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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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リモートプラズマCVD法による有機シリコン原料を 用いたシリコン系薄膜形成過程の研究

著者 徐 應瑜

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 23

ページ 99‑101

発行年 2002‑03‑29

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1463

(2)

氏名・

(本

籍 )       應   喩 (中 国

)

学位 の種 類        (工   学

)

学位 記 番 号    工博甲第   213   号 学位授与の日付    平成 13年 3月 23日

学位授与の要件    学位規則第 4条 第 1項 該当 研究科

̀専

攻の名称    電子科学研究科   電子応用工学

学位論文題ロ     リモー トプラズマ CVD法 による有機 シリコン原料 を用いた シリコン系薄膜形成過程の研究

論文審査委員    (委 員長

)

教 授 神 藤 正 士   教 授 畑 中 義 式 教 授   中   西   洋 一郎

助教授   田   中     昭

論 文 内 容 の 要 旨

本研究 リモー トプラズマ化学気相堆積 (REPECVD)法 を用いて、有機 シリコン原料か らワイ ド ギヤップ半導体 を作成するプロセスにおいてプラズマ CVD(PECVD)に おける反応過程 を研究 し、良 質の半導体膜 を得 る方法の探索 に関する基礎的研究である。

本論文の第 1章 において、研究の背景及び基本的な事理を述べ、薄膜を形成する方法 として PECVD

法は半導体及び一般工業製品の用途 における重要な手段であることを述べ られた。

PECVD法 は製膜プロセスの低温化 により複雑な組成の薄膜形成などの必要性から、半導体分野の みならず、工業的用途全体 にわた り利用 されるようになってきた。 しか しなが ら、熱 CVDに 比べ反 応過程 にプラズマを利用 していることか ら、電子励起 によるもの、イオン粒子の衝突 によるもの、

紫外線励起によるものなどの寄与が混在 し、その反応過程 は複雑で、明確 になっていない部分が多 レヽ 。

また、シリコン系材料 として、シランガスの危険性の回避 と原料分子の骨格を薄膜中に有効 に取 り込む方法 として、有機 シリコン材料 を原料 とする手法が研究 されてきた。 この場合、有機原料の

PECVDに おける分解および製膜過程はより複雑であ り、ほとんど解明されていない。 PECVDの 将来 において有機材料 を用いて、 より低温プロセスで高品質な半導体薄膜 を作製することを考えるとき、

その反応成膜過程 を明 らかにすることはきわめて重要である。

第2章 では本研究に用いられたリモー トプラズマ CVDシ ステムの原理 と特徴 を述べ、リモー トプラ

‑99‑

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ズマ CVD法 はプラズマ発生部 とプラズマラジカルの輸送部お よび薄膜作製部 とか らな り、装置の構 成、そ して各部分の役割 とその基本的な考え方の根処 についてこの章で述べた。

3章 で、本論文では特 にリモー トプラズマ CVD法 についての研究であるために、プラズマ源が高 密度のプラズマを用いた場合の研究が不可欠である。このような理由から本研究に用いたマイクロ波 励起 プラズマ源 として、スロットアンテナを用いたμ一 SLANと 表面波励起 タイプの Surfaguideの 設計 原理及び作成についてこの章で述べた。そ してプローブ測定によって両者の特性 を比較 しなが ら評価

した。

第4章 では、有機シリコン原料の HMDS,H)MASを 用いてリモー トプラズマ CVD法 で薄膜の堆積 に ついて述べる。プラズマラジカルと原料ガスとの基本的反応過程を明らかにするために、プラズマガ ス として水素、アルゴン、酸素及び窒素を用い、原料 ガス量、プラズマラジカル量、ガス圧力及び基 板温度 に対 し、堆積速度の変化から反応過程を分析 した。利用するガスによって堆積過程が大別 され ることが分かつた。アルゴンや水素ガスの場合、原料が気相中でラジカルと反応 し、前駆体 を形成す る。 さらに前駆体が基板表面でラジカルと反応 しなが ら薄膜 を形成するというような2段 階の反応が 必要である。これに対 して、酸素や窒素のような反応性の高いラジカルの場合は、気相中で原料 と反 応 じ前駆体 を形成 した後、基板に到達 し、基板表面での反応を経由せずにそのまま膜 を生成するとい う

1ス

テップ過程 を示す。 さらに、これらのプラズマに少量の水素ガスを混合すると、気相中で原料 の分解反応が促進 され、薄膜の堆積速度は急激に上昇するとい う非常特徴的なことが示 された。

5章 では、4章 における反応過程 をさらにプラズマ発光スペク トル及び薄膜のΠⅧ

tス

ペ ク トルの 解析 を通 して気相中の反応過程 を提案 し、薄膜の堆積過程 を検討 した。プラズマ発光スペ ク トルか ら、水素ガスを添加すると、Ar*や 、 NHX,0*な どの発光強度の変化傾向は堆積速度の変化傾向 とほ ぼ合致する。つまリプラズマ中エネルギーの分布が変化を生 じ、より薄膜の堆積 に適 した状態になっ た。また、

「 lЖ スペ ク トル結果から、堆積速度の速い場合、膜中多 くのメチルグループ成分を含む。

堆積するとき基板温度を上げるか、あるいは水素ガスを添加すると、このような成分の含有量が減少 した。そ してこれらの結果にもとづいて、窒素や酸素プラズマを用いた場合薄膜の堆積過程のモデル を提案 した。

第6章 はラジカルによるガス反応 と基板表面における反応 を区別するために、薄膜 を堆積するとき 基板 に R.F.バ イアスを印加 して、イオンボンバー トメン ト効果 を利用 して、薄膜の堆積過程 をさら に検討 した。明 らかに、 R.F。 バイアスをかけることによつて、薄膜中含んだメチルグループ成分が 取 り除かれた傾向を示 した。また、膜の表面 に適度のイオン衝突 によって、 より綿密 な膜形成 され た。 この結果は、今後薄膜 を堆積するとき膜質を向上 させるには有用であると思われる。

最後 に、第7章 でこれまでの実験結果 を考察 し、結論 としてまとめた。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本研究は有機 シリコン原料か らのシリコン系薄膜堆積 における薄膜形成過程 をリモー トプラズマ

CVD法 によって研究 した ものである。

論文は7章 からなってお り、最初 に、有機 シリコンを原料 としたシリコン系薄膜形成の背景 と、 リ モー トプラズマ法による CVD法 を利用することの有用性が第 1章 の序論で述べ られている。第2章 に おいて、本研究で用いられたリモー トプラズマ CVD装 置及び薄膜の解析 に用いた評価法 について基 本的なことが述べ られている。第 3章 では、 リモー トプラズマ法におけるプラズマ発生部 について取 り扱い、特 に本実験で用いたマイクロ SLANプ ラズマ源 と自作 したサーファガイ ドプラズマ源につい て記述 し、実験 に用いる基本的なプラズマ密度等の測定値 を示 している。

第4章 において、有機シリコン原料 としてヘキサメチルジシラン (HMDS)と トリジメチルアミノシ ラン (■ )MAS)か らの薄膜堆積 について、主 として堆積速度の各パラメータの依存性か ら反応過程 を 推論 している。水素又は水素 とアルゴン混合ガスの場合は気相 において複数の反応過程 をへて前駆体 が形成 され、かつ基板表面 におけるラジカルの2次 的な寄与に重要な2段 階反応過程が存在 し、堆積速 度が極めて遅いことの理由として挙げている。窒素水素又は酸素水素の混合 ガスプラズマによる場 合、水素 ラジカルによる原料分解の初期反応の直後、気相中に存在する窒素又は酸素原子 と結合 し前 駆体 とな り基板上で直ちに薄膜化するものと考えられる。即ち、基板温度の依存性が殆 とな く、気相 中のみの 1段 階反応 により薄膜が形成 されるもの と推論 している。 さらに、原料分子中に

Si―

C結 合の ないつ MASを 用いた場合の反応過程 について検討 している。反応の形態は殆 ど mⅦ xの 場合 と同 じ としている。

5章 では、プラズマ発光スペク トルの分析 において、混合ガス割合のスペク トル依存性 と薄膜堆 積速度 との関係から有効なラジカルの同定を試みているが、本実験の範囲では明確な対応 をとること

は出来ていない。 さらに、薄膜の組成 について、FrIR測 定結果 より評価 を行 っている。アルゴン水 素混合ガスによる堆積では、膜中

Si…

C地 Si結 合が主 として存在 し反応過程 と矛盾がない。窒素又は 酸素 と水素混合ガスの場合

Si‐

N結 合又は

Si‐

0結 合は水素の多いところで明確 となる、腹中には低温堆 積 において多 くの炭化水素の結合が混在 し、基板温度の上昇 と共に少な くなる。これらも、予測の結 果 と一致 している。

第6章 では、基板表面での前駆体の活動、及びイオン若 しくは電子の薄膜表面への衝突 による効果 を検討 している。適度なイオン衝突を薄膜堆積過程 に加えることにより、薄膜中の炭化水素量 を減少 させ、かつ原子結合 ネッ トワークを級密なものにする効果のあることが示 された。第7章 では全体の まとめ と結論が与えられている。

以上要するに、本研究は有機原料 を用いたシリコン系薄膜の堆積過程 に関する新規なものであ り、

種々のコーテイングに有益 な示唆を与えるものである。よって、本論文は博士 (工 学 )の 学位 を授与す るに充分な内容であることを認定する。

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