学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2017 年 9 月 27 日(水)
報告番号:甲・乙 第 号 氏名:廣瀬 公彦
論文審査
担当者 主査 教授 印
副査 教授 印
副査 教授 印 審査論文の題目:
Application of pressure-derived myocardial fractional flow reserve in chronic
hemodialysis patients
(透析患者における心筋血流予備量比(FFR)の心筋虚血閾値の検討)
著 者:
Kimihiko Hirose, Taishiro Chikamori, Satoshi Hida, Nobuhiro Tanaka, Jun Yamashita, Yuko Igarashi, Tetsushi Saitoh, Hirokazu Tanaka, Akira Yamashina.
掲載誌:
Journal of Cardiology (in press, 2017)
論文要旨:冠動脈疾患(CAD)が疑われ、負荷心筋 SPECT 検査と心筋血流予備量比(FFR)を用いた冠動脈造影(CAG)、
心エコーを実施した透析患者 42 名 61 病変を対象とし FFR の心筋虚血閾値を後ろ向きで検討した。心筋 虚血を検出するための FFR の閾値は ROC 曲線分析により決定した。FFR を計測した冠動脈は合計 61 血管、
FFR の計測値範囲は 0.34 から 0.93、平均は 0.74±0.13 であった。ROC 曲線分析による FFR の心筋虚血 閾値は 0.76(P<0.001)で FFR の心筋虚血の診断精度は感度 70%、特異度 86%、正診率 76%であった。
分散分析の結果、負荷心筋 SPECT 検査の虚血評価と FFR 値の一致した患者と比較して、カルシウム・リ ンの積もしくは心エコーの左室重量指数が、偽陽性群では小さく偽陰性群では大きい結果であった。
慢性透析患者における FFR の心筋虚血閾値は他の CAD 患者と同様であり日常診療に適用できる可能性が 示唆された。
審査過程:
1. 多変量解析における交絡因子の選択について説明できた。
2. 冠動脈石灰化に関して病態生理と画像所見が合致しない原因について説明できた。
3. 冠動脈石灰化と FFR 値の変動について説明できた。
4. 擬陽性を示した群で見られたカルシウムリン積の増大との関連を説明できた。
5. 擬陽性を示した群で見られた左室肥大との関連を説明できた。
6. カルシウムリン積増大、左室肥大を呈する患者の臨床像と FFR 値の関連を説明できた。
価値判定:
透析患者において頻度の高い心筋虚血を評価する方法として FFR を検討した。他の方法に比べて優れ ているという結果は得られず、また病態生理学的にも合致しない部分があったが、今後の研究の指標と なり得る基盤的なデータを提示したという意義は高く、博士論文としての価値を認める。