一酸化窒素(NO)および不活性ガス
吸入時の呼吸・循環反応
(研究課題番号
06454442)
平成67`年度
文部省科学研究費(一般研究B)
研究成果報告書
平成8年3月
研究代表者
土
肥
修
司
(岐阜大学医学部麻酔・蘇生学講座教授)
1995年度文部省科学研究費
はじめに
気道・肺にはirritantreceptors、StretChreceptors、J-reCePtOrSなどさまざまな刺激に
反応する受容体が存在し、かつ胸腔内大血管にも庄受容体が存在する0それらの受容体
からのインプットは自律神経系の介して呼吸・循環動態に影響を与える。麻酔ガスを含
めてさまざまなガスの吸入は気道・肺の受容体を直接刺激し、呼吸・循環に瞬時的な影
響する。最近臨床導入の始まった肺高血圧症や急性呼吸不全に対する一酸化窒素(nitric
。Ⅹid。NO)の吸入も、呼吸循環系の反射性反応に対して影響することが推測される0し
かしながら、この点に関する知見はなく、患者の安全性という見地から重要である0更
に日常生活でのタバコの主流煙の吸入などの影響も知られていない0
本研究課題は、
1)麻酔下の動物(イヌ)を用いて、重症な心・肺疾患を持つ患者の治療として吸入さ
れ始めたNO吸入(5、50ppm)の動脈庄受容体反射に及ぼす影響を、NOの5、50ppmの
2濃度で吸入しその圧受容体への影響を検討する。
2)タバコ主煙流の脳血管反応性をcranialwindow法を用いての生体内顕微鏡によって直
接観察し、タバコの吸入の脳血管反応への影響を検討する。
3)吸入経路である気道を麻酔の影響を観察するために、成人(研究に対する同意の得
られた)を対象として、上気道、気管、左右の気管支の麻酔(4%リドカインの噴霧)
によって、i,ritantreceptorsへの機械的な刺激、StretChreceptorsへの肺加圧刺激による
循環系の反応(心拍数増加・減少、血圧の上昇・低下)を戟察する0
4)更に局所麻酔薬そのものの圧受容体反射への影響を検討するため、局所麻酔薬プビ
バカイン、ロビバカインの全身投与が庄受容体反射にどう影響するかを、濃度依存性及
び呼吸性アシドーシス、アルカローシスの状態で検討する。
5)麻酔下の成人(研究に対して同意の得られた)では、自律神経機能に強く影響する
。2-アドレナリン受容体アゴニストであるクロニジンの存在が、α1アドレナリン受容体
ァゴニストであるフエニレフリンの血管(昇庄)反応、またβ1・アドレナリン受容体アゴ
ニストであるイソプロテレノールの心臓作用(心拍増加反応)にどのような影響を与え
るかを検討する。
を目的として施行した研究結果を報告するものである。