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博士(工学)郭 建威 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)郭   建威 学位論文題名

   デ ィ ー ゼル 機 関 における NOx 低減 を 目的としたDIVIE 改質式アルコール機関    および ゼオライト触媒に関する研究

学位論文内容の要旨

  本論 文は デイ ーゼル 機関 から 排出 されるNOx低減 を目 的と して 、DME改質 式アルコール機関、およびゼオライト触媒について行った研究の成果を論述した ものである。論文全体は7章から構成されている。

  第1章は序論であり、本研究の目的および得られた結果の概要について述べる とともに、研究の背景、ならぴにデイーゼル機関におけるアルコール燃料の利用 に関する研究の動向、またNOx還元触媒によるデイーゼル排気の浄化技術に関 する研究の動向について取りまとめた。

  第2章では、供試機関、供試燃料、およぴ実験に用いた装置、ならびに測定方 法およぴ解析手法について記述した。

  第3章では、DMEを吸気管から供給する方式による圧縮着火アルコール機関に ついて研究した。まず、DMEの吸入量が燃焼および排気に対して及ぽす影響につ いて調べた後、最適DME吸入量に対する主燃料噴射タイミング、機関回転速度、

負荷ならぴに機関圧縮比の影響について調ペ、本方式の可能性と今後解決すぺき 課題について検討を行った。実験の結果、DMEを吸入することにより、広い運転 範囲でアルコールによる安定した着火と燃焼とを実現できること、またDMEの最 適供給量は、エンジンが安定に運転できる最少供給量と等しいことを明らかにし た。この他、メタノールとェタノールとでは非常に近い性能が得られることも分 かった。

  第4章は、Y ‑アルミナ触媒を用いてメタノールからジメチルエーテル(DME) に変換する際の変換効率ならびにその燃焼に対する影響について研究を行った。

先ず、DME変換ガス中に存在する水分および未変換メタノールが機関性能に及ぽ

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す 影 響 に つ い て 検討 した 。そ して 、DME変換 率に 対す る温 度、 圧力 、およ び流 量 の 影響 につ いて 調べ た。 その 結果 、変 換率 によ る変 換ガス 中の 水分の変動は無視 で きる 程度 のも ので ある こと が確 認された。また、DME変換率が80%以上あれば、

100% の 純DMEに よ る 運 転 と ほ ぽ 同 じ 性 能 が 得ら れる こと が明 らか となっ た。 ま た 、DMEの 変 換率 は、 触媒 の温 度、 容器 内部 の圧 力、 およ ぴ流 量の 影響を 受け る が 、現 行の 小型 コン バー 夕(SV7300 l/h)で、約70%以上の変換率が得られるこ と が 分 か っ た 。 そし て、 未変 換の メタ ノール を除 いた 後のDME変換 ガスを 用い る こ と に よ っ て 、 純DMEガス と同 様な エン ジン 性能 が得 られ るこ とが 確認さ れた 。

  5章 は 、 ト ー チ 着 火 燃 焼方 式に よる 必要DME量 の低 減お よぴ 機関 性能 の改 善 に つい て述 べた もの であ る。DME吸 入方 式に よる アル コー ルデ イー ゼル エン ジン は 、広 い運 転範 囲で アル コー ルに よる 低NOxでか つ安 定し た着 火お よぴ 燃焼 を実 現 す る こ と が で き る が 、 通 常の 軽油 によ る運 転に 比ぺ ると 、HC、CO、お よぴ 未 DMEな ど の 排 出 量 が 多 い 。こ れら の問 題を 解決 し、 さらにDME必要 量を 出来 る だけ減らす、ために、トーチ着火燃焼方式を考案して実験を試みた。トーチ着火燃 焼 方 式 は 、 シ ン リ ン ダ ヘ ッ ド に 取 り 付 け ら れ た ト ー チ 着火 燃焼 室(TIC)に、 電 磁 バル ブを 介し て吸 気期 間中 にDMEを供 給し 、そ の圧 縮着 火に よっ てア ルコ ール 噴 霧 に 着 火 し よ う と す る も ので ある 。こ の方 式に よれ ば、DMEの トー チをTIC で 形成 する ため 、少 量のDMEで アル コー ルを 効果 的に 着火 し得 るも のと 期待 され る 。 実 験 の 結 果 、TIC方 式 によ れば 、吸 入方 式に 比べ てDMEの必 要量 、COおよ ぴ HCを大 幅に 減少 し得 るこ とが 明か とな った 。ま た、 メタノ ール の噴 射時 期とDME 供 給時 期な どの 最適 化や 、排 気絞 りの 付加 など によ って、 とく にDMEを 多く 必要 と する 低負 荷域 にお いて は、 吸入 方式 のほ ぽ十 分の ーにま で必 要DME量 を低 減す ることができた。

  6章 は 、 白 金ZSM5ゼ オ ラ イ ト 触 媒(Pt‑Z触 媒 ) に よ る デ イ ー ゼ ル 排 ガ ス中 のNOx低減 につ いて 研究 した 結果 であ る。 デイ ーゼ ル燃焼 の高 い熱 効率 を維 持 し な が らNOxを 低 下 さ せ る 上で、NOx触媒 の意 義は 大き い。本 研究 は、 アル コ ール デイ ーゼ ルェ ンジ ンの 一層の 排気 清浄 化を 主たる目的としたものである。岩 本らはPt‑ zftl虫媒を開発し、モデルガスによって低温での高い活性およぴ耐水性を 有す るこ とを 報告 して いる ので、 本章 では 、こ のPt‑Z触媒を実際のデイーゼルエ ンジ ン排 ガス に適 用し た場 合の活 性温 度、 空間 速度依存性、水分および還元剤の 影響 、さ らに 触媒 の形 状お よび触 媒容 器の 形状 の影響について調べた。また、軽 油を 燃料 とし た際 の排 ガス に加え て、 エタ ノー ルエンジンにこの触媒を適用した 際 の 性 能 に つ い て も 併 せて 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 白 金 イ オ ン 交 換ZSM5ゼ オ ライ ト触 媒は 、酸 素過 剰の デイー ゼル 排気 中のNOx低減 に対し て有 効で あっ て、

銅 イ オ ン 交 換ZSM5ゼ オラ イ ト 触 媒 に 比 べ て 、 浄 化 率 が 高 い ほ か 、 最 大 活 性 温 度 も150°C位低 い こ と が 分 かっ た。 また 、排 気中 の水 分は白 金イ オン 交換ZS

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M−5ゼオライト触媒の浄化率にはほとんど影響を及ぽさないことが確認された。

さらに、触媒および触媒容器の形状が触媒の浄化率に大きく影響し、特にハニカ ム状のものが顆粒状のものに比ベ低い浄化率を示すことが明らかとなった。そし て、排気中の炭化水素によってNOx還元特性が大きく異なり、白金イオン交換Z SMー5ゼオライトではエチレン添加が有効であるが、エタノールや軽油添加は むしろ逆効果であることが示された。

第7章は、本研究の結論であり、得られた成果の概要を取りまとめた。

(4)

学 位 論文 審 査 の 要旨 主 査

副 査 副 査 副 査

教′授   村山 教 授

  

宮 本 教 授

  

伊 藤 教 授

  

岩 本

学 位 論 文 題 名

          献一 正和

  

デ ィ ー ゼ ル 機 関 に お け る

NOx

低 減 を 目 的 と し た

DIVIE

改 質 式 ア ル コ ー ル 機 関

  

お よ び ゼ オ ラ イ ト 触 媒 に 関 す る 研 究

  本論 文は、 デイ ーゼル 機関 から排 出さ れるNOxの低 減を 目的と して 、DME改 質式アルコール機関、およびゼオライト触媒について行った研究の成果を論述した ものである。

  論文全体は7章から構成されている。

  第1章は序論であり、本研究の目的、得られた結果の概要、、研究の背景、ならび にアルコール燃料の利用に関する研究の動向、さらには、NOx還元触媒によるデ イ ー ゼ ル 排 気 の 浄化 技 術 に 関 す る 研究 の 動 向 に つ い て 取り ま と め て いる。

  第2章では、供試機関、供試燃料、および実験に用いた装置、ならびに測定方法 および解析手法について記述している。

  第3章 においては、DMEを吸気管から供給する吸入方式による圧縮着火アルコ ール機関について研究してしゝるが、その結果、DMEを吸入することにより、広い 運 転範 囲でアルコールによる安定した着火と燃焼とを実現できること、また、

DMEの最適供給量はエンジンが安定に運転できる最少供給量と等しいこと、更に、

メタノールとエタノールとでは非常に近い性能が得られることをも明らかにしてい る。

  第4章では、Y−アルミナ触媒を用いてメタノールからDMEに変換することに関 して研究を行っている。先ず、DME変換ガス中に存在する水分および未変換メタ ノールの影響について検討して、DME変換率に対する温度、圧力、および流量の 影 響に ついて調べている。その結果、DME変換率が80%以上あれば、100%の純

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DMEによる 運転とほぽ同 じ性能が得ら れることを明ら かにしている 。ここで、

DMEの変換率は、触媒の温度、容器の圧力、および流量によって影響を受けるが、

70% 以上の変換率を確保しうること、そして、DME変換ガスを用いることによっ て 、 純DMEガ ス と 同 様 な エ ン ジ ン 性 能 が 得 ら れ る こ と を 確 認 し て い る 。   第5章は、トーチ 着火燃焼方式に よる必要DME量の低減およぴ機関性能の改善 について述べた ものである。本章では、吸入方式の排気を改善し、さらにDME必 要量を減らすために、トーチ着火燃焼方式を考案している。この方式は、シンリン ダヘッドに取り 付けられたトーチ着火燃焼室に吸気期間中にDMEを供給し、その 圧縮着火によって、アルコール噴霧に着火しようとするものであるが、実験の結果、

TIC方 式によれば、 吸入方式に比べ てDMEの必要量、COおよびHCを大幅に減少し 得ることが明か となっている。また、メタノールの噴射時期とDME供給時期など の最適化や、排 気絞りの付加などによって、とくにDMEを多く必要とする低負荷 域においては、 吸入方式のほぼ十分の一程度まで必要DME量を低減することに成 功している。

  第6章は 、白金ZSM―5ゼオラ イト触媒(Pt‑Z触媒 )によるデイー ゼル排ガス 中のNOx低減について研究した結果である。本章では、Pt‑Z触媒を実際のデイーゼ ルエンジン排ガスに適用した場合の活性温度、空間速度依存性、水分、および還元 剤の影響、さらに触媒の形状および触媒容器の形状の影響について調べている。ま た、軽油を燃料とした際の排ガスに加えて、排ガス改善のーっとして注目されてい るエタノールエンジンにこの触媒を適用した際の性能についても併せて検討を行っ た。その結果、 白金イオン交 換ZSM−5ゼオライト触媒は、酸素過剰のデイーゼ ル排 気中のNOx低減に対 して有効であ って、銅イオン 交換ZSM−5ゼオライ ト触 媒に比べて、浄化率が高いほか、最大活性温度も150°C位低いことを明らかにして いる。また、排 気中の水分は 、白金イオン 交換ZSMー5ゼオライト触媒の浄化率 に対してほとんど影響を及ぽないことが確認された。さらに、触媒の形状およぴ触 媒容器の形状が触媒の浄化率に対して大きく影響し、ハニカム状の.ものが穎粒状の ものに比べて低い浄化率となることを明らかにしている。そして、排気中の炭化水 素に よってNOx還元特性 が大きく異な り、白金イオン 交換ZSM―5ゼオライ トで はエチレン添加が有効であるが、エタノールや軽油添加はむしろ逆効果であること を確認している。

  第7章は本研究の結論であり、得られた成果の概要をここで取りまとめたもので ある。

以上のように本論文においては、NOxを低減するために、単一メタノールを燃料

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としたアルコールエンジンの利用技術を開発し、さらに白金ゼオライト触媒により 低NOxのアルコールエンジンを実現することができ、内燃機関工学の進歩、および 環境改善に寄与するところ大であるふ

  よって、著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格があるものと 認める。

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