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研 究 論 文
窒素およびメタンをプ E j‑ブとする天然ゼオライ トの吸着特性
進 藤 隆世志, 猿 田 直 子,中 田 竜, 山 崎 達 也 , *北 林 茂 明,小 沢 泉太郎
CharaeteristiesofNaturalZeolitesusingNitrogenandMethaneasAdsorptionProbes TakayoshiSHINDO,NaokoSARUTA,RyuNAKATA,TatsuyaYAMAZAKI†
ShigeakiKITABAYASHIandSentaroOzAWA Abstract
Adsorptionisothermsofnitrogenandmethaneweremeasuredonnaturalclinoptiloliteand montmorillonite/mordenitezeolitesasadsorbents. IRspectraofmethaneadsorbedbythenatural zeoliteswerealsomeasured. Analysesofisothermsofnitrogenshowedthatsmallsurfacearea
(SBET;20‑26m2g1)andporevolume(V。 ;0.060‑0.062mlg1)aswellassmallmicroporosity(inter‑ nal surfacearea,STNT,I3‑4m2g1,microporevolume,V m l。,0;0.008‑0.011mlg1),whilethoseoflarger
values(SBET;112m2g1,Ⅴ 。 ;0.24m1g1,SINT;17m2g1,vm.。r。;0.048mlg1)formontmorillonite/mordenite
zeolite. Adsorptiondataofmethaneonclinoptilolitezeolitesandonmontmorillonite/mordenite zeolitewerenotfoundtoobeyaLangmuir‑typeadsorptionequationevenintherangeoflower pressures(p<200mmHg). Isostericheatsofadsorption(qst)ofmethaneonmontmorillonite/
mordenitezeolitewerelargerthanthoseonclinoptilolitezeolites. Thevaluesofqstdecreasedwith anincreaseintheamountofmethaneadsorbed,indicatingthatsurfacesofthenaturalzeolitesare nothomogeneousandadsorptionofmethaneislikelytoproceedonstrongeradsorptionsites. IR spectraofthelノ1,CH4,forthenaturalzeolites一methanesystem suggestedthatmethanemoleculesare adsorbedonstrongcationicsiteswhichcorrespondstoNaーandK+Sitesforclinoptilolitezeolites andtoCa2+andNa+sitesformontmorillonite/mordenitezeolite.
KeyWol・des:NaturalZeolite,AdsorptionProbe,Nitrogen,Methane,IR
1,緒 言
ゼオ ライ トはアル ミノケイ酸塩鉱物 の一群 であ り, その構造 はSiO。お よびA104の四面体 を基本 と し,三次元網 目状 に配 置す る結晶性 の多孔性物質 である。IMA (InternationalMin‑
eralogicalAssociation)によれ ば,天然 に産 出す るゼオ ライ ト鉱物 は現在約85種類であ り, それ らは10のグループに分類 さ れて いる1)。 日本で産 出す る天然 ゼオ ライ トはモルデナイ トと ク リノプチロライ トの二種類が最 も多 く, これ らの有効利用 に 関す る研究が行 われて きた。 す なわち, ガスの除湿乾燥2),無 機 ガスおよび低級炭化水素 ガスを対象 とす るガスクロマ トグラ
フィー用充填剤‑の応用3)〜6),坑 内ガスか らのメタンの濃縮 7)8), 窒素/酸素混合気体か らの酸素の濃縮9),汚水 ・排水か らのNH4+ およびアンモニア性窒素の除去10)ll)12),放射性同位元素137cs,90sr の分離13)14), ブテ ンの異性化反応, クメ ンの分解反応 への触媒 利用15)な ど広範囲 にわた って いる。 これ らは吸着剤,分離斉リ,
平成1
3年
1月
12日受付
秋 田大学工学資源学部 環境物質工学科
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秋 田市手形学園町1
‑1*石巻専修大学理工学部基礎理学科
〒986‑8580
DepartmentofMaterials‑processEngineerlngandAppliedChemlS‑ tryforEnvironments,FacultyofEngineerlngandResourceScience,
AkltaUniversity;1‑1Tegatagakuen‑cho,Akita‑shュ010‑8502Japan 千DepartmentofBasicSclenCeS,SchoolofScienceandEngineering,
IshinomakiSenshuUniversity
,1
ShlnmltO,Minamisakai,Ishino一 maki‑shュ986‑8580Japan触媒 と しての応用であるが, いずれ も基本的には天然 ゼオ ライ トの もつ吸着特性 を活用す るものである。 ゼオ ライ トの吸着作 用 は細孔径,表面電場,固体酸性質 の影響 を強 く受 けることが 知 られて いる16)。吸着 の研究方法 は種 々あ るが, ゼオ ライ トに 吸着 した分子 の赤外分光法 による研究 も近年盛ん に行 われてい る。 プロ‑ブ分子 と して はD2'7),N〜7)18),0217),C2H219),co220)も 使用 されてい るが,CH421)‑28)を用 いた例が多 く,吸着媒体 とし て はCaA21),NaX21)22),caÅ/NaX17)22),NaA17)〜26),M‑ZSM‑5 (M ‑ H,Li,Na,K,Rb,Cs)27)などが使用 されてい る。 これ らの研究結果 は, ゼオ ライ ト中の吸着分子 の吸着状態や吸着 サ イ ト近傍 の表面電場 に関す る基礎的な知見 を提供 している。 し か し,天然 ゼオ ライ ト‑のガス吸着 に関す る研究 は最近で も認 め られ る34)ちのの,赤外分光法 によ って研究 した例 は見 あた ら
な い。
本研究で は,数種類 の天然 ゼオ ライ トを試料 と して,細孔構 造 および細孔 内電場 の探査 プ ローブである窒素, メタンの吸着 を行 った。 これ らプ ローブ分子 の吸着等温線 および吸着 メタ ン の赤外吸収 スペク トルを解析 し,天然 ゼオ ライ トの細孔構造 お よび細孔 内の表面電場 に関す る物理化学的特性 を検討 した。
2.実 験 2.1試 料
試料 は4種類 の天然 ゼオ ライ トであ る。秋 田県二 ツ井産 ゼオ ライ ト (サ ン ・ゼオ ライ ト工業 (秩)) を試料A,秋 田県二 ツ 井産 ゼオ ライ ト (日本 ゼオ ライ ト (秩)) を試料B,秋 田県大
Table1 Chemicalanalysisandcationexchangecapacity (CEC)ofnaturalzeolites
A ち C D
Chemical analysis/%
Si
O 2
TiO2 A l2
03
F9203 CaO MgO Na20 K20CEC/meqg‑1
550ノ7つJ7つJ8tlLooo23′0
00ノ53013lqノ0つJ‑507
71217′‑U540ノ02101つJつJLU1
400/
つJ
∠UつJ2
9.1OL
o33′b1 075′D00OノtJ′01森八沢木産 ゼオ ライ ト (ソフ ト・シ リカ (秩)) を試料C, お よび秋 田県藤里産 ゼオ ライ ト (東北 ゼオ ライ ト工業 (秩)) 杏 試料 D と し, これ らを メノウ乳鉢 を用 いて粉砕 し粉体 と して 用 いた。試料 とともに提供 された成分分析値 および陽 イオ ン交 換容量 (CEC)をTablelに示す。
2.2分 析 2.2.1 XRD
試料 を空気 中473Kにおいて2h加熱処理 した後,粉末 Ⅹ 線 回折法 によ り,試料 に含 まれ るゼオ ライ ト種 の同定 を行 った。
装 置 には,理学電機 (秩)RAD‑CSystemを用 いた。線源 に はCuKα (30kV,20mA)を用 い, ステ ップ幅0.010, 走査 速 度0.1omin1のステ ップスキ ャンによ り測定 を行 った。
2.2.2 TG‑DTA
理学電機 (秩)TG8120を用 い,空気雰囲気 において昇温速 度10Kmin1の条件 で試料 の熱重量分析,示差熱分析 を行 った。
2.2.3 ガス吸着量測定
ガス吸着量測定 にはガ ラス製定圧型吸着量測定装置を用 いた。
試料 ゼオ ライ トは空気 中で473K,2h加熱 した後,装置中で773 K,1Ⅹ104mmHgにおいて2h加熱排気処理 を施 した。 窒素 の 吸着量測定 は,液体窒素温度 (77K)において,圧力10‑740 mmHgの範 囲で行 った。 また, メ タ ンの吸着量測定 は, メ タ
ノール ・アセ トン ・ドライアイス ・水 の混合液 を冷媒 とし193, 218, お よび238Kの それ ぞれ の温度 にお いて, 圧 力10‑700 mmHgの範 囲で行 った。 なお, ガス吸着量測定 にお けるデ ッ
ドスペースの測定 には,液体窒素温度 の トラップを通 して精製 したヘ リウムを用 いた。
2.2.4 1Rスペク トル
圧用 のセル27)に試料disk(直径13mm,重量20‑30mg)を装着 し, セル中で あ らか じめ573K,1Ⅹ10‑3mmHgにおいて加熱 排 気 した後,223K,所定 の メ タ ン圧力下 に試料 を保持 しなが ら 測定 を実施 した。測定 はBio‑RadFTS‑165FTIR装置を用 い, 分解能2cm1,積算 回数300で行 い, 気相 メ タ ンに関す るス ペ
素材物性学雑誌
ク トル補正 はIR装置附属 のデータ処理装置で行 った。
3.結 果 と考察
3.1試料ゼオライ ト中の鉱物
試料 ゼオ ライ トの粉末 Ⅹ 線回折図をFig.1に示す。試料A, B,Dに は2∂‑9.8,ll.3,13.2,15.0,16.9,17.5,19.2, 22.5,24.1,25.2,26.2,26.8,28.2,30.1,32.1お よび32.90 に回折線が認 め られ る。 これ らはク リノブテ ロライ トに特徴的 な特有 の ピークで ある28)‑30)ことか ら,試料A,B,Dは主 と し て ク リノプチ ロライ トを含 む と判断 され る。 しか し,試料A, B,Dに は20‑26.70付近 に比較 的鋭 い ピ‑ クが見 られ る こ
とか ら,α‑クオーツを不純物 として含む と考え られ る。 また, 2β‑28.50付近 に鋭 い ピークが認 め られ ることか ら,長石 が不 純物 と して含 まれて い る。 さ らに,2∂‑220付近 の ピー クに 肩が認 め られ, これ はα‑ク リス トバ ライ トに帰属 され る28)。 試料Cは28‑5.8,18.4,19.9お よび35.30にモ ンモ リロナイ トに帰属 され る回折線28)が, また,25.9,26.8,27.9, お よび
31.10にはモルデナイ トに特有 の回折線28)29)が観察 され る。 すな わち,試料 A,B,Dは主要 な鉱物 として ク リノブテ ロライ ト を,不純物 と してa一クオーツ,長石およびα‑ク リス トバ ラ
'm
2]^)!Suatu一5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
2β( CuKα)
/ oFigurei XRDpatternsofnaturalzeolites
● :C1inoptilolite,C :α‑Cristobalite,△ :Feldspar,
▽:
Mordenite, ▲ :Montmorillonite第
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進藤隆世志 ・猿 田直子 ・中田 竜 ・山崎達也 ・北林茂明 ・小沢泉太郎
Table2 CharacteristicsofnaturalzeolitesSample
SBET/
m2
g1 1
sEXT/m2g‑1S I
NT/m2g‑1 vp/mlg11 vmcro/mlg‑1A 25 21
B 20 17
C l12 95
D 26 23
4 0062 0.011
3 0.060 0.OO各
17 0.24 0048
3 0.062 0.011
イ トを含 む もので あ る。 また,試料Cはモルデナイ ト, モ ン モ リロナイ トおよびα‑ク リス トバ ライ トか らな っている。試 料Cの鉱物組成 は分析 していないが, イオ ン交換容量 の測定 値 に基づ いた分析 によればモルデナイ ト(38%), モ ンモ リロ ナイ ト(34%)および
α
‑ク リス トバ ライ トその他 (28%)と 報告35)されている。二 ツ井産 の天然 ゼオ ライ ト (試料A,Bに対応 す る) の電 子顕微鏡観察 によれば, ク リノブテ ロライ トは0.3pmxO.05
〟mオ ーダーの短冊状 の結 晶 と して存在 し,Ⅹ 線 回折按分法 によればその含有率 は72‑73.5%と分析 されて い る28)。 また, 火 山ガ ラスのよ うな非晶質 は11‑16%程度 しか含 まれない28)の で,二 ツ井産天然 ゼオ ライ トは比較的 ク リノブテ ロライ ト含有 率 の高 い天然 ゼオ ライ トとみなす ことがで きる。
3.2 TG‑DTA
Fig.2に試料A,Cの測定結果 を示 す。TG‑DTA曲線 の 特徴 は産地が同 じで も試料 の組成や地質的な熱変成 の影響 を受 ける と考 え られ るが,試料Aの示差熱 曲線 は二 ツ井産 の天然 ゼオ ライ トの特徴 的な挙動28)を示 してお り,熱的挙動 か らみて 試料Aは代表 的 な二 ツ井産 のゼオ ライ トと判断 され る。 す な わち,示差熱 曲線 には300℃ までの温度領域 において,敗着水 の脱水 ピークが認 め られ る。 は じめの吸熱 ピークは比較的弱 く 吸着 している大量 の脱水 に,その後の300℃付近 までの吸熱 ピー クは強 く吸着 している水 の脱水 に起因す ると考え られ る。 また, 試料Aは700‑800℃付近 に,試料Cは700℃付近 に小 さな発熱
5050505112
%JlLJ6leJVL%JlLlB!eNt
l F I l l l
lDTGTA1''' DTGTA
>TyJき〇一Llt20H
o0022 >TJINtOljltZOH
00202
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
Temperature/Oc
Figure2 TG‑DTA curvesofnaturalzeolites
ピークが存在す る。 これ らは試料 ゼオ ライ トの構造が崩壊す る ため と考 え られ る。 なお,試料B,Dの分析結果 は試料Aと 類似 であ った。 これ らの結果か ら, ゼオ ライ トの構造が破壊 さ れない と考 え られ る773Kに試料 の前処理温度 を設定 し,次 の 吸着実験 を行 った。
3.3 窒素の吸着
3.3.1窒素の吸着等温線
窒素 の吸着等温線 をFig.3に示す。 これ らの吸着等温線 の 形 はBDDTの分類 によるⅡ型 に相 当す る。窒素 の吸着等温線 を用 いて,BET式か ら算 出され る比表面積,相対圧p/p。‑1 に補外 した吸着量 か ら求 めた全細孔容積,i‑プ ロ ッ ト法 によ り 解析 した外部表面積 と内部表面積, さ らにD‑Rプ ロ ッ ト法 に よ り解析 した ミクロ孔容積 をTable2に示 す。 ク リノプチ ロ ライ トを主成分 とす る試料A,B,Dは全体 的 に類似 してい る が, モ ンモ リロナイ ト, モル デナイ トを主成分 とす る試料C は これ らとは異 な ってい る。 す なわ ち,試料Cの細孔容積 ,
ミクロ孔容積 は他 の試料 に比べて大 きい。 また,試料Cの比 表面積 は比較 的大 きいが,試料A,B,Dの値 は25m2g1程 度 と小 さい。本研究 の天然 ゼオ ライ トの比表面積 は,代表的な合 成 ゼオ ライ トに比べ明 らか に小 さいが,秋 田県二 ツ井産 の天然
L・6(JトS)l∈\uO!ldJOSPu
O
lun
O∈V 000000420864LIrr■‑rll 20040
2 0 040 20 0 40 20 0
I
SampleCl FI ll ll I
SampleD I
一一lー l l l
l
SampleB l l
‑‑「‑「一一「ーT L J
l
Samp一一lleAー l l l
0 02 0.4 0.6 0.8 1 Relativepressure
Figure3 Nitrogen adsorption isotherms for natural zeolites
ゼオ ライ トを含 む凝灰岩 か ら精製 した ク リノプチ ロ ライ トの 値2)(37m2g‑1)と同程度 であ った。比表面積 に占め る内部表面 積 の割合 は11‑16%であ り,窒素分子が はいることが出来 る内 部表面 は限 られている。 また, ミクロ孔容積 の割合 は13‑20%
であ り,窒素分子が吸着で きる ミクロ孔 の割合 は小 さ く,細孔 の80%程度 はメソ孔, マクロ孔か らなる。
3.3.2 脱水 によ り形成 される試料 の ミク ロ細孔
このよ うに,本研究 の天然 ゼオ ライ トは,窒素 をプ ローブと す る吸着特性か ら,比表面積が小 さ く, ミクロ細孔への窒素分 子 の進入 が阻害 された試料 と推察 され る。試料 のTG‑DTA分 析 を行 った結果,100℃以上 の温度 にお いて細孔 内に強 く吸着 した水 (一部 は結 晶水 を含 む) お よびOH基 か らの水 の脱離 が示 されたので, これにともない窒素 で は検 出されな
い
小 さな ミクロ孔 が形成 され る可能性 が考 え られ る。 試料AのTG曲 線 か ら773Kまでの重量減少量 は全重量減少量 の約90%で あ る ので,773Kにお ける加熱排気 によ って大部分 の水 は脱離す る と考 え られ る。 また, この温度で は結晶構造 は安定であること が知 られて いる。 したが って,窒素 吸着前 に773Kの温度で加 熱排気 された試料 は, ゼオ ライ トの構造 を保 ったまま水が ほぼ 脱離 した状態であ り,脱離 によ って生 じた空間か ら細孔が形成 され ると推定 され る。試料 の細孔が,加熱排気 にともな う水 の 脱離 によ ってのみ形成 され ると仮定すれば,脱水量 か ら細孔容 積 を見積 もることがで きる。773Kにおいて全量 の90%が脱水 された試料Aにつ いて は,恒湿試料基準 の脱水量 は0.09g‑H20 g1‑sample (wetbasis)(強熱減量 を10.3%と して計算) で あり,細孔容積 は0.10m1g1‑sample(drybasis)と算 出 され る。
試料Aと同様 に,脱水 にともな って生 じる細孔容積 は試料B, C, Dにつ い て そ れ ぞ れ0.08, 0.09お よび0,08m1g1‑sample (drybasis)と算 出 され る。 試料Cを除 いて, これ らの値 は Table2の窒素 吸着量 か ら得 られた細孔容積 の1.3‑1.6倍程度 の大 きさである。 したが って,窒素分子 を吸着 プローブとした 前述 の細孔特性 に加 えて,本研究で用 いた試料 A,B,D には, 窒素分子 には小 さす ぎるが,水分子が吸着 で きる小 さな ミクロ 孔がそれぞれ0.038,0.020,0.026m1g1存在す ると推定 され る。
プ ローブ分子 の平衡分子径 に比べて運動分子径 は結晶学的 に測 定 された多孔質材料 の孔径 と一致す ることが多 くの系で認 め ら れて い る16)。 窒素 分子 お よび水分子 の運動分 子径 はそれぞれ 0.365,0.265nmである16)ので,小 さな ミクロ孔 の大 きさはこの 範囲 と推察 され る。
3.4 メタンの吸着
3.4.1 メタンの吸着等温線
試料A,B,C,Dへのメタンの吸着等温線 をFig.4に示す。
これ らの試 料 ‑ の メ タ ンの吸 着 量 は例 え ば合 成 ゼ オ ライ ト ZSM‑527)などに比べて明 らか に小 さ く,試料A‑Dの比表面積 の小 ささを反映 している。
吸 着 様 式 を確 認 す る た め, 193Kに お け る吸 着 デ ー タを Langmuirの 直 線 式 に 代 入 し, そ の 結 果 か ら得 られ た Langmuirプ ロ ッ トをFig.5に示 す。Pappらの報告31)とは異 な り, 全圧力領域 の吸着量 をLangmuirの式 で表 す ことは出 来 なか った。 しか し,圧力が200‑600mmHgの範囲 において, すべての試料 のプ ロッ トが近似的 には個別 の直線上 に位置す る
と仮定 して,Langmuir式 か ら得 られ る飽和吸着容量Vmを, 試料天然 ゼオ ライ トの組成SiO2/A1203比,陽 イオ ン交換容量
素材物性学雑誌
2103
761
∈
\> 432L・61uJ/^
l l l 一
l ーS a mpl eA
E l l I
E lSampl eB
0 100 200 300 400 500 600 700
p/
Tor√Figure 4 Adsorption isothermsofmethaneon natural zeolites
■ :193K,● :218K,▲ :238K
0000
3 2
BL
.( J ト S )
l∈ヒ0ト \ >
\d0 100 200 3∞ 400 500 600 700 p/To灯
Figure5 Langmuirplotofmethaneadsorptionat193K
■ :SampleÅ,● :SampleB,▲ :SampleC,◆ :SampleD
第
14巻 第 y 2 号
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12月)
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進藤隆世志 ・猿田直子 ・中田 竜 ・山崎達也 ・北林茂明 ・小沢泉太郎
(CEC)と比較 したが, 明 か な相 関関係 は認 め られ なか った。
しか し, モ ンモ リロナイ ト/ モル デナ イ トか らな る試 料Cを 除 いて, ク リノプチ ロ ライ トか らな る試料 A,B,Dにつ いて は,Vnと比表面 積 また は内部 表面積 との間 に は直線 関係 が認 め られ た ことか ら, これ らが メタ ンの吸着容量 の支配 的 な因子 で あ る と考 え られ る。ZSM‑5上 へ の メ タ ンの吸着 にお いて も Langmuirプ ロ ッ トの直線 関係 が (類似 の圧力範 囲 にお いて) 観測 され,Vmと比 表面積 とは強 い相 関 が あ る と報 告 され て い
る27)。
一万,200mmHg以下 の領域 で は, プ ロ ッ トは直線 にはの ら ず,圧力が低 いほど直線 か ら下方 へ のずれ は著 しい。 この こと は,200mmHg以下 で は,200‑600mmHgの範囲 の直線 プ ロ ッ トか ら予想 され るよ りも多量 のメ タ ンが吸着 す る ことを示 して お り,圧力 が低 い ほどメ タ ンは強 く吸着 して い る ことにな る。
ただ し, メ タ ンの運 動 分子 径 は0.38nmで あ る16)ので, 荊 述 の 小 さな ミク ロ孔 (0.365‑0.265nm)に は入 る こ とは出来 な い
と考 え られ る。
3.4.2 メタ ンの吸着熱
前節 にお いて,天然 ゼオ ライ ト上 ‑ の メ タ ンの吸着 は低圧領 域 にお いてLangmuirの式 に当 て は ま らず , この圧 力域 にお いて強 い吸着 が起 こって い ることが示 唆 された。 ここで は, こ の点 を詳 細 に調 べ るた め, メ タ ンの 吸着 等 温 線 にClausius‑ Clapeyronの式 を適用 し, 等 量 微 分 吸着 熱 を算 出 した。 そ の 結果 を吸着量 の関数 と してFig.6に示 す。 いず れ の場合 も, メタ ンの吸着量 が増加 す るのに伴 い,吸着熱 は減少 した。 この ことよ り,試料表面 は均一 で はな く, は じめの うちは強 い吸着 点 か ら吸着 が進行 して い る様子 がわか る。 また, ク リノブテ ロ ライ トを含 む試料 A,B,Dにつ いて は等量微分 吸着熱 に大 き な違 い はな く, その吸着 量依 存 性 も類 似 して い るが, 講 料C につ いて は, これ らと大 き く異 な って い る。 す なわ ち,講料C
LJOLu「
=
uOIldJOS Pe
101t29工 OIJ e
lSOSE 05つ▲0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
Amountofadsorption/m一g‑1
3.5
Figure6 Isostericheatofadsorptionofmethaneonnatu‑
ralzeolites
■ :
SampleÅ,▲ :SampleB,○:SampleC,△ :SampleD.n.eJ00ut?qLOSqV
SampleA V3
3200 3100 3000
SampleB
V3
tJl
3200 3100 3000 2900 2800
3200 3100 3000 2900 2800 wavenumber/cm‑1
Figure 7 1R spectra ofmethaneadsorbed on natural zeolitesat223K
∴
言
、VI V3
Figure8 Somevibrationalformsofmethane