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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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光導波路法による高感度光反応計測と導波構造有機 薄膜による全光スイッチング

著者 佐々木 恭一

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 20

ページ 141‑143

発行年 1999‑03‑31

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1542

(2)

氏 名 ・

(本

)

学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与の日付 学位授与の要件 研究科。 専攻の名称 学 位 論 文 題 目

論 文 審 査 委 員

佐     木     (福 井県 ) 博      (工   )

工博 甲第   166   号 平成 10年 3月 21日

学位規則第 4条 第 2項 該当 電子科学研究科   電子材料科学

光導波路法による高感度光反応計測 と導波構造有機薄膜に よる全光スイッチング

(哀

員 量 )篠

原 茂 信 教 授   │1祥

教 授   長   村   利  

教 授   畑

助教授

  

式 浩 義 興 中 原

論 文 内 容 の 要 旨

近年、インターネットの普及などにより、情報量が急激に増加 している。特 に画像情報 について は、より高速に表示 されることが期待 されている。 しか し、現在の電子技術での画像伝送、フイルタ リング、記録などはシリアル信号 に変換 され処理 されるため、処理速度、分解能共に飛躍的に向上 さ せることは難 しい。並列光処理を用いることがで きれば、処理速度は現行 を邊かに超えることがで き ると考えられる。近い将来、画像などの二次元データ処理において、並列処理システムを用いた光 コ ンピューターの構成が期待 されているが、その構成には高速、高分解能の平面構造を持った光デバイ スが必要 とされる。

半導体や無機物質では、微細加工精度により機能部位の密度が決定 される。一方、光応答性有機分 子は獄 〜獅 m程 度の個々の分子が、超高速光応答性や非線形性などそれぞれ固有の特性 を持ち、そ の分子 を秩序良 く整列させることにより、単独では不可能な高次機能の発現や機能部位の高密度化が で きる。よって、光並列処理デバイスに機能性有機物質を用いることで、処理速度、分解能共に現行 を邊かに上回ることが予想 される。並列光処理デバイスにおける光応答性の大部分が、用いられる材 料 によつて決定 されるため、デバイスの構造 と同様 に、材料の光応答特性の測定 も重要な課題 とな

る。本論文では、材料の光応答性測定及び全光デバイスの構成 と特性評価 について述べた。

1章 では、有機薄膜材料の光応答特性の測定、全光スイッチ ングにおける研究背景を述べ、本研 究の意義 と目的を示 した。

‑141‑

(3)

2章 では、導波路 を用いた薄膜の光誘起吸収変化の高感度測定、及び分子配向解析 について述べ た。本法では、導波光強度減衰 とその理論計算値 とを比較することにより、導波路基板にキャス トし た光誘起エ レク トロクロミズムを示す高分子電荷移動錯体の光誘起消衰係数変化を導出できた。その 消衰係数変化値 を理論計算に再び導入することにより、数 10〜 10Clnm程 度のスピンコー ト膜厚 を測定 することができ、エリブソメ トリによる結果 とほぼ同 じ値 を示 した。これにより、光導波路法での実 験 における導波光強度減衰 と膜厚 との対比 を直接行 うことが可能になった。

ビピリジニウムイオンの N、 N'位 に異 なる長鎖 アルキル基 をもつ2種 類の両親媒性電荷移動錯体 を、アラキジン酸 と 14で 混合 した単分子膜 を光導波路上に LB法 により累積 した。高感度光導波路偏 光測定法により、これまで観測で きなかった単分子膜 1層 における微少な光応答 を初めて観測 し、数 値解析から導出 した消衰係数変化から基板表面近 くの光生成 ビオローゲンラジカルカチオンの配向角 を導出 した。通常の偏光吸収法により測定された 60× 2層 の単分子累積膜での結果、または

F「

― Rで 評 価 された基板表面のステアリン酸の配向角の結果 とあわせて、基板表面から上層部への分子配向の変 化の様子 を観測で きた。

第 3章 では、光応答性有機色素を含む光デバイスの一つ として、導波モー ド薄膜の複素屈折率変化 を用いて、空間的に光を別の光で制御する新 しい原理のデバイスについて述べた。金属フタロシアニ ンの励起状態を用いた光変調素子では、パルス励起光を照射することにより、プローブ反射光の繰 り 返 し強度変調 を実現 した。ナノ秒以下の立ち上が り時間でプローブ光を変調 し、中心金属 を変えるこ とにより反射光減衰時間を変えることができることを示 した。亜鉛フタロシアニンの反射光減衰は三 重項励起状態か らの失活による消衰係数変化により生 じ、銅 フタロシアニンでは一重項 または三重項 励起状態か らの失活により発生する熱による屈折率変化 により生 じていると考えられる。

第4章 では、フォ トクロミック色素を含む高分子薄膜の複素屈折率変化 を用いる全光制御スイッチ について述べた。複合薄膜か らの反射光強度は、測定系時間分解能の 20ナ ノ秒以下の応答速度でス イツチ ON、 OFFさ れた。スイッチ oFF状 態での反射率は 0.1以 下であ り、 ON状 態では OFF状 態の 10 倍以上増加 した。スイッチ状態は、熱的に安定なフォトクロミック色素 を用いることにより、外部印 加電力な しで自己保持 される。また、光照射により吸収スペク トルがブロー ドな変化を示す色素を用 いると、その長短波長側に生 じる屈折率変化 も用いることができるため、吸収変化帯よりもかなり広 い波長域で応答する。並列処理の 1つ としてマスクを通 した励起光により、高分薄膜にイメージを書 き込むことでプローブ光並列処理ができた。これ らは用いる色素または高分子薄膜を適切に選択する ことにより、二次元キャッシュメモリや超高速空間光変調器への可能性を示 してお り、その応用の一 つ として空間光論理素子 を提案 した。

第5章 では、これ らの結果 をまとめ、本研究で得 られた成果の意義 と展望 について述べた。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

近年、インターネットや各種デジタル機器の普及により、情報量が急激 に増加 している。そのた め、さらなる超高速、高分解能の情報処理材料・デバイスが望 まれてお り、分子の光反応に基づ く分 子 フォ トニクスはその有力候補である。本論文では、有機超薄膜の光応答測定及び有機色素の光応答

を用いた新 しい全光並列デバイスの構成 と特性評価 についてまとめた。

1章 では、有機薄膜材料の光応答特性の測定、全光スイッチ ングにおける研究背景 を述べ、本研 究の意義 と目的を示 している。

2章 では、光導波路高感度計測法を用いて、光誘起電子移動 による色変化 を示す高分子電荷移動 錯体膜の光誘起吸収変化 を観測 し、理論計算値 と比較することで、消衰係数変化、膜厚 を評価 した。

ビピリジエウムイオンの N、 N'位 に異なる長鎖アルキル基をもつ2種類の両親媒性電荷移動錯体 と、

アラキジン酸 とを 14で 混合 した単分子膜

1層

における微少な光応答を初めて観測 した。 さらに、高感 度光導波路偏光測定法により、基板表面近 くの光生成 ビオローゲンラジカルカチオンの配向角を導出 し、基板の特性及び累積層数によって変化する分子配向を評価 した。他の測定結果 とあわせて、基板 表面か ら上層部への分子配向変化の様子 を明 らかにした。

3章 では、導波モー ド薄膜の光誘起複素屈折率変化 を用いて、光 を別の光で並列制御する新 しい 原理 を述べている。金属 フタロシアニ ンの励起状態の生成 と失活 を用いたフォ トンモー ド光変調で は、ナノ秒パルス励起光 を照射することにより、プローブ反射光の繰 り返 し強度変調 を実現 した。そ の立ち上が り時間は 20ナ ノ秒以下であ り、中心金属 を変えることにより応答周波数帯域 を制御で き た。

第4章 では、フォトクロミック色素を含む高分子薄膜の複素屈折率変化 を用いる全光並列スイッチ について述べている。 20ナ ノ秒以下の応答速度で、プローブ光はスイッチ ON、 OFFさ れた。スイッ チ 01田 状態の反射率は 10%以 下であ り、 ON状 態では 0「 状態の 10倍 以上 に増加 し、外部印加電力な しで自己保持 された。複素屈折率変化 を用いるので吸収変化帯 よりもかな り広い波長域で応答 した。

マスクを通 した励起光により、高分子薄膜にイメージを書 き込むことができ、二次元光キヤッシュメ モ リなどへの可能性 を示 した。

第5章 では、 これらの結果 をまとめ、本研究で得 られた成果の意義 と展望 について述べ ている。

以上のように、本論文は有機超薄膜の光応答の高感度計測、光応答性有機色素 を用いた新 しい全光 並列デバイスの構成 と特性評価について顕著な成果をあげてお り、次世代の光情報処理デバイスの開 発などに関 し、工学上の寄与が大 きい。 よつて、本論文は博士 (工 学 )の 学位 を授与するに充分値する

と結論 された。

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参照

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