二五六
管理会計の本質的性格に関する一考察
一会計の管理的機能と管理会計の発展−
可児 島 俊 雄
アメリカにおいて経営管理会計に関ずる文献上その先駆者とみられるマッキン裏話︵冒臼。。・ρ寓6臨島。団︶の大書﹁管理 む 会計﹂が世に出て以来、既に凡そ三十五年という歳月が流れている。此の問には各種の経済的社会的情勢の進展と共に 企業会計一般にも多々顕著なる発展があとづけられる。原価会計の発展もその山面であり、財務会計の重要性も正に此 の時代に特筆すべき事象である。これらの中で企業経営それ自体の発展によっていわゆる﹁経営管理﹂︵g冨鳴旨。葺︶ 概念の認識と最も密接に関連をもつて理解されて来たものに、会計の管理的側面、管理的機能そして管理的目的があるQ 管理会計貧嬉口轟①臥曵餌。8ロ曇ぎ単日国ロ帥励q。ヨ。箕碧8二昌ユロ⑱の実務並びに理論の研究はそれである。 管理会計とは、企業経営の政策の立案と日々の経営業務の執行に当り、経営管理坦当者の助けとなるような方法で、会 計的資料を作成提示するととである。これは英米生産性協議会の経営会計使節団の報告書にみられる管理会計の定義で あるが、つまり経営管理担当者からみれば、自己の職責である経営管理機能を可及的充分に果す為に、との会計の技術 を利用することである。即ち、会計の経営管理者に対する奉仕である。このような理解から経営管理担当者・経営管理 者の為の会計、いわゆる経営者会計学ということが思老される訳であるりこれは財務会計の異常なる発展によって生起されたるいわゆる会計士会計学と屡々対比されて理解されるものである。このような思考によって、管理会計とは確か に経営管理者会計と同義のものであろうか。或は、更に経営者の為の会計はそれがそのまま必然的に経営の為の会計、 つまり経営計算制度たり得るものであろうかQ換言すれば、管理会計.について会計主体は、そして客体は如何という極 めて基礎的な問題も必ずしもこれまでに明確にされているとは言えない。 更に管理会計に関する諸問題を分析する場合にも、 一般的にその歴史的、発展段階的に理解することが多い。しかし ながら方法論的に同じ立場を揉りながらも、その終局的にはそれぞれの理解に導いて可成りの相違を発見するととがあ る。例えば、管理会計の発展は特に今世紀に入って経営合理化運動の趨勢に乗って極めて顕著な展開を呈して来たこと は確かであるが、とれを契機として、管理会計の発展を︼九二〇年代以後の極く最近の発展産物として解決していく か、そ,れと悉その歴史的に可成り長い発展段階を考察して理解するかによって、企業会計の本質的機能並びに目的との 関連において、若干異った様相を現わすことがある。即ち、前者の考察では、資本主義的経済機構の高度化に臨ける大 規模企業経営の出現によつて、管理会計の第,一次的意義を見出すのであるが、これに対して後者の見解では、いわゆる ワンマン企業以来の会計の本来的機能に着目して、特に会計のも・つ管理的機能を重要視する結果と成って来るQ とのような諸問題を前にして内外共に管理会計の研究がな誇盛んな折、奇遇にも本年四月にアメリカ及びイギリスに おいて、共に﹁管理会計﹂の本質的性絡を主題にして論文が発表された。即ち、クロスマン︵℃国鑑一 目・O肖Oωロロ目餌コ︶の﹁管 理会計の本質﹂及びボディイ︵H.男・ 切O伽矯︶の﹁管理会計﹂であるQ本小稿では、上述の諸問題を理解する手掛りとし て、との二つの論丈を考察し若干の整理を試みたいのである。 ①旨6匹昌ωoざトOこ言睾帥轄﹁一口諺08ロ昌萬昌ひq噂お濾’これは管理会計と名付けた世界最初の文献であるが、実質的には既に一九ニニ 年の彼の,﹁予算統制﹂︵じ口&αqO冨量08窪9︶が管理会計文献の鴨島である。 ②中O自ロO曰く芽ヵ⑦唱O昌”鼠戸9。ぴqO日O具 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二五七
二五八 諺oooロロ銘昌ぴq弓馬賃び目害。αび二巴。㌧5ぴqδーレ日。ユ。㊤昌Oo目昌臨一〇口頃門。匹ロ。缶︿蹄∼HΦ㎝ρho円①婁oa・ 江村口訳﹁マネジメント・アカウ ンティング﹂五頁。③90器目自。炉唐臼こ目け02薯凹目①oh旨§諾。日。口け︾80琶江昌ゆq’90︾08空缶ロαq菊。話。≦℃︾買嵩HO切。。噂 Oロ﹄鵠卜。−譜SクμスマンはO目口9d昌貯。房山鳴の教授で、この論文は一九五七年八月二七日アメリカ会計学会総会で発表されたも のである。クロズマンには先に.、勾⊆ロ。口O昌Oh爵oOO。。け>ooOニロ鼠箕冒OOωけOO巨胃O岡.、︵↓げΦ︾08口づ二旨ぴq菊。︿凶Φ≦・H㊤昌・目O㎝もQ・︶ 及び..Oo自軍けOhOO。・けOo鼻鴇9..︵目ずO ︾060二口け一口舳四園①︿一〇dく響OO什. Hり㎝しQ。︶などの論文において主に原価管理の問題を通じて管理機 能的考察がみられる。④bdo畠噂H男二野9。昌餌碧昌Φ葺︾ooo同旨冒瞬臼。ロ言巴ohgobd葺圃鴇H房捧ロ80暁蜜餌昌曽鴨日。暮・︾ロ註這総・ O掌N謡Ib◎Q。αボディイはズ①奄8PO即日σ霞ω卿Oo.噂い&.の主任会計担当者であり、一九五六年三月のイギリス経営協会の管 理会計協議会にコおける報告者であった。 二 管理会計の本質を考察するに際して、先ずクロスマンは共通の基盤として経営管理の概念を採り上げ、 ﹁生産ハンド ① ブック﹂にもとづいて経営政策決定、計画樹立、標準設定、業務運営及び能率統制といういわば経営職能面から考察 し、そして管理職能と業務職能において経営管理概念を理解する。かくして彼によれば、管理会計とは、経営政策を立 案したり計画を運営したり又業務活動を統制管理する場合に、経営管理に特に有益なる会計的盗料及び統計的資料を収 集し、記録しそして報告するととが重要と成るような内部的会計職能︵夏。旨巴p88艮貯σqh二昌a8︶の様相であると定義 ② される。従って管理会計は実質的には標準原価計算と予算統制から成り、これに内部監査が続くものと考えられる。つ まり管理会計とは﹁産業内会計﹂︵︾80琶9ゆqぎぎ含ω5︶である。 とのよヶな管理会計は更にクロスマンによれば、結論的には今世紀の第二四半期に最も著しく現われて来た全く新し い発展産物である。管理会計に関してその機能的に警察を進める時、歴史的発展的に三つの要因に注目しなければなら ない。その笙には企業経営管理の場に叢るいわゆる・雇傭者的経営者L︵琴曇日§鴨・︶の霧であ%・第二には
管理会計発展の基盤として最も重要な一連の原価会計の発展である。そして第三には、管理会計の全く最近の発展の一 面を築き上げている業務管理の重要性である。とれは広く管理会計報告書の導入と成り、更に内部監査の発展に相通す るものであるQ 先ず第一に﹁雇傭者的経営者ピグループは十九世紀以前には未だ意識されていなかった。即ち、その初期には共同事 業が多く、従って初期の損益計算つまり費用収益の記録は、原価管理や原価引下げ手段よりもむしろ出資と業績に応じ た組合員への利益分配手段として本来的に意義付けられていた。しかしながら経済社会事情が進展するにつれて、特に 産業革命以後には経営組織に株式会社形態が優勢に導入され、又それにつれて工場大規模化や大企業経営の続出と成り 更には短期的或は断続的企業経営から継続的企業経営へと進展し、又大量生産原理や科学的管理法が以前より徹底的に 意義をもつに至って、ここに従来からの企業経営者、経堂管理者の概念に必然的に変化が現われた。即ち企業所有者的 経営者から資本家的経営者と成り、更にこれが雇傭者的経営者の導入と成って、ここに企業の経営管理の専門家として の専門家的経営者の生成するところと成ったQ 雇傭者的経営者の登場は、必然的に会計の機能に一つの薪しい要請を投げかけた。即ち、 一面からすれぼとれらの雇 傭者的経営者たちが、会計の機能を通じて自己の経営責任を明示せんとするのであり、他面からすれば、とれら雇傭⋮者 的経営者の職責遂行を監督する機能が会計に要請されて来た訳である。つまり会計の経営管理的側面が著しく重視され て来たのである。とのような会計の管理的機能への重視は、当然に記録機能や報告機能のすべての面にも影響を及ぼし た。コントローラーはその例である。コントpローラーは企業経営の記録と報告の為の広範な責任を担って、経営組織上 における会計担当者の地位に関する近代的概念を正しく表現しているものであるQ従ってコントローラーは経営管理の 為の経営活動資料を収集し、記録し、報告する責務があるQここにおいて丈献上一九ニニ年のマッキンゼrの﹁予算統 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二五九
〇 二六〇 制しを代表とする予算統制の発展と成って一九二〇年代の管理会計の実質的発展基盤を形成するに至ったのである。 ④津。臼。費。昌国碧きoo﹃けげ。閑8旺島中⑦。。のOoヨ山尾剛一課。。幽囚●ら●②90ωのヨ昏嘘即弓●︸o掌。犀●リロ.b。卜⊃卜。’ ③90。。。。日帥P8島’り毛●馳b。b。1鵠藤・④90ω。・日昌噛8●簿・噂O●鵠卜⊃。。.⑤ρou・ω日翁。PoP簿.u宕.b⊃b。α1B①. ⑥冒爵言ωo∫いρ噂切乱σq①部qO8霞。♂おb。卜。暉 三 管理会計の発展基盤として第二には原価会計の展開がある。周知のように、原価会計は一面では大規模企業や工場の 大規模化の現象に刺戟され、他面では大量生産原理による製造工程の機械化及びその生産能率向上という指導理念にも とづいて、前世紀末葉から非常に発展を遂げて来た。つまり従来の一般会計機能のうち個癖の部分として原価会計の発 展と成ったのであり、とれは結果的には一般会計から管理会計の特徴を区別認識する過程と成ったのであるQ クロスマンは言う。十九世紀以前には或る種の原価簿記実務が多年に亘って利用されて来たことは確かであるが、し かし、管理用具としての原価会計の発展の多くは近く十九世紀において認められ、今世紀に入って加速度的に発展して 来た。会計の管理的機能が原価会計の分野に拡張された結果として、経営.管理の﹁つの機能としての原価管理統制の発 展がある。以下クロスマンに従って原価会計発展の事情をあとづけてみよう。 先ず一七八八年のコ商品序論﹂の著者ハミルトン︵国OびO同θ 臨9δ旨P=酋O昌︶は、企業経営の各種部課をより有効的に管理す る為の手段として、収益費用の部門別記録を提唱した。つまり部門管理を主張した最初の人であった。その後約五十年 おいて一八三二年にバッベェジイ︵o冨幕の切麟。びげ。。σqΦ︶はその著﹁機械及び工業経済論﹂の中で、工場の有利な業務活動 において原価分析、原価統制及び原価引下げが極めて重要なことを指摘した。
十九世紀末葉には、仕掛品計算や見積実績比較などの諸問題が管理会計に密接に関連して指摘された。その一は一八 八七年の﹁工業会計論﹂の共著者ガァーク・フエルス︵∩甲節﹃評①昏司O一一ω︶であって、 ﹁とれには個別原価計算の方法を建前 にして、間接費の記録を工業会計の記帳組織に取入れんとした﹂のであるQその二は、 マンQ寓5冒p馨︶の原価記録 覚書L﹁八九一年であって、 ﹁大工場では作業時間と共に機械運転時間を配賦基準にするべく、近代的な機械率法を最 @ 初に提唱したしのである◎ 今世紀の初期には先ず、間接費不足配賦額の補充率による再配賦と部門別計算とを主に主張したチャーヂ︵鋭出見事ぎ昌 Oげ耳。げ︶は、新機械率法・科学的機械率法の提唱によって、当時の間接費計算特にその配賦の要請を解決せんとした。 一方当時における標準原価計算制度の導入の事情については、申西寅雄教授が全く適確に述べておられる。即ちテイラ ー︵津Φ山①県警≦・↓箇旨oN︶の科学的管理法の流れをくむ人たちによって原価計算に標準原価の思想が導入されるに至り、 特に原価管理の目標として科学的に設定された標準原価計算の制度が唱導ぜられるに至った◎それは能率技師エマース ン︵国曾昌旨ぴq8昌国日㊥屋。昌︶によって主張され、更にハリソン︵ρO訂洋臼=餌巳ωoロ︶によって一九一一年、現在知られて いる最初の完全な標準原価計算制度が述べられた。実際原価から正常原価へ、更に標準原価への発展の過程は、同時に 原価計算制度における財務会計的目的から原価管理的目的への原価計算目的の重点の推移を示すものである。 以上のように原価会計の一連の発展の中に標準原価計算制度は確立された訳であるが、概括的に、標準原価計算の繭 芽は既に前世紀末から今世紀初頭にかけて発生し、それが︷九二〇年代の生成期を経て、漸く↓九三〇年代初期の不況 期に広く普及するに至ったものと考えるととがでぎる。つまり文献上は一九三〇年のハリソンの﹁標準原価論しを代表 として管理会計の実質的発展基盤が形成され、とこに一九三〇年代の標準原価計算制度の発展が指摘されるのである。 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二六一
二六二 ①、② 90器日章P8。葺‘噂●卜⊃さ。⊆。・③ 国曽高曇oP切;封需。α口。θごロε旨9。周。冨口振。。。噂嵩。。。。.久保田音二郎著﹁間接費計算論﹂ 二六−三〇頁。④切語ぴ鵡①哨ρO旨臣。国8昌。旨旨oh竃9。oげぎ霞団9。ロ匹竃二戸貯9自Φ。・℃H◎。。。P ⑤O葭園磐α周巴ρ局pgo蔓諺08零下H。。。。メ⑥久保田音二郎著、上掲書、七頁。⑦登呂P﹂・︾ス08・・8.Oo馨閑08aω“ ︾Zoαq一88山切冨ロ。げ。︷箆80ロ暮雪。鴇●︵9①︾。8§け9。鼻H。。Oド︶⑧久保田音二郎著、上掲書、一一〇頁。 ⑨中西寅雄稿、原価計算、﹁会計学辞典﹂、神戸大学会計学研究室編、二三七頁。⑬出p員δoPO60・.ω冨昌岳同自Oo曾。。”おω9 四 企業経営の管理担当者は第Mに企業経営の社会性に鑑みて、経営者の社会的責任を財務会計を通じて企業外部への報 告義務として意識する。第二に経営管理者は政府機関や税務官庁に対して種々の報告や審議許諾の職責を意図し、特に 税務会計諸問題に関しては充分なる関心を払わざるを得ない事情である。しかしながら経営管理者にとってはこれらの 諸責務より以上に本質的に重要なことは、言うまでもなく経営管理の職責である。との経営管理職責の遂行の為に、経 営管理者は種汝の様相で会計的資料並びに統計的資料の記録及び報告の授受を必要とする。鄭ち、前述の財務会計を通 じての外部報告に対して、とれは管理会計を通じての経営内部報告である。 ⑳ 経営管理報告制度に賢いても先ず問題は報告主体と報告客体とに分解して老察しなければならない。即ち前者では各 経営管理者相互間で管理機能の循環として報告書が授受される。例えば、下級管理者←部門管理者←上級管理者←最高 経営者層のような垂直コースもあれば、部門管理者相互間に行われる水平コースもある。更に両者混在の循環コースの ② 場合も多い。この点でクロスマンは、サンダース︵目ロ。日器頃魯量ω騒乱9ω︶の﹃統制の為の原価会計﹂を引用して、実 際に現場主任としての職工長のうちわすかに一割ほどのものしか原価資料報告を受けていないとして、特に下級管理者
の場合に書る籟報告製の不備を指摘してい㌔
次に後者では、管理報告制度は財務諸表項目或は勘定科目のうち重要なものについて、日常の或は定期的な報告制度 を採り、叉特殊項目や科目、例えば運転資本や資本的支出などに関する報告書を要請し、更には受取・支払諸勘定や現 金残高に至るまでその特殊報告書を要求することがある。ここに至って経営内部報告の客体は広く深く経営業務一般に 関する資料と成り、業務資料の報告、つまり業務管理の必要と成って来た。更にとの資料についても会計的盗料のみな ④ らす統計的資料をも考慮に入れなければならない。クロスマンはここでマッキンゼーの所説を引用する。概括的に言っ て会計的資料とは企業経営の諸取引の結果を示す資料であり、それは簿記の技術的手続によって財務用語で表現され得 るものであるが、統計的資料はその謁すべての数字用語で表現された資料である。ただ重要なことは統計的報告書が作 成される場合に、その資料は終局的には会計部門で作成される関連記録帳簿と全く一致せねばならないということであ る。 業務資料の報告制度はやがて業務管理を通.じて業務管理会計の発展と成り、そして管理会計の最近の発展の一面を形 造ることと成った。ここに重要と成る業務管理の機能は、正に内部監査の本質的機能である。周知のように内部監査は、 通常コントローラーの直接的責任領域に属するものであるが、概括的に言って内部監査は管理会計の機能領域を拡大せ しめて来た全く最近の活動の一つであるのクロスマンの言葉を待つまでもなく、内部監査の重要性は特に第二次世界大 戦以来、詐欺や誤謬の発見と言う単なる事務機構的機能から、進んで経営業務活動に亘る管理的任務にまで向上して来 た。これに関連して内部監査人は経営管理政策及び指揮運営に応じて業務活動全般に亘って助言勧告するという広範な 責任を担うに至ったのである。 とのようにして経営内部報告制度は、業務報告・業務管理をその機能として業務管理会計という新しい管理会計の発 展面を彩ったのであるが、これが実質的には内部監査の本来心機能の進展と結びついて、ここに更に管理会計の機能領 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二六三
二六四 域の拡張とし、て内部監査は、管理会計の実質的発展基盤を更に拡張し、確実に仕上げたのである。丈献的には一九四一 年のブリンク︵<.N●一W円止口奔︶の﹁内部監査﹂をその代表として、先の予算続制や標準原価計算に続いて︷九四〇年代に 沁ける管理会計の発展基盤は、正に内部監査の発展によつて約束づけられたのである。 ①拙稿、上級経営管理報告書の要件について、彦根論叢、第三九号。②ω聾α①量↓●国●噛OO馨︾80巨断裂四8HOO暮8ポHOし。恥” 噂●も。G。O’③90器昌弩り8■o凶∼㍗b⇒b。㎝.④竃。臨房。ざドOこ良器国鴨﹃一﹄︾08§江超.日Ob。♪ロ●潭. ⑤90霧欝鋤P8・騨4℃◎詑O●⑥し口臨算噛く●N噛H導。ヨ巴︾q匙韓凝L課回. 五 以上に払いて管理会計の発展段階をクロスマンに従って考察したのであるが、要するに一九二〇年代では雇傭者的経 営者グループの登場により予算統制の発展と成り、一九三G年代では原価会計の発展にもとづいて標準原価計算制度の 進展を理解し、続いて一九四〇年代には業務管理機能の重要性から内部監査の発展と成って、と・にクロスマンのいう 今世紀の第二四半期に最も発展した管理会計をその発展基盤にもとづいて考察した訳であるQ の ところがこのクロスマンの見解と対比して考えられるものにボディイの﹁管理会計﹂がある。ボディイは管理会計の発 ② 展を要言して次のように言う。会計や原価計算のテキストで管理会計という言葉は決して新しいものではない。基本的 にもそれは新しいものでもなければ、宥越のものでもない◎管理会計は既に何百年の間、形態こそ倉淵なれども実行さ れて実務に生きて来ているのであり、との間に今日われわれの眼前にするような良き熟練された技術としての予算統制 や標準原価計算や直接原価計算が発展を遂げて来たのである。 この両者の見解の相違は﹁見新旧の対比として考えられるけれども、一体如何なる理解にもとつくものであろうか。
、 ③ ④ 先ずボディイは管理会計の定義として、第︸には︸九五四年のイングランド・ウエールズ勅許会計士協会の定義をとり、 管理会計とは企業経営をしてより以上に能率的に業務活動が出来るようにする会計の一形態であると言う。続いて第二 には英米生産性協議会の経営会計使節団の報告書の定義を揉っている。︵上述︶。更にボディイは前者の定義に附言し て言う。管理会計は独り大企業にのみ重要と成るものではないQ本来管理会計はすべての企業経営に、即ち大企業にも 申小企業にも共に重要視されねばならぬものである。従ってワンマン企業で要請されるような会計的資料と、大企業経 営で要請されるような会計的資料との間には何ら原理的に差違はない。事実管理会計の総括的目的とするところは、大 企業経営の指揮監督者や最高経営管理者たちが、丁度ワンマン企業に誓いて資本主︵所有者︶が経営事情を良く認識し ているのと同様に、自己の企業経営の情勢を正確に認識理解できるようにナるととである。 以上の所説からも充分理解できるように、ボディイに器いては大企業経営の出現竜大企業経営者の登場も、特に管理 会計についてクロスマンの所説ぼど関連はないように思われるQむしろ前者にあっては本来的に経営計算の目的そして 機能が強く意識され、この本来的経営計算の発展として、との発展の中で理解されているようである。これが例証とし てボディイは一八七五年当時に会社の最高経営管理者であったスーザーランド ︵↓巳ω賃け﹃OH一幕旨餌︶ の見解を引用してい る。 ﹁会計部門における今日の簿記制度は期待せる目的結果に、即ち会社の諸取引に関して年に﹁度或は何度も利益確 定計算をするということに良く適応しているQしかしながら一般に企業経営ではより多くの詳細な会計的資料が確かに 会社運営に必要である。従って会社の事業活動を成功に導くような直接的原因或はその逆の原因について、最高経営者 が容易に且つ明瞭に認識できるような形でとの会計的資料が得られなければならない。﹂この見解は正に実際の経営管理 者の経験的産物であり、既に今から八十年以上も前の事情であるが、しかしな器との見解は今日も生きているものと言 わねばならない。 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ ご六五 O
二六六、 ①切。熟し・団‘冨暴露。目①馨︾088底ロぴqこ8霞目。隔窪。ω﹁陣誹ずぎω葎艮①oh竃9匿碧旨。葺”諺真躍お㎝。。闇薯.b。¶H一月。。俳 ②国。身屋8●騨こ唱’b。遷.③切&ざ8・鼻二〇.卜。謡.④冨§畠①日。暮︾80毒二昌α亀.9窪①ぎω蜂暮ooけO曇日け臼巴諺68毒1 5彗の圃昌国昌αq置昌山碧ユ置目①。。℃冨㎝吟⑤切。身りε.鼻.−O●b。謡.⑥︾。・8Pρ毛■嫡目零﹃o男望02①≦↓甑口αq旧ぎ国胃貯 目琴弦け①o昌︾oo8口二昌αq︷o﹃竃慧餌αq①日①旨一昏①︾oooロ旨冨馨”6×××︿。 スーザーランドの見解は古︽一八七五年に書かれた原稿で あるが漸く最近になってアストンにより発表された。 占
A
ボディイの所説に関してはととでは詳細に老察する紙幅は許されていないので次の機会にゆすらねばならないけれど も、上述のととうからも一応彼の管理会計に関する見解は整理できる。即ち、先ず彼の管理会計に関する見解は、彼が 第一に引用した勅許会計士協会による管理会計の定義の中に充分含蓄されているQつまり﹁企業経営がより以上に能率 的に業務活動が出来るように﹂という見解で、管理会計の主体も客体.も共に企業経営或は経営実体に他ならないゆ従っ て管理会計は企業経営の為にそのもつ会計的機能により経営の効果的業務遂行に資するものである。いわば企業会計は 企業経営が自己︵企業経営︶の状態や活動など、その内容について記録計算し観察管理する制度であるという思考が、と の管理会計に関しても全く基本的に適合するものと言わねばならない。 此の点に関してクロスマンの見解は多分に英米生産性協議会報告書の管理会計の定義の申に明瞭である。つまり管理 会計とは経営管理者の為の会計であり、経営管理者の為に経営管理の助けと成るような資料を提供することであるの従 って経営管理者が会計を使用して自己のもつ経営管理職責を果す場合に、初めてこ・に管理会計の認識が生れるのであ る。ある意味で一般的と言われるこのような管理会計の認識は正しく経営管理の為の資料提供任務であり、会計或は管 理会計それ自体を老える場合に全く主体性のない見解と成るのではなかろうかβその結果管理会計は経営管理者の要請により、経営者の為に存すること・成るのであるから、全く経営者会計学であるQ 要するにクロスマンの見解は全く管理者会計、経営者会計であり、とれに対しボディイの所説からは一応経営管理会 計、経営会計が理解される。との類型は経営の概念について、前者には英米流の行為としての経営を考え従って経営者 を思考するに対して、後者には独流の施設としての経営を考え従って経営実体を理解するところによって必ずしも惹起 されるとは思われない。 今一つの問題は、管理会計の発展に関して概括的にクロスマンでは極めて新しい意義が認識されているに対し、ボデ ィイでは可成り歴史的発展的意義が重要視されていることであるρ確かに管理会計の実質的発展基盤は主として今世紀 に入って以来の予算統制、標準原価計算及び内部監査の発展に待つととろ大であり、ごの点両者同意見であるりしかし クロスマンではこの予算統制や標準原価計算が非常に発展し.て、経営管理者がこれら諸制度を充分に有意義に利用して 経営管理に資するように成って始めてと・に管理会計の発展が認識されたものと思われる。これに対してボディイにあ っては最初から会計或は経営計算の本質的機能に着目して、会計の本来的経営管理機能の進展が時代と共に益々強く意 識されて来たのであるQ クロスマンはとの考察の結論として、大規模企業の出現による経営管理の重要性とその為の会計に関奏して次のよう に言うQ広範な会計の分野においては全く新しい発展は何もない。た、∫大企業の出現と共に雇傭者的経営者グループの 登場によって、彼ら経営者の要請に応ずるべく業務資料の記録報告に益々重要性が高まったととは明瞭である。アメリ カ経済に器ける要因としての大会社の出現は、結果的には会計の諸目的の中で個人所有者や短期的債権者の要請に応ず る目的から、.千万ドル企業や億万ドルの夫企業の経営業務活動を成功的に計画し統制するに際して、経営者に有益なる 資料を提供するという目的へと移行した。明らかにこれは会計の目的の申でい銀行に対する信用目的や債権者に対する 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二六七
二六八 保全目的などと並んで、経営者に対する管理奉仕目的の認識に他ならない。 。 クロスマンは最後に﹁本質的にすべての会計は管理会計である﹂と意義深く要言しているが、果してこれが理解は会 計の本質的機能に着目せるものであるか、それとも大企業における経営管理の重要性により会計の奉仕を意識せるもの であるか。更には単純に企業会計はすべて結局経営者の為の会計であるという認識にもとつくものであろうか。 何れにしても会計の本質的機能に理解を求めて後に管理会計の特質を考察するならば、.上述の要言は正に次のような 意味に理解されるべきであろう。即ち、 コ経営計算制度の不完全なる企業は非常に危険にさらされていると言わねばな らないQ恰も入体の神経作用が不完全で、感受機関が充分なる機能を発揮できないのと同様である。企業においても人 体と同様に疾病もあれば外傷もあり中毒もあり得る。これを早期に的確に発見するのはその神経作用たる経営計算制度 であるGL ⑤ とのような理解に相通するものとしてボディイは上述論難の序に次のように述べている。即ち、企業経営には経営管 理統制以上に影響を及ぼす要因があろうけれども、就中、健全な管理会計制度は屡々予防すべき失敗の逆流を充分に警 告するととが出来るのである。
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山本安次郎著﹁経営管理論﹂七二頁。 O目。ωのヨ騨戸070剛け・噛07詑ゆ1卜。ミ・ O﹁8ω露国PoO・自ごO’卜診卜⇒刈. 土岐政蔵著﹁経営計算論﹂五頁。 切。山ざ。やqけこO・ミH● 、 、七 以上要言するに先ず企業経営における指導理念が資本主概念から経営実体概念に、そして所有概念から経営管理概念 へと変遷するにつれて、必然的に会計の機能並びに目的も重点の移行をみた。即ち、との動向が管理会計の本質的性格 を理解する上に大いに資するところは明確である。しかしながら近時の管理会計の発展基盤を成している雇傭者的経営 者の登場や原価会計の発展や、更には業務管理・管理報告書・内部監査の重要性などは、何れも会計の管理的機能を充 分に理解せすしては認識出来ないものと信ずる。従って今日の管理会計の発展は、正に企業経営自らの内在的要請の蓄 積の結果に他ならないQかくして管理会計は本質的には﹁経営者﹂の会計ではなく、﹁経営﹂の会計であり、﹁経営﹂計 算制度でなければならない。との点に関しては未だ考察不充分であるから、追って別の機会を待たなければならない。 ︵一九五八.八・二八︶﹁ 管理会計の本質的性格に関する一考察︵可児島︶ 二六九