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博士(医学)古屋充子 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(医学)古屋充子 学位論文題名

ヒト卵巣腫瘍嚢胞液中に分泌される細胞外基質分解酵素      と 内 因 性 特 異 的 イ ン ヒ ビ タ ー の 解 析

学位論文内容の要旨

    I.目的

  癌の組織 浸潤,転 移では細胞外基質の分解が起こる,浸潤の第一歩として蛋白分解酵素によ る基底膜 破壊は重 要で、癌では腫瘍.問質の蛋白分解酵素とそのインヒビターの活性量に関す るホメオスタシーが破綻し.基底膜破壊と細胞外基質分解が進む,基底膜を構成するcype IVコ ラーグンの分解酵素であるmacrix meCauoproceinase‑2 (MMP−2).MMP‑9をはじめ各種MMPsの解 析がこれまでなされてきた,しかし,腫瘍に誘導される血管内皮細胞.線維芽細胞もMMPや,内 因性特異的インヒビターであるtissue inhibitor of meLalloproteinase (TIMP)を分泌することか ら,塊状 の腫瘍検 体を用いた解析は必ずしも腫瘍細胞由来の蛋白分解酵素活性を反映しない.

この た め 生体 内 での 癌細胞 由来MMPsやTIMPsの 発現・活 性調節機 構はまだ不 明な点が 多い.

卵巣の上 皮性腫瘍 の多くは 嚢胞を形 成しながら 発育し, 腫瘍細胞 が嚢胞中 に分泌する基底膜 分解酵素 は各腫瘍 型に特異的な性質を反映すると考えられる.本研究では,卵巣腫瘍嚢胞液中 に分 泌 さ れる 種 々の 基 質 分解 酵 素を 解 析 し, 腫 瘍の生 物学的悪性 度との関 連を検討 した,

    III材料および方法 1.嚢胞液の採取と調整

  卵巣腫瘍嚢胞液62検体を採取し4℃で1500910分間遠心後,上清を・80℃で保存した.冷凍嚢胞 液 は4℃ で 解 凍 し 蛋 白 濃 度 を 測 定 し た . 希 釈 倍 率 は 蛋 白 濃度 , 粘稠 度 に より 調 整 した . 2,ゼラチンザイモグラフイーによるMMP−2,MMP‐9の検出  `

  調整された嚢胞液とsample bufferを混合し,0.1%ゼラチン含有1096ボリアクリルアミドグル 上に電気泳動し展開した.泳動後,ゲルを2.596Trit.on・Xで洗浄しsodium dodecyl sulf ateを除去し lOrnM Tris pH8.0,0.5mM CaCIっ,10‑6M ZnC2を含む溶液にて37℃16時間インキュベートした.そ の後 ゲルをC00massiebduiancblueで染色し,脱色処理した,検出されたMMP―9とMMP―2の潜在 型と活性型のノ`ンドは電気泳動解析ンフトで数値化,測定した.MMP活性化率は,活性型/(潜 在型十活性型)で算出した.

3. カ ゼ イ ン ザ イ モ グ ラ フ イ ー に よ る MMP− 3, MMP― 7, ト リ プ シ ン の 検 出   調整 された嚢胞 液をO.1% カゼイン含有12%ボリアクリルアミドグル上で電気泳動し展開し た . 泳 動 後 の 処 理 . 解 析 方 法 は ゼ ラ チ ン ザ イ モ グ ラ フ イ ー に よ る 方 法 に 準 じ た , 4‐Westernb10CtingによるMMPs.トリブシンの同定

  嚢胞 液の蛋白濃 度を10餅g尼0ゼ1に調整し,10%ボリアクリルアミドゲル上で4℃で電気泳動 し 展開 し た ,ニ ト 口 セル ロ ース 膜 に 蛋白 を 転写 し ,一 次,二次 抗体に反 応させ露光 した.

(2)

5. ELISAによるMMP―2,MMP一9,TIMPー1,TIMP−2濃度 の測定

  96穴 ブ レ ー ト に 希 釈 検 体 を 加 え 反 応 ・ 洗 浄 後 , ベ ル オ キ シ ダ ー ゼ 標 識 抗 休 を 加 え て 各 々 指 定時聞反応させた.3,3.,5,5,‑tetramechylb enzidine添加30分後に1N硫酸で反応を終了させ吸光度 計にて測定した.

6.免疫染色

  摘出卵巣腫瘍の一部を採取 し.periodateーlysine paraforma亅dehyde液に4℃で24時間固定後,/ヾ ラ フ ィ ン 包 埋 し 厚 さ 44mの 切 片 を 作 製 し た. LSAB法 に よ り 免 疫 染 色 を 行 っ た .

    III.結果

1. 粘液 性腫 瘍に おけ る悪 性度 別 のMMPs,TIMPs濃 度

  MMPー9は 腺 癌 ,LMP,腺 腫の 順に 高値 であ った .TIMP−1tまLMP, 腺癌 ,腺 腫の 順に 高値 であ っ た , MMP‑2は 腺 癌 が 最 高 値 を 示 し た が , 各 群 間 に明 らか な差 を認 めな かっ た .TIMP・2は 腺腫 , 腺 癌 ,LMPの 順 に 高 値 であ った .TIMP−1/MMP−9モル 比は 腺腫 ,LMP,腺 癌の 順に 高値 であ った , TIMP―2/MMPー2モ ル比 は腺 腫, 腺癌 ,LMPの順 に高 値で あっ た.

2. ザ イ モ グ ラ フ イ ー を 用 い た 粘 液 性 腫 癌 に お け るMMPsの 発 現 と 活 性 化 の 検 討   MMP−9,MMP−2は 腺 癌 お よ びLMPで は40倍 , 腺 腫tま20倍 〜40倍 希 釈 で 同 定さ れた ,MMPー9は 腺 癌 お よ びLMPに は10096に , 腺 腫 に は8096に 認 め ら れ た .MMP―2は 粘 液 性 腫瘍 全例 に認 めら れ た . これ らの 発現 はWestern bloLtingで も確 認さ れた .MMP−9/MMP‑2比は 腺癌 ,LMP, 腺腫の順に 高 値 で あ っ た . MMP一9活 性 化 率 は 腺 癌 ,LMP, 腺腫 の順 に高 値で あっ た.MMP・2活性 化率tま 腺 癌 ,LMP, 腺 腫 の 順 に 高 値 で あ っ た が , 各 群 問 で 有意 差は 認め られ なか った .MMP−7活性 化率 は 腺 癌 では 他群 より 高値 であ った が, 各群 間に 有意 差は 認め ら れな かっ た, MMP・3,MMP.7.トリ プ シ ンtま 腺 癌 とLMPでは5倍〜10倍 ,腺 腫で は2倍 〜10倍希 釈で 同定 され 、Western bIoLcingに よ り 確 認 し た , こ れ ら の 酵 素 は 腺 癌 お よ びLMPで は 腺 腫 よ り 高 頻 度 に 発 現 し ,MMP.3や ト リ ブ シ ン 陽 性群 のMMP‐9とMMP−7の活 性化 は陰 性群 より 亢進 して い た.

3. 粘液 腺腫 瘍に おけ る免 疫染 色 によ るMMPsの 発現 の局 在の 検討

  悪 性 , 良 性 腫 瘍 と も にMMPsの 局 在 は 上 皮 細 胞 が 主 体 で , 嚢 胞 液 中 の 諸 酵 素 が 上 皮 由 来 と 考 え る 本 研 究 の 前 提 が 確 認 さ れ た . MMP・2,MMP.9は 上皮 細胞 周囲 の線 維芽 細胞 にも 弱い 陽性 所 見 が 得 ら れ , MMP・ 7は 上 皮 細 胞 と 一 部 の 毛 細 血 管 内 皮 細 胞 に 発 現 が 認 め ら た , 4. その 他の 組織 型の 卵巣 腫瘍 に おけ るMMPs.TIMPsの 検討

  漿 液 性 腺 癌 , 同LMP,明 細胞 腺癌 ,類 内膜 腺癌 .転 移性 卵巣 癌で は全 例にMMP−9陽J陸所 見が 認 め ら れ , 良 性 漿 液 性 腫 瘍 で はMMP−9陰 性 例 が46.196存在 した .MMP,9活性 化 率tま転 移性 卵巣 癌

> 明 細 胞 腺 癌 > 漿 液 性 嚢 胞 腺 癌 の 順 で あ っ た .  MMP12は 全例 に潜 在型 と活 性型 が認 めら れた . MMP・9/M MP‑2比 は 悪 性 > 良 性 の 傾 向 が み ら れ た .ま た, その 他の 悪性 腫瘍 で52.4% に, 良性 漿 液 性 で30.896にMMP・3陽 性 で あ っ た .MMP‑71rま .そ の他 の悪 性腫 瘍で76.2%に ,良 性漿 液性 で 30.896に 陽 性 で あ っ た ,MMP―7活 性 型 は 明 細 胞 腺癌1例に のみ に認 めら れた ,TIMP―1/MMP−9, TIMP−2/MMP・2比 は漿 液性 でも 良性 >悪 性で あっ た.

    IV.考 察

  MMPsは 潜 在 型 と し て 組 織 内 に 存 在 し ,TIMPsに よ っ て 活 性 調 節 を 受け ,MMP・9はTIMP・1と,

MMP―2はTIMP‑2と1ニ1の 複 合 体 を 形 成 す る が . 過 剰 のMMPs産 生 やTIMPsの 相 対 的 低 下 に よ り 基 底 膜 破 壊 や 浸 潤 が 進 行 す る と 予 想 さ れ る . 今 回 の 解 析 で ,TIMPs/MMPs比 は 悪 性 く 良 性 で , MMP・9,MMP‑2活 性 化 率 は 悪 性 度 と 相 関 し て 増 大 し た . 粘 液 性 卵 巣 腫 瘍 で は 悪 性 度 に 相 関 し て TIMPs/MMPs比 の 均 衡 崩 壊 が 進 み ,MMP活 性 化 が 亢 進 し , 嚢 胞 液 は こ の 傾 向 を 特 異 的 に 反 映 す

(3)

ると考えられた. MMP―7は上皮性癌細胞に発現すると報告されているが,段階的悪性度との関 連は不明であった:今回の結果から,MMP―7は悪性度の増加に応じて量的,質的亢進が起こる と考えられる.トリブシンはセリンブロテアーゼの一種で,悪性腫瘍にも存在する.今回トリ ブシンは粘液性腫瘍6例にのみ認められ,他の組織型にはみられず,組織型により異なる発現 をす る酵 素で ある 可能 性が 示唆 され た,ト リブシン,MMP.3は他のMMP活性化を促進すると い わ れ , こ れ ら の 陽 性 例 | よ 陰 性 例 に 比 ベMMP−7. .9活 性 化 の 亢 進 が み ら れ た .

    V.結論

  これらの結果は,嚢胞液中に分泌される基質分解酵素が,腫瘍内で進行している一連の基質 分解酵素の相互作用を反映し,また腫瘍の悪性度とも相関することを示すと考えられた.今後,

嚢胞 液の 解析 が悪性 卵巣 腫瘍の予後因子となるか,また悪性度を判別するうえで補助的診断 価 値 を 有 す る か な ど , 臨 床 応 用 の 可 能 性 に つ い て 詳 細 な 検 討 が 必 要 で あ る .

(4)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    吉 木    敬 副査   教授   細川真澄男 副査   教授   藤本征一郎

学 位 論 文 題 名

ヒト卵巣腫瘍嚢胞液中に分泌される細胞外基質分解酵素 と内因性特異的インヒビターの解析

  癌の 浸潤の第 一歩とし て蛋白分 解酵素に よる基底膜 破壊は重要で,癌では腫瘍一問質の 蛋白 分解酵素 とそのイ ンヒピタ ーの活性 量に関する ホメオス タシスが破綻し,基底膜破壊 と 細 胞 外 基 質 分 解 が 進 む . 基 底 膜 構 成IV型 コ ラ ー ゲ ン の 分 解 酵 素 で あ るmatrix metalloproteinases (MMPs)の解析がこれまでなされてきた.しかし,血管内皮細胞,線維芽 細胞等もMMPsや,内因性特異的インヒピターであるtissue inhibitor of metalloproteinases (TIMPs)を分泌す ることか ら,塊状 の腫瘍検 体を用いた 解析は必 ずしも腫 瘍細胞由 来の蛋 白 分 解 酵 素 活 性 を 反 映 し な い . こ の た め生 体 内 での 癌 細胞 由 来MMPsやTIMPsの 発 現 ・ 活性 調節機構は未だ不明な点が多い.上皮性卵巣腫瘍の多くは嚢胞を形成しながら発育し,

腫瘍 細胞が衰 胞中に分 泌する基 底膜分解 酵素は各腫 瘍型に特 異的な性質を反映すると考え られ る.本研 究では, 卵巣腫瘍 嚢胞液中 に分泌され る種々の 基質分解酵素を解析し,腫瘍 の生物学的悪性度との関連を検討した.

  定性 ・半定量 解析には ザイモグ ラフイーを施行した.卵巣腫瘍嚢胞液62検体を採取し4℃ で遠 心後,蛋 白濃度を 測定した .蛋白濃 度,粘稠度 により希 釈調整された嚢胞液をゼラチ ン 含 有ボ リ ア クリ ル アミ ド ゲ ル上に 電気泳動し 展開した .検出さ れたMMP‑9,‐2の潜在 型と 活性型のバンドは泳動解析ソフトで数値化,測定した.活性化率は,活性型/(潜在型 十活 性型)で算出した.また,カゼイン含有ポリアクリルアミドゲル上でも同様に電気泳動 し 展 開し た . ザイ モ グラ フ イ ーで得 られたバン ドが目的 のMMPsである ことを確 認する目 的 でWestern blottingを施 行した. 定量的解 析にはELISAを 施行した.96穴プレー トに希 釈検 体を加え反応・洗浄後,ベルオキシダーゼ標識抗体を加えて各々指定時間反応させた.

反応 終了後, 吸光度計 にて測定 した.嚢 胞液に分泌 される酵 素が腫瘍細胞由来であること を確認する目的で,periodate‑lysine paraformaldehyde液固定バラフイン包埋切片を用いて,

LSAB法にて免疫染色を行った,

  ELISAの 結果 ,MMP‑9,TIMP‑1は粘液 性悪性腫 瘍では良 性腺腫より 高値を示 した.MMP‑

2は 悪 性 度に 関 連し な か った .TIMP‑2は悪性 が良性より 低値であ った.TIMP‑1/MMP一9, TIMP‑2/MMP‑2モル比は悪性度と負の相関を示した.

  ザイ モグラフ イーの結 果,MMP‑9,‐2は粘液性腺癌では40倍,良性腺腫では20 ‑‑40倍希

(5)

釈で 同定 され た.MMPー9の 発現 率は 悪性 冫良 性で あった.MMP‑2は粘液性腫瘍全例に認め られた.MMP‑9/‑2比,MMP‑9,‐2活性化率は悪性度と相関した.MMP‑3,‐7,トリプシンは悪 性で は5 ‑‑10倍, 良性 では2‑‑‑10倍希釈で同定された.これらの酵素は悪性では良性より 高頻 度に 発現 し, トリ プシ ン陽 性群 のMMP‑9, ‐7の活性 化は 陰性 群よ り亢 進し ていた.

  免 疫染 色に おい ては ,悪 性, 良性 腫瘍 とも にMMPsの局 在は 上皮 細胞 か主 体で ,嚢胞液 中の諸酵素が上皮由来と考える前提が確認された.MMP‑2,‐9は上皮細胞周囲の線維芽翁Il 胞に も弱 い陽 性所 見が 得ら れ,MMP‑7は上 皮細 胞と 一部の毛細血管内皮細胞に発現が認め られた.

  粘 液 性 腺 癌 以 外 の 上皮 性悪 性腫瘍 でも 全例 にMMP‑9陽性 所見が 認め られ ,一 方漿 液性 腺 腫 で はMMP‑9陰 性 例 が46.1% 存 在 し た .MMP‑2は 全 例 に 認 め ら れ た .MMP‑9/MMP‑2比 は悪 性> 良性 の傾 向が みら れた .MMP‑3陽 性率 は悪 性冫 良性 漿液 性で あっ た.MMP‑7陽性 率は ,悪 性冫 良性 漿液 性で あっ た.TIMP‑1/MMP‑9,TIMP‑2/MMP‑2比は 漿液 性で も悪性度 と負の相関を示した.

  本 研究 では ,TIM Ps/M MPs比は悪性く良性で,MMPs活性化率は悪性度と相関した.卵巣 腫 瘍 で は 悪 性 度 に 相 関 し てTIMPs/MMPs比 の 均 衡 崩 壊 が進 み,MMPs活 性化 が亢 進し ,嚢 胞液 はこ の傾 向を よく 反映 する こと が示 され た.MMP‑7は上皮性癌細胞に発現すると報告 され てい るが ,悪 性度 との 関連 は不 明で あっ た. 本研究から,MMP‑7は悪性度に相関して 量的 ,質 的に 亢進 する こと が示 され た. トリ プシ ンはMMPsを 活性 化し ,悪 性腫 瘍にも存 在するが,トリプシンは粘液性腫瘍にのみ発現し,組繊型により規定される可能性が示され た.また陽性例ではMMP‑7,・9活性化の亢進がみられた,

  口 頭 発 表 に 際 し , 副査 の細 川真澄 男教 授か ら本 研究 結果 が過 去のMMPs,TIMPsに 関迎 す る 報 告 に 矛 盾 し な いも ので あるか どう か,TIMP‑1/MM P‑9比がTIMP‑2/MMP‑2比よ りも 大 幅 に 高 い こ と の 理 由 に 関す る 質 問 が あ っ た . ま た ,MMPs活性 化因 子とMMPs活性 化と の 関 連 に つ い て の 考 察を 求め られた .副 査の 藤本 征一 郎教 授か らELISAに おけ るMMPs, TIMPsの 測 定 感 度 , 特 に活 性型MMPsの定 量性 に関 する 質問 があっ た. また ,今 後本 研究 の 臨 床 へ の 応 用 に 対 す る 考 察 を 求 め ら れ た . 主 査 の 吉 木 敬 教 授 か ら はMMPsとTIMPs の産 生部 位に つい て, 生体内における両者の局在や両者の比率を,二重染色などを用いて もっ と詳 細に 検討 する 必要があるとの助言を受けた.さらに,分子細胞病理学講座の長嶋 和郎 教授 からmRNAレベ ルで の発 現の 違い につ いて の文献 的考 察と ,卵 胞に 対す るMMPs, TIMPsの 関与 につ いて の質問 があ った .申 請者 は実 験結果と既報の成績に基づいて,臨床 的な考察をも交えて概ね妥当な回答をなしえた.

  本 研 究 は , 嚢 胞 形 成 性 卵巣 腫 瘍 の 嚢 胞 液 中 のTIMPs/MMPs比 の 減 少 , お よ びMMP‑3, MMP‑7, トリ プシ ン陽 性率の 増加 が, 腫瘍 の悪 性度 を判定する上での新たな基準となりう ることを示唆している.これらの知見には,卵巣腫瘍の予後因子としての,また悪性度の和H 助的 診断 マー カー とし ての 価値 を有 する かな ど, 今後臨 床応 用の 可能 性が 期待 される.

  審 査員 一同 は, これ らの研究成果を評価し,大学院課程における研鑚も併せ申請者が博 士(医学)の学位を受ける資格を有するものと判定した.

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