• 検索結果がありません。

ティーム・ティーチングにおける教師間相互作用が児童の数学的な考え方の形成に及ぼす影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ティーム・ティーチングにおける教師間相互作用が児童の数学的な考え方の形成に及ぼす影響"

Copied!
142
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)学位論文. ティーム・ティーチングにおける教師問相互作用が   児童の数学的な考え方の形成に及ぼす影響.     兵庫教育大学大学院.      学校教育研究科 学校教育専攻 教育内容・方法開発コース.      MO5037」       池川 仁.

(2) 【目 次】. 問 題. 1. 研究1  目的. 11.  方法. 11.  結果. 12.  考察. 13. 研究II.  目的. 17.  方法. 17.  結果. 24 41.  考察. 研究III.  目的. 50.  方法. 50.  結果. 58.  考察. 76. 引用文献. 付  記. 85 91. 巻末資料. 92.

(3) 問 題.  本研究は,算数科の授業内容に関わる教師同士の意図的な相互作用を 取り入れたティーム・ティーチング(teamteaching:以下丁・Tとする〉が,. 児童の数学的な考え方の形成に与える影響について明らかにすることを 目的とする。.  文部省(1999)は算数科の目標に「日常の事象について見通しをもち筋. 道を立てて考える能力を育てる」ことを挙げ,児童が数学的な考え方に. 着目して考察し,探求していくことの必要性を述べている。また,坪田 (2004)も,算数の学習の目標は「考える力」の育成であるとしている。. しかしながら,近年の学力低下問題ともかかわって,数学的な考え方の 形成に課題があることが浮き彫りにされてきている。.  PISA(2003)の国際結果要約によると,数学的リテラシーの「数」に関. する「量」領域では,記述問題の18.8%において,日本の子どもたちの. 正答率がOECDの子どもたちの正答率よりも低かった。一方,選択肢 のある問題ではそのようなケースは0.0%であった。また,統計や確率 に関する「不確実性」領域では,計算や公式に加えて問題の解釈が必要. な問題や,結果の一般化や説明の必要な問題では,日本の子どもたちの. 正答率がOECDの子どもたちの平均よりも低い問題数の割合が33.3% であった。文部科学省(2005〉の平成15年度教育課程実施状況調査では,. 数量の関係の規則性をとらえて考えを式に表しながら解決を図るような 問題の通過率が設定通過率を下回っていたり,小数,分数の除法では平 成13年度に行った調査の通過率を有意に下回っていたりする結果が示さ. れた。これらの調査結果を受けて文部科学省では,数学的に解釈する力. 一1一.

(4) や表現する力を高める指導の工夫を行うことが大切であると指摘してい る。.  また,清水(2004〉も平成13年度教育課程実施状況調査において「数学. 的な考え方」を主たる評価の観点とする問題での通過率が設定通過率よ りも低い場合が多く,現状では数学的な考え方の形成は進んでおらず指 導の改善が必要であるとしている。.  さらに,向山は(2005)は,昭和26年改訂の小学校学習指導要領算数科. 編で既に算数嫌いな子どもを少なくすることが指摘されていたにもかか わらず,肥A(2003)1)では日本の小学生の算数嫌いが減っていないことを. 問題であるとし,算数を楽しいと思わせ自信を持たせるためにも数学的 な考え方の育成は大事であり,特に,帰納的な考え方,演繹的な考え方,. 類推的な考え方中心に,数学的な考え方の育成に焦点を当てる必要性が あると述べている。これらの指摘はいずれも現在の小学校算数科におい. て,子どもたちの数学的な考え方を育成することが急務であることを示 唆していると考えられる。.  ところで,日本数学教育学会(2005)は数学的な考え方を,「数学を作. り上げ,発展させたり,数学を応用・活用したりするときに用いる数学 に固有な考え・考え方である」としている。また,中村(2004)は,数学. 的な考え方のとらえ方には様々あるとしながらも,算数をつくり出す原 動力になるものとしている。さらに,片桐(2004)は,数学的な考え方は,. それぞれの問題解決に必要な知識や技能に気付かせ,知識や技能を導き 出す力(guiding forces)であり,そのような知識や技能を駆り出す原動. 1)日本の小学校4年生に算数の勉強が楽しいかを聞いたところ「強くそう思う」と答えた児童 の割合が29%であり,国際平均値の50%を21ポイント下回っており,ベルギーに次いで低く, 国際的に見て低いレベルにあるとされている。. 一2一.

(5) 力(driving forces)であるとしている。そして,数学的な考え方の中に は,「数学的な態度」,「数学の方法に関係した数学的な考え方」,「数学. の内容に関係した数学的な考え方」の3つの要素が加わっていることを. 示し,3つの要素それぞれについても細かな分類を行っている2)。本研 究では,片桐(2004)の定義や分類にそって,数学的な考え方を,「数学. 的な態度を伴って数学的な方法や数学的な内容にそった知識や技能を引 き出し,それらを調整しながら問題を解決していく力」とする。.  数学的な考え方の育成について,様々な形で研究がなされている。大 澤(1993)は,数学的な考え方・態度を育てるための問題開発を行ってい る。竹内(2005)は,問題を解いたときに正答を得られなくても思考過程. を賞揚することで考える楽しさを味わわせたり,図を使って数量関係を. とらえられるようにしながら考える方法を指導したりして小学校3年生 の「わり算」の学習を行っている。また,香川県算数教育研究会(2005). は,数学的な考え方が段階的に高まっていくような単元構成のエ夫を図 ったり,指導内容に合わせて少人数指導を導入したりしている。これら. 実践研究の多くは,児童の表情やノートの記述,発言等の行動の変容を もとにして成果を述べている。しかし,数学的な考え方の育成のために. 具体的に講じた手段とテストや質問紙などの結果とを関連づけた研究が 少ない上に,学力調査においては数学的な考え方の形成は十分とは言え ない結果が出されている。盛山(2000)は,普段の授業で数学的な考え方. を意識して指導されているとは言い難いとし,今後の課題として数学的. な考え方のよさを子どもに伝え,数学的な考え方をどのように身に付け させるのかをより実証的に研究する必要性があることを示唆している。.  これらのことから数学的な考え方の育成のためには,新たな手段を講. 21. 末資料1参照。. 一3一.

(6) じる必要性があると思われる。算数の問題に児童が取り組んだ際,教材. 開発を行ったり学級のサイズを小さくしたりするだけでは,数学的な考 え方の形成には至らないのではないかと考えられる。なぜなら,数学的 な考え方を駆使して解く問題を多数提示し,個別指導の機会を増やして. も考え方そのものにつまずいている子どもには解決が困難だからであ る。よって,このような児童に対しては数学的な考え方の具体的なモデ ルを示すことが必要ではないかと推測される。.  児童の数学的な考え方は,従来,問題を解く直接的な経験によって形 成されてきた。教師は,児童の考え方を黒板等に示し,それをもとにし て修正を加えながら数学的な考え方を指導してきた。しかし,これだけ. では,数学的な考え方を育成することができにくかった。このような従. 来の指導法に加え,今後は様々なアプローチで数学的な考え方を育成す ることが求められる。.  Bandura(1971〉は直接自らが強化を得ることができなくても、他者を 観察することのみによって学習が成立することを示し,それを観察学習 (observationalleaming),あるいはモデリング(modeling)と呼んだ。春. 木(1982)はモデルの行動、またはモデルの表出(情動的行動)を観察する. だけで、たとえ無試行、無強化であっても観察者のそれ以後の行動が、. 観察したモデルの行動により似てくることを観察学習としている。植木 (2000)は,学習障害児に対する動機づけ介入と計算スキルの授業におい. て,相互モデリングによって正しい手続きを示して理解させたり,誤っ. た手続きを示すことで間違いに気付かせたりすることができることや故 意に間違えることによって安心感,連帯感を与えることができることを 述べている。個別指導における研究ではあるが,算数科におけるモデリ ングの効果を明らかにしている。このモデリングの考えを活用すれば,. 一4一.

(7) 直接的な経験によって形成することができにくかった数学的な考え方も 問接的に形成できることが考えられる。.  しかし,現実的な問題として1人の教師が数学的な考え方のモデルを. 示すのは困難であると思われる。なぜなら1人で一斉指導をしている教 師は,問題を提示して授業を進行しながら,ある程度の思考の道筋をつ けたり,視点を変えた考え方を提示したりしなくてはならない。つまり,. 自分で問題を提起しておきながら結局は自分で解決を図るという行為を. 行っているのである。1人で何役も務めることになり児童にとってモデ ルとする対象が絞りにくいことが考えられる。一方で,多様な考え方を. 児童から引き出すことも困難であると思われる。難易度の高い問題の場 合には,まったく考え方が出なかったり,難易度の低い場合には全員が 同じ考え方をしていて別の考え方が提示されなかったりして授業が停滞 することもあり得るからである。.  五関(2000)は,児童の算数に対する興味,関心を持たせるために算数. 科のT・Tにおいて2人の教師が考え方を対立させ,子どもたちがどち らかの考えについて討議するような授業構成の必要性を指摘している。. これはT・Tによって児童が数学的な考え方を形成する可能性を見出し ているものとして評価できよう。T・Tを活用すれば,児童の数学的な考 え方の形成の手だてを一方の教師が他方の教師に意図的に表明すること. が可能になる。そしてそれは,1人が数学的な考え方を示していたとき よりも自然に児童には受け入れられるものと推測される。Bandura(1971). は,モデリングされやすい対象はモデリングを行う者よりも立場や能力 が高い者としている。教師は相対的に児童よりも立場や能力が高いこと から,モデリングされやすい対象であると考えられる。教師が互いにT・T. の中で数学的な考え方について意見交換を行うことで,観察学習をした. 一5一.

(8) 児童が数学的な考え方を形成できるのではないかと考えられる。さらに,. 教師同士の意見交換によって児童が発言しやすくなり,授業を活性化さ. せることも可能ではないかと思われる。本研究では授業内で教師同士が 互いの考え方を表明したり意見交換をしたりしながら意図的にやりとり を行うことを教師間相互作用とする。.  現在,T・Tは幅広い形態をもっており,河合(2002)は,個性化の学習. モデルとして,一斉授業補足モデル,類型別グループモデル,学習ペー スモデル,学習スタイルモデル,学習順序選択モデル,学習課題選択モ デル,学習課題設定モデルの7つのモデルを示している。.  しかし,それら様々なT・Tの効果については十分な結果が得られて いない。国立教育政策研究所(2004)の指導方法の工夫改善による教育効. 果に関する比較調査研究では,学習指導のタイプを7つ3)に分けた上で 各指導タイプの効果を「学力の形成」,「興味・関心・意欲の形成」,「学. 習態度の形成」の3つの観点で明らかにした。結果的にはどの観点にお. いても一斉指導型のタイプに効果があることが示されT・Tに関する効 果については十分認められなかったことを指摘している。ただし,この 調査では各指導タイプの具体的な指導内容については示されておらず,. 指導の形態だけを問題にしている。T・Tの教育効果が期待できるとは言. い切れない結果であるが,一方ではT・Tの改善の必要性を示唆してい るとも言える。.  小学校教師476名を対象とした日本数学教育学会小学校部会(2000)の. ’}. イプ1(40人程度の学級を教員一人で一斉指導を行う),タイプ2(30人程度学級を教員 一人で一斉指導を行う),タイプ3(20人程度の学級を教員一人で一斉指導を行う),タイプ 4(30人∼40人程度の学級をT Tにより2人で一斉指導を行う),タイプ5(学級を解体し,15 ∼20人程度の均一割学習集団で一斉指導を行う),タイプ6(学級・学年合同集団で習熟度別 学習(到達度別学習)を行う),タイプ7(学級・学年合同集団で習熟度別学習(完全習得学 習)を行う)の7つである。. 一6一.

(9) 調査結果によると「T・Tはとてもよい方法だと思っている・まあまあよ. い方法だと思っている」と回答している小学校教師が95%を超えてい. るにもかかわらず,T・Tを全く行っていない割合が68%であった。学 校規模や人員配置等の条件が異なることを考慮に入れてもT・Tのよさ を感じながらもそれが有効に活用されていないことが推測される。.  また,小学校教師5379名を対象とした国立教育政策研究所(2001〉の 学校規模に関する調査によると,T・Tの実施率は43.8%であり,やや低 調であるとしている。T・Tを実施したことがある場合,T・丁担当教員と. 同一学級内で2名で一斉指導,つまり1クラス2TのT・Tを行い,主, 補助の役割分担をしているケースが最も多かった。.  以上のことから教師はT・Tの効果をある程度認めているが,どうい った場面でどのように行えぱよいかということについては十分認識しな. いまま1クラス2TのT・Tを行っていると推測される。このことがT・T の教育効果が十分認められない要因につながっているものと思われる。  野田(1995)は,児童の実態や興味に応じて学習するコースを設定した. り,必要に応じて学習形態を一斉,コース別,個別と変化させたりすれ. ば,どの児童も自分なりに学習に取り組み,満足感や成就感を味わえる という仮説のもと実践研究を行っている。コース間において単位時間内. で移動が可能なので,コースそのものの有効性ははっきり示されていな いが,児童の意欲は行動等の変容で明らかにされている。このように近. 年行われているT・Tは,知識・理解や表現・処理の観点に立って授業 が展開される傾向があり,それに応じた習熟度別学習,少人数指導が増 えてきている。数学的な考え方の育成が急務であることが指摘される中. で,最も一般的に行われている1クラス2TのT・Tを活用して数学的な 考え方の育成に焦点を当ててた研究を行う意義があると思われる。. 一7一.

(10)  古川(1997)は1996年全国丁・丁教員の授業調査から,T・Tは「指導方. 法の時代」から現代的,学際的な課題内容を解決するための「指導内容. の時代」に入ったとしている。1クラス2Tで指導する形態を改善する 必要性を指摘している。また,重松ら(1995)は,一斉指導を中心としたT. ・Tのモデルを提示している。加藤(1995)は,学級担任あるいは教科担. 任とT・丁担当教師とで学級を2つに分けて別々に指導することはT・T ではなく,複数の教師がティームを組んで「一緒に」指導に当たる必要 性を指摘している。.  本研究では,数学的な考え方の形成という目的からモデリングの概念. を利用した1クラス2TのT・Tを行う。習熟度別学習や少人数指導の教 育的意義や効果も認めるが,一斉指導の重要性も見過ごしてはならない からである。野口(2005)は,1人の考えをグループで検討させたり,全. 体で吟味させたりし合うことによって,学習の共同化は具現化されるの. であり,一斉授業はその恰好の形態であると述べている。また,坪田 (2005)は,学校教育の価値にはa)多様性の尊重,b〉協同的思考,c)価. 値の共有があることを示して,一斉指導,特に算数科でその必要性を述 べている。つまり,数学的な考え方の形成は一斉授業において効果が期 待できるのではないかと考えられる。数学的な考え方は,片桐(2004)が. 示したように,多種多様な考え方を集約して成り立つものであり,その ためには一斉指導の方が適していると推測する。.  しかし,前述のように1人で数学的な考え方を指導する際には困難な. 場合が生じてくることが考えられ,それは従来行われてきた1クラス2T. におけるT1が進行役,T2が個別指導という場合でも同様の問題が生じ ることが想定される。Shaplin(1966)は,T・Tとは授業組織の一様式で,. 教職員と彼らに割り当てられた生徒を含み,二人もしくはそれ以上の教. 一8一.

(11) 師が,協力して,同じ生徒グループの授業全体,またはその主要部面に ついて責任を持つものであると定義している。つまり,ティームとして. の教師間の協力がそこには必要になってくる。いわゆる個別指導型の T・Tでは,1単位時間の中で教師同士がかかわり合うことなく授業が終 わる場合もある。習熟度別学習についても同じである。これでは,ティ. ームとしての効果を発揮したとは言い難い。T1とT2がティームとして 協力し教師間相互作用をしながら児童がモデリングを行いやすい状況を. 意図的に設定することで,児童が数学的な考え方を形成していくのでは ないかと推測できる(Figure1)。. 一斉指導型丁・T.  教師間相互作用. ①      ①i            :. 讃び吐. 聲V◎.  ロ ロ. ◎◎⋮⋮◎◎.  ⋮⋮用. ◎◎⋮⋮作◎◎.  ⋮五. ◎◎⋮醐◎◎.  い い フ.  一丁一. ◎◎⋮纐◎◎. 【教師間相互作用型】. ぜ. ル と して. 数学的な考え方の形成.            ①…教師  ◎…児童        Figure1 教師間相互作用型のT・丁.  以上のことから,算数科の数学的な考え方の形成に踏み込んだT・T を研究し,その効果について実証的な研究のための手続きを踏んでより 客観的に成果を示すことは意味のあることと思われる。.  研究1では,テレビ番組の中での会話をもとにして,教師間相互作用 で重要であると思われる要素を明らかにし,教師間相互作用のパターン を作成する。不特定多数の視聴者に見られているテレビ番組等の中には. 登場人物間の相互作用的な要素が含まれているのではないかと考え,そ. 一9一.

(12) の会話の分析を行っていく。テレビ番組等は不特定多数の視聴者にメッ. セージを伝えるものである。娯楽的な要素が強いものが多いものの,そ の中で行われている会話には視聴者をひきつける要素が盛り込まれてい るものと推測でき,学習の動機づけにもつながるものと考えられる。.  研究1で作成した教師間相互作用のパターンを活用して,研究2では,. 教師間相互作用による算数科における「理解」への影響を検討する。数 学的な考え方についての本研究の定義に基づくと知識にかかわる「理解」. に及ぼす教師間相互作用の影響を検討しておく必要があると思われるか らである。さらに,ここでは教師間相互作用における教師の意見交換や. 相互質問等に対する児童の認知についても検討する。それはT・Tにお ける教師間相互作用を児童が認知していることが前提となってモデリン グが成立すると考えているからである。よって,研究2では,T・Tにお. ける教師間相互作用の理解への影響と教師間相互作用における教師行動 等の児童の認知を検討することを目的とする。.  そして,研究3では,T・Tにおける教師間相互作用によって児童がモ デリングを行い,数学的な考え方の形成につながることを検討する。金 田(2003)は答えが複数ある文章題を3条件,普通条件(複数の答えにつ いて特別な教示を与えない),教示条件(複数の答えの存在を示唆する教. 示を与える),提示条件(複数の答えを提示する〉で解いた場合,小学生. にとって,複数の答えを考えることは,普通条件,教示条件,提示条件. の順で難しいことを指摘している。このことから2名の教師がそれぞれ 異なる考え方の道筋を提示していくことは数学的な考え方の形成のモデ ルとなるものと推測される。また,研究2と同様,モデリングの前提と なると思われる教師同士の意見交換や相互質問等に対する児童の認知に ついても検討することを目的としている。. 一10一.

(13) 研 究 1.               目 的  効果的な教師間相互作用を行う上で必要な要素を明らかにし,T・Tに おける教師間の会話のパターンを作成することを目的とする。.               方 法 1.分析対象  テレビ番組(4番組)と映画(1本)を会話分析4)の対象とした。テレビ 番組では,「将棋の時間(以後将棋講座)」,「第53回上方漫才まつり(以 後漫才)」,「さんまのまんま(以後トーク番組)」,「テレビショッピング. (以後通信販売番組)」の4番組と映画では「ターミネータ2(以後映画)」. の1本を選んだ。1クラス2TでのT・Tを想定しているので2,3名での 会話で成り立っているものを分析対象とした。また,これら番組等には. 伝える側にTable1のような意図があると推測し,タイプが違うもので はあるが,その中に共通するものがあるのではないかと考えこれら5つ の番組等を分析することとした。.           Table1 番組内容とその目的 番組内容 将棋講座 漫才. トーク番組. 通信販売番組 映画. 目. 的. 視聴者に興味を持たせる。将棋の手を考えさせる。 視聴者を楽しませる(台本あり)。 視聴者を楽しませる(台本なし)。 視聴者に購買意欲をもたせる。 観客に物語の展開を理解させる。. 2.分析手続きと内容.  Table1に示した5つの番組等をビデオテープに録画した上で,会話の 中心と思われる部分を5分程度選択した。そして,その部分を文字にし. 41. 末資料II参照. 一11一.

(14) てそれぞれの番組等における発言者の発言回数,出現頻度の高い言葉,. 特徴的な発言を分析した。また前の発言者と同じ内容を次の発言者が行 った場合を「繰り返し」としてその回数も調べ,発言を句点と思われる ところで区切りいくつの文が発言内に存在しているかについても分析し た。.               結果  Table2はテレビ番組等における会話の特徴を示したものである。.  将棋講座の場合,進行役,解説役の2名の発言の中で「はい」や「そ うですね」という発言の頻度が多く,互いの考えに対して肯定的であっ た。しかし,途中で進行役が解説役に対して質問を行う場面も見られた。.  漫才の場合,笑いの多い場面では,ぼけ役の発言に対してつっこみ役 が発言することが多い。また,「やっぱり」という言葉を多用したり,. 同じ言葉を繰り返したりすることも目立った。特徴的な発言として,つ. っこみ役は観客の立場に立った発言もしていた。2人の関係性は一見対. 立をしているように見えるが,相手の言葉を受けた繰り返しの発言が多 く同調している部分も見られた。また会話のスピードが速く,一単位時 間の発言回数が5番組中で最も多かった。  通信販売番組では,「すごい」,「本当」という言葉が多用されていた。. 出演者は3名であり,1人は業者,後の2人は新米主婦とベテラン主婦と. いう設定であった。新米主婦役は視聴者の立場に立った質問をし,業者 は常に親和的な姿勢で,2名の女性の言動を肯定していた。2名の主婦同. 士の関係も親和的であるが,ベテラン主婦が新米主婦に商品のよさを伝 えるという形態であり,力関係においては強弱がつけられていた。.  トーク番組では,ホストがゲストに対して話を聞き出そうとするホス ト側の質問が多く見られた。また,「そうそう」,「そう(なん)です」. 一12一.

(15) という言葉が多く使われていた。特徴的な発言として比喩を使ったり, 相手の言葉を補ったりするものも見られた。.  映画は,全て作られた会話である。この会話の中には出現頻度の高い 言葉や繰り返しは見られなかった。しかし,1単位時間当たりの発言回 数は他に比べて非常に少ない傾向が見られた。一方で1回の発言当たり. の文数は他の番組よりも相対的に多かったが,特徴的な発言での1文当 たりの長さは他の番組に比べて短い傾向が見られた。 竸数.  、つ.   そ   ﹁. 驚. し. (前回の)’じ得で勉強しました一手が出てくるんですけどね。. どういう手がありそうですか。. 16   6. つ. 1. 今来てるお客さん分かります力瓶. 1 1. 褐糾.    召  騙1 圏  .  ㎎姻紹.  トト. 藤舗. トーク番組. 17. 合計   126 171 1.36  6 「そう」 rそう1酬です」. 恋はレゴみたいなもんなんです。 木の実力『またっと落ちるような時期待つんですよ・. 2.    7. 1.54  4 −”−”乱. 蕊覗葡. 召僻祈. 肌315ー.  ヨ田. 通信販売. 「すごい」  「本当」. この汚れが再び付着することはないんですか。 まだこうして○○(商品名)を知らない人がいらっしゃるのね,△さんみたいにね,. 681. 7. 8 つまり。. ︷1 り乙. 一 一 一. り乙. 器63舘. 訪1326. 1    . ラ   働釧㎞.  映画. 離醐. さすが達人。. 合計   82 118 1.44  10. ー. 特徴的な発言. 繰り返し. 25. 3. −”t. 63. 詣詔. 留桝. 漫才. 篇瀦.    肋. 65.   ﹂. 32.   、   し 4 ぱ   よ 1 ブ   5 り . あ文. 1”−一t. 嫌 ㎎  召1 望  . 訂訂叫. 将棋講座. 灘舗.  鰍. 健.   ヒ    歴  ﹁.          Table2テレビ番組等における会言繍教. 出して。. 落ち着け。. 合計  35 752.14.                考 察.  本研究でのテレビ番組等における会話分析の目的は,教師間相互作用 に活用できると思われる要素を見つけることである。5つの番組等では,. それぞれに出現頻度の高い言葉や特徴的な発言が見られた。その結果に. 基づき,教師間相互作用に必要であると思われる会話の要素について考 察を行う。. 一13一.

(16)  番組の中で「やっぱり,すごい,そうですね」等の言葉を多用し,相 手に同意したり,相手を立てたりしながら会話を展開することで,発言 者間の親和的な雰囲気が形成されていると考えられる。.  しかし,親和的な2人ないし3人であるが,そこに見られる力関係は必 ずしも平等ではなく,出演者に知識,経験,技能面で差をもたせること. で対比の構造をつくっている可能性が考えられる。将棋講座における進. 行役と解説役,通信販売番組におけるベテラン主婦役と新米主婦役,漫 才のぼけ役とつっこみ役がそれに当たる。.  そして,質問の設定の仕方から対比の構造の一方は視聴者側にあると 考えられる。将棋講座で見られた質問は,視聴者に考えさせることを目 的としていると思われる。また,漫才におけるつっこみ役は視聴者側に. 立った発言であり,それによってぼけ役の発言との落差をもたせて笑い. につなげている可能性があると考えられる。トーク番組での質問は,視 聴者がゲストに聞きたいであろうことをホストが聞いているものと考え られ,通信販売番組においても,視聴者の疑問を新米主婦役の発言者が 質問をすることで,商品の価値を伝えようとしているものと考えられる。. このように,テレビ番組では視聴者側の疑問や要求を意識しながら会話 が展開されていることが示唆された。.  映画は,作られた会話だけに相互作用に必要な要素も意図的に含まれ ていることが考えられる。この作品はアクション映画であり視覚的な映 像が重視されているため,会話の量自体が少なかったものと推察される。. 逆に言えば,会話量を少なくして端的に表現することでスピード感を増 したり話の展開における説明を補ったりしているものと思われる。.  話しの長さという点では,どの番組においても1人の出演者が1分以 上話すことはなく1文の長さが短いことが示されている。これは,分析. 一14一.

(17) 対象の番組等だけでなく他のテレビ番組等でも現れる特徴であると考え られる。なぜならテレビ番組の中で,出演者が1人で連続して15分以上. 話すものは一部の番組(高校数学講座数学1〔NHK教育〕,テレビ寺子 屋〔テレビ静岡〕等)を除いてほとんどないからである。テレビ番組等 で不特定多数を対象とした場合,最後まで飽きさせることなく長時間話 すことは難しいと思われるため,テレビ番組においては複数の人問が,. 対話形式で番組を構成していくものがほとんどである。そして,本来で あれば解説者が十分な説明を1人で行っていけば済むけれども,進行役 が解説者に質問をすることによって視聴者の理解を深めていこう,もし くは視聴者を飽きさせないようにしようとする制作者側の意図が働いて いる可能性が考えられる。.  以上のことから,これらテレビ番組等の中での会話5〉は,視聴者を引 きつけるために意図的に構成されたものであることが示唆された。これ らのことをT・Tの授業の中で生かすと,(a)一方が子どもの立場に立つ,. (b)2人の関係は親和的である,(c)授業のポイントになる質問を互いに する(発問に代わるもの),(d)繰り返す,(e)対照的な考えを述べる,(f). 無意味な長い話は避ける,という6つの要素が挙げられる。  これらの要素を取り入れながら,「他の考え方を誘発させる場合」,「他. の考え方を提示する場合」,「分からない子どもの(もしくは発展的な考. え方をする)ために質問する場合」の3つの会話パターンを作成した (Table3)。. 51. 究3終了後,研究1における会話を高垣(2004)のTD(肱nsactive discusslon)の質的分析カテ. ゴリーによって分類し,相互作用的な会話になっていることを明らかにしている。巻末資料V. −3参照。. 一15一.

(18) Table3 教師間相互作用のパターン ◆ 他の考え方を引き出す場合.   パターンI T1:他の考え方はないかなあ? C1:もうないです。 T2:もうないよねえ。T1先生、もうないですよ。(多数の子ども寄りの発   言) T1:本当にそうですか。あると思いますよ。 T2:でも、∼だから、もう考えられないですよ。ねえ? C2:他にも考え方はあると思います。   パターンII T1:もう考え方はないよね。 C1:ありませ一ん。 T2:もうないかなあ。あるような気がするんですけどね、T1先生。 T1:もう乍だからありませんよ。 T2:そうですか。私はあるような気がしますよ。 C2:私もT2先生と同じで他にも考え方があると思います。 ◆ 他の考え方を提示する場合   パターンIII(まったく意見が出ない場合). T1:もう他の考え方はないですか? C :無反応。. T2:T1先生、こんな考え方はどうですか?(間違った考え方や高度な     考え方、まったく別の考え方などを示し、その説明を行う。) T l l T2先生の考え方についてどう思いますか?(さらに無反応ならば    T2へ質問をしていく。).   パターンW(どちらか一方の意見を強化する場合). T1:今、C1さんとC2さんが自分の考え方を説明しましたが、どちら     の方がよりよいですか?. C3:C1さんの方です。それは∼だからです。 T1:C2さんの考え方について意見はないですか? C :無反応. 丁2:C2さんの考え方は∼だから,C1さんの考え方よりいいんじゃないか   な。 T1:もう一度考えてみてください。. ◆ 考えに困っている児童,発展的な考え方をする児童のために質問する場合.   パターンV T1:∼という考え方があります。(意図的に不十分な説明をすることも     可能)これで、分かりましたか?. C1∼10:分かりました。 T2:T1先生、私はこの部分が分かりません。他にも分からない人は質     問してみましょう。(もう少しこの部分を工夫したらより分かりや     すいと思うのですが、その工夫を思いつくる人はいませんか) C11:僕もこの部分が十分わかりませんが、この式を変えることで分か    りやすくなると思います。 T…教師  C…児童. 一16一.

(19) 研 究 ll.               目 的  数学的な考え方の形成に必要不可欠であると思われる知識・理解の形 成について教師間相互作用が,どの程度影響を与えることができるのか 検討することを目的とする。さらに,教師問相互作用を児童が認知し, モデリングが行われていることも検討することを目的とする。.               方 法. 1.対象者  対象は、愛媛県内公立K小学校6年生4クラス128名(男子69名,女 子59名)である。実際には130名(男子70名,女子60名)在籍している が,欠席者を対象から除いたため128名となった。実施時期が年度末で. あったため,算数科の全ての単元が終了し,時間的にゆとりのある6年 生を対象とし左。. 2.実験計画と条件の構成  授業者(2T,1T)×問いかけ(有〔C6)〕・無〔NC7)〕)の要因計画的. デザインで2TC,2TNC,.1TC,1TNCの4条件を設定し,実験を行った。2. 要因とも被験者問要因とした。第一要因は,授業者の人数が2人の場合 と1人の場合によるものとした。第二要因は,授業内における教師問相. 互作用の有無によるものとした。ただし,ここでは1Tの場合に「相互 作用」という言葉があてはまりにくいので「問いかけ」とした。. 3.学習ビデオ 1)学習内容 理解に関して予め差が出ないようにするために,児童. Commmication o No Communication。. 一17一.

(20) にとって未習の中学1年生数学科の内容から2学期後半で扱う「点対称」 を学習内容とした。これは、現学習指導要領が採用される前に小学校6. 年生で扱っていた学習内容であり、未習であるけれども児童にとっては 比較的抵抗感の少ないものであると考えられる。指導の主たる目的は、. アルファベットのH,N,Mを例にして児童に点対称の定義を理解させ ることとした。.  学習内容が未習事項であることから,児童間で情報交換が行われない ようにするために各条件で同一時間帯に一斉に指導することがふさわし いと考え,ビデオによる指導とした。.  2)授業者 指導する教師の経験年数や個性等の影響をできるだけ取 り除くために,対象児童とはこれまでに全く接点のない大学院生2名が. 指導を行った。内訳は男女一名ずつで教職経験は共に15年であり,男性. は小学校教師,女性は高校数学科の教師であった。2TC,2TNC条件で は男女が指導を行い,1TC,1TNC条件では男性が指導を行った。 3)授業の流れ  ビデオにおける指導の流れは4条件全て同じとした。. まず,点対称の定義について伝え,画用紙で作成した「N」のモデルを. 使って対称の中心や点対称な図形の説明を行った。次に「H」のモデル を使って他にも点対称な図形があり,点対称であるかどうかについての. 確かめ方も例示した。さらに,「M」のモデルを使って点対称でない図 形も示した。最後に,身の回りにある点対称に対する興味づけを行った。.  ビデオの放映時間は,問いかけのあるために2TC条伜が一番長く, 1TNC条件が一番短かったが,全て5∼6分程度とした。. 4)台本8) 教師間相互作用のパターンを参考にして4条件それぞれ. 8). 末資料m−1参照。. 一18一.

(21) の台本を作成した。理解の程度に差が出ないように各条件で使用する「点 対称」という言葉の出現回数は同数とした。.  2TC条件ではT1は女性教師で進行役,T2は男性教師でできるだけ児 童の立場に近い役割を与えた。「T1:ではこの文字について考えてくだ さい。」「T2:他にはどんなものがあるのですか。」のような台詞を与え,. 互いが関わりを持ちながら指導を行っていくパターンとした。2TNC条. 件もT1を女性教師,T2を男性教師とした。ただし,2人の教師が同じ 画面上で指導を行っていくが,互いの接点は全くなく伝えるべき内容を. 分担し,台詞を交互に述べるだけとした。1TC条件では,男性教師が指. 導を行った。1Tでの問いかけ有りの条件なので「他にはどんなものが 点対称な図形と言えるのでしょう。では、この形について考えてみま す。」というような自問自答型とし,2TC条件と台本はほぼ同じものと. した。1TNC条件も男性教師が指導を行った。ではと同様丁1には男性. 教師が当たる。1TNC条件の台本は2TNC条件の台本とほぼ同じで1人 の教師が指導すべき内容を伝えるだけとした。. Table4ビデオの内容に含まれている要素 4群全てに共通な要素 概念の説明・図の必要性の繰り返し・追加の概念の説明 別の例の提示・理由の説明・新たな問題の提示・ 課題の提起. 2TC,1TC群にのみ設定された要素 図の必要性を促す問いかけ・類推的な考え方のモデル・ 解決方法を思い起こさせる問いかけ・解き方のモデル・ 類推的な考え方の提起・間違った例の提示・ 算数と日常生活をつなぐきっかけづくり  これら4つの条件では,発言内容に特定の要素を含ませた(Table4)。 ただし,2TC,1TC条件の台本の中には,「図の必要性を促す問いかけ」,. 一19一.

(22) 「類推的な考え方のモデル」,「解決方法を思い起こさせる問いかけ」,. 「類推的な考え方の提示」,「誤った考え方の例示」,「算数と日常生活. をつなぐきっかけづくり」の6つの要素を含ませたが,2TNC,1TNC条 件にはそれを含ませなかった。. 4.事前測定のための尺度.  1)算数の既習事項理解度テスト’) 算数の既習事項理解度テストの. 得点は50点満点とし,そのうち,知識・理解6点,表現・処理14点,. 数学的な考え方30点とした。3学期後半の6年生ということで,主に 6年生の学習内容全般を対象にした問題を作成した。ただし,学習内容. が図形領域であることから,数学的な考え方については図形に関する問. 題を設定した。さらに,今後の研究との関連から数学的な考え方の問題 はパフォーマンス課題とし,できるだけ児童の思考過程を反映できるよ うに記述式にした。. 2)算数に対する態度測定尺度10) 算数に対する態度測定尺度は,算. 数の授業等についての児童の態度を測るもので,片桐(1988)が示した. Dutton(1968)の態度項目やIEAによる数学問題に関する態度質問紙の項. 目を参考にしながら30項目作成した。質問項目の内容は,条件を設定 するために必要と思われる9つの因子を含んでいる。算数に対する好意. 度(「算数では図形の問題が好きだ」など7項目),考える過程の重要 性の認知(「算数の問題では答えは一つだが考え方にはいろいろある。」. など4項目),算数の有用性の認知(「ほとんどの人は仕事をする上で. 算数を使うことはない。」など2項目),ビデオ視聴に対する態度(「ビ. デオを見て学習することが好きだ。」など2項目),算数での成功体験. 9). 10). 末資料皿一2参照。 末資料皿一3参照。. 一20一.

(23) (「自分で算数の問題が解けたときにはうれしくなる。」など2項目),. 算数の授業への関与(「算数の授業ではよく発表する方だ。」など4項 目),算数の授業方法に対する態度(「算数の授業ではT・Tが楽しみだ。」. など3項目),算数の学習に対する態度(「家で自分から進んで算数の. 問題をする方だ。」など3項目),教師に対する信頼度(「算数では先生. が自分の考えを認めてくれる。」など3項目),以上9つの因子,合計30. 項目である。質問紙における項目の順序はランダムとし,回答形式は5 件法であった。この尺度において得点が高い場合には,算数科に対して 積極的な態度を示していると解釈された(レンジ:30∼150)。 5.事後測定のための尺度.  1)点対称に関する理解度テスト11〉点対称に関する理解度テストは,. ビデオ学習によって実際にどの程度児童の理解が定着しているのかを測. るものであった。6問作成し,1問は選択式,残りの5問は記述式とし. た。1問目は,「D・0・Y・B・Z・X」のアルファベット6文字を 提示し,どれが点対称な図形化を選択させる問題であった。2問目では ビデオを見て分かったことをできるだけ多く記述させる問題であった。3. 問目では点対称の説明を記述させる問題であった。4問目は平行四辺形 が点対称かどうかを問うもので,5問目は正三角形を点対称な図形であ. るとしている考え方に対するは自分の意見を記述させる問題であった。6 問目は身の回りの中の点対称な図形を探しそれをかく問題さあった。1. 問から5問まで徐々に難易度が高くなるように問題を設定した。  問題だけでなく授業に関しての感想が自由に書ける欄も設定した。 2)算数科授業内容把握測定尺度12)算数科授業内容把握測定尺度は,. 01). 踊2). 末資料皿一4参照。 末資料皿一5参照。. 一21一.

(24) 授業内容に対する気付き等について予め7つの因子で構成した。点対称 についての理解(「まだ点対称の図形と点対称でない図形との区別がつ かない」など5項目),説明の分かりやすさ(「先生の説明は分かりに くかった」など3項目),考える過程の重要性の認知(「算数では間違. った考え方も大切になると思う」など2項目),教師に対する親和的態. 度(「先生の説明に親しみを感じた」など3項目),算数の授業への関 与(「ビデオを見ているとき自分の考えを発表してみたくなった」など3 項目),ビデオ視聴に関する感想(ビデオを見ている時間が長く感じた」. など3項目),新しい学習内容に対する意欲(もっと点対称な図形を探 してみたくなった」など2項目),計21項目で構成した。ただし,1TC,. 1TNC条件は,説明の分かりやすさ2項目,教師に対する親和的態度2 項目で,計19項目とした。項目数の違いは,男女の教師に関する項目 の有無によるものであった。質問紙における項目の順序はランダムとし,. 回答形式は5件法であった。項目は本学習の目標や数学的考え方の分類. などを参考に作成した。この尺度で得点が高い場合には,授業内で積極 的な気付きがあったと解釈された(レンジ:19∼105)。. 3)教師行動認知測定尺度13) モデリングの前提としてビデオ内の 教師の行動を児童がどれだけ把握していたのかを検討するために教師行 動認知測定尺度を用いた。教師行動認知測定尺度は「先生は大事な話を 繰り返していた」,「先生は質問をしていた」など計7項目で構成し,. 回答形式は3件法であった。この得点が高い場合は,児童が教師行動を. 認知していると解釈された(レンジ:7∼21)。質問項目5「先生は式 を使って説明をしていた」は,授業の中では行っていないことを聞いた ものであり,尺度の妥当性を高めるためにダミー項目として設定した。. 13). 末資料皿一5参照。. 一22一.

(25) 6.条件の構成と割りあて.  学級担任や子ども同士の人間関係等による影響をできるだけ少なくす るために既成の4クラスをそのまま条件に割り当てず,算数の既習事項. 理解度テストの得点を重視して4条件を設定した。1つの条件の人数を. 32∼33人とし,男女の比率,現所属クラスの人数の比率ができるだけ 均等になるようにした。さらに,事前の得点を参考にしながら算数科に. おける理解や態度もできるだけ4条件全てが等質になるように構成し. た。各条件の人数は,2TC条件は男子17名,女子15名,計32名,2TNC. 条件は男子17名,女子15名,計32名,ただし分析時には女子1名減 で計31名,1TC条件は男子18名,女子15名,計33名,ただし分析時. には女子1名減で計32名,1TNC条件は男子18名,女子15名,計33 名であった。. 7.手続き  1)事前の測定 条件を設定するために算数の既習事項理解度テスト と算数に対する態度測定尺度を使って児童の算数に対する理解と態度を. 測定した。算数の既習事項理解度テストによって算数に対する態度測定 尺度の回答が影響されないために,後者の質問紙調査を朝の学習の時間 を使って各学級担任の指示のもと実施した。算数の既習事項理解度テス トについても思考力が発揮できると思われる午前中に行った。さらに,. 説明の内容等に一貫性をもたせるために算数の既習事項理解度テストを 実験者の指示のもとで実施した。. 2)事後の測定 各条件間で児童が情報交換を行うことがないように,. 4つの条件を実験当日に構成し,既成の1組から4組の各教室を用いて 一斉に授業を行った。座席は現所属クラスがバランスよく配置されるよ うにした。ただし,ビデオの視聴には各教室に設置しているテレビを使. 一23一.

(26) 用することから,座席については視力に配慮をした。6年生の学級担任4 名がそれぞれ各条件を担当し,実験者の作成した教示文に従いビデオ視 聴による学習の補助を行った。学習内容の趣旨説明,ビデオの再生,質 問紙とテストの配布,回収,その他注意事項の説明を行った。.  ビデオ視聴後,算数科授業内容把握測定尺度と教師行動認知測定尺度 についての質問紙調査を実施し,その後,点対称に関する理解度測定テ. ストを行った。質問紙調査は10分間程度で,点対称に関する理解度テ ストは25分間とした。. 8.実施時期と時間配分.  2006年2月27日から3月3日の1週間実施した。研究2における時  間配分は,事前の測定で1時間(ただし,質問紙調査は朝の学習の時  間を活用),ビデオによる指導と事後の測定を合わせて1時間,事後.  指導で1時間,計3時間分の実践を行った。 9.テストの採点.  点対称に関する理解度測定テストの採点は、実験者作成の評価規準を. もとに、実験者と大学院生1名、計2名により行った。2名の採点の相 関係数は0.75から0.95の強い相関が見られた。.               結 果. 1.事前における各条件間の等質性の検討  事前に行った算数の既習事項理解度テストの得点(以後,算数理解度 得点)と算数に対する態度測定尺度得点(以後,算数態度得点)をもとに4. 条件を構成し条件間の等質性について検討した。Table5は,算数理解 度得点の条件別平均値とS.D.を示したものである。まず,バートレット. の検定(B)を用いて,分散の等質性を検定した14)ところ,有意差は見. 14). 後,分散の等質性を検討する際にはバートレット検定を用い,検定方法の記述を省略した。.               一24一.

(27) られず(B=1.39,ns,),分散は等質であるとみなした。分散の等質性が. 認められたので,次に同得点において1要因4水準の分散分析を行った。 その結果,4条件間に有意差は見られなかった(F=0.00,df=3/126,n.s.)。. Table5 事前における4条件の算数理解度得.           点の平均値とS.D, N M 条 件. S.D.. 2 T C. 32. 27,50. 36. 2 T N C. 32. 27.31. 60. 1 T C. 33. 27.21. 94. 1 T N C. 33. 27.21. 18.  Table6は,算数態度得点の条件別平均値とS.D.を示したものである。. 各条件の個人得点は,全質問項目(30項目)の評定値を加算したものと. した。4条件間の分散の等質性を検討したところ,有意差は見られず (B=0.70,n.s.),分散は等質であるとみなした。分散の等質性が認めら. れたので,同得点において1要因4水準の分散分析を行った。その結果,4 条件間において有意ではなかった(F=1.18,df=3/126,n.s.)。. Table6 事前における4条件の算数態度得点.            の平均値とS.D. N 条 件 M. S.D.. 32. 103.13. 11.34. 2 T N C. 32. 102.75. 10.22. 1 T C. 33. 103.97. 11.84. 1 T N C. 33. 2 T C. 99.09 ・. 11.36.  通塾率はTable7に示している。各条件における通塾者,非通塾者の 人数とその比率をもとにλ12検定を行った結果,各条件間において有意 ではなかった。. 一25一.

(28) 上’ と 2  の結. 非通塾. 通塾. 比率. 21. 65.6%. 34.4%. 12. 37.5%. 20. 62.5%. 18 18. 54.5%. 15. 45.5%. 54.5%. 15. 45.5%. 計. 69. 53.1%. 61. 46.9%. x2値. ( ). 比率. り 乙 ︽/一つ︾3. つG3つGつG. 度数. 度数. 2TC 2TNC lTC lTNC. 11. 条件. 計N. Table7 匁における’山 ’ロの. df=3 5.20. 130. 2.事後の点対称に関する理解度テストの分析  ビデオ視聴による学習後に行った対称に関する理解度テストの得点 (以後,点対称理解度得点)の結果とその分析は,Table8に示してい る。分散分析を行うための前提として,4条件間の分散の等質性を検討 したところ,点対称理解度得点の合計については4条件間で分散の等質 性が認められた。   Table8 点対称理解度得点の条件別平均値S.D.及び分散分析の結果  条件         全体    問1   問2  問3   問4   問5  問6 Mean 15.84 2、11 3.81 2.73 2.13 2.56 2.50. 2TC. (N二32). (SD). (2.25). (0.45). 2TNC. Mean. 15.23. 3.73 .. (Nニ31). (SD). (2.23). (0.62). 1TC. Mean. 15.63. 3.77. 2.13. 2.45. 2.47. 2.22. 2.59. (Nニ32). (SD). (2.81). (0.64). (1.01). (0.68). (0.98). (1.02). (0.77). 岡ean. 14.56. 3.58. 2.09. 2,11. 2.14. 2.02. 2.64. (SD). (1.85). (0.81). (0.72). (0.64). (0.61). (0.97). (0.61). 1TNC (Nニ33). 分散の等質性  B. (0.81〉. (0.46〉. (0.72). (1.,2). (0.52). 2.05. 2.26. 2.24. 2.40. 2.65. (0.76). (0.55). (0.86). (1.06). (0.56). 5.51    10.44*   4.28   4.97    (日>X2(3)57,81).  F値  授業者(A) 1.13. 0.72     0.02. (dfニ1/124) 問いかけ(B) 4.11 *. 1.44     0.13.     A×B  O.28. 0.19    0.02. 7.82*    0.77   6.09 (B)X2. 1.53. (3)=ア.81). 0.22     0.55   0.44. 9.49** 4.21  *   0.05   0.04. 0,04. 0,06     1.7’7   0.34.                         *p<.05**p<.01.  さらに設定されていた6つの問題ごとの点対称理解度得点の分散の等. 質性も検討した。問1と4は分散に有意差があり等質性が認められなか った。それ以外の4問は分散に有意差はなく等質であるとみなし,授業. 者(2T・1T)×問いかけ(有・無)の分散分析を行った。その結果,全. 体得点では授業者要因の主効果は見られなかったが,問いかけ要因の主 効果が見られた。問いかけ有り条件は,無し条件よりも全体得点の平均. 一26一.

(29) 値が有意に高かった(X有=15.73,X無=14。88)。問3でも問いかけ要因. の主効果が見られ,問いかけ有り条件は,無し条件よりも全体得点の平 均値が有意に高かった(X有=2.51,X無2.18)。授業者の要因の主効果,. 交互作用は見られなかった。問2,問5,問6では,授業者,問いかけ 要因の主効果,交互作用いずれも見られなかった。.  分散の等質性が認められなかった問1と問4については,π2検定を 用いて条件差を分析した。各問における平均値(問1は3.7点,問4は2.3. 点)を基準値とし,その基準以上を理解高群,それ未満を理解低群とし た。そして,その人数の比率を条件ごとに示したものがTable9である。. その結果,問1では4(条件)×2(教授者)のえ2検定と4条件間そ れぞれのπ2検定を行った結果,有意ではなかった。一方,問4では,. 4×2のπ2検定では有意ではなかったが,4条件間それぞれのπ2検定 を行った結果では,2TC条件は2TNC条件よりも基準値以上の人数が有 意に多かった。しかし,その他の条件間では有意ではなかった。   Table9点対称の理解度テストの問1,問4における理解高群と理解低群の          条件別人数(比率)とX2検定の結果.       理解高群 問 条件.      度数 比率 問1 2TC  26  81%   2TNC     25     81%.   1TC  26  81%   1TNC     24     73%. 計. 101  79%. 理解低群 計差槻ら縦 . 2値. 度数  比率  (N) 群間 dfニ1a) df=3b). 19%  32 19%  31. X2<1ns1.02ns. 19%  32 27%  33 27     21%    128. 問4 2TC  16 5礪   2TNC  8  26%. 墓覆llr3・91*465†.   1TC      14     44%. 18  56%  32 22  67%  33.   1TNC  11 33% 計. 49  38%. 79     62%    128. †P<.10 *P<.05 a)各群間におけるX2検定の結果,有意差,有意傾向のあった群間のX2値を示す。. b)4×2のX2値を示す。. なお,点対称について学習する以前に塾や参考書などで点対称という. 一27一.

(30) 言葉を聞いたことがある人数とそうでない人数の比率に関してはTable. 10に示している。Z2検定を行った結果,各条件間では有意ではなかっ た。. Table10 各条件における点対称の既知,非既知の人数(比率)とX2検定の結果        点対称既知          非既知        計      2値. 2TNC lTC lTNC 計. 31. 31.3% 16.1%. 21.9% 27.3%. 68.8%. 83.9%. 78.1% 72.7%. 97. 24.2%. 75.8%. 乙イーり乙3 3ら3 りQ3. 1. 2ρU︻U﹄仔 り乙り乙り乙2. 2TC. 0579.  条件       度数    比率      度数    比率    (N)   dfニ3 2.23 n.S.. 128. 3.事後の教師行動認知得点の分析.  意図的に行った教師の問いかけや意見表明を児童がどれだけ把握して いるのかを分析するために,ビデオ内での教師行動の認知に関して質問. 紙調査を行った。教師行動の認知に関しての得点(以後,教師行動認知. 得点)の分析結果がTable11である。   Table11 事後の教師行動の認知得点の条件別平均値とS.D.及び分散分析の結果. (N=31). 1TNC (N=33). 分散の等質性. 2.00. 2.69. 1.22     2.66     2.84. (0.56)(0.60). (0.35). (0.53). (0.60) (0.54) (0.44). 15.22. 2.16   1.45. 1.39. 2.48. (1.47). (0.51)(0.56). (0.55). (0.50). 12.68. 2.75   2.13. (1.63). (0.43)(0.56). 13.24. 2.64    1.52.  . (1.78). (0.54)(0.50). ラ    . 1TC (N=32). 2.47   2.22. (1.44). ラ    . 2TNC. B. 全体 項目1項目2 項目3 項目4 項目5 項目6 項目7 16.09.   . (N=32).      . 2TC. ㎞⑧舳⑧舳ゆ㎞ゆ. 条件群. 1.84 2.21 1.02. 1.41. 2.47. (0.61). (0.66). 1.24. 2.55. (0.43). (0.56). 10.32*   2.78 (1》X2(31;F”). 1.03     1.35     2.87. (0.18) (0.48) (0.34) 1.00     2.50     2.97. (0〉 (0.61) (0.17) 1.03     1.55     2.73. (0.17) (0.66) (0.62〉 一779.23**  3.49    43.52** (,〉X2〔3);ll,”〕             〔酢〉x2{3)=”、30. 3.60† 0.02. 0.01.    問いかけ有りの授業者 4.70 *          22.45**. 7.08**   1.14. 1.33.  F値  問いか1撫し備  1.96        1.33. 0.00   1、70. 1、76. 1.80  118.74**. 1.96.      麟者        0.29  16.78**  0.02  17,36 **. (df=1/124)   問いかけ   89.26**5.20 *48.34** 19.21**. 0.60. 0.39.    授業者2人の問いかけ 71.65**          23・93**. 5.14  * 79.03 **.    授業者1人の問いかけ 23.98**            1.71     騰×問いか1ナ   6・36  * 1.10 ns   O.63   6.42  *. 0.13  42.52 **. 1.91. 3.48†2.81†. 0.06 4.98 * 3.08†.                      †P〈,10酵<,05瞬く,01. まず,4条件の分散の等質性を検討したところ,全体得点では等質性. 一28一.

(31) が認められたが,項目3,項目5,項目7において分散の等質性が認め られなかった。.  分散が等質性が認められた全体得点及び項目について,授業者要因 (2T・1T)×問いかけ要因(有・無)の分散分析を行った。全体得点で. は,両要因の交互作用が見られたのでLSD法による下位検定を行った ところ,問いかけ無し条件では2丁条件と1丁条件に有意差は見られな かったが,問いかけ有り条件では,2丁条件が1丁条件よりも教師行動認 知得点の平均値が有意に高かった。また,授業者が1丁条件では,問い かけ無し条件が問いかけ有り条件よりも教師行動認知得点の平均値が有. 意に高かったが,授業者2丁条件では,問いかけ有り条件が問いかけ無 し条件よりも教師行動認知得点の平均値が有意に高かった。.  項目1「(女の)先生は大事なことを繰り返していた。」では,授業者 の主効果が有意であり,1丁条件が2丁条件よりも教師行動認知得点の平 均値が有意に高かった(X2T=2.32,X1脂2.69)。問いかけ要因の主効果も. 有意であり,問いかけ有り条件が問いかけ無し条件よりも教師行動認知 得点の平均値が有意に高かった(X有=2.61,X無=2.41)。両要因の交互 作用は見られなかった。.  項目2「(どちらの先生とも互いに質問をしていた)先生は質問をして いた。」では,授業者要因の主効果は有意ではなかったが,問いかけ要 因の主効果は有意であり,問いかけ有り条件が問いかけ無し条件よりも 教師行動認知得点の平均値が有意に高かった(X有=2.17,X無=M8)g 両要因の交互作用は見られなかった。.  項目4「(どちらの先生とも具体的な例を挙げて説明していた)先生が 具体的な例を挙げて説明していた。」において,授業者,問いかけ要因 の主効果,両要因の交互作用はいずれも有意ではなかった。. 一29一.

(32)  項目6「(男の)先生は考えるときに答えの予想をしていた。」におい. て両要因の交互作用が有意傾向であったのでLSD法による下位検定を 行ったところ,授業者が2丁条件では,問いかけ有り条件が問いかけ無 し条件よりも教師行動認知得点の平均値が有意に高かく,授業者1丁条. 件でも,問いかけ有り条件が問いかけ無し条件よりも教師行動認知得点. の平均値が有意に高かった。問いかけ条件での2丁条件と1丁条件に有 意差は見られなかった(Figure2)。  3.5 懸問いかけあり. 3 □問いかけなし 5     2. 平均評定値. 2. 1.5.   1         2T                l T Figure2項目6(「[男の]先生は考えるときに答えの予想をしていた」)の教師行動認知得点.  等質性が認められなかった項目3,項目5,項目7については,X2検 定を用いて条件差を分析した。その結果はTable12に示した通りである。  質問項目について児童は「1:していなかった」「2:少ししていた」 「3:多くしていた」の3件法で評定をしているので,項目3「(男の) 先生はまちがった答えを発表していた。」,項目5「(どちらの)先生が(と も)式を使って説明していた。」では,「2」,「3」の評定を行っている児. 童を肯定群,「1」の評定を行っている児童を否定群とした。項目7「(ど ちらの)先生は(とも)図を使って説明していた。」では,評定「1」を示. している児童を否定群とすると人数が少なく分析できなくなるため, 「3」の評定を行っている児童を肯定群,「1」,「2」の評定を行ってい. 一30..

(33) る児童を否定群とした。.  まず,それぞれの項目ごとに4×2のπ2検定を行ったところ,4条 件間の人数において項目3では有意であり,項目5では有意傾向が見ら れた。項目7では有意でなかった。次に各条件間ごとにπ2検定を行っ. た結果,項目3では,2TC条件の肯定群の人数は,1TC,2TNC,1TNC 条件の肯定群の人数よりも有意に多かった。それ以外の条件間では有意 出はなかった。.  項目5では,2TC条件の肯定群の人数は,1TC条件の肯定群の人数よ りも有意に多かった。それ以外の条件間では有意でなかった。項目7で. は,1TC条件の肯定群の人数は,1TNC条件の肯定群の人数よりも有意 に多かった。それ以外の条件間では有意ではなかった。 Table12項目3,項目5,項目7における肯定群と否定群条件別人数(比率)とのλ2検定の結果  差が見られた   X2値. 質問項         肯定群       否定群.    条件 目        度数  比率   度数  比率. 計.   条件間 df=1a)  dfニ3b) 24.50  纏    36.86  **. 項目3  2TC. 30   94%. 2   6%   32.    2TNC. 11   35器. 20   65%  31. 29.91榊.    lTC. 11   34%. 23.52纏. 9   27%. 21   66%  32 24   73%  33. 61   48%. 67      52%     128.    lTNC 計. 項目5  2TC. 13%.    2TNC. 3%.    lTC. 0%.    lTNC. 3%. 計. 6    5%. 項目7  2TC. 28   88%.    2TNC. 28   90%.    lTC. 31   97%. ii騰il:r㎝*㎜† 32   97%  33 122     95%     128. 13%  32 10%  31. 5.30. 鑑器コ→4−92*.    1TNC              15     12%    128     計        113  88% 26   79%.                 †P<.10 *P<.05 **P<.01 a)各群聞におけるX2検定の結果,有意差,有意傾向のあった群間のX2値を示す。. b)4×2のX2値を示す。 c)項目3,項目5に対して「2」,「3」の評定を示した児童を肯定群,「1」の評定を示した児童を否定群とした。. d)項目7に対して「3」の評定を示した児童を肯定群,門」,「2」の評定を示した児窺を否定群とした。. 4.事後の算数科授業内容把握度得点の結果. 1)算数科授業内容把握度測定尺度の因子分析的検討 2丁条件は21. 一31一.

参照

関連したドキュメント

現実感のもてる問題場面からスタートし,問題 場面を自らの考えや表現を用いて表し,教師の

 仙骨の右側,ほぼ岬角の高さの所で右内外腸骨静脈

教育・保育における合理的配慮

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

脱型時期などの違いが強度発現に大きな差を及ぼすと

大阪府では、これまで大切にしてきた、子ども一人ひとりが違いを認め合いそれぞれの力