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鋼合成桁における主桁作用と床版作用の安全性評価に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)

鋼合成桁における主桁作用と床版作用の安全性評価に関する研究

国土技術政策総合研究所 正会員 ○山﨑健次郎 国土技術政策総合研究所 正会員 玉越 隆史 国土技術政策総合研究所 正会員 白戸 真大 国土技術政策総合研究所 正会員 横井 芳輝 国土技術政策総合研究所 正会員 川見 周平

1.はじめに

道路橋の合成桁の床版は,主桁断面の一部としての作用の応力と床版としての作用の応力を同時に受ける.

このため,道路橋示方書

1)

では,主桁断面の一部としての作用及び床版としての作用それぞれに対して照査す ることに加えて,主桁作用と床版作用を同時に考慮した場

合についても照査を行っている.このとき,それぞれの作 用において支配的となる活荷重の載荷状態が異なる.また,

設計荷重に対応する荷重状態が実際に出現する確率など は交通量や橋梁規模によっても異なることが想定され,過 去に検討が行われた事例もある

2)

.そこで,本研究では車 両列モデル等を考慮したモンテカルロシミュレーション を実施し,信頼性の観点から合成桁の床版における安全性 評価を行った.

2.研究方法

検討対象は,典型的な橋として,

B

活荷重で設計される 鋼単純合成鈑桁橋とし,図-1に示すような格子モデルとし た.着目断面は,図-1に示す主桁作用に対しては道路橋示

方書による断面力が最大となる主桁支間中央部とし,床版作用に対しては配力鉄筋方向の曲げモーメントが最 大となる床版支間中央部とした.

渋滞列シミュレーションは図-2に示すフロー及び以下の条件により行った.

①床版の上を走行させる車両列は,活荷重実態調査(WIM)の統計データ

3)

から,車両分布特性,車間距離,レ ーン内における車両位置の横ぶれを考慮し設定する.

②車両列の交通特性は,平均日交通

32,000

台,大型車混

入率

50%の道路で計測された WIM

データに基づき,大型

車混入率が

30%となるように調整し,モデル化する.

③活荷重の載荷方法は①,②で設定した十分に長い車両列 から切り出して載荷する方法を用いる.

④渋滞を朝夕各

1

回と仮定した場合の

100

年間に発生する 渋滞回数は

73,000

回となることから,さらに統計的信頼 性を考慮してそれを一桁上回る回数の

10

万回の載荷を行 い,その最大値を着目点に与える車両列を求める.

⑤上記の計算を

1,000

回繰返し,1,000 個の最大応答値を 抽出し最大値分布を求める.

キーワード 合成桁,重ね合わせ,モンテカルロシミュレーション,信頼性設計

連絡先

305-0804

茨城県つくば市旭1番地 国土技術政策総合研究所 橋梁研究室

TEL: 029-864-4919

対象橋梁の設定

主桁に着目 床版に着目

渋滞シミュレーションを用いた主桁

着目点の最大断面力の算出 渋滞シミュレーションを用いた床版 着目点の最大断面力の算出

主桁着目点に最大断面力を与え る渋滞車列を抽出

床版着目点に最大断面力を与え る渋滞車列を抽出

②の渋滞車列を用いて床版に作 用する断面力を算出

②の渋滞車列を用いて主桁に作 用する断面力を算出

①~③を1000回繰返し、それぞれ の重ね合わせ応力度を算出し、最

大値分布を求める

①~③を1000回繰返し、それぞれ の重ね合わせ応力度を算出し、最

大値分布を求める

繰返 繰返

図-2 渋滞列シミュレーション方法 図-1 検討対象橋梁(鋼単純合成鈑桁)

支間長 43.5m

6

2.7m=16. 2m

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑395‑

Ⅰ‑198

(2)

3.シミュレーション結果 (1)断面力最大値分布

10

万回の渋滞列シミュレーションを行い,

主桁着目点,床版着目点に最大断面力を与える 渋滞車列をそれぞれ求めるだけでなく,主桁着 目点に最大断面力が生じたときの床版着目点 の断面力,また,その逆の場合の断面力を同時 に求めた.これを

1000

回行った.図-3 a)は,

主桁着目点に最も厳しい断面力を与える

1000

個の載荷状態であり,図-3 b)はそのときの床版 の断面力分布である.それぞれ道示で与えられ る断面力と比較している.床版の断面力は,道 示で与えられる断面力よりも小さい.また,床 版着目点に最も厳しい断面力を与える載荷状 態のときも,床版の最大断面力は道示で与えら れる断面力よりも小さい.

(2)重ね合わせ応力度の評価

図-4 には主桁着目点又は床版着目点に最大 断面力を与える渋滞車列において,主桁作用と 床版作用を重ね合わせたコンクリート圧縮応 力度の分布を示す.道示による重ね合わせ応力 度は,シミュレーションによる結果の最大値分 布における最大値を超えたところに位置して いることがわかる.図-5には主桁作用と床版作 用それぞれに着目した断面力最大値分布の非

超過確率

95%値の載荷状態となる渋滞車列を示す.主桁又は床版着目点

に不利な状態を与える車列状態が異なることからも,これらの作用が重 なり同時載荷される状態とはならないと考えられる.

着目点の断面力最大値分布において,非超過確率

95%値による断面力

を用いて主桁作用と床版作用の重ね合わせによるコンクリート圧縮応力 度を算出した結果を図-6 に示す.本橋の場合には,重ね合わせによる応 力度は,主桁着目点が不利となる載荷状態の場合より床版着目点が不利 となる載荷状態の場合の方が厳しい応力状態となった.

4.結論

合成桁の主桁作用と床版作用の重ね合わせ載荷状態を,渋滞列シミュ

レーションによって確率統計的に推定した.その結果,これまで経験的に定められてきた異なる作用の組合せ 状態に対する安全率を,多様な条件に対して数値的に検証できることがわかった.本検討の対象橋梁形式以外 についても試算を行い,合成桁の安全性評価に用いる荷重組合せの検討を行いたい.

参考文献

1) 道路橋示方書・同解説

II

鋼橋編,社団法人 日本道路協会,平成

24

3

2) 中薗,安川,稲葉,橘,秋山,佐々木:

PC

床版を有する鋼連続合成

2

主桁橋の設計法(上),橋梁と基礎,

2002.2

3) 道路橋の設計自動車荷重に関する試験調査報告書-全国活荷重実態調査-,国総研資料第

295

号,平成

18

1

4.66 4.51

3.55 4.51

2.42 3.72

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

許容応力度 道示 主桁着目 床版着目 床版応力度[N/mm2]

床版作用による応力度 主桁作用による応力度

8.57N/mm2

増 非 考 慮 の 許 容 応 力 度 12.0N/mm2

割 増 4 0

%

(0.49)

(0.51) (0.35)

(0.65) (0.51)

(0.49)

図-6 非超過確率

95%値

による応力度

-9 -6 -3 0 3 6 9

-5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

車種21 車種

車種 1 1 車種 車種 1

1

車種 1 車種 車種4 1 車種2 車種4 車種4

車種 車種4 車種4 1 車種4 車種3

車種 車種7 車種2 1 車種2 車種

1 車種 車種 1

1

-9 -6 -3 0 3 6 9

-5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

車種 車種4 1 車種 車種14

1 車種

1 車種

1 車種

1

車種 車種2 1 車種7 車種18

車種 1 車種

1

車種 車種4 1 車種 車種2 1 車種 車種7

1 車種

1 車種

1

a)

主桁作用に着目した車列

b)

床版作用に着目した車列

図-5 非超過確率

95%値の渋滞車列図

図-3 着目点の断面力最大値分布(主桁着目点最大)

a)

主桁作用

b)

床版作用

0.00 0.10 0.20 0.30

2000 2400 2800 3200 3600 4000 4400 4800

相対頻

着目点断面力[kNm]

【最大値分布の特性】

平均値 3229.9kNm 標準偏差 424.7kNm 変動係数 0.132 最大値 4543.0kNm 最小値 2547.8kNm

↑道示(L荷重) 4299.8kN・m

↓非超過95%値 4157.3kN・m

道示(L荷重) 非超過95%

0.000 0.100 0.200 0.300

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

相対頻度

着目点断面力[kNm]

【最大値分布の特性】

平均値 6.051kNm 標準偏差 1.970kNm 変動係数 0.325 最大値 12.712kNm 最小値 1.788kNm

↑道示(T荷重) 17.971kN・m

↓非超過95%値 9.624kN・m

道示(T荷重) 非超過95%

図-4 着目点の重ね合わせ応力度最大値分布

a)

主桁着目点最大

b)

床版着目点最大

0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600

0 2 4 6 8 10 12 14

相対頻

重ね合わせ応力度[N/mm2]

【最大値分布の特性】

平均値 5.132N/mm2 標準偏差 0.964N/mm2 変動係数 0.188 最大値 8.320N/mm2 最小値 3.293N/mm2

↑道示 9.17 N/mm2

↓非超過95%値 7.27 N/mm2

非超過95%

道示 0.000

0.100 0.200 0.300 0.400 0.500

0 2 4 6 8 10 12 14

相対

重ね合わせ応力度[N/mm2]

【最大値分布の特性】

平均値 5.020N/mm2 標準偏差 0.954N/mm2 変動係数 0.190 最大値 8.116N/mm2 最小値 3.210N/mm2

↑道示 9.17 N/mm2

↓非超過95%値 6.93 N/mm2

非超過95%

道示

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑396‑

Ⅰ‑198

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