• 検索結果がありません。

仲間と共に創る学びを目指して : コミュニケーションの力を生かす支援の在り方を探る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "仲間と共に創る学びを目指して : コミュニケーションの力を生かす支援の在り方を探る"

Copied!
110
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 仲間と共に創る学びを目指して : コミュニケーションの力を生かす支援 の在り方を探る. Author(s). 北海道教育大学附属札幌小・中学校特殊学級(ふじのめ学級). Citation. 研究紀要, 第35集. Issue Date. 2005-11-25. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2437. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 研究紀要〔第35集〕. l. 共に創る学びを目指して. ∼コミ. ュニケーションの力を生かす支援の在り方を探る∼. 2 0 0 5・11. 北海道教育大学附属札幌小・中学校 特殊学級(ふじのめ学級).

(3) 研究紀要〔第35集〕. 仲間と共に創る学びを目指して. ∼コミュニケーションの力を生かす支援の在り方を探る∼. メノ′ 触v√甑肘〆. 鼻. ∼鮭がたくさん泳いでいるよ∼. 2005・11. 北海道教育大学附属札幌小・中学校 特殊学級(ふじのめ学級).

(4) つ な が り. 北海道教育大学附属札幌小学校 校 長 辻 井 義 昭. 「近頃は,地域とのかかわりが希薄になってきた」「子供の家族との関係が変わってきた」「友達付き 合いの範囲が狭く,限定されたものになってきた」など,他者との関係,「つながり」は大きく変化し てきているといわれています。確かに,社会の変化の中で,子供たちは様々な人々とのかかわり合いを 通して「豊かな心」をはぐくむ機会が少なくなってきたのかもしれません。 子供は本来,社会的・集団的な存在です。子供は生まれた時から,かかわる対象を変えたり広げたり しながら,常に社会的な存在として生きています。それぞれのかかわりの中で,自我の存在に気付き, 学び,心を豊かにし,成長していくと考えられます。つまり,人との「つながり」の中で育ち,学んで いくのです。障がいの有無に関わらず,人とのつながりは生きていく上で,大きな財産であるといえま す。ですから,現代社会の「つながり」の希薄さは,子供の成長に影響がないとはいえません 育においても,このような社会的な背景を踏まえて,他者とかかわり合うことに着目し,学習そのもの の意味を問い返す試みが多くなされてきています。 今年度の研究で目指すものは「コミュニケーションの力を生かすことによる学びへの参加」でありま す。 昨年度までは,「一人一人の教育的ニーズに応じた指導の在り方を求めて」と研究主題をかかげ,「個 に応じた」教育の在り方を模索しながら,「教育的ニーズに応じる」実践を積み重ねてまいりました。 これまでの,個に応じた支援をベースにしながらも,他者とのつながりを視野に入れ,かかわり合いを 深めていく中で「学び」の充実を目指してきております。また,子供が周囲の人とつながり,かかわり 合いを深めていくための「コミュニケーションの力を生かす支援の在り方」を授業研究を通して探究し てまいりました。 子供たちは,コミュニケーションの力を生かしていくことで,他者と「つながり」,他者との関係の 中から多くのことを学んでいます。学校での学びを基に,家庭・地域を含めた日常生活の様々な場面の 中で,人々と「つながり」ながら,身に付けつつある力を使っていくことで,「自立」に向けての確か な力を獲得し,自分らしい「豊かな生活」をおくることができるようになることを心から願っておりま す。 まだまだ至らぬ点も多々あろうかと存じます。本研究を通じまして,広く子倶たちへの教育的ニーズ に応じた指導の在り方を一層探究できるよう,皆様の忌博のないご助言,ご教示を賜りますようお願い 申し上げます。 終わりになりましたが,本学級の研究に対し,ご指導ご助言を賜りました助言者・司会者の先生方を はじめ,ご協力,ご後援いただいた教育関係諸機関・団体の方々に心より感謝申し上げます。. 。学校教.

(5) 、・ヲーや. 」. 挨. 拶. 北海道教育大学附属札幌中学校 校 長 水 野 政 勝. 平成17年度の全道教育研究大会の開催にあたり,ご助言ならびに司会を引き受けてくださいました諸 先生方,そしてお力添えを賜りました各教育関係機関・団体・本校の保言聾者の皆様に,心より感謝申し 上げます。また日頃より,本校の教育と研究に多大なるご支援とご協力を賜り,厚くお礼申し上げます。 障がいのある児童生徒の教育については,今,大きな転換期を迎えているといえます。 平成15年3月に,「特別支援教育の在り方に関する調東研究協力者会議」の,「今後の特別支援教育の 在り方について(最終報告)」では,小・中学校においてLD,ADHD,高機能自閉症の児黄生徒への 教育的支援を行うための総合的な体制を早急に確立することが必要と寺是言されました。その後,特別支 援教育を一層推進すべく,学校制度の在り方について検討するために,中央教育審議会の初等中等教育 分科会に特別支援教育特別委員会が設置され,平成16年12月に「特別支授教育を推進するための制度の 在り方について(中間報告)」が取りまとめられました。また,平成17年4月に施行された「発達障害 者支援法」の中では,発達障害の明確な完売や学校教育における適切な教育的支援や支援体制の整備に 必要な措置を講じることが明記されました。このように関係機関が連携を図りながら,特別支援教育を 推進するための準備が着実に進められているところです。 そこで本学級では,障がいのある児童生徒の教育をめぐる諸情勢の変化をとらえつつ,今年度より新 たに研究主題として『仲間と共に創る学びを訃指して』を掲げ,昨年度までの研究で追究してきた,「一 人一人の教育的ニーズ」を糟まえながら教育研究をスタートしました。私たちは過去の研究成果を踏ま え,児童生徒の学びをはぐくむために,「仲間とのかかわり合い」を束安な視点とし,日々の実践に取 り組んできましたが,学びを更に深めていくためには,かかわりの幅を広げていく必要性を感じ空した。 そこで,今年度は,かかわりに向けて「コミュニケーションの力」を切り口として,「コミュニケーショ ンの力を生かす支程の在り方を探る」と副主題を設定しました。 教育研究大会ではこの研究主題,副主題を踏まえた授業公開とともに,分科会および講演会を開催し, 皆様からの本学級の教育に関する忌悼のないご意見,ご示唆をいただけましたら辛いでございます。▲ また,昨年度より国立大学の法人化がスタートしました。大学の附属校であることの特性を生かし, 大学との共同研究の推進や,附属′ト学校,附属中学校との連携を深めながら,豊かな生活につながる学 びを更に探究していくことで,魅力のある学校として一同の発展につながることを願っているところで す。.

(6) 北海道教育大学教育学部附属札幌小学校 校長 辻 井 義 昭. 序. 北海道教育大学教育学部附属札幌中学校 校長 水 野 政 勝. 1.研究主題の設定. 2.研究副主題の設定. 7 7. 3.研究の実際. 7 2. ○研究の目的. 8 8. ○コミュニケーションの力の把捉 1. ○コミュニケーションの力を生かす文挟. 1 1. ○評価 ○研究の成果と今後の課題. 実践例 1. 小学校特殊学級の取り組み 〈実践例1〉 ′ト学校 算数「どちらが おおい?」. 9. 〈実践例2〉 小学校 図工「ぼくもわたしもデザイナー」 〈実践例3〉 小学校 体育「『よっちょれ』を楽しくおどろう!」. 9. 2. 2 3 4. 研究活動のあゆみ. あとがき. 9. 〈実践例4〉 中学校 学級会「ふじのめなるほ堂」. 7. 〈実践例3〉 中学校 体育「レッツ フライ.■/グディスク ∼ディスクになれよう∼」. 0. 」. 7. 〈実践例2〉 中学校 国語「4コマ漫画を読み取ろう. 9. 〈実践例1〉 中学校 青紫「くいしんぼうのラップ」. 5. 9 2. 中学校特殊学破の取り組み. 8. 〈実践例4〉 小学校 算数「どっちが どれだけ おもいかな(1)」. 北海道教育大学教育学部附属札幌中学校. 特殊学級 主任 浦 家 伸 博…………. 103.

(7) 1.研究主題の設定. 研究主題 「仲間と共に創る学びを目指して」. 本学級では一人一人の子供の豊かな生活に向けて,平成14年度より,研究. 昨年度までの 研究の経過. 主題を「一人一人の教育的ニーズに応じた指導の在り方を求めて」と設定し, 人との「かかわり合い」を柱に教育的ニーズに着目して,研究を進めてきま した。この3年間の研究を通して以下にあげられる成果が確認できました。 14年度の研究では,教育的ニーズを「一人一人の子供が,現在の,そして. 発達の アンバランスさ. これからの豊かな生活に向かうために,今,もっとも必要とされる力」と押 さえ,発達にアンバランスさがみられる子供へのアプローチについて実践を 集約することができました。教育的ニーズを踏まえて実践することで,教師 間で共通に子供の課題をおさえ,一貫した指導につなげることができました。. (こ垂⊃. 15年度の研究では,社会性をはぐくむ授業づくりを追求し,社会性を「場 や状況,人の気持ちを考えた,望ましい自分のふるまい」と押さえ,社会性 につながる力を育むための指導内容・方法について探ることができました。. また,個別の指導計画に基づき個々の自立活動の課題を踏まえた内容を,題 材や単元に盛り込むことで,子供の課題に応じた授業づくりにつなげること ができました。. 16年度の研究では,個々の教育的ニーズにつながる要素を検討し重点指導 目標として設定することで,具体的な支援の在り方を明らかにすることがで. 支援の具体化. きました。実践プランという書式に整理することで,教師間で共通理解にた った指導の展開につなげることができました。また,子供の重点指導目標の 達成状況の評価と授業の評価の一体化を図ることで,次への教育的ニーズに 応じた指導に生かすことができました。. これらの3年間の研究の課題として,以下の3点が確認されました。. 3年間の研究の 課題. ①本校で押さえる「学び」の実現に向けての更なる探求の必要性 (∋多様化する個々の教育的ニーズを,どの場面で,どのように指導するかに ついて,更なる探求の必要性 (∋特別支援教育の流れを踏まえ,更に幅広く多様な教育的にニーズに対応で. きるように,関係機関とのより一層の連携を含め,学校内の支援体制につ いての検討. ー1−.

(8) 豊かな生活を 目指して. これまで,本学級では「豊かな生活」を送るための「学び」を日精して研 究に取り組んできました。現在の学校生括や家庭生活での豊かな「学び」が 現在の充実感や満足感のある生活につながり,現在の生活を「豊かに」過ご す経験が積み重なることで将来の生活においても,一層の「豊かさ」を実現 することができるようになるのではないかと考えています。 本学級での研究では,「豊かな生活」を考えていくに当たって,児草生徒 の実態や本人の思い,保讃者の意見を合わせて考えてきました。さらに私た ちはお互いがかかわり合いの中で,集団の一員として必要とされていること を感じ,一人一人の価値を認め合う意味をこめて,本学級で目指す「豊かな 生活」を以下のように定義しました。この「豊かな生活」の実現に向けて, 子供たちのかかわり合いを深め,「学び」がはぐくまれていくことを,追求 してきました。. 「自己有用感」 ∼・本校研究紀要 第29先から∼. 一. のかかわり合いを通して自分がこ♂)集団で必要とさ. ・∵ 声J′. これまでの研究の中で,「自己有用感」を ア仲間と. れていることを感じ,それぞれがお互いの存在の価 †. 値を認め合うこと』と押さえてきています。「供が 自分らしさを発揮し,学習場面で得意なことや自信. をもっていることに取り経み,仲間に認められた時 ′. などの子供の姿から確かめることができまし.た。. サト職. −2−. ・.

(9) 本学破における 「学び」. 今年度の研究を進めるに当たり,私たちは,「学び」について整理すると ともに,具体的な子供たちの姿と月召らし合わせながら,本校で目指す学びの 姿を追求してきました。過去の研究成果(本校研究紀要 第29集)を踏まえ て,「学び」を以下のように再定義しました。. ノ 「仲間と共に活動する中で,自分と他との関係を作りつつ, 『新しい自分の世界』を築いていく過程」 \ _.▼ ▼_. かかわり合いを 通して学び舎う. //. 佐伯氏は, 町従来学習といえば,それは当然のこととして,人がその「頭の中」に知 識を体系的に貯蔵し,将来,なんらかの課題場面に直面したときに,過去に 獲得した適切な知識を効率よく引き出せるようにしておくことだとされてき た。(しかし),学習というものについて次のことを自明とする考え方になっ てきた。 ・全ての学習は,個人の頭の中の活動ではなく,頭の「外」の,人や人工 物との相互作用の中での活動である。 ・したがって,すべての学習は,本質的に,道具付きの活動であり,かつ 協同的な営みである。(授業と学習の転換 岩波吾店1998)』 と,述べています。このことは,学習が「社会的なかかわりや様々なものと の相互作用の中で生じる過程」と理解できます。そして,「対話やコミュニケー ションから生まれるもの」であり,「そのときの状況や文脈とは切り離せな いもの」ということでもあります。つまり,学習は単に個人レベルで知識・ 技能を獲得していくものではなく,豊かなかかわり合いの中で学び合うもの といえます。一人一人が自分と他者との関係の中で,自己の考え・興味・関 心の広がりに気付き,他者を認め,互いの関係をつくっていく等のかかわり 合いをもつことで,学びははぐくまれるものと考えられます。ここでいう「か かわり合い」は単に人とのかかわり合いだけでなく,自然であったり社会で あったりします。学習場面においては,教材・課題に接することもかかわり 合いの一 つと考えます(本校研究紀要 第29集)。ただ,どのようなかかわ り合いでも,その最終的なねらいは,人とのかかわり合いにつながるものと しています。また,学習課題によっては,個々に指導して高めていくことも 可能となるものもあるでしょう。しかし,そのような知識・技能であっても, 他者とかかわり合い,学び合う. 中で,それらの力は生活の中で生かすことの. できる真の力となるものと考えています。本学級の子供たちの生活の中でも, 一人一人の活動や思いが重なり合い,つながりができていくことによって, 一人一人のもつ力が有様的にむすびつき,高まっていく姿が見られています。 「学び」の姿を問うことが,本学級の課題の一つである「かかわり合い」を 深め,「豊かな生活」の実現にもつながっていくものと考えています。. ー3−.

(10) (1)仲間と共に活動する中で,自分と他との関係を作る 学習が「対話やコミュニケーションから生まれる」と考えると,人やもの 仲間と共に. とのかかわり合いのある活動があることが重要となります。互いが「Ⅰ− YOU」という直接的にかかわり合う世界の中で,自分と仲間や教師,教材 やもの,場・自分のおかれている状況との関係が形成されていくものと考え ます。 (2)「新しい自分の世界」を築いていく過程. 新しい自分の世界 への気付き. 子供は,自分と他との関係をつくっていく中で,他者の世界と自分の世界 の中で分かり合える部分と,違っている部分に触れ,興味・関心が広がり, 変わりつつある自分の気持ちや思考に気付いていくことができるようになる ものと考えます。さらに,それらの体験を通して,子供たちは互いが互いか ら自然に学び合い,相互につながっていく中で,「自分の世界」が培われて いくのではないかと考えています。仲間との学び合いに,自分なりのかかわ り方で参加し,自分らしさを大切にしながら学び合う姿を目指しています。. 研究主題の設定. これまで,本学級では子供たちの「学び」をはぐくむために,「かかわり 合い」を重要な視点とし,日々の実践に取り組んできました。昨年度までの 3年間は,一人一人の教育的ニーズを踏まえて,それらに沿った支援の在り 方を探ってきました。さらにそれぞれの学びを深めていくためには,かかわ り合いを深め,かかわりの幅を広げていく必要があると考えます。これまで の研究で追究してきた,「一人一人の教育的ニーズ」を踏まえながら,もう 一度「学び」について,「かかわり合い」を視点に探究していく必要性を感. 仲間との かかわり合い. じました。さらに今,特別支援教育という新たな枠組みでの実践も試行され てきています。その中で焦点の当てられている,いわゆる軽度発達障害の子 供たちにとっても,周囲とのやりとりや社会性など,他者とのかかわり合い に関する課題が多く取り上げられてきています。このような子供たちにとっ ても,「他者とかかわり合う力」を培っていくことは大切だと考えています。 以上のことから,研究主題を以下のように設定しました。. 研究主題 「仲間と共に創る学びを目指して」. −4−.

(11) 研究副主題 「コミュニケーションの力を生かす支援の在り方を探る」. 前述のとおり,本学級で押さえる「かかわり合い」は単に人とのかかわり コミュニケーションを どのように押さえるか合いのみを意味するものではありません。しかし,その最終的なねらいは, やはり,人とのかかわり合いにつながるものと押さえています。子供同士が かかわり合いをもちト豊かな学びを積み上げていくには,「コミュニケーショ ンの力」「場・状況を理解できる力」「学習内容への興味・関心」「気持ちの 安定」等の様々な課題が浮かび上がってきます。その中でも,かかわり合い を深めていくためには,コミュニケーションの促進,形成は最も重要な課題 の一つと考えました。学校での学習活動はいうまでもなく,日常の生活その ものも,コミュニケーションに支えら れて維持・発展していくと考えられま す。本学級における言葉のやりとりに 視点をおいた先行研究(本校研究紀要 第16集)を参考に,本校での子供たち の姿から考える「コミュニケーション」 を,以下のように押さえています。 本学級でのコミュニケーションの押さえ 「様々な形態での意志の表出や情報の受信によって共通の患いをもち,お互いの行動または 状響に変化や影響を与え合い.心を通わせ合う過程」. 自立活動 『5 コミュニケーション』 (1)コミュニケーションの基礎的能力に 関すること。. コミュニケーションが生起するためには,一人一人の 「情報の発信」や「情報の受信」する能力には違いがあ りますが.それぞれのもつ力を発揮しながら,互いに共 通の「思い」をもつことが必要です。そこから,様々な 形態のやり取りを通して,互いに影響を与え合う姿がみ. 〔2)言語の受苓と表出に関すること。. られるようになると考えます。本学級では,「コミュニ. (3)言語の形成と㈲剛こ関すること。. ケーション」を,このような他者と相互に影響を与え合. (4)コミュニケーション手段の選択と活. うことを通して,心を通わせ合うことができ,互いの「つ. 用に関すること。 (引 状況に応じたコミュニケーションに. 関すること。. ながり」を確かなものにしていく過程と押さえました。 自立活動の才旨導項目の中にもコミュニケーションは取 り上げられ 子僕たちの自立を考えていくうえで大切な. 盲,囁学校及び養貢華学校小学邪. 指導項目として押さえられています。本学級の子供たち ・中学部学習指導要領より にとってもコミュニケーションは大きな吉果題の一つで ー5−.

(12) す。どの子供の個別指葦計両の中にも,コミュニケーションにかかわる目標 があげられ,乗点を問いて指導を続けてきています。さらに,コミュニケー ションを基本に築かれた他者との関係性は,子供白身の発達に大きな影響を 与えていくものとも考えています。本学級の目指す「豊かな生活」に向けて, また「学び」を成立させるためにも,コミュニケーションは欠くことのでき ない力であると考えられます。 「コミュニケーションの障がい」を考える際,「発音が不明瞭で聞き取る. コミュニケーションの ことが稚しい」「理解できる語柴が少ない」など,子供のもつ,機能的な視 力を生かす 点からみた障がいとして考えることもできますが,一人一人の教育的ニーズ. に応じた支援を考える際には,機能の障がいそのものに起因Lているものと, そうでないものとを分けて考えてみる必要があると考えまLた。視力が悪け れば,眼鏡をかけることで不便きが克服されるように,対応次第で,子供た.  ̄ 、 →\. 二次的な障がいの. ちの二次的な障がいを軽減することが可能となります。子供を塀り巻く人・. 軽減. 物を含めた「環境との関係性をつくることに閉難がある」という,より広い 視点でとらえていく必要があるでしょう。 子供一人一人のもつコミュニケーションにかかわる機能の障がいを克服L ていくことも.大切なことではありますが,その中には短期間で克服するこ とが困難なものもあります。しかし,今もっているコミュニケーションの力 に呼応するやりとりを広げ,周一)が丁寧に応答していくことを通して,かか. 現在の力を 生かして. わりのレパートリーを広げていくことは可能であると考えます。それぞれの コミュニケーションの力を締まえた支穫を丁寧に組み立てることで,子供を 取り巻く瑠境を改善し,一人一人の力を発揮することができるのではないか と考えました。そこで,今年度の研究テーマ「共に創る学び」を考えていく うえで,一人一人の現在もっているコミュニケーションの力をどう生かせば, 「学び」に参加できるかという視点で研究を進めていくことにしました。 また,今あるコミュニケーションの力を生かしながら「学び」に参加し. 仲間とのかかわり合いを深め,より豊かな「学び」がはぐくまれることで, 集団の中での「自己有用感」,「満足感」,「達成感」を感じることができるも のと考えています。さらに,現在のコミュニケー ションの力を最大限に生かしながら,かかわり. ■■hヽ. ヽ蓼㌔. ﹁﹂. !ヽ. 合うことが,それぞれのコミュニケーションの 力そのものを高めていくことにもつながってい 1しニー. く .. 軋▲ンて し− Tノ ■ゝ. 一人一人の教育的ニーズを基に,それぞ九の. f. 、. ∴一・・・、、.、. コミュニケーションの力がどれほど身に付いて 一−. 一′_. 「−、. ⊥′一ワー. ’お′ ____rこ」.けヽ・† ′. 上二. くでしょう。. ′r. て乙=・1Lや. いるのかを押さえて目慄を設定するとともに, 今の力を最大限に生かす支援を探ることで,か かわり合いを深め,「学び」につながる招繋を 考えていくことを目指しました。.

(13) 3.研究の実際. 研究主題・研究副主題に迫るために //Fし\. ーーー人h−・一人の教育的ニーズに基づきながら,コミュニケーションの. \ ノ■ 】. 力を把持する方法を碑討し,そj■tぞれの力を生かすことで,かかわ. 1. 研究の目的. \り合いが深まる支授の在り方を探る /. −、. 研究主題・副主題に迫る取組として,まず,児童生徒一人一人のコミュニ. 研究主題・ 副主題に迫る 取り組み. ケーションの力を把握し,指導の基礎資料とすることからはじめました。こ れらの資料を基に,「それぞれのコミュニケーションの力を生かす授業作り」, 「一人一人のコミュニケーションの力を生かす支援」を探求することで,か かわり合いを深め,「共に創る学び」の実現を追求しました。. コミュニケーションを 成立させる要因. 子供たちが,コミュニケーションをする場合,以下のような要因が重要な 役割を果たしているといわれています。. ①コミュニケーションを促進する動機 ②コミュニケーションが起こる状況. ③参加者の関係や,それぞれの役割 ④述べられるメッセージのタイプ (訂話し手と聞き手の役割を交代する能力 (む非言語的メッセージを理解し使用する能力 (D言語的メッセージを理解し使用する能力. ⑧聞き手からのフィードバックや,身体を通して得られるフィードバック. B.バックレイ 「コミュニケーションスキルの発達と診断」. ー7−.

(14) この例にもみられるように,これらの多くの要因によってコミュニケーシ ョンが行われている状態を特徴づけることができます。一人一人のコミュニ ケーションの力を生かす支援を考えるうえでは,活動の中で子供がどのよう なコミュニケーションの力を発揮しているのかを分析し,把握していくこと が必要となります。 非言語コミュニ ケーションの力. これまでの先行研究の中には,コミュニケーションにかかわる課題に対し て,言語能力の発達そのものに着目したものも多くありました。しかし,子 供たちの様子を観察していくと,言葉以外の力を使ってやりとりをしている 場面も多くあることに気付かされます。しかもそれらは,言葉でのコミュニ ケーションの土台となるものとも考えられます。言語面だけでなく,視線・ 身振り等を含めた非言語コミュニケーションの力についても把接していくこ とが,子供のもつコミュニケーションの力を生かすためには必要だと考えま した。. 環境的要因を とらえる. また,コミュニケーションは環境的要因と内的要因(それぞれのもつコミ ュニケーションの力)の相互作用によってもたらされているものとも考えら れます。つまり,コミュニケーションの力に着目するだけでなく,周りの環 境を整えていく視点をもつことが大切になるといえます。そこで周囲との関 係性を把握し,コミュニケーションの力を発揮することができている関係を 活用することで,より有効な支援を行うことができると考えました。 これらの視点を大切にしながら多面的に情報を収集し,把接したコミュニ ケーションの力や周囲との関係性を,授業場面で生かす支援を行うために, 「情報を受信する力」「情報を発信する力」「周囲との関係性」の3つの視点. で整理し直しました。また,教師間で共通の認識をもち,どの場面での指導 にも生かすことができるように確認していきました。. ー8−.

(15) 一人一人のコミュニケーションの力は,「情報を受信する力」「情報を発信. アセスメント表の 作成. ミ牟. する力」に分けて捉えていくことで,活動場面に応じた具体的な支援につな げていくことができると考えました。そこで,児童生徒の「コミュニケーシ ョンに関するアセスメント表(試案)」を作成し,これを基にコミュニケー ションの力の把握を行いました。さらに,情報の受信・発信の力だけではな く,対人関係や情緒面についても併せて考えていくことで,総合的に力の把 担ができるように考えました。. コミュニケーションに関するアセスメント. ■T TPA(言語学習能力診断検査) 日 勤 7k. 軍i雫年 齢. 暦 亨丘 臼Iコ. 動 「と 絵 牧. 形. 学 齢. 衣 現. CA 13:03. 7:4. 7:0. 6:1l. 4:10. 10:8. 4:4. 8:9. 10:2. 5:3. る.比勤. 滞. ∴㌧. 、−. ∵. 6ヵか解で. 1. 所,りはが. で1えつる. 生月おてと ヶていこ. 「軌作の表現」が10 較ではないため,個人 作で反応したり表現し. 44歳内た. と,「ことばの表現」が. 10:8. ー ■∵. 【結果と考察】 全検査年齢P LA7歳. 8:9. ■観点別チェックリスト. 登 話し言草による表出 貫 き コ表情や償いたり,叫ぶこ ■慣用語 □なぞりができる とで快・不快を伝える (おはよう,いただきます) ロ視写ができる 口文字を平仮名で若く ロことばの模倣(無意味) ロー・語文 ロ指さし □二語文 ■多語文 ■文字を渾字で辛く ロ ロサイン ロ写真や絵カードでの伝達 ■自分の要求や気持ちを相 □感赴lや考えをまじえて苦 利こ伝える く ■簡単な会話で応答した 話し言葉以外の衷H. と拝具な表現・その他 ⊂エコラリア □同じ質問の繰り返し □特異な■言い回し 発音不明瞭 ■経験したことを文で書く □械黙. り,質問できる. 口和手の君国を考え,自分 の費えを話す ロその他. 口その他. □その他. ■その他 壇調な声のトーン. そ の イれ. 前言言吾・三言斉 ■平仮名を読める□聴覚障害 ■身近な単語が分かる ■動作や写買カーニFなどで分かる ⊂記号化して琵めている ■日常的な簡単な指示が分かる ■カタカナを読める ■日常的な淡字を読める (立って隼) ■話を静かに聞き,大まかな内.容 ■色々な預宇が読める ■簡単な文を読み,大まかな内 が分かる ■話を正確に聞き,自分の感想や 容が分かる □文章を読み,相手の意図や内 艦見をもつ 三産をi商切に読み放る. 口その他. ⊂その他. □音声過 敏 □不注意. □その他. □人への常吉軋が希薄. 情 緒 □変化への小指応(固執,こだわり). □対象にん占じてかかわりをもてる. □かんしやく □自愕や他傷. tその他. 口その他. 斉「. 人. 関. イ系. ■特定の人と関係がもてる,話すことができる □多動 (仰の良い友達,学級集団等). ロ柑橘的に集団活働に参加できる. 憤れた儀団でも.自分から積極的に話しかけるこ とは少ないが,笑顔をおくったり,相でサインを おくったりと関わりをもとうとする慾が甲.られる「.. − 9.

(16) コミュニケーションは言語を使ったものだけではありません。しかし,本. lTPAの実施. 学級の子供の様子をみていると,言葉でのやりとりが多く,一人一人の言語 能力の力も支授に反映していく必要性があると考えました。 そこで,子供のもつ言語能力を把拝するために,lTPA(言語学習能力診断 検査)を全児童生徒に実施しました。TTPAは,人間同士の意志交換に必要 な働きの中から10のものを選び,それぞれの機能を測定するもので,個人の 中での偏りをみることができるものです。検査結果から,言語処理の過程で どのような処理を得意としているかを跨まえることで,支援に生かしました。. tlTPA(言語学習能力診断榛東). 棄 1 7k 雪辱. 暦 号仁. H1 力 団 合併ゴカ. 璧i肇匿齢. 自 助 7k ÷. 晋容肝. と. 軍 円 門. 拾. 桧. 酎列∴’. し. 動. 丈. 絵. 盤. 持. 齢. (二A. 齢 PLA の 珊 酎 ∴lニ 障. 推. 13ニ03 7 4 8 9 ロ 10:8 7.0 6:11 4:10 ロ 10:8 4.4 8:9 Ⅶ 10:2 5.3 A. を. L. P. 日H. の. トト∵J﹂. 立. ケ月で,生活年齢に比べ6歳の差が見られる。■下付:検車項 歳11ケり,「文の構成」が4歳4ケ月と低い結果となっていろ。反而, を超えており,特発全休からみる い結果となっている。S Sに担簡 ついては参考干封堂の解釈に捉 必要があるが,視覚利潜を捉えた ることが樽位わ分野であるとし ことが推察されろ。 とえ. 動作の表. 歳が0人し. ヒ,「ことばの. 44耗内た. ー 乗. 【結果と考察l 全検査年齢PL. 上の表は中学校1年生の生徒のものです。自閉的傾向のみられる生徒で, 発信面では,簡単な言葉で自分の考えを教師に伝えることができますが,休 み時間などに,友達から話しかけられたりすると,言葉で十分な対応ができ ず,身振りや手掠りで応えることが多くみられます。また,受信面では簡単 な言葉の指示が分かり行動に結びつけることができますが.活動の中では, 教師や仲間のやり方を参考にしたり,模倣して取り組む様子がみられます。 ITPAの結果から,「文の構成」にかかわる項目が低い数値がでているこ コミュニケーション の力の偏りを とらえる. とや,「絵の理解」「動作の表現」の項目が他と比べると高い数倍がでている ことは,日常の生徒の姿と合致する点が多いといえます。「聴覚一昔声」回 路に関する項目から,「言葉の表現」に比べ「受容能力」「連合能力」が高い 備になっていることや,「視覚一遇動」回路に関する項目から,「絵の類推」 に比べ「絵の理解」「動作の表現」が高い偶になっていることが分かります。 このことから,生徒のもつ「指示を聞いて,言葉で伝えられる」力を生かす 時にも,簡単な言葉を倍うことによって,力がより発揮されるといえます。 また,「絵の類推」が低い倍であることから,判断に迷わない単純が見党的 刺激を使って支持する必要性もあげられるでしょう。さらに,各水準,受容・ 乗出の過程をみていくことで,子供の得意な情報の処理の傾向をよりとらえ ることが可能となります。. このように,検査結果から導き出される言語学習能力の傾向・偏りを押さ えていくことで.具体的な活動場面における支援の在り方を考えることがで きるのではないかと考えました。. −10−.

(17) 周囲との関係性を 把握. 授黄場面では教師はもちろん,学習集団を構成する友達との関係性も大き な影響を与えています。そこで,学習集団・グループを構成する全員につい て,他者との関係の中で一人一人がどのようなコミュニケーションの受信・ 発信を行っているかを図で表し,関係性をとらえることにしました。. 関係を図示する. この囲は,対象生徒Jさん(中学校1年生男子)の周りとの関係を図示し たもので,対象とするJさんに対して教師が支援を行ったかどうかについて のみ考えています。 Jさんは教師の支援がなければ,Tさん以外の友達との間に言葉での受 信■発信の様子はみられません。また,言葉以外の受信・発信をみても,周 りからの働きかけに対して,教師の働きかけがあっても,応えることがほと んどみられません。さらに,相手側の生徒の立場からも考えることで,やり 取りの様子をより正確にとらえることができるようになります。 学習集団の中での 関係性を捉える. JさんはTさんと言葉での受信・発信が教師の支援がなくてもできていま す。活動の中では,JさんとTさんを同じ学習グループにすることで,コミ ュニケーションが行われやすくなると考えられます。この2者間のコミュニ ケーションをきっかけに他の友達とのコミュニケーションにつなげていくこ とも支援として考えられるでしょう。 この図は,生徒の情報の受信・発信のみを表しているものであり,それが そのまま実際のやりとりのすべてを表現しているものではありませんが,一 人一人の受信・発信の様子,それにかかわる支援を整理する資料の→つとす ることができました。また,子供によってはコミュニケーションの力を発揮 する支援の辛がかりとなる対人関係をとらえることができました。 従来から,指導は子倶とのラポートづくりから始まるといわれています。 関係が安心で落ち着きのあるものでなければ子供は自己の力を十分に発揮す・. ることは難しくなります。教師との安心したやりとりが保障されていること はもちろん,学習集団を構成する仲間との関係も,緊張しすぎることのない 安心できるものにしていく必要があると考えます。. −11−.

(18) 本研究でのコミュニケーションの力を生かす支援は,2つの視点で考えま. コミュニケーション の力を生かすために した。. (∋一人一人のコミュニケーションの力を生かす支援 ②それぞれのコミュニケーションの力を生かす授業づくり これら2つの支援は,それぞれが単独 ではなく.相互に連関することで.より 効果的に機能していくと考えました。具 体的な支援ほ,一人一人の教育的ニーズ を踏まえ,前述のアセスメント末筆を基. に,「今もっているコミュニケーション 町. ■. の力」を把墟し,「どの力を」「どのよう. に生かしていくか」を,考えました。. (か一人一人のコミュニケーションのカを生かす支題. 一人一人の「受信する力」「発信する力」「周囲との関係性」を生かした支 持を行いました。 一人一人のコミュニケーションの力は異なり,それに応じた支援は多様な ものとなります。指導案では,単元・題材にかかわる実態1日標に加えて「コ ミュニケーションの力」と,それぞれの単元・題材での「コミュニケーショ ンの力を生かす支援」を記述しまLた。本時の展開では,「コミュニケーショ ンを生かす支援」を個々の活動の流れの中に記し,指導に当たりました。. 受信する力を生かす. 「情報を受信する力」を生かすことで,情報をできるだけ正確に受信し, 他者と情報を共有するための支援を行いました。 情報の理解の程度に違いや差のみられる集団では,子供によって状況(場・ 人〉ヤ活動内容の理解に違いがでてきます。状況や活動内容を共通に理解で きないことが,かかわり合いが深まらない要因の一つとなります。一人一人 の「情報を受信する力」を生かす支援を行うことで,状況や活動内容の理解 が促され,他者と情報を共有することができると考えました。 具体的な支援は,一人一人の実態によって多様なものが考えられますが, 例えば,「見て分かる力」を生かすために視覚的な情報の提示をしたり,「文 字が読め内容を理解できる力」を生かすために,伝えたい内容を整理し文章 化して提示したりすることで,状況や活動内容の理解を促しました。場合に よっては,教師が仲介となって,それぞれの「情報を受信する力」を生かす ために.わかりヤすい表現で伝え直す等の支援を行いました。. −12−.

(19) 発信する力を生かす. 「情報を発信する力」を生かすことで,自分の思いや考えを表現する姿を 引き出すための支援を行いました。 日常生活場面で言葉を使ってやりとりをすることができていても,活動場 面によっては自分が伝えたいと思っていることを,適切な言葉に変換するこ とができないこともあります。子僕の活動・様子から,どのような言葉で話 せば,本人の伝えたいことを表現できるかを,教師がみとり,整理して具体 的に伝えることで,「自分の言葉で話す力」を生かすことができるように働 きかけました。 言葉の表現では自分の思いを十分に伝えることが難しい子供に対しては, 「平仮名を書くことができる力」を生かして,単語や短文で自分の気持ちを 伝えるようにしたり,自分の考えたことを「動きで表現する力」を生かして, 実際にみんなの前でやってみせたり,「指さしで絵カードを選択できる力」 を生かして,自分の考えを絵カード等を選択するようにしたりすることで, 自分の思い・考えを表現できるように働きかけました。 「情報の発信」を行う際に,言葉は最も重要な役割を果たしている機能で はありますが,それぞれの子供がもつコミュニケーションの力を生かし,言 葉での発信に代わる行動を確立させることで,情報の発信が行えるようにな るものと考えました。.

(20) 周囲との関係性を 生かす. コミュニケーションの力が十分に発揮されていない要因を他者との関係性 の中でとらえ,その関係性を踏まえて,それぞれの力を引き出す支援を行い ました。。. 他者とのやりとりを考える際には,かかわり合う相手との関係がコミュニ ケーションの生起にどのような影響を与えているかについても考える必要が あります。他者の理解は,かかわる例の内面において,他者をどのように見 ているかによると考えられます。かかわる側の見方によって相手のとらえ方 が変わります。仲間との関係性の中で,ある友達の前では自分の意見を言え るのに,別の友達の前では言えないことがあったり,全体に対しての教師の 話は聞くことがきても,特定の友達の方は見ようともしなかったりすること があります。関係性によって,十分に発捧することができていないコミュニ ケーションの力を引き出すために,日頃から親しい友達と同じグループにし たり,友達ヤ家族とのやりとりを参考にし,教師が仲介役となったりするこ とで,コミュニケーションが深まり,相手への見方が変ることにつながって いくと考えます。. これらのコミュニケーションの力を生かす支持を行う際には,コミュニ ケーションを阻害していると思われる原因を改善していくだけでなく,コミ ュニケーションが深まっていく中で,「自分の思いは通じる」という自信を もてるようにしていくことが大切だと考えています。. 子供たちの安から. ′ト学校帝藤グループの祭数科「どちらがおおい?」の授環場面でした。qくんは自閉的傾向の ある児轟で,これまでの算数の授業の中では,それほど主体的な姿はみられませんでした。とこ ろが,黒板の前でグループの友達と共に50までの数カードを貼る場面では,友達の姿を見ながら, 自分のカードをどこに貼ればいいのかを考えている様子がみられました。これまでの学習で身に 付いた力を基に,友達も自分と同じ活動に取り組んでいることが分かり,「見て分かる力」を生か し友達の活動を見ることで,自分の考えを確かにしているととらえることができるのではないか と考えました。コミュニケーションの力を生かす場面はどの場面においても考えられると思いま す。コミュニケーションの力を生かし,かかわt)合いを深め,「学び」がはぐくまれることで,単 元・題材の目標により迫ることができると考えています。. −14−.

(21) ②それぞれのコミュニケーションのカを生かす授業づくり 一人一人のコミュニケーションの力を生かす支援を考えた時に,授業の中 で,それぞれのコミュニケーションの力を生かすための授業づくりが必要と なります。そこで本研究では,「教材・教具の工夫」「場の工夫」「教師の働 きかけ」を視点に授菜づくりを検討していきました。 「コミュニケケーションの力を生かす授業」は,話し合いの場面を特別に 設けたり,仲間と協力する場面をつくる等の場面設定が大切な支援の一つと なる場合もあります。しかし,授業の中には,人と直接的にコミュニケーシ ョンを行うことが前提ではない状況でも.他者の様子を見ることヤ,発言を 聞くこと等の情報の受信がきっかけとなり,コミュニケーションが生まれ, より豊かな「学び」が展開する ことも考えられます。本研究で は,「コミュニケーションを行 うこと」そのものを事前に設定 した展開だけではなく,子供が 自ら「他者とコミュニケーショ ンを行う必要感」を感じること. 1 で,コミュニケーションを生む 捻転. 〆レ 授業の展開を考えていきまし た。. 15−.

(22) 教材・教具の工夫. 教材・教具を,どの子供にとっても関心・話題が共有できるものになるよ うに工夫しました。 コミュニケーションは,現在の自分が置かれている状況や活動内容につい ての理解が不十分だったり,自分を取り巻く環境からの情報の意味を正しく 受け止めることが難しかったりすると,他者とのコミュニケーションはもち ろん,自己の活動自体にも取り組むことが難しくなります。子僕にとって,. 関心・話題の共有. わかりやすい状況・活動内容とは,その場において具体的に何を行えばよい のかが理解できているということであり,さらには「自分らしさを出すこと ができる状況」であると考えています。 中学校国語科の授業では,4コマ漫画を題材として取り上げることで,絵 と登場人物の吹きしの台詞を4コマの話の関連から参考に内容・状況・心情 の理解をねらいました。生徒たちは,日頃親しみのある漫画を教材とするこ. 課題の理解. とで,興味・関心をもつことできました。どの生徒にもわかりやすい教材を 使うことで,内容への理解が深まり, 自分の考えを伝えたいという気持ち. から,話し合いが活発になされてい る様子が見られました。このように, 授業の中では,どの子供にとっても,. 課題や活動内容がわかり,自分の考 えをもてるような工夫をしていきま した。. 授業の中での場面設定は,「仲間と協同する活動」「気付きを促す場の設定」 を視点に工夫しました。 授業の中では,仲間と協力して活動する(協同する)場面設定を取り入れ ることで,子供が他者とコミュニケーションをとりながらかかわり合う必然 性を感じることができるようにしま. した。活動の中では,他者からの働 仲間と 協同する活動. きかけに注意を向けることができな. かったり,その働きかけの意味を理 解することが難しい子供もいます。 コミュニケーションを深めるために. は,単に場・時間を共有すればいい というものではありません。仲間と 気づきを促す 場の設定. 協力して活動する場面を取り入れることで,相手を肯定的に捉える気持ちが 育ち,他者への気付きが促され,より安定した関係性を築くことにつながっ ていくと考えます。 また,学習形態によっては,教師と子供との一対一の関係や,小グループ,. 学級全体での活動など多様な集団構成が考えられます。しかし,すべての子 供がどの集団構成でも,豊かなコミュニケーションの関係がもてるとは必ず. −16−.

(23) しもいえません。コミュニケーション 霞㌢ を深めていくためには,教師との一対 L. ㌔h. 一の関係を基にしながら,小グループ や二人一組での情動を設定し集団のか かわり合いに加わることができるよう にすることで「互いの気付きを促す」 ような,一人一人の実態に応じた働き かけが必要となる場合もあると考えま. す。また,座席配置を工夫することで,互いの気付きを促す支援も行いました。. 教師の働きかけ. 授業場面では,教材・教具の工夫,場の工夫を考えていくと同時に,子供 の活動する姿に応じて働きかけを行う必要があります。 学級は様々な個性の集まりです。一人一人の子供のもつ多様な個性を認め ていくことを前程として,自分のよさを知り,他の子供のよさを認めていく 営みを大切にしていくことが,コミュニケーションを豊かにすることにつな. 表現活動・行動 の重視. がるものと考えます。そこで,自分を知り,相手に自分のことを伝え,自分 なりの表現を大切にしていくことを重視して支援を考えました。自分の気持 ちを表現する手だては言語表現だけではありません。視線・動作等も,自分 の気持ちを表現し,仲間とのコミュニケーションを生むきっかけとなります。 教師は子供の伝えたいことを言葉や行動に変換し伝え返すことで,子供は表 現の仕方を知ることができます。また,受け手にとっても相手の考えが理解 しやすくなり,その後のコミュニケーションにつながっていくと考えます。 そのような支援が,自分自身の表現を豊かにしていくことにもつながると考 えます。 小学校低学年の図画工作科の授業では,よさこいの衣装を自分たちでデザ インし.制作する取組を行いました。その中で,児東たちは思い思いのデザ インで衣装を制作し,できた衣装を着て,見せ合う場面がありました。他の 学習場面では,意欲的に発言することが難しい児童も,「自分で考えて作っ た作品を見てもらいたい.という気持ちから,みんなの前で堂々と衣装を着 て,自分の作品を説明Lている様子が見られまLた。自分の思いを表現する ことができた作品を見てもらいたいという気持ちが,日らの発信を促すこと につながったと考えられます。ま た,胃薬では十分に説明すること が難しい児童には,教師が児童の 活動の様子から見取ったことや,. 発表している時の児童の視線.動 r 作から伝えたいことを汲み取り,. どのように表現すればよいかを伝 仁予 l. 子供と子供を つなぐ支援. えることで,みんなに自分の考え を伝えられるように促しました。 ー17−. rン てゼ.

(24) コミュニケーション の力にかかわる評価. 単元■題材の個別目標,本時での個別目標に加え,コミュニケーションを 生かす支援にかかわる評価を行いました。 コミュニケーションの力を生かす支援は,かかわり合いを深め,「学び」. を深めていくことが目的のため,コミュニケーションを生かすための支援へ の評価は,かかわり合いがどのように変容したかをとらえていくことで行い ました。 一人一人へのコミュニケー・ションを生かす支援によって,本人のかかわり 子供の姿の評価. 合いがどのように変容していったかを,授業ごとに記録し,評価を積み重ね ていくことにしました。. 本時でのコミュニケーションを生かす支援については,支援が適切なもの であったかを毎時間評価し,次時の活動計画へ反映することで,より有効な 支援に対する評価. 支援を考えていきました。. また,単元・題材の終了時についても,コミュニケーションを生かす支援 は,かかわり合いを深め,畔元・題材の目標の達成に向かう支援として適切 であったかを評価し,次の単元・題材だけでなく,他の教科・領域の学習場 面での支援にも反映できるようにしました。. ⊥二二三二ニ」孟ふ右iこ蒜i示. r・・ニ ,..篭 .□:・=に一. __二⊥⊥二二二二二¶Ⅳ二二こニ. 研究の成果. 珊”・T町. 拍サJ=ニ ー・・・− =−−・.−. 一人一人のコミュニケーションの力を把握し,コミュニケーションを生か す支援を探究していくことで,次のような成果を得ることができました。. ○コミュニケーションの力をできるだけ多面的に把据していくことで,現在 の受信の力,発信の力をとらえることができました。また,これまで十分. に把握できていなかった一人一人の表現力の豊かさに気付くことができ、 授業の中で生かすことができました。 ○一人一人の実態に応じたコミュニケーションの力を生かす支援を行うこと で,情報の発信一受信を円滑にし,かかわり合いが深まる場面が多くみら れました。 今後の課題. 研究を進めていく中で,あらゆる要因が尭なり合っていることがコミュニ ケーションをとらえにくくしていることに改めて気付かされました。本研究 の取組をペースにし,支援の在り方を整理しながら追究していく必要がある と考えています。これまでの成果を踏まえながら,今後の本学級での「学び」 を目指していくうえでの課題として以下の2点を押さえました。 ○これまでの自立活動の指導と関連させながら,コミュニケーションの力を 伸ばす指導とコミュニケーションを生かす支援との関係を整理し,より効 果的な支揺の在り方を追究していきます。 ○他者との関係性をより把握しながら,かかわり合いを深めていく中で,「学 び」の一層の充実を図っていきます。. −18−.

(25) Ⅳ_た_.▼、一」士・緬■■. −19一.

(26)

(27) く小学校∼実践例1∼〉. ・日 時:平成17年9月9日(金) ・場 所:′ト3組教室. ・対 象:算数科暫燕グループ(男子2名 女子2名 計4名) ・指導者:暫藤 正子 ・指導期間:平成17年9月6日∼平成17年9月26日 総時数7時間. 1.本題材で願う「学び」の婆. 指導にあたっては,具体的操作を繰り返しなが. 友達と共に同じ課題に取り組むことによって,. ら,視覚的にわかりやすく具体物を比較できるよ. 友達のやり方や考え方を手がかりにして,比較の. うにしていく。さらに,それぞれの理解の状況に. 仕方に気付き,自ら課題に取り組もうとする安。. 応じて学習プリントを作成しより理解が深まるよ うにしていきたい。. 2.題材設定の理由. 3.コミュニケーションを生かす授業づくり. 算数哲藤グループは,2年生女子1名,3年生 男子1名,5年生男子1名,女子1名の計4名で. 本グループの4名は,学習場面において積極的 に発言したり,活動したりという姿はあまり見ら. 構成されている。. 児童の実態としては,半具体物を使った1桁同. れないが,自分もやってみたいという気持ちはも. 士の足し算ができる児貴から,15位の具体物の数. っている。そのため,友達が課題に取り組んでい. を正確に数えることができる児童までいる。言葉. る様子や褒められている姿を見るなど,友達の行. の理解の面では,おおよその指示や言乗の意味を. 動に対する関心が生まれてきている。そこで本グ. 理解でき,友達や教師との会話が成立し,慣れた. ループの児童の実態を踏まえながら,本題材で願. 場面では自分の考えを発表することのできる児童. う学びの姿に向けて,以下の視点でコミュニケー. から,簡単な単語での吉葉の意味は理解はできる. ションの力を生かす支援を考えた。. が,個別の働きかけが必要な児蔑までと若干帽が. 【教材・教具の工夫】 ①文字カード. 見られる。 本題材では数の多少について取り上げることと. 数の多少の学習をするにあたっては「多い」「少. した。前題材「どちらがおおきい?」では,大き. ない」という言葉の意味を理解することも重要で. さの異なる2つのものを比較し,大小を分ける学. ある。そこで,言葉での働きかけと合わせて「お. 習に取り組んできた。2つのものを比較をしたり,. おい」「すくない」と書いた文字カードを提示し. 言葉の意味を理解し分類したりする力がついてき. 理解を促していきたい。文字カードを活用してい. ている。そこで,物の大小から2つの物の数の比. くことで「読んで理解する力」を生かし,問題に. 較へとつなげていきたいと考えている。ものの数. 対する答えを友達に伝えるきっかけにすることが. を数えたり,比較したりすることば日常生活にお. できるのではないかと考えている。. いても,学習場面においても多く考えられる。数. (か見てわかりやすいものを使っての比較. の多少を理解することにより,算数科ばかりでは. 数の比較を行う際には,子僕たちが視覚的にと. なく他の学習場面でもそれらの力を活用した授業. らえてわかりやすいやすいように,比較する具体. の参加の仕方が増えてくると考えられる。. 物を提示していく。「見て分かる力」を生かすこ −21−.

(28) とができるよう,比較する際には個数比べケース. 4.題材の目標. を用意して活動に取り組むようにする。. ・正しく数を数えることができる。 ・数の多い,少ない,同じがわかり答えること ができる。. 【場の工夫】 ①座席の配置 「受信の力」を生かすことができるように,お. 5.指導計画(全体7時間). 互いの活動の様子,また教師の演示が見えるよう な座席配置にする。友達のやり方を見て自分の取 り組みの辛がかりにしたり,理解を深めたりする ことにつながるのではないかと考えた。 ②友達と一緒に課題に取り組む ・みんなでひとつの課題に取り組む. 演示をするにあたっては,子供たちに次はどう なるのか,どうしたらよいのかなど確認し,個々 の「発信の力」を生かすためにそれぞれの考えや, 意見を聞き,取り入れるようにしていく。また,. 座席の配置にもあるように,みんな一つの課題に 取り組むことにより教師の演示や友達のやり方を. 手がかりにして,どのようにしたら課題解決につ ながるのか個々の考えを導くことができるのでは ないかと考えた。 ・ペアになって課題へ取り組む. 本グループは4名の小集団ではあるが,友達の 取り組みが,よりわかりやすいようにペアになり 課題への取り組みを行うこととした。ペアでの活 動を取り入れることにより,全体の場では緊張し て発言することが難しい子供でも,積極的に活動 に参加したり,発言したりするなど「発信の力」 を生かすことができるのではないかと考えた。. 【教師の働きかけ】. 本グループの子倶たちは,伝えたいことがあっ ても全体での学習場面で積極的に発言する姿はな かなか見られない。そこで,教師から意図的に答 える子僕や,手本になる子倶を指名するなどして, グループ全体に個々のもつ考えや思いを伝えてい く。また,できたことに対して大いに称賛し,グ ループ全体でお互いのことを認め合えるような働 きかけをしていくようにする。. Z2一.

(29) 6.対象児のコミュニケーションの力と支援 対象児童:f 発. 信. 受. 信. ・学級や学習グループなどの小人数の集団の ・全体での教師の説明や話を聞いて内容を理 発 言. 中では,自分の思いや考えを伝えられるよ 解することができる。. 信語. ・面 受・. 信斐 る。. ・特定の友達からの働きかけに対してはより. 冒 亘五 ・感想や経験したことなど言葉で教師に伝え 耳を傾け意図を理解しようとする姿が見ら. ロロ 面 ることができる。 の ・間違ったり,失敗したりすることに対して. れる。. 抵抗があるため,自信のないときには黙っ てしまうことがある。. ITPA. ITPAの検査結果から「ことばの類推」「文の橋成」「絵さがし」の自動水準に関する項目 が低い結果となっている。また表象水準では「絵の理解」「絵の類推」「動作の表現」の項目 が高い結果となっている。このことから,視覚的な情報をとらえる力が優位に働いているも のと考えられ,また,伝えたいことを言葉で表現することが苦手と考えられる。絵や写真な どの視覚的な情報を用いながら,簡潔な分かりやすい指示を工夫して支援していくことが必 要と考えられる。. 対 人 関 係. ・特定の友達に対しては非常に積極的にかかわる姿が見られる。 ・学習場面で何をすればいいのかわからない友達に対して短い言葉でどうすればいいのかを 伝えることができるようになってきている。. その他 〈言葉の受信・発信〉. 〈言葉以外の受信・発信〉. s. グ ル. 性. ・教師の支援があっても関係が成立しない場合は線なし ・教師の支援有り …=・・・・……‥. ■・教師の支援無し. 算数グループの学習場面では,全体に対する発表の際にはまだ緊張があり,対教師とのか かわりを求めることが多い。5年生Sに対しては,少しずつ打ち解けてきたのか,授業の始 まりなどに声をかけている姿が見られるようになった。. ○安心して発言ができるように,つぶやきや気が付いたことを言うことがで 題材におけるコミュニ. きたときには,グループの友達にも伝えるように促し,またできたことを. ケーションの力を生か. 大いに褒める。〈伝える力〉. す支援. ○教師の演示や友達の活動している様子を見て,自分の取り組みにも参考に できるように全体の様子が見える座席配置にする。〈見て分かる力〉. ー23−.

(30) 対象児童:q 発. 信. 受. 信. ・特定の大人に対して,自分の要求や放課後 ・短い文章で簡単な単語での指示であれば理. 発言 信語. の予定など,短い文章で伝えることができ 解することができ,自ら行動に移すことが できる。. ・面 受・ 信彗. 巨∋ ヨ五 んね」「00怖かった」など言葉で伝える でき,身近な単語を読んで意味を理解する. ロロ 面 ことができる。 の. ことができる。. ・内容の理解できない問いかけに対してはオ ・友達の簡単な話を聞いたり,様子を見たり ウム返しで返答してくることが多い。. して状況を判断し活動することができる。. 汀PAの検査結果から「ことばの類推」「文の構成」の項目が低い結果となっており「絵 ITPA. の理解」「絵の類推」「絵探し」の項目が高い結果となっている。このことから,視覚的な情. 報をとらえる力が優位に働いているものと考えられるため,絵や写真などの視覚的な情報を 用い,簡潔な分かりやすい指示を工夫して支援していくことが必要と考えられる。 ・自分の要求や思いを担任に伝えることができる。. 対 人 関. 係. ・積極的に友達にかかわる姿は見られないが,友達の行動をよく見ている。 ・自分の好きなことをしているときに友達に邪魔されたり止められたりすると「嫌なの」と 言葉で返すことがある。. その他 く言葉の受信・発信〉. 〈言葉以外の受信・発信〉. ○. (⊃ 要†. グ ル. l. 虚、、、、、. ィ虚、.. l. プ. ....... .. の. 内 関 係 性. 、、. ロ■. 、−℃. ・教師の支援があっても関係が成立しない場合は線なし ・教師の支援有り −…・…−−=−・・・・. ト・教師の支援無し. 算数グループの学習場面では,積極的に自ら友達に対してかかわる姿は見られないが,教 師が声をかけることで,友達の取り組んでいる様子に注目することができる. 。fからの言葉. での働きかけに対しては,教師の支接がなくても相手の伝えたいことを理解することはでき るが,gから周囲の友達に対しては教師の支援がなければ働きかけることはない。. ○わかったことやできたことなど,教師に伝えることができたときには大い 題材におけるコミュニ ケーションの力を生か す支援. に褒め,周りの友達にも伝えていく。〈発信する力〉 ○文字を読んで,言葉の意味と実際の数の違いを理解することができるよう に,文字カード(「おおい」「すくない」)を使用する。〈読む力〉 ○教師の演示や友達の活動を参考にできるよう,全体が見やすい座席配置に する。また,友達の様子を見るように声をかける。〈見る力〉. ー24一一.

(31) 7.題材における児童の実態と個別日標. 8一 本時の目標. ※児童名の網掛けは対象児童,学年の○印は女. ・指示された数字の分だけ具体物をそろえるこ とができる。. 子. ・10以下の数の多少がわかる。. 9.本時の個別目標. ※児童名の網掛けは対象児童,学年の○印は女 子. ・具体物を見て,量の多い少ないを答え. 児童. 学年. 本時の個別目標 ・数字を見て,その数の分だけ具体物を 提示することができる。. ・20までの致の多少や同数がわかり,ど ちらがいくつ多いいのか答えることが. 同 ②・10以下の敷の多少がわかり,具体物を 辛がかりにその差を答えることができ る。 ・教師の声がけを受けて,指示された数 の具体物を提示することができる。. ・物の大きい小さいを正しく答えること ができるが,数的な量に関しては比較. 1. 3. ・10以下の数の多少がわかり,具体物を 手がかりに多い,少ないを答えること ができる。 ・教師の声がけを受けて,指示された数 の具体物を提示することができる。. ・10以下の数の多少を具体物を使って答 cl 5. ・10以下の数の多少がわかり,具体物を 手がかりに多い,少ないを答えること ができる。. ・物の大きい小さいを正しく答えること ができるが,数的な量に関しては比較. S. ・10以下の数の多少を具体物を使って答. S. ることができる。 ・物の大きい小さいを正しく答えること ができるが,数的な量に関しては比較 することは敬しい。 できる。 ・8以下の数の多少を具体物を使って答 えることができる。. 国. ・教師の声がけを受けて,指示された数 の具体物を数字カードを辛がかりに捉 示することができる。 ・具体物を使って,5以下の差の大きい 数の多い,少ないを答えることができ る。.

(32) 癖. トPD 一尺薗. 1廻。. #量. り.J. 軋刃 lJり. ■. 円 糎 融 二」. ・Q. ゼ レ. ∩. 吏 ・R. e. .U. 車 合 十. 出. 勺 畳. K)トP. 1J. ?. すト 東唱 鶉肇. せト. 巳 ニぷ. 圏. 勅 露. ・R′ ぷ呂. ・・・・. ニ.u. べ監 二:堅 ㌣リ. 輪湖 +. 庵. 忘投 畢或 る吏 I¢ぐ. く. 簑凋. 泳l. レ. 1ぐヽ. 墨翠. ′モ J′. 描. 寧 G. 叫 1初. lぷ・. 郎」.■. Dて 菌当. 艮嶽 蚤 .. P. 1」. .U. e. 田 選 ぷ. lくヽ. F, ・R. 他l 十P. 三J. ⊥1. 塩 繭. ヽ. Y. 一lヽ. 仙. 巴. トp. .U. ノ. 慮 トロ 田 艮. ・R. 十、 量. ___レ._... 仙■ ̄■▼■■■ P. 屁 リ. ㈹. 1ミ. ■J. .._...勅.. ロ‘ Cl 寸. Il. 舟ロ. .」1仙. 召P ■. :u. 封[e. }吏. ∽. ココ. 現頭. l尺. l. 埜据す量亜漣只eヽmホ1心−〓H〃[e制空慮東雲更生塵画〓・屋斎空軍造ふ∵︵ふh・密度e嘲聖望E要港※. ヰ♪. 】. ト¢. トロ ̄−. 蕪 .U 展 一尺 e ゼ≠ 壷 蚕. Jり. 十 王 ミヽ. 州■芸t■ ̄‥j…■. 馳 ′j ご叫 幽. ま庵. 量刃 鳥J. 服. 顛. 匡. ‘仁≧+.j. J一尺. 憩ト 令ニ. e. .J. 二■#. 蚕. Tン e く. IO ・涙. ぐ 皿. e. £. 鯉。u・(ニ史:匡. 】遥. く} e. 皿. 薗 リ ..⊥.. ∴. e母 癖も.  ̄‘. 去g. 甘筆墨. 十J. 喰. =ヽ. ト 轟. ト. 州小 等州. 令. D. 東端 磁量 ゴニ. べ. 喩.d. 盟. CI. ・匡. 声り. 帖J. 銀. PユJ▲か ち聖㌦. 00. e P. 臼岨. 叫 勺 ̄. 円. く>. 半玉 閏 J. =、=ヽ. ぎ/. 巾. P娘吏. 境遇. くeニ l戯レ ・仙. ニ. j喰. 簑. l「. \. 弧 e. 栓 朝 璃 曽 更 旬. 管主 蜃宝玉. 層. 童. 嘉. 。. 琵嘩e皆椅.≡. 貞 駕 ミ 造 朝. J. ト 壷l 」J. 勧・粍. 蒜還. 」恕. り ■. レ ぐ。. ・芦・. ・ ;. (歯. 散. l吏 ‥ 鳩舗・. , ●. ●. 患. 兎.

(33) 11.評. 価. ○本時の目標については,個別の目標に沿って評価する。 ○コミュニケーションの力を生かしたかかわり合いの姿がみられたかを記録し長期的に評価する。 ○本時でのコミュニケーションを生かす支援は適切であったかを評価する。. ①文字カードを使うことで,数の多少の理解につなげることができていたか。 ②具体物を見て,数の比較をしてどちらが多いか答えることができていたか。 ③ペアになっての取り組みでは,お互いのやり方を見て参考にしながら課題に取り組むことができ ていたか。 ④一人一人のコミュニケーションの力を生かす働きかけは適切であったか。. ○題材終了時にはコミュニケーションを生かす支援(教材・教具の工夫,場の工夫,働きかけ)によ って,それぞれの力が生かされ,かかわり合いに深まりがみられたかを評価し,次の題材での指導 に生かしていく。. 12.配 置 図. 13.教材・教具 りんごカード・数字カード・個数比. べケース(5までの数の比較用,10ま での数の比較用)・ホワイトボード(小. 型)・柿の模型・ゆで卵・学習プリン ト(数の多少). 文字カードと個数比べケース(5までの数用). 個数比べケースの 中に指示された数 の具体物を入れて 文字カードを使っ てどちらが多いか 少ないかを答えら れるようにする。. −27−.

参照

関連したドキュメント

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

 此準備的、先駆的の目的を過 あやま りて法律は自からその貴尊を傷るに至

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

世界規模でのがん研究支援を行っている。当会は UICC 国内委員会を通じて、その研究支

課題 学習対象 学習事項 学習項目 学習項目の解説 キーワード. 生徒が探究的にか

世界規模でのがん研究支援を行っている。当会は UICC 国内委員会を通じて、その研究支

●財団毎に倫理規定等を通じて、組織の内規で定めるべき -視点 1:断ることで、関係が悪化/気を悪くする -視点 2:個別的関係があったから、支援を受けられた

7 年間、東北復興に関わっています。そこで分かったのは、地元に