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レーマン「財務計画論」についての一考察(二) : 管理論的思考との関係

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(1)

レーマン「財務計画論」についての一考察(二) : 管理論的思考との関係

その他のタイトル Financial Budget of M. R. Lehmann (II)

著者 山上 達人

雑誌名 關西大學商學論集

4

4

ページ 334‑351

発行年 1959‑10‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00021757

(2)

ー 管 理 論 的 思 考 と の 関 係 ー

財務計画の設定と資本需要計算

ー流動性観点と経済性観点 I

レーマンによれば経済生活においては二つの思考方向が相並んで存在する︒即ち︑経済は一方においては経済性

思 考

︑ 他 方 に お い て は 需 要 充 足 思 考 に 支 配 さ れ る

︒ い わ ゆ る 予 備 R e s e r v e の 概 念 ほ 充 足 D e c k u n g と 需 要 B e d a r £ の 差 で あ り ︑ 充 足 と 需 要 の 分 割 商 は 充 足 性 A u s k o m m l i c h k e i t と し て 把 握 さ れ る

︒ 経 済 性 思 考 は 費 用 も し く は 原 価

概念と給付もしくは収益概念との関係であり︑これらの差は成果︑商は経済性として考えられる︒そして流動性は

充足性概念に属し、経済性の表示に収益性•生産性及び製造原価等が用いられる。これらをレーマンは経営経済論

の方向づけられた基礎概念die

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e と

よ ぶ

︒ 充

足 性

が 1 である時︑経済性は最適となり︑

レーマン

かくて流動性︵即ち資本充足性︶は経済性の発展にとって極めて重要な関係

についての

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

(3)

レ ー マ ン

﹁ 財 諮 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

さて︑企業は次の二つの条件を満足さす場合に流動的とみなされる︒即ち︑

1

︑ある時点において次の不等式が妥当する場合︑

滴丹掛油 濠卦掛油>滴封華涸

( 1 1

滴卦 f

華︶没存

> 1

( 1 1

滴 址 掛 油 宝 ︶

滴汁覗瀬

2

︑ある時点について多少とも長期の未来期間に対して次の不等式が妥当する湯合︑

淀 AV

i

1

即ち流動性表象の下では収入は資本充足の増加ないし資本需要の減少として︑支出は資本需要の増加ないし資本充

足の減少として考えられる︒レーマンによればこれらの不等式の成否を事前に確認するため︑簿記決算計算から生

ずる貸借対照表計算・収入支出計算にもとずいて資本需要の計算を行い財務計画の設定の前提とするのである︒そ

してレーマンはこの場合の簿記決算計算から生ずる統計的事後計算︵後述の貸借対照表比較︶を流動性統計もしく

③ 

は財務に向けられた充足性統計

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k と

よ ん で い る ︒

イスト ある貸借対照表作成日の実際資本在高︵資本充足︶は容易に確定されるが︑基準資本在高即ち資本需要の計算は

複雑であり重要である︒レーマソにあっては資本需要計算は財務計画の設定に対して有用な思考用具

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l a

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て考察してみよう。レーマンの説明に従って九表が参照される。思考的には前節で述べたように資本需要(U•T) ④ 

n となる︒経営溶仝今の需要計算を図式とし

は取引

( U

)

と取引時間

( T

)

の積という等式から出発する︒先ず設備資本需要と流通資本需要の二つが区別される︒

1 ︑設備資本需要額は七五︑

000

マ ル ク で あ る ︒ 即 ち ︑

. .  

2  . .

 

を も

っ ︒

(4)

経営資本需要計算の図式

マル

U

T

1

~ I

マ ら

I~ │ 

u

ル•

o. —

00 

24,000.0 . 2 5  

]I

要(‑):

6,000.

1 , 0 0 0

2 0 . 0 0   11,000. — 0 . 3 0  

園 益

3,300.

4 , 0 0 0   1 0 . 0 0   1 , 3 0 0   5 . 0 0  

●残

3 )

 

2 5 , 6 0 0   0 . 2 0   113,000. — 1 . 0 6   1 1 9 , 8 9 0 .

― 

4 7 , 8 0 0   2 )   0 . 0 5  

VIVI 金品

7 0 , 0 0 0   0 ; . 1 0  

1 2 4 , 0 0 0   0 . 3 0   1 2 4 , 0 0 0   0.02 

129,190. —

D

よりの 0 及び OO は任意の数と考える。ここでは 8,500. —

2 5 , 6 0 0

.ー(入帳価格による材料費)と

70,000.‑(製品製造原価)の合計の半分。

製造原価

(70.000.‑)

と販売管理費

( 4 3 , 0 0 0

.ー)の合計。

1 . 0 6

年は資本(財産)の平均取引時間。

躍 禅 濤

( 4)

A

惹宜苓

t 8

辻草津

( 4 )

124,000M 

( 5 )  

1 1 ̀ o

o o l [

 

お .

0OOM 1,600M 25,600M 

,00OM

⑱ 取 引 の 大 き さ

( U

)

の性質をもつ数字⁝取引過程の場所

( 1 i

る ︒

き ︑

000

40 ,0 00  

班速井緊

( T )

井斉簿咎

(U )

L o

o o

 

4, 00 0 

2

︑流通資本需要の計算の場合にほ経営取引過程の区分が関係す

8)

に 照

応 ︒

濤 A

茸苓

da

苺章濤

( 2)

津翫

8

津 賑 涸 璽

5)

商冷噂涸濤

( 7 )

商冷宦苓

do

冷 L ( 7 )

郡堂既叫吟 U

( 7 )

70,000M 

75,000M 

>

III]

6, 50 0 

C91 

1, 30 0 

6,300M 

藩 薄

濡 客

洋寄官恭

(U

T ) 

(A ng e  b o t s p r , e i s e )  

仕 碑

8

500M レーマソ﹁財務計画論﹂についての一考察口︵山上︶

1 0  

20  8

o l

[  

(5)

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

濠 卦

f

11 12 6, 00 0 12 0, 00 01 16 ,0 00

"

二 0 ︑ OOO マ ル ク の 借 入 金 ︑

性条件の下で活動するのであると︒即ち︑ 〇マルクの自己財産

e i

g e

n

M i

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e l ︑

一 六

0 0

0 マルクの銀行信用があると仮定

質をもつものと考えられ︵売上販売価格からの控除項目︶︑

最後にこれらの計算の結果生ずる総資本需要は残高の の取引時間に関係するものであり︵消極

11

購 入 の 支 払 期 限 ︶

︑ 又売掛金の中の総利益︵取引の大きさ︶は消極的性

E l  

=0 .0 2:

¥

取引時間の大きさ

( T )

の性質をもつ数字⁝取引過程の段階

(I l

珊 ︶ に 照 応 ︒

要 A0 沖供湮翠

( I )

茸章〇雫雖華亘

( W )

津誨漉亘︵<︶

g o

o 写濫湮亘

( W )

葱冷

8

供 湮

涸 ︵

三 ︶

袖桝咄淀

0 回苛湮亘

( I )

このようにして全体としての資本需要︵取引資本需要︶が計算される︒流通資本需要の積極・消極の区分は既述

性格として把握される︒

経営経済の資本需要は一︱九︑八九〇マルク︵約︱二

0 ︑

000

マルク︶であった︒今︑設立の場合九

0 ︑

00

すると︑資本需要に対して処理し得る資本充足は︱二六︑

OOO

マルクである︒従って企業家はこの場合次の流動

濠卦浅洵苓

11 12 6, 00 0+

1 20 ,0 00 11 1. 05

L

105%

110m110.30~

36m110.10~ 18m110.05~

7 31 3  =0.20:¥ 

90 m1 10 .2 5:

¥ 

(b) 

(6)

十 表 貸 借 対 照 表 比 較

129.12.31

貸借対照表

130.12.31

貸借対照表

I 1 9 3 0

年の貸借対照表変動

積 極 I 消 極 積 極 l 消 極 収 入 1

支 出

1

J 本

f

炉如.. 項 l 共 口 : 

2 7 , 1 7 3 . 9 8   2 7 ,  7 2 3 , 6 6   5 4 9 . 6 8   2 , 3 0 1 . 0 6   2 , 3 0 1 , 0 6  

2 , 0 2 1 . 7 4   4 , 6 7 3 , 1 4   2 , 6 5 1 , 4 0   1 0 ,  7 3 5 , 5 8   1 5 , 0 4 6 . 6 6   4 , 3 1 3 . 0 8  

3 2 8 .  7 0   2 8 5 , 8 6   4 2 . 8 4   1 0 , 2 1 0 . 7 4   6 , 8 7 7 . 2 0   3 , 3 3 3 . 5 4  

2 5 5 .  7 4   3 1 8 . 5 0   6 2 .  7 6  

25,000. — 25,000,‑

( 8 )  

7,000. — 1 0 , 0 0 0 .

― 

3,000. —

11,500. — 12,400.‑ 900. —~

界項目 1 , 7 6 5 . 1 8   2 , 1 2 0 . 5 8   3 5 5 , 4 0  

2 , 9 3 4 . 6 6   2 , 9 3 4 . 6 6   2 1 , 5 0 3 , 1 2   2 1 , 6 0 8 . 9 2   1 0 5 , 8 0  

修正 1 , 7 1 2 . 9 2   1 , 7 1 2 , 9 2  

1 3 6 . 9 4   1 3 6 . 9 4  

0) 

1 1 9 9 2 2 9 9

引(8

彩 ) 5 , 5 9 7 . 5 8  

2,000.‑( (  7 )  

1 9 2 9

3,000.‑7 , 8 )  

( 7 )   1 9 2 9

失益繰越

5 9 7 . 5 8  

1 9 3 0   3 , 0 0 9 , 6 4   3 , 0 0 9 . 6 4  

支出

5,999.12 

1 5 , 5 8 6 . 5 6   1 5 , 5 8 6 . 5 6  

現支金現当保金座出予超有•

計算切手

:  1 2 9 , , 8 4 2 5 3 1 , . 2 7 8 2     1 1 5 , , 0 2 7 0 0 5 . . 1 7 0 8     1 4,245.94  , 7 5 3 . 1 8  

5,999.12  7 5 , 3 0 0 . 5 4   7 5 , 3 0 0 . 5 4   7 6 , 5 1 1 , 6 0   76,511.60  5,999,12  5,999.12  ( 7 )   ( 8 ) …注記参照

ては収入支出が如何なる作用を支払手段在高 第一の貸借対照表項目グループの変動におい n

u n

g

とよばれるーとに二分される︒この

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h n

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g と よ ば れ る と

先ず貸借対照表項目は支払手段に関する項

資本需要計算は取引の大きさ及び取引時間という経営領域との関連の下に流動性判断をそのメルクマールとする

わゆる商人的収入支出計算を媒介として設定

とによって行われる︒

1

現金保有計算項目

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その他の凡て

の貸借対照表項目ーー̲投資ー及び財務計算項

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d

Finanzierungsre~h'

果計算から商人的収入支出計算を溝き出すこ される︒即ち︑現在の貸借対照表と過去の成 対照表比較という準備資料の作成を経て︑

ならない︒それは事後統計領域に属する貸借 にあたっては︑収入支出の関係を導入せねば ものであった︒しかし財務計画の実際の設定

レ ー マ ソ

﹁ 財 務 計 論 画

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

, 

(7)

十一表

商人的収入ー及び支出計算

1 9 3 0

収入 支出

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い

て の

一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

I  成果計算からの項目(収益):

売 上 4 9 , 7 4 5 . 6 6   設備自家製造 3 , 7 7 6 . 5 2   仕入割引控除

及びその他利子収益 引当金取くずし その他臨時収益 収益に対する費用超過

=1930 年損失

2 4 6 .  7 4   6 6 0 . 4 4  

5 5 , 2 7 4 . 9 0

3,009.64 

I[ 

貸借対照表比較からの項目:

実体設備減少 8 4 . 8 4   実体設備減価恨却 2 , 3 9 2 ,  7 4   有価証券の減少 4 2 , 8 4   売掛金の減少 3 , 3 3 3 , 5 4   準備金の増加 3 , 0 0 0 , 0 0   引当金の増加 9 0 0 , 0 0   消極計算限界項目の増加 3 5 5 , 4 0   借入金の増加 1 0 5 , 8 0   流通財産価値修正の

増加

得意先手付金の増加

1 ,  7 1 2 , 9 2  

~

1 2 , 0 6 5 , 0 2  

]I 

収入ー及び支出計算の残麻:

支出超過 1 9 3 0 年 5 , 9 9 9 . 1 2  

7 6 , 3 4 8 . 6 8  

I  成果計算からの項目(費用):

製品在高減少 1 , 2 5 7 . 4 8   取引税 1 , 5 1 0 . 1 0   割戻及び売上手数料 2,042.42  その他の売上減少項目 1 , 6 8 8 . 5 8   原料・補助材料・経

営材料

動 力

種々の外部用役費 賃金給料 社会費用(法的・

任意的)

実体設備減価償却

人頭税•財産税等 謝礼•寄付・贈与

売上割引控除 棚卸減耗 その他臨時費用

1 7 , 0 4 8 , 5 0   6,679.98  5 , 6 8 7 , 5 4   1 0 , 6 7 3 . 9 0   2 , 2 1 0 . 1 0   2 , 3 9 2 ,  7 4   3 , 0 0 4 , 0 4   3 4 5 . 6 8   5 3 4 . 8 8   1 , 7 1 2 . 9 2   1 , 4 3 5 . 0 8   5 8 , 2 8 4 . 5 4  

l[ 

貸借対照表比較からの項目:

実体設備増加 3 , 0 2 1 . 2 6   未完成設備増加 2 , 6 5 1 . 4 0   手持品の増加 4 , 3 1 3 . 0 8   積極計算限界項目

の増加 1929 年の配当支私 1929 年の利益引当 1930 年損失

6 2 . 7 6   2 , 0 0 0 . 0 0   3 , 0 0 0 . 0 0   3 , 0 0 9 . 6 4   1 8 , 0 6 4 . 1 4  

7 6 , 3 4 8 . 6 8  

. . . . . . . .  

/  

らの貸借対照表比較の形式・実行を示

~

すと十表の通りである︒この場合利益 出として把握せねばならない︒これ 表項目の変動は凡て収入及び"支 貸借対照表比較を生ぜしめる貸借対照 費用に分解することが必要となる︒叉 も︑収入源泉・支出目的である収益及び 利益ないし損失として表わされていて 対照表が残高の性質をもつ項目例えば 出が生ずるかを示す︒この場合各貸借 の増加ないし貸方の減少︶のために支 ら収入が生じ︑③如何なる目的︵借方 泉︵貸方の増加ないし借方の減少︶か ープの変動においては︑①如何なる源 の

減 少

︶ ︒

第二の貸借対照表項目グ・ル 入

1 1

支払手段の増加︑支出

11

支払手段

に及ぼすかということが示される︵収

(8)

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

⑦ 

処分について若干の計算操作が行われ︑収入支出に対して︱つの仮構がなされる︒

o l  

︐  次いでこの貸借対照表比較から商人的収入支出計算を導き出すと十一表のようになる︒ここで注意すべき点は実

体設備増加項目が整約

a u f l

o s e n

されていること

(3

"

02 7. 26

"

?"

︑ て

ヽ ー

2, 39 2. 74

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84 .8 4"

?"

︑ て

ヽ ︺

︶ と

︑ 年

次 損

失を商人的収入支出計算においては通過項目として考えていることである︒叉設備減価償却︑棚卸減耗︑利益の引

^

" i  

当金への振替も通過項目の性質をもつ︒従ってこれらの評価は収入支出計算には影響を及ぼさず純粋の貨幣計算で

あると考えられている︒

既に述べたようにレーマンにあっては財務計画は経営計画の中心計算であり︑その他の経営計画計算領域費

用収益予算及び資本充足確定・資本需要計算は︑財務計画に対する数字提供者

1 1

仲介計算であった︒今︑これら三

つの計算の関係をレーマンの述べるところに従ってみてみよう︒

1 ︑費用収益予算の収益面ー収益予算の場合︑製品市場潜在力から出発するかあるいは経営設備能力から出発

するかという問題が生ずるということ︒ レーマソの解答は貧弱である︒即ちいう︒市場潜在力以上にも︑経営設備

h u

 

能力以上にも製造出来ないから両者を考慮せねばならないと︒

2

︑費用収益予算の費用面については︑事後計算的原価捕捉の場合に原価種類←原価場所←原価負担者による原

価把握という順序で行われるのに反して︑逆の思考方向で行われねばならないということ︒即ち︑個別原価の予算

を考える限り︑先ず産出すべき経営給付︵原価負担者︶を確定し次いで個々の原価場所について特に間接費を精細 ハ に捕捉し最後に原価種類による原価を算定せねばならないと︒自明の理である︒

3、財務計画の第二の仲介計算ー—資本需要計算において、例えば延払いの売上に際して売上(取引)を増すか

六四

(9)

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

売上時間︵取引時間︶を増加せしめるかのいずれで未来計算を行うかによって︑未来の収入支出関係に異なった影

響を与えるということ︵滴卦覗漉

11

5‑x

要 5 一乖亘︶︒即ち前の方法では短期的な︑後者の計算では長期的な収入支

出関係の悪化をもたらす結果となるから︑このような財務態様

F i

n a

n z

g e

b a

r u

n g

1 1 .

おける区別︵照応する資本充

a J  

足に対する配慮︶は有用と考えねばならないと︒

レーマンの経営計画においては︑あくまでも財務計画

11

現金収入支出予算が中心に立っている︒そしてそ

れは流動性—ー資本充足性思考を充たすためのものであった。

レーマンの経営事象の分析視角は終始二元的に観念

されている︒即ち︑それは経済性観点と充足性観点である︒既にわれわれは︑ レーマンの計算制度の区分が種々な

る基準から多様に区分されることをみたが︑このような諸

M

の計算制度はすべて経済性という立場と︑充足性とい

う視角において二元的に把握されている︒例えば経済性の判定のために︑簿記・原価計算︑及び統計が資料として

利用され︑そしてそれは生産性・収益性︑及び製造原価数値によって実行される︒

一方︑経済性と相補完するものと

して︑人間の︑設備の︑貯蔵の︑そして資本の充足性が常に考慮される︒このために又凡ゆる計算制度が奉仕する

のである︒原価の算定・計算においては経済性表象が優先し︑財務の計画においてほ流動性表象が前面にあらわれ

る︒財務計画がその主要領域といわれる限りにおいて経営計画も流動性表象に立つ︒経営事象に対する思考方向と

してこれら二つの観点は平行して存在する︒レーマンの思考方法は極めて明解である︒その意味において又それは

形式的であり静態的であるとみることも出来る︒しかし経営活動は特に経済性思考に支配され︑充足性表象は国家

財政・家計領域において第一義性をもっ︒経営の目的はレーマンによれば︑生産を行うことによって究極的に人間

生活の需要を充足することにある︒したがって生産活動は経済性に即して行われ︑充足性はそれを補完する任務を

さ て

(10)

(6)  (5)  (4)  (3)  (2)  (1) 

われわれは︑経済性及び充足性という思考方向を経営実践における計画・管理活動と結びつけて理解せねばなら ず︑又経営計画においては経済性のメルクマールとなる費用収益予算に中心領域を与えねばならない︒

M .  

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3 .  

A uf l .  S .  

2 4 6 .  

計算利子は含まず計算給料は含まれている︒

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か ら で あ る ︒

したレーマンの思考は︑ もつ︒このよりよき経済性を遂行するためには︑有効な管理が必須条件となり︑それは又科学的な計画の設定を通 じて経済性に影響を及ぼすのである︒即ち経営活動の実践面においてはこのような経済性・充足性思考は有効な管 理活動によって達成される︒少なくとも財務計画を流動性の観点から把握するというレーマンの立場は︑更に進ん でこれをば経営管理と結びつけて理解せねばならない︒そのためにレーマンの経営取引過程の分類が重要な特徴と なってくる︒経済性と充足性を経営実践において浸透せしめる媒介項それは管理である︒即ち︑財務計画にお いても資本の調達・運用及び配分という財務的な管理が︑当然重要となり︑適切な財務管理を媒介として経営の経 済性は向上する︒だから流動性表象︵充足性思考︶を重視し︑

レーマン﹁財務計画論﹂についての一考察口︵山上︶

そのために経営計画において財務計画をその中心と 一面的であるといわねばならない︒又資本需要量の算定に終るレーマン財務計画論は︑い

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わゆる財務管理という一連の重要な要因を看過しているとみなければならない︒計画と管理は表裏一体たるものだ

六 六

(11)

(16) 

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(14) 

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レーマン﹁財務計画論﹂についての一考察口︵山上︶ 次のように考える︒

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及び

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利潤の引当金への振替は計算上は収入支出間の差異を止揚せねばならない︒

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この表にいう支出超過はいわゆる予備概念であり︑流動性統計の場合には充足性︵相対数︶よりもこのような絶対数の方が

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︑貸借対照表借方の

投資制限

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の問題がいずれも投資ー及び財務計算項目と関係するからである︒

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阪売可能性は設備の増加を︑そして投資をもたらす︒又売上数量の増加による価格の下落も考えねばならないと︒

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48

5.

 

レーマンの財務計画論は︑それが﹁有用な設定の思考用具﹂として論ぜられていることからみても当然のことであるかもし

れないが︑それ自体としては現代的な精緻な理論的批判にたえるものではない︒しかし序文においても述ぺておいたように

︑本稿では1応その紹介に第一義性をおいた︒即ちドイッ経営学の代表者の一人であるレーマンの財務計画論の発展方向を

探ぐることも重要であると考えたからに外ならない︒それは又︑われわれの﹁レーマン経営理論研究﹂の一鉤でもある︒

(12)

7

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勘 定 組 織 の 編 成 と 財 務 計 画

茸蔵寮臣

5

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I

郡濡蒔滋栗浙百 財務計画は費用予算・収益予算に集約される経営各部門計画と関係する︒それは又時間関連的事前計算たる経営 計画の一部門として︑同じく時間関連的事後計算である財務簿記から資料を提供される︒経営計画の一構成部分た る原価計画ー│費用予算の中心ーは対象関連計算たる原価計算にもとづいて編成された経営簿記をその母胎とす

る。従って財務計画—ー広く経営計画の編成にあたっては有機的に関連づけられた勘定組織即ち財務簿記と経営簿

記を結節するコンテンラーメンがその前提となる︒この勘定組織の編成によって経営計画ひいて財務計画の設定は 可

能 と な る

② 

ー レーマン勘定組織の分卿は次の十個のクラスからなる︒即ち

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一 眼

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レーマン﹁財務計画論﹂についての一考察口︵山上︶

六八

(13)

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

7

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レーマンによれば︑これら財務簿記と経営簿記の結合形式には山二つの簿記部分領域の連結の原則

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と︑②それらの平行管理の原則

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が適用され︑特に後者ー平行管理 5  の原則が優先する︒この原則から財務簿記及び経営簿記ヘクラス

09

の勘定を分割すると次のようになる︒

1 ︑財務簿記の領域に属する勘定クラス⁝⁝

0

2 ︑経営簿記の領域に属する勘定クラス⁝⁝ 5 ︑

3 ︑両者に所属し︑両方の簿記領域の平行管理勘定クラスとなるもの

. . . . .

.   4 ︑

7  ︐ 

経営簿記は財務簿記とその出発数字

(4 79 )

を共通にし︑これらの数字の評価変更をクラス 5 で行い︑勘定ク

ラ ス

6

︵原価場所計算︶及びクラス

7

︵原価負担者計算︶における原価補償の過不足と在高評価の差とはクラス 8

の補償計算に振替えられる︒勘定クラス 8 ︵経営簿記成果勘定︶は売上毎にグループされた個別収益勘定としての

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(14)

レ ー マ ソ

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

⑧ ⑥ 

成果勘定︑個別収益勘定の総括に役立つ勘定及び補償計算の勘定からなる︒

前述したように経営計画の設定ほ勘定組織を前提としている︒経営計画は費用収益予算に総合される調達・製造・

販売の部分計画︵財貨の流れ︶とこれらと反対の方向に運動する財務計画︵貨幣の流れ︶に区分される︒

⑨ 

経営計画及びその部分計画は勘定組織と如何に関連し接続するか︒財務計画の設定にあたっては︑クラス

0

の 静

止 勘

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ク ラ ス

1

のいわゆる短期の貨幣及び信用流通が先ず密接に関係する︒しかしてクラス

2

のいわゆる限界勘

( 1 1

調整勘定︶に含まれる中性損費・中性収益や価格差額勘定も財務計画の編成において考えられねばならな

い︒叉クラス

4

の原価種類勘定における直接に支出を生ずる原価︵例えば製造賃金等︶や支出と結合しない原価種

類例えば減価償却費︵どの期間に計上するかを予測するため︶が関係する︒そして販売価格比例費を含むクラス

9

の売上減少勘定も財務計画の設定において問題に入ってくる︒他方︑販売計画はクラス

9

に︑製造計画はクラス

4

i7 ︵原価計画については

4

5)

に︑調達計画はクラス

3

︵特に材料調達の場合︶に照応して設定されねばなら

勘定組織図はそれぞれの経営部門の関連性を明らかにし従って管理場所とその責任の所在を明確にする︒今︑経

営の各階層の担う管理場所とその管理方式をみると︑ レーマンの経営領域観からは次のようになる︒即ち︑

レ ー

ンのいう経営経済領域︵狭義︶は原価計算にもとづく原価計画の場であり︑それほ原価管理という管理方式を通じ

て工場労働者・生産手段の管理並びにその責任者の管理部門を権限づける︒レーマンのいわゆる財務経済領域︵広

義︶は費用収益予算の編成を通じて即ちいわゆる利益管理方式によって営業領域及びその責任者の管理場所という

ことになる︒以上の区分観点からすると︑財務計画は現金収支管理を通じて費用収益予算を支え︑利益管理を行う な

い ︒

(15)

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

じての﹁財務管理﹂が工場における﹁生産管理﹂と結びつくとき︑原価管理の問題が生ずる︒だから管理計算は財 う︒そしていわゆる原価管理は﹁財務管理﹂と﹁生産管理﹂ しかしレーマンの経営領域区分は形式的・並列的である︒それは技術的・機械的区分観点に立つ︒われわれは次

l l  

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のように考えるべきではなかろうか︒管理計算はいう迄もなく計数を通じての経営の管理であるが︑それは究極的

には経営内の工場労働者・生産手段の管理である︒経営管理は資金の調達・運用・配分即ち資金管理

1 1

﹁ 財

務 管

理 ﹂

︵間接的・金額的管理︶の側面と︑直接生産過程における生産手段・労働者の合理的統制を究極的目的とする物量

的な﹁生産管理﹂︵直接的・実体管理︶の側面とがあり︑両者は統一して資本の運動として顕現する︒しかし資本主

義経済の下では商品︵製品

1 1

工場生産物︶の生産が凡ての経済活動の基底であることから︑生産過程での管理︵﹁生

産管理﹂︶が経営管理の集約点であり︑その上に資金管理︵﹁財務管理﹂︶が統一的にー表現をかえると倒錯的に I

包摂しているのである︒﹁生産管理﹂を基底としてそれをば﹁財務管理﹂によって行うという管理計算の二面的統一

性は︑又観点をかえて経営管理階層並びに組織化に結びつけてみると︑﹁財務管理﹂はトップ・マネジメントと``︑ド

h u

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ル・マネジメントに直接指揮される営業関係業務︵本社︶として︑﹁生産管理﹂は生産手段・労働者の管理を目的

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とする作業関係業務︵工場︶として考えることが出来る︒即ち具体的にいうと︑トップによる利益計画︑ミドルに

よる経営計画がすぐれて期間的・金額的管理方式による﹁財務管理﹂面を担うのに対して︑生産過程の管理は原価

計算・標準原価計算・直接原価計算等の形態を通じての対象的・物量的管理方式による直叡な﹁生産管理﹂面を担

o l  

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ものとみなければならない︒

︵本社と工場︶を結ぶ環であり︑従って経営計画を通

(16)

(2)  (1) 

析を次稿にまたねばならない︒ 営の管理を遂行する︒即ち︑ 務側面から即ち本社による利益計画・経営計画から出発して︑工場における原価管理を規制し原価計算・標準原価 計算・直接原価計算に具体化することによって﹁生産管理﹂の側面に及ぶのである︒

以上の管理計算の二面性から管理についてレーマンの思考を整理しなおすと次のようになる︒即ち︑生産手段・

工場労務者の管理を行う生産過程での﹃狭義の管理﹄︑ その他の経営各部門及びその責任者の管理たる﹃広義の管

理﹄及び包括的一般的概念たる経営全体の管理

11

﹃最広義の管理﹄の三つに区別される︒又管理方式を考えるとこ

れらの管理場所・責任者は︑本質上は次の二つの側面から特徴づけられ︑相互に独立的に︑叉補完し合いながら経

﹃狭義の管理﹄は物量的な﹁生産管理﹂につらなるもので対象計算としての標準原価

計算によって行われる機能︵←原価管理︶であり︑

能と並列されたいわゆる予算統制機能としての管理概念即ち﹁財務管理﹂ ﹃広義の管理﹄はミドル・マネジメントの計画・調整・管理機

ハ出

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︵←利益管理︶方式であるといえる︒管

理概念の究明にとっては「生産管理」(労務管理•生産手段管理ー実体管理)と「財務管理」(資金管理ー金額管理)

︐  の二面的把握が重要であるといえる︒そして財務計画はわれわれのいわゆる﹁財務管理﹂につらなるものである︒

レーマン勘定組織が如何に編成され︑この勘定組織によって財務計画がどのようにして資料を得るか︑そして︑

勘定組織と経営管理部門との関連︑ ひいてその権限づけとの結びつきが如何に行われるかをみた︒そして叉︑これ

らの分析をよりどころとしてわれわれの管理に対する解釈をも試みた︒われわれはこの主題に対するより以上の分

っとには、 M.R•Lehmimn

"

Di e  i n d u s t r i e l l e   k al k u la t i on "

 1 .   A u f l .   S . 

2 3 4 f f .

参 照

Derselbe"••lndustrie,kalkulation"

4.  A u f l .  

S.  2 9 5 .  

レ ー マ ン

﹁ 財 務 計 画 論

﹂ に つ い て の 一 考 察 口

︵ 山 上 ︶

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