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管 理 会 計 の 性 格 に 関 す る 一 考 察

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(1)

︼ は し が き  

十九世紀後半以来︑アメリカにおける産業および交通の発達1I∴方︑新技術︑新機械の導入にともなう製造工  

業の発展︑そして︑生産力の伸長︑他方︑全国的市場の成立11が︑従来まで見られなかつた多くの経営問題をよ  

びおこした︒所有の経営からの分離︵S名aratiOn Of OWnerSFip frOm management︶ にともなう投資家および債権者に  

たいする経営者の芸任問題︑競争の激化による利潤の減少︑特殊専門化した機械作業の調整と監督の困難性︑固定  

設備の増大とその陳腐化の危険︑このような問題が経営者の関心を強くひきつけ︑いやおうなしに経営活動の合理  

化えの道を模索させたのである︒テ十ラー︵F.声丁鼠○ニ党挙トー讐∽︶の科学的管理法も︑こうした時代の環境  

がうんだ産物であるといつて過言ではない︒すなわち︑多くの経験の中から生れた管理法が︑企業の量的面におけ  

る拡大化と︑質的面における復雑化にともなつて︑ますます︑必要とされ︑今世紀初頭以来︑経営管理に岬大新紀  

元を劃することとなつたのである︒■この科学的管理法︑それほ︑また︑管理会討にとつても︑生みの親であつたと  

いうことができる︒しかし︑ここで︑澄慈しておくぺきト﹂とは︑科学的管理法が管琴会計の生みの親であつたとい  

っても︑それほ︑管理会計における﹁管理﹂を﹁科学的管理﹂と理解し︑科学的管理法︑課業管理法の思想のも′と  

管理会計の性格に関する一考察   管理会計の性格に関する一考察  

浦   三  

︵二五三︶  一   

(2)

の管理制度は科学的管理思想な吸収して︑にわかに︑進歩をみたが︑それはただ︑作業管理にのみとゞまらず︑全   般的な総合管理にまセ発展せしめられたものである︒管理会計は︑たしかに﹁科学的管理法﹂′を直接の契機とし   て︑自覚的にとり上げられ︑発展せしめられたものであるか︑現段階においては︑この企業の全般的経営管理に役   立ちうる機能をはたす会計として理解しなければ︑その呉の意義を見出しえないものであつて︑より広い視野のも  

とに︑位置づけられねばならない︒    このことほ︑管理会計が︑なにゆえに︑重要視されるにいたつたかを明らかにすることによつて解明しうる︒    古川教授は︑その著書︑﹁内部統制組織﹂︑昭三ハ︑において︑最近における管理会計の重要性を説くにあたっ  

︵1︶ て︑つぎの六つの理由をあげておられ七︒   

その第﹂は︑企業の規模拡大とその複雑化ということである︒市場の拡大ならびに技術の進歩は︑一般に︑企業   の経営規模をいちじるしく増大せしめることになり︑それにつれて︑経営管理の必要を招集してきていることは広   く知られているとおりである︒これにたいして︑復式簿記︑組織︑その他の管理方法の工夫は︑そのような規模拡  

大にともなって生じた若干の問題解決に役立てられていLることはたしかである︒しかし︑同時にまた︑⊥層︑その   経営規模の拡大の原因ともなり︑さらに︑各種の経営活動の調整および監督にたいして困難な問題を生ずることと   なってきている︒この結果︑企業内部において専門化された各種の分野をこえて︑これを企業全体の観点から経営  

者が経営活動を適当に調整することが﹂層重要となつてきている︒それほ機能的に分化された各経営部門が︑相互   に︑目標の相違をきたしたり︑またノ︑同じととを繰り返すようであれば︑それによって︑企業全体の利益が阻害さ   

(3)

れることになるからである◇それには︑これまでのような報告専門の会計制度でほ不適当であり︑経営管理の要求  

に適合した新しい会計制度が考えられてこなければならない︒   

その第二は︑固定資産な用いることが︑ますます増加し︑しかも︑それがきわめて重要になつてきているという  

ことである︒企業における経営活動が︑次第に︑人間労働から機械的方法にとつて代られてくるのは︑むしろ一般  

的な傾向として指摘されるところである︒そして︑それに用いられる機械は︑ますます︑専門化され︑人間労働に  

比べて︑いよいよ︑融通性を失ってきている︒その上︑機械は企業で静入され︑所有されるのが普通であって︑そ  

れは労働のように︑たんに雇博されたものではない︒そのために︑機械は人間労働よりも弾力性が︑きわめて︑少  

いのである︒それゆえに︑経済事情の変化に応じて︑これを調整することほ︑労務者の場合に比べて︑山層困難な  

事情にあると考えられなければならないっしかるに︑企業の規模拡大につれて︑さらに︑大仕掛の︑かつ︑一層専  

門化された機械の使用が有利となってきている?そして︑このことが︑また︑生産規模を拡大するための主要目的  

の山つとなっていることが考慮されなければならない︒このようにして︑機械設備の増大につれて︑企業において  

は︑生産費に占める機械費の構成割合は︑いちじるしく大となってきた︒このことほ︑〟方では︑企業における連  

続的生産を可能にし︑大量生産への道を開いたのであるが︑同時に︑他方においては︑それを維持するために経営  

活動にたいする予測の問題を︑ますます︑重要ならしめてきているといわねばならない︒それは︑将来にたいす  

る計画の誤りは︑このような弾力性を盛った企業の生産活動にたいして︑それが機動性をもっていた場合に比べる  

と︑√その損失をいちじるしく大きくすることになったからである︒企業においでほ︑このような固定的な生産設備  

の利用が増大するにつれて︑その結果について報告するごとのみを目的とした従来の会計にたいして︑さらに︑経  

営管理の要求に合致するための計画を充分にとり入れた管理会計の必要性が︑左すます増大してきたという㌃とで  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二五五︶  三   

(4)

ある︒   

その第三は︑技術的変化ならびに社会的変動の程度︑∵その速度が︑従来に比して︑一層大きくなってきているの  

ということである︒このために︑企業の経営活動も孝た︑それに適合するような方法を採用するのでなければその  

継続と繁栄とをきたすことができなくなってきている︒したがって︑経営管理のための計画および指導もまた︑そ  

のような激しい変動条件に相応しなけれぼならない︒ここに︑このような要求に適する新し 

から重要となってきているといわれるのである.︒   

さらに︑第四として︑企業にたいする社会的統制の増大ということがあげられる︒企業は︑現在では︑もほや︑  

決して︑たんなる私的なものではない︒このことは︑政府が私企業にたいして︑その監督の範囲を広めているほか  

りではなく︑実に︑政符みずからもまた︑ある種の産業部門についてほ政府企業をもって私企業に代えて来ている  

ものもあるのであり︑さらに︑私企業と直接的競争を行わしめているものもあることから知られるところである︒  

なおまた︑労務者ほ労働組合を通じ宅︑労働時間︑賃銀︑その他労働条件に関して︑正当な権利を主張しようとし  

ており︑そのような観点から︑経営者の行う経営管理に各種の交渉をなしてきているのである︒さらに︑消費者も  

また︑逐次に︑その組織を作り︑消費組合などによって︑企巣の行動に対抗しようとしているのである︒企兼の活  

動をめぐるこれらの各種の監督︑交渉または対抗に関して︑経営者ほ︑山層︑その正しい事情を知るとともに︑そ  

れに対処するための経営管理の方法について新しい工夫を行わなければならなくなってきでいる︒  

風上の四っの理由のはかに︑わが国の現状においてほ︑なお︑二づの要素を︑その重要性としてつけ加えておか  

なければならない  

すなわち︑管理会計が重要視される第五の原因は︑公認会計士制度の確立にともなう外部強制監査の実施であ    第三十四巻 第四骨   

○  

︵2︶  

︵二五六︶ ︑四 

ノ  

(5)

る︒公認会計士制度の確立にともなって︑わが国でも証靡取引法鹿九三条のこの拶定にもとづいて︑監査規則の  

適用を受ける資本金一億円以上の会社には1強制監査が実施されている︒もちろん︑管理会計は企業の自主的立場  

から企業内部で実施されるものであるから︑この公認会計士の外部監査とほその目的を同じくするものでほない  

し︑また︑その方法においても︑両者は当然に異っ 

に対応して︑一つには︑企業自体においても︑それへの防壁ということから管理会計制度︑特に︑その州領域であ  

る内部監査制度の分野の確立が︑ぜひとも︑必要なのであり︑さらに︑二つにほ︑外部監査を行う公認会計士の立  

場からいっても︑.企業の琴一一者として信頼される監査を実施するためには︑ぜひとも︑企業の内部事情に精通して  

いる者の援助を不可欠とするのである︒もしそうでなけれは︑外部監査の実施には︑多大の日時と︑多額の費用と  

を要することになる︒しかも︑その監査を実施した結果は︑それにたいして必ずしも完壁を期することは困難と考  

えられるからである︒   

その第六は︑商法改正にともない︑わが国株式会社に新しく取締役会制度が導入されるようになつたことであ  

る︒これによって︑企巣外部にある株主その他臥利害者集団と︑企業内部にある経営者集団との中間的地位を占め  

る取締役会が︑経営者によって直接に管澄される経営活動にたいして業務監査機能を担当サることとなったからで  

ある︒   

このことは︑従来の監査役制度の改造とも相関達している︒′それは従来の監査役の機能は︑改正商法において  

は︑たんに︑会計監査の領域のみに限定されるようになったからである︒その結果︑これまで監査役の機能とされ  

ていた企業における経営活動にたいする業務監査は︑爾後はこれを取締役会が担当することとなった︒しかも︑そ  

のような業務監査の槻能は︑企業における経営活動の内容が︑ますます︑後雑となるにつれて︑いよいよその重要  

管理会計の性格紅関する﹈考察   ︵二五七︶  五   

(6)

︵霊五入︶  六   第三十四巻 第四号 

性を加えてくかむのと考えられなけれぼならない︒.これに布いし書取締役会の遂行する経営機能は︑/一般に株主  

からの信託機能とされているのである︒それは︑株主ならびに債権者の利益擁護の観点からその実施が要求されて  

いる︒そのような観点から︑取締役会は会社全体としての広汎な基本方針を設定し︑重要な財務的事項を処理す  

る︒このような機能を遂行するために︑取締役会ほ経営者の実施する経営活動に関して各樺の報告を受けとり︑そ  

の実施結果について監査することになっている︒すなわち︑取締役会ほ︑経営活動の実施にたいして経営管理上の  

責任を直接まかされている経営者集団の実際上の行動について︑その適否を監査する責任を有しているものであ  

る︒それゆえに︑斬らしく制定された取締役会が廟待されている豆要な業務監査の飯能を完全に遂行するために  

は︑ぜひとも企業内部において︑それを補佐するための確固たる管理会討制度︑特に︑その二領域であるノ業務監査  

制度の分野が確立されていることが不可欠の前提とならなけれほならない︒それによって︑取締役会は︑それ自体  

として︑さらにまた︑それに通常附置される専門委員会を通じて︑そのような監査機能を遂行することが容易にな  

ってくるであろうからである︒  

エのようにしてぃ管理会計ほ︑企業に生じっ1ある新らしい事態を正しく認識し︑経営管理の要求に答えるよう  

に︑従来の会計制度を利用しなければならない︒   

ゲェーツとクレイン︵渾E.G邑z訂F1.R仙崇in︶ほ︑その著書︑Acc︒u旨nginActl︒n﹂害.において︑  

会計の概念化っいて吟味した後︑企業活動︵ent遥ri諾︒pe邑i︒n︶における管理者の計画および統制︵m⁝g︒ri巴  

√︶  

pi賀nin明昌dc︒計︒−︶に役立つ会計機能を短摘しているのである︒この目的に沿うため︑従来のまゝで不充分のとこ  

ろは︑これを経営管理の要求に適合しうるように改造しなければならない︒そこでは︑経営管理への役立ちという  

ことが中心課題になっているのであり︑それにたいして︑経営者は︑企業の繁栄を増進しうるような新しい方法な   

(7)

︵4︶ とり入れなけれほならない︒′そのためには︑財警計における会計原則に立鹿するだけでほ不充分であるへそれ  

は︑経営管理の原則に基礎をおいて︑会計制度の酷極的役立ちを考慮することでなければならない︒ここに従来の  

財務会計嘉なるところの管理会計としての新しい︑かつ︑重要な立脚点が存して小るものと考えられるのであ  

る︒   では︑管理会計は︑いかなる性格を有する会計であろうか︒この管理会計の性格生その機能の面から把握する  

ことによって︑その解明を試みようとするのが本稿の目的である︒   

︵⊥︶ 古川栄劇著︑﹁内部統制組織﹂︑昭三六︑二七貴以下︒   

︵2︶ 古川栄一著︑.前掲番︑三六貢以下︒   

︵3︶ B.PG邑2andFR・穿1nゝccO邑in町inAc−iOn!⊥tsM2anlgfOrMa屋ement∵竃B・p・SP   

︵4︶ ここにいう財務会計とほ︑当然のことであるが︑原価会計にたいする概念として使用されてい孟味での財務会計でほな   いのであって︑管理会計賢いする概念として使用されている意味での財務会計を指す︒その意味するところのものは︑本  

稿の次節以下において︑述べているどとく︑それは︑企業外部の目的に資するための会計を指している︒  

二 管理会計の意義  

最近︑管理会討の性格を明らかにするための種々な手法が試みられている︒これについて︑以下︑ゲ工−ツとク  

レイン︵B.EG邑Na已句小R●穿in︶︑ポイドとテイラー︵く川音d邑D=T阜訂︶︑およぴカーチャー︵ワ  

舛irc訂r︶の諸所説を中心にして考察したい︒  

l 法律的財務会計と管理会計︒  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二五九︶  七   

(8)

凄奉還第号   ︵二六〇︶︑八 

︵1︶   

グェーツとクレイン軋よると﹁企洛思蒜には︑法律的財務的側面と経営管理的側面が存在する︒∴ごとで取り 

上げるその著書A§むingi占ActiOnJtsMeaningfOrMan蔓m邑ト一課○において︑彼等が主として取ひ扱うの  

はその副題が示すとおり︑後者の側面についてゞあ鳶︶従来︑企業の会計においては︑主として︑法律的財務的  

な会計面が取り扱われていたという理由から︑これを︑法律的財務会計︵−e讐rfin呂Cia−acc⁝ntin偶︶と呼び︑これに  

︵2︶ たいして︑会計の経営管理的な面を取り扱う会計を︑管理会計︵m呂a管rial警C05tin巴 と彼等は呼ぶのである︒   

ところで︑これらの±つの会計について︑グェーツとクレインは︑種々の立場から解釈するのであるが︑それを  

要約すれば︑つぎのどとくである︒   

法律的財務会計と管理会計は︑二つの共通点をもっている︒   

その共通点の欝山は︑両者ほともに︑企業中心であるということである︒企業中心であるといってキダニーツ  

とクレインは︑﹁企業﹂ ︵ぎt¢rp訃eJを非常に広義に理解しており︑企業概念計︑個人的・家族的・商業的り工  

業的企業・政治単位︵習諾rnm昌邑5it︶・学校・教会・労働組合︵−abO焉5iOn︶ のような制度︵instきt且にも適用  

︵$︶ している︒   

ところで︑法律的財務会計は︑実際に行われた企翼の経営層動︵busine詮︒琶atins︶の会計的影︵害︒邑ings訂d・  

︵ヰ︶  

︒WS︶.を報告する資料に自ら限られている︒これにたいして︑管理会計ほ企業活動と企業環境の両者を報告する資  

料に基づくのである︒  

︵∂︶   

その共通点の第二は︑両者はともに無形なものほ除いている︒無形なものほ︑測定することができず︑したがっ  

て︑計数に還元し得ないので︑法律的財務会計の仕訳帳︑元帳︑財務諸表紅記入し得ないし︑また︑管理会計の標  

準︑記録︑報告の制度にもとり入れることができないからである︒   

(9)

︵6︶  このように︑両者は共通点をもっているが︑その目的︑前提︑方法において異なっている︒   

その相異点の第劃ほ︑目的についてゞある︒   ︑  法律的財務会計の目的のうち︑主要なるものは︑伽 持分の割当︑㈲ 税務︑㈲ 社会的規制︑㈲ 裁判︑鱒  

持分の配分︑㈲ 信鳳の許与︑m 労層関係およぴパブリック・リレーションズ等の目的に役立つ資料を提供する  

ことにある︒これにたいして︑管理会計の目的は経営管理者の計画および統制︵mana讐ria−p−賀nin耶andSntrO−︸  

︵7︶  

旨nagementp−琶nin供andcOntOr−︶に役立つ資料を提供することにある︒   

法律的財務会計は︑法律とか債権者の権力によって裏づけられた要件を課せられているりこの要件軋は︑例え  

ば︑つぎのようなものがある︒  

その会計は︑分類および評価紅関する法律的要件に従い︑時には︑債権者によって課せられた分類および評  

価の規制に従わねぼならない︒画 その会計は︑期間的にも︑企業的にも比較性を求められなけれほならない︒M  

その会計は︑かりに︑適正と効果を犠牲にするとしても︑客観的でなければならない︒客観性は利害関係のない第  

三者による独立の検証紅役立ち︑曖昧さと不正を最少ならしめるのに役立つのである︒⇔ その会計ほ︑法律にお  

いても︑信用許与においても︑ともに︑流動性の問題が量要であるために︑山般に︑当座性︵c焉rengeSS︶すなわ  

ち︑現金収支の生ずる可能性の順序紅したがって︑貨借対照表項目を分類するようになってきている︒   

法律的財務会計が︑右に述べたような要件をみたさねばならない姑果として︑必然的に︑その会計は慣習的な方  

法を用い︑その最終的結果を︑貸借対照表および損益計算書妃示すようになっている︒   

これにたいして︑管理会討は︑先述したごとく︑経営管理者の計画と統制紅役立つ会計資料を提供することを目  

的としている︒これちに役立つ資料の分類と評価は︑その目的と環境の異なるに応じて︑異なるのでなければなら  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二六こ  ガ   

(10)

︵二六ニ︶ 6   警手田巻第四季 

ない︒また︑過去は︑将洛をほかる指数とし︑ての意義をもサにすぎないから︑取得価額︵訂告ricaごを且は現在  

の市場価額︵cu三等t一生ues︶よりも︑その評価方法としてほ劣っている︒管理会討によって︑つくられた資料を使  

用するのは経営管理者のみである︒したがって︑利害関係のない職業的監査人による検証を可鹿ならしめるため  

に︑慣行について厳格に従う必要がない︒それゆえに︑法律的財務会計の場合と異なって︑管理会討の場合におい  

てほ︑経営管痙者の判断が︑その分類と評価を決定する要素となる︒経営管理者は︑株主︑債権者︑政府︑顧客︑  

従業員︑公衆など欄企業の利害関係者に︑もっとも大なる満足を与えるために︑経営能率の増進をはかろうとす  

る︒この目的に達するために︑経営者ほ︑ 

と努力する︒計画の設定紅あたっては︑選択を争ういく個かの計画案を比較し︑もっとも有利と思われる封画案を  

合理的に選択するためには︑資料を必要とする︒ま寵︑現在の作業状況を報告し︑討画と実紋を比較し︑計画から  

の差異を明らか乾し︑好ましからざる状態について速やかに調査をなし︑その対象を樹立するのに役立つ資料を必  

要とする■︒管理会討の邑的は︑経営管理者に︑これらの資料を与えることにある︒   

その相異点の第二は︑その前提について︑いゝうる︒  

法律的財務会計は︑その目的として︑検証しうる資料を提供することを重視するために︑その価額について過去  

を尊重する︒この結果︑資産および費用を評価する主要な︵甚だしき広いたっては唯一の︶基準として︑取得原価  

を使用することとなる︒それゆえに︑資料は価格水準が変動したり︑経営管理者の判断の誤りが発見された時で  

も︑姶んど︵またほ決して︶修正されないものである︒歴史的な価額ほ︑これを文書に記載し︑後日︑判断を含ま  

ない事務的なつき 

ったような対象︵旦ect︶にもとづいて行ゎれる︒会計係と公共監査人︵pも詳auditOr︶ほ対象を検査し︑これを   

(11)

見て︑︑何かをさぐり︑これを評価することができる︒例えほ︑現金・棚卸資産・有価証券の実際在高が記録の残高  

と山致しない場合のように︑その対象が見当らない場合には︑不正︑誤謬が明らか鱒されるのである︒対象ほ︑ま  

た︑比較的独特な別個の経歴をもっており︑このために︑ノ対象分類ほ︑費用ならびに資産の検証にたいする便利な 

基準となるのである︒物的な対象ほ︑しぼしば︑経営活動の過程払おいて︑分割されるのであるが︑法律的財務全  

都は︑この部分にたいしても客観的な検証しうる価額を求める︒そこで対象に結びついている最初の価値が︑蒜  

の断片が無視されるような極端な場合を除いて︑厳格に︑算術的な比例算︵t訂m3a旨Fmet−calpT︒pOユiOn註t〇  

によって︑′これらの部分の間紅分割されるのである︒法律的財務的な原価計算は﹂すべての生産過程を通じて︑こ  

の手続を実行しょうとする愚かな企ての山例である︒この結果は︵最初の︶価値を比例的に分配する物的な基準  

を﹂ひきつゞき︑選択することとなる︒とのような歴史的価額︑対象分類︑算術的比例算を使用するゆえんは︑相  

対立する利害関係を針つ人々が︑上れに同意しうる資料を必要とすることから姥じていると考えられる︒   

これ紅たいして︑管理会計にとつて重要なのは︑﹁資料が何に使用されるのか﹂︑﹁経営管理者ほ何をしようと  

しているのか︒そして︑何かはかのもの1︑代りに︑それを行うのか︒﹂︑﹁いか乾して︑それをなすことができる  

のか︒﹂︑﹁どんな資料が必要とされるのか﹂ということである︒これらの問題にたいする解釈は︑目的と状況を  

詳細紅定めた特定の関係領域の範囲内においてのみ有効と認められている︒経営管理の主要な問題は未来指向  

︵fOWa乙︼舌kin朋︶であるから︑管理会計の分類と評価も︑また︑未来拒向でなけれほならない︒歴史的な評価や対  

象分類は︑経営管理者が︑種々な提案の結果を予言するの紅役立つかぎり紅おいてのみ有効であり︑また︑算術的  

比例算は非常に注意して使用しなければならない危険な用具である︒これを要するに︑管理会計においてほ︑分類  

と評価の問題は経営管理の問題かむ生じ︑その問題どとに変ってこそ︑その効果を発揮できるものである︒換言す  

管理会討の性格に関する一考察   ︵二六三︶ 一山   

(12)

︵二六四︶ 山二    欝三十賃率⁚滞四号  

れほ︑管理会計における分類は︑﹁管理計画の世め粧は﹂その第一次分類として︑考慮されている競争的討画の性  

質に依存して決定されるべきであり︑﹁管理統制のためには﹂をの第一次分類として︑責任を有する職制︑すなわ  

ち.管理者の権限および範囲に依存して決定されるべきであろう︒また︑﹁管理計画砂ため軋は﹂管理会計におけ  

る評価は︑﹁現在の取替価格および機会原価﹂にもとづいて決定された増分と機会の計算︵ca訂u訂Of inc詔mentS  

andOPpOtunitie仏︶となる︒との場合には︑﹁この計画は︑その計画よりも︑いかほど原価が多くなるか﹂︑﹁も  

し︑この目的のためにほ︑もほや︑必要でなければ︑この資産から︑いかはどうることができるか﹂ということが  

主眼である︒したがって︑重点が︑現在または未来払おかれており︑決して︑過去におかれていない︒換言すれ  

ば︑分類と評価の問題は︑管理会計にあっては︑経営管理の目的と方法におかれていて︑法律的財務会割における  

抽象的で絶対的な一個の価値しかもたない真実におかれていない︒管理のためには︑管理会計匿おける評価は︑企  

業にとって︑いかはどの重要性をもっているかということゝ︑その頓首な昔任者による統制に服せしめるというこ  

の二つの見地から行われるわけである︒管理会計ほ︑企菜の生活 ︵−i訂︶ に密着している︒それほ山定の増分  

︵finiteincrements︶だけ異り︑そして︑種々な大いさの物的資産集団とその金銭的支払額との間に比例的な関係の  

ない一群の資産を想定している︒換言すれば︑管理会計の前提ほ︑仙群の資産を質的にひとしくない部分にわけ  

るひその評価額は︑景気段階︑季節的段階のいかん紅より︑極端な場合には︑時間的にも変動する︒埋没原価  

官nkcOSエとなるところの回収し得ない原価があり︑また︑・価値を高めたり︑低くめたりする工学的な変化や社  

会的な変化がある︒これらのことから︑管理会計における︑その分類と評価は︑経営管理的判断にみら︑法律的財  

務会計において重要視された歴史的︑比例的な分類と評価を重視して︑はいないのである︒   

その相異点の第三ほ︑方法の相異として指摘することができる︒   

(13)

法律的財務会計は取引か生ずると︑これを︑原始記録に書き︑これを仕訳し︑この仕訳を元帳の関係勘定に転記  

する︒この事務の正確性は試算表によって検査される︒整理事項ほ期間的な比較を可能ならしめるために︑仕訳さ  

れ︑元帳へ転記され︑これから財務諸表が作成される︒   

これにたいして︑管理会計は︑経営管理に資するための会計であり︑経営管理は︑その機能として︑計画と続制  

を考えることができるゆえに︑管理会計は︑計画と統制の行われる手段となる標準︑伝達︑記録︑報告の制度であ  

る︒すなわち︑まず︑物的標準がつくられ︑これが︑予算の通達や︑製造指図書︵prOd喜罫nO乙eユの発行という  

形で命令される︒これにもとづいて︑工場では︑たとえば︑材料については︑倉出高︑手許在高︑仕損高︑受入高  

に関する報告書︑労務費については︑作業時間崇︑出勤票などの報告書が定められ︑そして︑実際の︐記録が行わ  

れ︑さらに︑これにもとづいて︑差異分析報告書のごとき経営管理者にたいする種々な報告警がつくられるのであ  

る︒   

かように︑法律的財務会計と管理会計は︑その方法においても異なるのである︒   

以上において︑主として︑ゲェーツとクレインの所説にもとづいて︑企業会計は二つの側面を有してい亮ことを  

明らかにした︒すなわち︑その一つほ︑法律的財務会計であり︑その二つは管理会討であった︒そして︑その両者  

の間には︑かなりの相異を見出しうるのであり︑それを明らかならしめるために︑目的・前提・方法の一二つの立場  

から︑これを考察したのである︒   

このゲェーツとクレインの所説は︑企業会計が有する二つの側面を︑理論的に把握した点について大いに︑その  

功績を認めなければならない︒しかしながら︑古川教授も指摘されるように︑﹁同二∽計算方法なり︑報告制度  

が︑その用いられる目的にしたがって︑一つ咤法律的財務会計となり︑さらにまたそれは管理会計として役立てら  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二六五︶ 一三   

(14)

︵三六六︶ 山四   第三十四巻 第四号  

︵8︶′ れる場合もあヶ得る﹂・のであるから︑痙理会計を具俺的な計算方法や報告制度として︑固定的紅把握することを避  

け︑むしろ管理会計は管理機能を賦与された会討としてとれをとらえるべきであろう︒この点が︑ゲェーツとクレ  

インの管理会計把握にあたっての第山の欠陥であろう︒   第二の欠陥は︑管理会計の主体紅ついて関説するところがないのほ︑その立論を︑やゝ抽象化し︑具体性︑実践  

性に欠ける傾きのあることを思わせる︒もちろん︑ゲェーツとクレインが︑管琴会計の﹁方法﹂を論ずるにあたっ  

て︑これを経営管理の基本構造としての計画と統制の考慮にもとづき︑さらに︑それを経営管理の諸段階における個  

人的な責任と結びつけて説いているあたりにほ︑経営管理組織と会計の問題がとらえられているわけであるが︑それ  

が︑より具体的に活かされる必要があると思われる︒このことなくしては︑管理会討が︑はじめに意図した︑経営  

管理に役立つ会計という目的を有効にほたすことができないように思われる︒すなわち︑その山つは︑管理会計の実  

践主体としてのコントローラー制度の問題であり︑その二つほ︑管理会計紅おける会討情報の活用の問題であ為︒   

この点について︑ゲェーツとクレインの所説を︑より進めたものは︑ポイドとテイラーであろう︒ポイドとテイ  

ラーもまた︑企業会計は二つの側面を有していることを︑まず︑指摘する︒ポイドとテイラーほ︑これを︑慣行的  

アプローチ︵cOヨ邑iO邑appr︒aCF︶と経営管理的アプローチ︵喜na胃・a−appr︒a︒F︶に区分する︒  

2 慣行的アプローチ︵c︒n喜−i︒nal鳶喀岩aCヱと経営管理的アプローチ︵ma遺賢︒−鳶や岩a︒F︶  

ゲェーツとクレインは︑前述のごとく︑管理会計の意義をあきらかにするために︑法律的財務会計と管理会計を  

対比することによって示そうとした︒ところが︑企業会計がもつ二つの側面を︑摂行的アプローチ︵cOn喜ti︒nal  

︵9︶ apprO呈と経営管理的アプローチ︵⁝age邑app岩屋として示し∴﹂れを︑準拠標︵ぎゴ⁝=e許ence︶の方   

(15)

法を用いて︑展開するという新しい試みが︑ポイドとテイラーによってなされた︒  

ポイドとテイラーは︑まず︑アメリカにおけるテキスト︐ブックを取り←げて︑それを︑五種のタイプに分類  

︵10︶ し︑管理会計の意義を追及する︒この結果﹁エコノミストのいう準拠標︵−ram⁝=旨ence︶﹂完いて︑管芸  

計の意義を明らかにしようとする︒    ポイドとテイラーは︑エコノミストがいう準拠標の方法論が︑会計の方法論として妥当するか否か︑会計の慣行  

般的アプローチ︵cOn邑iO邑app岩aCF︶が︑この方法論で明らかにしうるものであるか否か︑会計の経営管理的ア  

プローチ︵manage鼓app音ざ︶がこの方法論で明らかにしうるものであるか否か︑そして︑両者のこの準拠標に   基づく方法論を対比すること誓って︑両者の差異を︑はたして︑明らか忙しうるものであるか否か︑について疑   問をいだきながらも︑仙つの新しい試みとして︑その展開をなす︒   

ポイドとテイラーの準拠標において︑枠︵−ram①︶となっているものは︑三つである︒その第蒜︑合理的なアク  

ター︵邑iOnalactOユであり︑その第二ほ︑手段︵me見で濁り︑その警亘秩序ある選択尺度︵we−−主de邑  

p邑昌C⁝aIO︶である︒この三つの枠で︑会計の慣行的アプローチと会計の経営管麺的アブロ其の対比なな   し︑ひいては管理会計の意味すか性格を明瞭に示そうとする︒  まず︑帯芯枠である﹁合理的なアクター﹂について示そう︒﹁会計の慣行的アプローチを担当する合理的なア  

クターは︑会計室長つ訂乱数=cc︒邑inge琵已i透︶であるのにたいして︑会計の経営管理的アプローチを担当す  

る合理的なアクターほ︑積極的な経営管理者︵acli扁n邑er︒−・managem阜あるいは︑意思決定を行うグループ  

︵胃upin邑邑in㌃in駒adeを阜であり︑彼等の任務は︑他の人々によって利用される資料の記録を蒐集す   ることではなくて彼等が′意識してヾ資料を記録し︑蒐集するものは︑彼等が︑みづからなさなければならない特別  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二六七︶ 山五   

(16)

︵二大八︶ 二ハ  賢一手四巻 第四号  

の意思決定に関するためのものであるルこ1︑に意思決定とはへたん紅︑計画プロセス匿おける決定の鼻でほなく  

て︑  は︑会計情報に照して︑会計制度︵ac合untin∽童00t雪︶の適否を評価すること︑の意思決定をも含めたものであ  

︵11︶  

る︒﹂とポイドとテイラーはいう︒   

第二の﹁手段﹂の枠については︑ポイドとテイラーは﹁会計の慣行的方法を担当する会計部長は︑その手段とし  

て︑認められた会計技術︵acc①pted accO百計n朋t采Fni琶e00︶を採用しなければならないのにたいして︑会計の経営管  

理アプローチを担当する︑積極的経営管理者︑あるいは︑意思決定を行うグループは︑その手段として︑より多く  

︵12︶ の方法︵mOr①m各FOds︶を採用してさしつかえないし︑また︑採用すべきである︒﹂という︒   

第三の﹁秩序ある選択尺度﹂の枠については︑ポイドとテイラーほ︑﹁前者は︑認められた会計原理および実務  

︵acceptedaccO告tiロ閃princip−禁a已practice00︶にかぎられるのにたいして︑後者は︑より広い選択尺度︵b岩d雪  

︵13︶  

Prのf誓窪C①SCa−且において考慮してよいし︑また︑考慮するべきである︒﹂という︒   

以上の三つの枠のはかに︑ポイドとテイラーは︑いま⊥つ︑状況の考慮が必要か否かという枠を設けなけれぼ︑  

︵14︶  

両者の会計の差異が明確にならないことを見出した︒グヱトツとクレイソが既紅指摘したどとく︑両者の会計の相  

異は︑実に︑状況の考慮をなすべきであるかいなかについてであった︒ポイドとテイラーが︑新しい試みとしで︑  

エコノ︑︑\ストのいう準拠標の方法によって︑両者の会計の差異を呪らかにしようとしたのに︑いま二つの枠を設け  

なければ︑その差異を正確に指摘することができないということとなっ.た︒これが︑ポイドとテイラーの新しい試  

みを不完全のま1終らせる結果となった︒しかし︑この新しい展開は︑今まで︑誰によっても︑なされなかったの  

であり︑〟つの欠陥のためにその理論を完成することが挫折されたにしても︑その試みは高く評価されてよい︒   

叫 ′   

(17)

︵15︶   

ともかく︑以上の欠陥を認めつ1︑⁚ポイドとテイラーは︑両者の会計の要約として︑つぎのように述べている︒   

その第〟ほ︑経営管理的アブロ﹂チ︵manag①rial名pr︒邑︶の担当者は︑意思決定における財務資料の利用者  

︵宏0::inanciaidataind乳si︒n2ki邑の任務を有するの▼にたいして︑慣行的アプローチ︵c︒u喜ti︒邑ap・  

p岩買F︶の担当者は︑他の人々によって利用されるための財務諸表の作成の任腐を有する︒   

その第二は︑経営管理的アプローチの担当者ほ︑会計資料にもとづいて︑経営意思決定を行うにあたって︑経営  

知識を利用することが要求されるのにたいして︑慣行的アプローチの担当者は︑それ自ら︑認められた会計の技  

術︑原理および実務に制約されている︒   

その第三は︑管理会討︵ma已笥ia−等室旨首鼠︶ほ︑それが充分に機能するためにほ︑つねに︑外部および内部  

の経営環境を考慮しなければならないのにたいして︑慣行的会計︵c︒n諾nti︒na−acc︒喜tin∽︶にあって怯︑つね  

に︑これらの条件紅無関心であってさしつかえない︒   

その欝四は︑上述の三つの相異から両者の会計における分類とその強調の程度を異にする︒   

その第五は︑管理会計の目的ほ︑経営の諸問題についての意思決定を助ることにある︒これにたいして︑慣行的  

会計の最終目的は︑財務諸表を作成し︑報告することである︒   

以上がポイドとチノイラーの所説の質的であるが︑この所説は︑ノエコノ︑︑︑ストがいう準拠標にもとづいて展開され  

たが︑これは︑ポイドとテーラー・も彼等自らが認めたようぬ︑前述のどとき欠点を有していた︒このエコノミスト  

のいう準拠標の理論の欠点をカバーして︑彼等なりに︑二つの会計の相異点を明らかとし︑それを以上の五点に要  

約したわけである︒   

ことで︑注意しなければならないことほ︑先述のグェーツとクレインの所説の考察において︑少し触れたところ  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二六九︶ 一七   

(18)

︵二七〇︶ ふ八  第三十田巻・算四号  

であるが︑管理会計の経営管理への積極的役立ということなガイドとテイラトが主張し掌﹂とであ告ゲぷーヅと  

クレインにあってほ︑二つの会計は︑その目的を異にしているとしても︑いずれも︑それは︑報告することであっ  

た︒しかし︑′ポイドとテイラーにあっては︑慣行的会封︵デューツとクレインのいう法律的財務会計︶ほ財務諸表  

の作成とその報告が最終目的として認められたのにたいして︑管理会討の目的ほ経営管理の重要な機能である意思  

決定に積極的鱒役立ち︑利用されることであった︒このことこそか︑管理会計にとって重要なのであり︑管理会計  

は︑たゞ︑′その資料を報告するということだけでほ︑経営管理の積極的な役立ちとはならず︑この意味における管  

理会計であるならば︑ことさらに︑管理会計を区分して把握すること自体が無意味であろう︒管理会討の真の意義  

ほ︑会封情報が経営管理に積極的に役立つという利用の点に求めなければならない︒この点の示唆を行ったのが︑  

ポイドとテイラーであり︑ここに︑ポイドとテーラーの所説とゲェーツとクレインの所説の大きな差異を認めるこ  

結論的にいって︑溝川教授の指摘されるごとく︑意思決定を行う担当者は︑最高管理層に位置する人々であり︑   〜  

とができる︒   

では︑ポイドとティラⅠの所説においても出現した問題であるが︑意思決定を担当する者は誰か︑その者と管理  

会計を担当する者が同じであるかあるいは別であるか︑別とすれば︑その両者の関係はどのようになるか︑また意  

思決定の理論は︑管理会計の値域として考えうるものであるか否か︑についての問題がある︒  

一般紅は︑経営機能を担乱する階層︑換言すれば︑最高管理層のうちの滞二階層を構成する全般管理層に位置する  

︵16︶  

人々であれ︑管理会計を実際軋担当する者は︑この全般管理者に従属するコントローラーであろう︒この見解に立  

ちながら︑意思決定の理論ほ︑これを管理会計の論理的構造の中に含ましめるのが︑カーチャー︵pa已ki岩訂ユ  

である︒カーチャーは︑まず︑経営管理者は︑その意思決定を容易に︑かつ︑正確に行うため︑専門スタップ   

(19)

(誓)  

・こ−・!」:、ミ′ こ●ご、、−、●、−− ̄・・、ご :ミ′   ̄・!■・−こご.て・1‥こ二.ご.−−・−−・・∴.‥、′ =●・・− ・・−−∴:・、・∴一    吋」}′ や−軋キー悪′糾覇亜扁額Q繕領置腰磯旬」}ぜ′   

q 皿壁Q瑚屋(CIlOice of宮oal$)   

一 葉根(Deci$ioninfluence of f11ture)   

¢ 恥恵(Prediction)   

勺 彊檎(Descfipもi皿)   

¢ 覇根(Measurement)   

一 誌Klh丞Q嚢寵(Revi珊Ofsystem)  

(三1  

刺旨」爪時刃J′りQ爪脚′  彊瑠《丸へ㌫只事儲博満斗慣用(亘・H・U・糾・亘)簑事娼トゆ朝  

露Q監ぐQKlトトト′中層ぷ4Q′ 卍蔑汁小針り刃(recording)′な畢小樽り刃(class汀ying)′ 掛庭木狩り刃(錯mma−  

(望)  

rizing)′笹屋小樽山刃(interpreting)裏′皿なQスJG瀾績Q黍馨足癖新車時刃棄∵広中一恵工爪0≫ む雇般′−  

ゝKlh勺Q巡恕′ 入」点瓜趣′漸訂棋い丹ル偶明温赫緋桐捏欄噌博志政綱齢鏑掴仲湖Q杵札 ′ りQ堪聾簑糾   覇朝孟Q軍事刃」}酢衷心忌将O d 

・一三′ −:ここ三‥−.一二・、−−.・・−−ご−・∴・_ − ′ ‥GE∴・ ̄ −こ:・..一. こ・−こ\jご三■:∵・∴●「ここ、;−ミ ‥・ご′∴・  

、.一 −■■・こ ■・∴・■ −:∴、・...−‖J:.−、エ.・−− こ=‥・「、・・・二.∴−こ・・、‥・・lミ′ ∴一二  二・−・...∴.−り・,こ川・−  

(焉)  

∂1stfuCtuでe)Q首足屈基殉恵美恕題心裏工刃取←hキー恵三椚Q㌣鳩明0  

(こ)   

専Q酌健忘嚢最悪置㌣嶋村,∩量0や一丸ヤー雲′ ぐ私Ql、JJJvエ爪0  

糾酎朝おQ車遼足芸小樽i紺簾   (けpり 1貞   

(20)

︵二七ニ︶ 二〇   第三十四攣第四号  

すなわち︑ノ﹁経営管理者はご愚息決定を行い︑目標に︑Jより完全濫到達する方策にもとづいて実施しなければな  

らないっそのために︑しつぎの四つが重要でめる︒  

心︑環境を見きわめ︑質的・量的相互関係軋ついての正確な知識をもち︑㈲ 彼が目標を達成するのに最善であ  

ると信じた活動を︑これらの相互関係に対応するプロセスで論理的に把握し︑㈲ 活動を遂行し︵perfOrm︶︑統  

制し︵c邑rO−︶︑㈲ 結果を評価し︵e邑邑¢︶そして︑このサイクルを続けなければならない︒﹂   

この論理的結果︵−○昔巴00e琶nCの︶にもとづき︑毎理会計は︑仙般の会計におけるよりも︑他の領域をも加えた  

︵22︶  

拡張された枠︵e眉a鼠edfram箋︒k︶で考えられなければならないことをカーチャーは強調する︒  

︵2B︶   

その結果︑カーチャーは︑先述した提姦を行うのである︒これを再言すると︑つぎのどとくである︒  

︵24︶   

何 人間の欲求と希望と環境の認識から導計出された基準軋もとづいて目標の選択を行う︒   

明 日標に到達するためには︑経営活動のコースについての択一的選択︵cF︒icebetweena−tern註諾︒喜冨︒f  

acti且が必要である︒この行為が︑一般に︑意思決定︵deを昌m少kin那︶と呼びうるものである︒   

㈹ 択〟的コースの選択のためには︑期待される目標に到達するその各々の方法の予測︵predi︒t︶が必要で  

ある︒   

㈱ そして︑経営活動を明確ならしめるために記述︵d琶ribe︶しなけれほならない︒   

回 そして︑実施結果を測定︵mea害e︶しなければならない︒ここにいう測定とほ︑測定単位として何を選択する  

か︑いかにしで瓢定するか︑測定記録ほいかなる方決により実施するか︑そして︑測定記録・その分析と結果な  

どを含んでいる︒   

勘 以上が︑制度として︑相互に関係を有しながらサイクルするが︑この制度の検甜もまた欠くべからざるもの   

(21)

である︒   

かように︑カーチャーほ︑決定の行為は︑管理会計の償城として考えられないが︑決定の理論は︑管琴会計の論  

理的構造に包含することが適切であるという︒   

目標の選択︑および決定の行為は︑経営管理者が直接担当するが︑予測・記述・測定︑レステムの検討は管理会  

計担当者が統計数学者の助力を得て担当するのである︒アメリカ公認会計士協会︵A・Ⅰ・C・P・A︶ほ︑会計  

の機能として︑記録︑分頬︑要約︑解釈という掛っのステップを指摘するが︑これは︑管理会計の機能でいう﹁記  

述﹂に該当するものであり︑これを保持しっゞけるかぎりでは管理会計の構造は明らかにされないのである︒すな  

わち︑従来の会計よりも︑管理会計紅おいては︑予測︑測定︑システムの検討という三っの億域が加えられるべき  

であり︑管理会計の担当者ほ︑一般にいうaCC︒unt邑でほなくて︑man品筈$taCCOunt邑であるとカーチャーは  

主張する︒これがカーチャーの第一の主張である︒   

カーチャーの第二の主張は︑管理会計は︑予測︑記述︑測定︑ジステムの検討を担当するが︑管理会計の論理的  

構造ほ︑これに︑さらに︑目標の選択︑および決定の各領域を加えて︑はじめて︑その全貌を明らかにすることが  

できる︒何故ならば︑それらは︑密接に結びついており︑それらを離しては効果的な管理会計が考えられないから  

である︒管理会計の担当者はm呂品空ロentaCCOuntant であり︑その機能する億域は︑前述の四っの領域にわたる  

が︑管理会計の論理的構造としては︑その甲っの領域に︑さらに︑前述の二つの領域を加えて解明されねばならな  

いと主張するのであるっこれがカーチャーの第二の主張である︒   

この第二の主張の基礎にほ︑従来の管理会計は︑︑会計係が経常管理者のために行う会計であると定義されてきた  

のにたいして︑カーチャーは︑経営管理者は︑統計数学者と管理会計担当者を採用するという前提を設けた上で︑  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二七三︶ 二一   

(22)

管理会計漉経営管理者が意思決定のために行う会計でぁる︑と主張し率点叱︑カーチャー・の主張の第三点︑=しか  

も︑もっとも︑重要な点が存在しでい嵐と考えられる︒このa§5t巴昌とm巨agem苫taCSuntantを機能の立場から区  

別したことに始まるカーチャトの所説は︑従来の管理会討を脚歩進めたものとして︑注目に催すべき所説である︒   

しかしながら︑カーチャーの管理会計論ほ大きな欠陥を内包しているのではなかろうか︒カr−チャーは︑アメリ  

カ公認会計士協会︵A・上・C︒P・A︶ のいう会計機能を基礎にして︑経営管理のプロセスに適した会討とし  

て︑予測・記述・測定・システムの検討という四機能をあげた︒これはたしかに︑仙つのメリッーを有しているも  

のであった︒しかし︑反対の側からいえば︑何故に︑経営管理のプロセスは︑これらのみで充分であり︑また︑な  

にゆえにこれらのみが必要なのかについて考えるとき︑そこにほ何の理由も示されていない︒ここに︑カーチャー  

の所説の欠陥を指摘することができるように思われる︒   

この経営管理 ︵mana習m菖t︶ という機能を経常管理者の計画︵maロa管ria−p−anning︶ と経営管理者の統制︵m呂・  

geri巴cOntrO−︶ という二つの機能からなることを指摘したのは︑前述のごとく︑ゲェーツとクレインであった︒  

次節においてほ︑これを考察しよう︒  

︵ュ︶ B● E●gOetN and増R・只−ein.〇p●Cit●一p−£の●   

︵2︶ ibid.︸p.采の.   

︵3︶ ibidI︸p●Uのu●   

︵4︶ ibid.﹀pLのNff㌧   

︵5︶ ibid.﹀p∵崇P   

︵6︶ 法禅的財務会計と管理会計の相異点について︑デューツの所説︵デューツは︑本稿で取り上げた︑クレインと共著を出版    第三十四巻 欝四骨   ︵二七四︶ 二二  

(23)

する以前に︑単独で︑B・E・GOe−N・Maロag2ne−巧打岩5−ngandC阜○−十・・・・Amanager已ApprOaChtOIndust邑   

ぎ○象ngL軍を出版している︶にもとづいて︑松本教授ほ︑明解な紹介をされているので︑本稿においても︑その   

手法にしたがい︑目的︑前提︑方法の三つの立場から︑その相異点を明らか賢たい︒松本雅男稿﹁第毒総説︒﹂︵松   

本雅男編﹁管理会計﹂︑昭二二︑のうち︶二五頁以下︒  

︵フ︶B.戸GO監2andF・R・H旨nゝccO象nginAc−iOP−−−sM2anin叫fOrManageme邑1−i−害Pは三部からな   

っているが︑Pa声においてほ︑maロag2→iaIp−a旨nga已cOn−rO−という用語が鹿用されているが︑Par亭およぴPart  

肖.監おいてほ︑manageロen−P−a旨ngandc邑−○−という用語が使用されている︒ロa屋e邑p−anningandc︒ntr01と   

managementp−anningandcOn−rO−の墓︑は前者が︑﹁誓管理者の計画誓び統制﹂︑後者が︑﹁経営管理における計   

画および統制﹂と別にいう程の差異はなくて︑意味しでいる内容ほ︑同じであるよう覧われるが︑亮別の用語を使用   

しているということを明らかにしておき︑今後の研究上︑念頗払おいておきたい︒次節二四−ニ七頁参照のこと︒  

︵8︶ 古川栄一稿︑﹁管理会計の展開﹂︑会計︑第五九巻第四号︑五弓  

︵9︶ frameOfreferenceを︑﹁応︑準拠標と訳してみたが︑適訳でないよう紅思われる︒大方の御指示を仰ぎたい︒また︑こ   

の内容紅ついても明らかでなく︑ポイドとテープーは︑この論文にお︑いて︑これを︑一つの方法論のタイプとして述べてい   

るにすぎず︑はか紅説明がない︒この概念が問題となったとき︑丁度宮川公男遠大学講師がNOrthw2Stern已已くerSityで   

ポイド准教教との会談をもたれることを知ったので︑詳しくお聞かせ願うことを依頼しておいた︒近々のうちに︑明らかに  

なることと思われる︒  

︵10︶ 戸BOydandDu→旦Or︸→heMaglcWOrds−−−ごManag各alAccOunting㍉︷−2AccO邑ingReまewJan喜yい   

P∽βpp.巨○∽・1の●  

︵u︶ ibid:p・岩り・   

管理会計の性格に関する二考察   ︵山毛五︶ 二三   

(24)

︵12︶ ibid●∵p・↑8●   

︵⊥3︶ ibid・:p●−£・   

︵14︶ ibid●こp︐−○∞・   

︵ば︶ ibid●﹀p●ド8一   

︵16︶ 古川栄一著﹁内部統制組織﹂昭二二ハ︑一〇七−入貢︒   

︵u︶ P=Kircber︼→heOryan−Researc=nManagementAccO邑ingこFeAccO邑厨R2言WJan宕ryL∽芦p・芦   

︵⊥8︶ ibid●︶p・あ・   

︵ェ9︶ ibid:p・余・   

︵刀︶ idid:p●缶●   

︵21︶ ibid・.p・焉   

︵22︶ idid:p・焉・   

︵23︶ ibid・︼p・焉︐   

︵空 カーチャーが︑ここにいう﹁人間の欲求と希望﹂とは︑内部的要素を︑また︑﹁環境の認識﹂とは外部的要素を示してい  

ると思われる︒  

三 管理会計がもつ二つの横能 

︵l︶  ダニーツとクレインもいうように︑経営管理︵m⁝gemen−︶という機能ほ︑経営管理者の計画︵manag意a;︼an・  

ni品︶と経営管理者の統制︵mana笥ialc邑r︒−︶という二つの機能からなることを忘れてほならない︒ここにいう  

計画とは︑企業経営の進むべき目標を定めることであり︑ここに叶う統制とは︑この定められた目標にむけて経営    第三十四巻︑第四号   ︵二七六︶ 二四  

(25)

活動を規制し︑指導することである︒この立場を考慮した場合︑経営管理に奉仕する会計ということから︑計画設   定に役立つ会計と︑この統制に役立つ会計を区分しうる︒そして︑この両者は︑内容を非常に異にしているし︑ま  

︵2︶ た︑その会計の行われる順序も非常に異なっているのである︒   

では︑経営管理者の計画︵m⁝爪音a;1an首偶︶経営管理者の統制︵mn品¢rialc邑rO−︶ほ︑いかなる内容をもつ  

ものであろうか︒  

︵$︶   

ゲェーツとクレインは︑経営管理者の計画の概念をつぎのようにいう︒   

多数の人々からなる近代企業は︑精巧な階級制皮紐織︵旨㌻訂邑;ie註i忌−︒r習i溝鼠の中で構成されてい  

る︒すべてのこれらの人々の活動ほ︑すべての部と課︑および組織的階層︵巴−de2aユmen−a乱写i00iOn﹀む巨d︒r習i・  

邑iOna=e邑00︶において単完︑あるいは︑復推な目的到達のために︑調整され︑結合され︑行動されねばならな   い︒そして︑これらの目的は︑その時期︑および︑その状況に応じて変化するものである︒そのゆえに︑企業の活   動のパターンほ︑その目的に応じて変化するのである︒この変化に対応する活動こそが︑計画機能なのである︒そ   して︑この計画機能を助け︑かつ有効ならしめるために伝達機能があり︑山般的にいって︑予算と会計帳簿おょび   手続が相互間の伝達の重要な手段となる︒変化に対応する経営管理者における計画は︑   

第一は 全社的政策の公式化︵どm已ati︒n︒f訂︒邑§pOr旨p︒−i︒i且︑  

︵4︶  第二は 全社的政策によって確立された枠︵fりame︶の中での部門政策の確立︑   

第三は 全社的政策を発展させるべき諸方法︑および︑諸手続の企画︵d邑芭︑   

第四は 資源の選択︵se−邑i昌○=es︒u壷︶︑製造計画︑およぴ︑その工程技術︵2rOCeSSingl邑ni焉︶の選択︑  

であり︑管理会計ほ︑この計画についてのパターンを用意するのである︒  

管理会計の性格に関する一考察   ︵二七七︶ 二五   

(26)

︵5︶  

経営管理者の統制︵man肇ia;n富︶の内容は︑﹁ゲヱトツと︑クレ→ソによると︑第﹂に︑監督と動概づけ  

︵di琵ting㌢dmOti邑ing︶ノであり︑第二ほ︑結果を記録するこ左であり︑第三は︑その比較を行うことであり︑  

第四は︑その比較にもとついた修正をなすことである︒   

以上の︑経営管理者の計画︑およぴ︑経営管理者の統制を英体的に︑経営管理に通用する場合に経営管理におけ  

る計画︵m呂品①mOn︷pla呂ing︶︑および︑経営管理における統制︵manag音容t COntrO︼︶の問題が生ずる︒この意  

味において︑ゲェーツとクl/インがいう経営管理における計画︑および︑経営管理における統制と︑経営管理者の  

計画︑および︑経営管理者の統制との差違は︑その意味する内容は同じであるが︑たゞ︑それが︑具体的な技術とし  

て適用される場合の呼称にしかすぎないように思われる︒すなわち︑manag鼠a︼p︼aさning誓dgnt邑とmむnaの虜mnd  

p㌻nning呂dcOntrOlの間に本質的な差異ほないと思われるのである︒   

ゲェーツとクレイソがいう︑経営管理における計画を︑そのプロセスにしたがって︑考察するとつぎのごとくで  

︵6︶ ある︒   

まず︑第劇ほ︑基礎的資料︵ba㌢data︶を得ることに始まる︒第二に︑この基礎的資料から問題を見出す︒第三  

︵ア︶  

に︑この問題について幾個かの争う行為の競争的計画案︵りi邑p︼an︶を作成する︒第四に︑この競争的計画案を比  

扱する︒第五に︑競争的計画案を比較した上で︑もっとも有利であると考えられる計画案を選択する︒第六に︑こ  

の計画にもとづいた各自の責任︵indiくidua−resp︒nSigitie00︶を明らかにする︒第七に︑この計画をテストし︑再考  

慮し︑検閲する︒   

この計画樹立のためには︑釘画設定センター∴c星空Onp−anning︶がぜひとも必要であるとゲェーツとクレイン  

ほ強調する   第三十田巻 舞四号  

0   ︵8︶  

︵二七八︶ ニ六  

(27)

︵9︶  つぎに︑経営管理における統制を︑そのプロセスにしたがって考察するとつぎのごとくである︒   

まず︑第﹂に︑選択された計画が分析され︑その構成要素が︑給付に関する責任︑原価に関する責任︑使用資本   に関する貴任という見地から再分類される︒そして︑企業の職制にしたがって標準が設定される︒下級の層におい   てほ︑標準は主として技術および方法の研究にもとづいて定められるが︑部分的には詳細な歴史的記録にもとづい   て作られる︒これらは各管理者層の責任を示す予算のなかにとり入れられる︒第二にこれらの人々は︑刺戟給︑監   督︑その他の方法で刺戟される︒第三に︑その結果︑行われた活動が検査され︑記録され︑計画之比較される︒第   四に︑計画と実績との間の差異は︑原因と対策を決定するために調査される︒第五に︑この調査にもとづいて︑修   正されるのである︑計画が樹立されると計画にしたがって︑計画を満足するよう執行されるが︑封画からの差異は  

︵10︶ 速やかに見出され︑その差周を修正する活動を開始しなけれほならない︒全般的な再検討︑あるいほ︑﹁経営監査  

﹂ ︵.︷manag雪enta鼓tJほ是非︑必要である︒この場合︑その職務執行の責任を誰に求めるか︑また︑その芸任  

︵11︶ 者と直接的経営活動執行者との間に生ずる困難な問題が残されているとゲJ−ツとクレインほ指摘している︒   

先述の﹁計画センター﹂確立の場合においても︑また︑この瘍合においても︑企業経常の直接的なライン執行活   動と間接的なスタッフ活動が明確に区分されなければならないであろう︒そして︑この場合の意味でのスタッフ活   動を担当する強力な専門のコントローラ部門が確立され︑これに企業としての制度的権威を附与することがきわめ  

ともかく︑種々な幾個かの争う計画案の申から︑もっとも望ましい計画を選択するならば︑その選択された計画  

は貴任ある形のものとして実施される︒各組織における各人は︑彼が背負っている任務を遂行する義務がある︒各  

人は指定された作業を遂行するために努力するが︑しかし︑実際の仕事は計画されたものから︑しばしば︑ほずれ   て必要であろう  

管理会計の性格に関する竿察  

0  ︵昆︶  

︵二七九︶ 二七   

(28)

る滝のである︒それゆえは︑東施結果を判断し′うる有効な標準が設定される前転︑1経費と使用資本のアローワンス  

の調整を行う必要がある︒これらの調整は︑単なる算術的な比例ではなく︑各場合によって種々な立場が考慮され  

る必要がある︒これが実際原価および使用資本を正当に判断しうる複数弾力性予算︵m已tidim望SiOna=−e軋︼計b已・  

︵ほ︶ g告︶ であるとグ工−ツとクレインはいう︒   

っいで︑会計︑原価︑あるいは統計の諸記録ほ︑これらの見積り弾力性予算︵t訂牒mtedヨ包鼠int訂re若干  

ibi苫こ見習︶に役立てられる︒これほ経営管理者の統制において︑必要にして迅速な詳細な比較を可能ならしめ  

るものである︒そして︑その差異の意味するところのものは︑そのコースを決定し進めて行くための調査および活  

︵11︶ 動を修正することを企画する原因となる︑とダニーツとクレインはいうのである.  

︵ユl かように︑グェ﹁ツとクレインは述べて︑この場合︑つぎの三つの問題が重要であることを指摘する︒   

l 計画は実行しやすく︑望ましいものであるか否か︒  

基礎となっている資料は正確であるか否か︒また︑それほ︑適当なものであるか否か︒  

この間題の対策としては︑よ・りよい情報を入手し︑また︑その計画を修正する能力を常に保持すべきであ  

る︒  

2 その計画は理解されやすいものであるか否か︒  

理解のための伝達はスムースに行っているか否か︒  

この間題の対策としては︑計画プロセスにおいて︑より多くの参加︵particip邑On︶を求めるべきである︒   

3 仕様書︵speci詳ati︒n︶︑に記載されている材料および設備が実際に使用されているか否か︒  

この間題の解決の適当な対策は︑仕様書を再検討したり︑あるいは︑仕様書を確実に行うための検査をきび    第三十四巻 欝四号   ︵二八〇︶ 二八  

参照

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