500へのアルゴンの吸着・脱離等温線であ る。この図にも同等温線のBETプロットを入れている。

この吸着等温線もIl型2)である。 X=0.4付近に見られる顕

著なJEステップを初め幾つかのステップと、窒素の場合 より低い圧力まで生じているヒステリシスは前報1)の例で 確認したのと同様のものである。このときのBETプ[]ッ

トは極めて直線性が良い。この事も前報1)で認めた特徴に 合致している。BETプ日ットから求めたC値は719であり、

OZG25場合のC =2785よりもはるかに小さくなっている。

Table 1 Surface content of Gas on ozonized Graphitek.

H20 co

 2 co H2 CH

 4 C2H6 OZG25

OZG500

OZGI OOO

O.4220 O.0240

O.4019 O.0761

o.oooo o.oooo

O.3312 O.2205

O.1241 O.1241

O.1146 O.0519

o.oooo o.oooo o.oooo

O.O156 O.OOO4 o.oooo

*) expressed in moiecuies/nm2 on the basis of the N2 一ElltFEI!llea

(3)

22

20

18

 16

    14  12

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﹂︿ ↑O 芒コOεく 10 @ 8  6

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X

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O.2 O.Z, O,6 O.8 1,0 Re[ative pressure, X

16

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5

0

Fig.2 Adsorption−desorption isotherm of argon on    OZG500 at 77K. e: adsorptjon, O:desorp−

   tねn.

ところで、この図から明らかな様に、吸着等温線のkneeが 極めてシャープなので、この場含もVmとVBは比較的よ

く=一一一致しており、前者は2.01[cm3/g]、後者は2.10[cm3/g]

(このときX・0.0600)である。アルゴンの場合、JEステ ップの完了は極めてはっきりと等温線に現れ、そのときの 吸着量は1.87VB(このときX・O.4200)と分かる。さら に、X・0.7付近のかすかなステップの吸着量は約3VBで

ある。

 次にOZG1000への窒素およびアルゴンの吸着・脱離等

温線をそれぞれFig.3およびFig.4に示す。ここに見られる 特徴も前報 )で認めたものと同じものである。 因みに、

窒素の低圧域でのBETプロットから求めたVmは1.85

[cm3/g]、 C値は774、 B点法によるVBは1.80[cm3/g]

(このときX二〇.0240)、 さらに、JEステップ完成時の

窒素吸着量は、1.93VB(このときX=0.4260)である。

また、アルゴンのBETプロットから:求めたVn1はZIO

[cm3/g]、 C値は553であり、 B点法によるVBは2.14

o o

      o

O O,1 O.2 O.3 O.4

    x

O.2 O.4 O.6 O.8

   Retati ve pressure, X

1.0

Fig.3 Adsorption−desorption isotherm of nitrogen    on OZGIOOO at 77K. e: adsorption, O: de−

   sorption.

[cm3/9](このときX=0.0496)、さらに、 JEステップ完

成時のアルゴン吸着量は2.OOVB(このときX=0.4480)

である。 OZGIOOOの場合も、 OZG500のときと同様に X・0.7付近に、ステップ完成時の吸着量が約3VBの、か すかなステップが出現している。

 ところで、前回1)でも認められたが、アルゴンは窒素よ りも遙かに敏感に表面の状態を等温線に表している様に思 われる。アルゴンの分子径が窒素よりも小さいこともその

主たる理由であろう。

 Table 1は真空熱処理即ち昇温脱離によって得られた気 体の量から計算した表面気体含有量(Surface content)で ある。著者の実験系においては熱処理温度を1000[℃]以上 に出来ない(石英試料管がこの温度以上にすると、黒鉛と 反応するのか否かは不明だが、ひび割れを起こす)ので、

一一栫A1000[℃]強熱処理を経た黒鉛の気休含有量をゼロと 仮定した。Table 1に示す様に、これ等6種類の気体含有 量がゼロでない事は、熱分解時にそれ等の気体を生成する ような化合物種が表面に存在する事を示す。この表から明 らかに、OZG25>OZG500>OZGIOOOの順に表面化合

(4)

22

20

18

 16  14  2  0  8  6

も・ε\﹀.℃Φn﹂︒・冨・<お彗︒εく

4

2

o o

BET plot

i

O.15

 ℃

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狽香^O,20.30.40     x

O.2 Q4 O.6 O.8 1.O

Relative pressure, X

Fig.4 Adsorption−desorption isotherm of argon on    OZGIOOO at 77K. e: adsorption, O: desorp−

   tion.

物濃度は減少している。即ち、表面化合物、言い換えれば、

炭素以外の元素の存在、に基ずいた不均一性はこの順で減

少している。

る。そして、前節で述べたように、ステップ完成時におけ る吸着量はやはり2VBに極めて近い。前述の様に、JE ステップ以外にも、X・0.7付近に約3VBの吸着量を示す かすかなステップが出現している。従って、著者はJEス テップは第2吸着層の完成に、X・0.7のステップは第3吸 着層の完成にそれぞれ対応していると考えている。

 次に、ヒステリシスについてである。 Fig.1〜Fig.4の

図から明らかな様に、脱離等温線が吸着等温線に帰着する 相対圧は窒素よりもアルゴンの方が小さく、前報りの結果 と一致している。ここで、特に面白いのは、ヒステリシス 終了の相対圧値は熱処理温度によっては全く変化しておら ず、それぞれの気体で一致しているという事である。ヒス テリシスの終了圧はその分子のサイズで決まり、後述する ような表面のroughnessには依らないと考えて良い。

4.1 表面roughnessへの効果

 熱処理温度の上昇に従って窒素およびアルゴンの単分子 吸着量VrnあるいはVBはFig.5に示す様に増加した。しか

2.2

2

0.

2

9

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8

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16

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3         一一一.A 3500

3000

2500   当

2000 g

  6 1500

1000

500

4 考  察

 本報においてはOZG25のデータを示していない。伺試 料に関するデータは既に前報りで挙げた。従って、ここで の議論はそれらを引用しながら行うこととする。

 上でも少し触れたが、前報1)において著者が認めた原因 のはっきりしない幾つかの現象の内で、本四で特に考察の 対象として取り上げなかったものについて、ここで簡単に

論じたい。

 まず、JEステップについてであるが、前va1)同様この ステップはアルゴン吸着における方がより顕著に現れてい

O 500 1000

  Degassing temperature/OC 

Fig.5 Variation in monolayer capacity and C−balue    with increasing temperature of pyrolysis.

   O: VB(Ar), e: Vm(Ar), [] :VB(N2), 一:Vm(N2),

   A: C−value (Ar), A: C−value (N2)

し、同時に両気体のC値は減少した。表面の不均一一性が吸 着に効果を及ぼすのは第1層目の吸着が完了するまでであ り、その意味でB点までの吸着が不均一性を反映している

といえる。VB、 V,。が両気体共増加しているのは表面化

合物が熱分解し、その結果、表面のroughnessが進行したた

(5)

めである。Fig.5によれば、特に500℃処理後が大きく増加 している。この温度までに熱分解し、脱離して行った表面 化合物、即ち、熱分解のときに水、二酸化炭素、一酸化炭 素、メタン、およびエタン4)を放出するような化合物種の

脱離が表面のroughnessを促進したためであると思われる5)。

このときの増加に比べて、 1000℃脱ガス後のVmおよび VBの増加は大きくない(Table 1)。

 一方、C値は第1層吸着熱の大きさに関係しており、こ れが処理温度上昇に伴って小さくなる事はやはり表面の極 性基である酸化物が熱分解し、吸着分子と黒鉛表面の相互

作用エネルギーが小さくなるためと考えられる(Table 1)。

 処理温度に比例して増加しているアルゴンのVm、VB に比べ、窒素のVBはある大きさに漸近して行〈様に見え る。ごれは、アルゴンの方が窒素よりも分子サイズが小さ

く、その分、窒素よりは表面の幾何学的な形状の変化を敏

感に反映するためだろう。Fig.5から明らかなように、 V,n

とVBとの差はアルゴンの方が窒素よりも大きい事が分か る。これは前報1)でも認められた事であった。従ってこの 種の黒鉛の場合には、窒素はB点法、BET法のどちらに よっても良好な結果を与える事が確認される。比表面積の 測定には窒素吸着データを用いるべきである。

 一方、アルゴン吸着のV rnとVBの間に比較的大きな違 いが在る事、しかも常にVB>Vmである事の理由は今の ところ不明である。今後の研究に待ちたい。

 >Bを達成する圧力よりも高い圧力領域の吸着は第2層 以上のものである。Fig.6には窒素の吸着等温線を基にして

でいた化合物が熱分解したためであろう。そして、この凹 凸の壁は次の1000℃の強熱処理で幾種類かの気体として脱 離して無くなってしまう。それらの気体は、Tab]e 1に挙 げた様に、6種類のものである。

 OZG1000の細孔分布曲線はOZG25のそれと殆ど一致

している。窒素吸着等温線(Fig.1, Fig.3)に示す様に全

圧力領域にわたってOZG1000の方が吸着量が多いが、こ れは明らかに四目圧吸着量の差が高圧域まで残っているた

めと考えられる。

4.2 熱処理試料に見られる共通性

 大局的に見れば、窒素、アルゴンの黒鉛への吸着におけ る熱処理の影響は、吸着等温線の形がどの試料もll型3〕で ある事、熱処理温度が上昇すれば、両気体の吸着量は少し 増加する事など、余り大きくないことが分かった。これら の吸着等温線を被覆率θ(θ=V/V,)の相対圧Xによる

変化として表現し直すとFig.7、 Fig.8のようになる。これ

8

7

6

TcP

?1 Ei

O.2

O.1

  o

   O 100 200 300

         pore diameter, d /A Fig.6 Pore size distribution of the samples.

   o: ozG2s, e:ozGsoo, e:ozGlooo.

Cranston−lnkley法で計算した細孔分布曲線を示す。100[A]

を越える直径を持つメソボアがOZG500の表面で少し増え ている。これは500℃までに熱分解した表面化合物の跡が凹 凸になっているためか、インク壺型の細孔の入り口を塞い

① 5

    4 δ09Φ>OU

3

8噂tコの

2

1

o

o o.2 o.4 o.6 e.s

 Retat(ye pressure, X

1.0

Fig.7 Reduced isotherms of nitrogen on heat−treated    samples. For comparison, the isotherms on G25    and HYG25 are also illustrated here.

   o: ozG2s, o: ozGsoo, e: ozGlooo, D: G2s,

   A: HYG25.

(6)

らはreduced isothermと言われるもである。窒素もアルゴ ンも、熱処理温度に依らずそれぞれ一本の等温線に収敏す る。熱処理黒鉛への各気休の被覆率θは表面の状態に依ら ず、ただ一つのXの関係式で表現できるのである。 この

8

7

6

5      ム﹁

 6㎝響Φ>Ou

Φ捲tコの 3

2

1

o o O.2 O.4 O.6 O.8

 Relative pressure, X

1.0

Fig.8 Reduced isotherm of argon on heated−treated    samples. For comparison, the isotherms on G25    and HYG25 are also illustrated here. The sym−

   bols are the same as used in Fig.7

事は、熱処理試料ごとに独特の活性サイトは存在しないと いう事を強く示唆する。雷い換えると、熱処理試料への両 気体の吸着が黒鉛表面の幾何学的凹凸とか表面酸化物濃度

(Table 1)に無関係であり、吸着の仕方はこれらのものに 依存しておらず、気体分子の衝突頻度だけに支配されてい

るのである。従って、熱処理試料黒鉛はエネルギー的に極 めて一様な物理吸着場を提供していると言わねばならない。

 また、窒素とアルゴンの両気体のreduced isothermの形 状の差違は気体自身の持つ特性に依ろう。 比較のために、

前回1〕で扱ったG25とHYG25のデータも示す。これら3 種類の黒鉛は前処理がかなり異なり、従って表面状態も相 当に異なっていると考えて良い。それぞれの黒鉛試料への それぞれの気休の吸着のメカニズムは当然異なるものと考 えられるが、非常に興味深い事に、窒素ではX・O.2、アル ゴンではX=0.3位までの第1層から第2層にかかる吸着領 域の等温線はすべて一致している。この辺りの吸着は表面 不均一性に影響されるはずの領域であるが、それにも拘わ

らずに一本にまとまっている。さらに、第2層以上の吸着 領域の同じ相対圧においては、不均一性の大きな順、即ち

G25>OZG25>HYG25の順とは逆のHYG25>OZG25

>G25の順で被覆率が小さくなっている事も非常に興味深

い。

4.3 BETプ日ットに現れる不連続点

 窒素のBET等温線が不連続点を持ち、X=0.2辺りで二

つに折れる現象については、 前報量)で著者の意見を述べ、

その原因解明には今後の研究に待つ所が大であるとした。

今回も、Fig.1〜FigAに示す通り前報1 )

ニ同様の結果を得 た。即ち、窒素吸着の場合にはX;0.2付近で直線は下に折 れ、アルゴンの場合には一本のストレートな直線が得られ

る。

 著者はその後、より分子径の大きなクりプトンを用いて HYG25への吸着を測定し、 Fig.9に示す吸着等温線お よびBETプロットを得た。やはり、X・O.2近傍で二つに 折れる二本の直線からなるが、このときには、高圧側の直 線は窒素のときと異なり傾きが急になる、即ち窒素のとき とは逆の上に折れる。同じ吸着媒1)に対して用いる吸着剤

14

 12

X〈10

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4

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2

BET piot

O.3

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O O.1      o

O.2 O.3 O.4

x

02 O.4 O.6 O.B

  Retative pressure, X

Fig.9 Adsorption isotherm of krypton on HYG25    at 77K. BET plot is also illustrated here.

1.0

(7)

の気体種によって、この様にBETプロット上の不連続点

の発現め有無がある。

 前述の様に、表面の不均〜性が吸着に影響を及ぼすのは 第1層形成までと考えられ、その意味でB点(VB)まで の吸着が不均一性を反映しているといえる。それより高い 圧力領域での吸着は第2層以上のものである。X・O.2の辺

りの吸着は後者に該当している。この辺りでは吸着分子同 士の相互作用がより強く等温線上に反映されるであろう。

 DrainとMorrison6・7)も窒素、酸素、アルゴンのルチル

(rutile)昏の低温吸着等温線が典型的なll型であるが、

そのBETプロットが二つの直線部分から成る事を既に見 い出している。そして、著者の場合と同じように、低圧部 の直線はB点を含み、VmとVBはよく一致すると報告し ている。 BETプロットが直線から外れると言う事自体は、

従来から言われている様にBET理論に用いられた仮定が 実際の系に合っていない事に起因するもので大して問題に しなくても良いというのが大方の見方かも知れない。しか し、同一の吸着剤に対して窒素ではdownwardに、アルゴン ではstraightに、クリプトンではupwardにBETプロット が折れ曲がる事実は、それら3種類の気体自身の物性に関 連した原因の存在を強く示唆していると著者は感じている。

文  献

1>三浦和久;津山工業高等専門学校紀要,第35号,p.9

  994>.

2)三浦和久;津山工業高等専門学校紀要、第33号,p.1

 (1993).

3) S.Brunauer, L.S.Deming, W.S.Demjng, E.Teller;

 J.Am.Chem.Soc., 62, 1723(1940).

4) K.Miura, T.Morimoto; Langmuir, 12, 807〈1994).

5) J.Koresh, A.So,ffer; J>Chem.Soc., Faraday Trans.1

 76, 2457(1980).

6) L.E.Drain, J.L.Morrison; Trans.Faraday Soc., 48,

 840(1952).

7) L.E.Drain, J.L.Morrison; Trans.Faraday Soc., 49,

 654(1953).

5 総  括

①熱処理温度が高くなると、窒素、アルゴン共単分子吸着  量V rn(あるいはVB)は大きくなり、500℃での脱ガス  後のそれらの増分は特に大きい。

②全圧力領域にわたって大局的に熱処理の影響を見てみる  と、吸着のメカニズムは殆ど影響を受けていない。気体  の衝突頻度が吸着を支配する最大の因子である。従って、

 上に述べたVmあるいはVBの増加は第1層吸着完成ま  での話である。熱処理試料の吸着量の増加は隔心圧吸着  量の増加と殆ど等しい事がその事を示唆している。

③前報i)で認めた、JEステップ、ヒステリシス、BET  プ日ットの二折れ現象はどの試料においても見られ、熱  処理によっては、それらに認められる特徴は殆ど変化を

 受けていない。

④BETプロットの二折れ現象については、窒素、アルゴ  ン、クリプトンの3種の気体の物性をよ〈比較検討して、

 第4の気体を適切に選んで、さらに同様の実験を繰り返  せぱ、何らかの知見が得られるであろう。今後の課題で

 ある。

⑤アルゴンの単分子吸着量のV,c、とVBの間には、常に

VB>V,1 iの関係が認められる。この理由は今の所不明で

 ある。

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