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Title
歯周病学講座ポストグラデュエートコース第19期生に
よる症例提示−咬合性外傷を伴う中等度広汎型慢性歯周
炎に対し局所抗菌療法と歯周外科治療を行った一症例−
Author(s)
武内, 崇博; 石井, 善仁; 太田, 功貴; 鈴木, 瑛一; 齋
藤, 淳
Journal
歯科学報, 116(5): 404-404
URL
http://hdl.handle.net/10130/4117
Right
Description
404 学 会 講 演 抄 録
№42:歯周病学講座ポストグラデュエートコース第19期生による症例提示
-咬合性外傷を伴う中等度広汎型慢性歯周炎に対し局所抗菌療法と歯周外科治療を行った一症例-
武内崇博,石井善仁,太田功貴,鈴木瑛一,齋藤 淳(東歯大・歯周)
目的:嘔吐反射による口腔清掃困難者の中等度広汎
型慢性歯周炎に対し,局所抗菌療法と歯周外科治療
を行い良好な結果を得た一症例を報告する。
症例(事例):
1.初診時(2013年12月13日)
患者は57歳の女性。上顎左側臼歯部歯肉の違和感
を主訴として来院した。現病歴は,2012年頃より同
部の違和感を自覚したが放置し,症状が悪化したた
め当科受診となった。高血圧(コントロール下で
120/70mmHg),脂質異常症があり定期的に内科を
受診している。
2.診査・検査所見
1)口腔内所見:全顎的にプラークや歯石の沈着,
歯肉の発赤・腫脹を認め,プロービングデプスは
平均3.6mm,4mm 以上の部位は45%であった。
嘔吐反射がありブラッシングは困難で,PCR は
86%と高値であった。
2)エックス線画像所見:全顎的に軽度の水平性骨
吸収と縁下歯石の沈着を認め,#36,#37に歯根
膜腔の拡大が認められた。
3)咬合所見:#12の捻転に伴う交叉咬合が認めら
れた。
4)歯肉縁下プラークからは,
Porphyromonas gin
givalis は検出されなかったが,同菌に対する血清
IgG 抗体値の上昇が認められた。
3.診断:中等度広汎型慢性歯周炎
4.治療計画:1)歯周基本治療:口腔衛生指導,
スケーリング・ルートプレーニング(SRP),局
所抗菌療法,齲蝕処置,抜歯 2)再評価 3)
歯周外科治療 4)再評価 5)口腔機能回復治
療 6)再評価 7)SPT
5.治療経過
歯周基本治療では,プラークコントロールの徹底
および SRP を行った後,ミノサイクリン塩酸塩を
用いた局所抗菌療法を行った。再評価時に,
P. gin
givalis に対する抗体の減少を確認し,ポケットが残
存した部位に歯肉剥離掻爬手術を行った。その後口
腔機能回復治療では縁下齲蝕のあった#37,#47遠
心部の歯肉の状態が安定したため修復を行った。再
評価時,病状安定と判断し SPT へ移行した。
成績および考察:本症例は口腔清掃指導の経験がな
く,嘔吐反射による清掃不良により増悪した中等度
の慢性歯周炎であった。徹底したブラッシング指導
と局所抗菌療法による非外科的処置を行うことで治
療成果を実感させたうえで歯周外科治療を行うこと
で良好な成果を得ることができた。現在 SPT 経過
1年10ヶ月で,歯周組織の状態は安定している。
№43:咀嚼に伴う舌口蓋接触と嚥下前移送について
小川 真,杉山哲也,大久保真衣,石田
目的:咀嚼や嚥下時の舌運動解析は以前より行われ
ており,嚥下時の様相については明らかになってき
ている。しかし,咀嚼時の舌運動は複雑であるため
依然不明な点が多い。我々は,咀嚼時の舌口蓋接触
を薄型の圧力センサシートを用いて計測し舌運動の
解析を行うと共に嚥下前移送(Stage Ⅱ transport :
StⅡ)の発生頻度について検討することを目的に研
究を行った。
対象と方法:特記すべき全身疾患,顎口腔系の形態
や機能に異常がない若年健康成人7名を対象とし
た。被験者の口蓋に薄型の圧力センサシート(ニッ
タ,大阪)をテープ状の義歯安定剤で固定した。
圧力センサは切歯乳頭付近(Ch.1),硬口蓋中央
(Ch.2),硬口蓋後方(Ch.3),両側第一大臼歯付
近(Ch4,5)となるように設置した。20 ×10 ×
10mm 大に調整した咀嚼嚥下訓練用ゼリー(プロセ
スリード,大塚製薬,徳島)を口腔内に保持させ,
口唇を閉じて実験者の合図で咀嚼を開始し,被験者
の自由なタイミングで嚥下するまでの舌と口蓋の接
触圧と回数を記録した。この時,鼻咽腔内視鏡を口
蓋垂が画面の下端に視認できる位置に設置し,食塊
瞭(東歯大・口健・摂食嚥下)
の移送状況を同時記録して StⅡ発生の有無も確認
した。咀嚼時の舌圧センサ各 Ch.における「単位時
間あたりの舌圧発生回数」,「最大舌圧」,「舌圧積分
値」,「StⅡの発生割合」について調べた。
結果と考察:各計測項目について Ch.間の比較をす
ると,単位時間あたりの舌圧発生回数,舌圧積分値
は Ch.4,5が多く,Ch.3が少なかった。最大舌圧
は被験者間の違いが大きかった。また,咀嚼の前半
と後半の値を比較すると,単位時間当たりの舌圧発
生回数の Ch.3,舌圧積分値の Ch.3,5で後半に
有 意 に 増 加 す る 傾 向 を 示 し た(Wilcoxon
signed-rank test ; P<.05)。StⅡの発生は全試行の56%で
認められた。
咀嚼の前後半の比較では舌圧発生回数,舌圧積分
値とも舌後方中央部の運動が増加している事を示し
た。咀嚼運動の前半では食物を歯列に載せる運動を
中心とし,後半に移送のため口蓋へ接触する動きが
増加していると考えられた。今後は症例数を増や
し,StⅡ発生頻度と舌運動の関係について検討を行
いたい。
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