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IAS RoE 32.4

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2000

年 業績 

年次報告書

ドイツ銀行

003 83304 02 · 3/01 2001年5月3日 2001年3月31日現在中間報告 2001年5月17日 フランクフルト・アム・マイン フェストハレ (エキジビション・センター)にて、株主総会 2001年5月18日 配当金支払 2001年8月1日 2001年6月30日現在中間報告 2001年11月1日 2001年9月30日現在中間報告 2002年5月22日 フランクフルト・アム・マイン フェストハレ (エキジビション・センター)にて、株主総会 2001/2002年の会計処理予定表

ドイツ銀行

年次報告書 2000 年 ドイツ銀行 E_GB_001.qxd* 2001.11.2 9:59 AM ページ 1 (ブラック 版)

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ドイツ銀行 

ドイツ銀行グループの概要

国際会計基準(IAS)に準拠

2000 1999 1株当たり配当金 1.30ユーロ 1.15ユーロ ドイツ銀行支払配当総額 801百万ユーロ 706百万ユーロ 1株当たり純利益(営業権償却を除く) 9.02ユーロ 4.86ユーロ 1株当たり純利益(営業権償却を含む) 7.93ユーロ 4.06ユーロ 希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を除く) 8.86ユーロ 4.67ユーロ 希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を含む) 7.78ユーロ 3.91ユーロ 税引前株主資本利益率(税引前RoE) (営業権償却を除く) 32.4 % 22.0 % 税引前株主資本利益率(税引前RoE) (営業権償却を含む) 29.4 % 19.6 % 費用/収益比率(営業権償却を除く) 73.3 % 74.4 % 費用/収益比率(営業権償却を含む) 75.6 % 76.4 % 百万ユーロ 百万ユーロ 純利息収益 6,811 6,619 貸倒引当金繰入 438 616 純手数料収益 11,468 8,084 トレーディング利益 6,891 4,521 投資による純収益 3,107 2,007 営業費用 21,037 15,746 再構築費用および税金前利益 6,759 4,731 再構築費用 30 884 法人所得税 1,780 1,394 純利益 4,949 2,453 2000年12月31日現在 1999年12月31日現在 百万ユーロ 百万ユーロ 総資産 940,033 839,865 貸出金総額 306,981 284,149 報告株主資本 27,509 23,147 BIS規制自己資本比率 12.6 % 12.0 % BIS規制コア自己資本比率 7.4 % 5.9 % BIS規制自己資本 370億ユーロ 352億ユーロ 店数/人数 店数/人数 支店数 2,287店 2,374店 従業員数 98,311人 93,232人 長期格付 ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ニューヨーク) Aa3 Aa3 スタンダード・アンド・プアーズ(ニューヨーク) AA AA 従業員数(期末) 単位:千人 25 27 26 49 49 50 51 42 51 48 ’00 ’99 ’98 ’97 ’96 9.9 10.6 11.5 12.0 12.6 自己資本比率(期末) 単位:% 支払配当総額 単位:百万ユーロ ’00 ’99 ’98 ’97 ’96 460 489 600 706 801 E_GB_002.qxd 2001.11.2 10:10 AM ページ 2

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2 アイデンティティー 3 Leading to results(すべては結果につながる) −会長からのメッセージ 6 会社概要 10 取締役会 12 すべてのステークホールダーのために 19 ドイツ銀行株は株式相場が軟調に推移するなか健闘 23 一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門 27 法人顧客および不動産投資銀行部門 31 グローバル・コーポレート・アンド・インスティテューションズ 部門 35 資産運用部門 39 グローバル・テクノロジー・アンド・サービス部門 43 コーポレート・センター 47 銀行業務は人材がすべて 51 社会貢献−明日への責任 55 取締役による概況説明 66 損益計算書 67 貸借対照表 68 株主資本変動計算書 69 キャッシュ・フロー計算書 70 注記 134 調整注記 137 リスク・レポート 169 見通し 171 確認書 178 経営管理組織 180 最近10年の財務ハイライト 182 用語解説 190 索引 191 決算書に関する配布物 ドイツ銀行グループ 株主 顧客 従業員 社会 連結決算書 確認書および経営管理組織 補足情報 2000年度の事業展開

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アイデンティティー

ドイツ銀行グループは、世界で最高の金融サービス会社となることを目指して、 業務に専念しています。顧客、株主、従業員、そして社会全般に価値を提供す るために、これまでの経験や持てる能力、そして強固な財務基盤を積極的に活 用するよう努めています。当グループでは、以下の点をあらゆる行動の指針と しています。 顧客重視 すべての行動の中心に顧客を据え、顧客重視の姿勢を徹底しています。 チームワーク 経験の異なる従業員が、協力することで、多様なビジネスを遂行し、成果をあ げています。 革新性 顧客のニーズに応えるため、現状に満足することなく、絶えず新しい解決策の 提案に努めています。 パフォーマンス よりよい結果を生み出すことを重視し、日々業務に取り組んでいます。 信頼

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ドイツ銀行グループ ドイツ銀行グループは、2000年度、株主、顧客、社員、そして社会全般に対 して大きな付加価値を生み出しました。2000年度は当グループの事業戦略上、極め て重要な年となりました。 当グループの業績は2000年度に過去最高を記録しました。純利益は前年度比 倍増の49億ユーロを達成しています。投資銀行部門の好調を背景とした増収に加え、 ドイツの税制改革の恩恵を享受したアリアンツの保有株式2.8%の売却(structured placement)が増収に大きく貢献しました。支払配当総額は前年比13%増の801百 万ユーロを提案しています。これは、1.30ユーロ(税額控除を加味したベースでは 1.86ユーロ)の1株当たり配当金に相応します。 2000年度のビジネスは波乱の多い展開となりました。2000年度第1四半期には 素晴らしい業績を達成したものの、その後、市場は混迷を深めました。こうした困 難な状況にもかかわらず、すべての事業部門で年間を通じて比較的安定した収益を 計上できたことは、当グループがこうした状況下でも成功を収めることができるこ とを示しています。 2000年度にこのように素晴らしい業績を達成できたのは、社員の努力の賜物 です。この場をおかりして、社員の皆さんに感謝の意を伝えたいと思います。競争 の激化する金融サービス業界にあって、優秀な人材を確保、維持し、またそうした 社員の熱意を支えることは非常に重要です。最も大切な資産と言える社員を擁して いることを誇りに思うと同時に、今後も、世界的な規模で魅力ある職場を提供する 努力を惜しみません。 2000年度、当グループは業務効率をさらに上げ、グローバルな成長戦略を実 践、また欧州における地盤を一層強固なものにしました。バンカース・トラストと の円滑な統合などを受け、投資銀行業務は拡大し、「バルジ・ブラケット(bulge-bracket)」の仲間入りを果たしました。私たちのホームマーケットである欧州では、 今後も主導的な役割を果たすべく地位を強化しています。ドイツ国内で既に成功を 収めているドイチェバンク24を、欧州の他の地域で進めているサービスと統合し、 さらに「マックスブルー(maxblue)」のブランド名で、欧州において展開するオン ライン証券業務との相乗効果も視野に入れています。個人顧客に幅広い選択肢を提

Leading to results(すべては結果につながる)

株主の皆様へ

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供することで、一般個人顧客向けバンキングの分野で、欧州金融機関として不動 の地位を築くことができるものと確信しています。一方、米国においても、オン ライン証券会社で、ナスダックのマーケット・メーカーでもある、ナショナル・ ディスカウント・ブローカーズ・グループ・インクの買収を通じて、同ビジネス の足場を固めています。 e-コマースおよびインターネットの重要性は、今後ますます高まることで しょう。また、競争の激化する金融業界においては、革新性が何よりも重要にな っています。当行では、e-コマースを事業戦略の中枢に据え、すべてのビジネ ス部門においてe-コマースの活用を推進しています。一方、過去数年間にわたっ て、電子サービス分野への投資を行ってきましたが、こうした投資は適切で、し かも先を見据えたものであったことが証明されつつあります。例えば、オンライ ンによる証券の販売において、当行は国際的な金融機関として主導的な役割を果 たすとともに、他の金融機関と協力して、オンラインの活用に対して、金融業界 における初期段階のグローバルな指針を確立する上でも大きな役割を果たしまし た。 当行の目標は明確です。中核ビジネスに注力することで収益の拡大を伴う 成長を遂げること、そして、欧州金融サービス業界の統合に向けて積極的な役割 を果たすことです。こうした目標を達成するために、昨年初旬には、ドレスナー 銀行と提携を視野に入れた交渉を行いました。この交渉が不成立に終わったこと は、当行に悪い影響を与えたと言うよりもむしろ、自行の強みを再認識し、内在 的な成長の可能性を探るよい機会となりました。それから1年が経った現在、当 行の財務基盤および事業戦略はともに健全であり、また将来に対する確信に溢れ ています。当行では、投資に関するアドバイスをあまり必要としない個人顧客向 けビジネスにおいては、他社と提携して販売チャネルを拡大するなど、スケール メリットの追求こそが、長期的な成功の秘訣であると確信しています。こうした 信念のもとで、自行の成長だけでなく戦略的な提携も視野に入れることで、欧州 全域における市場シェアの拡大を目指しています。 新体制の下では、顧客重視の姿勢を徹底し、組織を2つに集約しました。 これは、当グループのビジネスモデルを強化し、さらなる成長に向けて重要なス テップとなっています。「投資銀行部門(CIB)」においては、法人顧客および機 関投資家に、魅力的な金融商品やサービスを窓口を統一して提供しています。一

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方、「個人顧客および資産運用部門(PCAM)」では、個人顧客向けサービスと個 人顧客および機関投資家向け資産運用サービスを統合しました。これにより、個 人年金や企業年金の分野を始め、資産形成に係わる幅広い領域や急拡大している アドバイザリー・サービスなどの分野における基盤を強化しました。当行は、昨 年、投資銀行ビジネスで世界で主導的な地位を確立しましたが、個人顧客および 資産運用ビジネスでもさらなる成長を追求し、グループ全体の収益構造のバラン スを図っていきたいと考えています。 こうしたことは、2001年2月に公表した新体制の目標にも反映されています。 1株当たり純利益(保有株売却の利益を除いたベース)を2003年まで年率15%を 上回るペースで拡大し、また税引後株主資本利益率(税引後RoE)も年率で平均 15%超の達成を目指しています。 当行は、株主、顧客、従業員、社会全般の利益のために業務を遂行し、付 加価値を生み出すために努力を惜しみません。当行のあらゆる行動の指針となる 理念に変化はありません。これまで同様に、前途にあふれる可能性に挑戦してい きたいと思います。 今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い致します。 ロルフ-E.ブロイヤー 取締役会会長 2001年3月 フランクフルト・アム・マイン ドイツ銀行グループ

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ドイツ銀行は、2001年2月1日以降、 新体制のもとで事業運営を行っている。こ の度の組織変更は、世界的に主導的な金融 サービス会社の一社になるという目標を実 現するために実施された。事業の成長を重 視することで、従来の5部門から、取締役 会の傘下に2部門へと組織を集約した。ド イツ銀行グループは、新体制のもとでも、 引き続き、事実上の持株会社として運営さ れ、実際の業務は、「投資銀行部門(CIB)」 と「個人顧客および資産運用部門(PCAM)」 の2部門が行う。 この度の新体制導入の目的は次の通り である。 - 預金、クレジット、資本市場、投資・ 運用アドバイザリーなど、広範にわた る業務分野で、これまで以上に顧客重 視のスタンスを徹底する。 - 法人顧客部門と投資銀行部門の連携を 強め、さらに、ポートフォリオ投資と

会社概要

新体制のもとで意欲的な目標に向かって、新しいミレニアム

に突入。

世界的ネットワーク* * ドイツ銀行のグローバルな店舗網(インターネット):www.deutsche-bank.com/offices

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ドイツ銀行グループ 運用の間の緊密性を高めることで、発 行体と投資家の双方の利益最適化を目 指す。 - 収益と費用の両面で大きな相乗効果を 図る。 新体制の下で再編された2部門は、顧 客重視の姿勢を徹底し、次の2つの点で収 益の増加に貢献することが期待されてい る。第一に、顧客ニーズに適した商品の提 供を拡大する。この意味で、顧客対応と顧 客 に 提 供 す る 商 品 の 開 発 の 役 割 を 分 け 、 各々の責任を明確にしたことは大きな前進 である。第二に、社内効率が改善され、営 業上のチャンスが増大する。こうした収益 拡大とコスト削減の効果として、2003年 までに年間15億ユーロの実現を見込んでい る。 投資銀行部門 投資銀行部門は、セールス/トレーデ ィング、コーポレート・ファイナンス、ト ランザクション・バンキングの各業務を、 新たに設けられたコーポレート・バンキン グ・アンド・セキュリティーズ、トランザ クション・バンキングの各セグメントに統 合する。これにより、機関投資家、中小企 業、多国籍企業の顧客に対して、窓口を一 本化して対応することが可能になる。つま り、以前には分離していた業務を併合する ことによって、既存顧客だけでなく新規の 顧客ニーズに適応した金融サービスを、よ り効率的に提供することができる。 投資銀行部門は、M&Aアドバイザリ ーや証券の発行などグローバルに成長が期 待できる分野で、主導的な地位を築くため の基盤を整えている。 個人顧客および資産運用部門 個人顧客および資産運用部門は、個人 顧客を対象とした伝統的銀行業務や証券業 務、アドバイザリー業務に加えて、個人投 資家および機関投資家向けに資産運用業務 を世界的規模で展開している。これにより、 同部門の販売力はますます強まっている。 同部門は、パーソナル・バンキング、プラ イベート・バンキング、資産運用の各業務 で構成されている。 新体制 コーポレート・インベストメンツ DBサービス コーポレート・センター 投資銀行部門 セールス/トレーディング コーポレート・ファイナンス トランザクション・バンキング グローバル・テクノロジー 個人顧客および 資産運用部門 パーソナル・バンキング プライベート・バンキング 資産運用 グローバル・テクノロジー グループ取締役会

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この度の組織改革によって、当グルー プは初めて、情報技術(IT)の責任を各部 門に移行した。今後は、各部門が、ITの開 発やアプリケーションの活用の責任を直接 に負うことになる。これにより、商品開発 や顧客対応に係わる分野で、ITの開発およ び活用が、これまで以上に迅速で、また効 率的に実行することが可能になる。 コーポレート・インベストメンツ 新たに設けられたコーポレート・イン ベストメンツは、DBインベスターによる 保有株式の積極的な運用、さらに当行のプ ライベート・エクイティやベンチャー・キ ャピタルへの投資を統合し、運営する。こ れにより、こうした投資からのリスク調整 後のリターンを最大化することを目指して いる。 DBサービス 新設のDBサービスは、ドイツ銀行グ ループ内だけでなく対外的な顧客向けサー ビスを統括する。グループ内の管理業務や グループ全体に係わる購入業務など、様々 な業務サポートをDBサービスで一括管理 することで、スケールメリットの享受を目 指している。一方で、対外的にも同様のサ ービスを提供している。この分野において は、他企業との提携も視野に入れて推進し ていく。 コーポレート・センター グループ全体のスタッフ業務は、規模 を大幅に縮小し、コーポレート・センター で引き続き遂行している。コーポレート・ センターは、グループ全体にわたる計画の 立案や監督、運営ならびに規則やリスク関 連業務に重点を置く。 2003年までの新たな経営目標−ドイツ銀行 グループ 当行では、新体制の導入によって、コ ストの削減と収益基盤の拡大を図り、今後 数年間で、目標としている成長を達成でき るものと確信している。新体制のもとでの 収益目標は次の通りである。 - 企業価値を増加させる。具体的にはグ ループ全体で1株当たり純利益を少な くとも年率で15%増加させる。この数 字には、価格および売出し規模が市況 環境に大きく依存するため、保有株式 の売却利益は含まれていない。 - 第2の目標としては、税引後株主資本 利益率(RoE)を平均して15%以上に する。このため、当行の過少株主資本 を収益に積極的に活用していく。 グ ル ー プ 目標 1株当たり純利益の成長率(年率)* > 15 % 平均株主資本利益率 ** > 15 % * 2000-2003 ** 2001-2003/税引後/営業権償却を除く

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ドイツ銀行グループ 投資銀行部門 投資銀行部門では、商品開発力と販売 力の相乗効果を十分に発揮すること、さら に伝統的な銀行サービスの枠を超えた、セ ールス/トレーディング、コーポレート・ ファイナンス、トランザクション・バンキ ングなどのサービスを従来の顧客だけでな く、中小企業の顧客にも提供すること、の 2点を戦略上の目標としている。こうした 戦略の実現に向けて邁進することで、当行 は、この分野で急速に拡大している欧州市 場においてシェアの増大を目指している。 資本集約的な事業については、収益が 限定されているため、更なる縮小を図る一 方、与信ポートフォリオ管理とリスク管理 の一元化を進める。これらの措置は、資本 収益性の向上につながるものと考えられ る。 最後に、投資銀行部門では、コストの 削減にも取り組む。同一の顧客への重複し た対応を減らし、情報技術の基盤を共有化 するなど合理化への可能性を模索する。さ らに、電子媒体を通じた販売方法の推進も 加速させる。 個人顧客および資産運用部門 個人顧客および資産運用部門では、収 益の拡大が著しい分野に注力していく方針 である。具体的には、欧州、北米およびア ジア太平洋地域における、富裕層の獲得に 力を注いでいく。同部門のすべての業務に おいて、販売チャネルの多様化を推進して く上で、e-コマースの活用が重要になって いる。 さらに重要な目標としては、収益の質 の向上がある。このために、資本投入の必 要性が低く、しかも安定した収益が見込め る事業をこれまで同様に拡大していく予定 である。 当行では、グローバルな販売拠点を通 じて、幅広いバンキング・サービスを顧客 に提供している。特に、世界的に成長が見 込まれる資産運用ビジネスにおいては、同 部門を通じて、積極的に参加していく基盤 を整えている。 個 人 顧 客 お よ び 資 産 運 用 部 門 目標 収益増加率(年率)* > 10 % 税引前利益増加率(年率)* > 30 % 平均株主資本利益率** 70 % * 2000-2003 ** 2001-2003/税引前/営業権償却を除く 投 資 銀 行 部 門 目標 収益増加率(年率)* > 5 % 税引前利益増加率(年率)* > 10 % 平均株主資本利益率** 30 % * 2000-2003 ** 2001-2003/税引前/営業権償却を除く

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取締役会

トーマス R. フィッシャー Thomas R. Fischer 1947年生 1999年取締役就任 チーフ・リスク・オフィサー、チーフ・ オペレーティング・オフィサー、 トレジャリー統括責任者 テッセン・フォン・ヘイデブレック

Tessen von Heydebreck

1945年生 1994年取締役就任 個人顧客および資産運用部門において プライベート・バンキング統括責任者 人事担当統括責任者 ヨゼフ・アッカーマン Josef Ackermann 1948年生 1996年取締役就任 投資銀行部門最高責任者 セールス/トレーディングおよびコーポレート・ ファイナンス(カール L. フォン・ベーム・ベツィ ンクと共同)統括責任者 ロルフ - E. ブロイヤー Rolf-E. Breuer 1937年生 1985年取締役就任 取締役会会長 個人顧客および資産運用部門最高責任者 コーポレート・インベストメンツ最高責任者、この他、ブラン ド・エクイティ、経営開発、社内外広報、IR、法務およびコン プライアンス、プレス、経営幹部の能力開発で責任を負う。

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ドイツ銀行グループ ヘルマン-ヨゼフ・ランベルティ Hermann-Josef Lamberti 1956年生 1999年取締役就任 個人顧客および資産運用部門におい て、パーソナル・バンキング統括責 任者 情報技術統括責任者 マイケル・フィリップ Michael Philipp 1953年生 2000年取締役就任 個人顧客および資産運用部門において 資産運用統括責任者 クレメンス・ベルジック Clemens Börsig 1948年生 2001年取締役就任 ファイナンシャル・コントロール、税務 および監査統括責任者 カール L. フォン・ベーム-ベツィンク

Carl L. von Boehm-Bezing

1940年生 1990年取締役就任

投資銀行部門においてトランザクション・バ ンキングおよびコーポレート・ファイナンス (ヨゼフ・アッカーマンと共同)統括責任者

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すべてのステークホールダーのために

ドイツ銀行は、株主、

顧客、従業員、社会に責任を負っている。

企業は、経済活動のみを目的として運 営されているのではなく、社会の一員でもあ る。それゆえに、企業は、その意思決定にお いて、様々な関係者の利害を考慮しなければ ならない。 ドイツ銀行は、株主、顧客、従業員、社 会を4つの重要なステークホールダーと考え、 対等なパートナーと位置付けてきた。この4 者間の利害バランスを維持していくことは、 当行が克服するべき大きな課題である。また、 当行では、企業アイデンティティーのなかで、 これらの主要なステークホールダーに付加価 値を絶えず創造していくことを掲げている。 株主 銀行の成長は、株主からの十分な資本 の提供に大きく依存している。しかしなが ら、株主は、資本市場の他の商品と比較し て遜色のない利回りが得られ、投資リスク の面からも妥当だと判断できる場合にの み、銀行に資本を提供する。一方、資本市 場では多様な投資機会があり、当行が投資 対象として選ばれるためには、こうした激 しい競争にうち勝ち、市場や商品と自らの 戦略を調整していく必要がある。そうする ことによってのみ、当行の株式は、個人投 資家および機関投資家の両者にとって、魅 力的な投資対象であり続けるものと確信し ている。 顧客 あらゆる企業の収益は、顧客の満足度 が大きな要因になっている。つまり、企業 収益は、顧客ニーズを満たし、魅力的な商 品と優れたサービスを適正な価格で提供す る、企業の能力に大きく依存している。当 行にとって、顧客は、あらゆる活動の指針 である。当行が提供するサービスに満足の いく結果が得られた顧客は、当行との取引 を今後も継続するであろう。 従業員 金融サービス会社の利益は、意欲的で、 創意工夫に満ち、プロフェッショナルな従 業員によって生み出される。銀行サービス の複雑化や顧客への直接対応が重視されて いる現在では、従業員の役割はますます重 要になっている。 優れた人材を発掘し、維持していくこ とは、企業にとって特に重要な課題である。 業種や規模の大小を問わず、あらゆる企業 が優れた人材を獲得するために競合してい る。当行では、広範なキャリアプランの提 供や給与面での厚遇、研修制度などを充実 させることで、人材の獲得に対応している。 今後も、魅力的な職場環境を提供するため に、当行は、従業員を重視した経営施策の 見直しを行っていく。 社会 企業の成功は、政治や社会との関わり 合いによっても決まる。当行は、文化、科 学および社会事象に幅広く関与しており、 こうした活動を通じて社会に対する責任を 負担している。このような活動には、芸術 の後援や文化的伝統の保存が含まれてい

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ドイツ銀行グループ る。当行は、市民社会の一員として、他の すべての市民と同様に、社会貢献の必要性 を認識している。特に、当行が重きを置い ているのが、若い世代が将来に向けて展望 が開けるよう、様々な活動を継続的に支援 する事である。本年度の「アルフレート・ ヘールハウゼン・ソサイエティ・フォア・ インターナショナル・ダイアログ(Alfred Herrhausen Society for International Dialogue)」のテーマは、「将来への展望∼ 激化する教育」である。教育や訓練は、若 い世代が国内および国際的な責任を果たし ていく上でも、また、人間形成の面でも不 可 欠 と な っ て い る 。 さ ら に 、「 自 助 支 援 (Helping People to Help Themselves)」基金 では、他社との協力のもとで、社会構造の 改善を目指した行動を推進している。 開放性と多様性 当行の2000年度年次報告書では、こう したステークホールダーに対して、テーマ を持ったメッセージを伝えるという、従来 のアプローチを継続している。当行の年次 報告書に掲載されているデータや主要な数 値、およびその説明は、一般的な年次報告 書の内容を超えるものとなっている。当行 では、情報の透明性を重視し、当行に関心 を抱くあらゆる人物との対話を重視したい と考えている。また、日々、緊密性を増し ている現代において、グローバル企業とし て主導的な役割を果たすことも目指してい る。ドイツ銀行は、デモクラシー、寛容、 平等を徹底的に追求することで、こうした 責任を果たしていく所存である。 顧客 四 大 要 素 株主 従業員 社会

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株主

顧客との良好な関係が株主への高いリターンを可能にする。

2000 1999 19981 構成上の グループ別株主 機関投資家(銀行を含む) 81 % 77 % 64 % データ 株式資本中の比率 個人投資家 19 % 23 % 36 % 地域別内訳 ドイツ 48 % 51 % – 株式資本中の比率 欧州連合(ドイツを除く) 33 % 30 % – スイス 9 % 7 % – アメリカ合衆国 9 % 9 % – その他 1 % 3 % – 主要な数値 ドイツ銀行株式の投資収益の変化 + 7.3 % + 75.6 % – 21.9 % ドイツ株式市場の出来高に占めるドイツ銀行株式の割合 6.0 % 5.6 % 6.6 % 株主満足度指数2 62 60 特別 インターネット上のサービス IRの機能を充実 プロジェクト サービスの質の向上 ユーロ圏のIR活動を積極化 電子メールによる中間報告書の任意送付 11999年8月末、ドイツ銀行の無記名株式は記名株式に転換。それ以降、株主は、電子株主名簿に登録されており、1999年および 2000年の数字はこれに基づくものである。データ収集方法の相違により、1998年の各数値は1999年、2000年の数値とは完全に対 応しない。 2本指数は、株式の予想パフォーマンスおよび当社の一般的な情報評価に基づいて算出されている。1999年に初めて算出。1999年は アンケート方式、2000年はドイツ銀行株主総会で実施された。

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ドイツ銀行グループ

顧客

収益は当行との絆が強い顧客の満足度に依存している。

2000 1999 1998 構成上の 顧客数 データ 一般個人顧客および パーソナル・バンキング(ヨーロッパ)11,200,0001 8,872,000 8,419,000 富裕層向けバンキング部門 富裕層向けバンキング 493,000 449,000 400,000 法人顧客および不動産投資銀行部門 127,000 117,000 112,000 グローバル・コーポレート・アンド・ インスティテューションズ部門 2,200 1,700 1,200 資産運用部門 法人顧客 6,300 5,700 4,500 個人顧客 4,700,000 4,100,000 3,600,000 グローバル・テクノロジー・アンド・ グローバル・インスティテュー 11,5001 6,000 – サービス部門 ショナル・サービス 主要な数値 パーソナル・バンキング 顧客満足度指数 672 70 (ドイツ国内) 顧客忠実度指数 692 – 72 法人顧客および不動産投資銀行部門 顧客満足度指数 – 71 – (ドイツ国内)3 顧客忠実度指数 – 82 – グローバル・コーポレート・アンド・ ユーロマネー誌の「ポール・オブ・ インスティテューションズ部門 ポールズ」における順位 1 1 3 資産運用部門 DM/スタンダード・アンド・プアーズ4 における順位 1 1 1 グローバル・テクノロジー・アンド・ MACRO インターナショナル・ サービス部門 インスティテュートにおけるユーロ・ 1 1 – キャッシュ・クリアラー順位 特別 イノベーション・チームおよび 映画およびテレビの領域における拡大、再生可能なエネルギーおよび医学技術 プロジェクト コンペテンス・チーム (法人顧客)、顧客グループに対する従来からの家族財産管理、ニュー・エコノ ミー、企業のためのトップ・マネージャーやポートフォリオ・マネジメント (富裕層向けバンキング部門) dbマーケットプレース B2B(企業対企業)取引のプラットフォーム。特に、取引処理/決済と市場参 加者の認証を確実化。 クライアント・ポータル 総合口座や商品/ポートフォリオ情報へのアクセスが可能。個別のインターネ ットページの提供。市場データ、リサーチ情報へのアクセスおよび証券/外国 為替の直接取引(全顧客グループに対する個別サービスの提供)。 , 1計算基準変更。 21998年の数字は算出基準の相違により比較できない。 3顧客満足度指数と顧客忠実度指数は、0から100までの数値で評価。顧客の意識調査は原則として2年毎に行われる。 4“ ビック・グループ ” においては5年以上の業績である(1999年以前:DM/マイクロパル)。

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従業員

献身的で優秀な従業員が顧客との絆を強める。

2000 1999 1998 構成上の 従業員 98,311 93,232 75,306 データ 学歴 大学 37.2 % 36.8 % 32.6 % 高校卒業証明書 32.3 % 32.0 % 32.8 % その他修学証明書 30.5 % 31.2 % 34.6 % 地域別配置 ドイツ国内 51.5 % 55.0 % 64.7 % 欧州(ドイツを除く) 24.2 % 20.9 % 20.6 % 北米 16.2 % 15.7 % 6.6 % 南米 0.6 % 0.9 % 0.6 % アジア/太平洋 7.2 % 7.3 % 7.3 % アフリカ 0.3 % 0.2 % 0.2 % 年齢構成 24歳以下 11.2 % 12.0 % 12.5 % 25-34歳 38.3 % 38.0 % 37.2 % 35-44歳 29.4 % 28.9 % 28.4 % 45-54歳 16.7 % 16.6 % 17.3 % 54歳超 4.4 % 4.5 % 4.6 % 主要な 従業員コミットメント指数1 72 66 – 数値 欠勤率2 2.3 % 2.4 % 2.7 % 転職により当行を離職する従業員の割合3 7.8 % 6.8 % 5.7 % 研修および上級研修のための費用4(単位:百万ユーロ) 237.2 222.4 201.7 従業員株式を購入する従業員の割合 65 % 65 % 62 % グローバル・エクイティ・プランに 参加している有資格管理職の割合 77 % 79 % 83 % 特別 グローバル化−異文化間 クロス・ボーダー管理プロセスの効果の改善 プロジェクト マネジメント技術プログラム 共同投資および 当行の顧客への付加価値提供のための経営陣と従業員のコミットメント増強 繰越持分プラン 時間外手当の移動可能な利付口座 生活や教育、キャリア・プランの向上を図る施策による雇用主としての魅力 の改善(休暇や労働期間の改善)。 1従業員コミットメント指数は2度目の算出。 2欠勤率は、標準労働時間内の病気による欠勤を示す。 3年間平均従業員数を基に算出。 41999年度の研修および上級研修には各部門に配属された推進グループは含まれていない。 5グローバル・エクイティ・プランの基準数値APIPS(調整後税引前1株当たり純利益)は、1995-1997年4.18ユーロ、1998-2000年 4.81ユーロと推移した。

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ドイツ銀行グループ

社会

当行は、地域社会へのコミットメントを通じて従業員のアイデンティティを強化。

2000 1999 1998 構成上の データ ドイツ銀行がビジネスを展開している国の数 73 70 66 主要な ドイツ銀行グループに関係する基金やその他慈善機関による支出およびプロジェクト関連の支出 数値 (単位:百万ユーロ) 社会事象1 ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン基金 「自助支援」 5.0 5.3 5.3 ドイツ銀行アメリカ基金 14.4 13.5 – ドイツ銀行シチズンシップ英国 4.2 3.6 1.0 アレックス・ブラウン・アンド・サンズ慈善基金 4.2 2.0 – その他のプロジェクト関連支出2 0.5 0.5 0.5 文化 ドイツ銀行文化基金 3.7 3.5 3.1 その他のプロジェクト関連支出2 0.9 1.7 1.5 社会および科学 シュティフターフェアバント・ヒュア・ ディ・ドイチェ・ヴィッセンシャフトへの ドイツ銀行の研究基金 5.7 5.3 4.9 ヴィッテン/へルデッケ大学の ドイツ銀行家族経営企業研究所 1.1 0.6 0.2 アルフレート・ヘールハウゼン・ソサイエティ・ フォア・インターナショナル・ダイアログ 0.7 0.8 0.8 環境 ISO14001、ワールドワイド・ヤング・リサーチャーズ・ フォア・エンバイロメント(WYRE)、UNEPカンファレンス 3.3 2.3 1.9 プロトタイプの炭素基金/世界銀行 5.2 – – 特別 マイクロクレジット・ 経済的に恵まれない人々の経済的自立の支援、発展途上国の重視、起業資金貸付の多 プロジェクト ディベロップメント・ 層的システム ファンド グローバル・コンパクト 政府、非政府機関および産業界の間の対話促進のための国連イニシアティブに対する 支援 アレックス・ブラウン 非営利教育プロジェクトに対する支援(支援プロジェクトの例:世界的に有名な美術 200周年記念 館と市内の学校との間のパートナーシップ、歴史的倉庫を修復し教育センターとして 活用するプロジェクト、若い起業家のための大学センターの設立) ウイメン・オン・ウオール 金融業界で働く女性のキャリア機会向上のためのネットワークの育成 ストリート/ウイメン・イン・ ヨーロピアン・ビジネス 1米国の各基金は1999年に初めて導入された。 2コーポレート・センターにおけるもののみ。

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業績

2000年度にドイツ銀行の株価は上昇し、業績も好調であったことは、 当社のドイツ銀行への投資が正しかったことを示している。さらに、ラ・カイシャ (la Caixa)とドイツ銀行は、共同で、戦略上のe-コマース・プロジェクトを推進 している。このなかで両社は、技術面のノウハウだけでなく、それぞれ強みを発揮 する市場に関する知識の蓄積も図っている。 ホセ・ヴィララサウ José Vilarasau ラ・カイシャ 会長 バルセロナ

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株主

ドイツ銀行株は株式相場が軟調に推移するなか健闘

ドイツ銀行の株価は、厳しい相場展開となった2000年の株式市場において極

めて良好に推移した。

株価は市場動向に反して推移 2000年度、ドイツの株式相場が全般に 下落基調となったなか、ドイツ銀行の株価 は6.8%上昇した。ドイツの株式市場を代表 するDAX株価指数は7.5%下落した一方、銀 行株価指数CDAXも2.3%下落した。こうし たなかで、ドイツ銀行は、ドイツの主要銀 行株のなかで上昇した唯一の銘柄となった。 また当行の株価は、欧州優良株価指数であ るダウジョーンズ・ストックス50の年間 2.6%の下落を大幅に上回る推移を示した。 当行の株価は2000年度初旬に68.75ユ ーロの最安値(3月31日)まで下落したが、 2000年度中に50%上昇し、8月中旬には 103.27ユーロの最高値を記録した。こうし た急反発の背景には、2000年度前半の業績 が好調であったことに加え、ドイツ税制改 革法案の可決により当行の保有株への恩恵 が見込まれたことがある。しかしながら、 特に明記するべき点は、ドイツ銀行が「バ ルジ・ブラケット」と呼ばれる少数の優れ た投資銀行グループの仲間入りすることを、 資本市場において認められたことである。 2000年第4四半期の株式市場の全般的 な低迷、特にいわゆるニュー・エコノミー 銘柄への幻滅が広まる中で一部銘柄の大幅 な下落に引きづられ、2000年度末の当行の 株価の終値は89.51ユーロとなった。また、 米国における信用リスクの高まりに対する 懸念も投資家マインドを冷え込ませた。 ドイツ銀行株は、2000年末時点におい てDAX株価指数の6.2%を占めている。一方、 2000年度中の当行株式売買高は約2,320億 ユーロに達し、DAX構成銘柄中、第4位の 売買高となった。ユーレックス(Eurex) においても、当行株式を対象とした取引は 活発に行われている。 2000年末において当行株式は、無額面 株式616,514,046株となっている。時価総額 は、前年度比で約40億ユーロ増の552億ユ ーロとなり、ドイツの全銘柄のなかで第5 位を占めている。 ド イ ツ 銀 行 株 式 に 関 す る 情 報 2000 ドイツ銀行株式の投資収益の変化 + 7.3% ドイツ株式市場の出来高に占めるドイツ銀行株式の割合 6.0% 一日当たりの平均出来高 1,070万株 2000年12月31日現在 発行済株式数 616,514,046 株 株式資本 1,578,275,957.76ユーロ 時価総額 552億ユーロ 株価 89.51ユーロ DAX株価指数に占める比率 6.2% ダウジョーンズ・ストックス50株価指数に占める比率 1.5% 有価証券識別上の数値: 記名株式 514 000 ADRスポンサード・レベルワン* ロイター DBKGn.DE 比率 1:1 ブルームバーグ DBK GR 記号 DTBKY US-CUSIP 251 525 309 *店頭取引

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魅力的な投資対象 ドイツ銀行の株式は、長期的な投資収 益からみて絶対的にも相対的にも魅力的な 投 資 対 象 と な っ て い る 。 1980年 初 頭 に 10,000ユーロ相当のドイツ銀行株式を取得 した投資家は、その後買い増しをせずに、 配当金のみを当行株式の追加購入に充当し た場合、2000年度末時点で127,853ユーロ の株式を保有していることになる。これは 年間平均で12.9%の収益に相当する。同期 間の銀行株価指数CDAXおよびドイツDAX 株価指数の年間収益率各々10.5%、13.0% と比較すると、ドイツ銀行株のパフォーマ ンスは銀行株価指数CDAXを大きく上回り、 ドイツDAX株価指数とほぼ肩を並べる水準 になっている。 国外における広範な株主層 株主名簿に登録されている株主数は、 1999年度末の538,548人から2000年度末に は494,219人へと減少した。銀行を含む機関 投資家は、株式資本1,578,275,958ユーロの 81%相当を保有している。外国人持株比率 は、前年度の48%に対して51%となった。 諸外国のなかで、最も保有比率が上昇した 国はスイスである。当行の株式資本の約 1.3%は米国預託証券を通じて保有され、米 国で店頭取引されている。 ドイツ証券取引法第21条により、5% 超の株式を保有する株主については報告義 務があるが、これに該当する当行の大株主 は存在しない。欧州最大の貯蓄銀行である スペインのラ・カイシャ(la Caixa)は、当 行株式の約4%を保有していることを明ら かにしている。 株主総会への出席状況 2000年6月9日の株主総会には、当行の 議決権株式の31.9%(1999年:37.5%)に 該当する約5,600名(1999年:6,500名)の 株主が出席した。出席比率が過去最低とな った原因としては、登録株式に対する従前 の15か月委任状の適用範囲が非常に限定的 であったことが挙げられる。しかし、2001 年初頭からの法規制の変化に伴い、出席率 向上の可能性は大幅に高まっている。 2000年の株主総会においては、すべて の決議が多数の賛成により可決された。ま た、本株主総会では、株式買戻プログラム に係わる承認も初めて得られた。過去数年 間と同様に、株主総会への参加者を対象に、 株主の満足度に関するアンケートを実施し、 このなかで株主総会出席の動機や投資対象 としての当行株式の評価などに関する質問 を行った。当行の株主満足度は若干の増加 となっている。 その他個人8% 被雇用者および 年金受給者11% 株式資本の分布 616.5百万株 保険会社、 投資信託会社27% その他機関投資家 および事業法人54% その他個人35% 被雇用者および年金受給者63% 株主構成 494,219人の株主 機関投資家2%

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株主 ニュー・メディアの積極的な利用 当行の株主は2000年より、株主総会の 個々の議案に関して、インターネットを通 じて意見を述べることが技術的に可能にな った。これはドイツの企業としては先駆的 な取り組みである。また、個人株主と機関 投資家の双方に、タイミングと内容の両面 において、平等に情報を提供するため、イ ンターネットの利用を拡大している。例え ば、中間報告書は、報道機関に開示される のと同時にインターネット上でも掲載され て い る 。 一 方 、 当 行 の ホ ー ム ペ ー ジ (www.deutsche-bank.com)は、1か月当た り270万回以上のヒット件数を記録し、こ の数字はさらに増加している。さらに、当 行の株主は、年3回発行される中間報告書 を電子メールで受け取ることもできる。当 行では、個人株主との間の迅速で容易なコ ミュニケーション手段として、インターネ ットの利用を拡大していく方針である*。 世界中の機関投資家および銀行アナリ ストに対しては、これまでと同様に、取材 に応じるなどの直接的な手段でコミュニケ ーションを図っていく。こうした業務を担 当しているのは、インベスター・リレーシ ョンズ(IR)部門であり、同部門はバンカ ース・トラストの買収を受けてニューヨー クにもオフィスを置いている。当行では、 300回以上の個別ミーティングを開いて、 事業戦略や業績について個々に対応した。 また、ドイツ国内外で大小多数の機会を設 けて会社説明を行った。当行は、コミュニ ケーションの一つの手段として電子媒体の 活用を増やしているが、同時に投資家への 個別対応も重視している。 株価の長期的な推移 1980年を100とした投資収益の指数 1,500 1,300 1,100 900 700 500 300 100 ’80 ’82 ’84 ’86 ’88 ’90 ’92 ’94 ’96 ’98 ’00 * www.deutsche-bank.com/ir

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信頼

プライベート・バンクを選ぶ際に最も重視しているのが、 信頼である。金融機関だけでなく、担当してもらうリレーションシッ プ・マネージャーが信頼できる人かどうかも大切だ。信頼は、あらゆ る強固な関係の土台となるもの。私たちはドイツ銀行に対してこのよ うな信頼を持っている。 セリア・モー/ローレンス・モー

Celia and Laurence Moh

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顧客

一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門

ドイチェバンク24および富裕層向けバンキング・ビジネスは引き続き収益を拡大

ドイチェバンク24 一般個人顧客向けバンキング部門で は、ドイチェバンク24*が、資本市場商品 および不動産投資商品をはじめとした包括 的な運用プログラムに加え、顧客が選ぶ販 売チャネルを通じて金融サービスを提供し ている。ドイツ銀行グループは、欧州全域 でこうした一般個人顧客向けバンキング を展開している。 ドイチェバンク24は、通年ベースで最 初の決算を迎えた2000年度、ドイツ市場に おいて革新的な金融サービスを提供し、収 益力のある金融サービス会社としての基盤 を確立した。多様な商品およびサービスの 提供により、ドイチェバンク24は約40万人 の新規顧客を開拓し、2000年度末時点の個 人顧客および中小規模企業の顧客数は、あ わせて730万人を上回っている。特に、オ ンライン・バンキングを利用する顧客数は 飛躍的に増加し、前年度比80%増の110万 人に達した。これによりドイチェバンク24 は、ドイツ最大のオンライン銀行であるば かりでなく、欧州においても主要なオンラ イン銀行の一社となった。こうした成功に は、オンラインによる証券取引(ブローカ レッジ24**)の貢献が大きい。同取引によ る2000年度末の保管口座数は、前年度比倍 増し、26万口座となった。 2000年度中に最もビジネスが拡大した のは、証券および投資ビジネスである。ド イチェバンク24は特に、インフィニオン (Infineon)とドイツ・テレコム(Deutsche Telekom)(第3次募集)の新規株式発行に 際して、個人顧客への販売力を存分に発揮 した。また、高い株主資本利益率を有する 24銘柄に投資する証券、「クイングス・グ ローバル・ブルー・チップス24(Quings Global Blue Chips 24)」には、わずか一か月 間に3億ユーロ以上の投資資金が集まった。 ドイチェバンク24の証券取扱高は、2000年 度末時点で335億ユーロであった。 2000年度において、ドイチェバンク24 は、顧客向けオンライン・サービスをさら に拡大した。モバイル・バンキングおよび WAPベースのモバイル売買委託技術の導入 により販売チャネルが拡大し、さらに、e-一 般 個 人 顧 客 お よ び 富 裕 層 向 け バ ン キ ン グ 部 門 * 単位:百万ユーロ 2000 1999 収益 5,714 4,803 貸倒引当金繰入 – 170 – 94 営業費用 – 4,561 – 4,079 その他の収益/費用の差額 – 74 – 147 (営業権償却を含む) – 60 – 45 再構築費用および税金前利益 909 483 再構築費用 11 – 281 税引前経常利益 920 202 平均資本(単位:百万ユーロ) 2,186 1,945 株主資本利益率(%)(営業権償却を除く) 45 13 株主資本利益率(%)(営業権償却を含む) 42 10 価値創造(単位:百万ユーロ) 653 – 45 費用/収益比率(%)(営業権償却を除く) 80 87 費用/収益比率(%)(営業権償却を含む) 81 88 リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ) 43,929 44,471 セグメント資産(単位:百万ユーロ) 69,089 60,724 セグメント負債(単位:百万ユーロ) 78,931 74,391 *注記に関しては、124頁の「セグメント情報の報告」を参照。 * www.deutsche-bank-24.com ** www.brokerage24.com

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コマースとの連携も促進した。ドイチェバ ンク24はドイツの銀行としては初めて、通 常の営業時間外に顧客がセルフサービス端 末を通じて保険証券を購入できるサービス を提供した。 また、ドイチェバンク24は、カスタマ ー・リレーションシップ・マネジメント (CRM)を導入し、同一の顧客に多様な商 品を販売する体制を強化した。これにより、 顧客のライフステージや取引チャネルの選 好を考慮に入れたサービスが提供できるよ うになった。 展望 ドイチェバンク24は、預金および証券 販売業務の収益拡大を目指している。ドイ ツ銀行グループは、ドイツ国内で成功を収 めているドイチェバンク24の事業形態を、 2001年度中に他の欧州諸国にも拡大する予 定である。つまり、ドイツ、イタリア、ス ペイン、フランス、ポルトガル、ベルギー およびポーランドにおける一般個人顧客向 けバンキングは、ドイチェバンク24に統合 される一方で、フランスでは、既に合意に 至 っ て い る バ ン ク ・ ウ ォ ル ム ( Banque Worms)の中核事業買収を通じて、拡大を 図り、2001年度中にはドイチェバンク・エ ス・エイ(Deutsche Bank S.A.)との業務 統合を予定している。また、2001年4月か らは、統合オンライン・ブローカーである 「マックスブルー」を含めることで、サービ スの幅がさらに拡大される。 欧州の顧客は、独自に選択したチャネ ルを通じて、ドイチェバンク24の提供する 商品に、いつでも、どこからでもアクセス することができる。また、特別の設備を備 えたパーソナル・アンド・オンライン・イ ンベストメント・センターに出向くことに より、個人的な金融アドバイスを受けたり、 統合オンライン証券サービスにアクセスす ることも可能になる。 こうした欧州全域へのサービスの拡大 により、ドイチェバンク24は、約21,000人 の従業員を擁し、1,100万人以上の顧客を有 することになる。魅力的な商品、信頼でき るテクノロジー、欧州全域に浸透したブラ ンド力、そして2,000を超える支店など、さ らなる成長への基盤は整っている。ドイチ ェバンク24が拠点を置くことになる欧州各 国の潜在的な顧客数は6,000万人を超えると 見込んでいる。 富裕層向けバンキング  ドイツ銀行は2000年度において富裕層 向けバンキング*の分野で、世界でも主導 的な金融機関の一社としての地位を確立し、 同部門の収益は過去最高を記録した。運用 資 産 は 、 前 年 度 比 160億 ユ ー ロ 増 加 し 、 2,080億ユーロに達した。メキシコ、ギリシ アおよびトルコでプライベート・バンキン グ・センターを新設したことにより、現在 では、世界38か国、49万3,000人の顧客に サービスを提供している。 同部門は、ドイツ、米国、その他の3 つの市場に分け、同一のビジネスモデルに 基づいたビジネス展開を図っている。つま り、リレーションシップ・バンキング、e-コマース、証券ブローカレッジ、資産運用 7,2 5,0 5,5 6,0 6,5 7,0 12/00 9/00 6/00 3/00 12/99 7,2 7,1 6,9 7,3 ドイチェバンク24: 顧客総数の増加 (単位:百万人) (各四半期末) 746 815 900 625 0 250 500 750 1,000 12/00 9/00 6/00 3/00 12/99 1,100 ドイチェバンク24の オンライン顧客数 (単位:千人) (各四半期末) * www.db-privatebanking.com

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顧客 の主要ビジネスに注力して業務展開してい る。 ドイツ国内においては、主要な顧客グ ル ー プ に 対 応 す る た め 、 特 別 セ ン タ ー (Centers of Competence)を設置している。 当行のカスタマー・リレーションシップ・ マネージャーは、提携先の協力を得て、定 期的に知識を習得する機会を得ている。例 えば、ボーフム大学のフィナンシャル・コ ンサルタント研究コース、ニューヨーク大 学との交換プログラム、不動産および住宅 関連の経済学研究についてライプチヒ大学 との提携などが挙げられる。当行は、資産 運用の分野で、ドイツ国内外の優れた専門 家を採用することに成功しているが、これ は当行の富裕層向けバンキング部門の真価 を反映している。 米国以外の国際資産運用業務について は、DBスイス(DB Switzerland)が統括す ることになった。DBスイスは、ユーロマネ ー誌から3年連続して「スイスにおける最 優秀外国銀行」に選ばれている。DBスイス の顧客数、収益ともに大きく増加した。 米国において当行の富裕層向けバンキ ング部門は今後、ドイチェバンク・アレッ ク ス ・ ブ ラ ウ ン ( Deutsche Banc Alex. Brown)の証券ビジネスと結びつき、大幅 に強化されることを見込んでいる。同社の 新規発行に対するアドバイザリー・サービ スは、高い評価を得ており、こうした同社 の強みは当行の商品の幅を拡大するのみな らず、欧州およびアジアの顧客の利益にも つながると考えている。2000年にフランク フルトに設立されたドイチェ・ファミリ ー ・ オ フ ィ ス ・ ゲ ー エ ム ベ ー ハ ー (Deutsche Family Office GmbH)は、富裕 層向けの幅広い窓口として機能し、多様な サービスを提供するとともに透明性の向上 にもつながっている。同オフィスは設立直 後から頻繁に利用されている。 当行のe-コマース戦略は「革新性」を特 徴としている。ファズ・ネット(FAZ.Net) との協力はその一例である。個々のニーズ にあわせてカスタマイズできるファズ・ネ ットのホームページの利用者約6万人は、 各自の個人情報メディアを統合することが 可能である。当行の富裕層向けバンキング のホームページは、IR等コンサルティング 会社のラファティーから同ビジネスにおけ る世界で最も優れたホームページ、ベスト 3のうちの一つに選ばれている。 新しい組織体制のもとでは、富裕層向 けバンキングは他のビジネスとさらに緊密 に連携する体制が整った。これにより当行 の顧客は直接の恩恵を享受する。従来より、 投資銀行部門、資産運用部門、富裕層向け バンキング部門の社員はお互いに協力し、 成功を収めてきた。当行の新しい証券であ るザベックス・ヘッジセレクト(Xavex HedgeSelect)に、2000年度末時点で、欧 州の投資家から20億ユーロ近くの投資が行 われていることからも、当行の成功は明ら かである。 72 208 0 50 100 150 200 ’00 ’99 ’98 ’97 ’96 122 98 192 富裕層向けバンキング部門の拡大 運用資産(単位:10億ユーロ)

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グローバルなネットワーク 

業界におけるリーダーとしての地位 を確固としたものにするため、当社の様々なニーズに応えてくれるパートナーの一 社として、ドイツ銀行を選んだ。ドイツ銀行の欧州における強みと世界的なネット ワークは、当社の欧州におけるさらなる発展を支えるだろう。 フランシス・マルクス Francis Markus ロベルト・ゾラド Robert Zolade グループ・エリオール共同会長 パリ

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顧客

法人顧客および不動産投資銀行部門

ドイツ銀行は2000年に

顧客への営業体制を強化し、中規模の企業向けに対して革新的な資本市場サ

ービスを提供する体制を整えた。

インターネットの活用による販売チャネル の拡大 当行は、法人顧客向けの金融ポータル (玄関)サイト、dbビジネス・ダイレクト (db business direct*)を開設した。この取 引の決済は、サービス・センターを通じて 行われている。また、SAPの協力のもとで、 オフィス機器および情報技術(IT)商品を 扱う電子取引市場を運営するエマロ・ア ー・ゲー(emaro AG)を設立した。同市場 の参加者は、透明性の高い市場運営、迅速 な納品、低いコストといった恩恵を享受し ている。また、当行は外部の電子取引市場 の運用者向けに、新しい商品の提供も行っ ている。 企業の高い成長を支援 当行は2000年度も引き続き、成長が著 しい業種、つまりバイオテクノロジー、環 境、マイクロテクノロジー、オートメーシ ョン、マルチメディア、テレビ/映画産業 の顧客企業に注力した。従来のクレジッ ト・ファイナンスによるサービスを強化、 補完するために、資本市場を活用した大規 模なファイナンスを提供した。また、成長 が見込まれる企業の設立段階、あるいは設 立以前の段階に資金を提供したり、IPO (株式新規公開)を控えた企業の株式に投資 を行う資金提供者(ビジネス・エンジェル) の仲介にも力を入れた。 一方、DVC(ドイチェ・ベンチャー・ キャピタル(Deutsche Venture Capital))、 DBインベスター(DB Investor)、DBキャピ タル・パートナーズ(DB Capital Partners) と協力することで、プライベート・エクイ ティの分野でもビジネスを拡大した。 当行では、信用力の高い顧客企業に注 力し、また業種別に専門能力の高い人材を 配置することで、今年度も引き続きリスク 対応コストを抑制した。 当行は、法人顧客向けのポートフォリ オ運用の分野においても、欧州最大規模の 一社となっている。その運用資産は、前年 比30%増加し、200億ユーロに迫る規模と なっている。 法 人 顧 客 お よ び 不 動 産 投 資 銀 行 部 門 * 単位:百万ユーロ 2000 1999 収益 3,450 3,049 貸倒引当金繰入 – 284 – 200 営業費用 – 1,978 – 1,817 その他の収益/費用の差額 – 145 – 129 (営業権償却を含む) – 63 – 61 再構築費用および税金前利益 1,043 903 再構築費用 11 – 22 税引前経常利益 1,054 881 平均資本(単位:百万ユーロ) 5,223 4,582 株主資本利益率(%)(営業権償却を除く) 21 21 株主資本利益率(%)(営業権償却を含む) 20 19 価値創造(単位:百万ユーロ) 334 256 費用/収益比率(%)(営業権償却を除く) 60 62 費用/収益比率(%)(営業権償却を含む) 61 64 リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ) 88,529 91,699 セグメント資産(単位:百万ユーロ) 148,350 137,773 セグメント負債(単位:百万ユーロ) 106,664 135,097 *注記に関しては、124頁の「セグメント情報の報告」を参照。8 * www.db-business-direct.com

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蓄積してきたノウハウを活かし、順調なス タート リレーションシップ・マネージャー は、専門性の高いサービスを提供するため、 他部門との連携を強めている。欧州では 2000年度に、従来からのリレーションシッ プ・バンキング業務に、他部門で業界担当 者が有している高い専門性やビジネス化へ のプロセスを取り入れるなどして、同業務 の戦略的な強化に取り組んだ。ドイツ国内 の他、イタリア、スペイン、ポルトガル、 オーストリア、ベルギー、オランダ、フラ ンス、中東欧の数か国でこうした連携を強 めて業務を展開している。既に買収の合意 が成立しているバンク・ウォルムの中核事 業買収によって、今後、フランスに新しい 拠点を確立することになる。 当行は、中小規模の企業の成長段階に 応じたアドバイザリー・サービスを提供し ている。2000年7月1日にはDBコンサルト (DB Consult)を設立し、M&Aアドバイザ リー・サービスに対する要望が強い、中小 規模の顧客企業への体制を強化した。 同部門のコーポレート・ファイナンス と投資銀行部門の商品開発担当や各業界担 当の間の連携を強めることによって、中小 規模の顧客企業に幅広いサービスを提供し ている。こうしたグループ内の連携を強め ることで、資本力を必要としないビジネス からの収益が増加した。当行はまた、グル ープ内の子会社と共同で、環境保全型のエ ネルギー・プロジェクトを推進し、資金調 達を行っている。こうしたプロジェクトに は、事業運営ファンド(オペレーター・フ ァンド)を活用した6つの風力発電施設が 含まれている。さらに、風力発電施設と同 様の施設やバイオマス発熱・発電施設の計 画も進んでおり、投資家への販売が予定さ れている。 信用状(L/C)業務および国際決済業 務は、引き続き堅調に推移した。利息や通 貨の運用に係わる幅広い金融商品は顧客か ら高い評価を得ている。一方、顧客企業が リスクを分析し、リスク管理を徹底する上 で有益なリスク管理サービスへの需要も高 まった。 2000年度は、クレジット・デリバティ ブを使った証券化案件にも取り組み、その 規模も拡大している。1998年以降の取引総 額は188億ユーロである。これにより拘束 資本を大幅に削減することによる成長の余 地が高まっている。 当行は、幅広い金融商品やサービスを 一括して提供することにより、アセット・ ファイナンス市場における地位を強化する ことができた。一方で、注力している業種 に特化したプロジェクト・ファイナンスの 推進を引き続き強化した。意思決定や処理 能力の迅速化、合理化がはかられた。2001 年2月1日から実施された新しい組織体制の 下では、欧州のセールス・ファイナンス、 リースおよびフリート・マネジメント業務 の廃止が決まっている。 科学の推進 当行は、1997年末からヴィッテン/ヘ ルデッケ私立大学と提携し、家族経営企業 の研究を目的とした「ドイツ銀行家族経営 法人顧客および不動産投資銀行部門 革新的な顧客企業 案件規模:8億2,000万ユーロ オート メーション9% バイオ テクノロジー21% 環境 テクノロジー8% テレビ/映画産業26% マルチメディア20% マイクロテクノロジー16%

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顧客 研究所」を設立した。当研究所では、学際 的な研究や関連したテーマの実地調査を目 的とした3つの講座を開設している。当研 究所は、こうした目的に沿った大学内の研 究機関としてはドイツ国内で唯一となって おり、当行が中小規模の企業をいかに重視 しているかを表している。 拡大基調にある不動産関連ビジネス 当行は、欧州の商業用不動産向け資本 市場における基盤をさらに強化した。特に ドイツ国外における成長が著しく、ユーロ ハイポ・アー・ゲー(Eurohypo AG)*の新 規事業の50%以上を海外が占めている。不 動産投資アドバイザリー、リストラクチャ リング、マーケティング・サービスを提供 する不動産投資銀行ビジネスは急速に拡大 している。当行は、これらのサービスを今 後さらに拡大する予定である。また、主に 海外不動産に投資する新しいオープン・エ ンド型投資信託、「グルントベジッツ・グロ ーバル(grundbesitz global)**」の設定に よって不動産投資商品の拡充を図った。さ らに、初めて、クローズド・エンド型投資 信託の株式をインターネット***を通じて 投資家に提供できる体制を整えた。 ユーロハイポ・アー・ゲー 海外不動産金融ビジネスの急速 な拡大 単位:百万ユーロ 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 ’00 ’99 ’98 ’97 ’96 473 1,207 2,062 6,552 410 0 内、シンジケート総額 * www.eurohypo.com ** www.grundbesitz-invest.com *** www.deutsche-grundbesitz.com

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グローバルな資源

地域に根差し、しかもグローバルなネットワーク に支えられたサービスの提供。アルゼンチン共和国にとってドイツ銀行が重要なパ ートナーである理由はここにある。 ダニエル・マルクス Daniel Marx アルゼンチン共和国、経済省、財務長官

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顧客

グローバル・コーポレート・アンド・インスティテ

ューションズ部門

当グループ部門の2000年度の業績は極めて良好で

あった。

2000年度の収益および利益は、厳しい 相場展開にもかかわらず、順調であった前 年度を上回るものとなった。これにより、 当行は収益ランキングで世界第2位の投資 銀行の地位を占めた。当行は、アナリスト やメディアだけでなく、顧客からも「バル ジ・ブラケット」の一員として認められる確 固とした地盤を固めた。また、ユーロマネ ー誌の「ポール・オブ・ポールズ(Poll of Polls)」において、2年連続でNo.1の投資銀 行に選ばれた。市場リスクやコストの徹底 した管理、資本の適切な配分によって、当 行は、最も優れた投資銀行の一社として世 界的に認識されている。 高い成長を持続 グローバル・コーポレート・アンド・ インスティテューションズ部門*の2000年 度の収益は、前年度比50%超増加し、147 億ユーロとなった。これまで、競合他社の なかでこれ程高い成長率を達成した例はな い。2000年度の収益の大幅な増加は、バン カース・トラストとの統合が成功裡に終わ り、その真価が発揮されたことに大きく依 拠している。当行の収益は、弾力性と安定 性を有し、2000年度下半期に資本市場が低 迷したなかでも、同部門の収益は大きく落 ち込まず、安定して推移し、2000年度の収 益は、競合大手に匹敵、あるいは上回る結 果となった。 一方、利益も非常に良好であった。税 引前利益は、前年度比ほぼ80%増の40億ユ ーロとなった。税引前株主資本利益率(営 業権償却を除く)は、前年度の23%に対し て34%となった。収益の大幅な増加以外に、 こうした良好な利益に寄与した要因が幾つ かあげられる。第一に、コスト管理が継続 されたことである。営業権償却を除いたベ ースで費用/収益比率は70%の水準にあ り、これは金融機関のなかでもトップレベ ルとなっている。当部門では、信用リスク およびマーケット・リスクに関しても、非 常に厳格な基準を適用している。収益の対 前年度比増加は、実質的に変化していない 経済的資本およびリスク加重調整済ポジシ グ ロ ー バ ル ・ コ ー ポ レ ー ト ・ ア ン ド ・ イ ン ス テ ィ テ ュ ー シ ョ ン ズ 部 門 * 単位:百万ユーロ 2000 1999 収益 14,651 9,703 貸倒引当金繰入 85 – 3 営業費用 – 10,422 – 6,916 その他の収益/費用の差額 – 204 – 70 (営業権償却を含む) – 401 – 254 再構築費用および税金前利益 4,110 2,714 再構築費用 – 135 – 495 税引前経常利益 3,975 2,219 平均資本(単位:百万ユーロ) 12,801 10,743 株主資本利益率(%)(営業権償却を除く) 34 23 株主資本利益率(%)(営業権償却を含む) 31 21 価値創造(単位:百万ユーロ) 2,456 861 費用/収益比率(%)(営業権償却を除く) 70 70 費用/収益比率(%)(営業権償却を含む) 73 73 リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ) 137,120 135,714 セグメント資産(単位:百万ユーロ) 584,627 584,939 セグメント負債(単位:百万ユーロ) 555,018 593,760 *注記に関しては、124頁の「セグメント情報の報告」を参照。 * www.db.com 2001年2月1日から導入した新しい組織体制のため、 同部門のインターネット・アドレスはすべて、2001 年春に変更される。

参照

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