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博 士 ( 医 学 ) 藤 間 憲 幸 学 位 論 文 題 名 Evaluation of ChangelnVenouSOXygenationby SuSCeptibility― WeightedImaglnginPatientSwith SpinalAVMaftertreatment

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 藤 間 憲 幸

     学 位 論 文 題 名

Evaluation of ChangelnVenouSOXygenationby SuSCeptibility ― WeightedImaglnginPatientSwith     SpinalAVMaftertreatment

(磁化率強調画像は脊髄動静脈瘻における治療効果判定に有用である)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

【背景 と目的】

  磁 化 率 強 調 像(Susceptibility weighted imaging: swDは局 所 の磁 化率 変動 に非 常 に鋭 敏 な 撮 像 法 で あ る 。 局 所 の 磁 化 率 変 動 を 引 き 起 こ す も のと して 代 表的 なも のに 出血 、 鉄、 石 灰 化 、 デ オ キ シ ヘ モ グ ロ ビ ン(DeoxyHb)な ど が あ る 。 一 般 的 にSWIは 、 静 脈 内 のDeoxyHb の 常 磁 性 に よ る 位 相 シ フ ト の た め 、 静 脈 が 良 好 に 描 出さ れる の で、 静脈 の評 価に 有 効と さ れ る 。 ま た 、Haackeら は 、SWIを 用 い て 、 血 管 と 周 囲 組 織 の 位 相 差 、 お よ び 血 管 と 静 磁 場 間 の 角 度 を 計 測 す る こ と に よ り 、 そ の 血 管 内 の 酸 素飽 和度 を 算出 する こと が可 能 であ る と報告 している。

  脊 髄 動 静 脈 瘻 は 、 脊 髄 の 動 静 脈 問 に 異 常 な シ ヤ ン トを 有す る 稀な 疾患 であ る。 脊 髄動 静 脈 瘻 に は 、 動 静 脈 間 の シ ャ ン ト に 流 入 す る 流 入 動 脈 、お よぴ 、 シャ ント から 流出 す る流 出 静 脈 が あ る 。 流 出 静 脈 に 動 脈 血 の 直 接 流 入 が あ る こ とか ら、 流 出静 脈内 血液 は動 脈 血化 さ れ て お り 、 正 常 な 静 脈 と 比 較 し て 、 酸 素 飽 和 度 が 高 い。 手術 ま たは 血管 内治 療に よ って シ ヤ ント の 閉塞 がな され ると 、 流出 静脈 内の 血液は正 常化(静脈血化)し、酸素飽 和度は低下す る 。 現 在 の と こ ろ 、 脊 髄 動 静 脈 瘻 に お け る 流 出 静 脈 内の 酸素 飽 和度 の正 常化 を非 侵 襲的 に 評 価 し た 報 告 は な さ れ て いな ぃ。 も し、 治療 前後 の流 出 静脈 内の 酸素 飽 和度 の変 化を 、SWI を 用 い て 非 侵 襲 的 に 評 価 す る こ と が で き れ ば 、 治 療 効 果 判 定 に お け る 判 断 材料 とし てSWI が有用 である可能性が示唆される と考えられる。

  今 回 、 我 々 は 、 脊 髄 動 静 脈 瘻 に お い て 、 流 出 静 脈 内の 血液 が 動脈 血化 され た状 態 から 治 療 に よ っ て 静 脈 血 化 す る 変 化 を 、 SWIを 用 い て 評 価 す る こ と を 目 的 と し た 。

【対象 と方法】

  2006年5月 か ら2008年2月 の 期 間 で 、 当 院 に て 診 断 、 加 療 さ れ た11名 の 脊 髄 動 静 脈 瘻 の 患 者 を 対 象 と し た 。 治 療前 およ ぴ 治療 後で それ ぞれ の 患者 にSWIが 撮像 され た。 さ らに 、 コ ン ト ロ ー ル 群 と し て 、11名 の 健 常 ポ ラ ン テ ィ ア も 参 加 し 、SWIが 撮 像 さ れ た 。   撮 像 さ れ たSWIの 画 像 評 価 に は 視 覚 評 価 お よ び 酸 素 飽 和 度 の 定 量 評 価 を 行 った 。 視覚 評 価 は、 患 者( 治療 前お よぴ 後 )、 ポラ ンテ ィ アの 画像 デー タを ラ ンダマイズし た後、2名の神 経 放 射 線 専 門 医 ( 読 影 医A、 読 影 医B)が 評 価 し た 。評 価 はス コア リン グ で行 い、 スコ アは4 段階評 価(0,1,2,3)で行った 。これらのスコアを、読影者ごとに患者治療前群、治療後群、ポ ラ ン テ ィ ア 群 で そ れ ぞ れ 平 均 し 、 各 群 の ス コ ア と し た。 定量 評 価は 、そ れぞ れの 画 像デ ー タ か ら 静 脈 の 位 相 値 を 計 測 し 、Haackeら が 報 告 し た 手法 を用 い て脊 髄静 脈内 の酸 素 飽和 度 を 測 定 し た 。 な お 、 評 価 静 脈 は 前 脊 髄 静 脈 と し た 。 患者 治療 前 群、 治療 後群 、ボ ラ ンテ ィ

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ア 群 で そ れ ぞ れ 算 出 し た 酸 素 飽 和 度 を 平 均 し 、 各 群 の 酸 素 飽 和 度 と し た 。   視覚評 価では 各群の視 覚評価の スコア を多重比 較(ANOVA: Kruskal‑Wallis method)に より検討した。また、神経放射線専門医2名の評価スコアの一致率を一致率検定(厄検定)

で検討した。定量評価では、各群の酸素飽和度を多重比較(ANOVA; post‑hoc test: Tukey s method)で検討した。いずれもpく0.05を統計学的に有意とした。

【結果】

  患者群の11名全てにおいて、治療後にシャントの完全閉塞が得られたことが、血管造影 検査に て確認さ れた。 患者群、 ボラン ティア群 含めて 、MRI検 査は安全 に施行された。

  読影医Aは治 療前群 ではいず れもス コアが0であっ た。読 影医Bは治療 前群の平均スコ アは0.14士0.25(平均 士SD)で あった 。治療後 群においては、読影医Aのスコアは0.69士 0.50、 読影 医Bのスコ アは0.81士0.46であっ た。ボラ ンティ ア群のス コアは読 影医Aで 0.70土0.75、 読影医Bで0.85士0.62であった。多重比較では、治療前群と治療後群で、読 影医Aおよぴ 読影医Bとも 治療前のスコアより治療後のスコアの方が有意に高かった(pく 0.01)。 また、 治療前群 とボランティア群で、読影医A、読影医Bともボランティア群のス コアが有意に高かった(pく0.01)。治療後群とボランティア群に関しては、読影医A、読影 医Bとも有意差を認めなかった。(読影医A、Bでそれぞれ:p:ニ0.73と0.98)。一致率検定 におい て、読影 医Aおよぴ読 影医Bの間で 良好な一 致率を示した(Kappa‑score:ニ0.63)。   定量評価では、全ての患者において、治療前の酸素飽和度より治療後の酸素飽和度の方 が低かった。酸素飽和度の平均値はそれぞれ、治療前群、治療後群、ボランティア群で0.91 土0.02、0.82士0.06、0.81士0.05であった。多重比較にて、治療前群より治療後群の酸素飽 和度が有意に低かった(pく0.01)。また、治療前群よルボランティア群の酸素飽和度が有意 に低かった(pく0.01)。治療後群とボランティア群の酸素飽和度には有意な差を認めなかっ た。

【考察】

  今回の検討結果として、脊髄動静脈瘻の患者において、治療前と治療後の脊髄静脈の酸 素飽和 度の変化 を、SWIを用いることにより描出することが可能であった。静脈内の酸素 飽和度は、治療前群より治療後群のほうが有意に低下しており、また、治療前群とボラン ティア群では治療前群のほうが有意に酸素飽和度は高かったのに対し、治療後群とボラン ティア群では有意差を認めなかった。これらの結果から、静脈内の酸素飽和度が治療によ るシャ ント閉塞 で、い わゆる「正常化した」ことを、SWIにて描出することが可能であっ たと考えられる。脊髄動静脈瘻において流出静脈はシャントを介して流入する動脈血によ り酸素 飽和度が 高くな っている。酸素飽和度が高い状況下においては、DeoxyHbの割合が 減少し ている。DeoxyHbは常磁性体であるため、これの割合の増加は局所の位相を変化さ せる。結果として、DeoxyHbを内因性の造影剤として使用することにより、SWIを用いて、

静脈内の酸素飽和度を算出し、治療前後での静脈内酸素飽和度の変化を描出することが可 能であることが示された。

  脊髄動 静脈瘻 における 診断、治療効果判定のGold standardは血管造影検査であるとさ れてい るが、SWIは血 管造影検 査に比 べ、いく っかのアドバンテージがある。SWIにて得 られる情報は、血管造影の様に解剖学的情報ではなく、静脈肉の酸素飽和度といった生理 学的な 情報が得 られる 。さらに、SWIは造影剤の注入の必要が無く、完全に無侵襲な検査 として施行することが出来る。

【結論】

  SWIは 脊髄動 静脈瘻患 者における治療効果判定において、有用な可能性があることが示 された。

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学位論文審査の要旨 主査    教授    福 田    諭 副査    教授    自 土博樹 副査    教授    石 田    晋 副査    教授    森 本裕二 副査   准教授   飛騨一利

     学位論文題名

Evaluation of ChangelnVenouSOXygenationby SuSceptibility ― WeightedIIuaglnginPatientsWith     SpinalAVMaftertreatnlent

( 磁 化 率 強 調 画 像 は 脊 髄 動 静 脈 瘻 に お け る 治 療 効 果 判 定 に 有 用 で あ る )

  こ の 論 文 は 、MRI(Magnetic Resonance Image)の 撮 像 法 の ひ と っ で あ る SWI(Susceptibility Weighted Image)を脊髄領域に応用したもの である。SWIが磁化率変 動を鋭敏 に検出できるという特性を生かし、SWIを用いて血管内の脱酸素化ヘモグロビン の描出、 およぴ血管内血液の酸素飽和度の定量測定を、過去の文献報告に基づき、脊髄静 脈 に対 して 施行 した。この論文は主に2章の内容からなる。第1章として、健常ポランテ イアを用 いて、生理的負荷および薬物負荷によってもたらされる脊髄循環動態の変化を、

SWIによる静脈内の定量的酸素飽和度 測定を用いて描出することに成功した。第2章では、

臨床応用 として、脊髄動静脈瘻における流出静脈の治療前後での酸素飽和度の変化を、SWI を用いて評価し、結果として、治療後における酸素飽和度低下(流出静脈内血液の正常化)

をとらえ ることに成功した。この結果により、SWIが脊髄動静脈瘻において非侵襲的な治 療効果判 定の材料となりうる可能性があることが示された。これ までSWIの臨床応用はお もに頭蓋 内領域でのみ報告されており、脊髄疾患への報告はなされていなかった。今回の 検討によ って、脊髄領域においてもSWIが有用である可能性が示された。今後は、脊髄動 静脈瘻の さらナょる詳細な検討のみならず、多発性硬化症や神経膠腫などの頭蓋内領域で SWIの有 用性 が報 告さ れて いる 疾患 群に おい て、これらの脊髄病変に対しての評価にも SWIが有 用で ある 可能性があり、さらなる臨床応用の拡大が期待される。 また、MRI高磁 場 撮 像 機 器 を 利 用 す る こ と に よ る 、 よ り 精 密 な 評 価 も 期 待 さ れ る 。   質疑応 答では、主に脊髄動静脈瘻の臨床的な観点からの議論、SWIの撮像原理/撮像方法 に関する 議論、今後にさらなる応用や改善面に関する議論がなされた。その中でも重要と

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考えられるものを挙げると、まず、脊髄動静脈瘻における臨床的ナょ観点からの議論として、

動静脈瘻の短絡近傍に粗大な血腫がある場合の脊髄静脈の描出ーの影響、動静脈瘻に伴つ た脊髄浮腫と脊髄静脈酸素飽和度の関連性について議論がなされた。短絡病変付近の血腫 に関しては、その部分より離れた部分の流出静脈の評価により血腫の影響を回避出来ると いう回答であったが、脊髄浮腫の評価に関する問題においては、浮腫の程度を詳細に評価 できるほど酸素飽和度測定が精密に施行可能とは現段階では言いがたく、今後における高 磁場撮像機器を用いた追加検討が望まれるという結論 に達した。また、SWIの撮像方法に 関する提言として、まずin vitroにおける検討によって定量測定値の精度検証が可能になる のではという意見があったが、その検討に関しては過去の報告がすでにまとまっている状 況であり、現時点でそれを行う意義は乏しいとされたが、in vivoでの定量測定値が実際上 の値と相関性がそれほど高くなく、かつ個人内の変動は検出可能だが、個人間の差異の検 出には信頼性が乏しいという問題点もあり、定量測定に関するパラメータのさらなる調整 がこれらかも必要であるという結論へいたった。今後のさらなる応用や改善面に関しては、

高磁場撮像機器、現実的には3Tくtesla)撮像機器への応用が話題の中心となった。理論的に はシグナル/ノイズ比は、今回の検討で用いられた1.5T撮像機器の2倍になるものの、高磁 場由来のartifactの発生をいかにおさえるかが重要な課題であり、artifact軽減のための新 技術をメーカーと情報共有しつつ撮像パラメータを含め、撮像環境を最適化する必要があ ると考えられた。

  この論文は、神経放射線画像診断の領域で、脊髄における新たな非侵襲的な機能的イメ ージングとして注目されており、今後は、脊髄動静脈瘻のみならずその他の脊髄疾患への 応用や、高磁場撮像機器を用いたさらなる詳細な脊髄血流の評価の材料として期待される。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども 併せ 申請 者が 博士 (医 学) の学 位を 受け るの に充 分 な資 格を 有するものと判定した。

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