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博(生)甲第203号

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Academic year: 2021

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(1)

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲第203号

氏 名

濵田 和久

学 位 審 査 委 員

主査 征矢野 清 副査 石松 惇 副査 萩原 篤志

論文審査の結果の要旨

濵田和久氏は、平成

4

3

月に北里大学水産学部を卒業後、社団法人日本栽培漁 業協会に入り、水産生物の養殖用餌料の開発研究やマダイ、トラフグ、ブリ、カン パチなどの種苗生産技術開発に携わった。その後同氏は、社会人特別選抜学生とし て平成

18

10

月長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程海洋生産科学専攻に 入学し現在に至っている。

同氏は、所定の単位を取得するとともに、平成

21

5

月に主論文「ブリ類

2

種 の性成熟過程の解明と人為的成熟調節に関する研究」を完成させ、平成

21

7

月 に本研究に関連する参考論文

3

編(内

2

編は印刷済み論文、

1

編は投稿審査中論文)

を添えて、長崎大学大学院生産科学研究科教授会に博士(水産学)の学位を申請し た。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、平成

21

7

15

日の定例教授会にお いて、予備審査委員会による予備審査結果及び論文内容の要旨を検討し、課程修了 のための学位論文提出資格があると判断して、上記の審査委員を選出した。委員は 主査を中心に論文内容を慎重に審査し、公開論文発表会を行わせるとともに、口頭 による最終試験を行い、論文の審査及び最終試験の結果を平成

21

9

9

日の研 究科教授会に報告した。

提出された学位申請論文は、わが国の水産増養殖対象種として重要なカンパチと ブリの成熟過程の解明と人為的操作による成熟の調節に焦点を当てた研究である。

ブリ,カンパチおよびヒラマサ等のブリ類はわが国の養殖生産量第一位を誇

り,水産資源の中でも最重要種の一つである。しかし,これまでの親魚養成技術

は,必ずしも科学的な根拠に裏付けられているわけではない。さらに,魚類学,

(2)

生理学,内分泌学および生態学等の専門分野の知見を総合した種苗生産技術検証 も十分に行われていない。そこで本研究では,ブリ類のうちブリおよびカンパチ を対象として,これらの性成熟過程を環境(日長と水温)と関連付けて解明すると ともに、「科学的情報に基づいた良質な卵を計画的かつ安定的に確保するための技 術」および「親魚の成熟・産卵を人為的にコントロールすることにより産卵期の早 期化を実現する技術」の開発を目指した。

本研究の特筆すべき内容は、1)カンパチの生殖腺発達過程を、環境要因(水温 および日長)と関連付けてを明らかにした点、

2

)ヒト胎盤性生殖腺刺激ホルモン

(HCG)を用いて、カンパチとブリの安定的に排卵および産卵を誘導する技術を開 発した点(第

2

章、審査付き雑誌 日本水産学会誌に投稿中)、

3

)上記の結果を 元に、ブリおよびカンパチにおいて、人為的に環境を制御することによって本来の 産卵期より約

6

ヶ月早い

12

月に採卵することを可能にした点(第

3

章、審査付き 雑誌 日本水産学会誌 第

72

巻、 および審査付き雑誌 栽培漁業技術開発研究 第

34

巻に掲載)である。中でも、ブリおよびカンパチにおける早期採卵技術の開発は 回遊性大型魚類では始めての試みであり、今後の増養殖を大きく変える技術として 注目されている。

本研究では、ブリ類の性成熟に関する基礎知見の収集と新たな種苗生産技術の開 発を試みた結果、上述したようにブリ類の種苗生産を発展させることができる重要 知見を得ることができた。これらの成果は、ブリ類の種苗生産技術の向上はもとよ り、すべての養殖対象魚種への応用が可能であることから、水産業の発展において 極めて有効な情報である。このことからも本研究は極めて意義深い研究である。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、審査委員会の報告に基づいて審査した

結果、本論文は水産学の進歩に貢献するものであることを認め、博士(水産学)の

学位に値するものとして合格と判断した。

参照

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