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水深による底開式土運船堆積形状の変化について

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Academic year: 2022

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水深による底開式土運船堆積形状の変化について

西松・国土総合・熊谷・戸田・錢高 JV 正会員 田渕 弘○堀井 隆弘 西松建設土木設計部 正会員 斎藤禎二郎 関西国際空港㈱建設事務所 立野 雅人 秋浜 政弘

1.はじめに

現在、2007 年供用開始を目指し、関西国際空港2期空港島用地造成 工事が行われている。本工事では、900 万 m3 を土運船にて埋立を行う 計画である。

近年、埋立工事において軟弱地盤上への埋立や施工箇所の大水深化 が進み、土砂投入においては当工事では将来の不同沈下を抑制するた め薄層かつ均一に堆積形状を管理する必要がある。作業船の大型化に 伴い各土運船の堆積形状が出来形へ与える影響が大きいため、土運船 の投入位置は、各土運船の堆積形状を把握し決定しなければならない。

現有作業船の当工事における就役比率を図-1に示すように全国に現有する 3,000m3 級の底開式土運船の 約 8 割が就役している。そこで多種多様な土運船の堆積形状の抽出を行い、堆積特性の調査を行った。調査 結果より、堆積特性は条件に応じて

2

山形状から

1

山形状への変化と最大堆積厚の変化からなることが判っ た。形状の変化は、土運船によって異なる投入速度と投入水深に相関性があり、堆積厚は形状と投入水深に 相関性があると考えられる。

2.投入速度と堆積特性

投入実績から同一水深において堆積形状を比較した場合、各土運船により形状が異なる結果となった。こ れは堆積形状が投入速度と強い相関があるためと考えられる。今回、投入速度と堆積形状の関係を調査する にあたり、段落とし施工(同土源・同一日・同バージ)で投入時間を調査し比較した。段落とし施工とは、

2~5土艙に分割されているバージの1土艙づつ投入する手法であり、小規模な凹部への投入の際に行われ る。このとき、土運船の浮力の違いから船首側の土艙を投入する時間と比較し、船尾側の投入する時間が早 くなる。図―2 に段落とし施工による堆積形状と投入速度を示す。

図 ―2 堆積形状と投入速度

図-2のとおり投入速度の速い船尾部では2山形状となり、投入速度の遅い船首部では1山形状になる結 果が得られた。このことは、同積載量の投入速度の異なる土運船においても同様に、投入速度が速い土運船 は2山形状となり遅い船は1山形状となる傾向がある。

キーワード 底開式土運船,堆積形状,投入速度,堆積厚さ

連絡先 〒597-0094 大阪府貝塚市二色南町13番地 TEL 0724-32-4473 船首側→

←船尾側

←投入速度:速い 投入速度:遅い→

2期空港就役 78%

未就役 22%

図-1 現有作業船(3,000m3級)就役比率

社)日本作業船協会・現有作業船一覧2001より 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑657‑

VI‑329

(2)

3.投入水深と堆積特性

前項より底開式土運船の堆積特性は同一水深において投入速 度により各土運船毎に堆積特性が異なる。

ここに、各土運船における各尾根部の最大堆積厚部の離れ幅 Bと投入水深との関係を図 ―3に示す。図 ―4のように底開式 土運船の堆積特性は、投入水深によっても異なり、深い場合は 2山形状となり、浅くなるにしたがって尾根部が近接していき 最終的に1山に収束していくものと考えられる。このことから、

堆積特性と投入水深に強い相関があると考えられる。

図-3 Bと投入水深との関係

4.堆積厚さ

図-5は、今回調査した-18mから-8mにおいてほぼ中央 ある-10m付近にて 1 山形状を示した土運船の堆積厚さの推 移である。これより、最大堆積厚さは、水深が浅くなるにつ れて徐々に大きくなり、-10m付近において急激に堆積厚が増 加していることがわかる。

最大堆積厚さは水深に対して反比例するものの、2山形状か ら1山形状となる際に急激に増加する。1山形状となった後 は、ほぼ一定に増加していく。

図-5 堆積厚と投入水深との関係 5.まとめ

埋立工事において、将来の不同沈下を抑制するため薄層均一に土砂投入を行うことが重要である。個々の 工事によって、施工規模が異なり使用船舶の形式及び隻数が異なる。計画時においては、土運船の特性を十 分把握し使用予定船舶に見合う適正な層厚を設定することが重要である。また、施工時においては、土運船 堆積形状を正確に予測し出来形をより設定層厚に近づけることが必要である。

全国に現有する底開式土運船の約6割を使用した本工事における堆積形状の実績及び傾向は、同一条件で の比較資料として他に類を見ないものである。今後、土運船を用いた埋立工事においてこの傾向は、類似す るものと思われ、計画の立案及び施工に活用できると考える。

参考文献

(1)田渕他:土運船投入位置決め手法の定量化,第57回土木学会年次学術講演会,2002(投稿中) 0.0

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

-18.0 -16.0 -14.0 -12.0 -10.0 -8.0 -6.0 投入水深(m)

堆積厚(m)

東亜5003 No.6001

○大TB-3505.6 KDB-3501.3502 平均

水深:深い 水深:浅い

割れ幅B

0 5 10 15 20 25 30 35

1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 投入水深(-m)

B(m)

神8001.2.5号 東亜5003 D-502 No.6001

○大TB-3505.6 KDB-3501.3502 第15.16芳石 摂津201.2号 神B-6003.5号 No.3501.2 AMB-DⅡⅢⅤ B-200 T-1・む-2号 摂津16.17号 あ-1.2号 第6.7芳石 平均

1山形状 2山形状

図-4 堆積形状の変化

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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