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学位論文審査及び最終試験報告書 学位申請者氏名

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Academic year: 2021

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学位論文審査及び最終試験報告書

学位申請者氏名 蛭間 基夫 学籍番号 0942203 申請学位

(専攻分野) 博 士 ( 学 術 ) 専 攻 総合生活 論文題目 高齢者の住宅改善における理学療法士の役割と専門性

成 績 論 文 審 査 及 び 最 終 試 験 合 格

学位論文 審査委員

氏 名 職 名 氏 名 職 名 主査 中原 凱文 教授

審査 委員

八藤後 猛 准教授 審査

委員

加納 克己 特任教授 鈴木 浩 客員教授 鈴木 晃 統括研究官 論文審査の要旨

本論文は、「高齢者の住宅改善における理学療法士の役割と専門性」と題して、高齢者の継続的な地域居 住の支援である住宅改善における理学療法士(PT)の役割や専門性を明らかにするもので、全 7 章から構成さ れている。

第 1 章「序論」では、各種の背景を基に、研究の目的は(1)住宅改善に PT が介入する意義や重要性を明ら かにする事、(2)住宅改善に介入する PT の役割を明らかにする事、(3)住宅改善介入時の PT 固有の専門性を 明らかにする事としている。

第 2 章「訪問リハビリテーションにおける訪問看護師と理学療法士の関与の実態」では、訪問リハビリに 対するニーズや PT 介入の難しさの要因を解明している。また、リハビリ的なアプローチに関した訪問看護 師を対象としたアンケート調査(対象は群馬県内の看護師と准看護師 574 名で、有効回答数 159 名<回収率 27.7%>、2010 年 8 月~10 月)を実施している。その結果、訪問看護師の PT の専門性に対する認識が不十 分でニーズを有する利用者と PT への橋渡しが困難である事を指摘している。

第 3 章「住宅改善を実施した高齢者の実態」では、住宅改善を行った高齢者の生活状況や工事箇所の使用 状況を下記の 2 つの調査により検証、検討している。調査(1):介護保険により住宅改善を行った高齢者に アンケート調査(高齢者 54 名で、有効回答数 25 名<回収率 46.3%>、2009 年 7 月~2010 年 6 月)を実施 し、工事箇所の使用や満足度を検討した。調査(2):調査(1)で了承が得られた高齢者 15 名の自宅を PT 1 名が訪問調査(2009 年 9 月~2010 年 7 月)を行い、実際の動作や使用状況を分析した結果、PT の住宅改 善介入の意義は、自宅での動作分析や ADL の評価であることが解明されたとしている。

第 4 章「群馬県における理学療法士の住宅改善介入の実態」では、第 5 章での全国調査のプレ調査として、

アンケート調査を実施している。群馬県 PT 協会の PT 714(全員)名を対象とし、介入に対する意識や連携 する専門職の実態を明らかにしている。アンケート回収数は 268 名(回収率は 37.4%)で(2009 年 6 月~8 月)、その結果、PT は住宅改善介入時に動作分析や ADL の評価の視点を重視しており、連携する専門職は介 護支援専門員に次いで OT が多いことを明らかにしている。

第 5 章「住宅改善における理学療法士及び作業療法士の役割」では、住宅改善の PT と OT の介入時の役割 やその意識、介入する際の各々の専門性を検討するための調査を行っている。日本 PT 協会及び日本 OT 協会 に所属する PT 及び OT から無作為に PT 3,795 名、OT 2,094 名(共に全体の数%)を抽出し、アンケート調 査を実施した。回答数は PT 1,529 名(回収率 40.3%)、OT 785 名(回収率 37.5%)であった(2010 年 6 月

~8 月)。その結果、PT と OT の住宅改善における役割に差異はないが連携する専門部分が多い事、PT は移 動や移乗、OT はセルフケアや LADL を動作分析の専門領域としている事等を明らかにしている。

第 6 章「デンマークにおける住宅改善での理学療法士及び作業療法士の役割と専門性」では、OT が中心 となった住宅改善の支援制度を構築する海外事例として先進国であるデンマークでの訪問調査を実施して いる。調査はデンマークにおける支援制度の実態とともに、PT,OT の歴史や養成制度等を明らかにしてい る。対象は PT、OT の養成大学、福祉機器センター、住宅改善の実施例などである(現地時間 2011 年 6 月 27 日~6 月 30 日)。その結果、デンマークでは PT、OT は全く異なる歴史で発展してきた専門職で、専門性 には明確な区分がなされており、さらに、その専門性に基づき OT が住宅改善の支援で中心的な役割を果た している事が指摘され、日本との大きな差異を論じている。

第 7 章「結論」では、以下の 3 点にまとめている。①PT が住宅改善に介入する意義は「動作分析や ADL の評価」にあること、②その役割は「動作分析や ADL の評価」と「住宅改善の具体的計画の検討や立案」で あり、③その際の PT の専門性は「移乗、移動動作の分析」であるとしている。ただし、他職種との連携の あり方が今後の研究課題とされている。

以上要するに、本論文では、理学療法士と作業療法士に関する特性を明確にし、高齢化社会における理学 療法士の存在意義とその応用性を追求したものであり、高齢化社会における介護福祉、とりわけ住宅改善に 関わる理学療法士の存在価値を明らかにしており、本論文の果たす役割は大きく、広く学術上の研究並びに 福祉及び住宅行政に貢献するところが大きい。よって本論文は博士(学術)の学位論文として、十分価値の あるものとして認められる。

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