• 検索結果がありません。

博 士 ( 獣 医 学 ) 島 田 章 則 学 位 論 文 題 名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 ( 獣 医 学 ) 島 田 章 則 学 位 論 文 題 名"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 獣 医 学 ) 島 田 章 則

学 位 論 文 題 名

         Pathologic studies on senile plaques,  cerebrovascular amyloidosis and astrocytic gliosis in the central nervous system  (CNS) of aged dogs        An animal model‑sharing features        with CNS aging of human beings

ー 老 犬 の 中 枢 神 経 系 に お け る 老 人 斑 , 脳 血 管 ア ミ ロ イ ド 症

、 お よ び ア ス ト ロ グ リ オ ー シ ス に 関 す る 病 理学 的 研究 : ヒ ト の 中 枢 神 経 系 に お け る 特 徴 的 加 齢 性 諸 変 化 を

    

共 有 す る 動 物 モ デ ル 一

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  ヒト の中 枢神経 系にお ける形 態的加 齢性 諸変化 のうち ,老人 斑お よび神 経原線維変化の出現,

およ び神経 構成単 位( ニュー 口ン) の変性 ・脱 落が, アルツ ハイマ ー病罹 患脳の特徴的所見とし て知 られて いる。 これ らの変 化は, 軽度な がら 正常老 人の脳 にも認 められ る。したがって,これ ら の いわ ば 生 理 的 加 齢性 諸変 化が, 何らか の原 因によ って病 的に加 速さ れるこ とがア ルツハ イ マ ー 病の 背 景 と し て 考え ら れ て い る。 ヒ ト の 脳の 免疫組 織化 学的検 索は,1984年のGlennerWongに よ る 脳 血管 ア ミ 口イ ド構 成ペプ チド( ゛ベ一 夕蛋 白。) のアミ ノ酸組 成の解 明に 端を発 し, 抗ベー 夕蛋白 抗体 を用い ること によっ て飛 躍的に 進んだ 。しか し,脳 におけるアミ口イド沈 着の 病理発 生,お よび その変 化と神 経原線 維変 化出現 を含め た神経 構成単 位の変性・脱落との関 連に っいて は,い まだ に明ら かにさ れてい ない 。

  加齢 に伴 いヒト と同様 の形態 を示す老人斑が,サル,イヌおよびクマナょどの哺乳動物の脳に出 現す ること が,近 年の 免疫組 織化学 的検索 によ り確か められ っっあ る。こ れらのうちとくにイヌ は, 老齢個 体の入 手が サルや クマに 比し容 易で ある。 しかし ,イヌ の中枢 神経系における加齢性 変化 に関す る系統 的研 究はこ れまで なされ たこ とがな い。本 研究は ,光学 顕微鏡的,免疫組織化

(2)

学的あ るいは 電子 顕微鏡 的手法 を用い ,イヌ の中 枢神経 系にお ける老 人斑 ,脳血 管アミ口イド症 お よ び ア ス ト ロ グ リ オ ― シ ス に っい て 形 態 学 的 に検 索 し た 。 以下 に 検 索 結 果を 総 括 す る 。   I章 では ,老犬 の脳に おけ る老人 斑の形 態的特 徴, 老人斑 および 脳血管 アミロ イド 症の出 現 頻度, および それ らの脳 内分布 を明ら かにす る目 的で研 究を行 った。 研究 材料と しては,10―17 才の老 犬33例 を用い た。こ れらの イヌ の脳か ら様々 なレペ ルの前 額断 組織片 を得,各々からパラ フア ン 連 続切 片を作 製し た。こ れらの 切片は ,ヘマ 卜キ シリン ・エオ ジン・ チオ フラビ ンS,コ ンゴレ ッド, ボデ ィアン ,メセ ナミン 銀法お よび 改良ビ ルショ ウスキ ー染 色,さ らには抗ベー夕 蛋白 抗 体 を 用 い た免 疫 染 色(ABC法 ) を施 し , 光 顕 的に 観 察 し た 。 また , 脳 にお ける老 人斑と 脳血管 アミ口 イド 沈着の 数およ び分布 を描画 装置 を用い て検索 した。

  老人斑 およ び脳血 管アミ ロイド 沈着 とも, 抗ベ一 夕蛋白 抗体に 特異 的に反 応した。また,両者 とも チ オ フラ ビンS,メ セナミ ン銀 ,改良 ビルシ ョウス キー染 色な どによ りよく 染色さ れた 。検 索し た33例 中, 老 人 斑 は15(45%) に,脳 血管 アミロ イド症 は22例(67% )に認 められ ,これ らの変 化の出 現頻 度は加 齢に伴 い増加 した。 また ,両病 変は同 一例に 共存 する傾 向を示した。老 人斑は 大脳皮 質, とりわ け帯状 回と側 頭葉は 好発 し,皮 質下神 経核や 海馬 にも時 折認められた。

この分 布パタ ーン は正常 老人の それと 同様で あっ た。脳 血管ア ミ口イ ド症 は大脳 および小脳の髄 膜の血 管,大 脳皮 質の血 管に認 められ た。老 人斑 の形態 はヒト のそれ に酷 似し, 瀰漫型斑,成熟 斑,血 管周囲 斑な どの型 に分類 された 。成熟 斑お よび血 管周囲 斑は, アミ ロイド 沈着を伴う血管

(脳血 管アミ ロイ ド症) と常に 密接な 位置的 関係 を示し た。一 方,ほ とん どの瀰 漫型斑は脳血管 アミロ イド症 の分 布とは 無関係 に存在 してい た。 また瀰 漫型斑 は,多 くの 場合神 経細胞とグリア 細胞の 両者あ るい はいず れか一 方を含 んでい た。 免疫染 色によ り神経 細胞 の辺縁 に時折アミロイ ド沈着 が認め られ た。

  以上の 結果 から, イヌの 老人斑 は, 形態, 染色性 および 脳内分 布パ 夕一ン がヒトのそれらに類 似する こと, した がって ヒトの それと 同様の 形態 病理発 生が考 えられ るこ と,イ ヌの老人斑諸型 の形成 過程に はそ れぞれ 異なっ た機序 の関与 する ことが 示唆さ れた。

  第1I章 では, 老犬の 中枢神 経系 におけ るアスト、口グリアの形態的特徴,アストログリオーシス の出現 頻度お よび 分布パ ターン を明ら かにす る目 的で研 究した 。研究 材料 として は,11―18才の 老犬17例 と2力 月 齢‑4才の 若 齢 犬9例を 用 い た 。 これ ら の イ ヌ の中 枢 神 経 系 から様 々なレ ベル の前額 断組織 片を 得,各 々から パラフ アン連 続切 片を作 製した 。これ らの 切片は ,ヘマトキシリ ン・ 工 オ ジン ,ルク ソ― ルファ ースト ブルー ,チオ フラ ビンS,ニ ッスル ,ボデ ィアン ,改 良ビ ルシ ョ ウ ス キ ― ,メ セ ナ ミ ン 銀法 に よ っ て 染色 し , さ ら には 抗 グ リ ア 線 維性 酸性蛋 白(Glial

(3)

Fibrillary Acidic ProteinGFAP) 抗 体 を 用い た 免 疫 染 色 (PAP法 )を も 行 っ て ,光 顕 的 に 観 察した 。また ,老 齢犬お よび若 齢犬の 各々4例に っいて は, ネンブ タール 深麻酔 下経 心臓灌 流固 定を施 し,大 脳皮 質を電 顕的に 観察し た。

  GFAP陽 性ア ス ト 口 グ リア か ら 成 る 中 等度 か ら 重 度 の瀰 漫 性 ア ス トロ グ リオー シスが ,検 索 した すべて の老犬 に認 められ ,それ は一定の分布パタ―ンを示した。すなわち,アストログリオ―

シス は大脳 皮質下 およ び深部 白質, 大脳皮 質髄 質境界 域,皮 質下諸 核,小 脳中心核,脳幹諸核お よび 脊髄灰 白質で 最も 重度で あっ. た。大脳皮質全域および視床諸核においても重度のアストログ リオ ーシス が見ら れた 。小脳 および 脊髄の 白質 ,海馬 におい ては中 等度の アストログリオーシス が見 られた 。中枢 神経 系全般 を通じ ,血管 周囲 性アス トログ リオー シスが 著明であった。これら のパ ターン はヒト のそ れに酷 似して いた。 若齢 犬にも 同様の 分布パ ターン のアスト口グリオーシ スが 存在し たが, その 程度は 極めて 軽度で あっ た。電 顕観察 によっ て,多 量のグリアフアラメン トを 含む活 性型ア スト 口サイ トが, 老犬の 大脳 皮質に 多数存 在し, その突 起の付近に神経突起や 軸索 終末の 様々ナ ょ変 性像が 認めら れた。

  以上 の結 果から ,イヌ の中枢 神経系 には ,ヒト と同様 の加齢 性ア スト口 グリオーシスの出現す るこ とが明 らかに され た。

  第m章で は,老 犬の 脳にお けるア ミ口イ ド沈着 の分 布とアスト口グリオーシスの分布を比較し,

アミ 口イド 沈着の 発生 機序と アスト 口グリ オー シスの それと の関連 にっい て考察した。研究材料 と し ては, 老人斑 およ び脳血 管アミ 口イド 症を有 する11―18才 の老犬6例 を用い た。こ れらの イ ヌの 間脳の レベル での 前額断 組織片 からパ ラフ アン連 続断片 を作製 した。 これらの切片は,第II 章 と 同様 の 方 法 に よ って 染 色し ,大脳 皮質を 光顕的 に観察 した 。また ,上記6例 のうち4例 の大 脳皮 質を電 顕的に 観察 した。

  広範 かっ 重度の 瀰漫性 アスト 口グリ オー シスは ,老人 斑の出 現あ るいは 血管へのアミロイド沈 着 の 有無 に か か わ ら ず, 大 脳 皮 質 に一 様 に 認 め られ た 。 一 方 ,老 人 斑 諸型 のうち の成 熟斑に GFAP陽 性アス ト口グ リアの 突起 が時折 認めら れた。

  以上 の結 果から ,加齢 性アス トログ リオ ーシス は,必 ずしも アミ 口イド 沈着に伴い二次的に出 現す る現象 ではナ ょい ことが 示唆さ れた。

  本研 究に より, イヌの 中枢神 経系に は, アミ口 イド沈 着,ア スト 口グリ オーシスおよび神経構 成単 位の変 性・脱 落な どヒト におけ ると同 様の 特徴的 加齢性 諸変化 の出現 することが明らかにさ れた 。これ らの事 実は ,イヌ がヒト の中枢 神経 系にお ける加 齢性変 化の発 生機序解明に極めて有 用な 動物モ デルと なる ことを 示唆し た。

(4)

学位論文審査の要旨

  加齢に伴いヒトと同様の形態を示す老人斑が,イヌの脳にも出現することが近年の免疫組織化 学的検索により確かめられつっある。申請者は,イヌの中枢神経系における老齢斑,脳血管アミ ロイド症およびアストログリオーシスにっいて形態学的に検索し,本論文をまとめた。本論文は 英文71頁,付図24枚からなり,3章で構成されている。

  第I章では,10―17才の老犬33例を用い,老人斑の形態的特徴,老人斑および脳血管アミ口イ ド症の出現頻度,およびそれらの脳内分布を検索した。この結果,老人斑および脳血管アミ口イ ド沈着はともに抗べー夕蛋白抗体に特異的に反応し,チオフラビンS,メセナミン銀,改良ビル ショウスキー染色でもよく染色された。検索した33例中,老人斑は15例(45%)に,脳血管アミ 口イド症は22例(67%)に認められ,これらの発現頻度は加齢に伴い増加した。また,両病変は 同一例に共存する傾向を示した。老人斑は大脳皮質,とりわけ帯状回と側頭葉は好発し,皮質下 神経核や海馬にも時折認められた。この分布パターンは正常老人のそれと同様であった。脳血管 アミロイド症は大脳および小脳の髄膜の血管,大脳皮質の血管に認められた。老人斑の形態はヒ トのそれに酷似し,瀰漫型斑,成熟斑,血管周囲斑などの型に分類された。成熟斑および血管周 囲斑は,アミ口イド沈着を伴う血管(脳血管アミ口イド症)と常に密接な位置的関係を示した。

一方,ほとんどの瀰漫型斑は脳血管アミ口イド症の分布とは無関係に存在していた。また瀰漫型 斑は,多くの場合神経細胞とグリア細胞の両者あるいtまいずれか一方を含んでいた。免疫染色に より神経細胞の辺縁に時折アミ口イド沈着が認められた。

  以上の所見から,イヌの老人斑は,形態,染色性および脳内分布パ夕―ンがヒトのそれらに類 似すること,したがってヒトのそれと同様の形態病理発生が考えられること,イヌの老人斑諸型 の 形 成 過 程 に は そ れ ぞ れ 異 な っ た 機 序 の 関 与 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。   第l章で は,11―18才の老犬17例と2力月齢‑4才の若齢犬9例を用い,アストログリアの形 態的特徴,アスト口グリオ―シスの出現頻度および分布パターンを検索した。この結果,グリア 線維性酸 性蛋白(Glial Fibrillary Acidic Protein,GFAP)免疫染色陽性アストログリアか

敏 誠

光 郎

   

倉 村

出 嶋

板 杉

前 長

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(5)

ら成 る中等 度から 重度の 瀰漫 性アス ト口グ リオー シス が,検 索した すべて の老犬に認められ,そ れは 一定の 分布パ タ―ン を示 した。 すなわ ち,ア スト ログリ オーシ スは大 脳皮質下および深部白 質, 大脳皮 質髄質 境界域 ,皮 質下諸核,小脳中心核,脳幹諸核および脊髄灰白質で最も重度であっ た。 大脳皮 質全域 および 視床 諸核に おいて も重度 のア スト口 グリオ ーシス が見られた。小脳およ び脊 髄の白 質,海 馬にお いて は中等 度のア ストロ グル オーシ スが見 られた 。中枢神経系全般を通 じ, 血管周 囲性ア スト口 グリ オーシ スが著 明であ った 。これ らのパ ターン はヒトのそれに酷似し てい た。若 齢犬に も同様 の分 布パ夕 一ンの アスト 口グ リオー シスが 存在し たが,その程度は極め て軽 度であ った。 電顕観 察で は,多 量のグ リアフ ィラ メント を合む 活性型 アスト口サイトが老犬 の大 脳皮質 に多数 存在し ,そ の突起 の付近 に神経 突起 や軸索 終末の 様々な 変性像が認められた。

  以上 の所見 から ,イヌ の中枢 神経系 には, ヒト と同様 の加齢 性アス ト口 グリオーシスの出現す るこ とが明 らかに された 。

  m章 で は ,老 人 斑 お よび脳 血管ア ミ口イ ド症 を有す る11―18才の老 犬6例を用 い,老 犬の脳 にお けるア ミロイ ド沈着 の分 布とア スト口 グリオ ーシ スの分 布を比 較し, アミロイド沈着の発生 機序 とアス トログ リオー シス のそれ との関 連にっ いて 考察し た。こ の結果 ,広範かっ重度の瀰漫 性ア ストロ グリオ ーシス は, 老人斑の出現あるいは血管へのアミロイド沈着の有無にかかわらず,

大 脳 皮質 に 一 様 に 認め ら れ た 。 一方 , 老 人 斑 諸 型の う ち の 成 熟斑 にGFAP陽性 アス トログ リア の突 起が時 折認め られた 。

  以上 の所見 から ,加齢 性アス トログ リオー シス は,必 ずしも アミ口 イド 沈着に伴い二次的に出 現す る現象 ではな いこと が示 唆され た。

  以上 のよう に, 申請者 はイヌ の中枢 神経系 にア ミロイ ド沈着 ,アス ト口 グリオーシスおよび神 経構 成単位 の変性 ・脱落 など ,ヒト におけ ると同 様の 特徴的 加齢性 諸変化 の出現することを明ら かに した。 これら の知見 は, イヌの 神経病 理学に 大き く貢献 すると ともに ,ヒトの中枢神経系の 加齢 性変化 の発生 機序解 明に も寄与するものである。よって審査員一同は,島田章則氏が博士(獣 医学 )の学 位を受 けるに 十分 な資格 を有す るもの と認 めた。

参照

関連したドキュメント

   僧帽弁逆流モデル犬において,ANP およびBNP の血漿濃度は非代償性心不全群に

   組織学的には、|SA ―70 乳剤注射局所では、注射後72 時間目には急性

副腎の 腫大 、腺 胃の 食滞を 伴う 拡張 、筋胃粘膜の過角化及び胆汁色化、大 腿骨骨 幹部 骨髄 の水 腫性変 化ま たは

  

ブロット法において組織から抽出した蛋白とりコンビナント SULT281 のバンドの大きさの 差異にっいて、2

【方法】(1 )砂ネズミ脳虚血モデル(両側頚動脈閉塞)において、700 ,730 ,750 ,805 nm の4 波 長の近赤外 光を頭蓋

   @白質 における 投射側枝 :線維束 を離れ灰 白質に投射 するもの は、常に軸索 本体か ら分岐す る側枝で あり、軸 索本体の 成長円錐が 進行方向 を変更して灰白

   実験終了後記録部位には10 〜15 肛A の陰性電流を10 〜15 分流して染色を,また刺激部位には30 uA の陽性電流を30sec 通電し傷害を作った。その後脊髄を取り出し10