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 第2例山○き057歳癌性腹膜炎

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(1)

434

腹:水並びに髄液中へのOl観cocortlcoidsの移行

金沢大学医学部第二内科教室(主任:日置教授)

     竹  田  亮  祐      玉  井  健  雄

      (昭和31年4月30日受附)

Glucocorticoids in the Cerebrospinal and Ascitic Fluids.

      Ryoyu Takeda and Takeo Tamai

  2物dMθ曲α σど翻6, Scん・o (ゾ皿θ粥ηθ, Kα物α2αωασ廟θrs吻          (エ)かθcごor:Pr4 M・H召腕)

緒  副腎皮質より血中へ解放せられたhormone の一部が遊離i型として極めて少量ながらそのま ま尿中に排泄されることは,周知の如くであ り,著者等は先にこれを定量的に詳しく追求す る所があったが7),近年Abelson 1)等はcortisolle

(Ek),hydrocortisone(Fk)が髄:液中へも漏出 することを証し,Bushのalcoholic一:NaOH螢光 的測定に従ってその概算量及びEk−acetate,:Fk 投与後の濃度を時間的に追求し2),何れの場合 においても疎のみの増量が注目されること等 を報じている.

 叉Thorn 4)等はPorter−Silber反応を応用し,

汗についての検討を行ったが,汗を介しての corticoids排泄については否定的な結論を与え

た.

 著者等はここに癌及び肝硬変患者腹水につい てcorticoidsの分析を行い,4例中3例にFk,

うち1例には微量のEkをも認め,その概算量 を記した.次いで髄液に関しては量的に詳細な 分析を行い得なかったのでsllica gel ultramicro−

column chromatographyによって螢光的にCpd.

B一,:F−1ike sllbstanceとして夫 々の値を測定した

が,今これらの成績について以下述べんとす

る.

実 験 方 法  試薬並びに器具

 1)クロロホルム;市販1級クロロホルムに面容の 0・01% 2,4−Dinitrophenylhydrazine試薬;を加え,還 流冷却器を付し,約75。Cで加温数時間後,クロロホ ルムを分液,芒硝により脱水して蒸溜を2回施せるも のを用いる.

 2)0・1N苛性ソーダ

 3)石油工Pテル;約0・1容の濃硫酸を加えよく中 盤し,硫酸層の着色を見ないようになる迄論題後,蒸 溜水で数回洗源し全硝子製蒸溜器で蒸溜し,45。〜55。

Cの溜分を探る.

 4)エタノール;脱アルデハイドせるエタノールを

再蒸溜する.

 5)燐酸;85%特級品

 6)Celite及びSiHca Ge1;何れもクロマトグラフ

ィ用,

 7)プロピレソグライコール及びトルエン  8)クロマト管;i)内径10mm,長さ20cm硝子 管,下方は摺合せで活栓部に連結せるもの.ii)ultm−

micro column;内径5mm,長さ8cm上端に径2.5 cmの戸部を有ち,下端は摺合せで活栓部に連結す.

 9)クロマト用濾紙;東洋濾紙:No50       

 10)紫外線照射ランプ(2573Aフィルター付)

 実  施

(2)

 a)腹水に関して

 500乃至1000mlの腹:水を0・2一容のクロロホルムで 2回抽出し,遠心によってエムルヂオンを分離後,ク ロロホルム・エキスを0・1容:の0・1N=苛性ソーダ及び 同容の蒸溜水で各々2回宛洗源し,50。C以下で滅圧 乾燥し,再び2mlのクロロホルムに溶解Celiteによ るcolumn chromatography分離操作を行う.column は内径10mln,長さ20cmのものを使用し, corticoids の溶出方法は既報7)の尿中corticoids分離の場合同 様,クロロホルムi凹いで5%EtOH−CHC13によっ て行い,後者の溶出液(Ek, Fk含有分画)を共丁付 遠心管内で蒸発乾燥の上,少量のエタノールに溶解し PaPer chromatograPhyに付した. paper chromato−

graphyはZ讃aloniのプロピレングライコPル・ト ルエン系を学用し,展開後Spotsの判別は紫外線吸 牧帯をエタノPルに浸出(3回繰返し行う),同液につ いて吸牧スペクトルの測定乃至Poter−Silber反応を 試みた.

 b)髄液に関して

 使用リコFル量は20m1を基準とし,corticoidsの抽 出方法は大凡血漿よりの場合9)に準じてこれを施行し た.但しクロロホルムは使用リコール量の砥容とし,

抽出を2回繰返し行い(エムルヂオンを生ずることは ない)得たるクロロホルム抽出液は駈。容の0.1N苛 性ソーダ及び同容の蒸溜水により洗源後(洗源はいず れも新らしいクロロホルムで逆抽出し,前抽出液に合 する),一旦低温(50。C珍下)でこれを共栓付試験管 内に蒸発等質せしめ,70%エタノール溶液に転溶,同 船石油エーテルの分配後工・タノール層を再び乾燥し,

1mlクロロホルムに溶解し column chromatography 操作に移る.

 Silica gel ultramicro column chromatography;

100mgのSilica gelを下方に精製濾紙片をあてたクロ マト管内に充め,10%EtOH−CHC13溶液5m1, i欠い で4m1のクロロホルムを注卜して吸着剤の洗源を施

し,試料クロロホルム溶液1mlを毛細駒込ピペットを

.以って定量的にSilica ge1上に注ぎ,試料の吸着をま ってクロロホルム4m1,1%EtOH−CHC135%EtOH−

CHCI3夫,々8mlによりて溶出を行う.1%EtOH−

CHCI3;Cpd.B溶出分画,5%EtOH−CHCI3;Cpd・

F溶出分画を夫々共栓付試験管内で滅罪蒸溜乾燥し,

螢光測定操作に移す.溶出はクロマト管上方2連球で 加圧しながら1分間40滴余の速度で行弓.

 螢光測定;乾固せる被検体に85%H3:PO44mlを加 えよく混和後,沸騰水申にて25分間加熱し氷水中に急 冷後,hydrocortisoDe(free alcoho1)1μ9を標準と して島津分光光度計QB−50螢光装置で特等堕する・

光源はタングステン燈で,一次フィルタpはK−7(450 m,α),二次ブイルターはV.A−3(520m,μ以上)であ

る.

 盲螢光;試薬のみによる全操作を併行して行った場 合の比螢光度を求め盲検値とする.盲検値は可検:材料 につき比螢光を施行するその都度これを測定しなけれ ばならない.

 斯くてリコール申に含まれる11uorogenic corti coidsは次の如く算出される.

    F.C.(Fluorogenic corticoids)

         =(A−B)×1/100×100/L     Cpd.:B−1ike substance

         =(A−B)×1/100×100/L×2     Cpd.F−1ike substance

         =(A−B)×1/100×100/L      A; 検:体の比螢光度

     B;言比螢光度      :L; リコール使用量

 註:corticosteroneの四一光度はhydrocortisone の略ζ施に相当した.従ってCpd・:B−like substance の値はこれを2倍しcorticosterone等量に換算して記 載した,

実 験 成 績  a)腹水に関して

 第1例小○千○郎54歳肝硬変症

 腹水11iterを使用し,最後のエキスをpaper chromatographyによって15。C,72時間展開し た.chromatogram上に三つの紫外線吸牧帯を

認め,第1帯は:Fk,第2帯はEkに相当の位置 を示し紫外線吸牧spectrum上240mμに特有 peakを示した.本波長位の吸光度から計算す

るとその量は夫々28ρ9,7ρ9であった・第3 帯溶出物質は二二spectrumでは275mμに最

(3)

436 竹 田・玉 i井

大話牧があって,T. T. C.還元反応は陰性で あった.なお上記Fk相当物質はrechromato−

graphyにおいても純品Fkに一致するT.T.C.

還元帯を認めた.

 第2例山○き057歳癌性腹膜炎

 腹水500mlについて同様方法に従い抽出,分

離をそ=了し、, Paper chromatogral)hy 20。C,72時「絹

展開した.本剤では二つの吸上帯を認めたが,

第1帯は:Fkに相当し第2帯は275mμ物質に属 した.;第;1帯吸牧spectrumは240mμセこpeak を示したが,短波長部に可成りの非特異吸牧が あったのでエタノール溶出液を乾燥し,更にこ れについてPorter−Si】ber反応を行い含有を定 量した・本法による値は24μ9であった.

 第3例三〇孝042歳肝臓癌

 1】iterの腹水から得たエキスをpaper chro一

matography上24。C,48時間展開し,四つの吸 一帯を認め羽帯のエタノール溶出液についての spectrum分析及びその一一部を使用してH3PO4 螢光反応を試みた.第:1の帯はFkに相当し紫 外線吸牧spectrumから47μ9,螢光的測定から 45μ9なる値を得た.第2帯物質260mμはに最 大吸牧を示し,第:3帯物質は275mμに最:大吸 牧を示したが,第4帯物質は何ら特異のpeak を証しなかった.なおH3PO4螢光反応上もこ れら3物質は陰性成績を示した.

 第4例吉○清057歳肝硬変症

 111terの腹水エキスについて上述同様の分析 を進めたが,2751nμ物質を証するのみでcorti−

coidsの存在を認めなかった.

 以上各例についてその成績を詳述したが,こ れらの結果は第1表及び第1図に要約した.

第1表 腹水中遊離型副腎皮質ホルモン

Snbjects

K.S.

Y.K.

M.T.

Y.S.

Diagnosis

cirrhosis oF liver

carclnamatOUS    peritonitis cancer of liver cirrhosis of liver

The.Amount oF Specimen

10001n

500 1000 1000

Cpd・F

28」μ9

24米 57

(45)

none

Cpd・E

7」μ9

none none none

275mμ substance

(+)

(+)

(+)

(+)

260mμ substance

(一)

(一)

(+)

(一)

( ) Fluoromefric Estimation *  :Porter−Silber Reaction

   第2表 髄液中螢光発生コルチコイズ

No.

1 2 3 4 5 6 7 8 9

10

Patients Ikegami

Hama

Yoshida

Senno  〃

Koyama Syomura Uchida

Sex

8

3

Age 23 24 21

20

48 43

23

Cpd・B−1ike Substance

0.32Y/dl O.56

0.24 0。32 0.28 0.34 0.56 0.52

0.70

Cpd・F−like Substance

0・62Y/d1 0.86 0.32 0.44 0.40

0.63 0.66 0.66

0.45

0.82

The amount of Specimen 10m1 20 20

20

20 20

50

Remarks

cerebral tumor neurOSIS peritonitis

 tuberculosa   〃   〃 spinal mUSCular  atrophy   〃 cerebral tumor ahigh pressure of cerebrospin・

al fluid meningitis  tu1)erculOSα

(4)

.6

。5

.4

.3

.2

,1

0

ユ(.s.

Sp・1

IJ.V.

.6

.5

.4

.3

.2

.1

220    240    260    280   Y.K:.

.6、    u.v.

0 Sp 2

Ffg. 1

U.V.

.6

.5

.4

.3

.2

4

0

U.V.

1Sp・3

Sp・4

.5

.4

.3

.2

.1

0 Sp.1

300   220   240   260   280   300  220   240   260   280   300

.6

.5

.4

3

.2

.1

.6

0

Porter句Silber,s Chromogen Sp・r

.6

.5

.4

.3

.2

.1

.5

,4

3

.2

.1

o

o Sp・2

u.v.

2、。24。2,。28。3・。32。36・偲・4如・8・2・・2・・26・蜘…

.6

.5

.4

.3

.2

.1

0 Sp・2

U.V.

.6

.5

.4

3

.2

.1

0

Sp・4

Sp.3

U.V.

220   240   260   280   300   220   240   260   280   3GO   220   240   260   280   300

Mμ IN WAVE−LE:NGTH  b)髄液に関して

被検10例についての測定値は第2表に示す如

く, cpd・ B−1ike substance o・24〜o・70μ9/dl

(corticosterone換:三値),Cpd. F−like sllbstaDce

o・32〜o・86μ9/dl(hydrocortisone換算値)であ り髄液中corticoids含量は甚だ微量なることが 窺われた.   

考 血漿中副腎皮質ホルモン(91ucocorticolds)と してはhydrocortiscneの蓮;そ了を見るが故に,そ

の漿液中への移行は敢えて意とするに足りない であろう.血漿中cortisolleに関しては,教室

(5)

438 竹 田・玉 井

において吾々が解析せる限り,未だその存在を 明らかに検出していない.しかし尿申には極め て微量ながら遊離型cortisoneを一応証明して いるので,血漿中にも当然微量にしても存すべ きかも知れないし,或いは叉排泄臓器を通過す る際に何らかの転化を受けるかも知れないと考 えていた.然るにここに叉もや腹水において何 らcortisoneを与えざるに拘わらず, hydrocor−

tiSOneと共にcOrtisODeを検出したことは,恰も 血漿中に少なくともこの場合COTtisOIleの即行 が存したようである.しかし動物の種属によっ てその臓器片を基質たるhydrocortisone溶液に 添加してcortisoneの生成を証している(海狽 臓器を用いた場合にては,hydrocOltisoneを与 えて極めて少量ながらcortisoneに近いものを 検出している8))報告3)もあって,或いは以上 の現象が特定の病的過程に附随したのかも知れ ない.更に臆測を逞しくすれぽ,上記の展開法 においてはcortisoneとaldostefoneとはその Rfが極めて近似し,かの肝硬変症等の如きに おいてaldosteroneが頗る増量するという報告 5)もあるから,この方面に対する注意も全然無 覗するわけにもいかないであろう.

 なお特に何ら上記polaY圭tyの高い皮質ホルモ 結  1)腹水中cortlcoidsの梢ζ詳細なる解析を 行い,本習字に遊離hydrocoτtisone及びcOT−

tisoneの含有されることを証した.勿論その含 量は血液中におけるよりも低く,liter当り含量 は尿申遊離i型hydrocortisoDe, cortisone 1日排 泄量に近いものを示した.しかし一方に,何ら かかるcorticoidsの移行を証しなかった場合も

文 1)D.Abelson 3 Nature,173;174,1954.

2)D.Abelson. D.N. Baron and J.G. Joak.

1ey = J・Endocrinol・,ユ2;87,ユ955・   3)

D.Amelung, H.」. H髄bner,1」. Roka u. G.

Meyerheim:Klin. Wochenschr.,31;386,

1953.  4)J.】L.Lewis and G.W. Thom 3

∫.Clin. EndocrinoL&Metab.,15;829,1955.

ンを検出し得なかった点については,肝臓器片 を皮質ホルモン基質に添加してincubateせる 場合,後者が認むべき減少を証する事実に鑑み て,貯溜せる腹水においても類似の影響が行わ れるとすれぽこれは読溢出来ないことであるま

い.

 一方髄液中における螢光発生corticoids量は 遙かに微:量であり,11iter中10μ9に充たない結 果であった.但し先にも述べた如く,本測定値

は螢光発生cortico{ds 3 Cpd.:B一,:F−1ike substance

として定量されたものであって,これらがすべ てcorticosterone, hydrocoltisoneそのものに全:

く合致するとは限らないのである.

 Abelson等の分析によれば,髄液中にはEk,

Fkの他に更に二つの不明NaOH一伽oresceDce 陽性物質の存することが知られており,無論か かる物質も亦Cpd.:F−like substanceの一要素た るに相違ないものと信ぜられる.従って著者等 の得た数値は,彼等のpaper chromatography によって分離定量せるFkO.2〜 0・4ρ9/d1を些 か上まわる結果となったが,これを以てしても 髄液:中にあってはcorticoids含量は殆んど痕跡 に止まることが知られるのである.

ある.その理由については些か臆読を述べた.

 2)髄液中のものは,これを螢光発生cOfti−

coidsとしてsilica gei u]tramicro column chro−

n〕atography法に従いCl)d. B一,:F−1iレe substance を分離定量し,その測定値を挙げた.

 下下するに当り恩師日置敢授の御指導並びに御二丁 を深謝致します.

5)M.S. Lobotsky, M:..A. Jo annρBuss Han.

nye and Chales W. L,1yd:」. Clin. Endo−

crino1.&Metab.,15;888,1955.     6)

M.L. Sweat: Ana1. Chem.,26;1965,1954.

7)柴山樹・竹田夷蔽:内分泌,2;169,1955・

8)菅原忠弘3印刷中.   9)R.Tak da:

EndocrinoL japonica, 投稿・

参照

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