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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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シリコン基板上ZnOエピタキシャル薄膜の成長と発 光特性

著者 三宅 亜紀

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 25

ページ 161‑164

発行年 2004‑03‑08

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1416

(2)

氏名 。

(本

籍 )      宅    亜    紀 (岐 阜県

)

学位 の種 類    博      (工   学 )

学位 記番 号    工博甲第   246   号 学位授与の日付    平成 15年 3月 23日

学位授与の要件    学位規程第 5条 第 1項 該当 研究科 ・ 専攻の名称    電子科学研究科   電子応用工学

学位論文題ロ     シリコン基板上 Znoエ ピタキシャル薄膜の成長 と発光特性

論 文 審 査 委 員

   (委

員長)

教 授   栞       弘    教 授   小   林   健吉郎 教 授     部   道   晴    教 授   中   西   洋一郎

論 文 内 容 の 要 旨

現在、情報の高密度記録など様々な分野で紫外発光デバイスの開発が強 く望 まれている。 ZnOは

禁制体幅 3.37eVを 持つ直接遷移型 ワイ ドギ ャップ半導体であ り、その励起子束縛エネルギーが 6KlmeVと 大 きく、励起子が室温で安定に存在できる。高品質 Znoは 紫外線や電子線による励起によっ て、室温で 3.3eV付 近 に強 く鋭い励起子発光 を持つことが知 られ、紫外発光デバイス材料 として注 目を集めている。現在の半導体発光デバイスは電子― 正孔の再結合遷移による発光であ り、励起子 に よる発光デバイスが実現で きれば低 しきい値で高効率のデバイスが実現で きる。

本研究では、このように有望な紫外発光材料である ZnOの Si上 への高品質薄膜作製 を試みた。

高品質 Zno膜 の多 くは、六方晶系の酸化物であるサファイア基板上へのヘテロエ ピタキシャル成長

によって作製 される。 しか しサファイア基板 は高価、絶縁性である。これに対 しSi基板 は、現在の

エ レク トロニクス分野において広 く用いられている材料であ り、導電性の制御が可能で、素子の電

極 としても利用で きることか ら、si上 への高品質 Zno膜 の作製は極めて重要である。 しか し、Si基

板上への高品質 Zno膜 の作製は、成長時に基板 の酸化が起 こり、 Znoが エ ピタキシャル成長 しない

(3)

酸化することによって Zno膜 の作製 を試みた。作製 した膜 は c軸 配向を示 し、 RHEED観 察か らエ ピタキシャル znO膜 が形成 されていることがわかった。 またこの反応は、酸化 によって硫黄が酸素 に置換 されると同時に、結晶転移が起 こり、膜表面から膜内部へ と Znoの エ ピタキシャル膜の形成 が進行することがわかった。酸化法による ZnO膜 作製において、紫外発光が強 くなる最適条件 を、

ZnS蒸 着時の基板温度、熱処理時の雰囲気、温度、時間に対 して検討 を行 った。その結果、強い紫 外発光が得 られる ZnO膜 の作製条件 としては、 zns蒸 着時の基板温度は270℃ か ら 300℃ 、熱処理時 の雰囲気は酸素中、温度は 720℃ 前後で、約 5時 間程度の長時間の熱処理が必要であることがわかっ た。 これにより、紫外 と可視発光の積分強度比が 1〜 2と なるような膜が作製で きた。 しか し AES

測定か ら長時間の酸化 によって Znoと si基 板 との間に界面層が形成 されることが確認 された。断 面 班〕 M観 察 によって膜の構造は Zno層

/粗

な zno層 ノSi酸 化層 /Si基 板 となっていることがわかっ た。

酸化法による znO膜 作製はほとんど行われていないため、反応の詳細 を知るために熱力学的考察 及び実験 を行 つた。 これにより、 Znsか ら Znoへ の反応は、中間生成物 を作ることな く、一段階で 進むことがわかった。また、酸化反応は発熱反応であ り、730℃付近で急峻に反応が進行することが わかった。

さらに発光デバイス化 にむけて、 znO膜 の伝導性の制御 と多層膜化 を試みた。伝導性の制御 とし ては、 3族 元素の Al及 び Gaを ドーパ ン トとする n tt zno膜 の作製を行 った。 ドービング方法 とし ては、 znsペ レットに ドーパ ントをあらか じめ仕込んでおき、蒸着、酸化を行って Zno:M(M到

,Ga)

の作製を行 うというものである。作製 した膜は

Zno:Al(0。1江

%)膜 が、結晶性、発光特性 において優 れてお り、電気特性 においても低抵抗化 され、 n型 を示 した。添加量の増加 によって結晶性、発光特 性が悪化 し、電気特性の改善 も見 られなかったことから、   ドーパ ン ト濃度に伴 って有効キャリアが増 加するとは言えず、 Gaは Alに 比べて抵抗が高 く、有効キャリアにな りに くいことがわかった。

多層膜化 としては、酸化法 により作製 した ZnO膜 上にパルス レーザー堆積 (PLD)法 によってホ

モエ ピタキシャル成長を試み、成功 した。OvergrOwthに 影響 を及ぼす要因は、膜の平坦性であるこ とがわかった。比較的平坦な Zno膜 を用いて行 つたホモエ ピタキシャル成長では、結晶性の向上及 び発光特性の改善が見 られた。 また、Overgrowthに よって表面が粗 くなる傾向が見 られた。

以上、本研究は Si上 の紫外発光デバイスの形成が可能であることを示唆するものである。

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

現在、情報の高密度記録など様々な分野で紫外発光デバイスの開発が強 く望 まれている。 ZnOは

禁制帯幅3.37eVを 持つ直接遷移型ワイ ドギャップ半導体であ り、その励起子束縛エネルギーカ %omev

と大 きく、励起子が室温で安定 に存在で きる。高品質 Znoは 紫外線や電子線 による励起 によって、

室温で3.3eV付 近に強 く鋭い励起子発光 を示すことが知 られ、紫外発光デバイス材料 として注 目を集 めている。現在の半導体発光デバイスは電子― 正孔の再結合遷移 による発光によるものであ り、励起 子による発光デバイスが実現で きれば低 しきい値で高効率のデバイスが実現で きる。

本研究では、このように有望な紫外発光材料である ZnOの シリコン上への高品質薄膜作製を試み た。高品質 Zno膜 の多 くは、六方晶系の酸化物であるサファイア基板上へのヘテロエピタキシャル成 長によって作製される。 しか しサファイア基板は高価、絶縁性である。これに対 しシリコン基板は、

現在のエ レク トロニクス分野において広 く用いられている材料であ り、安価で且つ導電性の制御が可 能で、素子の電極 としても利用できることから、シリコン上への高品質 Zno膜 の作製は極めて重要で ある。 しか し、シリコン基板上への高品質 Zno膜 の作製は、成長時に基板の酸化が起 こり、 Znoが

エ ピタキシャル成長 しないことから困難であった。この基板酸化の抑制のため、 znoと 同 じ正四面 体構造 を持 ち、 シリコン上にエ ピタキシャル成長が可能な Znsを バ ッファ層 として用いてシリコン 上への ZnOエ ピタキシャル膜の作製を試み、これに成功 した。 RHEED観 察か らは zno蒸 着時の基板 温度カン 00℃ 、 600℃ の場合 にエビタキシャル成長することがわか り、熱処理によって結晶性の向上が 認められた。作製 した膜か らは低温での

PL淑 J定

において紫外域の発光が確認で きたが、室温での測 定では可視発光が非常に強 く、これは酸素空孔 によるもので、化学量論組成の不十分な膜であること を示 している。

さらに高品質な zno膜 の作製 を目指 しバ ッファとして用いた Znsエ ピタキシャル膜 を積極的に酸

化することによって Zno膜 の作製を試みた。作製 した膜は c軸 配向を示 し、 RHEED観 察か らエ ピタ

キシャル ZnO膜 が形成 されていることがわかった。 またこの反応 は、酸化 によって硫黄が酸素に置

換 されると同時に、結晶転移が起 こり、膜表面か ら膜内部へ と Znoの エ ピタキシャル膜の形成が進

行することがわかった。酸化法による ZnO膜 作製において、紫外発光が強 くなる最適条件 を、 zns蒸

着時の基板温度、熱処理時の雰囲気、温度、時間に対 して検討 を行 った。その結果、強い紫外発光が

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進むことがわかった。また、酸化反応は発熱反応であ り、 730℃ 付近で急峻に反応が進行することが わかった。

さらに発光デバイス化 に向けて、 ZnO膜 の伝導性の制御 と多層膜化 を試みた。伝導性の制御 として は、Ⅲ族元素の Al及 び Gaを ドーパ ン トとする nttznO膜 の作製 を行 った。 ドービング方法 として は、 zns:M(M=Al,Ga)の 蒸着、酸化 を行って Zno:M薄 膜 を形成するという過程 によって行った。

作製 した膜は Zno:Al(0.1江 %)膜 が、結晶性、発光特性 において優れてお り、電気特性 において も 低抵抗化 され、n型 を示 した。添加量の増加 によって結晶性、発光特性が悪化 し、電気特性の改善 も 見 られなかった。また、 Gaは Alに 比べて抵抗が高 く、有効キャリアにな りにくいことがわかつた。

多層膜化 としては、酸化法 により作製 した ZnO膜 上にパルス レーザー堆積 (PLD)法 によってホモ エ ピタキシャル成長を試み、成功 した。OvergrOwthに 影響 を及ぼす要因は、膜の平坦性であること がわかつた。比較的平坦な zno膜 を用いて行 つたホモエ ピタキシャル成長では、結晶性の向上及び 発光特性の改善が見 られた。 このことか ら、酸化法 による znO薄 膜の形成 にあたっては、 Znsの 階か ら平坦な膜の形成が必要であることが示唆 された。

以上、本研究の成果はシリコン上に紫外発光デバイスの形成が可能であることを示唆するものであ

り、工学上の寄与が大 きい。よって本論文は博士

(工

)を

授与するのに十分な内容を有するもの と認

める。

参照

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