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Interleukin-17A plays a pivotal role in chemically induced hepatocellular carcinoma in mice 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 孙 超 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博4甲 第 179 号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年9月25日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Interleukin-17A plays a pivotal role in chemically induced hepatocellular carcinoma in mice

(マウス化学肝発癌におけるInterleukin-17A の役割について) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 中尾 篤人 委 員 准教授 坂本 穣 委 員 講 師 地場 達也

学位論文内容の要旨

(研究の目的) Interleukin(IL)-17A は IL-17F と共に第 3 のリンパ球サブセットである Th17 より産生されるサ イトカインである。とくにIL-17A はマクロファージや T 細胞を活性化させ、細胞性免疫や液性免疫 を活性化させることにより炎症メディエーターを誘導し、細菌感染や、自己免疫疾患などに関与する。 さらに、最近、胃癌、乳癌、卵巣癌などでIL-17A が癌の進行進展を促進させる事実が報告された(J Immunol. 2010;184:1630-1641.; BCR. 2008;10:R95. BBRC. 2008;374:533-537.)。一方、これまで のわれわれの、IL-17A に関する検討結果より、IL-17A は肝マクロファージを活性化させ炎症性サイ トカインの産生を増加させる事実が解明されている(J. Immunol 2011; 187:4818-25. Kono et al.)。 さらに、ジエチルニトロサミン(DEN)誘発肝発癌モデルにおいて、肝マクロファージ由来の炎症 性サイトカインの関与を報告している(Hepatology Research. 2013;44:798-811. Hara and Kono et al.)。これらの事実より、DEN 投与肝発癌モデルにおいて、IL-17A はその発癌過程において重要な 役割を果たしている可能性が示唆される。そこで、今回、IL-17A の肝発癌における役割を IL-17A 欠損マウスを用いて検討した。

(方法)

IL-17A 欠損マウス(KO 群)と野生型マウス(WT 群)を用い、生後 2 週目に diethylnitrosamine (DEN) を 20mg/kg 腹腔内単回投与するモデルを作製した。

検討 I(慢性期):

DEN 投与後の肝発癌における IL-17A の役割を検討する目的で、DEN 投与後 38 週目に犠牲死させ、発 癌率、腫瘍数、最大腫瘍径について検討した。

(2)

DEN 投与後早期の炎症における IL-17A 役割を検討する目的で、DEN 投与後 0, 0.5, 1, 2, 7 日目に犠 牲死させ、血清 ALT 値、炎症性サイトカイン TNF-αの mRNA 発現を real-time RT-PCR 法で、タンパ ク発現を抗 TNF-α抗体を用い immunoblotting 法で検討した。細胞増殖について抗 Ki-67 抗体を用い た免疫組織染色法で検討した。酸化的 DNA 障害マーカーと過酸化脂質マーカー4-HNE を、それぞれ抗 8-OHdG 抗体と抗 4-HNE 抗体を用い、免疫組織染色法と immunoblotting 法で検討した。DNA 修復酵素 APE を、抗 APE 抗体を用い immunoblotting 法で検討した。

(結果)

検討I:、WT 群と比較し、KO 群では DEN 投与後の発癌率、腫瘍数が有意に減少した。しかし、 腫瘍径はWT 群と比較し、KO 群で減少したが有意差を認めなかった。

検討II:DEN 投与後急性期では、WT 群で、血清 ALT 値、TNF-αの mRNA ならびに蛋白発現が ともに増加し、KO 群で有意に減少した。また、Ki-67 陽性細胞は WT マウスで増加し、WT 群と比 較しKO マウスで有意に低下した。さらに、酸化的 DNA 障害マーカー8-OHdG ならびに過酸化脂質 マーカー4-HNE は WT 群で増加し、WT 群と比較し KO 群で有意に減少した。DNA 修復酵素 APE 発現は両群間に差を認めなかった。 (考察) 炎症性発癌においては NF-κB などの転写因子活性化に伴う炎症が発癌に関与していることが報 告されている。今回の検討で、WT 群における DEN 投与後の腫瘍発生の増加と、投与後急性期にお ける炎症性サイトカイン発現と酸化的DNA 障害の増加の結果より、DEN 投与による発癌は、炎症 と、それに伴うDNA 障害が腫瘍発生に関与していると考えられた。DEN 投与後の WT 群における 腫瘍発生の増加と、投与後急性期で認めた血清ALT 値、炎症性サイトカイン TNF-α発現の増加が、 KO 群で有意に低下した結果より、IL-17A は DEN 投与による炎症を惹起する機序に関与していた と考えられる。また、DEN 投与肝発癌モデルにおいて、WT 群と比較し KO 群では腫瘍の発癌率、 腫瘍数が有意に低下したが、DEN 投与後急性期においては Ki-67 陽性細胞が WT 群と比較し KO 群 で有意に低下をしていたものの、WT 群と KO 群との間に腫瘍径に有意差を認めなかった結果は、 IL-17A は腫瘍の増殖より発生に強く関与していると考えられた。 (結論)

DEN 誘発肝発癌モデルにおいて、IL-17A は肝内の炎症を増加させ、DNA 障害を誘発することで、 肝癌発生(イニシエーション)に関与していたと考える。本検討をもとに、今後、肝細胞癌症例での IL-17A の役割の検討を行いたいと考えている。

論文審査結果の要旨

本申請者は、マウス化学肝発癌におけるIL-17A の役割について明らかにすることを目的として本 研究を行った。この目的のため、野生型マウスとIL-17A 欠損マウスに対して化学発癌物質である DEN(diethyl nitrosamine)を全身的に投与して肝癌の発症率、肝細胞増殖、DNA 損傷、マクロファ

(3)

ージ活性化、炎症性サイトカイン産生などについて比較検討した。 その結果、IL-17A 欠損マウスではいずれの項目についても野生型マウスに比して低下していた。 これらの結果は、IL-17A がマウス化学肝発癌モデルにおいてその発症を促進する働きがあることを 示しており、そのメカニズムとして肝細胞増殖や炎症反応、酸化ストレス、DNA 損傷等を増強する ことが示唆された。 以上の結果はヒト肝細胞癌の発症においてもIL-17A が促進的に作用する可能性を示唆し、今後の さらなる臨床的な検討が期待される。 以上のことから本論文は今後の医学の発展に資するものと考えられ、医学博士の学位に値するもの であると審査委員一致で同意した。

参照

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