肝炎及び肝硬変 の病態生理 に関 す る腹 腔鏡学 的研究
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(2) 440. 樋. 口. 祥. 光. ま で は 大 多 数 例 に肝 腫 大 を 認 め る.慢 性 肝 炎 で は,. を 認 め るが,経 過 年 月 に よ り 差 異 は 殆 ん ど 認 め な. Table 2の 如 く,246例. い.. 中171例(69.5%)に. 肝腫 大.
(3) 肝炎及 び肝硬変 の病 態生理 に関す る腹腔鏡学 的研究. 441.
(4) 442. 樋. 口. 祥. 光. 2) 肝 表 面 発 赤 と発 病 よ りの経 過 年 月 急 性 肝 炎 で はTable. 1の 如 く, 27例 中17例 に 発. 赤 を 認 め,特 に発 病 よ り1ヵ 月 以 内 の 症 例 で は, 6 例 中6例. に 発 赤 を 認 め る.慢 性 肝 炎 で はTable. 2. の 如 く,発 赤 を 認 め る も の は246例 中77例(31%) で あ り,経 過 年月 と共 に多 小 減 少傾 向 を み と め る. 3) 肝 縁 の所 見 と発 病 よ りの経 過 年月 急 性 肝 炎 で はTable で,特. 1の 如 く, 27例 中25例 に 鈍. に発 病 よ り2ヵ 月 以 内で は12例 中 全 例 に鈍 化. を 認 め るが,慢 性 肝 炎 で はTable. 2の. 如 く,肝 縁. の鈍 化 を 認 め る もの は は るか に少 な く,経 過 の長 い もの で は 肝 縁 が鋭 利 化 し,瘢 痕 化 して 来 る も のが 比 較 的 多 くな つ て い る. 4) 肝 硬 度 の増 加 と発 病 よ りの経 過 年 月 急 性 肝 炎 で はTable. 1の 如 く,発 病 よ り1〜2ヵ. 月 ま で は殆 ん ど 正 常 で あ るが,. 3ヵ 月 頃 よ り増 加 す. る症 例 が 多 くな る.慢 性 肝 炎 で はTable. 2の 如 く,. 硬 度 増 加 例 は246例 中139例(56.5%)で,経. 過年月. の 長 い 程 増 加 す る傾 向 が あ る. 5) 肝 被 膜 白 色 皺 襞 形 成 と発 病 よ りの 経 過 年 月 Table 1の 如 く,急 性 肝 炎 で は27例 中18例 に 白色 皺 襞 形 成 を 認 め,経 過 が 長 くな ると共 に増 加 す る傾 向 が あ る.慢 性 肝 炎 で はTable. 2の. 如 く,発 病 後. 3年 頃 迄 は急 性 肝 炎 例 よ りも そ の頻 度 が 一 層 多 い が, 4年 頃か らむ しろ 減 少 傾 向 を認 め る. 6) 肝 表 面 細 血 管 怒 脹 と発 病 よ りの 経 過 年 月 急 性 肝 炎 で は27例 中11例 に細 血 管 増 加 怒 脹 を 認 め るが,慢 性 肝 炎 で はTable. 2の 如 く, 246例 中153. 例 にみ と め,経 過 年 月 と共 に増 加 す る傾 向 を み と め た. 7) 小瘢 痕 形 成 と発 病 よ りの経 過 年 月 急 性 肝 炎 で はTable. 1の 如 く, 27例 中23例 は 全 く. 小 瘢 痕 形 成 を 認 め な い が, 13例 に小 瘢 痕 形 成 を 認 め, 発 病 よ り1〜2ヵ 月 以 内 で も瘢 痕 形 成 を 小 数 例 に 認 め て い る.慢 性 肝 炎 で はTable 鈴 薯 肝2例. 2の 如 く, 244例(馬. を 除 く)中87例(35.7%)に. 小瘢 痕を認. め,経 過 と共 に多小小瘢痕 形成 の増加 を認 め る傾向 にあ る. 2. 肝 表面像 と肝組織像 との関連性 1) 肝表面発赤 と肝組織像 Table 3の 如 く,肝 表 面 発 赤 と肝 組 織 像 と の 関 係 を み る と,中 心 静 脈 偏 位,中 壁 肥 厚,グ 口径,静. 心 静 脈 拡 大,中. 心静脈. リソ ン氏 鞘(以 下 グ 鞘 と略 記 す)内 門 脈. 潤,肝 細胞壊 死,肝 細胞 変性,グ 鞘 内線維増殖等は. 脈 洞 拡 張 の 各 項 目 と,肝 表 面 発 赤 の 有 無 と. 肝表面 発赤の認 め られ る群 に多い傾 向があ り推計学. の 間 に は有 意 の 関 係 は み られ な い が,グ 鞘 内 細 胞 浸. 的に有 意で あつた..
(5) 肝 炎及び肝硬変 の病態生理 に関す る腹腔 鏡学的研究. 443. 2) 肝被膜 白色雛襞 形成 と肝組織 像. 痕 形 成 と脾 腫 大 度 と は 負 の 相 関が あ り,推 計学 的 に. Table 3の 如 く,肝 被膜 白色 皺 襞 形 成 と 肝 組 織 像. 有 意 で あ る.. とは,グ 鞘 内線 維増 殖 との み 推 計 学 的 に 有 意 の 相 関. 4. 肝 表 面 像 と脾 内圧. を認 め た が(γ=0.118,. Table 5の 如 く,慢 性 肝 炎 で 腹 腔 鏡 検 査 時 脾 内圧. α<0.05),他. の 諸項 目と. は いづ れ も有 意 の 相 関 は な い.. を 測 定 し得 た15例 に つ い て,肝 表 面 像 と脾 内 圧 と の. 3) 肝 腫 大 と肝 組織 像. 関 係 を み ると,肝 表 面 発 赤 の有 無 と脾 内 圧,肝 被 膜. Table 3如. 白色 雛 襞 形 成 と脾 内 圧,小 瘢 痕 形 成 と脾 内圧 と は い. く,肝 腫 大 は 中心 静 脈 偏 位,中 心 静 脈. 壁 肥 厚,グ 鞘 内門 脈 口径,静 脈 洞 拡 張,肝 細 胞 変 性. づ れ も あ ま り相 関 関 係 は な い が,肝 腫 大 お よ び,肝. とは 有 意 の 相 関 を 認 め な い が,中 心 静 脈 拡 大,グ 鞘. 表 面 細 血 管 増 加 ・怒 脹 は そ れ ぞ れ の 所見 が 強 い程 脾. 内細 胞 浸 潤,グ 鞘 内線 維 増 殖,肝 細 胞 壊 死 と の 間 に. 内圧 は高 い傾 向 に あ る.肝 硬 度 増 加 と脾 内圧 と の 間. は有 意 の相 関 が 認 め られ た.. に は一 定 の 関 係 はな い.肝 縁 と 脾 内 圧 と の間 で は,. 4) 肝 表 面 細 血 管 の増 加 ・怒 脹 と肝 組 織 像. 脾 内圧 の 高 い も の に や や肝 縁 が 鈍 な も の が多 い 傾 向. Table 3の 如 く,中 心 静 脈拡 大,グ 鞘 内細 胞 浸 潤,. に あ る. 5. 脾腫,脾. 肝細 胞 壊 死,肝 細 胞 変 性 と肝 表 面 か ら認 め られ る細. 内圧 と 閉 塞 性 肝 静 脈 圧,有. 効肝 血流. 量 との 関 係. 血管 増 加 ・怒 脹 と の 間 に は 推 計 学 的 有 意 の 相 関 は 認 め な い が,中 心 静 脈 偏 位,中 心 静 脈 壁 肥 厚,静 脈 洞. 1) 脾 腫 と脾 内圧. 拡張,グ 鞘 内 線維 増 殖 とは そ れ ぞ れ有 意 の 相 関 が 認. Table 6の 如 く,脾 腫 大 が 軽 度 め症 例 群 と中 等 度. め られ,特 に グ 鞘 内 線 維 増 殖 と高 い相 関 が 認 め られ. 以 上 の 症 例 群 とに 分 け,両. る(γ=0.52,. み る と,脾 腫 大 が軽 度 の群 の 脾 内圧 は170mmH2O. α<0.01).グ. 鞘 内 門 脈 口径 と は 負 の. 相 関 が 認 め られ る(γ=‑0.122,. α<0.05).. と230mmH2Oの. 5) 小 瘢 痕 形 成 と肝 組 織 像. 群 の脾 内圧 を 比 較 して. 間 に分 布 し,平 均203.3mmH2O. で あ るの に比 較 し,脾 腫 大 が 中等 度 以上 の 群 で は. Table 3の 如 く,肝 表 面 か ら認 め られ る小 瘢 痕 形 成 は,中 心 静 脈拡 大,中 心 静 脈 壁肥 厚,グ. 174mmH2Oか. 鞘 内門脈. ら390mmH2Oの. 255.2mmH2Oで. 間 に 分 布 し,平. 均. あ つ た.. 口径,静 脈 洞 拡 張 と推 計 学 的 に 有 意 の 相 関 を 認 め. 2) 脾 腫 と閉 塞 性 肝 静 脈 圧(WHVP). る.. 慢 性 肝 炎63例 に つ い て 脾 腫 大 度 と閉 塞 性 肝 静 脈 圧. 3. 肝 表 面 像 と脾 腫. (以下WHVPと. Table 4の 如 く,肝 被 膜 の 白色 皺 襞 形 成 と脾 腫 大. 略記 す る)と の 関 係 を検 討 す る と. Table 6の 如 く,一 定 の傾 向 は な く,脾 腫 大 を 認 め. 度 との 間 に は 有 意 の 相 関性 は み られ な い.肝 表 面 発. な い 症 例 に於 い てWHVPの. 赤 の 有 無 と脾 腫 と の関 係 を み る と,発 赤 を認 め る群. れ た.な おWHVPが200mmH2Oを. には 脾 腫 特 に著 明 な脾 腫 は少 な く,発 赤 を み な い 群. で はTable. に脾 腫 が 多 い 傾 向 を認 め,そ の 関係 は推 計 学 的 に有. 痕 形 成 を認 め,. 意 で あ る.肝 腫 大,肝 表 面 細 血 管 増 加 ・怒 脹 と脾 腫. あつ た.. 肝表面発赤. X2s=7.995 α<0.05. 肝 被膜 白色雛襞形 成. 脾. 腫. 大. 度. 肝. 腫. 大. γ=0.122, 0.01<α<0.05. 越 え る6例 に於 い て 肝 表面 に小 瘢. 5例 に於 い て肝 内 短 絡 血 流 が 陽性 で. 3) 脾腫 と有効肝血流 量. 大 との 間 に は推 計 学 的 に 有 意 の相 関 を 認 め る.小 瘢 Table 4. 6'の 如 く,4例. 高 い症 例 が か な りみ ら. と. 肝. 表. 面. 像. 肝 表面細血管 増加 ・怒脹. γ=0.18,. α<001. 小瘢痕形成. γ=0.155, 0.01<α<0..05.
(6) 444. 樋 Table 5. 口. 祥. 光. 脾 内 圧 と肝 表 面 像. Table. Table 7. Table. 6. 脾 腫 と 脾 内 圧,. WHVP,. 6'. 脾 内 圧 と閉 塞 性 肝 靜脈 圧,有 効 肝 血 流 量. EHBF. mmH20を. 越 え,脾. 内圧 とWHVPと. は ほ ぼ平 行 関. 係 に あ つ た. 5) 脾 内圧 と 有 効 肝 血 流 量(EHBF) Table 7 の 如 く,脾 内圧 と 有 効 肝 血 流 量(以 EHBFと. 略記 す る)と の間 に は一 定 の 関 係 は な い.. 6. 経 過 年 月 と 脾腫,脾 WHVP. EHBF. 下. 内圧,閉. 塞 性 肝 静 脈 圧,. 有効肝血 流量 1) 経 過 年 月 と脾 腫 Table 8の 如 く,急 性 肝 炎 で は 発 病 か ら1ヵ 月 以 内 に於 い て6例. 中5例 に 脾 腫 大 を 認 め, 1ヵ 月 以 上. 2ヵ 月 以 内 で は6例 中3例 に 脾 腫 を 認 め るが,発 病 よ り2ヵ 月 以 上 経 過 した 急 性 肝 炎 例 で は15例 中5例 に陽 性 で あ つ た.慢 性 肝 炎 で は246例 中125例 に陽 性 で あ つ た.ま た 慢 性 肝 炎 で はTable. 8の 如 く,発. 病 よ り4年 以 上 経 過 した症 例 で は 脾 腫 陽性 率 が や や Table. 6. の 如 く,一. 定 の 傾 向 を 認 め な い.. 4) 脾 内 圧 と閉 塞 性 肝 静 脈 圧(WHVP) Table 7 の 如 く, WHVPが. 正 常 で も脾 内圧 が200. mmH20を. 越 え る 症 例 が あ る が, WHVPが150. mmH20を. 越 え る症 例5例. で は す.べ て 脾 内 圧 が22. 増 加 し,経 過 年 月 と の 相 関 を246例 に つ いて み ると, γ=0.196, 2). α<0.01で. 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.. 経 過 年月 と脾 内圧. Table >α>0.01で. 8の. 如 く正 の 相 関 を 認 め,γ=0.45, 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.. 0.05.
(7) 肝 炎及 び肝硬変 の病 態生理 に関す る腹 腔鏡学的研究. 445.
(8) 樋. 446. 3). 口. 経 過 年 月 と閉 塞 性 肝 静 脈 圧. Table. 8の. 祥. 光. で 死 亡 した肝 炎 後 線 維 化 症 肝1例. 如 く,γ=0.309,α<0.01で. 推計学的. つ い て,肝. 計22例 の 屍 体 肝 に. 表 面 よ り透 見 さ れ る細 血管 を 歯 科 用 グ ッ. に有意 の相関が認 め られた.即 ち経過年月 が長い程. タペ ル カの ク ロ ロ ホ ル ム溶 液 を血 管 内 に 注 入 す る方. WHVPが. 法10)を 併 用 して観 察 し た.長 さ3〜4mm以. 上 昇 す る症 例 が増 加 す る傾 向 に あ る.. 4) 経 過 年 月 と有 効 肝血 流 量. き さを 有 し,腹 腔 鏡 検 査 時 に充 分 観 察 可 能 と思 わ れ. Table 8の 如 く,全 例 に つ い て 相 関 を み る と 有 意 の 相 関 は な い が,経 過 年 月5年 EHBFが1000cc/min/m2以 %)で. 以 内 の38例 中で は. 上 の も の は8例(22. あ るの に 比 較 し, 5年 以 上 経 過 した 症 例9例. 中EHBFが1000cc/min/m2を. 上 の大. 越えて い る ものは. 1例 に過 ぎ な か つ た.. る樹 枝 状 小 血 管 が 数 条 以 上 認 め 得 た もの が22例 中12 例(54.5%)で,こ %),門. の 内 訳 は,門 脈 枝 は12例(100. 脈 枝 と同 時 に肝 静 脈 枝 も 認 め ら れ た もの は. 3例(25%)で. あつ た.即. 長 さ3〜4mm以. ち肝 表 面 か ら透 見 出来 る. 上 の小 血 管 は 大 部 分 が 門 脈 枝 で あ. つ て,腹 腔 鏡 検 査 時 肝 表面 に 認 め る小 血 管 も(Fig.. 7. 剖 検 例 で の グ ッタ ペ ル カ 血 管 内 注 入 に よ る 肝 表 面 細 血 管 の観 察. 1)一. 部 の も の は肝 静脈 枝 で あ るが 大 部 分 の もの は. 門 脈 の 分 枝,即. Table 9に 示 した如 く,岡 山大学医学 部法医学教. V.. ちSupralobulare. portae (Kollikers. Verzweigung. Kapselvenen)で. der. あ る.肝 表. 室 の御好 意 によ り観察 の機会を得 た正常肝20例,軽. 面 か ら透 見 出来 る小 血 管 の グ ッ タペ ル カ注 入 所 見 は,. 度 の線維化症肝1例,血. 肝 線 維 化 症 例 の2例 で はFig. Table 9. 清肝炎罹患後子宮 癌の転移. 肝 表 面 よ り透 見 され る細 血 管. (剖 検 肝 血管 内 グ ッ タ ペ ル カ注 入 に よ る). 2の. 如 く,分 枝 が や. や 不 規 則 で あ り,細 枝 の 狭 窄,消 失 が あ る が,正 常 肝 に 於 いて は小 血 管 の 分 枝 は 規 則 正 し く分 布 し,細 枝 に 至 る ま で狭 窄 を 認 め ない(Fig. 3).門 脈 枝 と肝. 静 脈 枝 と の 肉 眼 的 区 別 は 長 さ4〜5mm以. 上 の大 き. さの も ので は,門 脈 枝 は グ鞘 に 囲 ま れ て い て,肝 動 脈,胆 管 を 伴 うた め 色 調 が 異 り区 別 可能 で あ る.ま た 肝 表 面 に透 見 され る網 状 に走 行 す る小 血 管 は,グ ッ タペ ル カ 溶 液 が 肝 動 脈 か らの み入 つ て来 る ことか ら動 脈 性 の も の で あ る こ とが 分 明 した(Fig Ⅳ. 4).. 総括 並びに考按. 肝 疾 患 時 の 肝 表 面 像 の変 化 の腹 腔 鏡 学 的検 討 に関 して はH.. Kalk1),. H.. Lent. & H.. 田等2)3)4)6)の 業 績 が あ り, H. Kalk, 慢 性 肝 炎 時 に は肝 被 膜 の肥 厚,雛 増 加,怒. Jansen11),島 H,. Lent等. も. 襞 形 成,細 血 管 の. 脹 な どが 認 め られ る と記 載 して い るが,こ. れ らの 所見 の発 病 よ りの 経過 に よ る変 化 につ い て詳 細 に 検 討 され て い な い.慢 性 肝 炎 を 対 象 と して 主要 な肝 表 面 所 見 相 互 の 関 係,肝 表 面 像 並 び に肝 循 環 動 悲 との 関 係 を 検 討 した 文 献 も 小 坂,島. 田2)3)等 の 報. 告 の 他 は 殆 ん ど み られ な い.著 者 は本 編 に於 いて, 急性 肝 炎27例 と慢 性 肝 炎246例. を検 査対 象 と して,. 腹 腔 鏡 学 的肝 表 面 像 と脾 腫 の発 病 か らの 経過 年 月 と の 関 係,肝 表 面 像 と肝 組 織 像 との 関 係,肝 表面 像 と 脾 腫 と の 関 係 を 更 に詳 細 に検 討 す る と共 に,脾 腫, 脾 内圧,閉. 塞 性 肝 静 脈 圧,肝. 血 流 量 等 の 相 互 関係 を. も検 討 し,肝 炎 罹 患 後 の一 部 の 症 例 に於 い て 認 め ら れ る門 脈 圧 亢 進 症 と の 関 連 に 於 い て これ らの成績 の 有 す る意 義 につ いて 考 察 を加 え た..
(9) 肝炎 及び肝硬変 の病態生理に関す る腹腔鏡学 的研究. 447. 肝表 面 像 と発 病 よ りの経 過 年 月 お よ び 肝 組 織 像 と の. 形成を認 める ものは4例 に過 ぎず,中 等 度以上 の小. 関係 に つ いて 検 討 した成 績 を 総 括 す る と,肝 表 面 の. 瘢痕形成 を認 め るもの は1例 もない.こ れに反 し慢. 発 赤 はKalk12) 13)も 云 う 如 く,急 性 肝 炎 初 期 に高 率 に 認 め られ るが,発 病 か ら1ヵ 月 以 上 経 つ と急 速. 性肝炎で は244例中87例(35.7%),中 等 度以上 のも のは11.9%に 達 した.ま た組織像 との関係では,中. に減 少 し,慢 性 肝 炎 で は246例 中77例(31.3%)に. 心 静脈偏位 とグ鞘 内線維増殖 の如 き,半 ば非可逆的. 減 少 す る.組 織 像 と の 関 係 で は グ 鞘 内 細 胞 浸 潤,グ. 病 変 と有意 の相 関を認め ると同時 に,グ 鞘内細胞浸. 鞘 内線 維 増 殖,肝 細 胞 変 性 ・壊 死 の如 き活 動 性 病 変. 潤,肝 細胞壊死,肝 細 胞変性 の如 き,活 動性病変 と. と有 意 の相 関 が 認 め られ る.こ の こ と は,腹 腔 鏡 学. も有意の相関が あ ることは,肝 炎 の経過 の遷延化,. 的 に肝 表 面 の 発 赤 を認 め る場 合 に は活 動 性病 変 が 存. 更 には肝炎か ら肝硬 変への進展 の問題 を論ず る上で. 在 す る こ と,ま た慢 性 肝 炎 で は 再 発 乃 至再 燃 を 暗 示. 注 目に値いす る事項 であ ると考え る.次 に肝縁 の鈍. す る所見 で あ ると考 え られ る.肝 腫 大 も発病 初 期 に. 化は肝腫 大 とほぼ同一 の発生機序 を有 す ると考え ら. 高 率 に 証 明 され,組 織 像 と の関 係 で は 中 心静 脈 拡 大,. れ るが,こ の両者 の経過 年月 との関係を比較 してみ. グ鞘 内細 胞 浸 潤,グ. 鞘 内 線 維 増 殖,肝 細 胞 壊 死 の 諸. ると,急 性肝炎 の時期 には肝縁鈍 化 は肝腫 大 と極め. 項 目と有 意 の 相 関 が あ り,活 動 性 の諸 病 変 と関 係 の. て類似 した態度 をと るが,慢 性肝 炎の時期にな ると. 深 い所 見 で あ る.肝 被膜 の 白色 雛 襞形 成 は 経 過 年 月. 肝縁の鈍化例 は比較 的減少 し,肝 縁 の鋭 利化す るも. との 関 係 で は,発 病 初 期 に やや 少 な く,そ の 後 次 第. のが比較的増加 する傾 向を有す る.肝 腫 大は急性肝. に増 加 し再 び 減 少 す る傾 向を 認 め,組 織 像 との 関 係. 炎発病初期 に高率 に認め,そ の後一旦減 少傾向を認. では,グ 鞘 内 線維 増 殖 との み 有 意 の相 関 を 認 め るが,. め慢性肝炎 に於 いては再び増加 し,以 後経過が遷延. 細 胞浸 潤 と か,肝 細 胞 壊 死 な ど の 如 き活 動 性 病 変 と. して も肝腫大 の陽性率 は殆ん ど不変 であ る点が肝縁. 関係 が な い所 か ら,腹 腔 鏡 学 的 に は活 動 性病 変 が 治. の所見の推移 と異 る.こ の理 由は肝 縁は実質細胞 の. 癒 した こと を示 す もの と考 え られ る.腹 腔 鏡 検 査 時. 脱 落 と線維化が起 り易 く,一 旦瘢痕 化 し鋭利 となつ. に肝 表 面 か ら透見 され る細 血 管 は,樹 枝 状 の も の は. た肝縁(Fig.. 主 と して 門 脈 枝(Supralobulare. der. と思惟 す る. Kalk13)も 慢性肝炎 で肝縁は早期 に鈍. V.. Verzweigung. portae, Kollikers Kapselvenen)で,網. 5)は もはや鈍化 し得 ないためで ある. の 目状. 化が消褪 し,鋭 利化す る傾 向を有 す るが,肝 腫大 は. に走 る もの は 肝 動 脈 枝 で あ る こ とを 剖 検 例 で の グ ッ. 遅 くまで残 るといつて い る.肝 硬度 は,肝 の線維 化. タペ ル カ注 入 法 で 確 認 し(Fig. の程度,肝 被膜 の肥厚 の程 度,肝 液状成分 の多 寡,. 1, 2, 3, 4),肝. 表面の. 細血 管 増 加 ・怒 脹 の持 つ意 義 に つ い て も島 田2)3)等. 肝 内圧 の大小 によ り影響 され ると考え られ,肝 腫 大. とす で に報 告 し, Kalk13)も 肝 表 面 の 星 芒 状 細血 管. 度,肝 縁 の性状 などと共 に臨床的 に肝 の状態 を知 る. の怒 脹 を 門 脈 圧 亢 進 兆候 の1つ. 重要 な理学的所見 の1つ であ るが,腹 腔鏡検 査の際 の判定 規準が客観性 に乏 しい きらいが あ る.教 室で. と して 挙 げ て い る.. 経過 年 月 との 関 係 で は,急 性 肝 炎 の 発 病 よ り2ヵ 月 以 内で も12例 中4例 に細 血 管怒 脹 を 認 め,急 性 肝 炎 全例27例 で は11例 に 認 め,中 等 度 以 上 の も の に つ い. は島田等6)の 消 息子 によ る診断法 および,肝 生検時 の抵抗 感 によ り判定 してい る.肝 硬度 は急性肝炎,. て み る と そ の頻 度 は遙 に 少 な い慢 性 肝 炎 で は246例. 慢性肝 炎,更 に肝硬変 と病 期が進む につれて増加す. 中153例(62.2%)に. ることは成書 にもあ る通 りで あるが,著 者の腹腔鏡. 細 血 管 増 加 ・怒 脹 を 認 め,中. 等度 以 上 の も の に つ い て も246例 中50例(20.3%). 検 査時の成績 も,急 性肝炎で は硬 度増 加例が少 な く,. で,特 に5年 以 上 も経 過 が 遷 延 して い る症 例 で は 中. 慢性肝炎 にな ると増加す るとい う結果 を得た.肝 表. 等度 以 上 の ものが 一 層 増加 して い る.組 織 像 との 関. 面 像 と脾腫 との関係で は,肝 表面 細血管増加 ・怒脹. 係 で は,グ 鞘 内線 維 増 殖,中. 心 静 脈 偏 位,中. 心静脈. と脾腫 とは密 接な関係が あ り,細 血管増加 ・怒脹 は. 壁肥 厚,グ 鞘 内 門脈 の狭 小 化 と有 意 の相 関 を 有 し,. 前述の如 く,グ 鞘瘢痕化 と相 関があ り,脾 腫 もまた. 脾腫 大 と も有 意 の相 関 を 有 す る.ま た 脾腫 が 経 過 年. グ鞘瘢痕 化と相関が あ り,肝 表面 細血管増加 ・怒脹,. 月 と共 に増 加 す る傾 向 を 有 し,細 血 管 増 加 ・怒 脹 と. 脾腫,グ 鞘瘢 痕化の3者 は島田等3)と さきに報告 し. よ く似 た傾 向 を有 す る こ とは さ き に 島 田等 と報 告 し. た通 り, 1つ の環を つ くつて相関性 を示 してい る.. た と こ ろで あ る.比 較 的 古 い 病 変 と考 え られ る肝 表. ま た小 瘢痕 形成の著 しい教室分類 のⅣ型 は脾腫 を. 面 の小 瘢 痕 形 成 は急 性 肝 炎 に 於 いて 認 め られ る こ と. 伴 うことが比較的少 な く,肝 内短絡血流 が陽性の こ. が少 な い の は 当然 で あ るが,急 性 肝 炎27例 中小 瘢 痕. とが 多い ことも報告 したが2)3),脾 腫大度 と 小瘢痕.
(10) 樋. 448. 口. 祥. 光. 形 成 の程 度 とは負 の 相 関 を有 した.組 織 像 と の 関係. 等)も. か ら は こ の事 実 を 説 明 出来 る もの は見 出 し得 な い が,. 炎 の肝 内 短 絡 血 流 が 存 在 す る症 例 で 閉 塞 性 肝 静脈 圧. あ るが,異 説 もあ り小 坂,島. 田等2)は 慢性 肝. 肝 循 環 動 態 面 で は 肝 内短 絡 血 流 が 陽 性2)3)で あ る こ. が 比 較 的 高 い 値 を 示 して い るに もか か わ らず 脾腫 大. と と 関係 が あ る よ うで あ る.手 術 時 に得 られ た小 瘢. が 認 め られ な い場 合 が あ る こ とを 報 告 し,ま た逆 に. 痕 部 の連 続 切 片 再 構 築 法 に よ る肝 内異 常 血 行 路 の 証. 脾 腫 大,門 脈 圧(脾. 明 か ら3)あ る程 度 裏 書 き 出来 る よ うで あ る.肝 表 面. わ らず,閉 塞 性 肝 静 脈 圧 は 殆 ん ど上 昇 しない 場 合 も. の発 赤 は 急 性 肝 炎 に高 率 で,組 織 像 と の 関 係 で は活. P. Valdni25),小. 動 性 の 病 変 と相 関 が あ つ た が,脾 腫 と の 関 係 で は,. 等 に よ り認 め られ て い る.ま た 腹 腔 鏡 学 的 に肝 表面. 内圧)亢. 坂,島. 進 が 存 在 す る に もかか. 田等2)3),今 永26)‑31),鈴 木32). 発 赤 を 認 め る群 に は脾 腫 特 に著 明 な脾 腫 が 少 な い.. に小 瘢 痕 形 成 が著 明 な 症 例 で は 脾 腫 の陽 性 率 が 低 く,. 従 つ て 脾 腫 の発 生 は肝 の 活 動 性 病 変 の み で は説 明 さ. 屡 々閉 塞 性 肝 静 脈 圧 が 上 昇 して い る ものが あ る こと. れ な い.次. は さ き に ふ れ た が, Table 6'の 如 く,閉 塞 性 肝 静脈. に脾 内 圧 と肝 表 面 像 と の 関 係 で は,肝 腫. 大,肝 表 面 細 血 管 増 加 ・怒 脹,肝 昇 と関 係 が あ る. M. M. D. Turner,. 硬 度 が 脾 内圧 の上. Atokineon and S. Sherlock7),. S. Sherlock, R. E.. Steiner等14)は. 圧 が200mmH2Oを. 越 え る著 明 上 昇 例6例. は教 室 の Ⅳ型(小. 瘢 痕 形 成 型)で,. 中 の4例. 6例 中5例 に ガ. ラ ク トー ス ク ア ラン ス法 に よ り肝 内 短 絡 血流 が 証 明. 経 皮 的 に測 定 した 皮 内圧 と,開 腔 時 測 定 し た門 脈 圧. され て い る.有 効肝 血 流 量 も肝 内 門脈 枝 の狭 小 化,. と は よ く一 致 す る と報 告 して お り,著 者 の症 例 で は. 肝 内 短 絡 血 流 路 の 発 生 そ の 他 の諸 因 子 に 影響 さ れ る. 直 接 門脈 圧 の 測 定 を行 な つ て い な い が,脾. 内圧 の 高. と考 え られ るが,脾 腫 大 度 とは 一 定 の 関 係 を 認 めな. い症 例 に は 肝 表 面 細 血 管 増加 ・怒 脹 例 が 多 い と い う. か つ た.次. 事 実 は, Kalkの. 内圧 と閉 塞 性 肝 静 脈 圧 とは 門 脈 圧 亢 進 症,そ の 他 の. い う門 脈 圧 亢 進 時 に 肝 表 面 に 透 見. さ れ る門 脈 枝 の 怒 脹 が 認 め られ る とい う事 実 と全 く 一 致 す る もの と 考 え る .ま たR.. M.. Walker15)は. に脾 内圧 と 肝 循 環 動 態 との 関 係,就 中脾. 肝 循 環 異 常 め検 討 に は 極 め て 重 要 な検 査 手 段 で あ る. この 両 者 の 関 係 に つ い て は論 議 の多 い所 で あつ て,. 門 脈 圧 と肝 の 肉 眼 的所 見 との 関 係 につ き,肝 硬 度 の. M.. 増 加 した も の に 門脈 圧 も高 い 傾 向が あ る とい つ て い. 開 腹 時 測 定 した 門 脈 圧 と よ く一 致 し,同 時 に閉 塞性. るが,著 者 の成 績 も ほ ぼ同 様 の 傾 向 を認 め る(Table. 肝 静 脈 圧 と もよ く平 行 す ると い つて い るが,今 永31),. 5).脾. 山本 等33)は 脾 内圧 と 閉塞 性 肝 静 脈 圧 と は 平 行 しな. 腫 大 度 と脾 内圧 との 関 係 で は,脾 腫 大 の著. Atokinson. &. S.. Sherlock7)は 脾 内 圧 は 実 際 に. 明 な 群 に脾 内圧 も高 い もの が 多 い傾 向 を 認 め た が,. い と い う.肝 外 性 閉 塞 が あ る場 合 には 脾腫 大,脾. 中 に は脾 腫 大 が 中 等 度 以 上 で も脾 内 圧 は それ 程 高 く. 圧 の上 昇,食 道 静 脈 瘤 等 が 認 め られ,門 脈 圧 亢進 症. な い 症 例 もあ る.従 来 脾 腫 大 と 門 脈 圧 との 関 係 に つ. が存 在 して も閉 塞 性 肝 静 脈 圧 は 上 昇 し な い こ と は. い て は種 々の 報 告 が あ り, W. P.. Atokinson7)も. Moschcowitz17)等. Thompson16),. E.. 内. い つ て い る如 く,当 然 で あ るが,慢. は脾 腫 大 は 門 脈 圧 とよ く平 行 す る. 性 肝 炎 に於 いて も教 室 のⅢ 型 で 組 織 学 的分 類 の ⅡB. とい つ て い る.木 本 等18)は 脾 腫 大 よ りむ し ろ 脾 の. 型 を と る も ので は,脾 内 圧 が 高 い に もか か わ らず閉. 線 維 化 と の 間 に 略 々平 行 関係 が あ る とい う.一 方 門. 塞 性 肝 静 脈 圧 は 正常 に と ど ま る も の が屡 々存 在 す る. 脈 圧 亢 進 症 で 門 脈 ・下 大 静 脈 吻 合 術 を行 な う と門 脈. (Table 7).こ. の よ うな 症 例 で はPresinusoidalの. 圧 の正 常 化 と共 に脾 腫 が縮 少 す る こ と,門 脈 圧 亢 進. 門 脈 血 流 阻 碍 が あ る も の と思 惟 され る.ま た肝 内短. が 存 在 す ると思 わ れ る門 脈 域 血管 の 怒 脹,肝 表 面 細. 絡 血 流 路 形 成(Ⅳ 型 の 場 合 に屡 々陽 性)と か,肝 外. 血 管 の怒 脹 等 の 所 見 を 認 め る症 例 に脾 腫 が 多 い こ と. 副 血 行 路 の 発 達 等 の相 互 関係 に よ り閉 塞 性 肝 静脈 圧,. か ら して も脾 腫 と門 脈 圧 上 昇 とは か な り密 接 な 関 係. お よ び脾 内 圧 は 影 響 さ れ る と考 え られ る.著 者 の10. を 有 す る こ とは 否 定 出 来 な い.脾 腫 大 と 閉 塞 性 肝 静. 例 に つ い て の 成 績 で はTable. 7の. 如 く,ほ. ぼ平行. 脈 圧 との 関 係 で は著 者 は一 定 の 関 係 を認 め な か つ た.. 関係 が あ るが,中. 脾 腫 大 は 門 脈 圧 亢 進 と或 る程 度相 関 が あ る に し て. 脈 圧 が 正 常 の もの も あ る.脾 内圧 と肝 血 流 量 との 関. も,門 脈 圧 亢 進 以外 の 因 子 も加 味 して お り19)20)21),. 係 で は一 定 の 関 係 を 認 あな か つ た.. ま た 閉塞 性 肝 静 脈 圧 に つ い て も,門 行 関 係 が あ る と す る も の(E. S. Woiner22), J. D. Durham23).. Myers,. W.. 脈 圧 と 略 々平. Friedman. W. J. Taylor. A. Paton, T. B. Reynolds. Ⅴ & R. & N. C.. & S. Sherlock24). に は 脾 内圧 が 高 い の に閉 塞 性 肝静. Kalkの. 結. 論. 大 赤 色 肝 に 相 当す る 急 性 肝 炎27例 と,大. 白色 肝 に 相 当 す る慢 性 肝 炎246例 と を検 索 対 象 とし,.
(11) 肝炎及 び肝 硬変の病態生理 に関す る腹腔鏡学 的研究 腹腔鏡学 的検 査,組 織学的検査,お よび脾 内圧,肝 循環動態を も併せ 検討 し,次 の結果を得 た. 1. 屏表 面像の うち肝表面血管 の 増加 と怒 脹,小. 絡 血 流 陽 性 は6例. 449. 中5例 に 認 め られ た.. 5. 腹腔 鏡 検 牽 時 に 肝 表 面 か ら透 見 さ れ る 小 血 管 は,樹 枝 状 の もの と,網 状 の もの と あ り,前 者 は主. 疲痕形成は経過の遷延 した症 例 に多 くみ られ,組 織. と し て 門 脈 枝(Supralobulare. 学的には非可逆的病変 を有 し,肝 循環 動態 に果常を. portae;)で,一. うとめ るもの が多い.肝 表面発 赤は活動性病変 と密 接な関係を有す る. 2. 脾腫 大 は,肝 表面細 血管増加 ・怒 脹 と 推計学. で あ る こ とを グ ッ タペ ル カ溶 液 の 血 管 内 注 入 法 に よ. 的に有意の正の相関を示 し,小 瘢痕形成 は負 の相関 を示 す. 3. 閉塞 性 肝 静 脈 圧 と脾 内圧 は ほ ぼ 平 行 関 係 に あ るが,時 に 脾 内 圧 が 高 い に .もか か わ らず,閉 塞 性 肝. Verzweigung. り確 認 した. 謝 辞:稿. を終 る に 当 り,御 指 導 と御 校 閲 を 賜 つ た. 恩 師 小 坂 淳 夫 教 授 に 深 甚 の 謝 意 な 表 す る.ま た 直 接 御 指 導 を 仰 いだ 島 田 宜浩 講 師.網 岡 忠博 士 に 深 く感 謝 す る. 本 論 文 の 要 旨 は 次 の 各 学 会 で 発 表 した.. 静 脈 圧 の上 昇 を み な い症 例 が あ る.こ の よ うな 症 例 は腹 腔 鏡学 的 に は 慢 性 肝 炎 Ⅲ 型 に属 し,組 織 学 的 に. 日本 消 化 機 病 学 会 中 国 四 国 第3回 地 方会. は ⅡB型 を 示 す こ とが 多 く,肝 内 門 脈 細 枝 の 狭 窄. 日本 消 化 機 病 学 会 中 国 四 国 第4回 地 方 会. をみ る例 で あ つ た.. 第3回. 4. 閉塞 性肝 静 脈 圧 が200mmH20を. 越 え る症例. 1) H. Kalk:. 考. 第5回. 文. Die chronische Verlaufaformen der. Hepatitis epidemics in Beziehung zu ihren an atomischen Grundlagen,. 小 坂 淳 夫,島. Dtsch. Med. Wschr.,. 3). 143,. 田 宜 浩,国. 富 昭 夫,樋. 口 祥 光:慢. 富 昭 夫,樋. す る 研 究,特 会 誌, 4). 50:. 口 祥 光:慢. 島 田 宜 浩,樋. 口 祥 光:腹. 樋 口祥 光:肝. 性肝 炎に関. 59:. 397,. 一 編 肝 硬 変 に 於 け る肝 表 面. 構 造 と 内 部 組 織 と の 関 連 性 に つ い て,日. 6). 855,. 消 会 誌,. 1962.. 島 田 宜 浩,網. 腔 鏡 検 査 と目 標生 検 に. よ る 流 行 性 肝 炎 の 研 究,最. 1959.. 床 消 化 器 病 学,. 8. 42:. し い注 入剤 334,. 「グ ッ タ ペ ル カ 」,日. 1953.. 11) H. Lent and H. Jansen: Die Beobachtung der Leberoberflache mit dem Photolaparoskop and ihre Bedeutung fur die klinische Praxis, Dtsch. Med. Wschr., 83: 24, 1958. 12) H. Kalk und W. Bruhl: Leitfaden der Stuttgart, 1951. 13) H. Kalk and E. Wildhirt: Lehrbuch and Atlas der Laparoskopie and Leberpunktion, Georg. 新 医 学,. 15:. 197,. 14) M. D. Turner. S. Sherlock, R. E. Steiner: splenic venography and Intrasplenic pressure measurement in the clinical Investigation of. M. Atokineon as indcx. 741,. Thieme. Stuttgart, 1962.. 岡 忠:腹. 1960. 7). 29:. 硬 変 症 の 肝 内循 環 病 態 特 に 肝 内短. Laparoskopie und Gastroskopie,Georg Thieme,. 1962.. 炎 及 び肝 硬 変 の 病 態 生 理 に 関 す る. 腹 腔 鏡 学 的 研 究,第. 59:. 内. 腔 鏡 検 査 法 に 於 け る腹 消 会 誌,. 今 川 与 曹:新 病 会 誌,. 1961.. 腔 内 臓 器 の 計 測 法,日 5). 臓.. に 肝 循 環 動 態 を 中 心 と し て,日 552,. 学 の あ ゆ み,. 中 村 隆 等:肝. 絡 血 流 量 の 意 義 に つ い て,臨. 10). 1960.. 島 田 宜 浩,国. 献. : 147, 1960.. 性 肝 炎 時 の 門 脈 高 血 圧 症 に 関 す る 知 見,肝 2:. 日本 内 視 鏡 学 会 総 会. 測 定,医 9). 72: 306, 1947. 2). 日本 胃 カ メ ラ学 会 総 会. 目本 内 視 鏡 学 会 中国 四 国支 部 会 第5回 例 会. は6例 中4例 に 於 い て 慢 性 肝 炎IV型 に属 し,肝 内短. 参. der V.. 部 は 肝 静 脈 根 で あ り,後 者 は 動 脈 枝. & S. Sherlock,. of portal. venous. Intrasplenic pressure,. pressure. Lancet,. 1. : 1325, 1954. 8) 中 村 隆 等:肝. the portal venous System, Amer. J. Med., 23 :846, 1957. 15) R. M. Walker: The pathology and treatment. 硬 変 症 に お け る肝 内 短 絡 血 流 量 の. of portal hypertension, Lancet, 12: 6711, 1952..
(12) 樋. 450. 口. 祥. 16) W. P. Thompson, J. L: Caugly, A. 0. Whipple. Clin. Invest., 30: 662, 1651.. & L. M. Rousselet: Splenic vein pressure in. 24) A. Paton, T. B. Reynolds & S. Sherlock;. congestive splenomegaly (Banti's syndrom), J. Clin. Invest., 16: 571, 1937. 17) E. Moschcowitz: The pathology of splenomegaly. Assessment of portal venous hypertension by catheterization of hepatic vein, Lancet 1: 918 1953. 25) P. Valdni: Surgical treatmet of portal hyper. in hypertension of the portal circulation, "congestive splenomegaly" , Medicine, 28: 187, 1948. 18). 木 本 誠 二,杉 治 療,目. 19). J.. 鈴 木 恵 彦:門 誌,. 21). 57:. J. McMichael: fibrosis,. 20). 江 三 郎:門. 外 会 誌,. 57:. The Path.. 脈 圧 充 進 症,診 1097,. Bact.,. 39.. of 481,. 987,. 一:肝. 27). hepatolienal 1934.. 今永. 一:Banti症. 消 化 器, 外会. 28). 1956. 29). 本 臨 床,. 15:. 22) E. W. Friedman & R. S. Weiner: Estimation. 30). 1957.. 今永. of hepatic sinusoid pressure by means of venous. 8:. 候 群 に お け る 肝 循 環,臨. 565,. 床. 1960.. 脈 循 環 障 碍,目. 一:肝. 内 循 環 よ り み た る.門脈 圧 亢 進 症 の.. 今永. 31). hepatic vein catheterization, Amer. J. Physiol.,. 本 臨 床,. 18: 505,. 32). Taylor & N. C. Durham: 33). occlusive catheterization of a hepatic venule, J.. by Means Observations. on Changes. 今永. 2:. 3,. 1960.. 念 め 再 整 理,門 39:. 201,. 一:門. 脈 圧 充 進 症,医. 学. 1961.. 脈 圧 亢 進 症,杏. 鈴 木 不 二 雄:門 の 研 究,日. venous pressure by. on Pathophysiology. 臓, 一:概. 林 書 院,東. 京,. 1962.. 165: 527, 1951. of portal. 今永. の あ ゆ み,. catheters and estimation of portal pressure by. Studies. 592,. 一:門. 分 類,肝. An estimation. 学 の あ ゆ み,28:. 1960.. 脾 症 候 群,日. 23) J. D. Myers, W. J.. 内 循 環 よ り 見 た る 肝 硬 変 症 と所 謂. 1959.. 1075,. 2.. 今永. バ ン チ 病 と の 差 異,医. 断 及び. 脈 圧 亢 進 症 の 成 因 と 病 理,日. 鈴 木 忠 彦:肝. tension, Minerva Med. Tor., 52: 303, 1961. 26). 1956.. patholgy. 光.. of Viral. 消 会 誌,. 山 本 貞 博:門 究,肝. 臓,. 脈 圧 亢 進 症 に 於 け る 肝 内 循環 59:. 641,. 1962.. 脈 圧 亢進 症 に お け る肝 内循 環 の研 3:. Hepatitis. 121,. 1961.. and. Cirrhosis. of Peritoneoscopy of the. Surface. of the Liver. in Hepatitis. by Yoshimitsu Higuchi The First Department of Internal Medicine Okayama University Medical School (Director: Prof. Kiyowo Kosaka, M. D.) Alterations of the surface of the liver, in relation to histological findings, period of the course of hepatitis, splenomegaly, intraspleuic pressure and hepatic hemodynamica, were studied on 273 cases of viral hepatitis, which corresponded to "grosse rote Leber" and "grosses weisse Leber" introduced by Kalk. 1. Redness of the surface and enlargement of the liver were most frequently observed in the earliest stages of the disease and exhibited a relationship to the active histological changes of viral hepatitis. 2. Increased number and dilatation of small blood vessels as well as formation of small.
(13) 451. 肝炎 及び肝硬変 の病 態生理 に関す る腹腔鏡学 的研究 scars. on. were. related. the. surface to. demonstrated. in. 3.. of. these. on. scars 4.. In. the. was. surface. type. Ⅲ. the. liver. the. Glisson's 5.. in. many. cases. showing. Abnormal. a. hepatic. protracted blood. course. flow. and. was. often. detectable. changes. positively. of. the. in. surface. correlated. with. of. cases.. with. the. liver,. splenomegaly,. a. longer. period. increased,. whereas. of. dilated. formation. the small. of. small. cases. showing. pressure.. These. high cases. classification. and. type. ⅡB. in. intrasplenic often.. (atype. pressure. corresponded. characterized. histological. by. classification. without to. (a. those. an of. dilatation type. elevation. chronic of. small. characterized. of. hepatitis vessels by. on. scars. in. capsules).. Two. sorts. one. it. demonstrated. was. some. peritoneoscopic. liver:. remainder. in. alterations.. frequently. to. were. venous. surface). observed. correlated.. were. hepatic. more. relation. negatively There. wedged. were. histological. was. course.. vessels. liver. cases.. Splenomegaly. disease. the. irreversible. was. from. of. small. dendriform that hepatic. vessels and. the. the. majority. veins.. On. were. peritoneoscopically. other. retiform. of. the. the. other. former hand,. discernible. Using. intravascular were. the. latter. originated were. on. the. injection from branches. surface of. portal of. of. the. guttapercha, vein. hepatic. and. the. artery..
(14) 452. 樋 樋. 口 口 論. 祥 文. 光 附. 図 Fig.. 1.. 肝 表 面 に 認 め られ る 樹枝 状細血管 大 部分は門脈枝であると 思 わ れ,グ. 鞘線維 化 を 伴. う。 肝 縁 に 近 く横走 す う小 動 脈 周 囲 に も線 維 化 を 認 め る 教 室 の 分類 で は Ⅲ‑ⅡBに 相 当 す る。. Fig. 2. 肝 線 維 化 症 の肝 表 面接 写 門脈 よ り白 色 グ ッタ ペ ル カ を肝 動 脈 よ り赤 色(写 真 暗 色)グ. ッ タ ベル カを それ. それ 注 入 第12次 以 下 の 門 脈 細 枝 の 狭 小,消 失 を認 め る.. Fig.. 3.. 正 常 肝 の肝 表 面 接写 門 脈 よ り白色 グ ッタ ペル カ注 入 門 脈 は終 末 枝か ら靜 脈 洞 に至 る まで む らな くグ ッタ ベ ル カが よ く入 り,門 脈 細 枝 の 狭 窄 消 失 は な い。 グ ッ タ ペ ル カの 入 って い な い。 写 真 の黒 い 部 分 が 肝小 葉 で で こ の真 中に 中心 靜脈 が在 る。.
(15) 453. 肝 炎及 び肝硬変 の病 態生理 に関す る腹 腔鏡学 的研究 樋. 口 論. 文. 附. 図. Fig. 4. 正 常肝の肝表面接写 肝 被膜直下 に網状に走行 す る細 血 管 は肝 動 脈 か ら の み グ ッ タ ペ ル カ が 注 入 され る と ころ か ら動 脈 性 の も の で あ る と思 わ れ,肝 表 面 よ り内 方 に 向 っ てSinusoidと の 間 に 多 数 の 吻合 を 認 め る。. Fig. 5. 慢 性 肝 炎 に 於 け る肝 縁 の 鋭利 化 肝 縁 は癌 痕 状 で 鋭 利化 し,硬 度 も増 強 し て い る。.
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