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 教師間相互作用  教師間相互作用:教師間相互作用の影響有無       ド

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  「三角形の角を調べよう」    1同一の学習内容

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    Figure9 数学的思考力に及ぼす教師間相互作用の影響の範囲 2.数学的な態度について

 数学的な態度項目を因子分析によって「数学的思考の構成化」,「高 次の意欲化」,「既習内容の応用化」,「表現化」,「合理化」の5つに分 け,それら5つの因子ごとに分析を行った結果,学級間(E1,E2,C1)

による比較では,「合理化」得点においてE1はC1より平均値が有意に 高かった。教師間相互作用の中でT1,T2がよりよい考え方を表明する ことによって,児童が教師の話をもとにしてできるだけ簡単に答えを出 せる方法を考えようとする態度を形成したのではないかと考えられる。

すなわち,児童の数学的な考え方の形成過程においてモデリングが影響 していたのではないかと考えられる。

 しかし,他の4因子においては3群間で有意差が見られなかったこと

から,これらの因子に関して教師間相互作用は有効であったと言えない。

「合理化」だけに差が見られたのは学習内容との関連が強かったからで はないかと考えられる。角度を求めたり,変わり方のきまりを考えたり するときに合理的な考え方の必要性が高まったものと思われる。

 一方,各学級内における測定時期の差について分析すると,「数学的 思考の構成化」,「高次の意欲化」においてE1,E2で事前よりも事後の 方が高くなっていることが明らかになった。また「合理化」についてはE1 で事前よりも事後の方が高くなっていた。C1は,事前,事後で有意差 は見られず,分析対象外のC2もC1と同様であった。

 E1,E2では,問題に対して見通しをもちながら手順を踏んで考えて いこうとする態度や提示された問題を解決するだけでなくより深く考え ていこうとする態度が,教師間相互作用によって向上したものと思われ る。教師間相互作用を行わずT2が個別指導にあたる従来のT・Tを行っ たC1,C2では,その伸ぴは見られず,むしろ下がる傾向にあった。こ のことから教師間相互作用が数学的な態度に影響することが明らかにな った。これは,教師間相互作用に問題意識や見通しを持たせるような要 素を構成したことによるものと考えられる。ただし,事前から事後1,

事後2と時問が経過しても上昇を示さない場合もあった。これは時間の 経過によって,教師間相互作用の新奇性が低下し,学習への動機づけが 低下したことが原因ではないかと考えられる。T1とT2の役割を流動的 に変化させて教師問相互作用を行うことが必要ではないかと思われる。

 「既習内容の応用化」や「表現化」において差が生じなかったのは,

教師問相互作用を取り入れたT・Tと個別指導型のT・Tのどちらにも組 み込まれている要素であったためと推測される。以前に学習したことを 使って考えることの大切さや分かりやすく自分の考えを表すことの必要

性などを教師問相互作用の中に構成していけば,「既習内容の応用化」

や「表現化」にも影響を与えることは可能であると考えられる。

3.T・Tに対する感想等の自由記述について

 質問項目以外で教師問相互作用による学級の差を検討するために,

T・Tに対する感想等の自由記述を分析した。

 事前,事後1,事後2の3回分の自由記述の分析を,各群間で行った 結果,事後1において「楽しさ」や「交流」に関して記述している児童 は,E1,E2の方がC1よりも多かった。事後2において「交流」に関し て記述している児童は,E2の方がC1より多かった。これらのことから,

教師問相互作用を児童は認知し,それを楽しいと受け止めていると思わ れる。「T2が質問しているのがよかった。」というような記述からT2の 行動を認知し,それには価値があると判断している児童がいたことから

もそれは言えるのではないかと考えられる。

4.教師行動の差,普段の授業との差の認知について

 教師間相互作用そのものを児童が認知しているかどうか,質問項目を

「T1に関すること」「T2に関すること」「普段の授業との差」の3つの カテゴリーに分けて分析した結果,学級間で有意差は見られなかった。

研究2の結果ほど差が見られなかったのは,質問項目の設定に問題があ ったと考えられる。児童が質問項目に対して十分考えながら回答できる ために逆転項目を設定したが,それがむしろ児童の自然な回答を阻んで しまったと思われる。例えば「T1(実際の教師の名前が記入されている)

の説明は分かりにくかった」ということを児童が肯定的に評定すること は,今回の対象者において極めて少なかった。対象者の実態を踏まえて 質問項目を設定する必要があった。また「T2の話で,算数の問題を解 こうと思う気持ちが強くなった」「T2の話は算数の問題を解くヒントに

なった(質問紙上は逆転項目)」という項目については,統制群で個別指 導をしていない児童も肯定的な評価をしており,今回の対象児童は教師 に対して否定的な判断を行う傾向はあまりないことが考えられる。

 しかし,個別の項目を分析していくと学級間で有意差が見られるもの もあった。項目3「T2の話で前に習った学習を生かして問題を考えれ ばよいことが分かった」では,E1はC1よりも平均値が高い傾向にあっ た。教師問相互作用の中に既習の学習を生かすことの重要性を組み込ん でおり,それに関してT2の比重が高かったことが影響していること考 えられる。ただし,ここでも統制群も同様に肯定的な判断を示している ことから,個別指導によるものなのか,教師間相互作用の影響によるも のなのかを限定できない。

 また項目15「T1の話で算数の問題を解こうと思う気持ちが強くなっ た」では,E2の平均がC1の平均よりも有意に高かった。これは,教師 間相互作用の中においても進行役はT1であり,T2の発言をもとにして T1が児童に問題を提起していく形が多かったので,このような結果が 現れたものと考えられる。

 さらにT1とT2の役割が児童にとってどの程度異なって認知されて いたのかも分析した。質問項目でT1とT2を比較することができる項 目は6問であり,その6問は3つのカテゴリーで構成されていた。質問 項目15と項目2は「教師のはたらきかけが問題を解く意欲となったか どうか(意欲の喚起)」,項目6と項目9は「教師が問題を解く手助けと なったかどうか(解法の支援)」,項目10と項目14は「教師によって問 題を解くための見通しをもてたかどうか(見通しの付与)」であった。

 「意欲の喚起」においてE2はC1よりもT1の評価が高かったがE1 ではそれは見られなかった。教師間相互作用の中においてT1の役割が

児童をリードしていくことにあったためと考えられる。それ以外に関し ては条件間で差が見られず,T1とT2との差も見られなかった。「解法 の支援」や「見通しの付与」は実験群も統制群も同様に組み込んでいた ために学級間でも授業者間でも差が見られなかったと思われる。

 ただし,実験群だけT1とT2の差を検討した結果,「見通しの付与」

で,T2がT1よりも平均値が高い傾向が見られた。これは,教師問相互 作用の中でT2の役割を考慮して類推的な考え方を行う要素を取り入れ たことによるものであると考えられる。研究3の考察の概要はFigure10 に示している。

数学的な考え方

数学の方法

 コ 化

繍伯

的思の理学的次合数学高﹁ 数﹁ ﹁

数学の内容

モデリング

教師間相互作用の あるT・T

 (E1・E2)

【児童】

教師行動の差 普段の授業との差を 認知

Figure10 研究3の考察の概要

 児童は教師行動や普段の授業との差を認知しており,教師間相互作用 によって数学的な態度の「合理化」をモデリングしていると思われる。

また,教師間相互作用によってモデリングされた思考過程が,数学的思 考力にも影響を及ぼしたことも明らかになった。教師間相互作用が児童 の数学的な考え方の形成に影響を及ぼしたと考えられる。また,杉山

(1999)は,算数の授業において2人の教師が対話をしながら問いただし たりすることでものの考え方,考えの進め方を知ることもできることや 子どもの役をする教師の重要性を指摘しており,そのことも実証するこ

とができたと考えられる。しかし,教師間相互作用の影響は,数学的な 考え方の一部において見られるものであった。このことから,教師間相 互作用の内容を改善していく必要がある。

 今回は,数学的な考え方の数学的な態度の形成を重視して教師問相互 作用を構成したが,それだけで数学的な考え方が形成されたとは言えず,

数学的な考え方の別の要素(数学的な内容や数学的な方法)も含めて教 師問相互作用を行っていかなければならないであろう。

 また,今回の研究では指導時間が短く,「三角形・四角形の角」では5 時間,「変わり方のきまり」は2時間,計7時間であった。児童が数学 的な考え方を形成していくためには,計画的,長期的に教師間相互作用 を取り入れながら指導を行っていくことも必要であると考えられる。で より有効な手段となり得ると推測される。数学的な考え方の形成のため にどのポイントでどのような教師間相互作用を行っていけばよいのかを 考える必要がある。

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