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四国北部の瀬戸内沿岸における花崗岩風化残積土(マサ土)および安山岩風化残積土の土壤特性に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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四国北部の瀬戸内沿岸における花南岩風化残積土(マサ土)

および安山岩風化残積土の土壌特性に関する研究

柳 省 吾

Studies on the PhysicalProperties of ResidualGranitic and

Andesitic Soilsin SetouchiCoastalRegion,Northern Shikokn

Sh6go AoYANAGI

目 次 第1牽 緒 言 1−1 研究の動向 1−2 研究の目的 第2草 花崗岩および安山岩の風化残積土の基本的性質 2−1供試士および実験方法 2−2 実験結果 2−・3 考 察 第3幸 水分保持特性と締固め特性 3−1 水分保持特性 3−1−1 供試士および実験方法 3−1−2 実験結果 3−1−3 考 察 3−2 締固め特性 3−2−1供試士および実験方法 3−2−2 実験結果 3−2−3 考 察 第4幸 水分保持特性と中断強さ 4−1 水分保持特性 4−1−1 供試土および実験方法 4−1−2 実験結果 4−2 弊断強さ 4・−2−1供試土および実験方法 4−2−2 実験結果 4−3 考 察 第5幸 水分保持特性と中断強さに及ぼす浸透水の影響 5−1水分保持特性 5−1−1 供試土および実験方法 5−1−2 実験結果 5−2 弊断強さ 5−2−1供試土および実験方法 5−2−2 実験結果 5−3 考 察

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−2一 第6幸 水分保持特性と勢晰強さに及ぼす養生の影響 6 6 6 7 7 8 ︵=0 0 1 3 5 00 4 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 6−1 水分保持特性 6−1−1供試土および実験方法 6−1−2 実験結果 6−2 輿断強さ 6−2−1供試土および尭験方法 6−2−2 実験結果 6−3 考 察 第7章 摘 要 第8章 総 括 引用文献 Summary

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第1章 緒

火成岩の風化物,例えば花崗岩風化残街土を初めとして,火成岩系,堆積岩系を問わず,風化残盾土は全国的 に広く分布している“火成岩系のなかでも,花崗岩額の風化残積土は分布の広いものの一つである.花崗岩類が 日本の国土面積に占める割合は約12%である57).中・四国の瀬戸内沿岸では,花崗岩類の占める割合がかなり大 きい.特に,香川県では県全面着1425kがのうち,紛450kがが領家花崗岩類で占められているル これらの花崗岩類は阿讃山脈の前山丘陵,沖帯平野上の残丘状丘陵および帽岩として安山岩類を乗せた丘陵を 形成している.これらの丘陵地帯では,時には厚さ数10mにも及ぶ花崗岩風化残稽土層(いわゆるマサ土)が, 綬僚斜(20∼350)の斜面を形成している.特に,安山岩類を主とする火山岩類を帽岩とした丘陵地帯では,花崗 岩風化残酷土層が厚い 起伏が小さいこと,土工事が容易であることもあって,近年,これらの花崗岩丘陵地帯では農地造成なとの開発 行為が増加している..しかし,昭和51年の17号台風時に.見られたように,これらの地域は集中豪雨時には斜面崩 壊を起こし,造成農地が破壊する可能性を多分に有している17),20),41)..特に,前述したような安山岩類を帽岩と した丘陵地帯では,大きな災害を引き起こす可能性が大きい。しノたがって,農地防災上,これらの地域で最も問 題となる花崗岩風化残黄土(マサ土)あみでなく,その性質がほとんど未解明である安山岩風化残積土の理工学 性を・も解明する必要がある また,これらの地蚊では数多くの老朽溜池が存在しており,目下,継続して改修整備事業が行われている33) 盛土材料としては手近に.ある花崗岩風化残培土が使われているが,用土の不足もあって隣接する火山岩煩,特に 安山岩類の風化残騎士をコア用土として用いることも,今後多くなると考えられる42).したがって,この面から も花崗岩風化残債土と共に,安山岩風化残唐土の工学的性質を明らかにする必要がある. 花崗岩風化残横土の工学的性質については,数多くの研究がなされている28)・29).しかし,安山岩風化残筋土 の工学的性質については,他の岩礁と共にそれらの−・部分として報告されているもののみであり未解明の部分が 多い13).薄地堤体などの構造物の安定性の検討に際しては,特に,努断強さ,透水性を把握しておくことが重要で ある… また,溜池や造成農地の盛土を形成しているこのような締固め不飽和土の弊断強さは,築造後の降雨など の浸透に.′よって大きく影響される… このような浸透水が勢断強さに及ぼす影響については,未だに試験方法も確 立されていない. 1−1 研究の動向 締固められた風化残療土に限らず,土の構造物を形成する締固められた不飽和土の勢断特性については,締固 め含水比の違いによる土の骨格構造と努断特性の変化隼関する,Lambe25)・26)ぉよびSeed43),44)の研究を初め として多くの報告がある また,飽和土の努斬特性を求めるにあたって基本とされる有効応力の概念を,締固められた不飽和土にも適用 させるために,Skempton47),Bishopら7),8),9)によって間隙圧を間際空気圧と間隙水圧とに分離した有効応 力式が提案されている ♂′ = ♂− %α+A(≠α一 ≠け) %α:間隙空気圧 %加:間隙水圧 A:実験定数

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−4− しかし,有効応力式ではサクショソの作用する不飽和土の体積変化(吸水時の体帯減少)を説明できないとの 報告もなされている6),10),19),21) 間隙圧を間隙空気圧と間隙水圧に分離して測定することは技術的に大変難かしく,また,Aの値を決定するこ とも難かしい”それゆえ,不飽和土の勢断強さについては,間隙圧を間隙空気圧と間隙水圧忙分離せずに算出し た有効応力によって,Aを1として締固め後の弊断強さを求めた研究もなされてきた3),4),59),61) 1976年の17号台風以来,頻発する集中豪雨によって各種の士の構造物や造成農地に大きな被害の生じることが 多くなったことから,締固められた不飽和土の努断特性についても締固め直後のみでなく,締固め後の雨水など の浸透による影響を追及する研究が増加している5),13),15),16),恥62),63)..これらの研究は虔地造成とその保全に も役立つものとなろう 1−2 研究の目的 風化残横士は種々の化学的,物理的,生物的風化作用による岩石類の分解の結果として生成される.それゆえ 風化残債土の持つ基本的性質(粘土鉱物,比表面積,粒径分布など)は,母岩によって大きく規制される −・方,締固め特性,勢断強さ,透水性などの工学的性質は.,基本的性質によって大きく影響される 母岩が異なる種々の風化残債土について,基本的性質の違いを明らかにし,さらに,基本的性質に支配される 工学的性質について追求する必要がある 種々の風化残稽土のうちでも,中・四国の瀬戸内沿岸の丘陵地帯では,花崗岩およびその風化残帯士の分布が 最も広く,次いで安山岩およびその風化残債土の分布が広■く見られる 近年,瀬戸内沿岸の丘陵地帯においても,産業の進展に伴い,宅地,工場用地の造成,道路築造などが従来の 沖積平野から丘陵,山岳地域に広’がりつつあるい また,これらの丘陵,山岳地帯では農用地の造成が行われつつ あり,数多く存在する溜他の改修整備も急がれているい しかし,これらの地域で遭遇する風化残積士の工学的諸 特性については,花崗岩風化残債士を酸いては未知の点が多いのが現状であるい したボって,近年は,花崗岩風 化残帯土と隣接して存在することも多く,また,母岩の性質が著しく異なることから,その性質が花崗岩風化残 債士の性質と大きく異なると考えられる安山岩風化残積土に対しても工学的な研究が行われつつある4),13)39) 本論文は,瀬戸内丘陵地域で,最も分布の広い花崗岩風化残帯士と,それに次いで分布の広いものの一つであ る安山岩風化残債土に関して,それらの土壌の基本的性質の解明を行い,次いでこれら土壌の水分保持特性が基 本的性質に大きく左右されること,また,士の強度でほ紆固め特性の違いを解明し,水分保持特性が柿間めた場 合の勢断強さを支配することを述べ,次に農業土木関連の土の構造物の一つであるフィルダムの築造および農地 の造成とその保全にとって,支配的要田である弊断強さに及ぼす浸透水の有無の影響について,異なる士の初期 含水比ごとに詳細に解明し,これら両土壌を土の構造的材料として用いる場合の施工対策および農地保全対策に ついて言及した

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第2草 花崗岩風化残積土および安山岩風化残積土の基本的性質

本章では,瀬戸内沿岸の丘陵地帯に広く分布している花崗岩風化残積土と安山岩風化残積土の基本的性質のう ちでも,エ学的性質に大きな影響を与えると考えられる構成粘土鉱物および粒径分布,比表面積,比重について 述べる1),2) −・般に,風化残帯士ほ,河川などによって運ばれて平野,谷などの低地に堆積した遅帯土に比べて,母材の性 質を強く受け継いでいる巾 したがって母材が同一・種であれば風化によって生成される土も,ある程度の共通性を 持つと考ネられるい土の持つ基本的な性質のうら構成粘土鉱物および一次鉱物,粒径分布,比表面稽などは,母 材によってほぼ定まったものと考えられる 土の構造物の築造に.際しては,締固め特性,輿断強さなどを把握することが重要であるが,これらの性質はあ る特定の条件下で示される工学的な性質であり,その土固有のものとは言えない.それゆえ,′これらの工学的な 性質た大きな影響を及ぼす基本的性質についても充分留意する必要がある 土の基本的性質としては,前述したように構成粘土鉱物および−・次鉱物,粒径分布,比表面帯,比重などが考 えられる..これらの基本的性質を明確に把握し,総合的に考察することによって,その特性,構造を解明出来る であろう 土の基本的性質のうち土粒子の形状,表面活性が土の工学的性質に及ぼす影響については,すでに述べられて おり25),26),また,比表面稽とコソシステンシ八一の関係についても研究がなされている24),27) 2−1供試土および実験方法 1)供託土 母岩に近接して地表面に露出している風化残培土層の内,有機物を含むことの少ない土層から,供試土を採取 した. 花崗岩風化残街士としては,次の5種を用いた. a)大三島A土および大三島B土,大三島C士 採取地は愛媛県越智郡上浦町であり,母岩は粗∼中粒の黒雲母花崗岩である..粒子の細分化している程度を基 準として,粒径分布から見て,風化6D進んでいる順序にA土およびB土,C土とした… このうち,C土は最も風 化が遅れており,細粒分に乏しい.. b)寒川土 採取地は香川県大川郡寒川町で,母岩は粗∼中粒の花崗閃線岩である.. c)平竹土 採取地は香川県大川郡志度町で,母岩は細粒黒雲母花崗岩であるい 以上,5供試土のうち大三島C土および寒川土,平竹土は粒度から見ると,いわゆるマサ土である‖ 安山岩風化残債土としては,次の5種を用いた‖ d)五色台A土および五色台B土 採取地は香川県坂出市青海町であり,母岩は含輝石讃岐岩質安山岩である..粒径分布から判断して細粒イヒの進 んでいる順序にA土およびB土とした・・ e)驚ノ山土 採取地は香川県綾歌郡国分寺町で,母岩は角閃石安山岩である∩

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一6一 り 雨滝山土 採取地は香川県大川郡大川町で,母岩は含角閃石斜方輝石安山岩である. g・)由良山土 採取地ほ香川県高松市由良町で,母岩は黒雲母安山岩である 2)実験方法 a)粘土鉱物 Ⅹ線回折により判定した.採取した2〟m以下の土粒子に水を加え充分に練り合わせて,普通ガラス板あるい は加熱処理の場合は石筆ガラス坂上に薄く塗布し,自然乾燥させたものを用いた鋸),52)‘無処理試料の他に・,熱 処理試料と」薬品処理試料を用意した 熱処理は電気炉によって,150および300,450,600,750,9000Cの加熱を約1時間行った 薬品による処理はグリセロ・−ルおよび硝酸アンモソ,塩酸を用いた.硝酸アンモソと塩酸による処理は,それ ぞれ約30分行った X繰回折の測定条件は,対陰極:Cu,フィルタ、−:Ni,管電圧:30kV,管電流:10mA,走査範囲2β:3・∼ 300,走査速度:10/min..とした b)粒径分布 粒径分布はJISA1204により測定したいただし,風化残積土は風化途上にあり,外力によって土粒子が破砕 され易く粒径が変わり易い11)..それゆえ,初期状態の調整方法としては,無理な破砕を避けるために.肉眼で土塊 を判別しながら木槌で軽く打つか,手で軽くもみほぐすことによって調整した. c)比遷 比重はJIS A1202によって測定した. d)托表面積 比表面療の測定は窒素ガス吸着法(BET法)によった 2−2 実験結果 り 粘土鉱物について 花崗岩風化残債土のⅩ線回折の結果を図2−1および2−2,2−3,2−4,2−5に示した・ 大三島B士およびC土は,大三島A土と,ほぼ同じ傾向を示した.すなわち,無処理で,34および36, 44,72∼7.4,10∼102オングストロt−ム㈲,136∼14.3Åに比較的顕著な反射ピ・−クが見られる. グリセロール処理および硝安処理によっても,136∼143Åの反射ピ、−クが移動しないことい 450℃以上の 加熱処理によって,136∼143Åの反射ピ1−クが消え,より高温においても強度の増大が見られないこと.加

熱処理によっても,10∼10.2Åの反射ピークが移動しないこと.450℃の加熱処理によって,7.2∼7,4Å,

36Åの反射ピークが弱まり,600℃以上で消失すること..塩酸処理によっても,7,2∼74Å,3.6Åの反射 ピークが残ること 以上から,大三島A土およびB土,C土は,いずれもカオリン鉱物(カオリナイトなど)を主体とし,それに 小量のイライト,14Å粘土鉱物(線泥石,バ・−ミキエライト)を含むと推定された 同様にして,平竹土はカオリソ鉱物(カオリナイトなど)および′く−ミキエライト,イライトを含むと推定さ れた 寒川土はカオリン鉱物(カオ・リナイトなど)を主体として,それにイライトバーミキュライトを含むと推定

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5 10 15 国2−2 大三島B土のⅩ繰回折 図2−3 大三島C土のⅩ繰回折 因2−1大三島A土のⅩ線申折 試験結果 (花崗岩風化残黄土) 試験結果 (花崗岩風化残培土) 試験結果 (花崗岩風化残唐土)

陸 摂

 ̄∴二?

動理 150℃加熱処理 450℃加熱処理 600℃加熱処理 750一℃加熱処理 ㈱℃加熱処理 セロ−ル鳳理 7ソモソ処理 、 図2−5 平竹土のⅩ線回折試験結果 (花崗岩風化残帯土) = L⊥l L 5 10 15 20 25● 2ク 図2−4 寒川土のⅩ線回折試験結果 (花崗岩風化残額士)

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−8− 無処理 150℃加熱処理 300℃加熱処理 450C加熱処理 750‘C加熱処理 弼℃加熱処理 酸アンキン処理 咋仙、塩酸処理 ] ⊥_⊥⊥ 5 10 15 20 25● 2♂ 5 10 15 20 25◆2∂ 図2−6 五色台A土のⅩ繰回折試験結果 図2−7 五∵色台B土のⅩ線回折試験結果 (安山岩風化残積土) (安山岩風化残償土) 14.2Å75Å 無知周 150℃加熱知粗 300℃加熱処理 450℃加熱処理 6(カ℃加熱処理 ・ ㈱℃加熱処理

二ニニニニニニ∴二二二

−__∴し−∴ノ+

・ト㌧ 1 1 1 1 l 5 10 15 20 25● 2ク 図2−8 驚ノ山土のⅩ繰回折 試験結果 (安山岩風化残領土) 」 l ● 梢脛アンキン処理 \ト+\トイ叫人酬 畑l = 5 10 15 20 25◆2∂ 囲2−9 雨滝山土のⅩ繰回折 試験結果 (安山岩風化残黄土)

⊥‥丁・・・・・・・・・・・・.:一十一

因2−10 由良山土のⅩ繰回折 試験結果 (安山岩風化残群土)

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された 安山岩風化残帯士のⅩ繰回折の結果を図2−6および2−7,2−8,2−9,2−10に示した 五色台B土は,五色台A土とはぼ同じ傾向を示したりすなわち,無処理で,約34および36,41,44Å に.弱い反射ピ・−クが見られ,14。3∼150Åに非常に強い反射ピ・−クが見られること グリセロール処理によって,14.3∼150Åの反射ピ・−クが180∼184Åに移動すること‖硝安処理によっ ても143∼150Åの反射ピ・−・クの移動がないこと.450℃以上の加熱処理によって,14,3∼150Åの反射ピ 一クが99Åに移動すること.150,300℃の加熱によって,74Åの反射ピ・一クが現われるが,それ以上の高 温では消えること 以上から,五色台A士および五■色白B士は,モソモリロナイトを主体として,それに少量のハロイサイトを含 むと推定された 同様にして,駕ノ山士は,モソ・モリロナイトとカオリソ鉱物(カカリナイトなど)を主体としていると推定さ れた 雨滝山土は,モソ・モリロナイトを主体としていると推定された 由良山土は,カオリン鉱物(カオリナイトなど)を主体として,それに14Å粘土鉱物(録泥石,バ・−ミキュラ イト)を含むと推定された 2)粒径分布について 花崗岩風化残積土の粒径加積曲線を図2−11に示 した 花崗岩風化残積土は,礫粒径部分,砂粒径部分が 多く60∼90%を占めている‖ また,風化が進んだ場 合,シルト粒径部分が比較的少なく,粘土部分が増 加していくことがわかる このことは,花崗岩が母岩から,礫粒径部分および 砂粒径部分,粘土粒径部分と言う風化過程を経やす く,シルト粒径部分に乏しいことを示している11)′ 39),40) 次に,安山岩風化残帯土の粒径加療曲線を囲2− 12に示した. 安山岩風化残帯土は,礫粒径部分に乏しくシルト 粒径部分,粘土粒径部分が比較的多いこのことは, 噴出岩であり非晶質の安山岩が母岩から,砂粒径部 分およびシルト粒径部分,粘土粒径部分と言う風化 過程を経やすいことを示している 3)比重について 花崗岩風化残帯土の比重は,大三島A土および大 三島B士が2。.68,大三島C土が2い66,寒川士が2..63, 0 0 0 0 0 00 ︵0 4 加餌通過率P % 0001 0005001 005 01 0510 50100 粒 径 d(mm) 囲2−11花崗岩風化残積土の粒径加療曲線 0 0 0 0 ︿U O nO 6 4 2 加療通過率P % 001 0005 001 005 01 0510 50100 粒 径 d (ロコ) 園2−12 安山岩風化残黄土の粒径加帯曲線 平竹土が2い64であり大きな違いは見られない・ 安山岩風化残帯土の比重は,五色台A土が2て4,五色台B土が2小75,鷲ノ山士が2・・55,雨滝山土が2・60,

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ー10一 由良山土が264の値を示し供試士によって,かなりの違いがある小 このことほ,母岩に含まれている粘土鉱物の 違いによるものと考えられる 4)比表面積について 花崗岩風化残積土の比表面積測定結果を表2−1に示した 表2−1花崗岩風化残横土の比表面番(叫去) 0074以下 0.074′∼042 0。42∼2,0 20∼4.76 全粒径 大≡1島A土 31小9 16“3 3…5 2,9 18.6 大三島B土 31小0 12小2 2,6 13 148 大三島C土 133 3小0 05 0.3 21 寒 川 土 14 9 50 0,7 4.7 平 竹 土 66 08 08 03 1.9 花崗岩風化残唐土の比表面積は全体として小さい.特に,風化の進んでいない場合,74/上m以上の粒径部分の 比表面街が非常に小さい 安山岩風化残債士の比表面槍測定結果を表2−2に示した 表2−2 安山岩風化残着土の比表面輩(叫そ) 0074以下 0074′−042 0り42′∼20 2い0∼476 全粒径 五∵色台A土 9715 938 891 48.7 94.7 五色台B土 705 787 64.4 39小3 704 驚ノ山土 163 262 301 25。2 18“3 雨滝山土 224 13.2 12.2 9‖9 166 由良山土 11‖4 134 15小1 13,7 12。1 安山岩風化残槍土の比表面掛ま,シルー粒径部分以下のみならず砂,礫粒径部分においても比較的大きい‖特 に,五色台A土,B土は全粒径範囲にわたって,比表面積が非常に大きい,このことは,・モソモリPナイトを多 量に含むこと,また,砂粒径部分,礫粒径部分に相当する鉱物が多孔質なものから構成されていることによると 考えられる 2−3 考 察 花崗岩風化残帯土,安山岩風化残欝土の物理的性質を表2−3,2−4に示した 花崗岩が風化した場合,−・般に礫粒径部分,砂粒径部分の多い土が生成される.また,生成される粘土部分も カオリン鉱物(カオリナイトなど)を主体としている.また,比表面療は,全粒径範囲にわたって非常に小さい 以上から花崗岩風化残黄土は全体として砂質土と判定される 一方,安山岩が風化した場合,一腰に礫粒径部分に乏しく砂粒径部分,・シルト粒径部分および粘土部分からな る土が生成される.また,生成される粘土部分もそンモリロナイト,カオリン鉱物(カオリナイトなど)を含む ことが多く,特に,モソモリロナイトを主体とすることも多い…また,比表面掛ま,シルト粒径以下の細粒径部

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表2−3 花崗岩風化残積土の物理的性質 粒 度 組 成(%) 供試土 比 蚤 液性限界 (%) (幻 大三島A土 268 3 56 13 28 59 29 大三島B土 268 18 45 14 23 51 24 大三島C土 2.66 37 52 5 6 寒 川 土 2.63 21 52 14 13 平 竹 土 264 12 67 13 8 表2−4 安山署風化残騎士の物理的性質 粒 度 組 成(%) 供試土 比 重 液性限界 (刻 (%) 五色台A土 2ル74 48 23 29 77 41 五色台B土 2“75 67 21 12 80 47 駕ノ 山土 255 6 14 46 34 54 27 雨滝山土 2.60 55 28 12 41 25 由良山土 264 29 43 28 37 25 分のみならず砂粒径部分,礫粒径部分などの粗粒径部分の鉱物に・おいても非常に大きい・以上から安山岩風化残 筋土は粘性土的性質が強いと考えられる 本章での実験結果から,花崗岩風化残帯土と安山岩風化残瘡土の基本的性質を比際して表2−5に示した. 花崗岩風化残贋土ほ粗粒の砂質土であり,細粒の粘性土である安山岩風化残騎士とは大きく性質が異なること が示されている 表2−5 基本的性質の比較一・覧表 粘 土鉱物 粒径分布 比 表面積 塑性指 数 カオリン鉱物 花崗岩 砂∼砂質ロ・−ム 小 小 ) 風化残療土 (カオリナ三; (NPの場塞ぎミ) キンモリロナイト 安山岩 風化残債土 大 大 (カオリナ差主)

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−12一

第3幸 水分保持特性と.蹄固め特性

本章では花崗岩風化残帯土および安山岩風化残積土の水分保持特性と締固め特性について述べる 3−1 水分保持年寺性 風化残黄土に限らず,種々の土が示す工学的性質は,水分状態に大きく支配されるものと考えられる.したが って,前もって供試土の水分保持特性を基本的に把握しておくことは,その後の工学的性質(締固め特性など) を理解する上で是非とも必要なことである 一・般に水分保持特性を示す手法としてニpF一合水比曲線が用いられている 3tl−1 供武士および実験方法 1)供試土 前述の花崗岩風化残債土5種および安山岩風化残騎士5種である 2)実験方法 風乾させた供試士約40gを内径約5.Ocmの円筒モールド内でほぼ一昼夜,吸水飽和させた後,遠心法により水 分保持特性を求めた小遠心器の回転時間は−・段階で約1時間である」遠心法の測定範囲はpFl・8∼42である・ 3−1−2 実験結果 花崗岩風化残帯土のpF一合水比曲線(風乾後,飽和 状態)を図3−1に示した 花崗岩風化残債土の保水性は比較的低い“また,よ り細かな粒子の多い供託土はど,保水性の高いことが 示されている“しかし,平竹土の保水性は低い 安山岩風化残帯土のpF一合水比曲線(風乾後,飽和 状態)を図3−2に示した 安山岩風化残帯土の保水性が,全体として花崗岩風 化残街士に比べて高いことがわかるい なかでも,五∵色 台土の保水性の高いことが示されている.また,由良 山土の保水性は低い これらの安山岩風化残黄土の保水性は,粒径分布の 影響を受けていない 20 30 含水比抄(殉 図3−1花崗岩風化残黄土のpF一合水比曲線 (風乾後,飽和状態) 3−1−3 考 察 −・般に花崗岩風化残療土に比べて,安山岩風化残帯 土は非常に高い保水性を示すと考えられる・カオリソ 鉱物(カオリナイトなど)を・主体とし,粘土鉱物の違 いの少ない花崗岩風化残黄土群では,全体として,ほ ぼ細粒化の進んだ供試体ほど,保水性が高いと言える 10 20 30 40 50 60 含水比∽飯) 図3−2 安山岩風化残帯土のpF一合水比曲線 (風乾後,飽和状態)

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しかし,平竹土のように,比表面積が著しく小さい場合にはその保水性ほ低めとなることなどから,保水性は比 表面積に大きく支配されていると言えるであろう. 構成粘土鉱物の違いの大きい安山岩風化残債土でほ,粒径分布よりも,構成粘土鉱物および比表面贋の差異が 保水性に.大きく影響している −・般に高膨潤性の活性の大きい粘土鉱物ほど,また,土の風化が進むはど比表面帯が大きくなることから,お おまかに見れは比表面積が,保水性などの工学的性質を推定する上での重要な目安となり得ると考えられる. 土中水の存在形態とpFとの関係について,山崎ら66)はロ・−ジュ 38)の考え方を発展させて,土粒子との結合の 強さによって分類し,水分の存在形態を結合水(pF4.2以上),半結合水(pF30∼4。2),自由水(pF3.0以 下)とに分けている.また,竹中ら55)は関東ロ・−ムについて,pF42以上の水分が土粒子自体に質的に支配さ れているとし,さらに,はほpF60以上を吸着表面掛こ支配される段階,それ以下を親水性と吸着表面掛こ・支配 される段階との2つに大別している 3−2 挿図め年寺性 土の構造物を築造するに.当たって,もっとも基本的に必要な締固め特性について述べる“花崗岩風化残積土の 締固め特性についてほ広く知られているが,安山岩風化残帯士の締周め特性については,あまり報告されていな い ここでほ,締固め特性を,基本的性質(比表面償)および水分保持特性と関連させて述べる 3−2−1 供試土および実験方法 1)供試土 粂2章と同じ花崗岩風化残帯土5種および安山岩風化残帯土5種である 2)実験方法 締固め試験はJIS A1210により行った‖一L般に風化残稽土の粒子は破砕しやすいので,乾燥法非繰り返 し法(1・1−b)とした 3−2−2 実験結果 花崗岩風化残置士の乾燥密度一合水此曲線を図3−3に示した これらの花崗岩風化残債土の締固め曲線は比較的尖鋭な形を示しているい全体として,より細粒化の進んでい る供試土はど,最適含水比が大きく最大乾燥密度が小さくなる傾向が見られるが,平竹土のように,他に比べて 比表面積が著しく小さい場合に.は,最適含水比ほ小さめとなり最大乾燥密度は大きめとなる‖すなわち,比表面 積の大きい供試土ほど最適含水比が大きく,最大乾燥密度が小さい 安山岩風化残撥土の乾燥密度一合水比曲線を図3−4に示した これらの安山岩風化残債土の締固め曲線は花崗岩風化残帯土に比べて,やや緩やかな形を示しており,最適含 水比が大きく最大乾燥密度が小さい.また,五色台A土,五色台B土は,他に比べて粗粒であるが最適含水比が 大きく最大乾燥密度が小さいことが示されており,締固め特性が粒径分布にあまり左右ざれていない 最適含水比と比表面番の関係を図3−5に示した 粗粒な比表面積の小さい土はど最適含水比が小さく,細粒な比表面欝の大きい士ほど最適含水比が大きい・ま た,花崗岩風化残黄土の最適含水比は安山岩風化残騎士に比べて小さい

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14 ・−−0−五色台A土 −→トー五色台B土 −−くト一驚ノ山土 −・・・電ト・一雨滝山土 M・・◎…−由良山土 乾焼密度俺抱 ︵ 3

㌦燥密紬亀瑚“

′l\ 00 ︶.⊥ 20 30 含水比抄(殉 0 10 10 20 30 40 50 含水比抄(%) 囲3−4 安山岩風化残培土の乾燥密度一合水比曲線 図3−3 花崗岩風化残償土の乾燥密度一合水比曲線 100 比表面療(n%) 60 80 20 40 図3−5 最適含水比と比表面帯の関係

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0 20 40 60 80 100 比表面療(n%) 図3−6 最大乾燥密度と比表面帯の関係 最大乾燥密度と比表面積の関係を図3−6に.示した 粗粒な比表面横の小さい土はど最大乾燥密度が大きく,細粒な比表面積の大きい土ほど最大乾燥密度が小さい また,花崗岩風化残帯土の最大乾燥密度は安山岩風化残黄土に比べて大きい. このことは,それぞれの粒径分布,粘土鉱物および比表面帯が,大きく異なることによると考えられる… これ らのうちでも,粘土鉱物の違いおよび比表面積の違いが締固め特性に最も大きく彫響すると考えられる 花崗岩風化残帯士の乾焼密度とpFの関係を囲3−7に示した 五■色台A土 −−一 五色台B土 −・・・・・H一 驚ノ山土 −…叫 雨滝山土 −−・−−−−・ 由良山土 / ′ ′

11 2−0 30 4.0 20 30 40 pF 図3−8 安山岩風化残債土の乾燥密度∼pF曲線 pF 図3−7 花崗岩風化残黄土の乾燥密度∼pF曲線

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−16一 粗粒な,いわゆるマサ土である大三島C土,平竹士では,乾燥密度が最大値を示すpF値は約20を示し,低め であるh細粒の大三島A土,B土では,乾燥密度が最大値を示すpF値は約30を示し,高めである 安山岩風化残帯士の乾燥密度とpFの関係を図3−8に示した 安山岩風化残積士でほ,乾焼密度が最大値を示すpF値は24∼3。5の範囲にあり,花崗岩風化残積土よりも大 きい..また,モソモリPナイ†を多急に含み比表面積の大きい五色台A士,B土でほ,乾燥密度が最大値を示す pF侶は高めである. このように乾燥密度が最大値を示すpF値は供試土に・よって変動するが,このことは砂質土と粘性土では締固め の機構が異なることによると考えられる 最適含水比とpFの関係を図3−9に示した血 粗粒な保水性の低い土ほど最適含水比のpF億 が低く,細粒な保水性の高い士はど最適含水比の pF値が高いことがわかる.また,花崗岩風化残債 土の最適含水比のpF値は2.0∼32を示した 安山岩風化残積士の最適含水比のpF値は24∼ 35を示した 3−2−3 考 察 カオリン鉱物のみを含む花崗岩風化残積士の締 固め特性ほ,粘度組成よりも比表面稽の影響を強 く受ける −・方,モソモリPナイト,カオリン鉱物などを 単一■であるいは複合して含む安山岩風化残債土の 締固め特性は,粘土鉱物の違いによる影響もある, 1,0 20 30 図3−9 最適含水比とpFの関係 が,それ以上に比表面積の影響を強く受ける 花崗岩風化残帯土では,締固め可能な範囲が狭く含水比の幅で10∼ユ5タ‘であり,また,締固め可儲な下限の含 水比も安山岩風化残帯土に比べて小さいい特に,いわゆる典型的なマサ土でほ5∼10%を示し非常に小さいh締 固め試験における含水比の範囲も安山岩風化残酷土に比べて低く狭いい したがって,安山岩風化残帯土に比べて 最適含水比は小さく最大乾燥密度は大きい. 安山岩風化残帯士では,締固め可能な範囲が広く含水比の幅で15∼20%であり,また,締固め可能な下限の含 水比も15∼30%と,花崗岩風化残帯土に比べて非常に大きい.締固め試験における含水比の範囲も花崗岩風化残 蔚土に比べて高く広いい したがって,花崗岩風化残稽土に比べて最適含水比は大きく,最大乾燥密度は小さい

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第4章 水分保持特性と勢断強さ

本章では締固められた花崗岩風化残筋士および安山岩風化残帯土の水分保持特性と弟断強さについて述べる 4−1 水分保持特性 土壌の水分保持特性を表すものとして,pF値の測定が広く用いられている1. pFと士の工学的性質との関連性については,一題の関東ロームについての報告50)・51),54),55)をはじめ,多く の研究がなされている12),18),31),45),56),64),65),67)‖pF一合水比曲線ほ,土中の水分の存在状態の違いによって生じ る士の構造の質的な適いを把握するのに有効な指標であり,本研究のような締固めた土壌中の水分の存在状態を も的確に.表示するものと考えられ密8),49)…ここでは,後節での三軸圧縮試験で用いたものと同様に帝国めた供試 体について,締固めた直後の不飽和状態でpF値の測定を行った.pF値の測定は飽和した状態で行うのが正規の 方法であるが,締固めた直後の不飽和状態での弟断強さと対応させるために,また,飽和させることによ、つて土 の構造が変化することも考えられるために・,不飽和のままでpF値の測定を行った. 4−1−1 供試土および実験方法 1)供試土 前節までと同じ花崗岩風化残積土5種および安山岩風化残街土5種であるh 2)実験方法 標準紆固め試験によって得られた乾燥密度一合水比曲線に合致するように水分を調節して,約18時間密封静置 した供試士を用い,油圧によって三軸圧縮試験の供試体と同じ状態になるように.挿図めた後,所定の寸法に切り 出した供試体について,締固め裔後の不飽和なままで,遠心法に.より,pF一合水比曲線を求めたい締固め最終圧 は約50kgレ毎とした小 締固めに要した時間は約5分である.供試体の寸法は高さ約2Ocm,直径約5Ocmとし た遠心力を与える時間は1時間で,ほぼ平衡に.達しているとみなした. 4−1−2 実験結果 花崗岩風化残額土の締固め不飽和な状腰でのpF一合水比曲線を囲4−1に示したい図中の点線ほ初期締固め時 の水分状態を示すpF−初期含水比曲線である 泡粒であり砂質土的性質の強い平竹土,大三島C土では,初期含丸比が増加すると,初期締周め状態におけるpF 値はpF30以下の自由水領域(毛管水・重力水)で増加してゆく,また,pF30以上の範囲では,初期含水比が増 加しても,供試体内の水分分布を示すpF一合水比曲線に大きな違いは見られない.風化が進み寒川土および大三 島B土,大三島A士と,次第に細粒の粘性士になるにつれて,初期含水比が増加すると,初期締固め状態におけ るpF借はpF30∼4“2の半結合水領域からpF30以下の自由水領域へと低下してゆく.また,初期含水比の増 加によって,pF42以下の範囲で供試体内の水分分価■を示すpF一含水比曲線に変化が表れている このことは,粗粒の砂貿土的性質の強い供託土では,初期含水比,飽和度などが変化しても,質的な構造があ まり変わらず,−・方,風化が進み細粒の粘性土的性質を持つ供試土では;初期含水比の違いに.よって,質的に土 の構造が変化していることを示している23),25)..また,粘性土的性質の強い供試土ほど,pF4‖2以上の水分の増 加することが示されている 次に,安山岩風化残帯土の紆固め不飽和状態でのpF一合水比曲線を図4−2に示した..国中の点線は初期締固

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18 O A▲ F p 25 30 含水比び(%) 大≡島A土 0 4 F p ∩︶ 4 F p 20 25 含水比け(%) 大三島B土 0 測定含水比 ◎ 初期含水比 −・−−−一…・ pF∼初期含水比曲線 5 10 15 含水比び(%) 大三島C土 図4−1花崗岩風化残撥土の締固め不飽和状態 におけるpFと含水比の関係

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30 35 40 45 50 含水比抄(%) 五色台A土 10 15 20 25 30 含水比抄α) 雨 滝 山 土 30 35 40 45 含水比抄(%) 五色台B土 15 20 25 30 含水比び(%) 由 良 山 土 0 測定含水比 ◎ 初期含水比 一一・・・・■・−−… pfl∼初期含水比曲線 20 25 30 35 含水比び㈲ 驚 ノ 山 土 図4−2 安山岩風化残帯土の締固め不飽和状態 におけるpFと含水比の関係

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ー20− め時の水分状態を示すpF一初期含水比曲線である 五色台A士,五色台B士では,初期含水比の増加により,初期締固め状態におけるpF値は,pF3,0∼4“2の半 結合水領域からpF30以下の自由水領域へと低下してゆく・・また,供試体内の水分分布を示すpF一合水比曲線で は,初期含水比の増加によって,pF42以下の範囲でも水分の増加が見られるが,花崗岩風化残帯土に比べ,pF 42以上の結合水の大幅な増量が顕著である 駕ノ山土では,初期含水比の増加により,初期締固め状態におけるpF値は,pF3“0∼42の半結合水領域内で 低下してゆく… また,初期含水此が増加しても,供託体はpF3,0付近から下の範囲の低pFの水分(自由水)を, ほとんど含まず他に比べて,より高いpFの水分を含んでいることがわかる 雨滝山土では,初期含水比の増加に伴い,初期締固め状態におけるpF値は,pF30∼42の半結合水領域から, pF30以下の自由水領域へと低下してゆく・・また,初期含水比の増加によって,pF4,2以下の範囲で供試体内の 水分分布を示すpF一合水比曲線に変化が表れており,比較的低pFの水分を含むようになる. 由良山土では,初期含水比の増加によって,初期締固め状態におけるpF値は,pF3.0∼4.2の半結合水領域か ら,pF30以下の自由水領域へと低下してゆく一.また,初期含水比の増加によって,供試体内の水分分布を示す pF一合水比曲線が大きく変動している… また,比較的低pFの範囲で曲線の変化が大きいことから,この部分の 低pFの水分を多く含んでいることがわかる. 4−2 努断強さ 土の構造物を築造するに当たっては,使用を予定している盛土材料の締固め状態での努断強さを把握しておく 必要がある.また土壌侵食に対する安定性の面でも,その士の弊断強さを知る必要がある.締固めた花崗岩風化 残債土の勢断強さについては数多くの報告がなされている14),30),35),37),53),61)り しかし,安山岩風化残筋土の努 断強さほほとんど知られていない.ここでは,標準締固め試験で得られたと同様の締固め密度,初期含水比の供 試体を用いて花崗岩風化残債土および安山岩風化残積士の勢断強さを求めた 4−2−1 供託土および実験方法 1)供託土 第2章と同じ花崗岩風化残積土5種および安山岩風化残額土5種である 2)実験方法 標準締固め試験によって得られた乾燥密度一合水比曲線に合致するように水分を調節して,約18時間密封静督 した供試土を,油圧装置によって静的に締固めて供試体を作製し,三瓶圧縮試験に供した.供試体の寸法は高さ 約12h5cm,直径約5Ocmとした”締固め最終圧は約50kgf.ぺげとした.締固めに・要した時間は約5分である・弊 断条件は,三軸圧縮試験の標準と 2・Okgレ毎の4段階とした.不飽和土が示す有効応力については, ♂′ = ♂ − %α+A(≠α− ≠∽) ≠α:間隙空気居 %ぴ:間際水圧 A:実験定数 の式が提案され・ている7),軋9),47).厳密には,髄αと%ぴとを分離して考えねばならないのであろうが,測定が 困難であるので鳥山の考え方59)によって,♂(全応力)から%(供試体底面で測定した間隙圧)をひいたものを

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♂′(有効応力)とした. 4−2−2 実験結果 花崗岩風化残辟土の三軸圧縮試験結果について,乾燥 密度および粘着力,内部摩擦係数と初期含水比の関係を 図4−3および4−4,4−5,4−6,4−7に示し た. 細粒径部分の多い大三島A士,B土の粘着力は,初期 含水比の変化に.よって顕著なピ・−クを生じる.一・方,粗 粒の砂質土的性格の強い大三島C土および平竹土,寒川 土の粘着力は,初期含水比の違いによる影響をあまり受 けない 花崗岩風化残積士としては,比表面着が大きく細粒径 部分の多い大三島A土,B士の内部摩擦係数は,q・2∼09 の範囲にあり,初期含水比の増加によって大きく減少し ている.−・方,比表面積が比較的小さく細粒径部分の少 ない大三島C土および平竹土,寒川土の内部摩擦係数は, 初期含水比が変化しても,あまり変化がないハすなわち, 比表面積,粒径分布および風乾後,飽和状態でのpF− 5 20 25 30 含水比抄餅)

_二、ニ=二二÷

10 1 図4−3 大三島A土の乾腺密度および粘着力,内 部摩擦係数と初期含水比の関係 (花崗岩風化残横土)

L

酢針ゐ1

■b O 5

か君㌢瑚α

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25 30 含水比び偶) 0 5 10 15 20 ㌘軋ポヱ≠ ○ 5 10 15 20 触 5 10 15 20 25 30 含水比び(%) 国4−5 大三島C土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数と初期含水比の関係 (花崗岩風化残帯土) 図4−4 大三島B土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数と初期含水比の関係 (花崗岩風化残黄土)

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22 0 ︵0 6 4

︰㌻㌣㍗1

︵ 0 8 6 4 2 L l l⊥ 乾燥密宅咄 ∴一■\ 25 30 含水比び(均 15 20 0 5 10 25 30 含水比∽(殉 0 5 10 15 20 粘15 着 力 c・10 ¢〆■ぶ 05 5 ∧U l l 粘着力C O す○ 言

叫−。00

15 20 0 5 10 25 30 含水比∽(妙 0 5 10 15 20 含水比抄00 dノ 内部摩擦係数 an ▲し 00 6 0 ︵U † .¢′ 内部摩擦係数 an .t 聖0旬下血 5 10 15 20 25 15 20 25 30 含水比び伽) 含水比抄(殉 国4−7 平竹土の乾燥密度および粘着力,内部摩 擦係数と初期含水比の関係 (花崗岩風化残騎士) 図4−6 寒川士の乾燥密度および粘着力,内部摩 擦係数と初期含水比の関係 (花崗岩風化残贋土) 含水比曲線から見て,最も砂質士朗性質の強い平竹土の 内部摩擦係数は,初期含水比の違いによる影響をほとん ど受けず,次いで大三島C土,寒川土と砂質土的性質が うすれるにつれて,初期含水比の増加による内部摩擦係 数の減少度合が大きくなっている..また,−・般的に言っ て,いわゆる,マサ土である大三島C土および平竹土, 寒川土の内部摩擦係数は,それぞれ約10および約0・8, 04∼06と相違があるが,このことは,母岩の相遵か ら生じる生成土の粒径分布,粒子形状の相違の影響が考 えられる 安山岩風化残積土の三軸圧縮試験結果について,乾燥 密度および粘着力,内部摩擦係数と初期含水比の関係を

図4−8および4−9,4−10,4−11,4−12に示し

た. これらの安山岩風化残帯土の粘着力は,0・5∼18kgレ/ ぜの範囲にあり,花崗岩風化残帯土の粘着力に比べて, かなり大きい.また,五色台A土,B土の粘着力一初期 含水比曲線は,比較的緩やかなピークを示しているま 40 45 含水比び憮) 20 25 30 35 C′ 着 力 ・1、ヾT・・、 10

25 30 6 4 0 0 ′ 〆 内部摩擦係数 an ▲し

二二

30 35 10 15 含水比抄00 図4−8 五色台A土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数と初期含水比の関係 (安山岩風化残帯土)

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1 0 一l l 一1 2 違憲亀咄粘芳C㈲L ︵ 在\ (痛12 乾16 燥 震14 亀

//へ

0 15 20 25 30 35 40 45 含水比び00 15 20 25 30 35 40 45 含水比抄(畑

こ∴こ=こ

20 粘 着 力 C′ ぐg一心) 10

10 15 20 25 30 35 40 45 15 20 25 30 35 40 45 含水比打倒) 含水比紗(%)

 ̄−ニーー

6 4 2 0 0〆 〇 内部摩擦係数 餌 t 6 4 ウ︼ 0 0′ 0 内部摩擦係数扉 t 15 20 25 30 35 40 45 含水比ひ(%) 15 20 25 30 35 40 45 含水比抄(対 図4−9 五色台B土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数と初期含水比の関係 (安山岩風化残培土) 図4−10 鴛ノ山土の乾燥密度および粘着力,内部 摩擦係数と初期含水比の関係 (安山岩風化残酷土) 6 4 2 ..〇 l ■l 1 2

乾燥震匂咄 粘若α

・し 642 乾燥密度免瑚 ︵

/ 、\\

10 15 20 25 30 35 40 45 含水比び伽) ¢gI・J l0 10 15 20 25 30 35 40 45 15 20 25 30 35 40 45 含水比び(%) ○ 含水比び(殉 8 6 ▲4

0 α 0

◆レ 〆 内部摩擦係数 抑 15 20 25 30 35 40 45 含水比抄伽) 35 40 45 含水比び伽) 10 15 20 25 30 図4−11雨滝山土の乾燥密度および粘着力,内部 摩擦係数と初期含水比の関係 (安山岩風化残額土) 囲4−12 由良山土の乾燥密度および粘着力,内部 摩擦係数と初期含水比の関係 (安山岩風化残斎土)

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−24− た,鷲ノ山土の粘着力は,ピーク時にほ約18kgレおと 大きな値を示している 安山岩風化残贋土の内部摩擦係数は,0・1∼07の範 囲にあり,初期含水比の増加に.よって大きく減少してい る/.また,初期含水比の増加に伴う内部摩擦係数の減少 度合に及ぼす供試土の粒径分布,比表面積などの違いに よる影響は比較的小さい 図4−1の初期締固め時の水分状態を示すpF一初期 含水比曲線にもとづき,花崗岩風化残積土について乾燥 密度および粘着力,内部摩擦係数と初期pFの関係を図 4−13および4−14,4⊥15,4−16,4−17に示した. 細粒径部分の多い大三島A士,B士の乾燥密度は,そ れぞれ初期pF29,2。6で最大値を示している.寒川土 の乾燥密度は,初期pF25で最大値を示している.さ らに粗粒の大三島C土,平竹土の乾燥密度は;それぞれ 初期pFl0,15で最大値を示している. 細粒径部分の多い大三島A士,B土の粘着力は,それ ぞれ初期pF32,29で最大値を示している.−L方,粗 粒の砂貿士的性質の強い大≡島C土および平竹土,寒川 0 0ひ 2 1 乾燥密度仇q 6 ︵ 5

列 ﹁0

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0 10 lL二U ∈ 0 0 8 6 〇 10 20 30

1 〇

ダ 内部摩擦係数 an 10 20 30 4.O pF 図4−13 大三島A土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数とpFの関係 (花崗岩風化残析土) 乾燥密度.亀 0 8 2 ,11 乾燥密度

// ̄ \

10 20 30 4 p ▲UF 10 20 505 1 。 粘着㌢鋤 在\ 0 8 6 1 0 0〆 内部摩擦係数 an t 0 ▲‖○ ●1 0 ′タ 内部摩擦係数 血 30 4O PF 10 20 30 4.O pF 10 20 囲4−15 大三島C土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数とpFの関係 (花崗岩風化残欝士) 図4−14 大三島B土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数とpFの関係 (花崗岩風化残債土)

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0 8 6 2 1 1 乾燥密度ゐ

( \

+1 4O pF 0 10 20 30 50 . ∴∵・ ルr 10 20 30 4.O pF 0 10 20 30 0 8 6 1 0 0 内部摩擦係数 an 1 0 0 0U 6 0√. 内部摩擦係数 an .●し 一一一一一一一一一一■ 10 20 30 4.O pF 10 20 30 4.O pF 図4−17 平竹土の乾腺密度および粘着力,内部摩 擦係数とpFの関供 (花崗岩風化残療土) 図4−16 寒川土の乾燥密度および粘着力,内部摩 擦係数とpFの関係 (花崗岩風化残積土) 士の粘着力は,初期pF値の違いによる影響をあまり受け ない. 花崗岩風化残積土としてほ,比表面積が大きく細粒径 部分の多い大三島A士,B土の内部摩擦係数は,初期pF 値の増加によって大きく増加している.一・方,比表面療 が比較的小さく細粒径部分の少ない大三島C土および平 竹土,寒川土の内部摩擦係数は,初期pF値が変化して もあまり変わらない 図4−2の初期締周め時の水分状態を示すpF一初期 含水比曲線にもとづき,安山岩風化残帯土について乾燥 密度および粘着力,内部摩擦係数と初期pFの関係を図 4−18および4−19,4−20,4−21,4−22に示した. 五色台A土,B士の乾燥密度は,それぞれ初期pF23, 24で最大値を示している.鷲ノ山土の乾燥密度は初期 pF33で最大値を示している.雨滝山土の乾燥密度は初 期pF30で最大値を示している..由良山土の乾燥密度 は初期pF23で最大値を示している. 五色・台A士,B士の粘着力ー初期pF曲線は比較的緩 乾16 燥 靂14 (ゐ12 20 粘 着 力 C′ ぐ瑚 10

_へ

0 10 20 30 4.O pF

/(\

10 20 3O AO pF

︵6 6 4 2 0 ∧u O. 〇 内部摩療係数 t 10 20 30 4O pF 図4−18 五色台A土の乾燥密度および粘着力,内 部摩擦係数とpFの関係 (安山岩風化残療土)

(28)

26 6 4 2 酎酎皮机瑚 ′′し 642 乾燥密度㌔㈲

/ \

30 4.O

pF †

10 20 30 4.O pF 0 10 20 0 0 粘着力‰1 9︼ 在\ 0 ウ山 粘着力C

/ \

30 4.O pF

20 10 20 30 8 6 0 0 8 6 4 0 〇 〇 〆 内部摩擦係数 an ▲し 内部摩擦係数 an t

30 4.O pF 10 20 0 10 20 30 4.O pF 図4−20 鷲ノ山土の乾焼密度および粘着力,内部 摩擦係数とpFの関係 (安山岩風化残培土) 図4−19 五色台B士の乾燥層度および粘着力,内 部摩擦係数とpFの関係 (安山岩風化残積士) 乾16 燥 欝14 ・− 20 粘 着 力 C′ ぐれめ 10 乾16 煉 14 12

/へ

//′ ̄、、−\−、

20 30 0 10 20 30 0 10 0 2 粘着力C 0 10 ︵︾ 6 4 2 0 0 0′ 0 内部摩擦係数扉 ▲し 8 6 4 2

α 0 0 〇

内部摩擦係数 an ▲し 10 20 30 4.O pF 20 30 4.O pF 図4−22 由良山士の乾燥密度および粘着力,内部 摩擦係数とpFの関係 (安山岩風化残黄土) 図4−21雨滝山土の乾燥密皮および粘着力,内部 摩擦係数とpFの関係 (安山岩風化残帯土)

(29)

やかであり,それぞれ初期pF32,33で最大値を示している 鷲ノ山土の粘着力は初期pF3.4で最大値を示している 雨滝山士の粘着力は初期pF30で最大値を示している. 由良山土の粘着力は初期pF28で最大値を示している これらの安山岩風化残酷士の内部摩擦係数は初期pF値の増加によって大きく増加している 4−3 考 察 大三島A土,B土のような風化の進んだ花崗岩風化残街土では,初期締周め状態におけるpF値がほぼpF30 近辺の場合に,粘着力は最大値を示す.また,乾燥側から初期含水比が増加してゆくと,供託体内の水分分布が pF42以下の範囲で大きく変わることから,粘着力ほ初期含水比によって大幅に増減する.内部摩擦係数は,初 期締固め状態におけるpF値が半結合水領域から自由水領域へと低下するにつれて減少してゆく.. 一・方,大三島C土,平竹土のような典型的なマサ士では,乾燥側で締固めた場合でも供試体内に自由水を含ん でおり,初顛含水比が増加しても結合水,半結合水ほあまり増加せず自由水のみが大幅に増加するために,粘着 力は増加せず,わずかに減少してゆく..内部摩擦係数ほ,初期締固め状態におけるpF値が自由水領域内で低下 するのみなので,わずかに減少してゆく. 五色台A士,B土のようなモソモリPナイトを多盈に含む安山岩風化残積土では,初期締固め状態におけるpF 値がはぼpF30近辺の場合に,粘着力は最大値を■示す.また,乾燥側から初期含水比が増加してもpF42以上の 結合水ほ大幅に増加するが,供試体内の水分分布がpF42以下の範囲であまり変わらないことから,粘着力は初 期含水比によって緩やかに増減する…内部摩擦係数は,初期締固め状態におけるpF値が半結合水領域から自由水 領域へと低下するにつれて減少してゆく小 驚ノ山土のようなモン㌧モリPナイトとカオ・リソ鉱物をかなり含む安山岩風化残償土では,初期締固め状態にお けるpF値がはばpF34近辺の場合に,粘着力は最大値を示す..また,乾燥側から初期含水比が増加するとpF 42以上の結合水が大幅に増加するが,供試体内の水分分布もpF42以下の範囲で変化していることから,粘着 力は初期含水比によって,かなり増減する..また,乾燥側から初期含水比が増加しても,ほぼpF30近辺以下の 範囲の低pFの水分をわずかしか含まず,他の供試士に比べて,より高いpFの水分を含んでいることから,他に 比べて全体として粘着力が大きい.内部摩擦係数は,初期締固め状態におけるpF値が半結合水領域内で低下する につれて減少してゆく. 雨滝山土のようなモソモリロナイトを少盈含む安山岩風化残帯土では,初期締固め状態におけるpF値がほぼ pF30近辺の場合に,粘着力は最大値を示す…また,乾燥側から初期含水比が増加すると,供試体内の水分分布 がpF42以下の範囲で変化していることから,粘着力は初期含水比によって,かなり増減する・内部摩擦係数は, 初期締固め状態におけるpF値が半結合水領域から自由水領域へと低下するにつれて減少してゆく.. 由良山土のようなカオリン鉱物を含む安山岩風化残撥士では,初期締固め状態におけるpF値がほぼpF30近 辺の場合に,粘着力は最大値を示す巾 また,乾燥側から初期含水比が増加すると,供試体内の水分分布がpF42 以下の範囲で変化していることから,粘着力は初期含水比によって,かなり増減する.内部摩擦係数は,初期締 固め状態におけるpF値が半結合水領域から自由水領域へと低下するにつれて減少してゆく. 次に,以上の実験結果を・まとめて述べる.. 乾燥密度が最大値を示す初期pF値は,供試土によって大きく異なり,花崗岩風化残債土ではpFl・0∼30の 範囲を示し,安山岩風化残黄土ではpF2−3∼3。0の範囲を示したいこのことは,土性によって締固めの枚横が異

(30)

−28− なることによると考えられる 粘着力が最大値を示す初期pF値は,花崗岩風化残贋土,安山岩風化残積土共に,ほぼpF30近辺と言える 内部摩擦係数は初期締固め状態に.おけるpF値が半結合水領域から自由水領域へと低下するにつれて減少して ゆく. 以上の結果は,締固められた花崗岩風化残積土と安山岩風化残積土を用いた実験結果であるが,両残横土の士 性が著しく異なっており,他種の締固め土にも同様のpF値と勢断強さの関係が発現すると考えられる= 以上をまとめると表4−1のようになる 表4−1締固め土における初期締固め時のpFと弊断強さ特性の関係 pFの範囲 0

1;8

3iO

42 l l 半結合水 】結合水,強結合水 水分の存在状態 l l l 最大値を示す 粘 着 力 増加する 減少する n ‖ l J J 内部摩擦係数

(31)

第5章 水分保持特性と努断強さに及ぼす浸透水の影響

本章では締固められた花崗岩風化残積士および安山岩風化残帯土の水分保持特性と弊断強さに及ぼす浸透水の 影響について述べる 5−1 水分保持特性 ここでほ,後節における三軸圧縮試験笹用いたと同様の,水を浸透させずに供託する標準試料および特定条件 下で水を浸透させた後,供試する浸透試料について,pF値の測定を行い,pF値への水の浸透の影響を,後節の 努断強さ特性(粘着力,内部摩擦係数一合水比曲線)と関連して考察する 5−1−1 供試土および実験方法 1)供試土 花崗岩風化残債土としては,次の3種を用いた a)北山土 採取地は香川県大川郡大内町で,母岩は粗∼ヰ粒の黒雲母花崗岩で,いわゆるマサ士である・ b)水主士 採取地は香川県大川郡大内町で,母岩は粗∼中粒の黒雲母花崗岩である c)大三鳥A土 採取地ほ愛媛県越智郡上浦町で,母岩は粗∼中粒の黒雲母花崗岩である・ 次レこ,安山岩風化残積土としては,次の3種を用いた d)由良山土 採取地は香川県高松市由良町で,母岩は黒雲母安山岩である. e)五色台C土 採取地は香川県坂出市青海町で,母岩は含輝石讃岐岩質安山岩である. f)鴛ノ山土 採取地は香川県綾歌郡国分寺町で,母岩は角閃石安山岩である 風乾後の供試土の粒度分析結果を表5−1に示した 表5−1供試士の比重および粒皮紐成 粒 度 組 成(%) 供 試 土 比 墓 礫 砂 分 シルト分 粘土分

北 山 土 265 28 62

6 4 花嵐岩 水 主 土 2小64 7 60 19 14 風化残帯土 大三島A土 2,68 3 56 13 28

由良山土 264 29

43 28 安山岩 五色台C土 2小71 6161 24 15 風化残有責土 駕ノ 山土 255 6 14 46 34

(32)

ー30− 2)実験方法 標準締固め曲線上で最適含水比抄Opt。.(PdO=Pdmax.)と,それの乾燥側含水比∽1(Pdl=095Pdmax..)お よび湿潤側含水比∽2(βd2=0.95Pdmaxハ)を選び,それぞれの含水比になるように水分を加え,18時間以上密 封静置した後,βdがPdOおよびβdl,βd2それぞれの1」00および095,090,085の比になるように,油圧装置 によって静的に締固め,直径約5Ocm,高さ約125cmの円筒形供試体を作成した但し,北山土の湿潤側について は,W2(Pd2=095Pdmax…)では供試体の作成が不可能であるので,Wち(Pd2=097Pdmax.)を湿潤側含水比 とした…最終圧ほ約50kgf/禄である…締固めに要した時間は約5分である・実験に用いた花崗岩風化残贋土お よび安山岩風化残債土それぞれの標準緬固や曲線(JIS A1210,1・1・bによる)と供試体作成点を図5− 1に示した‖ 10 20 花崗岩風化残椚士 30 含水比∽(殉 15 20 30 40 含水比抄(矧 安山岩風化残硫士 図5−1標準締固め曲線と供試体作製点 標準試料についてほ.,三軸圧縮試験の供試体と同じように締固めた後に,内径約50cm,高さ約1.9cmの円筒 に乱さないように入れて,そのまま吸水飽和させることなく遠心法によって水分保持特性を求めた 浸透試料については,締固めた後に供試体を≡制圧縮室に設置して三軸圧縮試験と同様に水を浸透させた後, 内径約50cm,高さ約19cmの円筒に乱さないように入れて,そのまま吸水飽和させることなく,遠心法によっ て水分保持特性を求めた..初期の水分条件以外は標準的な遠心法によるpF試験に準じたものと考えられる 5−1−2 実験腐臭 花崗岩風化残岩±匿ついて,pFと含水比の関係を北山土について図5−2に,大三島A土について図5−3に 示した

(33)

一 棟準 pF −−− 浸透 40 0100Pdlll ●085J)dl ◎初期含水比 川 ○浸透後含水比 20

........や

15 20 25 乾 娩 側 含水比抄伽) 10 乾 燥 側 含水比抄(%) 15 20 湿 潤 側 25 含水比抄(%) 5 10 15 湿 潤 側 含水比砂(%) 図5−2 花崗岩風化残騎士におけるpFと含水比 の関係(北山土) 図5−3 花崗岩風化残帯土におけるpFと含水比 の関係(大三島A士) いわゆるマサ土である粗粒な北山土を乾燥側で締固めた場合,供試体はpF25以下の水分をほとんど含まない が,浸透後ではpFl8以下の重力水まで大豊の水分を含むようになる」・すなわち,水の浸透によって毛管水(げ 18∼30),重力水(pFl“8以下)が大幅に増え,供試体のpF値が浸透前の25(毛管水領域)から18以下 (蛮力水領域)へと大きく低下している・ 北山土を最適含水比付近で締固めた場合,供試体は重力水をわずかしか含まないが,水の浸透によ、つて毛管水 と共虹,より低pFの重力水を含むようになる・すなわち,供試体のpF値が,浸透前後で重力水領域内で低下し ている 北山土を湿潤側で締固めた場合,供試体は蛮力水をかなり含んでおり,浸透後でも重力水が増えているのみで ある…すなわち,供試体のpF値が,浸透前後で重力水領域内で低下している・・ 細粒の花崗岩風化残債土である大三島A士を乾燥側で締固めた場合,供試体は結合水(pF4・2∼63),強結 合水(pF63以上)を主に含み,半結合水(bF30∼42)以下の水分はわずかでありpF34以下の水分をほと んど含まないが,水の浸透によってpF4。2近辺からpFl−8近辺までの広い範囲にわたって,大幅に水分を含むよ

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−32− うになるすなわち,水の浸透によって半結合水,毛管水が大幅に.増え,供試体のpF値が浸透前の半結合水領域 の3.4から毛管水領域下限の18へと大きく低下している. 大三島A土を最適含水比付近で締固めた場合,供試体は半結合水および結合水,強結合水■を主に含み,pF32 以下の水分をほとんど含まないが,水の浸透によって半結合水,毛管水が増え,供試体のpF値が浸透前の半結 合水領域の32から毛管水領域下限の18へと低下している 大三島A土を湿潤側で締固めた場合,供試体はpF22以下の水分をほとんど含まないが,浸透後ではpF30 近辺からpFl8近辺までの毛管水が増え,供試体のpF値が浸透前の毛管水領域の2・2から毛管水領域下限の1」8 へと低下している。 水主土についても,北山土,大三島A土と同様に水の浸透によって,より低pFの水分が増え,供試体のpF値 の低下が見られた. 安山岩風化残積士について,pFと含水比の関係を由良山士について図5−4に,五色台C土について図5−5 に示した 一 棟準 pF _一一 浸透 40 0100Jクdl ● 085‘〉dl ◎初期含水比 30 0浸透後含水比 標準 −−一 浸透 0100J)dl ● 085Pdl ◎初期含水比 ○浸透後含水比 30 含水比び飯) 一 標準 p万 一−− 浸透 40 0100βdO ●085pdO ◎初期含水比 30 ◎浸透後含水比 t 20 10 15 20 25 乾 燥 側 45 50 含水比び(%) 標準 −・・−一 浸透 0100βdO ● 085(〉dO ◎初期含水比 ○浸透後含水比 30 35 40 乾 燥 側 50 含水比抄(%) 30 35 40 45 最適含水比 0 55 含水比び(%) 35 40 45 5 湿 潤 側 30 35 含水比び伽) 15 20 25 湿 潤 側 図5−6 安山岩風化残帯土におけるpFと含水比 の関係(五色台C士) 図5−4 安山岩風化残債土におけるpFと含水比 の関係(由良山土)

参照

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