○ 乾 燥 側 Ql:殴適含水比
● 湿 潤 側
ー・1●−・−・
卜=詮議ゴ
室04
l l
′鮨≡ニ l
標準 一−−− 浸透
○ 乾 燥 側
○ 最適含水比
● 湿 潤 側
囲5−12 花崗岩風化残療土における内部摩擦係数と乾燥密度の関係(全応力解析)
−40一
北山土では,水の浸透によって内部摩擦係数が低下する傾向が見られる・特に,乾燥側で紆固めた場合には,
浸透による内部摩擦係数の低下が著しい
水主土では,水の浸透に・よって内部摩擦係数が大きく低下している
大三島A土の乾燥側,最適含水比付近では,水の浸透によって内部摩擦係数が大きく低下する・湿潤側で締固 めた場合では,水の浸透による内部摩擦係数の低下ほ見られない・
花崗岩風化残債士3供試土共に,粘着力と同様に締固め含水比の違いによる内部摩擦係数の差が水の浸透によ
って縮まる傾向を示している
安山岩風化残積士について,内部摩擦係数と乾燥密度の関係を図5 ̄13に示した
標準
−−一 浸透
○ 乾 燥 側
○ 最適含水比
● 湿 潤 側
標準
−−− 浸透
○ 乾 燥 側
○ 澱適含水比
● 湿 潤 側
内部摩擦係数
04
13 14
乾燥密度軸(g舟)
囲5−13 安山岩風化残街土における内部摩擦係数と乾燥密度の関係(全応力解析)
由良山土では,乾燥側,最適含水比付近で柿間めた場合,水の浸透によって内部摩擦係数が大きく低下してい る
五色台C土では,乾燥側および最適含水比付近,湿潤側を問わず,水の浸透によって内部摩擦係数が大きく低 下している
鷲ノ山土でほ,乾燥側,最適含水比付近で締固めた場合でほ,水の浸透によって内部摩擦係数が大きく低下し ている
花崗岩風化残帯土と同様に,これらの安山岩風化残帯士3供試士共に,締固め含水比の違いによる内部摩擦係 数の差が,水の浸透によって縮まる懐向が見られる
花崗岩風化残帯士について,粘着力と自由水量の関係を図5−14に示した.
一乾 燥 側 一最適含水比
・一湿 潤 側
0
d
浸透1−00 )d
浸透085βd 払、
荘声;
疇・Cu o。2
(kg呵
0 6 7 8
自由水星∠抄匝)
1 2 3 4 5
一乾 燥 側
−一最適含水比
−−湿 潤 側 0 標準100J)d
♂ 標準085 )d
● 浸透1 00βd
■ 浸透085βd
6 8
自由水温加畑)
2 4
大三島A土 10
乾毅湿 側比側祀軸視軸 潤
燥〇8
樋−′一準準透透
一..
00 粘着力Cu 標標浸浸 Od●■
g
k
./.\ 4 2 0 0
6 8
自由水丑』抄伽)
図5−14 花崗岩風化残群士における粘着力と自由水鼻の関係
いわゆるマサ土である北山士では,乾燥側で乾燥密度の小さい場合を除いては,水の浸透によって自由水急が 増加しても,粘着力の低下ははとんど見られない
水主土では,乾燥側では水の浸透による自由水量の増加によって,粘着力が大きく低下する・しかし,湿潤側 ではほとんど低下しない
細粒の大三島A土では,主に水の浸透による自由水量の増加によって,乾燥側および最適含水比付近,湿潤側
−42−
を問わず,粘着力が大きく低下する
安山岩風化残債土について,粘着力と自由水量の関係を図5−15,5−16に示した.
一乾 燥 側
−一最適含水比
−・一湿 潤 側 0 標準1.00J)d び 標準0防βd
● 浸透100βd
■ 浸透085βd
0 2 6 8
自由水魚∠抄(%)
・−・一
= 乾 燥 側 最適含水比
_._._湿 潤 側
粘着力Cu 粗相祀由 00850085 1010 準準遼遠 標標浸浸 Od●■
8 6 0 ト 0
. g k ︵
6 8
自由水島∠ね(%)
0 2 4
図5−15 安山岩風化残療土における粘着力と自由水量の関係
ー
−−一 乾 燥 側
−・一一 億適含水比 湿 潤 0 標準1 00βd
♂ 標準085」叱
● 浸透1い00βd
■ 浸透085 〉d
囲5−16 安山岩風化残療土における粘着力と自由水量の関係
安山岩風化残培土3供試士共に,水の浸透による自由水量の増加によって,乾燥側および最適含水比付近,湿 潤側を問わず,粘着力が急減している
花崗岩風化残黄土匿ついて,内部摩擦係数と自由水盛の関係を図5−17に示した
08 内 靂06 擦
豪04
tanメ■u O‖2
0
0 2 4 6 8
自由水魚∠ぴ(幻
水主土 \.
一 丸 内部摩擦係数an t ●.ノ樋墓 側比例視軸祀由 潤 燥 準準遼遠 標標浸浸 0ぴ●■
6 8
自由水量∠ぴ(%)
大三島A土
内部摩擦係数扉
t
a
側比側閃ぬ由由 潤
焼〇8
適ゝ一準準透透 = 最 浸浸 乾湿6 4
0 0 標標 0α●■
0 2 4 6 8
自由水最』∽(吟
図5−17 花崗岩風化残債士における内部摩擦係数と自由水盛の関係
いわゆるマサ土である北山士でほ,水の浸透による自由水量の増加によって,内部摩擦係数が低下している.
特に,乾燥側では大量の自由水晶の増加によって,内部摩擦係数が大きく低下する
水主土,大三島A土では,主に水の浸透による自由水星の増加によって,乾燥側および最適含水比付近,湿潤 側を問わず,内部摩擦係数が大きく低下してゆく
安山岩風化残帯土について,内部摩擦係数と自由水量の関係を図5−18に示した
由良山土では,乾燥側,最適含水比付近で締固めた場合,水の浸透による大量の自由水畳の増加によって,内 部摩擦係数が大きく低下している
五色台C士では,乾燥側および最適含水比付近,湿潤側を問わず,水の浸透によって内部摩擦係数が大きく低 下している
驚ノ山土では,乾燥側,最適含水比付近で締固めた場合に,水の浸透による大量の自由水盛の増加旺よって,
内部摩擦係数が大きく低下している
44
08 由良山士
6 4 0 〇 苑
内部摩擦係数軋 t
∵ −−一 乾 燥 側
−・−・一 点適含水比 湿 潤 側 0 標準100食1 び標準085軸
● 浸透100軸
●一 ●一浸透085軸
6 4 2 0 0 0
u 〆 内部摩擦係数an
t
標準1.00 相掲掲相 Od●す 505 000︵l′0 01∩− 準透透 標浸浸
図5−18 安山岩風化残積土における内部摩擦係数と自由水盈の関係
供試体のpF偲が,浸透前で既に自由水領域内にあることが多く,また浸透後では自由水領域でも低pFの重 力水領域内に低下することが多いこと,弊断強さが,供試体のもっとも強度的に弱い部分によって,ほぼ定まる ことから,結合水畳,半結合水盛が粘着力,内部摩擦係数に及ぼす影響については,本章の実験では明らかに・で
きなかった
5−3 考 察
粗粒な北山土のような,いわゆるマサ土の透水係数は10 ̄4cm/ぺ程度であり,−・九安山岩風化残帯士の透水 係数は10−6cm/る程度を示しており,かなりの違いのあることがわかる
北山土のような比較的粗粒な花崗岩風化残帯士,いわゆるマサ土を乾燥側で締固めて水を浸透させると,自由 水(毛管水,畳力水)が大幅に増盈し,それに伴って供試体のpF値が,浸透前の毛管水領域の25から重力水領 域の18以下へと大きく低下する・その結果,前節の図5−10,5−12で示したように粘着力,内部摩擦係数が 半減すると考えられる
大三島A土のような,比較的細粒な花崗岩風化残帯土についても,乾燥側で締固めるはど,水の浸透によって,
より低いpF値の水分(主に毛管水)が大幅に増え,それに伴って供試体のpF値が,浸透前の半結合水領域から 毛管水領域へと大きく低下するりその結果,前節の図5−10,5−12で示したように粘着九内部摩擦係数が大
きく低下し,乾燥密度の小さい場合には,両者の値ほそれぞれ20〜30%にまで低下すると考えられる.
花崗岩風化残横土に比べて,粘性土的性質の琴い安山岩風化残帯土では,締固め含水比の多少にかかわらず,
水の浸透によって,半結合水以下の水分が大幅に増え,それに伴って供試体のpF値も,浸透前の毛管水領域から 重力水領域へと大きく低下している..その結果,前節の図5−11,5−13で示したように,粘着九 内部摩擦係 数がかなり低下していると考えられる
特に,五色台C土のような,モソモリロナイトを多く含む粘性土的性質の強い安山岩風化残債土では,水の浸 透によって粘着力が大幅に低下し,そのほとんどを失う場合もある;また,水の浸透によって内部摩擦係数もほ ぼ半減し,乾燥密度の小さな場合には,その値ほ20〜30%までに低下することもありうる.
由良山士のような,カオリン鉱物(カオリナイトなど)を含む安山岩風化残債士でほ,モンキリロナイトを含 む土ほどにほ水の浸透の影響を受けないが,それでも粘着力の値は20〜40%にまで低下する.また,内部摩擦係 数も水の浸透によって,60〜80%にまで低下すると考えられる
いわゆるマサ土である北山士を最適含水比付近,一湿潤側で締固めた場合,および水主士を湿潤側で締固めた場 合,浸透による低pF水分の増加が比較的少なく,供試体のpF値も重力水領域内で埠較的小さく低下している・
その結果,前節の図5−10,5−12で示したよぅに,浸透による粘着力の低下は見られず,主に・内部摩擦係数の 低下のみ生じ
また,大三島A土,由良山土を湿潤側で締囲めた場合,水の浸透による低pF水分の増加が比較的少なく,供試 体のpF値の低下も比較的小さいいその結果,前節の図5−10,5−11で示したように,水の浸透によって主に粘 着力の低下が見られたと考えられる
一・般に,安山岩風化痍積土は,花崗岩風化残債土に比べて浸透による粘着力の低下度合が大きいと考えられる 以上から,いわゆるマサ土に.よる盛土の勇断強さは,雨水,地下水の浸透によって低下すると言える・特に,
最適含水比よりも乾いた状態の時に雨水などの浸透がある場合はう勢断強さがはぼ半減する.
それゆえ,マサ士によるフィルダムの盛土工に.おいては,最適含水比よりも湿潤側で施工するのが望ましい また,盛土表面からの水の浸透を遮断することが最も望奏である… このため,速水性に富み,漏水しても自癒 作用があり,且つフレキシビリティに.富み,盛土の沈下に追従できるアスファルトによる被覆工法が,今まで以 上に注目される
また,水の浸透によって,大畠に増加する自由水(主に蛮力水以下の水分)を排除するためのドレ・−ソの重要 性が再認識される
マサ土によって造成された農地においても,水の浸透によって大量忙増加する自由水(主に重力水以下の水分)
を排除するための暗渠などの重要性が再認識される
安山岩風化残斎土の労断強さは,雨水,地下水の浸透に・よって大きく低下し,また,暗渠などで排除できない 半結合水から毛管水にかけての水分を大袋に含むようになるので,盛土材料としては適しているとは言え・ない・
しかし,浸透能が低いことからフィルダムのコア用土としては適していると言える・