• 検索結果がありません。

仕上処理工程 にお ける布 の力学特性及 び風合 いの変化

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "仕上処理工程 にお ける布 の力学特性及 び風合 いの変化"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)72. 技術資料. 仕上処理工程 にお ける布 の力学特性及 び風合 いの変化. Changes. of Fabric Hand. 金沢大学教育学部. 松. 平. 光. 〃. 宮. 川. ま り 子. Mechanical. through. Properties. Finishing. 男(会 員). and. Stages. Mitsuo Matsudaira, Mariko Miyakawa Faculty of Education, Kanazawa University, Kanazawa. Abstract Basic mechanical properties and hand of fabric were pursued through a finishing process of the fabric woven from New Zealand Crossbred wool yarns by objective evaluation method using KES-FB system and following results were obtained. The fabric sampled from off loom showed hard and became harder after singeing stage in tensile, bending, shearing and compressional properties. However, the fabric became soft greatly by the next crabbing-scouring stages. The effect of the subsequent dyeing, drying, cropping, paper pressing and blowing (decatizing) stages on the mechanical properties were small. Although primary hand values and total hand value also changed remarkably by the singeing stage, they became moderate and high rank respectively by the next crabbing-scouring stage. The large change by the singeing stage was due to the cinders which remained between fibers and they were removed completely by the next crabbing-scouring stage. Surface characteristics did not correspond well with surface "prickliness". (Received June 20, 1990) 摘. 要. 目的 繊維 径 の太 いニ ュー ジー ラ ン ド産 の ク ロス ブ レ ッ ドウー ルを用 い た布 の仕上処 理 工程 の各種 段階 よ り採 取 した試 料 に つ いて,布 の力 学特 性及 び風 合 いの変 化 を,KES‑FBシ ス テムを用 いた客観 評価 法 に よ り追 跡 す る. 成 果 力学特 性 で は,引 っ張 り,曲 げ,せ ん断 及 び圧縮 の全 ての特性 において,織 り下 ろ し状 態で は剛 く,次 の毛 焼工 程 では 更 に剛 くな るが,次 の煮絨,洗 絨 工程 で は大 幅 に柔 らか くな り,そ の後 の染 色,乾 燥,せ ん毛,ペ ーパ ープ レス及 び蒸絨 工程 の 影響 は小 さい ことが明 らか とな った.基 本風 合 いや総 合風 合 い も毛 焼工 程 によ って大 きく変 化 し,KOSHIやHARIは FUKURAMIは 低 くな り,THVも 低 下す るが,次 の煮絨 洗絨 工程 によ って基 本風合 いは適度 の値 とな り,THVも. 高 く, 向上 す る こ. とが分か った.こ れ ら力学 特性 や風 合 いが毛 焼工 程 に よ って大 きく変 化す る原 因 は繊維 間 や糸 間 に残存 す る燃 えか すで あ り,こ れ は後 の工 程 で容易 に除 去 され るた め,最 終製 品 に は全 く影 響 を及 ぼ さな い ことが示 され た.布 表面 の"ち くち く感"は 表面特 性 値 とはあ ま り対応 しなか った.. 1. 緒. (平成2年6月20日. 合 い へ の 影 響 に つ い て は,こ. 言. 体 と した 報 告 が2,3あ. 受 理). れ ま で は曲 げ 特 性 を 主. るだ け で あ り1〜3),布の風 合. い ま で 客 観 的 に評 価 して い る報 告 は少 な く4),又,一. 織物 が1つ の製品 に仕 上 が るまで に は,様 々 な仕 上工程 を経 るが,一 般 にそ れ らの工程 は,布 の風合 いの向上 を 目指 して選択 されて い る.し か しなが ら. 部 の 工 程 の み に 限 ら れ て い た岡.そ. 布 の風 合 い は,必 ず し も仕上工 程 の段 階 を経 る に従 い向上 して いる とは限 らな い.各 種 仕 上工程 の布風. ッ ドウ ー ル7)を用 い た 布 を 仕 上 工 程 の 各 種 段 階 よ り. は,繊. こで本 論 文 で. 維 径 の 太 い ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド産 の ク ロ ス ブ レ. 採 取 し,基 本 力 学 特 性 及 び 風 合 い の変 化 を 川 端 ら に. T120.

(2) 73. (論 文 集)Vol.43,No.12(1990). よ り開 発 さ れ た 客 観 評 価 法8)を 用 い て 検 討 した. ク ロ ス ブ レ ッ ドウ ー ル は繊 維 径 が 太 く,"ち く感"の. ク ロ ス ブ レ ッ ドウ ー ル1本 くち. る.試 料 の 詳 細 をTable. 原 因 と な る恐 れ か ら,こ れ ま で は そ の 用 途. も カ ー ベ ッ トや 毛 布,カ. ー テ ン,手 編 み ニ ッ ト製 品. み,紳. の共. く ち く感"に. 側 に は メ リ ノ ウ ー ル が 多 く現. が多 く現 れ,裏. 2.2. 士 用 夏 服 地 と し て 既 に実 用 段 階 に ま で 達 して も"ち. ウ‑ル. びPuriperaの. 各 試 料 採 取 段 階 をFig. 2に 示 す。. ロ ス ブ レ ッ ド ウ ー ル を 用 い た 研 究 開 発 が進. い る9,10).そ こで,最. の構 造 をFig.. 場 合,表 側 に ク ロ ス ブ レ ッ ド. Tropical及. 内 に あ る風 合 い 計 量 と規 格 化 研 究 委 員 会(HESC) と ニ ュ ー・ジ ー ラ ン ド羊 毛 研 究 所(WRONZ)と. 1に 示 し,布. 1に 示 す.Puriperaの. れ て い る.. 等 に 限 られ て い た7).し か し最 近,日 本 繊 維 機 械 学 会. 同 で,ク. の 割 合 で交 織 さ れて い. 関係 が あ る. 方. KES‑FBシ. と 思 わ れ る表 面 特 性 につ いて は,詳 細 に検 討 し た.. 張 り特 性,曲. 法 ス テ ム の 標 準 条 件8)に よ り,布 げ 特 性,せ. ん 断 特 性,圧. の引 っ. 縮特性 及 び表. 面 特 性 を 測 定 し,各 々 の 特 性 値 を 求 め た.特 性 値 の 2.. 実. 2.1. 試. 験 料. ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド羊 毛 研 究 所(WRONZ)よ. り夏. 用 紳 士 向 け ス ー ッ 地Tropical(ト ロ ピカ ル)及 び オ ー ル シ ー ズ ン用 婦 人 向 け ス ー ツ 地Puripera(プ リ ペ ラ)の2種. 類 の 布 を,各 種 仕 上 工 程 を 経 る ご と に. 1枚 ず つ 入 手 した.試 料 の大 き さ は,KES‑FBシ テ ム11)によ り基 本 力 学 特 性 の す べ て を1枚 能 な 寸 法(20cm×20cm)と. ス. で計測 可. し,布 の最 も平 均 的 な. 中 央 部 位 よ り採 取 した.Tropicalは. 縦 糸 に22μm. の メ リ ノ ウ ー ル,横 糸 に メ リノ ウー ル と35μmの. ク. ロ ス ブ レ ッ ド ゥ ー ル と の 混 紡 糸 を 使 っ て お り, Puriperaは. 縦 横 と もに メ リノ ウ ー ル3本. Table. *. measured. under. the. Fig.. に対 して,. pressure. 1. Details. 49. of. Pa.. T 121. I. Structure diagram era fabric.. Samples. of Tropical. and. Purip-.

(3) 繊維機械学会誌. 74. Tropical. Value=HV)を. Fabric. 変 換 式 に よ っ て算 出 し,最 後 に 基 本. 風 合 い値 か ら,布 の 品 質 が5段 布 の総 合 風 合 い 値(Total 出 し た8).Tropicalに. 階 に等級 付 け され る. Hand. Value=THV)を. つ い て はKN‑101‑S式. 算 を用. い て 夏 用 基 本 風 合 い 値,KOSHI(Stiffness),SHARI (Crispness),HARI(Anti‑drape FUKURAMI(fullness Puriperaに. stiffness)及. and. つ い て は,オ. softness)を. び. 求 め た.. ー ル シー ズ ン用 ス ー ツ 地. で あ る た め,夏 用 の 他 に 冬 用 基 本 風 合 い 値,KOSHI, NUMERI(Smoothness)及 Fig.. 2. The finishing stages of Tropical ipera from which fabric samples out.. and Purare taken. 101‑W式. びFUKURAMIをKN‑. を 用 いて 算 出 した.総. に は夏 用KN‑301‑S式. 合 風 合 い 値 の計 算. 及 び冬 用KN‑301‑W式. を. 用 い た. 詳 細 をAppendixに (強)ま. 示 す.次. に,ゼ. ロ(弱)か. 表 面 特 性 に っ い て は,布. ら10. て も考 察 す る た め,標. で の数 値 で 表 さ れ た 基 本 風 合 い値(Hand. Appendix. Descriptions. of. Mechanical. 1122. Characteristic. の"ち. くち く感"に. つい. 準 条 件 よ り も荷 重 の 小 さ な 条. Values.

(4) 75. (論 文 集)Vo1.43,No.12(1990). 件 下 で 検 討 した.平 (MMD)に. 均 摩 擦 係 数(MIU)と. つ い て は,KES‑SEを. その変動. 用 い,接 触 子 の 荷. 重;0.04,0.09,0.25,0.49N(標. 準 条 件)条. 測 定 した.表 面 粗 さ(SMD)に. 件下で. つ い て は,KES‑FB. 4を 用 い,接 触 子 の 荷 重;0.01,0.02,0.05,0.10 (標 準 条 件)条. N. 件 下 で 測 定 した.̀. 測 定 は す べ て20. ± 1℃,65. ± 1%RH条. 件下. で 行 った.. 3.. 結. 3.1. 果. 基本力学特性. 3.1.1. 4. Mechanical ing property. characteristic for Tropical. values fabric.. of bend-. Fig.. 5. Mechanical ing property. characteristic for Tropical. values fabric.. of shear-. 引 っ張 り特 性. 引 っ張 り特 性 よ り求 め たTropicalの 果 をFig.3に. 示 す.直 線 性(LT)は. 特 性 値 の結. その値 が小 さい. ほ ど伸 び 柔 らか い と考 え られ る た め,毛. 焼 きに よ り. 布 は伸 び 剛 く な るが,そ. 絨 工程 で伸. の後 の 煮 絨,洗. び 柔 らか くな っ て い る こ と が 分 か る.LTは. 染 色,. 乾 燥 工 程 に よ っ て も若 干 小 さ くな る が,そ. の後 の せ. ん 毛,ペ. Fig.. ー パ ー プ レス,蒸 絨 工 程 の影 響 は ほ とん ど. 認 あ られ な い.回 復 性 を 示 す レ ジ リエ ンス(RT)は 毛 焼 き に よ り若 干 減 少 す る が,次 で増 大 して お り,布. 後 の 工 程 に よ る変 化 は小 さ い.引 (WT)は. 絨 工程 の. っ張 り エ ネ ル ギ ー. 各 種 仕 上 げ 段 階 を 経 る ご と に 上 昇 す る傾. 向 が あ り,特 る.LTが. の 煮 絨,洗. の 弾 力 性 は回 復 して い る.そ. に,染 色,乾. 一 定 でWTが. 燥 後 に 大 き く上 昇 して い. 大 き くな る こ と は 布 が 伸 び. 柔 ら か くな る こ とを 意 味 して お り,染 色,乾. 燥 工程. で 同 様).. や 最 後 の 蒸 絨 工 程 に よ って も布 が 伸 び 柔 らか く な る こ と を 示 して い る.Puriperaの ほ ぼ 同 様 で あ っ た た め,省. 3.1.2. 結 果 はTropicalと. 曲げ特 性. 曲 げ 特 性 よ り求 め たTropicalの. 略 す る(以 下 圧 縮 特 性 ま. Fig.4に. 示 す.織. (B)も. 特 性 値 の結 果 を. り下 ろ しの 状 態 の 布 は 曲 げ 剛 性. ヒス テ リシ ス(2HB)も. 大 き い が,両 者 と も. 毛 焼 工 程 に よ り更 に増 大 して い る.し. か し,次 の 煮. 絨 や 洗 絨 工 程 で 両 者 と も大 幅 に 減 少 し,例 え ばBは 60%に. な り,2HBは25%に. な って い る.こ. 絨,洗. 絨 工 程 に よ り布 が 曲 げ 柔 らか く弾 力 的 に な っ. て い る こ と を 示 し て い る.そ ん 毛,ペ. ーパ ー プ レス,蒸. に は現 れ ず,Bや2HBは 3.1.3. の 後 の 染 色,乾. れ は煮. 燥,せ. 絨 工 程 の 影 響 は 曲 げ特 性 同 様 な 値 を 示 した.. せ ん断 特性. Tropicalの. せ ん 断 の 特 性 値 をFig.5に. 示 す.せ. ん 断 特 性 は 曲 げ特 性 と同 様 な傾 向 を 示 し,せ ん 断 剛 性(G),ヒ Fig.. 3. Mechanical property. characteristic for Tropical. values. ス テ リシ ス(2HG,2HG54と. もに織. り下 ろ し状態 で は大 き く,毛 焼 きに よ り大 幅 に増 大. of tensile. し,煮 絨,洗 絨工 程 で大幅 に減 少 して い る.布 が煮. fabric.. T123.

(5) 繊 維 機 械学 会誌. 76. Fig.. 6. Mechanical. characteristic. pressional 絨,洗. property. 絨 工 程 に よ っ て,せ. values. for Tropical. Fig.. of com-. 7. Frictional coefficient (MIU) of Puripera (face side) fabric at various contact force.. Fig. 8. Mean deviation of MIU (MMD) of Puripera (face side) fabric at various contact force.. Fig. 9. Geometrical roumhness (SMD) of Puripera (face side) fabric at various contact force.. fabric.. ん 断 柔 らか く弾 力 的 に な. って い る こ と を示 して い る.三 者 と も次 の 染 色,乾 燥 工 程 で も若 干 減 少 す る が,そ. の 後 の 工 程 で の変 化. は 認 め ら れ か な っ た. 3.1.4. 圧 縮特性. 圧 縮 特 性 よ り求 め たTropicalの Fig.6に. 示 す.直 線 性(LC)が. 特 性 値 の結 果 を. 毛 焼 工 程 後 増 大 して. い る こ とか ら,毛 焼 き に よ っ て布 は圧 縮 硬 く な って い る こ とが 分 か る.し か しそ の 後 の煮 絨,洗 でLCは. 絨工 程. 減 少 し,圧 縮 軟 らか くな って い る こ と が 示. さ れ た.そ. の 後 の 工 程 に よ る変 化 は少 な か っ た.圧. 縮 変 形 か らの 回 復 性 を意 味 す る レ ジ リエ ン ス(RC) は,工 程 を 経 る こ と に よ る大 き な 変 化 は認 あ ら れ な か っ た.圧 縮 エ ネ ル ギ ー(WC)は. 織 り下 ろ し状 態 と. 毛 焼 き後 の 布 が 大 き な値 を 示 した が,そ. の 後 は工 程. 段 階 の 影 響 は そ れ ほ ど受 け て い な い. 3.1.5表. 面 特性. 表 面 特 性 につ い て はTropical,Puripera(表 及 びPuripera(裏. 側)の3種. 側). 類 につ い て,接 触 子 の. 荷 重 を 変 化 させ て 仕 上 工 程 の 影 響 を 調 べ た が,3種 類 と も同 様 な 傾 向 を 得 た の で,Puripera(表. 側)の. 結 果 の み を 示 す.こ. れ はPuripera(表. 布表 面. の"ち. も強 く,主 観 評 価 に よ る"ち. くち く感"最. ち く感"の. く. 判 定 結 果 の 信 頼 性 が最 も高 か っ た か らで. あ る12).MIU,MMD,及 7,8,9に. 側)の. びSMDの. 結 果 を 各 々Fig.. 示 す.MIUは. 仕 上工 程 の段 階 を経 る ご. と に 若 干 減 少 し た.接. 触 子 の 荷 重 が 小 さ い方 が. MIUの. 値 は大 き く な り,段. 階 に よ る変 化 も よ り顕. 著 で あ っ た.MMDも. 接 触 子 の荷 重 が 小 さ い 方 が 大. き な 値 を 示 した が,段. 階 を経 る こ と に よ る変 化 は 認. 1124.

(6) (論 文 集)Vol.43,No.12(1990). 77. 程 で 小 さ く な り,そ. れ以 後 の 工 程 で は適 度 な 値 を 示. して い る.FUKURAMIに. つ い て は,織. 毛 焼 き後 は低 い値 を 示 す が,そ. り下 ろ し,. の後 の工程 で増加 し. て い る.TropicalのFUKURAMIは. 最終 仕上 げ後. も若 干 低 い 値 を 示 して い る が,特. に毛 焼 き後 の減 少. が 大 き い. Puriperaを. 冬 用 ス ー ツ地 と して 考 え た 場 合 の 基. 本 風 合 い をKN‑101‑W式8)を 結 果 をFig.12に. 示 す.夏. る 変 化 は少 な い が,KOSHIは. 用 い て 算 出 し,そ. の. 用 の場合 に比 べ段階 に よ 段 階 を 経 る ご と に減. 少 し,適 度 の 値 を 示 す よ うに な って い る.NUMERI は 織 り下 ろ し,毛 焼 き 後 で 小 さ な 値 を 示 し て い る Fig.. 10. Primaxy obtained. hand values of Tropical from KN-101-S equation.. fabric. が,そ. の 後 の 工 程 で 増 加 して い る.. 3.3. 総 合 風 合 い値. 基 本 風 合 い 値 を用 い て 算 出 した 総 合 風 合 い 値 (THV)の. Fig.. 11. Primary obtained. hand values of Puripera from KN-101-S equation.. め られ な か っ た.SMDはMIU同. 示 す.Tropicalに. はKN. fabric. Fig.. 12. Primary obtained. Fig.. 13. Total hand values of Tropical fabric obtained from KN-301-S equation and Puripera fabric from KN-301-S and KN-301W.. 様 段階 を経 る ごと. に減 少 す る傾 向 を 得 た が,MIUと. 結 果 をFig.13に. hand values of Puripera from KN-101-W equation.. fabric. は異 な り,荷 重 の. 大 きな 標 準 条 件 の 場 合 最 も顕 著 な 差 が現 れ た. 3.2. 基 本 風 合 い値. KN‑101‑S式8)を Puriperaの KOSHI及. 用 い て 算 出 し たTropical及. 基 本 風 合 い値 をFig.10及 びHARIは. び11に. 織 り下 ろ し状 態 か ら高 い値 を. 示 し,次 の毛 焼 工 程 で 更 に増 大 す る が,そ 絨. び 示 す.. の後 の煮. 洗 絨 工 程 で減 少 して い る.PuriperaのKOSHI. 及 びHARIは. 最終 仕 上 げ段 階 後 も大 きな値 を 示 し. て い る が,Tropicalで. は適 度 の 中 間 的 な値 とな っ. て い る.TropicalのSHARIは. 他 の 基 本 風 合 い に比. べ て 変 化 は 小 さ く織 り下 ろ し状 態 か ら中 間 的 な 値 を 示 し て い る.PuriperaのSHARIは 態,毛. 焼 後 で 大 き な値 を 示 す が,次. 織 り 下 ろ し状 の煮 絨,洗. 絨工. T 125.

(7) 繊 維 機 械 学 会 誌. 78. ‑301‑S式8)を. 用 い,Puriperaに. 及 びKN‑301‑W式8)を 布 のTHVは. はKN‑301‑S式. 用 い た.織. 低 いが,次. の 毛 焼 工 程 に よ り更 に 低 い. 値 に 減 少 して い る.し か し,そ 程 に よ りTHVは. の 後 の煮 絨,洗. 大 幅 に 向 上 して い る.こ. 布 の 品 質 と して は"Average"か. 絨工. の段 階 で. ら"Good"の. に 入 っ て い る と 考 え ら れ る.そ THVの. り下 ろ し状 態 の. 範 囲8). の 後 の工 程 で は. 変 化 は小 さ い.. Puriperaは がTHVは. 夏 用 と 考 え る よ り も冬 用 と 考 え た 方. 高 い 値 を 示 して い る.こ. が 日本 の 夏 用 と して は布 が 厚 く,重 びHARIが. れ はPuripera く,KOSHI及. 大 きす ぎ る た め で あ ろ う.ニ ュ ー ジ ー ラ. ン ドの 夏 は 涼 しい た め に オ ー ル シ ー ズ ン用 と考 え ら れ るが,日. 本 で は む しろ 秋 ・冬 用 の 中 に 入 る と考 え. られ る. 4.. 結 果 の ま と め 及 び 考 察. 布 の 仕 上 処 理 工 程 の 各 種 段 階 よ り採 取 し た 試 料 に つ い て 基 本 力 学 的 特 性 を 測 定 した結 果 ,引. っ 張 り,. 曲 げ,せ ん 断 及 び圧 縮 の 全 て の 特 性 に お い て,織. Fig.. り. 14. 下 ろ し状 態 で は 剛 く,次 の 毛 焼 工 程 で は更 に 剛 くな るが,次. の 煮 絨,洗. とが 示 さ れ た.そ 程,ペ. Surface appearances of sampled from Off Loom, and After Scouring.. Tropical fabric After Singeing. 絨 工 程 で 大 幅 に柔 らか くな る こ. の 後,染. ー パ ー プ レス,蒸. 色,乾. 燥 工 程,せ. ん毛 工. 絨 工 程 と経 る に 従 い,布. 力学 特 性 値 は若 干 増 減 す る が,基 化 は しな い こ と が 示 さ れ た.基. な も の で あ り,次 の 煮 絨,洗. 絨 工 程 で 力 学 特 性 も風. の. 合 い も容 易 に 回 復 す る た め,毛. 焼 工 程 を 否 定 す る理. 本 的 に は大 き く変. 由 に は な ら な い 。 特 に煮 絨,洗. 絨工 程 に よ ってすべ. 本風合 い値 や総合 風. て の 力 学 特 性 が 大 幅 に 柔 らか くな る 原 因 と して は,. 合 い 値 も力 学 特 性 と 類 似 した 傾 向 を示 し,毛 焼 工 程. 上 記 の 燃 え か す 以 外 で は,熱 水 処 理 に よ る羊 毛 繊 維. に よ っ て,KOSHI,HARIは. の 膨 潤― 収 縮 作 用 な ど に よ り,繊 維 間 や 糸 間 の相 互. 低 くな り,そ に続 く煮 絨,洗. 高 く,FUKURAMIは. の 結 果 布 の 品 質 が 落 ち る が,毛 焼 き後. 作 用(接. 絨 工 程 に よ り布 の 品 質 は 大 幅 に向 上. す る こ と が 示 され た.布. の 基 本 力 学 特 性 も風 合 い も. 毛 焼 工 程 に よ って 最 も大 き く変 化 す る た め,こ. の工. 程 の 前 後 に お け る布 の 表 面 を 顕 微 鏡 で 観 察 した.織. 示 す が,毛. 焼 き後 の布 の 糸 間. や 繊 維 間 に 多 量 の 黒 い燃 え か す が 認 め ら れ た.毛. 焼. き後 の布 が 特 に 曲 げ 剛 く又 せ ん 断 剛 くな っ て い る の は,こ. か く な って い る.ク. 主. 観 的 に 追 跡 した試 料 で あ り,特 にPuripera(表. 側). に つ い て は判 定 者 間 の 一 致 性 係 数3)が 高 く(有. 意水. こ で 表 面 特 性 と"ち. くち く感"と. え て み る.MMDは. 接 触 子 の 荷 重 を 変 化 させ て も仕. くち く感"と. の 燃 え か す は 煮 絨 や洗 絨. 工 程 に よ り容 易 に 除 か れ る た め,そ. く ち く感"を. の対 応 につ いて考. 上 げ 段 階 に よ ら ず ほ ぼ 一 定 の 値 を 示 して お り,"ち. の 燃 え か す が 繊 維 の 柔 らか い変 形 を妨 害 して. い る た め と 考 え られ る.こ. 減 少 す る点 が 考 え られ る.. 準;0.1%),仕 上処理 工程 段階 を経 るに従 い布 の "ち くち く感"は 減 少 す る こ とが 分 か って い る12).そ. り下 ろ し,毛 焼 き後 及 び 煮 絨,洗 絨 後 のTropicalの 表 面 写 真 をFig.14に. 触 圧 力)が. 今 回 使 用 した試 料 は 布 表 面 の"ち. は対 応 して い な い.MIUに. 接 触 子 の 荷 重 が小 さ い(標. の後 の布 は柔 ら. を 経 る に 従 い減 少 す る傾 向 を 得,"ち. ロ ス プ レ ッ ドウ ー ル を用 い た 布. つ い て は,. 準 条 件 の1/10)時. や や 対 応 して い る(r=0.83,有. に段 階. く ち く感"と は. 意 水 準;5%).. で は 径 の 太 い 繊 維 が布 表 面 か ら数 多 く突 出 して い る. SMDに. た め,布. 件)場 合 に 段 階 を 経 るに 従 い減 少 す る傾 向 を 得,"ち. の"ち. くち く感"を. 除 く た め毛 焼 工 程 は な. つ い て は,接. くて は な ら な い 工 程 で あ ろ う.毛 焼 工 程 に よ り布 は. く ち く感"と. 剛 くな り風 合 い も極 端 に 低 下 す るが,そ. 5%).し. れは一 時的. T126. 触 子 の荷 重 が 大 き い(標. は や や 対 応 した(r‑0.86,有. 準条. 意 水 準;. か しな が ら,織 り下 ろ し状 態 や 毛 焼 き後 の.

(8) (論 文 集)Vol.. 布 は"ち. 43, No.. く ち く感"と. 12. (1990). 79. は無 関 係 に 他 の 布 に 比 べ て 表. 変化 す る原因 は繊維 間 や糸間 に残存 す る燃 え. 高 くな る. かす で あ り,こ れ は後 の工程 で容 易 に除去 さ. こ とが 予 想 さ れ る の で,必 ず し も布 の"ち く ち く感". れ るた め,最 終 製 品 には全 く影響 を及 ぼ さな. と対 応 して い る と は 結 論 し難 い.KES‑FBシ. い.. 面 状 態 は粗 く,そ. の 結 果MIUもMMDも. の 表 面 試 験 機 で は布 の"ち. く ち く感"の. ステ ム 評 価 は難 し. く,そ れ を 評 価 す る に は,突 出 繊 維1本1本. (4) 布表面 の"ち くち く"感 は表面 特性 値 とはあ. が皮 膚. ま り対応 しない.. に 及 ぼ す 力 を 検 出 可 能 な 新 しい 評 価 法12)が必 要 と思. 謝 辞:KES‑FBシ. わ れ る. 5.. ス テ ム を拝借 した石 川 県 工 業 試. 験 場(繊 維 部)に 深 く感謝 申 し上 げ る. 結. 文. 論. 献. 1) P. Grosberg. 布 の 仕 上 処 理 工 程 の 各 種 段 階 よ り。 採 取 した 試 料 に. and N. M. Swani ; Text. Res. J., 36, 338. (1966). つ い て,布. の基本 力学特 性及 び風合 いの変化 を. 2) 松 尾 達 樹;繊. 機 論 文 集,2,(11),T260(1968). KES‑FBシ. ス テ ム を 用 い た 客 観 評 価 法 に よ って 追. 34小. 維 と工 業,3(1),69(1970). 4) R. C. Dhingra, D. Liu and R. Postle ; Proceed. Advanced Workshop, Christchurch, N. Z., Text. Inst. U. K., p. 306. 跡 した と こ ろ,以 下 の 結 論 が 得 られ た. (1)引. っ張 り,曲. げ,せ. 性 に お い て,織. ん 断 及 び 圧 縮 の全 て の特. (1988) 5) E. Finnimore ; Proceed. 1st Japan-Australia Sympo., Kyoto, J. Text. Mach. Soc. Japan, p. 273 (1982). り下 ろ し状 態 で は剛 く,次 の. 毛 焼 工 程 で は 更 に 剛 くな る が,次. の煮 絨,洗. 6) A G. De Boos ; ibid, p. 285 (1982). 絨 工 程 で は大 幅 に 柔 らか くな り,そ の 後 の染 色,乾. 燥,せ. ん 毛,ペ. 7) 松 平 光 男;繊. ー パ ー プ レ ス及 び蒸 絨. 大 き く変 化 し,KOSHIやHARIは. の 煮 絨,洗. (3)力. 高 く,. 低 くな り,THVも. 低下 す る. 9) 川 端 季雄;繊. 維 工 学,40(2),P66(1987). 10) 川 端 季雄;繊. 維 工 学,41(5),P332(1988). 11) 川 端 季雄;繊. 維 工 学,26(10),P721(1973). 12) M. Matsudaira, Inst. in press.. 絨 工 程 に よ って 基 本 風 合 い. は適 度 の値 と な り,THVも. 合 い評 価 の標 準 化 と解 析,第2版",日. 本繊. 維 機械 学 会,(1980). (2) 基 本 風 合 い や 総 合 風 合 い も毛 焼 工 程 に よ って. が,次. 維 工 学,42(1),P23(1989). 8) 川 端 季 雄;"風. 工 程 の 影 響 は小 さ い.. FUKURAMIは. 川 明 宏;繊. J. D. Watt and G. A. Carnaby. ; J. Text.. 13) M. J. Moroney ; "Facts from Figures", Pengres", Penuin,. 向 上 す る.. p. 334 (1985). 学 特 性 や 風 合 い が毛 焼 工 程 に よ って 大 き く. T127.

(9)

参照

関連したドキュメント

Then, the existence and uniform boundedness of global solutions and stability of the equilibrium points for the model of weakly coupled reaction- diffusion type are discussed..

– There are growing numbers of repositories for research data and it’s possible an author’s or editor’s preferred repository is not listed by Springer Nature, FAIRsharing

Double rotational surfaces are on the one hand studied as a continuation of the research on twisted surfaces in 3-space, see [4] and the references therein, and on the other hand

一方、Fig.4には、下腿部前面及び後面におけ る筋厚の変化を各年齢でプロットした。下腿部で は、前面及び後面ともに中学生期における変化が Fig.3  Longitudinal changes

最近の電装工事における作業環境は、電気機器及び電線布設量の増加により複雑化して

Abstract:  Kumamoto  castle  of  stone  walls,  received  a  total  of  30%  of  the  damage  by  the  2016  earthquake  Kumamoto.  On  the  other  hand, 

Abstract:  Kumamoto  castle  of  stone  walls,  received  a  total  of  30%  of  the  damage  by  the  2016  earthquake  Kumamoto.  On  the  other  hand, 

The all NPN output stage, characterized by no deadband crossover distortion and large output voltage swing, provides high capacitance drive capability, excellent phase and gain